JP5412886B2 - 難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、環境負荷を低減した難燃性ポリ乳酸組成物に関し、より詳しくは、成形体の成形時におけるポリ乳酸系樹脂の結晶化が阻害されるのを抑制し、耐熱性、難燃性に優れる成形体を効率よく成形することができる難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物に関する。
近年、石油原料の代替として、バイオプラスチックであるポリ乳酸樹脂が注目され、その実用化が各種用途で盛んに行われ、一部では、既に製品化されている。その用途としては、容器包装や農業用フィルム等のように使用期間が短く、廃棄を前提とした用途や、家電製品やOA機器のハウジング及び自動車用部品等のように、初期の特性を長期間保持できるような高機能用途まで、多岐に亘っている。
しかしながら、ポリ乳酸は燃えやすい樹脂のため、家電製品やOA機器のハウジングや自動車部品等のように、高度な難燃性が要求される用途に使用する場合には、難燃化対策が必要である。
ポリ乳酸の難燃化については、難燃化効率の高い臭素化合物等のハロゲン系難燃剤を樹脂に配合する方法が考えられる。しかし、ポリ乳酸にハロゲン系難燃剤を添加した場合には、環境負荷を増大させる上、溶融混練を反復して行うと樹脂が劣化して、難燃性や耐衝撃性等の物性が低下し、再利用するには問題がある。
本出願人は、ポリ乳酸の熱分解の要因となるアルカリ成分を低減した金属水和物と、炭化剤としてフェノール類樹脂を併用した難燃性樹脂組成物(特許文献1)を既に開発している。この難燃性樹脂組成物においては、水酸化アルミニウム等の無機難燃剤を50質量%程度添加し、それに加えて、低分子量のフェノール樹脂等を炭化剤として併用することにより、ポリ乳酸の難燃性を更に高めている。また、ポリ乳酸に金属水和物を添加すると樹脂組成物の靭性が大きく低下してしまうため、その対策として、公知の柔軟成分や可塑剤を併用すればよいことを示している。しかしながら、柔軟成分や可塑剤は燃え易い素材であるため、靭性を向上させるためにその添加量を増大させると、難燃性が低下することから、優れた靭性と難燃性の双方を高度に備えることが要求される、家電製品やOA機器のハウジングや自動車部品等にこの組成物を適用すること問題があった。
本出願人は、金属水和物を増量することや、柔軟成分や可塑剤を減量することなく、特定のフェノール樹脂を炭化剤として用いることにより、難燃性と靭性と両方を改良したポリ乳酸組成物を既に開発している(特許文献2)。
しかしながら、ポリ乳酸は結晶性樹脂であり、その本来の材料特性を発揮させるためには、樹脂を結晶化させることが重要であり、充分に結晶化したポリ乳酸は、耐熱性等、機械的特性に優れている。しかし、ポリ乳酸は、結晶化速度が遅いために、短時間で成形しようとすると結晶化が不充分となり、耐熱性や弾性率等が低下してしまう傾向がある。結晶核剤としてリン酸エステル金属塩とを含むことにより、結晶化速度を向上させ耐熱性や耐衝撃性に優れる成形体が得られるポリ乳酸系組成物(特許文献3)が報告されている。しかし、特許文献3に記載されるポリ乳酸系樹脂組成物は、難燃性に優れる成形体が得られるものではない。フェノール樹脂はリン酸エステル金属塩の結晶核生成を阻害することから、特許文献3に記載されるポリ乳酸系樹脂組成物にフェノール樹脂を難燃性剤として使用することはできない。結晶性に優れるポリ乳酸系樹脂が本来有する耐熱性、機械的特性を生かし、難燃性を有するポリ乳酸系樹脂組成物を得ることは容易なことではない。
WO2005/061626 特願2008−673 特開2003−192884号公報
本発明の課題は、塩素系難燃剤を使用せず、フェノール樹脂を含有することにより難燃性を有し、再利用を可能とし、環境負荷を低減し、しかも、フェノール樹脂の存在により成形体の成形時における有機結晶核剤の機能が阻害されるのを抑制し、ポリ乳酸系樹脂の結晶化を促進させ、フェノール樹脂に起因する難燃性に加え、ポリ乳酸系樹脂が本来有する耐熱性、機械特性を発揮させることにより、難燃性がより向上した成形体を効率よく成形することができる難燃性ポリ乳酸組成物を提供することにある。
本発明者らは炭化剤としてフェノール樹脂を用いるポリ乳酸の難燃化について更に研究を進めた。
ポリ乳酸系樹脂の溶融温度においてフェノール樹脂に対する溶解度が10質量%以下の有機結晶核剤を使用することにより、有機結晶核剤が溶融したポリ乳酸系樹脂に分散され、結晶核を生成することができ、これにより、ポリ乳酸系樹脂の結晶化が阻害されるのが抑制されると共に、フェノール樹脂による難燃性の効果も得られることの知見を得た。これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリ乳酸系樹脂と、フェノール樹脂と、有機結晶核剤とを含有する難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物であって、有機結晶核剤がポリ乳酸系樹脂の成形時の溶融温度におけるフェノール樹脂に対する溶解度が10質量%以下であり、ポリ乳酸系樹脂100質量部に対し、フェノール樹脂を1質量部以上、20質量部以下、有機結晶核剤を0.1質量部以上、5.0質量部以下の範囲で含有し、フェノール樹脂が重量平均分子量が1500以上、数平均分子量が800以上であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物に関する。
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物は、塩素系難燃剤を使用せず、フェノール樹脂を含有することにより難燃性を有し、再利用を可能とし、環境負荷を低減し、しかも、フェノール樹脂の存在により成形体の成形時における有機結晶核剤の機能が阻害されるのを抑制することができる。このため、フェノール樹脂に起因する難燃性に加え、ポリ乳酸系樹脂の結晶化を促進させ、ポリ乳酸系樹脂が本来有する耐熱性、機械特性を発揮させることにより、難燃性がより向上した成形体を効率よく成形することができる。
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂と、フェノール樹脂と、有機結晶核剤とを含有する難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物であって、有機結晶核剤がポリ乳酸系樹脂の成形時の溶融温度におけるフェノール樹脂に対する溶解度が10質量%以下であり、ポリ乳酸系樹脂100質量部に対し、フェノール樹脂を1質量部以上、20質量部以下、有機結晶核剤を0.1質量部以上、5.0質量部以下の範囲で含有し、フェノール樹脂が重量平均分子量が1500以上、数平均分子量が800以上であることを特徴とする。
[ポリ乳酸系樹脂]
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物に用いるポリ乳酸系樹脂としては、バイオマス原料から抽出されるポリ乳酸やこれらの誘導体、又は、バイオマス原料から得られる乳酸やそのオリゴマー、これらの誘導体を用いて合成される縮重合物の他、バイオマス原料以外を原料とする合成物であってもよい。ポリ乳酸系樹脂としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、これらの共重合体であってもよく、乳酸と他のモノマー、例えば、乳酸とエステル形成能を有するヒドロキシカルボン酸等との共重合体を含むものであってもよい。かかるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができる。これらのポリ乳酸は側鎖を有するものであっても、また架橋構造を有するものであってもよい。
ポリ乳酸の分子量はいずれであってもよく、流動性を高めるために低分子量とすることも、また、溶融張力を高めるために高分子量とすることもできる。
ポリ乳酸系樹脂の結晶性は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した測定値から求めることができる。ポリ乳酸系樹脂を200℃で溶融した後、20℃/分で降温し、100℃を保持し、100℃になった時点から結晶化による発熱ピークの頂点までの時間を測定したとき、短い程結晶性が高く、10分未満であれば、成形品を効率的に製造することができ、実用的であることから好ましい。
[フェノール樹脂]
上記フェノールノ樹脂は、加熱されると多量の炭化物を生成し、この炭化物がポリ乳酸系樹脂から発生した易燃性の分解ガスを捕捉し、外部への分解ガスの拡散を抑制して樹脂の延焼を抑制する。また、フェノール樹脂が分解ガスを捕捉して膨張し、着火の熱を遮断し、樹脂の難燃性を改善できる。
フェノール樹脂は軟化点が110℃以上220℃以下であることが、ポリ乳酸系樹脂に靭性を付与できることから好ましい。フェノール樹脂の軟化点が110℃以上であれば、フェノール樹脂の分子がポリ乳酸系樹脂の結晶の粒界を接続可能な長さの分子鎖を有し、得られる成形体において靭性を向上させることができる。一方、フェノール樹脂の軟化点が、220℃以下であれば、ポリ乳酸系樹脂中におけるフェノール樹脂の分散性が良好であり、組成物中に均一に分散され、難燃性の向上を図ることができる。
ここで、軟化点は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した測定値から求めることができる。具体的には、10℃/分で昇温し、融点に伴う吸熱ピーク温度を軟化点として得る。
フェノール樹脂の分子量は、軟化点の上昇に伴い分子量が増加する傾向にあり、上記軟化点と関連するが、高分子量で、且つ低分子量成分を低減したものが好ましい。ゲルろ過クロマトグラフ測定における、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が1500以上、数平均分子量が、800以上であることが好ましい。
フェノール樹脂は酸化され、変色を生じやすいので、意匠性が要求される用途では、酸化防止剤を併用することが好ましい。フェノール樹脂の着色の原因としては、水酸基がキノンに変化することが挙げられることから、水酸基をグリシジルや、エチレンオキサイド等の保護基で保護して用いてもよい。
かかるフェノール樹脂としては、フェノールとホルムアルデヒドとの共重合体であるフェノールノボラック樹脂は上記効果が顕著であることから、好ましい。その他フェノール樹脂としては、クレゾールノボラック樹脂、フェノールキシレンアラルキル型樹脂、フェノールビフェニレンアラルキル型樹脂、ビスフェノールA型フェノール樹脂、ビスフェノールF型フェノール樹脂、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ビフェニル異性体のジヒドロキシエーテル型フェノール樹脂、ナフタレンジオール型フェノール樹脂、フェノールジフェニルエーテルアラルキル型樹脂、ナフタレン含有ノボラック型樹脂、アントラセン含有型ノボラック樹脂、フルオレン含有ノボラック型樹脂、ビスフェノールフルオレン含有ノボラック型樹脂、ビスフェノールF含有ノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノールA含有ノボラック型フェノール樹脂、フェノールビフェニレントリアジン型樹脂、フェノールキシリレントリアジン型樹脂、フェノールトリアジン型樹脂、トリスフェニロールエタン型樹脂、テトラフェニロールエタン型樹脂、ポリフェノール型樹脂、芳香族エステル型フェノール樹脂、環状脂肪族エステル含有フェノール樹脂、エーテルエステル型フェノール樹脂及びフェノキシ樹脂等を挙げることができる。また、その他のフェノール類として、ビフェノール、キシレノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、カテコールやカテコール樹脂を挙げることができる。さらに、カテコールと芳香族類の誘導体を共重合させて得られる、カテコールビフェニレンアラルキル樹脂やカテコールキシレンアラルキル樹脂等も使用できる。加えて、リグニンやその類縁体、例えば、リグノフェノール類を使用してもよい。
フェノール樹脂のポリ乳酸系樹脂組成物中の含有量としては、ポリ乳酸系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上、20質量部以下の範囲である。これにより、ポリ乳酸系樹脂組成物に流動性を付与し、得られる成形体に、難燃性及び靭性に加え、耐熱性を付与することができる。フェノール樹脂の含有量が0.1質量部以上であれば、難燃性と靭性の向上効果が得られ、20質量部以下であれば、耐熱性、特に荷重たわみ温度(HDT)の低下を抑制することができる。
[有機結晶核剤]
上記有機結晶核剤は、ポリ乳酸系樹脂の成形時において、結晶核を形成し、その結晶化を促進させる作用を有するものであり、フェノール樹脂に対する溶解度がポリ乳酸系樹脂の成形時の溶融温度において10質量%以下である。ポリ乳酸系樹脂の成形時の溶融温度におけるフェノール樹脂に対する有機結晶核剤の溶解度が10質量%以下であれば、ポリ乳酸系樹脂に分散し、その結晶化を促進することができる。有機結晶核剤は、無機結晶核剤と比較して、成形時にポリ乳酸系樹脂に容易に混合、分散され、結晶核を安定して生成し、ポリ乳酸系樹脂の結晶化速度を促進することができる。フェノール樹脂に対する有機結晶核剤の溶解度が10質量%を超えると、必要な添加量が増加し、微細結晶が得られず、実用的でなくなる。
有機結晶核剤の融点は、ポリ乳酸系樹脂の溶融温度より高く、溶融温度が180℃近傍のポリ乳酸系樹脂に対し、微分散を目的として樹脂内で溶融する必要がある場合は、溶融添加の際にポリ乳酸が分解するのを防ぐ目的から、300℃以下が好ましく、より好ましくは250℃以下である。微細結晶を樹脂に添加する場合は、溶融する必要はないので、融点がポリ乳酸樹脂分解温度以上であればよい。結晶核剤として機能するには、有機結晶核剤の融点は、ポリ乳酸のガラス転移温度よりも高い必要があるため、融点の下限としては、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上である。
かかる有機結晶核剤としては、例えば、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミドやフェニルリン酸亜鉛を好適に用いることができる。
有機結晶核剤のポリ乳酸系樹脂組成物中の含有量としては、ポリ乳酸系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上、5.0質量部以下の範囲であり、ポリ乳酸系樹脂の結晶化促進効果が高い有機結晶核剤の含有量が0.1質量部以上であれば、充分な結晶核を形成することができ、5.0質量部以下であれば、結晶核剤のポリ乳酸系樹脂への分散性が低下するのを抑制することができる。
[添加物]
上記難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物には、上記構成物の機能を阻害しない範囲で、添加物を含有させることができる。かかる添加物としては、ドリップ防止剤を挙げることができる。ドリップ防止剤は、ポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形した成形体の燃焼時にドリップ(滴下)を抑制する機能を有するものである。ドリップ防止剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びアクリル変成したPTFE等の有機繊維が好ましい。これらのドリップ防止剤を使用する場合は、ポリ乳酸樹脂組成物中、ドリップ防止剤の含有量が1質量%以下であることが好ましい。これらのドリップ防止剤の含有量が1質量%以下であれば、ペレットを作成する際に造粒性が良好である。
また、添加物として、高強度繊維を使用することができる。高強度繊維を用いることにより、ポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形した成形体の衝撃強度を向上させることができる。高強度繊維としては、アラミド繊維やナイロン繊維等のポリアミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、超高強度ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等を挙げることができる。また、無機系の繊維として、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維等を挙げることができる。アラミド繊維やポリアリレート繊維は芳香族化合物であり、他の繊維に比べ耐熱性が高く、且つ高強度であること、淡色であることから成形体の意匠性を損なわず、比重も低く、特に好ましい。高強度繊維の形状は、繊維断面が円形ではなく、楕円、多角形、不定形、若しくは凹凸のある形状、両端部分を中心部より太くしたような一種のくさび形状や、一部にくびれがあるもの、非直線状の縮れた形状を有するもの、アスペクト比が高いもの、繊維径の小さいものが、樹脂との接合面積が大きくなり、繊維とマトリックス樹脂の脱結合効果が増大し、繊維の引き抜き時の摩擦が増大し衝撃緩和効果が増し、衝撃強度が向上するため、好ましい。
また、高強度繊維には必要に応じて、マトリックス樹脂との親和性又は繊維間の絡み合いを高めるために、表面処理を施すことができる。表面処理方法としては、充填材の表面改質に使用できる処理方法を適用することができ、例えば、シラン系、チタネート系等のカップリング剤による処理、オゾンやプラズマ処理、さらには、アルキルリン酸エステル型の界面活性剤による処理等が有効である。
また、上記高強度繊維の他、植物繊維も使用できる。かかる植物繊維とは、植物に由来する繊維をいい、具体的には、木材、ケナフ、竹、麻、亜麻等から得られる繊維を挙げることができる。これらを脱リグニンや脱ペクチンして得られるパルプ等も、熱による分解や変色が少ないため好ましく使用することができる。ケナフや竹は光合成速度が速く成長が速く、二酸化炭素を多量に吸収できることから、地球温暖化、森林破壊という環境問題の対応策の一つとしてもこれらを使用することは好ましい。また、これらの繊維は、樹脂の結晶核剤として作用して、ポリ乳酸組成物の荷重たわみ温度を上昇する等、耐熱性を向上させ得る。これらの繊維は、平均繊維長が10mm以下のものが好ましい。
また、上記添加物として、耐加水分解抑制剤を用いることができる。ポリ乳酸を始めとしてポリエステル樹脂に含まれるエステル結合は、一般的に、加水分解しやすいが、耐加水分解抑制剤を用いることによりこれらの加水分解を抑制することができる。加水分解抑制剤としては、ポリエステル樹脂に含まれる活性水素を含有する官能基と反応性を有する化合物を使用することができる。ポリエステル樹脂に含まれる官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基等を挙げることができ、これらの官能基と反応性を有する化合物としては、特許文献2に記載の、カルボジイミド化合物、脂肪族炭素鎖を有するカルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物を挙げることができる。
上記添加物として、難燃助剤を用いることができる。難燃助剤として、樹脂分の炭化を促進する、炭化促進触媒を挙げることができ、具体的には、モリブデン酸亜鉛やスズ酸亜鉛等の化合物、これらの化合物を、例えば、タルク表面に被覆させたもの等を例示することができる。
更に、必要に応じて、フェノール樹脂や有機結晶核剤の機能を阻害しない範囲で、難燃剤や無機結晶核剤を添加剤として適宜配合してもよい。難燃剤としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水和物を挙げることができる。金属水和物は、加熱により分解する際の吸熱作用によってポリ乳酸系樹脂を冷却したり、その際生成する水蒸気によりポリ乳酸系樹脂から生成する可燃性ガスを希釈する機能を有するものであり、例えば、ポリ乳酸系樹脂の混練や成形時の上限温度である250℃以上の温度で分解するものが好ましい。また、難燃剤として、メラミンやイソシアヌル酸化合物等の窒素系難燃剤、赤燐、燐酸化合物、有機リン化合物等のリン系難燃剤を挙げることができる。これらの難燃助剤や難燃剤は、上記繊維等に予め含有させて使用することもできる。
また、無機結晶核剤としては、例えば、タルク、スメクタイト、カオリン、マイカ、モンモリロナイト等のケイ酸塩、シリカ、酸化マグネシウム等を挙げることができる。無機結晶核剤はフェノール樹脂に溶解しないため、その使用量を任意とすることができる。
その他、添加剤として、必要に応じて、可塑剤、他の樹脂、無機フィラー、補強材、酸化チタン等の着色剤、ラジカル補足剤や酸化防止剤等の安定剤、抗菌剤や防かび材等を用いることができる。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、砂、粘土、鉱滓等を挙げることができる。補強材としては針状無機物等、抗菌剤としては、銀イオン、銅イオン、これらを含有するゼオライト等を挙げることができる。
上記ポリ乳酸系樹脂以外の樹脂としては、石油由来の樹脂、バイオマス由来の高分子化合物等いずれであってもよく、ポリ乳酸系樹脂組成物における結晶性や難燃性を阻害しない範囲で含有することができる。石油由来の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シアネート系樹脂、イソシアネート系樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化型ポリイミド、熱硬化型ポリアミド、スチリルピリジン系樹脂、ニトリル末端型樹脂、付加硬化型キノキサリン、付加硬化型ポリキノキサリン樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。熱硬化性樹脂を使用する場合は、硬化反応に必要な硬化剤や硬化促進剤を使用することが好ましい。ポリ乳酸系樹脂以外のバイオマス由来の高分子化合物としては、例えば、トウモロコシや芋等に含まれる糖質を出発原料として得られる、コハク酸から得られるポリブチレンサクシネート等のエステル類を挙げることができる。また、澱粉、アミロース、セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサン、ゲランガム、カルボキシル基含有セルロース、カルボキシル基含有デンプン、ペクチン酸、アルギン酸等の多糖類、リグニン等の植物原料を使用した熱硬化性樹脂も使用することができる。
また、バイオマス由来の高分子化合物として、微生物により合成されるヒドロキシブチレート及び/またはヒドロキシバリレートの重合体であるポリベータヒドロキシアルカノエート(ゼネカ社製、商品名:バイオポール等)等も挙げることができる。
[製造方法]
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物の製造方法としては、上記各成分を、公知の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、単軸や二軸の混練機等による混合機や押出機、ロール等による溶融混合機を用いて混合する方法を挙げることができる。
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形体を製造する方法としては、射出成形法、フィルム成形法、ブロー成形法、発泡成形法等を使用することができ、公知の射出成形機、射出・圧縮成形機、圧縮成形機等を用いることができる。これらの溶融混合や成形時における温度については、マトリックスとなるポリ乳酸系樹脂の溶融温度以上で、植物繊維や樹脂等の添加物が熱劣化しない範囲で適宜選択することができる。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されない。
[実施例1]
[ポリ乳酸系樹脂組成物の調製]
ポリ乳酸1kg、有機結晶核剤として、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド(N1)3.5gを加え、240℃にて2軸混練機を用いて混合した。次に、フェノールノボラック樹脂(軟化点106℃)を100g加え、180℃で2軸混練機を用いて混合し、得られたポリ乳酸系樹脂組成物のペレットを調製した。得られたポリ乳酸樹脂組成物のペレットについて、以下の方法により、結晶性及び難燃性の評価を行った。尚、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミドは180℃においてフェノールノボラック樹脂に溶解しない。結果を表1に示す。
[結晶性]
示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定した。ペレットを200℃で3分間溶融した後、20℃/分で降温し、100℃で保持した。100℃になった時点から結晶化による発熱ピークの頂点までの時間を測定し、結晶化時間とした。10分未満であれば、実用的と評価した。
[難燃性]
UL94に準拠して測定し、表2に示す基準により評価を行った。ドリップ等により残炎時間を評価できない場合は、残渣の表面の炭化の有無により評価した。
[実施例2]
結晶核剤を、フェニルリン酸亜鉛(N2)1gに替えた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。尚、フェニルリン酸亜鉛は180℃においてフェノールノボラック樹脂に溶解しない。結果を表1に示す。
[実施例3]
水酸化アルミニウム(平均粒子径3μm:Na2O0.05質量%)1kgと、ドリップ防止剤のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)2.5gとを、フェノール樹脂と同時に混練した他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
フェノール樹脂と有機結晶核剤とを添加せずポリ乳酸のみを用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
フェノール樹脂を用いず、結晶核剤として、タルク10gを用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
フェノール樹脂を用いず、有機結晶核剤として、N.N´−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド(N3)20gを用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。尚、N.N´−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミドは180℃においてフェノールノボラック樹脂に11質量%以上溶解する。結果を表1に示す。
[比較例4]
フェノール樹脂を用いない他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
フェノール樹脂を用いず、結晶核剤として、フェニルリン酸亜鉛10gを用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例6]
結晶核剤を用いなかった他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例7]
結晶核剤として、タルク10gを用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例8]
結晶核剤として、N.N‘−エチレン−ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド(N3)20gを用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例9]
フェノール樹脂を用いず、結晶核剤として水酸化アルミニウム1kgを用い、ドロップ防止剤を用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例10]
フェノール樹脂を用いず、結晶核剤として、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド(N1)3.5gと水酸化アルミニウム1kgを用い、ドロップ防止剤を用いた他は、実施例1と同様にポリ乳酸樹脂組成物のペレットを調製し、結晶性及び難燃性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005412886
表中の数値は質量部を示す。
Figure 0005412886
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、電化製品の筐体等の電気・電子機器、建材、自動車部品、日用品、医療、農業等の各種分野において、生分解性であって、難燃性及び結晶性に優れ、実用可能な成形体の製造に用いることができる。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸系樹脂と、フェノール樹脂と、有機結晶核剤とを含有する難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物であって、有機結晶核剤がポリ乳酸系樹脂の成形時の溶融温度におけるフェノール樹脂に対する溶解度が10質量%以下であり、ポリ乳酸系樹脂100質量部に対し、フェノール樹脂を1質量部以上、20質量部以下、有機結晶核剤を0.1質量部以上、5.0質量部以下の範囲で含有し、フェノール樹脂が重量平均分子量が1500以上、数平均分子量が800以上であることを特徴とする難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物。
  2. 有機結晶核剤が、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド又はフェニルリン酸亜鉛を含むことを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物。
  3. フェノール樹脂は軟化点が110℃以上、200℃以下の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物。
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