JP5415397B2 - 端子および端子の製造方法 - Google Patents
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ところで、自動車等の車両に用いられるDCブラシレスモータなどの回転電機の中には、一対の略平行な重合面と、一対の端面とを備えた断面略矩形状の導線が、ステータに巻回されたものがある。各ステータに巻回された導線の端部は、バスリングに接続され、このバスリングが端子具に接続される。そして近年、この種の回転電機にあっては、部品点数の低減や、工数の削減のためにバスリングの廃止が要望されている。
図1〜図3に示すように、この実施形態の端子1は、導線2と、該導線2の端部2aに接続された端子具3とを備えて構成される。
導線2は、一対の略平行な重合面10と、一対の略平行な端面11とを備え、その縦断面が略矩形を呈したいわゆる角線である。この導線2の外表面には所定温度以上の加熱により溶融可能な絶縁被覆(図示せず)が施される。
まず、筒状部14の上壁17の内壁面20および下壁15の内壁面21に対して重合面10が所定の角度をなすとともに、筒状部14の内壁面20,21と、導線2の重合面10と、この導線2に隣り合う導線2の端面11との間に絶縁材導出空間部22が形成されるように導線2を配置する。
次いで、電極25によって、端子具3の1対の内壁面20,21を挟み込むように押圧して、導線2および端子具3を熱圧着する。
一対の電極125のうち上壁17側の電極125は、筒状部14の上壁17に対して略平行な上壁加圧面124aと、傾斜して配置された導線2の重合面10と略平行に形成された上側傾斜面30を有している。
同様に、下壁15側の電極125は、筒状部14の下壁15に対して略平行な下壁加圧面124bと、傾斜して配置された導線2の重合面10と略平行に形成された下側傾斜面31を有している。
まず、筒状部14の上壁17の内壁面20および下壁15の内壁面21に対して重合面10が所定の角度をなすとともに、筒状部14の内壁面20,21と、導線2の重合面10と、この導線2に隣り合う導線2の端面11との間に絶縁材導出空間部22が形成されるように導線2を配置する。
次いで、電極125の加圧面124a,124bによって、筒状部14の1対の内壁面20,21を挟み込むように押圧すると共に、電極125の上側傾斜面30および下側傾斜面31によって、筒状部14の1対の内側壁面18を挟み込むように押圧して導線2および端子具3を熱圧着する。
上壁17の内壁面20による押圧力は、下方に向かう圧縮荷重aとなる。この圧縮荷重aが作用することで、傾斜して配置された導線2が更に倒れようとして、導線2の重合面10同士を密着させる方向に圧縮荷重aの分力bが作用する。また、複数の導線2のうち、傾斜方向の最も外側に配置される導線2の重合面10が筒状部14の内側壁面18に当接しており、上記分力bに抗する反力cが発生する。
上述した第1実施形態では、筒状部14の側壁16が予め傾斜している場合について説明したが、重合面10の少なくとも一部が内側壁面18に接していればよく、例えば、図7に示すように、上壁17および下壁15に対して略垂直に形成されるようにしても良い。端子具3の筒状部14の内側壁面18に導線2の重合面10のうち少なくとも一部が接していることで、重合面10同士が密着される方向に作用する押圧力に抗する反力cが、重合面10同士を密着させる方向に作用するため、隣り合う導線2の重合面10同士の接合強度の更なる増加を図ることができるとともに、重合面10同士が対向する部分への絶縁材の残存をより効果的に防止することができる。
さらに、上述した実施形態では、端子具3が、円環板状の被締結部12を有する場合について説明したが、被締結部12は円環板状に限られず、例えば先開型や差込型など、適宜用いればよい。また、被締結部12を備える端子具3を一例にして説明したが、直線スリーブ等であっても良い。
2 導線
3 端子具
10 重合面
11 端面
20,21 内壁面
22 絶縁材導出空間部
Claims (6)
- 一対の略平行な重合面と、一対の端面とを備え、周囲を絶縁材によって被覆した導線と、該導線を複数収容する端子具とが熱圧着されて形成された端子であって、
前記端子具は、一対の略平行な内壁面を備え、
前記導線は、前記端子具の前記内壁面に対して前記重合面が所定の角度をなすように傾斜して配置され、
前記端子具の前記内壁面と、前記導線の重合面と、該導線と隣り合う導線の端面との間に絶縁材導出空間部が形成されることを特徴とする端子。 - 熱圧着する際に、前記端子具の1対の前記内壁面により前記導線が挟み込まれて押圧されることを特徴とする請求項1に記載の端子。
- 前記端子具は、1対の内側壁面を備え、
前記導線の重合面の少なくとも一部が前記内側壁面と接していることを特徴とする請求項2に記載の端子。 - 1対の略平行な重合面と1対の端面とを備えた導線の周囲を絶縁材によって被覆した導線と、1対の略平行な内壁面を備えて、該導線を複数収容する端子具とを備えた端子の製造方法であって、
前記端子具の前記内壁面に対して前記重合面が所定の角度をなすとともに、前記端子具の前記内壁面と、前記導線の重合面と、該導線に隣り合う前記導線の端面との間に絶縁材導出空間部が形成されるように前記導線を配置する工程と、
前記導線および前記端子具を熱圧着する工程と、
を含むことを特徴とする端子の製造方法。 - 前記導線および前記端子具を熱圧着する際に、前記端子具の1対の前記内壁面を挟み込むように押圧することを特徴とする請求項4に記載の端子の製造方法。
- 前記端子具は1対の内側壁面を備え、
前記導線および前記端子具を熱圧着する際に、前記端子具の1対の前記内側壁面を挟み込むように押圧することを特徴とする請求項4又は5に記載の端子の製造方法。
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