JP5412232B2 - 二酸化炭素分離回収装置を伴う水素分離型水素製造システム - Google Patents

二酸化炭素分離回収装置を伴う水素分離型水素製造システム Download PDF

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Description

本発明は、二酸化炭素分離回収装置を伴う水素分離型水素製造システム、すなわち二酸化炭素分離回収装置を備える水素分離型水素製造システムに関する。
特許文献1には、原料ガスを水蒸気改質して水素を製造するメンブレンリアクタと、当該メンブレンリアクタから排出されるオフガス中の二酸化炭素を除去するための二酸化炭素分離装置と、二酸化炭素を分離した後のオフガスを原料ガスに混合してメンブレンリアクタに循環する循環手段とを含む水素製造装置が開示されている。特許文献2には、燃焼器を備える、メンブレンリアクタなどの水素分離型水素製造装置において、水素が分離されたオフガスを燃焼器へ戻すオフガス流路と、当該オフガス流路にオフガスが保有するエネルギーを回収する回収手段、例えば発電機を設けた水素製造装置が開示されている。
また、特許文献3においては、炭化水素系燃料を酸素及び水蒸気により改質したガスから水素を分離し、且つ、水素分離済みのオフガスから二酸化炭素を分離する機構を有する水素製造システムが開示されている。しかし、この技術でのオフガスからの二酸化炭素の分離は、二酸化炭素分離済みガスを水素製造用に再利用するためのものであり、分離した二酸化炭素を回収するためのものではない。
特開2003−146610号公報 特開2003−183006号公報 特開2005−145760号公報
従来の水素分離型水素製造システムにおける、水素分離型水蒸気改質器からのオフガスについては、特許文献1のようにそのオフガスを原料ガスに混合することで可燃ガス分を再利用するか、特許文献2のようにそのオフガスを全て燃焼炉に送ることで可燃ガス分を再利用することにより、水素製造効率を高めているが、燃焼排ガスはそのまま外気に放出しているのが現状である。
しかし、水素製造装置のオフガスや燃焼排ガスの主成分は、地球温暖化ガスである二酸化炭素であることから、外気への放出を回避する必要がある。そのような観点から、例えば、特許文献4では、天然ガスを水蒸気改質器に供給して水素を製造し、水蒸気改質器での水蒸気改質用加熱源であるバーナまたは燃焼触媒による燃焼ガスを液化天然ガスと熱交換し、液化天然ガスの冷熱により燃焼ガス中の炭酸ガスを固体炭酸として回収するようにした水素製造装置及び水素製造方法が提案されている。
また、メンブレンリアクタなどの水素分離型水素製造装置は、従来型の水蒸気改質装置と比較して高効率で、シンプル且つコンパクトであることが知られており、当該水素分離型水素製造装置は、水素自動車用等の水素ステーションの所在地で天然ガスや都市ガスなどの改質による水素製造から貯蔵、供給まで行う、いわゆる炭化水素系燃料改質オンサイト方式の水素ステーションでの実用化を目指して開発が進められている。
そのような、オンサイト方式の水素ステーションにおいても、水素分離型水素製造装置で生成した改質ガスから水素回収後のオフガス中の二酸化炭素については、地球温暖化ガスであることから、外気への放出を回避する必要がある。
二酸化炭素を回収する技術として、アミン類を使用する方法(特許文献5、特許文献6、等)や、炭酸カリウム及び/又は炭酸ナトリウムを使用する方法(特許文献7)などが実証段階の技術として知られている。しかし、これらの方法は、大型のプラントや発電所などの大規模施設での使用を想定しており、コストやエネルギーロスの観点から考えて、小規模での二酸化炭素回収に用いるのは非現実的である。このことから、例えばオンサイト方式の水素ステーションのような小規模の施設では二酸化炭素の回収は困難と考えられていた。
特開2000−247604号公報 特開2008−307519号公報 特開2008−168227号公報 特開2002−321904号公報
本発明は、そのような従来の認識とは逆に、オンサイト方式の水素ステーションのような小規模の施設にも適用できる、炭化水素系燃料を原料とする水素分離型水素製造装置において、炭化水素系燃料から高効率に水素製造を行うとともに、効率的な二酸化炭素回収によって炭化水素系燃料由来の二酸化炭素を回収するようにしてなる水素分離型水素製造システムを提供することを目的とするものである。
本発明(1)は、炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器と前記炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器と前記炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラを有する水素分離型水素製造システムであって、
(a)前記水素分離型水蒸気改質器からのオフガスを冷却した後、オフガスから水を分離する水分離器と、
(b)前記水分離器で分離したオフガスの流れ方向でみて、順次、水分吸着塔、二酸化炭素分離膜による二酸化炭素濃度富化装置、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽を含む二酸化炭素回収装置を備えてなり、
(c)前記二酸化炭素濃度富化装置において、水分吸着塔を経たガス中の二酸化炭素濃度を90%以上に高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収するようにしてなる
ことを特徴とする水素分離型水素製造システムである。
本発明(1)は参考発明である。
本発明(2)は、炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器と前記炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器と前記炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラを有する水素分離型水素製造システムであって、
(a)前記水素分離型水蒸気改質器からのオフガスを冷却した後、オフガスから水を分離する水分離器と、
(b)前記水分離器で分離したオフガスの流れ方向でみて、順次、水分吸着塔、二酸化炭素分離膜による二酸化炭素濃度富化装置、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽を含む二酸化炭素回収装置を備えてなり、
(c)前記二酸化炭素濃度富化装置において、水分吸着塔を経たガス中の二酸化炭素濃度を90%以上に高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収し、且つ、
(d)前記二酸化炭素濃度富化装置からのオフガスと前記気液分離槽からの二酸化炭素分離済みオフガスを水素分離型改質器の燃焼器の燃料として再利用するようにしてなる
ことを特徴とする水素分離型水素製造システムである。
本発明(2)は参考発明である。
本発明(2)は、本発明(1)の構成に加えて、上記構成(d)すなわち二酸化炭素濃度富化装置からのオフガス、前記気液分離槽からの二酸化炭素分離済みオフガスを前記燃焼器での燃料として利用するようにしてなるものに相当している。
本発明(3)は、炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器と前記炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器と前記炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラを有する水素分離型水素製造システムであって、
(a)前記水素分離型水蒸気改質器からのオフガスを冷却した後、オフガスから水を分離する水分離器と、
(b)前記水分離器で分離したオフガスの流れ方向でみて、順次、水分吸着塔、メタン分離装置、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽を含む二酸化炭素回収装置を備えてなり、
(c)前記メタン分離装置において、水分吸着塔を経たオフガス中のメタンを分離し、二酸化炭素濃度を高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収するようにしてなる
ことを特徴とする水素分離型水素製造システムである。
本発明(4)は、炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器と前記炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器と前記炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラを有する水素分離型水素製造システムであって、
(a)前記水素分離型水蒸気改質器からのオフガスを冷却した後、オフガスから水を分離する水分離器と、
(b)前記水分離器で分離したオフガスの流れ方向でみて、順次、水分吸着塔、メタン分離装置、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽を含む二酸化炭素回収装置を備えてなり、
(c)前記メタン分離装置において、水分吸着塔を経たオフガス中のメタンを分離し、二酸化炭素濃度を高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収し、且つ、
(d)前記メタン分離装置からのオフガス(メタンリッチガス)と前記気液分離槽からの二酸化炭素分離済みオフガスを水素分離型改質器の燃焼器の燃料として再利用するようにしてなる
ことを特徴とする水素分離型水素製造システムである。
本発明(4)は、本発明(3)の構成に加えて、上記構成(d)すなわちメタン分離装置からのオフガス、前記気液分離槽からの二酸化炭素分離済みオフガスを前記燃焼器での燃料として利用するようにしたものに相当している。
本発明の水素分離型水素製造システムは、例えばオンサイト方式の水素ステーションでの水素分離型水素製造システムとして利用することができる。また、本発明において、炭化水素系燃料としては好ましくは天然ガスまたは都市ガスを使用するが、これらに限定されず、灯油、ガソリン、LPG(液化石油ガス)なども使用できる。
本発明(1)〜(2)の水素分離型水素製造システムによれば、天然ガス等の炭化水素系燃料から水素製造を行うとともに、二酸化炭素濃度富化装置、圧縮機、冷熱熱交換器を含む二酸化炭素液化回収装置を配置することにより、効率的な二酸化炭素回収によって水素製造時に発生する総二酸化炭素排出量の約半分の二酸化炭素を低エネルギーで効率的に回収することができる。これにより、環境負荷を著しく低減することができる。
本発明(3)〜(4)の水素分離型水素製造システムによれば、天然ガス等の炭化水素系燃料から水素製造を行うとともに、メタン分離装置、圧縮機、冷熱熱交換器を含む二酸化炭素液化回収装置を配置することにより、効率的な二酸化炭素回収によって水素製造時に発生する総二酸化炭素排出量の約半分の二酸化炭素を低エネルギーで効率的に回収することができる。これにより、環境負荷を著しく低減することができる。
図1は本発明(1)〜(2)を説明する図である。 図2は本発明(3)〜(4)を説明する図である。
前述のとおり、二酸化炭素を回収する方法としてアミン、炭酸カリ水溶液などを使用する化学吸収法が実証段階の技術として知られているが、これらは、大型のプラントや発電所などの大規模施設での使用を想定しており、コストやエネルギーロスの観点から考えて、小規模での二酸化炭素回収に用いるのは非現実的である。このことから、例えばオンサイト方式の水素ステーションのような小規模の施設では二酸化炭素回収は困難と考えられていた。
本発明においては、その前提として、二酸化炭素を含むガス中の二酸化炭素濃度が高ければ、圧縮液化のみによって二酸化炭素を容易に分離できることを確認し、この事実すなわちガス中の二酸化炭素濃度が高ければ、圧縮液化のみによって容易に二酸化炭素を分離できるとの事実を利用するものである。
以下、まず本発明(1)〜(2)の態様を説明し、次いで本発明(3)〜(4)の態様を説明する。本発明(1)〜(4)の各発明において特徴とする構成の前提となる共通する態様については主として本発明(1)〜(2)の態様の箇所で説明している。
〈本発明(1)〜(2)の態様〉
図1は本発明(1)〜(2)を説明する図である。図1のとおり、本発明の水素分離型水素製造システムにおいては、炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器Aと、炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器Bと、炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラCと、水分離器Dと、二酸化炭素濃度富化装置Fを含む二酸化炭素液化回収装置:Zを備えることを前提、必須とするものである。
水素分離型水蒸気改質器Aは、例えばメンブレンリアクタのように原料ガスである炭化水素系燃料を水蒸気改質し、且つ、生成改質ガスから水素を選択的に分離する水蒸気改質器である。すなわち、水素分離型水蒸気改質器Aは、水蒸気改質により改質ガスを生成し且つ改質ガスから水素を分離する構造をもつ水素分離型水蒸気改質器であればよく、例えばメンブレンリアクタなどが使用できる。水蒸気改質器Aには燃焼器Bが付設されている。燃焼器Bは、燃料を空気で燃焼するバーナからなり、その燃焼により発生した熱が水蒸気改質器Aでの炭化水素系燃料の水蒸気改質に必要な加熱源として利用される。
図1中、符号1は改質用の原料ガスである炭化水素系燃料供給管、符号4はボイラCへの水供給管、符号5は空気供給管である。空気供給管5から供給される空気は、ボイラCでの燃料燃焼用、燃焼器Bのバーナ用燃料の燃焼用として使用される。符号6は空気供給管5からボイラCへの空気供給用分岐管である。
原料ガスである炭化水素系燃料は、供給管1、圧縮機P1を経て水素分離型水蒸気改質器Aの水蒸気改質器に供給する。炭化水素系燃料が例えば都市ガスのように硫黄化合物を含む燃料の場合には、硫黄化合物による改質触媒の被毒劣化を防止する必要があるので、脱硫器等による脱硫後に水蒸気改質器に供給される。
圧縮機P1を経た高圧(例えば、約10kg/cm2G)の炭化水素系燃料ガスの一部を分岐して燃焼器Bの燃料として使用する。符号3はその分岐管である。燃焼器Bでは分岐管3を介して供給される燃料を空気供給管5からの空気により燃焼し、その燃焼熱により水蒸気改質器での炭化水素系燃料の改質反応が行われる。なお、空気に代えて、酸素や酸素リッチガスを使用してもよい。
炭化水素系燃料供給管1から供給される原料ガスである炭化水素系燃料は、その一部がボイラCでの水蒸気(=スチーム)発生用の燃料として使用される。符号2はその分岐管であり、炭化水素系燃料、すなわち原料ガスの流れ方向でみて圧縮機P1の配置箇所より上流側で分岐する。炭化水素系燃料は分岐管2によりボイラCに供給され、空気供給管5の分岐管6からの空気により当該ボイラCで燃焼し、水供給管4から供給される水を加熱してスチームを発生する。
本発明においては、後述のとおり、水分離器Dで分離したドレイン水も、中和器I、ドレイン導管14を経て水供給管4により供給されるボイラCへの供給水に合流させ、ボイラCでの水蒸気発生用の水として利用する。
ボイラCで発生したスチームは、水蒸気改質器へのスチーム供給管7を介して水蒸気改質器に供給され、原料ガスである炭化水素系燃料の改質用に使用される。水蒸気改質器で生成した改質ガスは、水素分離型水蒸気改質器A内に配置されたPd合金膜等の水素分離膜により水素を選択的に透過分離し、精製水素は熱交換器K1で冷却され、導出管8を介して取り出される。
熱交換器K1において回収した精製水素の熱は空気、酸素もしくは酸素リッチガスの加熱などに使用される。熱交換器K1では水等の冷媒との熱交換により精製水素の熱を回収し、空気、酸素もしくは酸素リッチガスなどと熱交換して加熱する。なお、図1中そのための熱交換器、配管の記載は省略している。
一方、改質ガスから水素を分離した残りの改質ガス、すなわちオフガスには水蒸気改質器での改質反応おいて、未反応の炭化水素(メタンなど)、未利用の水蒸気、副生一酸化炭素(CO)、二酸化炭素等が含まれており、そのうち二酸化炭素濃度はそのオフガス中70〜90%(容量%,本明細書中ガスについての「%」について同じ)と高い。
本発明(1)〜(2)においては、その二酸化炭素を二酸化炭素液化回収装置:Zにおける二酸化炭素濃度富化装置Fにおいて高濃度化し、二酸化炭素濃度富化装置Fに続く圧縮機P2、冷却熱交換器K5による圧縮液化のみを経て、気液分離槽Gで容易且つ効率的に回収するものである。このように、二酸化炭素濃度富化装置F、これに続く圧縮機P2、冷却熱交換器K5は、本発明(1)〜(2)において重要な役割を果たすものである。
ここで、特許文献8〜10には、水素分離型改質器を用いて二酸化炭素を分離回収することが記載されている。しかしそれらは、膜分離改質器つまり水素分離型改質器に加えて、もう一つの水素分離膜を使用し且つ二酸化炭素分離膜を用いて二酸化炭素を分離回収するものであり、もう一つの水素分離膜と二酸化炭素分離膜を水素分離型改質器に組み合わせている。これに対して、本発明の水素分離型改質器は一段で十分であり、そのようなもう一つの水素分離膜は不要である。
特開2009−029674号公報 特開2009−029675号公報 特開2009−029676号公報
〈水素分離型水蒸気改質器からのオフガスについて〉
水素分離型水蒸気改質器Aにおける改質ガスから水素を分離した後のオフガスは、導出管9により導出し、熱交換器K2、減圧弁V1を経て、水分離器Dへ導入される。熱交換器K2において回収したオフガスの熱は空気、酸素もしくは酸素リッチガスの加熱などに使用される。熱交換器K2では水等の冷媒との熱交換によりオフガスの熱を回収し、空気、酸素もしくは酸素リッチガスなどと熱交換して加熱する。なお、図1中そのための熱交換器、配管の記載は省略している。
〈水分離器Dについて〉
本発明においては、水素分離型水蒸気改質器Aからのオフガス中の水分の分離に水分離器D(例えばスチームトラップ等)を用いる。すなわち、そのように冷却した水素分離型水蒸気改質器Aからのオフガスを導出管9を介して水分離器Dに供給する。
熱交換器K2により冷却されたオフガスは水分離器Dに送られる。オフガス中の水分は水分離器Dにおいて分離され、10℃〜40℃程度の水蒸気分圧(水蒸気=1.2〜7.2%)になる。分離した水つまりドレイン(drain)は酸性であるので、そのドレインを再利用するために中和器Iへ供給する。中和器Iには炭酸カリウム系天然石などの中和剤を充填する。ドレインは、水分離器Dから、中和器I、ドレイン導管14を経て水供給管4により供給されるボイラCへの供給水に合流させ、ボイラCでの水蒸気発生用の水として利用する。
一方、水分離器Dにおいて、水分を分離した後のガスは、二酸化炭素液化回収装置:Zに供給され、当該ガス中の二酸化炭素を液化炭酸として回収する。二酸化炭素液化回収装置:Zは、水分離器Dで水分を分離した後のガスの流れ方向でみて順次、水分吸着塔E、二酸化炭素濃度富化装置F、圧縮機P2、冷却熱交換器K5、気液分離槽G、タンクHを配置することにより構成される。
水分離器Dを経たオフガスは、導管15を介して水分吸着塔Eに導入される。水分吸着塔Eには水分離器Dを経たガス中の水分を選択的に吸着する活性炭等の吸着剤を充填する。ガス中の水分の大部分は水分離器Dで分離されているが、水分吸着塔Eでは、水分離器Dで分離し得なかった1.2〜7.2%水蒸気に相当する水分をさらに吸着除去し、−20℃(0.1%水蒸気)以下まで水蒸気分圧を低下させる。水分吸着塔Eを経たガスは二酸化炭素濃度富化装置Fへ導入する。
二酸化炭素濃度富化装置Fは、二酸化炭素を選択的に透過する二酸化炭素分離膜を備え、水分吸着塔Eでの水分離後のオフガス中の二酸化炭素を選択的に透過し、70〜90%であった二酸化炭素の濃度を90%以上に高める。二酸化炭素分離膜としては、二酸化炭素をそのように高濃度化できる二酸化炭素分離膜であればいずれも使用できるが、その例としてはゼオライト系二酸化炭素分離膜、もしくは高分子膜などを用いることができる。二酸化炭素濃度富化装置Fを透過しないガスは、導管16を介して気液分離槽Gからの分離済みオフガスに合流させる。
なお、上記二酸化炭素濃度富化装置Fの二酸化炭素分離膜を透過しないガスを、本明細書中「二酸化炭素濃度富化装置からのオフガス」とも称している。
そのように、水分離器Dに続き、水分吸着塔E、二酸化炭素濃度富化装置F、圧縮機P2、冷却熱交換器K5、気液分離槽Gからなる二酸化炭素液化回収装置を接続することにより、効率的な二酸化炭素回収が可能になり、前記のように圧縮液化するガスの二酸化炭素濃度を90%以上に高めることにより、回収効率を著しく向上させることができる。
二酸化炭素濃度富化装置Fの二酸化炭素分離膜を透過し、二酸化炭素を高濃度化したオフガスは、圧縮機P2を経て、冷却熱交換器K5に導入する。これにより、オフガス中の二酸化炭素を圧縮液化し、気液混合流として気液分離槽Gへ導入する。気液分離槽Gにおいて、液相である液化炭酸と二酸化炭素分離済みオフガスとに分離する。こうして、二酸化炭素を高濃度化したオフガスから圧縮液化により、二酸化炭素を液化炭酸として分離する。
オフガス圧力は0.8MPaGと高く、液化に必要な5〜15MPaG、好ましくは7〜10MPaGの圧力に上げるための圧縮機P2に必要な電力も常圧から上げる場合と比較して約半分になる。
水素分離型改質器Aの出力が低い時、すなわち低〜中出力で運転する場合は、オフガス中の二酸化炭素濃度が90%程度である。
一方、水素分離型改質器Aの出力が高い時、例えば出力100%もしくはその付近で運転する場合、オフガス中の二酸化炭素濃度は70〜90%となる。本発明においては、その前提として、その濃度範囲でも、圧縮液化によって二酸化炭素の分離回収はできるが、回収のための消費エネルギーが高くなり回収効率が低下するとともに、気液分離槽においてスリップガスとして回収できない二酸化炭素の割合が高くなることを予備試験によって確認した。
例えば、二酸化炭素に20%程度の不純物ガスが含まれている場合(二酸化炭素濃度80%)、単位二酸化炭素量を圧縮するために必要なエネルギー(電力)は20%程度、もしくはそれ以上増加するため、エネルギーロスが非常に大きくなる。そこで本発明においては、水素分離型改質器Aが高出力運転をする場合においても効率的に高濃度の二酸化炭素が回収できるように、水分吸着塔Eに続き、二酸化炭素を高濃度化する二酸化炭素濃度富化装置Fを配置する。これにより、二酸化炭素の濃度を90%以上に高めた上で、圧縮液化を行うものである。
気液分離槽Gで分離した液化炭酸は、導管18を介してタンクHに導入、回収する。タンクH中の液化炭酸はタンクHから導管19、開閉弁V2を介して導出、運搬し、地下、海洋、海底貯蔵、あるいは炭酸ナトリウム製造用原料、その他の用途に利用される。
二酸化炭素濃度富化装置Fにおいて、水分吸着塔Eを経たオフガスから二酸化炭素を分離した残りのオフガス(未燃オフガス)は、全量、水素分離型改質器の燃焼器の燃料として利用する。すなわち、水分吸着塔Eを経たオフガスのうち二酸化炭素濃度富化装置Fを透過しない成分つまり「二酸化炭素濃度富化装置からのオフガス」は、導管16を介して気液分離槽Gからの分離済みオフガス導管17からのオフガスに合流させ、水素分離型改質器に付設の燃焼器Bの燃料として再利用する。
すなわち、分離済みオフガス導管17からのオフガスにも微量ではあるが一酸化炭素や水素などの可燃成分が含まれているので、「二酸化炭素濃度富化装置からのオフガス」中の可燃成分と合わせて燃焼器Bの燃料として再利用するものである。
水素分離型改質器Aを用いた水素製造能力300Nm3/hの水素ステーションを想定すると、水素分離型改質器Aのオフガスから90%の二酸化炭素を回収した場合、約72Nm3/h(141kg/h)の二酸化炭素を低エネルギーで効率的に回収することができる。これは、水素製造時に発生する総二酸化炭素排出量の約半分に相当する。
二酸化炭素液化回収装置において、オフガスから分離した液化二酸化炭素の濃度は水素分離型改質器の出力が40%と低い時(このときのオフガスの二酸化炭素濃度=88%)であっても分離後の二酸化炭素濃度は99.2%であるので、JIS規格K1106で規定する99.5%の濃度以下であり、工業的に使用することができない。しかし、二酸化炭素濃度富化装置Fを用いてオフガス中の二酸化炭素濃度を90%以上にすることで、圧縮液化による分離回収後の二酸化炭素の濃度を、JIS規格1106で規定する品質を満たす濃度とし、工業的に利用可能なガスとすることができる。
〈燃焼器B、ボイラCからの燃焼排ガスについて〉
燃焼器Bでの燃焼排ガスは、導出管10により導出し、熱交換器K3により冷却される。熱交換器K3において回収した燃焼排ガスの熱は原料ガスやボイラ用燃料ガスや水・水蒸気の加熱などに使用される。ボイラCからの燃焼排ガスは、導出管11により導出し、熱交換器K4により冷却される。熱交換器K4において回収したボイラ燃焼排ガスの熱はボイラに投入する水の加熱などに使用される。なお、図1中それら燃焼排ガスの熱の回収のための熱交換器、配管の記載は省略している。
〈本発明(3)〜(4)の態様〉
図2は本発明(3)〜(4)を説明する図である。図2のとおり、本発明の水素分離型水素製造システムにおいては、炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器Aと、炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器Bと、炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラCと、水分離器Dと、メタン分離装置Mを含む二酸化炭素液化回収装置:Zを備えることを前提、必須とするものである。
〈オフガス中のメタンについて〉
オフガス中の成分の比率は、水素分離型水蒸気改質器Aの出力が低い時、例えば30%出力では、CO2=90%(容量%、以下同じ)、CO=1%、CH4=3%、H2=6%(ドライベース)程度であり、水素分離型水蒸気改質器Aの出力が高い時、例えば100%出力では、CO2=65%、CO=2%、CH4=18%、H2=15%(ドライベース)程度となっている。
このように、オフガス中の成分は、二酸化炭素以外では、水素とメタンが大部分を占めるが、このうち水素よりもメタンの方が二酸化炭素の回収率を大幅に低下させることが実験によって明らかになっている。例えば、二酸化炭素に10%、20%のメタンが含まれている場合は、二酸化炭素気液分離槽の温度を0℃としたときにオフガスからの二酸化炭素回収率はそれぞれ、82%、60%と低かったが、二酸化炭素に10%、20%の水素が含まれている場合は、オフガスからの二酸化炭素回収率はそれぞれ、89%、74%であった。
1Nm3/h級二酸化炭素分離回収装置で試験した場合、二酸化炭素に10%の水素が含まれているガスから二酸化炭素を90%以上回収しようとする場合は、二酸化炭素気液分離槽の温度は−5℃で十分であり、回収二酸化炭素1Nm3あたりの消費電力量は1.14kWhであったが、二酸化炭素に10%のメタンが含まれているガスから二酸化炭素を90%以上回収しようとすると、二酸化炭素気液分離槽の温度を−15℃まで低下させる必要があり、回収二酸化炭素1Nm3あたりの消費電力量は1.26kWhとなり、0.12kWhの電力量が余分に必要であり、必要な総電力量は11%増加した。
CH4の分子径は、CO2、H2Oなどの分子径と比較して一番大きいので(CO2:0.38nm、CO2:0.33nm、H2O:0.32nm)、特許文献11に記載のようなゼオライト系の分離膜や特許文献12に記載のような炭素系の分離膜によって選択的に分離することができる。オフガス中からメタンのみを分離した後に二酸化炭素を圧縮分離すれば、二酸化炭素回収率が向上し、二酸化炭素単位重量(もしくは単位体積)あたりの回収エネルギーのさらなる低減が可能である。
特開2003−159518号公報 特開平10−52629号公報
本発明(3)〜(4)においては、水分吸着塔Eに続くメタン分離装置Mにおいてメタンを選択的に分離することでオフガス中の二酸化炭素を高濃度化する。そして、当該メタン分離装置Mに続く圧縮機P2、冷却熱交換器K5による圧縮液化のみを経て、気液分離槽Gにおいて容易且つ効率的に回収するものである。このように、メタン分離装置M、これに続く圧縮機P2、冷却熱交換器K5は、本発明(3)〜(4)において重要な役割を果たすものである。
ところで、本発明(1)〜(2)においては、上記と同様の二酸化炭素液化回収装置:Zにおいて、二酸化炭素濃度富化装置Fを配置することにより、水分吸着塔を経たガス中の二酸化炭素濃度を90%以上に高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収するものである。二酸化炭素濃度富化装置Fは、二酸化炭素を選択的に透過する二酸化炭素分離膜を備え、水分吸着塔Eでの水分離後のオフガス中の二酸化炭素を選択的に透過し、70〜90%であった二酸化炭素の濃度を90%以上に高める。
二酸化炭素濃度富化装置Fでの二酸化炭素分離膜としては、二酸化炭素をそのように高濃度化できる二酸化炭素分離膜であればいずれも使用できるが、その例としてはゼオライト系二酸化炭素分離膜、もしくは高分子膜などが用いられる。二酸化炭素濃度富化装置Fを透過しないガスは、導管を介して気液分離槽からの分離済みオフガスに合流させる。
そのように、本発明(1)〜(2)の二酸化炭素液化回収装置:Zにおいては二酸化炭素濃度富化装置Fを配置する。これに対して、本発明(3)〜(4)においては、二酸化炭素濃度富化装置Fに代えて、メタン分離装置Mを配置する。
ここで、前記特許文献8〜10には、水素分離型改質器を用いて二酸化炭素を分離回収することが記載されている。しかし、それらの水素分離型改質器における膜分離改質工程で、改質器オフガスとして、例えば、水素25〜60%(モル%)、一酸化炭素3〜20%、二酸化炭素25〜65%、メタン3〜20%の混合ガスが得られるとされており、改質器としての水素製造効率は低い。
このため、水素を一段で十分に分離できないだけでなく、二酸化炭素濃度25〜65%のままでは、気液分離を用いた液化回収に投入できないため、膜分離改質器つまり水素分離型改質器に加えて、もう一つの水素分離膜と二酸化炭素分離膜を水素分離型改質器に組み合わせている。これに対して、本発明の水素分離型改質器は一段で十分であり、そのようなもう一つの水素分離膜は不要である。
本発明においては、水素分離型水蒸気改質器Aからのオフガス中の水分の分離に水分離器D(例えばスチームトラップ等)を用いる。すなわち、そのように冷却した水素分離型水蒸気改質器Aからのオフガスを導出管9を介して水分離器Dに供給する。
熱交換器K2により冷却されたオフガスは水分離器Dに送られる。オフガス中の水分は水分離器Dにおいて分離され、10℃〜40℃程度の水蒸気分圧(水蒸気=1.2〜7.2%)になる。分離した水つまりドレイン(drain)は酸性であるので、そのドレインを再利用するために中和器Iへ供給する。中和器Iには炭酸カリウム系天然石などの中和剤を充填する。ドレインは、水分離器Dから、中和器I、ドレイン導管14を経て水供給管4により供給されるボイラCへの供給水に合流させ、ボイラCでの水蒸気発生用の水として利用する。
一方、水分離器Dにおいて、水分を分離した後のガスは、二酸化炭素液化回収装置:Zに供給され、当該ガス中の二酸化炭素を液化炭酸として回収する。二酸化炭素液化回収装置:Zは、水分離器Dで水分を分離した後のガスの流れ方向でみて順次、水分吸着塔E、メタン分離装置M、圧縮機P2、冷却熱交換器K5、気液分離槽G、タンクHを配置することにより構成される。
水分離器Dを経たオフガスは、導管15を介して水分吸着塔Eに導入される。水分吸着塔Eには水分離器Dを経たガス中の水分を選択的に吸着する活性炭等の吸着剤を充填する。ガス中の水分の大部分は水分離器Dで分離されているが、水分吸着塔Eでは、水分離器Dで分離し得なかった1.2〜7.2%水蒸気に相当する水分をさらに吸着除去し、−20℃(0.1%水蒸気)以下まで水蒸気分圧を低下させる。水分吸着塔Eを経たガスはメタン分離装置Mへ導入する。
メタン分離装置Mは、オフガス中のメタン以外の成分である二酸化炭素、水素を透過し、メタンを透過しない分離膜を備え、水分吸着塔Eでの水分離後のオフガス中のメタン以外のガスを選択的に透過し、70〜90%であった二酸化炭素の濃度を90%以上に高める。メタン分離装置Mの分離膜を透過しないガスであるメタンは、導管16を介して気液分離槽Gからの分離済みオフガス導管17からのオフガスに合流させ、水素分離型改質器に付設の燃焼器Bの燃料として再利用する。
すなわち、気液分離槽Gにおいて二酸化炭素を回収した後の、二酸化炭素分離済みオフガス導管17からのオフガスにも一酸化炭素や水素などの可燃成分が含まれているので、メタン分離装置Mからのオフガス中の可燃成分であるメタンと合わせて燃焼器Bの燃料として再利用するものである。
なお、上記メタン分離装置Mはメタンを透過しない分離膜を備えるので、導管16を介して気液分離槽Gからの分離済みオフガスに合流させるガスはメタンリッチガスである。
オフガスから分離した液化二酸化炭素の濃度は、水素分離型改質器Aの出力が40%と低い時(オフガス中の二酸化炭素濃度88%)であっても、分離後の二酸化炭素濃度は99.2%であるので、JIS規格K1106で規定する99.5%の濃度以下であり、工業的に使用することができない。しかし、メタン分離装置Mを用いてオフガス中の二酸化炭素濃度を90%以上にすることで、圧縮液化による分離回収後の二酸化炭素の濃度を、JIS規格K1106で規定する品質を満たす濃度とし、工業的に利用可能なガスとすることができる。
オフガスは、まず、水分離器Dで10℃〜40℃程度の水蒸気分圧(水蒸気=1.2〜7.2%)まで水を落とす。二酸化炭素液化回収装置:Zの水分吸着塔Eにおいて、−20℃の露点(0.1%水蒸気)以下まで水蒸気分圧を低下させる。その後、メタン分離装置Mの分離膜においてメタンのみを選択的に分離し、残りのオフガスを圧縮機P2で圧縮し、冷却熱交換器K5で冷却して気液分離槽Gに導入することにより、残りオフガス中の高濃度二酸化炭素は気液分離される。
メタン分離装置Mに配置した分離膜で分離したメタンや気液分離槽Gでの二酸化炭素分離済みオフガス中の未燃ガスは、導管17を介して水素分離型改質器に付設の燃焼器Bの燃料として再利用する。すなわち、メタン分離装置Mの分離膜で選択的に分離したメタンを、導管16を介して、二酸化炭素分離済みオフガス導管17からの二酸化炭素分離済みオフガスに合流させ、水素分離型改質器に付設の燃焼器Bの燃料として再利用する。
A 水素分離型水蒸気改質器
B 炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器
C 炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラ
D 水分離器
E 水分吸着塔
F 二酸化炭素濃度富化装置
M メタン分離装置
G 気液分離槽
H タンク
I 中和器
Z 二酸化炭素液化回収装置
1〜19 導管、分岐管
K1〜K4 熱交換器
K5 冷却熱交換器
P1〜P2 圧縮機
V1 減圧弁
V2 開閉弁

Claims (10)

  1. 炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器と前記炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器と前記炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラを有する水素分離型水素製造システムであって、
    (a)前記水素分離型水蒸気改質器からのオフガスを冷却した後、オフガスから水を分離する水分離器と、
    (b)前記水分離器で分離したオフガスの流れ方向でみて、順次、水分吸着塔、メタン分離装置、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽を含む二酸化炭素回収装置を備えてなり、
    (c)前記メタン分離装置において、水分吸着塔を経たオフガス中のメタンを分離し、二酸化炭素濃度を高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収するようにしてなる
    ことを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  2. 炭化水素系燃料の水蒸気改質による水素分離型水蒸気改質器と前記炭化水素系燃料の水蒸気改質用加熱源である燃焼器と前記炭化水素系燃料の改質用水蒸気発生用ボイラを有する水素分離型水素製造システムであって、
    (a)前記水素分離型水蒸気改質器からのオフガスを冷却した後、オフガスから水を分離する水分離器と、
    (b)前記水分離器で分離したオフガスの流れ方向でみて、順次、水分吸着塔、メタン分離装置、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽を含む二酸化炭素回収装置を備えてなり

    (c)前記メタン分離装置において、水分吸着塔を経たオフガス中のメタンを分離し、二酸化炭素濃度を高めた後、順次、圧縮機、冷却熱交換器及び気液分離槽に導入して液化炭酸を回収し、且つ、
    (d)前記メタン分離装置からのオフガス(メタンリッチガス)と前記気液分離槽からの二酸化炭素分離済みオフガスを水素分離型改質器の燃焼器の燃料として再利用するようにしてなる
    ことを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  3. 請求項1または2に記載の水素分離型水素製造システムが、オンサイト方式の水素ステーションで設置する水素分離型改質システムであることを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記水分離器により分離したドレイン水を前記水素分離型水蒸気改質器での炭化水素系燃料の改質用水として再利用するようにしてなることを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記炭化水素系燃料が天然ガスまたは都市ガスであることを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記燃焼器での燃焼排ガスの熱を前記炭化水素系燃料の加熱に利用することを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記燃焼器での燃焼排ガスの熱をボイラ用燃料ガスの加熱に利用することを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記燃焼器での燃焼排ガスの熱をボイラに投入する水の加熱に利用することを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記ボイラからの燃焼排ガスの熱をボイラに投入する水の加熱に利用することを特徴とする水素分離型水素製造システム。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の水素分離型水素製造システムにおいて、前記気液分離槽からのオフガスを水素分離型改質器の燃焼器の燃料として再利用するようにしてなることを特徴とする水素分離型水素製造システム。
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