JP2013203624A - 水素製造方法、及び水素製造システム - Google Patents

水素製造方法、及び水素製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】炭素系燃料から水素を精製すると共に、精製した水素と分離したオフガスに含まれる二酸化炭素を回収するのに、低コストで、かつ効率良く行うことができる水素製造方法、及び水素製造システムを提供する。
【解決手段】圧縮機2で圧縮された原料ガスと水蒸気との混合物を、水素分離型水蒸気改質器3により、水蒸気改質触媒11を通じて水蒸気改質し、水蒸気改質後のガスから水素を、水素分離膜11に透過させて分離すると共に、分離後、第1次オフガスから二酸化炭素を回収する水素製造方法において、第1次オフガスに含む水分を除去した後、水分除去後の第1次オフガスが圧力1.5MPaG以上になるよう、水素分離型水蒸気改質器3に供給される前の原料ガスの圧力が圧縮機2により調整されていること、水分除去後の第1次オフガスを冷却器6で冷却して、第1次オフガス中に含まれる二酸化炭素を液化する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、天然ガス、都市ガス等、炭素系燃料である原料ガスから、オフガスとして二酸化炭素を回収すると共に、純度の高い水素を精製する水素製造方法、及び水素製造システムに関するものである。
例えば、天然ガス、都市ガス等、炭素系燃料である原料ガスから、オフガスとして二酸化炭素を除去して回収すると共に、純度の高い水素を精製する水素製造システムの一例として、特許文献1の水素分離型水素製造システムが開示されている。図7は、特許文献1の水素分離型水素製造システムを示す説明図である。
特許文献1は、図7に示すように、圧縮機202と、水素分離型水蒸気改質器203と、水分離器204と、二酸化炭素液化回収装置201と、その他の機器を備えた水素分離型水素製造システムである。二酸化炭素液化回収装置201には、水分吸着塔205、二酸化炭素富化装置206、圧縮機207、冷却熱交換器208、気液分離槽209、及びタンク210H等が設けられている。特許文献1では、炭化水素系燃料が、圧縮機202により約1MPaGに昇圧されて水素分離型水蒸気改質器203に供給され、この水素分離型水蒸気改質器203において、炭化水素系燃料の水蒸気改質が行われ、かつその生成改質ガスから水素が選択に分離されて精製されている。
生成改質ガスから水素を分離した後のオフガスは、水素分離型水蒸気改質器203から水分離器204を経て、二酸化炭素液化回収装置201に供給されている。このオフガスは、零下20℃で、水分吸着塔205によりガスに含まれる水分を選択的に吸着された後、二酸化炭素富化装置206において、水分吸着後のガス中の二酸化炭素を選択的に透過され、二酸化炭素を90%(容量%)以上の安定した高濃度にしている。高濃度の二酸化炭素を含んだオフガスは、圧縮機207により、当該オフガス中の二酸化炭素を液化するのに必要な5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧された後、冷却熱交換器208に供給されて圧縮液化状態にされている。これにより、オフガス中の二酸化炭素は、気液混合流の状態で気液分離槽209に導入され、この気液分離槽209において、液相である液化炭酸と、気相である二酸化炭素分離済みのオフガスとに分離され、圧縮液化された液化炭酸はタンク210で回収される。
特開2010−254544号公報
しかしながら、特許文献1には、以下のような問題があった。特許文献1は、生成改質ガスから水素を分離した後のオフガスを、零下20℃の条件下で、冷却熱交換器208の冷却前の水分吸着塔205で水分を吸着している段階で既に、この水素分離後のオフガスに含まれる二酸化炭素を液化するのに、2MPaGを越える高い圧力で水素分離後のオフガスを昇圧しなければならない状態となっている。その上、水分吸着後のオフガスは、二酸化炭素を選択的に透過させる二酸化炭素富化装置206を通じて冷却熱交換器208に供給されているため、二酸化炭素富化装置206で生じる圧力損失が非常に大きくなっている。しかも、回収された圧縮液化状の二酸化炭素から、工業的に利用できる濃度99.5%以上のガスを生成するために、冷却熱交換器208に供給される水分吸着後のオフガスに対し、このオフガスに含まれる二酸化炭素を、二酸化炭素富化装置206を通じることにより、90%(容量%)以上の安定した濃度にしている。そのため、特許文献1は、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる圧縮機207を二酸化炭素液化回収装置201に必要とし、炭化水素系燃料を約1MPaGに昇圧させる圧縮機202以外に、圧縮機207を設けることで、コストアップとなっていた。
特に、二酸化炭素の液化にあたり、圧縮機202以外に、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる性能を具備した圧縮機207を余分に設けると、このような高圧向けの圧縮機207では、イニシャルコストやランニングコストが高価になるほか、圧縮機207のエネルギ消費も非常に大きくなり、問題になる。また、特許文献1は、二酸化炭素液化回収装置210に圧縮機207を設けると、水素分離型水素製造システム全体が大型化してしまう問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、炭素系燃料から水素を精製すると共に、精製した水素と分離したオフガスに含まれる二酸化炭素を回収するのに、低コストで、かつ効率良く行うことができる水素製造方法、及び水素製造システムを提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するために、本発明の水素製造方法、及び水素製造システムは、次の構成を有している。
(1)圧縮機により圧縮された炭素系燃料を少なくとも用いて、水素分離型水蒸気改質器により、水蒸気改質触媒を通じて水蒸気改質し、水蒸気改質後のガスから水素を、水素分離膜に透過させて分離して精製すると共に、水素を分離した後の第1次オフガスから、二酸化炭素を回収する水素製造方法において、第1次オフガスに含有する水分を除去した後、水分除去後の第1次オフガスが圧力1.5MPaG以上になるよう、水素分離型水蒸気改質器に供給される前の炭素系燃料の圧力が、圧縮機により調整されていること、水分除去後の第1次オフガスを冷却器に供給して冷却し、第1次オフガス中に含まれる二酸化炭素を液化または固化すること、を特徴とする。
なお、炭素系燃料とは、例えば、メタンが主成分である天然ガスや、主成分であるメタンのほか、エタン、プロパン、ブタンを含む都市ガス、その他の炭化水素系燃料等、炭素を含む燃料であり、水と共に行う改質により、少なくとも水素の製造を可能とする燃料を意味する。
(2)(1)に記載する水素製造方法において、炭素系燃料を、圧縮機で2.0MPaG以上に圧縮すること、冷却器では、水分除去後の第1次オフガスを、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度で冷却して、第1次オフガスに含有する二酸化炭素を液化すること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する水素製造方法において、水素分離型水蒸気改質器では、水蒸気改質触媒がメタル触媒であり、水蒸気改質触媒と水素分離膜とが一体で設けられていること、水蒸気改質触媒と水素分離膜とは、水蒸気改質触媒を通過してきた直後の水蒸気改質後のガスが水素分離膜に接する位置に、配置されていること、を特徴とする。
なお、メタル触媒とは、その材質が、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)のほか、Ni、Co、Fe、Cu、Cr、Mn、Ru、Rhのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなる金属である。または、上記合金に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加した金属である。あるいは、Ni、Co、Fe、Cu、Cr、Mn、Ru、Rhに挙げる各単一金属に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加した金属である。そして、このような金属をハニカム構造、複数の細管(チューブ)を束ねて集積した構造等、炭素系燃料と水との混合物と接触する表面積をより大きくできる構造で形成したのがメタル触媒である。
(4)圧縮機により圧縮された炭素系燃料を少なくとも用いて、水蒸気改質を行う水蒸気改質触媒と、水蒸気改質後のガスから水素を分離させる水素分離膜とからなる水蒸気改質触媒反応器を有する水素分離型水蒸気改質器と、水素を分離した後の第1次オフガスを冷却することにより、第1次オフガスから水を分離する水分離器と、水が分離した後の第1次オフガスに含む水分を除去する水分除去器と、水分除去器により水分が除去された状態の第1次オフガスを冷却する冷却器と、を備える水素製造システムにおいて、圧縮機が、水分除去器により水分を除去した状態の第1次オフガスを圧力1.5MPaG以上で冷却器に供給可能な昇圧能力を具備していること、冷却器が、水分除去器により水分を除去した状態の第1次オフガスを、零下20℃以下の温度で冷却可能な冷却能力を具備していること、を特徴とする。
(5)(4)に記載する水素製造システムにおいて、水蒸気改質触媒は、メタル触媒であること、水蒸気改質触媒反応器では、水蒸気改質触媒と水素分離膜とが、一体で設けられていること、を特徴とする。
(6)(5)に記載する水素製造システムにおいて、水蒸気改質触媒反応器では、水蒸気改質触媒と水素分離膜とは、有底状の管の内部に配設され、水蒸気改質触媒が、管の軸心を中心とする径方向径内側に配置されていると共に、水素分離膜が、この水蒸気改質触媒の周りに、隙間なく密着して配置されていること、または、水蒸気改質触媒が、水蒸気改質触媒反応器の流れで上流側となる位置に配置されていると共に、水素分離膜が、上流側とは反対の下流側に位置する水蒸気改質触媒の端部と対向する位置に配置されていること、を特徴とする。
(7)(4)乃至(6)のいずれか1つに記載する水素製造システムにおいて、冷却器で、液化または固化した二酸化炭素との分離後に残る第2次オフガスを、水素分離型水蒸気改質器の加熱源の燃料として、還流する管路が設けられていること、を特徴とする。
(8)(4)乃至(7)のいずれか1つに記載する水素製造システムにおいて、水素分離膜を透過した水素を圧力0.7MPaG以下に調整する水素圧力調整機器を有していること、を特徴とする。
上記構成を有する本発明の水素製造方法、及び水素製造システムの作用・効果について説明する。
(1)圧縮機により圧縮された炭素系燃料を少なくとも用いて、水素分離型水蒸気改質器により、水蒸気改質触媒を通じて水蒸気改質し、水蒸気改質後のガスから水素を、水素分離膜に透過させて分離して精製すると共に、水素を分離した後の第1次オフガスから、二酸化炭素を回収する水素製造方法において、第1次オフガスに含有する水分を除去した後、水分除去後の第1次オフガスが圧力1.5MPaG以上になるよう、水素分離型水蒸気改質器に供給される前の炭素系燃料の圧力が、圧縮機により調整されていること、水分除去後の第1次オフガスを冷却器に供給して冷却し、第1次オフガス中に含まれる二酸化炭素を液化または固化すること、を特徴とするので、圧縮機は1つだけで、水素分離型水蒸気改質器により炭素系燃料から水素を精製した後、第1次オフガスの大部分を占める二酸化炭素が回収できるようになる。回収された二酸化炭素に対し、その濃度が99.5%(容量%)以上であれば、この濃度の二酸化炭素は、JIS規格1106で規定する品質を満たした工業向けガスとして利用できるが、濃度99.5%(容量%)を満たない二酸化炭素は、例えば、別の工程で、工業的に利用可能な濃度99.5%(容量%)以上のガスとなるよう、改質するための原料等として用いられる。あるいは、回収された二酸化炭素は、例えば、上記工業向けガス以外の工業用途、冷却用途、農業用途等の産業向けに利用される。よって、本発明の水素製造方法は、水素分離型水蒸気改質器の上流側に配置した第1圧縮機(図7中、圧縮機202)のほかに、二酸化炭素液化回収装置に第2圧縮機(図7中、圧縮機207)を配置して、オフガスに含まれる二酸化炭素を昇圧した従来の水素製造方法に比して、安価なコストで、水素を精製し、その残りの二酸化炭素を回収することができる。
すなわち、特許文献1は、生成改質ガスから水素を分離した後のオフガスに対し、冷却器による冷却前に、零下20℃の条件下で水分を吸着している段階で既に、このオフガスに含まれる二酸化炭素を液化するのに、2MPaGを越える圧力で昇圧しなければならない状態となっている。その状態で、このオフガスは、二酸化炭素を選択的に透過させる二酸化炭素富化装置を通じて冷却器に供給されているため、二酸化炭素富化装置で生じる圧力損失が非常に大きくなっている。しかも、回収された圧縮液化状の二酸化炭素から、工業的に利用できる濃度99.5%以上のガスを生成するために、冷却器に供給される水分吸着後のオフガスに対し、このオフガスに含まれる二酸化炭素を、二酸化炭素富化装置を通じて90%(容量%)以上の安定した濃度で液化している。つまり、特許文献1では、このような濃度で二酸化炭素を液化するにあたり、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる第2圧縮機を必要としており、この第2圧縮機が必要となることで、第2圧縮機に掛かるイニシャルコストや、運転時のランニングコストが高価であった。また、水素を精製するほかに、濃度99.5%以上の二酸化炭素のガスまで生成しようとすると、第2圧縮機の運転時には、相当大きなエネルギが消費されることから、水素と二酸化炭素のガスとの生成までに消費されるエネルギに対し、第2圧縮機で消費されるエネルギが大きく占めることから、水素の精製にあたり、エネルギ効率が高くない。
これに対し、本発明の水素製造方法では、特許文献1とは異なり、二酸化炭素富化装置が設けられていない。そのため、冷却器に供給される水分吸着後のオフガスに対し、含有する二酸化炭素の濃度が、例えば、85%(容量%)等、特許文献1に比べて低く、工業的に利用可能なガスを直接生成することができない場合もあるが、従来、二酸化炭素富化装置で大きく生じていた圧力損失はない。
その一方で、例えば、炭素系燃料と水との混合物等に対し、水素分離型水蒸気改質器において、特に水蒸気改質触媒で水蒸気改質を行っている過程で圧力損失が大きく生じるほか、水分除去後の第1次オフガスを冷却器に供給するまでに管経路等でも、圧力損失は生じる。そのために、このような圧力損失分を見込んだ上で、冷却器に供給された水分除去後の第1次オフガスの圧力が1.5MPaG以上を満たすよう、水素分離型水蒸気改質器に供給される前の炭素系燃料の圧力を、圧縮機で調整しておく必要があり、水分除去後の第1次オフガスを冷却器で液化または固化するのに、この圧縮機1つで足りる。つまり、本発明の水素製造方法は、この圧縮機(第1圧縮機)とは別に、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる第2圧縮機を必要とする特許文献1(従来の水素製造方法)と異なり、高価なこの第2圧縮機を必要ないため、そのイニシャルコストがかからない。また、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる性能を具備した第2圧縮機を不要とする分、第2圧縮機に掛かる相当高価なランニングコストが節約でき、このような高圧向けの第2圧縮機を運転させるのに必要な大きなエネルギの消費もないため、省エネルギで、環境に優しく適合した水素製造方法が提供できる。
他方、本発明の水素製造方法では、二酸化炭素富化装置を設けていないため、冷却器に供給する前に、水分吸着後のオフガスに含む二酸化炭素の濃度が、前述したように、例えば、85%(容量%)等と、特許文献1に比べて低く、ガス化した二酸化炭素を直接工業的に利用できない場合がある。その一方で、二酸化炭素富化装置に掛かる相当なイニシャルコストが節約でき、さらに二酸化炭素を富化する過程で起こる圧力損失を考慮する必要がない。これにより、水素の精製にあたり、消費するエネルギは、特許文献1に比べて小さく、かつエネルギロスも抑制されて、エネルギの効率は高くなる。
また、本発明の水素製造方法では、冷却器に供給された水分除去後の第1次オフガスの圧力が1.5MPaG以上を満たすよう、圧縮機で調整されているため、水分除去後の第1次オフガスの大部分を占める二酸化炭素が、その物性上、二酸化炭素の相平衡図に基づく温度で、冷却器によって冷却されれば、液化または固化されて、容易に回収できる。さらに、本発明の水素製造方法は、従来の水素製造方法と異なり、前述した第2圧縮機を必要としないことから、水素製造システム全体が小型化できる。
また、本発明の水素製造方法では、圧縮機により、水素分離型水蒸気改質器に供給される前の炭素系燃料の圧力が、1.5MPaG以上の大きさに前記圧力損失分を見込んだ大きさに調整され、炭素系燃料を第1圧縮機で約1MPaGに昇圧して水素分離型水蒸気改質器に供給する従来の水素製造方法に比して、高くなっている。これにより、炭素系燃料と水との水蒸気改質反応では、水素が水素分離膜を透過し易くなり、水素の精製効率が向上する。
すなわち、炭素系燃料が、例えば、都市ガスや天然ガスの主成分となるメタンである場合を用いて説明すると、メタンと水との反応と一酸化炭素と水との反応とは、可逆反応であるものの、下記化学反応式に示すように、圧縮機で調整された圧力により、一酸化炭素と水素とを、二酸化炭素と水素とを生成する方向に、反応が促進される。
(a)水蒸気改質反応
CH+HO→CO+3H(この3Hが分離して精製)
(b)一酸化炭素変成反応
CO+HO→CO+H(このHが分離して精製)
よって、(a)水蒸気気質反応で生じる水素と、(b)一酸化炭素変成反応で生じる水素を生成する反応がより促進されるため、水素の精製効率が向上する。
従って、本発明の水素製造方法では、炭素系燃料から水素を精製すると共に、精製した水素と分離したオフガスに含まれる二酸化炭素を回収するのに、低コストで、かつ効率良く行うことができる、という優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する水素製造方法において、炭素系燃料を、圧縮機で2.0MPaG以上に圧縮すること、冷却器では、水分除去後の第1次オフガスを、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度で冷却して、第1次オフガスに含有する二酸化炭素を液化すること、を特徴とするので、圧縮機で昇圧する圧力と、冷却器で冷却する温度との設定の自由度を大きくして、液化した二酸化炭素が回収できる。また、第1次オフガスに占める二酸化炭素の濃度(容量%)をより高濃度にした状態で、液化した二酸化炭素が効率良く回収できると共に、二酸化炭素を回収するのに、圧縮機と冷却器とに消費されるエネルギをより小さく抑制することがきる。
すなわち、水分離器により、第1次オフガスに含まれる水を離した後、例えば、1.2%程度の微量水分を、さらに水分吸着剤等により除去した水分除去後の第1次オフガスでは、二酸化炭素は、例えば、85%(容量%)等以上の濃度となっており、液化または固化し易い状態にある。圧縮機により、水分除去後の第1次オフガスが冷却器に供給されるまでに、前述した圧力損失が生じても、圧縮機が、炭素系燃料を2.0MPaG以上に圧送していれば、二酸化炭素の相平衡図を用い、二酸化炭素の分圧を考慮すると、水分除去後の第1次オフガスの圧力が、例えば、1.5MPaGの場合に、水分除去後の第1次オフガスに含有する二酸化炭素は、零下35℃程度に冷却されると液化する。また、水分除去後の第1次オフガスの圧力が、例えば、2.0MPaGの場合でも、零下25℃程度に冷却されると液化する。その一方で、水分除去後の第1次オフガスの圧力が大気圧と同じであれば、零下80℃近くまで冷却しないと固化しない。このように、二酸化炭素の相平衡図によれば、冷却器に供給された水分除去後の第1次オフガスは、圧力が高い程、比較的高温で液化または固化し、圧力が低いと、冷却温度を下げないと液化または固化しない。
しかしながら、実際に工場の設備で二酸化炭素を回収しようとすると、冷却器に供給された水分除去後の第1次オフガスの圧力がむやみに高くなると、冷却器では、二酸化炭素をより低温化しなくても良いが、より高圧な昇圧能力を具備した圧縮機が必要となり、コスト高となるばかりか、圧縮機で消費されるエネルギも大きくなってしまう。その一方で、冷却器に供給された水分除去後の第1次オフガスの圧力をむやみに高くせず、冷却器において、実用的な範囲で二酸化炭素を冷却できる温度として、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度範囲にすることで、圧縮機で昇圧する圧力と、冷却器で冷却する温度との設定の自由度が大きくでき、二酸化炭素が液化して回収できるようになる。また、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度範囲にすることで、昇圧能力が2.0MPaG近傍の大きさの圧縮機が選択でき、このような圧縮機を用いれば、液化した二酸化炭素を十分に生成することができ、冷却器と圧縮機とで消費されるエネルギも小さく抑制することができる。
(3)(1)または(2)に記載する水素製造方法において、水素分離型水蒸気改質器では、水蒸気改質触媒がメタル触媒であり、水蒸気改質触媒と水素分離膜とが一体で設けられていること、水蒸気改質触媒と水素分離膜とは、水蒸気改質触媒を通過してきた直後の水蒸気改質後のガスが水素分離膜に接する位置に、配置されていること、を特徴とするので、水蒸気改質触媒は、耐圧性に優れ、冷却器に供給されるまでに生じる圧力損失分を見込んだ1.5MPaG以上という比較的高圧で、炭素系燃料と水との混合物を水蒸気改質触媒に通しても、水蒸気改質触媒反応器の損傷を防止することができる。また、メタル触媒は、水蒸気改質触媒をセラミックスで形成した場合に比べ、メンテナンス性も良い。また、水蒸気改質触媒と水素分離膜とが一体になっているため、水蒸気改質触媒を通過した水蒸気改質後のガスから水素を分離させるのに、水素を多く含んだガスが、水素分離膜を透過せず、第1次オフガスとして、冷却器に向けて流れるのを抑制することができる。
(4)圧縮機により圧縮された炭素系燃料を少なくとも用いて、水蒸気改質を行う水蒸気改質触媒と、水蒸気改質後のガスから水素を分離させる水素分離膜とからなる水蒸気改質触媒反応器を有する水素分離型水蒸気改質器と、水素を分離した後の第1次オフガスを冷却することにより、第1次オフガスから水を分離する水分離器と、水が分離した後の第1次オフガスに含む水分を除去する水分除去器と、水分除去器により水分が除去された状態の第1次オフガスを冷却する冷却器と、を備える水素製造システムにおいて、圧縮機が、水分除去器により水分を除去した状態の第1次オフガスを圧力1.5MPaG以上で冷却器に供給可能な昇圧能力を具備していること、冷却器が、水分除去器により水分を除去した状態の第1次オフガスを、零下20℃以下の温度で冷却可能な冷却能力を具備していること、を特徴とするので、例えば、炭素系燃料と水とを混合した場合、水素分離型水蒸気改質器で水素を精製した後、水分離器と水分除去器とにより水分を除去した状態の第1次オフガスの大部分は、二酸化炭素で占めており、この二酸化炭素は、冷却器により冷却して、液化または固化させ、1つの圧縮機を用いるだけで回収できる。そのため、本発明の水素製造システムは、水素分離型水蒸気改質器の上流側に配置した第1圧縮機(図7中、圧縮機202)のほかに、二酸化炭素液化回収装置に配置した第2圧縮機(図7中、圧縮機207)を用いて、オフガスの大部分を占める二酸化炭素を昇圧した従来の水素製造システムに比して、安価なコストで、水素を精製し、その残りの二酸化炭素を回収できる。
また、本発明の水素製造システムは、従来の水素製造システムと異なり、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる性能を具備した上記第2圧縮機を不要とする分、システム全体をコンパクトにできる。また、このような高圧向けの第2圧縮機を運転させるのに必要な大きなエネルギの消費がないため、省エネルギで、環境に優しく適合した水素製造システムが提供できる。
また、本発明の水素製造システムでは、圧縮機により、水蒸気改質触媒反応器に供給される前の炭素系燃料の圧力が、1.5MPaG以上の大きさに、冷却器に供給されるまでに生じる圧力損失分を見込んだ大きさに調整され、炭素系燃料を第1圧縮機により約1MPaGに昇圧して水素分離型水蒸気改質器に供給する従来の水素製造方法に比して、高くなっている。これにより、炭素系燃料と水との水蒸気改質反応では、水素が水素分離膜を透過し易くなり、水素の精製効率が向上する。
従って、本発明の水素製造システムでは、炭素系燃料から水素を精製すると共に、精製した水素と分離したオフガスに含まれる二酸化炭素を回収するのに、低コストで、かつ効率良く行うことができる、という優れた効果を奏する。
(5)(4)に記載する水素製造システムにおいて、水蒸気改質触媒は、メタル触媒であること、水蒸気改質触媒反応器では、水蒸気改質触媒と水素分離膜とが、一体で設けられていること、を特徴とするので、水蒸気改質触媒は、耐圧性に優れ、冷却器に供給されるまでに生じる圧力損失分を見込んだ1.5MPaG以上という比較的高圧で、炭素系燃料と水との混合物を水蒸気改質触媒に通しても、水蒸気改質触媒反応器の損傷を防止することができる。また、メタル触媒は、水蒸気改質触媒をセラミックスで形成した場合に比べ、メンテナンス性も良い。また、水蒸気改質触媒と水素分離膜とが一体になっているため、水蒸気改質触媒を通過した水蒸気改質後のガスから水素を分離させるのに、水素を多く含んだガスが、水素分離膜を透過せず、第1次オフガスとして、冷却器に向けて流れるのを抑制することができる。
(6)(5)に記載する水素製造システムにおいて、水蒸気改質触媒反応器では、水蒸気改質触媒と水素分離膜とは、有底状の管の内部に配設され、水蒸気改質触媒が、管の軸心を中心とする径方向径内側に配置されていると共に、水素分離膜が、この水蒸気改質触媒の周りに、隙間なく密着して配置されていること、または、水蒸気改質触媒が、水蒸気改質触媒反応器の流れで上流側となる位置に配置されていると共に、水素分離膜が、上流側とは反対の下流側に位置する水蒸気改質触媒の端部と対向する位置に配置されていること、を特徴とするので、水素分離膜が水蒸気改質触媒の周りに配置される場合には、管の底と水蒸気改質触媒との間に空間が形成されていると、例えば、圧縮機により圧縮された炭素系燃料と水蒸気との混合物等が、水蒸気改質触媒を通じ、水蒸気改質触媒を通じた水蒸気改質後のガスが、上記空間まで流れると、管の底により流れを逆向きにして流れる。流れが逆向きになった水蒸気改質後のガスは、管と水素分離膜外周の間を、圧縮機により高圧の状態で流れ、水蒸気改質後のガスのうち、水素だけが、低圧側の水素分離膜を透過する。これにより、圧縮機による炭素系燃料の圧縮作用を効果的に利用して、水蒸気改質後のガスは、水素と、それ以外のガスである第1次オフガスに、効率良く分離できる。
上流側に水蒸気改質触媒が、下流側に水素分離膜が配置される場合には、水蒸気改質触媒の端部と水素分離膜との間と、水素分離膜外周とが連通する流路が形成されていると、例えば、圧縮機により圧縮された炭素系燃料と水蒸気等との混合物が、水蒸気改質触媒を通じて、その下流側の端部から水蒸気改質後のガスが、上記流路に流れる。水蒸気改質後のガスは、上記流路を、圧縮機により高圧の状態で流れ、水蒸気改質後のガスのうち、水素だけが、低圧側の水素分離膜を透過する。これにより、圧縮機による炭素系燃料の圧縮作用を効果的に利用して、水蒸気改質後のガスは、水素と、それ以外のガスである第1次オフガスに、効率良く分離できる。
(7)(4)乃至(6)のいずれか1つに記載する水素製造システムにおいて、冷却器で、液化または固化した二酸化炭素との分離後に残る第2次オフガスを、水素分離型水蒸気改質器の加熱源の燃料として、還流する管路が設けられていること、を特徴とするので、第2次オフガスは、前述したように、水蒸気改質反応の後、一酸化炭素変成反応が生じずに残る一酸化炭素と、生成した水素が回収できずに残る水素とを含んでいる。これらの一酸化炭素と水素を、加熱源の燃料として有効活用することで、炭素系燃料に対する歩留まりが高くなり、無駄をより少なくした高いコストパーフォーマンスで、水素が製造できる。
(8)(4)乃至(7)のいずれか1つに記載する水素製造システムにおいて、水素分離膜を透過した水素を圧力0.7MPaG以下に調整する水素圧力調整機器を有していること、を特徴とするので、例えば、燃料電池、水素燃料エンジン等に向けの水素を貯蔵する水素貯蔵タンクでは、水素は圧力0.7MPaG以下で貯蔵する場合がある。このような場合、水素圧力調整機器と水素貯蔵タンクとを連通することで、本発明の水素製造システムで製造された水素は、水素圧力調整機器により0.7MPaG以下に圧力調整されて、水素貯蔵タンクにそのまま供給して貯蔵できる。
実施形態に係る水素製造システムの構成を説明する図である。 実施形態のうち、実施形態のうち、実施例1に係る水蒸気改質触媒反応器について、水蒸気改質触媒と水素分離膜との配置位置を説明する模式図である。 図2中、A−A矢視断面図である。 実施形態のうち、実施例2に係る水蒸気改質触媒反応器について、水蒸気改質触媒と水素分離膜との配置位置を説明する模式図である。 図4中、B−B矢視断面図である。 温度と圧力との関係について示した二酸化炭素の相平衡図である。 従来技術に係る水素分離型水素製造システムを示す説明図である。
以下、本発明に係る水素製造方法、及び水素製造システムについて、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施形態に係る水素製造システムの構成を説明する図である。
本発明の炭素系燃料は、本実施形態では、例えば、メタンを主成分とし、エタン、プロパン、ブタン等からなる都市ガスや、メタンを主成分とする天然ガス等の原料ガスである。本実施形態の水素製造方法は、本実施形態の水素製造システム1を用いて、このような原料ガスと水蒸気とを反応させて、水素を分離して精製すると共に、水素を分離した後の第1次オフガスから、二酸化炭素を液化して回収する方法である。
はじめに、水素製造システム1の構成について、図1を用いて説明する。水素製造システム1は、図1に示すように、圧縮機2、水素分離型水蒸気改質器3、水分離器4、水分除去器5、冷却器6、液化CO貯蔵槽7、開閉弁8、水素圧力調整機器9、原料ガス供給管路41、水供給管路42、第1圧力計61、第2圧力計62、及び第3圧力計63等を備えている。圧縮機2は、原料ガス供給管路41を通じて供給される原料ガスを圧縮させる圧縮機であり、後に詳述するように、水分除去器5により水分を除去した状態の第1次オフガスを圧力1.5MPaG以上で冷却器6に供給可能な昇圧能力を具備している。
水素分離型水蒸気改質器3は、その上流側(図1中、左側)で、第1圧力計61及び図示しないバッファタンクを介してこの圧縮機2と接続する原料ガス投入管路43と、水供給管路42と、並列接続されている。水供給管路42は、工場内の設備の排ガスから熱交換を通じて得られた熱源のほか、第2次オフガス還流管路45から供給される第2次オフガスや、都市ガス等を燃焼して得られる熱源により、水供給源から供給される水を加熱し、水蒸気として水素分離型水蒸気改質器3に供給する。
この水素分離型水蒸気改質器3は、圧縮機2により圧縮された原料ガスと水蒸気との混合物に対し、水蒸気改質を行う水蒸気改質触媒11と、水蒸気改質触媒11を通じた水蒸気改質後のガスから水素を分離させる水素分離膜21と、を有し、水蒸気改質触媒11と水素分離膜21とが一体で構成された水蒸気改質触媒反応器10を備えている。この水素分離型水蒸気改質器3は、水蒸気改質触媒11で水蒸気改質を行うのに、混合した原料ガスと水蒸気とを所定温度まで加熱できる加熱源3Hを有している。
この水蒸気改質触媒反応器10では、水蒸気改質触媒11はメタル触媒である。具体的には、本実施形態では、メタル触媒の材質は、例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)のほか、Ni、Co、Fe、Cu、Cr、Mn、Ru、Rhのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなる金属である。または、上記合金に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加した金属である。あるいは、Ni、Co、Fe、Cu、Cr、Mn、Ru、Rhに挙げる各単一金属に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を添加した金属である。水蒸気改質触媒11は、このような金属をハニカム構造、複数の細管(チューブ)を束ねて集積した構造等、原料ガスと水蒸気との混合物が接触する表面積をより大きくできる構造で形成した触媒である。
また、水素分離膜21は、本実施形態では、パラジウム(Pd)または、例えば、パラジウム(Pd)と銀(Ag)との合金、パラジウム(Pd)と銅(Cu)との合金等のパラジウム合金からなる。水素分離膜21は、水素だけを透過し、その他の一酸化炭素や二酸化炭素等のガスや、水蒸気の透過を遮断する膜構造となっている。
水素分離型水蒸気改質器3は、その下流側((図1中、右側)で、第1次オフガス流通管路44により、第1圧力計61を介して、水分離器4と接続されている。水分離器4は、水素を分離した後の第1次オフガスを、水冷または空冷で冷却することにより、第1次オフガスから水を分離する水凝縮器である。また、水素分離型水蒸気改質器3は、H回収管路47上にある水素圧力調整機器9及び第3圧力計63を介して、精製した水素を貯蔵する水素タンクに連結されている。水素圧力調整機器9は、水素分離膜20を透過した後、H回収管路47を流れる水素の圧力について、当該水素圧力調整機器9の入力側Mで、高圧となっている圧力値を、この出力側Nの圧力値である0.7MPaG以下に調整する機器であり、本実施形態では、例えば、背圧弁や、吸引ポンプ、真空ポンプ等である。
水分離器4は、水分除去器5を介して、冷却器6に連通している。水分除去器5は、本実施形態では、例えば、ゼオライト、シリカゲル等の水吸着剤であり、水分離器4により水が分離した後の第1次オフガスに含む微量(飽和蒸気圧1.2〜7.2%程度)の水分を除去する。冷却器6は、水分除去器5により微量の水分まで除去された状態の第1次オフガスを、零下20℃以下の温度で冷却可能な冷却能力を具備し、このガスが供給される室内に、図示しない温度計を備えている。水分除去器5により微量の水分まで除去された状態の第1次オフガスは、この冷却器6で冷却され、このガスの大部分を占めて含んでいた二酸化炭素が、液化される。
冷却器6には、第2次オフガス還流管路45(本発明の管路に対応)とCO回収管路46とが並列接続されている。第2次オフガス還流管路45は、冷却器6で、液化した二酸化炭素との分離後に残る第2次オフガスを、水蒸気改質触媒反応器3の加熱源10Hの燃料として、還流するための管路である。また、この第2次オフガス還流管路45は、本実施形態では、水供給管路42から水蒸気を供給するための水を加熱する水加熱源51の燃料として、還流するための管路にもなっている。冷却器6で液化された二酸化炭素は、CO回収管路46を通じて、開閉弁8を介し、液化CO貯蔵槽7に貯留されて回収される。
次に、水蒸気改質触媒反応器10,110について、実施例1,2を挙げて説明する。図2は、実施形態のうち、実施例1に係る水蒸気改質触媒反応器について、水蒸気改質触媒と水素分離膜との配置位置を説明する模式図である。図3は、図2中、A−A矢視断面図である。
〔実施例1〕
実施例1に係る水蒸気改質触媒反応器10では、水蒸気改質触媒11と水素分離膜21とは、図2及び図3に示すように、有底状の管13の内部13Sに配設され、水蒸気改質触媒11が、管13の軸心AXを中心とする径方向RD径内側に配置されていると共に、水素分離膜21が、この水蒸気改質触媒11の周りに、隙間なく密着して配置されている。
水蒸気改質触媒反応器10では、上流側(図2及び図3中、右側)から、原料ガスと水蒸気とが反応した混合物が、水蒸気改質触媒11を通じて水蒸気改質され、水蒸気改質後のガスとなって、下流側(図2及び図3中、左側)に流れて管13の底に当たる。水蒸気改質後のガスは、管13の底の近傍にある折り返し部13Sで流れの向きを反対側に変え、管13と水素分離膜20との間の流路を、水素分離膜21と接触しながら、比較的高圧の状態で流れる。このとき、水蒸気改質後のガスのうち、反応で生成された水素は、低圧側に向けて水素分離膜21を透過して、水素流通部22から水素圧力調整機器9等を通じて、水素タンクに流れ回収されるようになっている。その一方で、水素分離膜21を透過しない一酸化炭素、二酸化炭素等、水蒸気等の第1次オフガスは、第1次オフガス流通部12から第1次オフガス流通管路44を通じて、水分離器4に流れるようになっている。
〔実施例2〕
図4は、実施形態のうち、実施例2に係る水蒸気改質触媒反応器について、水蒸気改質触媒と水素分離膜との配置位置を説明する模式図であり、図4中、B−B矢視断面図を、図5に示す。
実施例2に係る水蒸気改質触媒反応器110では、水蒸気改質触媒111が、水蒸気改質触媒反応器110の流れで上流側F1(図4及び図5中、右側)となる位置に配置されていると共に、水素分離膜121が、上流側F1とは反対の下流側F2(図4及び図5中、左側)に位置する水蒸気改質触媒111の端部111Tと対向する位置に配置されている。
水蒸気改質触媒反応器110では、上流側F1から、原料ガスと水蒸気とが反応した混合物が、図4及び図5に示すように、水蒸気改質触媒111を通じて水蒸気改質され、水蒸気改質後のガスとしなって下流側F2に流れる。水蒸気改質後のガスは、水蒸気改質触媒111の端部111Tと水素分離膜121との間と、水素分離膜121の周りとを結ぶ水蒸気改質後ガス流路113を、水素分離膜121と接触しながら、比較的高圧の状態で流れる。このとき、水蒸気改質後のガスのうち、反応で生成された水素は、低圧側に向けて水素分離膜121を透過して、水素流通部122から水素圧力調整機器9等を通じて、水素タンクに流れ回収されるようになっている。その一方で、水素分離膜121を透過しない一酸化炭素、二酸化炭素等、水蒸気等の第1次オフガスは、第1次オフガス流通部112から第1次オフガス流通管路44を通じて、水分離器4に流れるようになっている。
次に、本実施形態の水素製造方法について、説明する。本実施形態の水素製造方法では、原料ガス供給管路41から供給される原料ガスを、圧縮機2により圧縮する。このときの圧力として、第1次オフガスに含有する微量の水分を水分除去器5で除去した後、冷却器6の室内で、この水分除去後の第1次オフガスが圧力1.5MPaG以上になるよう、水素分離型水蒸気改質器3に供給される前の原料ガスの圧力が、圧縮機2により調整された大きさであり、第1圧力計61において、例えば、2.0MPaG以上の圧力値にする。
すなわち、水分除去後の第1次オフガスが冷却器6に供給された状態になるまでの間に、圧力損失が、水蒸気改質触媒11で水蒸気改質を行っている過程のほか、水分除去後の第1次オフガスを冷却器6に供給するまでに管経路等で生じることを考慮して、原料ガスを、圧縮機2で2.0MPaG以上に圧縮する。圧縮機2で圧縮された原料ガスは水と混合する。この水は、図示しないポンプにより所定の圧力で昇圧され、水加熱源51により加熱された水蒸気の状態であり、水供給管路42から供給される。
原料ガスと水蒸気とは、水素分離型水蒸気改質器3に投入される前の段階で混合する。あるいは、原料ガスと水蒸気とが何れも、水素分離型水蒸気改質器3に投入されてから混合しても良い。水素分離型水蒸気改質器3は、水蒸気改質触媒反応器10,110の水蒸気改質触媒11,111がメタル触媒で、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜21,121とが一体で設けられているものを用いる。具体的には、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜21,121とが、水蒸気改質触媒11,111(メタル触媒)を通過してきた直後の水蒸気改質後のガスが水素分離膜21,121に接する位置に、配置されている水素分離型水蒸気改質器3である。
原料ガスと水蒸気との混合比S/C(原料ガス中の炭素原子のモル数に対する水蒸気のモル数の比、すなわち水蒸気/炭素のモル数比)は、2〜4であり、好ましくは、2〜2.5とする。次いで、水素分離型水蒸気改質器3を用いて、圧縮機2で圧縮された原料ガスと水蒸気との混合後、混合した状態の原料ガスと水蒸気とを、温度500〜800℃、好ましくは、温度500〜600℃の条件下で、反応させ、水蒸気改質触媒反応器10,110において、水蒸気改質触媒11,111を通じて水蒸気改質し、水蒸気改質後のガスから水素を水素分離膜21,121に透過させて分離する。これにより、水素が99.99%以上の高純度で精製され、精製された水素は、第3圧力計63の圧力値が0.7MPaG以下になるよう、水素圧力調整機器9により、その出力側Nの圧力を調整した後、水素タンクで貯蔵される。
一方、水素分離膜21,121を透過しない一酸化炭素、二酸化炭素等、水蒸気等の第1次オフガスは、第1次オフガス流通部12,112から第1次オフガス流通管路44を通じて、水分離器4に流れる。このとき、第1次オフガスは、第2圧力計62で計測される圧力値として、1.5MPaG以上を満たしていることが重要である。水分離器4では、第1次オフガスを、10〜40℃の範囲に冷却して、第1次オフガスに含まれる水分を、飽和水蒸気圧1.2〜7.2%まで滴下し分離する。次いで、水分離器4により水が分離した後の第1次オフガスを、水分除去器5で水分を吸着する雰囲気に晒し、第1次オフガスに残る1.2〜7.2%の水分を除去しておく。つまり、第1次オフガスが次工程で冷却器6の室内に供給されたときに、冷却器6の室内において、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度条件の下、第1次オフガスに残る水分が、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度に対する飽和蒸気圧以下となるようにしておく。
次いで、水分除去器5により、含有量1.2〜7.2%の微量の水分が除去された状態の第1次オフガス(微量水分除去後の第1次オフガス)を、冷却器6の室内に供給して冷却し、第1次オフガス中に含まれる二酸化炭素を液化する。具体的には、冷却器6では、微量水分除去後の第1次オフガス、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度で冷却し、この微量水分除去後の第1次オフガスに含有する二酸化炭素を液化する。すなわち、微量水分除去後の第1次オフガスでは、このガスの大部分を占めて含んでいた二酸化炭素が、例えば、85%(容量%)等以上の濃度となっており、液化し易い状態になっている。かくして、液化した二酸化炭素は、冷却器6と連通する液化CO貯蔵槽7に貯留され、開閉弁8を通じて回収される。回収された二酸化炭素に対し、その濃度が99.5%(容量%)以上であれば、この濃度の二酸化炭素は、JIS規格1106で規定する品質を満たした工業向けガスとして利用できるが、濃度99.5%(容量%)を満たない二酸化炭素は、例えば、別の工程で、工業的に利用可能な濃度99.5%(容量%)以上のガスとなるよう、改質するための原料等として用いられる。あるいは、回収された二酸化炭素は、例えば、上記工業向けガス以外の工業用途、冷却用途、農業用途等の産業向けに利用される。
一方、冷却器6の室内に供給された微量水分除去後の第1次オフガスのうち、液化した二酸化炭素との分離後に残る第2次オフガスには、水蒸気改質反応の後、一酸化炭素変成反応が生じずに残る一酸化炭素と、生成した水素が回収できずに残る水素とが、微量ながらも含まれている。これらの一酸化炭素と水素とは、冷却器6内において、液化した二酸化炭素と気液分離された後、第2次オフガス還流管路45から、水素分離型水蒸気改質器3の加熱源3Hのほか、水加熱源51に還流され、加熱源3H及び水加熱源51の燃料の少なくとも一部として有効活用されている。
前述した構成を有する本実施形態に係る水素製造方法、及び水素製造システムの作用・効果について説明する。本実施形態に係る水素製造方法では、
(1)圧縮機2により圧縮された原料ガスと水蒸気との混合物に対し、水素分離型水蒸気改質器3により、水蒸気改質触媒11,111を通じて水蒸気改質し、水蒸気改質後のガスから水素を、水素分離膜21,121に透過させて分離して精製すると共に、水素を分離した後の第1次オフガスから、二酸化炭素を回収する水素製造方法において、第1次オフガスに含有する水分を除去した後、水分除去後の第1次オフガスが圧力1.5MPaG以上になるよう、水素分離型水蒸気改質器3に供給される前の原料ガスの圧力(第1圧力計61で計測される圧力)が、圧縮機2により調整されていること、水分除去後の第1次オフガスを冷却器6に供給して冷却し、第1次オフガス中に含まれる二酸化炭素を液化または固化すること、を特徴とするので、圧縮機2は1つだけで、水素分離型水蒸気改質器3により原料ガスから水素を精製した後、第1次オフガスの大部分を占める二酸化炭素が回収できるようになる。そのため、本実施形態の水素製造方法は、水素分離型水蒸気改質器の上流側に配置した第1圧縮機(図7中、圧縮機202)のほかに、二酸化炭素液化回収装置に第2圧縮機(図7中、圧縮機207)を配置して、オフガスに含まれる二酸化炭素を昇圧した従来の水素製造方法に比して、安価なコストで、水素を精製し、その残りの二酸化炭素を回収することができる。
すなわち、特許文献1は、生成改質ガスから水素を分離した後のオフガスに対し、冷却熱交換器208による冷却前に、水分吸着塔205において零下20℃の条件下で水分を吸着している段階で既に、このオフガスに含まれる二酸化炭素を液化するのに、2MPaGを越える圧力で昇圧しなければならない状態となっている。その状態で、このオフガスは、二酸化炭素を選択的に透過させる二酸化炭素富化装置206を通じて冷却熱交換器208に供給されているため、二酸化炭素富化装置206で生じる圧力損失が非常に大きくなっている。しかも、回収された圧縮液化状の二酸化炭素から、工業的に利用できる濃度99.5%以上のガスを生成するために、冷却熱交換器208に供給される水分吸着後のオフガスに対し、このオフガスに含まれる二酸化炭素を、二酸化炭素富化装置206を通じて90%(容量%)以上の安定した濃度で液化している。つまり、特許文献1では、このような濃度で二酸化炭素を液化するにあたり、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる圧縮機207を必要としており、この圧縮機207が必要となることで、圧縮機207に掛かるイニシャルコストや、運転時のランニングコストが高価であった。また、水素を精製するほかに、濃度99.5%以上の二酸化炭素のガスまで生成しようとすると、圧縮機207の運転時には、相当大きなエネルギが消費されることから、水素と二酸化炭素のガスとの生成までに消費されるエネルギに対し、圧縮機207で消費されるエネルギが大きく占めることから、水素の精製にあたり、エネルギ効率が高くない。
これに対し、本実施形態の水素製造方法では、特許文献1とは異なり、二酸化炭素富化装置が設けられていない。そのため、冷却器6に供給される水分吸着後のオフガスに対し、含有する二酸化炭素の濃度が、例えば、85%(容量%)等、特許文献1に比べて低く、工業的に利用可能なガスを直接生成することができない場合もあるが、従来、二酸化炭素富化装置206で大きく生じていた圧力損失はない。
その一方で、原料ガスと水との混合物等に対し、水素分離型水蒸気改質器3において、特に水蒸気改質触媒11,111で水蒸気改質を行っている過程で圧力損失が大きく生じるほか、水分除去器5により水分除去後の第1次オフガスを冷却器6に供給するまでに管経路等でも、圧力損失は生じる。そのために、このような圧力損失分を見込んだ上で、冷却器6に供給された水分除去後の第1次オフガスの圧力が1.5MPaG以上を満たすよう、水素分離型水蒸気改質器3に供給される前の原料ガスの圧力を、圧縮機2で調整しておく必要があり、水分除去後の第1次オフガスを冷却器6で液化または固化するのに、この圧縮機1つで足りる。つまり、本実施形態の水素製造方法は、この圧縮機2(特許文献1では、圧縮機202に対応)とは別に、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる圧縮機207を必要とする特許文献1(従来の水素製造方法)と異なり、圧縮機2とは別で、高価なこの圧縮機207に相当する別の圧縮機を必要ないため、そのイニシャルコストがかからない。また、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる性能を具備した別の圧縮機を不要とする分、この別の圧縮機に掛かる相当高価なランニングコストが節約でき、このような高圧向けの別の圧縮機を運転させるのに必要な大きなエネルギの消費もないため、省エネルギで、環境に優しく適合した水素製造方法が提供できる。
他方、本実施形態の水素製造方法では、二酸化炭素富化装置を設けていないため、冷却器6に供給する前に、水分吸着後のオフガスに含む二酸化炭素の濃度が、前述したように、例えば、85%(容量%)等と、特許文献1に比べて低く、ガス化した二酸化炭素を直接工業的に利用できない場合がある。その一方で、本実施形態の水素製造方法は、特許文献1等の従来の水素製造方法と異なり、二酸化炭素富化装置に掛かる相当なイニシャルコストが節約でき、さらに二酸化炭素を富化する過程で起こる圧力損失を考慮する必要がない。これにより、水素の精製にあたり、消費するエネルギは、特許文献1に比べて小さく、かつエネルギロスも抑制されて、エネルギの効率は高くなる。
また、本実施形態の水素製造方法では、冷却器6に供給された水分除去後の第1次オフガスの圧力が1.5MPaG以上を満たすよう、圧縮機2で調整されているため、水分除去後の第1次オフガスの大部分を占める二酸化炭素が、その物性上、温度と圧力との関係について図6に示した二酸化炭素の相平衡図に基づく温度で、冷却器6によって冷却されれば、液化または固化されて、容易に回収できる。さらに、本実施形態の水素製造方法は、従来の水素製造方法と異なり、前述した別の圧縮機を必要としないことから、水素製造システム1全体が小型化できる。
また、本実施形態の水素製造方法では、圧縮機2により、水素分離型水蒸気改質器3に供給される前の原料ガスの圧力が、1.5MPaG以上の大きさに前記圧力損失分を見込んだ大きさに調整され、原料ガスを圧縮機202(図7参照)で約1MPaGに昇圧して水素分離型水蒸気改質器に供給する従来の水素製造方法(特許文献1)に比して、高くなっている。これにより、原料ガスと水蒸気との水蒸気改質反応では、水素が水素分離膜21,121を透過し易くなり、水素の精製効率が向上する。
すなわち、原料ガスが、本実施形態のように、都市ガスや天然ガスの主成分となるメタンである場合を用いて説明すると、メタンと水との反応と一酸化炭素と水との反応とは、可逆反応であるものの、下記化学反応式に示すように、圧縮機2で調整された圧力により、一酸化炭素と水素とを、二酸化炭素と水素とを生成する方向に、反応が促進される。
(a)水蒸気改質反応
CH+HO→CO+3H(この3Hが分離して精製)
(b)一酸化炭素変成反応
CO+HO→CO+H(このHが分離して精製)
よって、(a)水蒸気気質反応で生じる水素と、(b)一酸化炭素変成反応で生じる水素を生成する反応がより促進されるため、水素の精製効率が向上する。
従って、本実施形態の水素製造方法では、原料ガスから水素を精製すると共に、精製した水素と分離した第1オフガスに含まれる二酸化炭素を回収するのに、低コストで、かつ効率良く行うことができる、という優れた効果を奏する。
(2)原料ガスを、圧縮機2で2.0MPaG以上に圧縮すること、冷却器6では、微量水分除去後の第1次オフガスを、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度で冷却して、第1次オフガスに含有する二酸化炭素を液化すること、を特徴とするので、圧縮機2で昇圧する圧力と、冷却器6で冷却する温度との設定の自由度を大きくして、液化した二酸化炭素が回収できる。また、第1次オフガス(微量水分除去後の第1次オフガス)に占める二酸化炭素の濃度(容量%)を、例えば、85%(容量%)等以上の高濃度にした状態で、液化した二酸化炭素が効率良く回収できると共に、二酸化炭素を回収するのに、圧縮機2と冷却器6とに消費されるエネルギをより小さく抑制することがきる。
すなわち、水分離器4により、第1次オフガスに含まれる水を離した後、例えば、1.2%程度の微量水分を、さらに水分除去器5により除去した微量水分除去後の第1次オフガスでは、二酸化炭素は、例えば、85%(容量%)等以上の濃度となっており、液化または固化し易い状態にある。圧縮機2により、微量水分除去後の第1次オフガスが冷却器6に供給されるまでに、前述した圧力損失が生じても、圧縮機2が、原料ガスを2.0MPaG以上に圧送していれば、図6に示す二酸化炭素の相平衡図を用い、二酸化炭素の分圧を考慮すると、微量水分除去後の第1次オフガスの圧力が、例えば、1.5MPaGの場合に、微量水分除去後の第1次オフガスに含有する二酸化炭素は、零下35℃程度に冷却されると液化する。また、微量水分除去後の第1次オフガスの圧力が、例えば、2.0MPaGの場合でも、零下25℃程度に冷却されると液化する。その一方で、微量水分除去後の第1次オフガスの圧力が大気圧と同じであれば、零下80℃近くまで冷却しないと固化しない。このように、二酸化炭素の相平衡図によれば、冷却器6に供給された微量水分除去後の第1次オフガスは、圧力が高い程、比較的高温で液化または固化し、圧力が低いと、冷却温度を下げないと液化または固化しない。
しかしながら、実際に工場の設備で二酸化炭素を回収しようとすると、冷却器6に供給された微量水分除去後の第1次オフガスの圧力がむやみに高くなると、冷却器6では、二酸化炭素をより低温化しなくても良いが、より高圧な昇圧能力を具備した圧縮機2が必要となり、コスト高となるばかりか、圧縮機2で消費されるエネルギも大きくなってしまう。その一方で、冷却器6に供給された微量水分除去後の第1次オフガスの圧力をむやみに高くせず、冷却器6において、実用的な範囲で二酸化炭素を冷却できる温度として、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度範囲にすることで、圧縮機2で昇圧する圧力と、冷却器6で冷却する温度との設定の自由度が大きくでき、二酸化炭素が液化して回収できるようになる。また、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度範囲にすることで、昇圧能力が2.0MPaG近傍の大きさの圧縮機2が選択でき、このような圧縮機2を用いれば、液化した二酸化炭素を十分に生成することができ、冷却器6と圧縮機2とで消費されるエネルギも小さく抑制することができる。
(3)水素分離型水蒸気改質器3では、水蒸気改質触媒11,111がメタル触媒であり、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜21,121とが一体で設けられていること、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜21,121とは、水蒸気改質触媒11,111を通過してきた直後の水蒸気改質後のガスが水素分離膜21,121に接する位置に、配置されていること、を特徴とするので、水蒸気改質触媒11,111は、耐圧性に優れ、冷却器6に供給されるまでに生じる圧力損失分を見込んだ1.5MPaG以上という比較的高圧で、原料ガスと水蒸気との混合物を水蒸気改質触媒11,111に通しても、水蒸気改質触媒反応器10,110の損傷を防止することができる。また、メタル触媒は、水蒸気改質触媒をセラミックスで形成した場合に比べ、メンテナンス性も良い。また、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜21,121とが一体になっているため、水蒸気改質触媒11,111を通過した水蒸気改質後のガスから水素を分離させるのに、水素を多く含んだガスが、水素分離膜12,121を透過せず、第1次オフガスとして、冷却器6に向けて流れるのを抑制することができる。
また、本実施形態に係る水素製造システム1では、
(4)圧縮機2により圧縮された原料ガスと水蒸気との混合物に対し、水蒸気改質を行う水蒸気改質触媒11,111と、水蒸気改質後のガスから水素を分離させる水素分離膜12,121とからなる水蒸気改質触媒反応器10,110を有する水素分離型水蒸気改質器3と、水素を分離した後の第1次オフガスを冷却することにより、第1次オフガスから水を分離する水分離器4と、水が分離した後の第1次オフガスに含む水分を除去する水分除去器5と、水分除去器5により水分が除去された状態の第1次オフガス(微量水分除去後の第1次オフガス)を冷却する冷却器6と、を備える水素製造システム1において、圧縮機2が、水分除去器5により水分を除去した状態の第1次オフガスを圧力1.5MPaG以上で冷却器6に供給可能な昇圧能力を具備していること、冷却器6が、微量水分除去後の第1次オフガスを、零下20℃以下の温度で冷却可能な冷却能力を具備していること、を特徴とするので、水素分離型水蒸気改質器3で水素を精製した後、水分離器4と水分除去器5とにより水分を除去した状態の第1次オフガス(微量水分除去後の第1次オフガス)の大部分は、二酸化炭素で占めており、この二酸化炭素は、冷却器6により冷却して、液化または固化させ、1つの圧縮機2を用いるだけで回収できる。そのため、本実施形態の水素製造システム1は、水素分離型水蒸気改質器の上流側に配置した第1圧縮機(図7中、圧縮機202)のほかに、二酸化炭素液化回収装置に配置した第2圧縮機(図7中、圧縮機207)を用いて、オフガスの大部分を占める二酸化炭素を昇圧した従来の水素製造システムに比して、安価なコストで、水素を精製し、その残りの二酸化炭素を回収できる。
また、本実施形態の水素製造システム1は、従来の水素製造システムと異なり、5〜15MPaGという高い圧力まで昇圧できる性能を具備した上記第2圧縮機を不要とする分、システム全体をコンパクトにできる。また、このような高圧向けの第2圧縮機を運転させるのに必要な大きなエネルギの消費がないため、省エネルギで、環境に優しく適合した水素製造システムが提供できる。
また、本実施形態の水素製造システム1では、圧縮機2により、水蒸気改質触媒反応器10,110に供給される前の原料ガスの圧力が、1.5MPaG以上の大きさに、冷却器6に供給されるまでに生じる圧力損失分を見込んだ大きさに調整され、原料ガスを第1圧縮機により約1MPaGに昇圧して水素分離型水蒸気改質器に供給する従来の水素製造方法に比して、高くなっている。これにより、原料ガスと水蒸気との水蒸気改質反応では、水素が水素分離膜12,121を透過し易くなり、水素の精製効率が向上する。
従って、本実施形態の水素製造システム1では、原料ガスから水素を精製すると共に、精製した水素と分離したオフガスに含まれる二酸化炭素を回収するのに、低コストで、かつ効率良く行うことができる、という優れた効果を奏する。
(5)水蒸気改質触媒11,111は、メタル触媒であること、水蒸気改質触媒反応器10,110では、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜12,121とが、一体で設けられていること、を特徴とするので、水蒸気改質触媒11,111は、耐圧性に優れ、冷却器6に供給されるまでに生じる圧力損失分を見込んだ1.5MPaG以上という比較的高圧で、原料ガスと水蒸気との混合物を水蒸気改質触媒11,111に通しても、水蒸気改質触媒反応器10,110の損傷を防止することができる。また、メタル触媒は、水蒸気改質触媒をセラミックスで形成した場合に比べ、メンテナンス性も良い。また、水蒸気改質触媒11,111と水素分離膜12,121とが一体になっているため、水蒸気改質触媒11,111を通過した水蒸気改質後のガスから水素を分離させるのに、水素を多く含んだガスが、水素分離膜12,121を透過せず、第1次オフガスとして、冷却器6に向けて流れるのを抑制することができる。
(6)水蒸気改質触媒反応器10では、水蒸気改質触媒11と水素分離膜12とは、有底状の管13の内部に配設され、水蒸気改質触媒11が、管13の軸心AXを中心とする径方向径内側RDに配置されていると共に、水素分離膜12が、この水蒸気改質触媒11の周りに、隙間なく密着して配置されていること、または、水蒸気改質触媒111が、水蒸気改質触媒反応器110の流れで上流側F1となる位置に配置されていると共に、水素分離膜121が、上流側F1とは反対の下流側F2に位置する水蒸気改質触媒111の端部111Tと対向する位置に配置されていること、を特徴とするので、水素分離膜12が水蒸気改質触媒11の周りに配置される場合には、管13の底と水蒸気改質触媒11との間に空間である折り返し部13Sが形成されていると、圧縮機2により圧縮された原料ガスと水蒸気との混合物が、水蒸気改質触媒111を通じ、水蒸気改質触媒111を通じた水蒸気改質後のガスが、折り返し部13Sまで流れると、管13の底により流れを逆向きにして流れる。流れが逆向きになった水蒸気改質後のガスは、管13と水素分離膜121外周の間を、圧縮機2により高圧の状態で流れ、水蒸気改質後のガスのうち、水素だけが、低圧側の水素分離膜121を透過する。これにより、圧縮機2による原料ガスの圧縮作用を効果的に利用して、水蒸気改質後のガスは、水素と、それ以外のガスである第1次オフガスに、効率良く分離できる。
上流側F1に水蒸気改質触媒111が、下流側F2に水素分離膜121が配置される場合には、水蒸気改質触媒111の端部111Tと水素分離膜121との間と、水素分離膜121外周とが連通する流路である水蒸気改質後ガス流路113が形成されていると、圧縮機2により圧縮された原料ガスと水蒸気との混合物が、水蒸気改質触媒111を通じて、その下流側F2の端部111Tから水蒸気改質後のガスが、水蒸気改質後ガス流路113に流れる。水蒸気改質後のガスは、水蒸気改質後ガス流路113を、圧縮機2により高圧の状態で流れ、水蒸気改質後のガスのうち、水素だけが、低圧側の水素分離膜121を透過する。これにより、圧縮機2による原料ガスの圧縮作用を効果的に利用して、水蒸気改質後のガスは、水素と、それ以外のガスである第1次オフガスに、効率良く分離できる。
(7)冷却器6で、液化した二酸化炭素との分離後に残る第2次オフガスを、水素分離型水蒸気改質器3の加熱源3Hの燃料として、還流する第2次オフガス還流管路45が設けられていること、を特徴とするので、第2次オフガスには、前述したように、水蒸気改質反応の後、一酸化炭素変成反応が生じずに残る一酸化炭素と、生成した水素が回収できずに残る水素とが、微量ながらも含んでいる。これらの一酸化炭素と水素を、加熱源3Hの燃料として有効活用することで、原料ガスに対する歩留まりが高くなり、無駄をより少なくした高いコストパーフォーマンスで、水素が製造できる。特に、本実施形態では、第2次オフガスが、水加熱源51の燃料の一部としても有効活用されていることで、原料ガスに対する歩留まりが非常に高くなっている。
(8)水素分離膜21,121を透過した水素を圧力0.7MPaG以下に調整する水素圧力調整機器9を有していること、を特徴とするので、例えば、燃料電池、水素燃料エンジン等に向けの水素を貯蔵する水素貯蔵タンクでは、水素は圧力0.7MPaG以下で貯蔵する場合がある。このような場合、水素圧力調整機器9と水素貯蔵タンクとを連通することで、本実施形態の水素製造システム1で製造された水素は、水素圧力調整機器9により0.7MPaG以下に圧力調整されて、水素貯蔵タンクにそのまま供給して貯蔵できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
例えば、実施形態では、図1に示す水素製造システム1の配管経路は、実施形態に限定されるものではなく、炭素系燃料が供給される流れに沿い、本発明の圧縮機、水素分離型水蒸気改質器、水分離器、水分除去器、及び冷却器がそれぞれ、この順になっていれば良く、これら圧縮機、水素分離型水蒸気改質器、水分離器、水分除去器、及び冷却器の間で連結される配管、計測機器等の配置は、適宜変更可能である。
1 水素製造システム
2 圧縮機
3 水素分離型水蒸気改質器
3H (水蒸気改質触媒反応器の)加熱源
4 水分離器
5 水分除去器
6 冷却器
9 水素圧力調整機器
10,110 水蒸気改質触媒反応器
11,111 水蒸気改質触媒
111T (水蒸気改質触媒の)端部
12,121 水素分離膜
13 管
45 第2次オフガス還流管路(管路)
AX (管の)軸心
RD 径方向径内側
F1 上流側
F2 下流側

Claims (8)

  1. 圧縮機により圧縮された炭素系燃料を少なくとも用いて、水素分離型水蒸気改質器により、水蒸気改質触媒を通じて水蒸気改質し、水蒸気改質後のガスから水素を、水素分離膜に透過させて分離して精製すると共に、水素を分離した後の第1次オフガスから、二酸化炭素を回収する水素製造方法において、
    前記第1次オフガスに含有する水分を除去した後、水分除去後の前記第1次オフガスが圧力1.5MPaG以上になるよう、前記水素分離型水蒸気改質器に供給される前の前記炭素系燃料の圧力が、前記圧縮機により調整されていること、
    前記水分除去後の前記第1次オフガスを冷却器に供給して冷却し、前記第1次オフガス中に含まれる二酸化炭素を液化または固化すること、
    を特徴とする水素製造方法。
  2. 請求項1に記載する水素製造方法において、
    前記炭素系燃料を、前記圧縮機で2.0MPaG以上に圧縮すること、
    前記冷却器では、前記水分除去後の前記第1次オフガスを、零下20℃以下かつ零下50℃以上の温度で冷却して、前記第1次オフガスに含有する前記二酸化炭素を液化すること、
    を特徴とする水素製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する水素製造方法において、
    前記水素分離型水蒸気改質器では、前記水蒸気改質触媒がメタル触媒であり、前記水蒸気改質触媒と前記水素分離膜とが一体で設けられていること、
    前記水蒸気改質触媒と前記水素分離膜とは、前記水蒸気改質触媒を通過してきた直後の前記水蒸気改質後のガスが前記水素分離膜に接する位置に、配置されていること、
    を特徴とする水素製造方法。
  4. 圧縮機により圧縮された炭素系燃料を少なくとも用いて、水蒸気改質を行う水蒸気改質触媒と、水蒸気改質後のガスから水素を分離させる水素分離膜とからなる水蒸気改質触媒反応器を有する水素分離型水蒸気改質器と、水素を分離した後の第1次オフガスを冷却することにより、前記第1次オフガスから水を分離する水分離器と、水が分離した後の前記第1次オフガスに含む水分を除去する水分除去器と、前記水分除去器により水分が除去された状態の前記第1次オフガスを冷却する冷却器と、を備える水素製造システムにおいて、
    前記圧縮機が、前記水分除去器により水分を除去した状態の前記第1次オフガスを圧力1.5MPaG以上で前記冷却器に供給可能な昇圧能力を具備していること、
    前記冷却器が、前記水分除去器により水分を除去した状態の前記第1次オフガスを、零下20℃以下の温度で冷却可能な冷却能力を具備していること、
    を特徴とする水素製造システム。
  5. 請求項4に記載する水素製造システムにおいて、
    前記水蒸気改質触媒は、メタル触媒であること、
    前記水蒸気改質触媒反応器では、前記水蒸気改質触媒と前記水素分離膜とが、一体で設けられていること、
    を特徴とする水素製造システム。
  6. 請求項5に記載する水素製造システムにおいて、
    前記水蒸気改質触媒反応器では、前記水蒸気改質触媒と前記水素分離膜とは、有底状の管の内部に配設され、前記水蒸気改質触媒が、前記管の軸心を中心とする径方向径内側に配置されていると共に、前記水素分離膜が、この前記水蒸気改質触媒の周りに、隙間なく密着して配置されていること、または、
    前記水蒸気改質触媒が、前記水蒸気改質触媒反応器の流れで上流側となる位置に配置されていると共に、前記水素分離膜が、前記上流側とは反対の下流側に位置する前記水蒸気改質触媒の端部と対向する位置に配置されていること、
    を特徴とする水素製造システム。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載する水素製造システムにおいて、
    前記冷却器で、液化または固化した二酸化炭素との分離後に残る第2次オフガスを、前記水素分離型水蒸気改質器の加熱源の燃料として、還流する管路が設けられていること、
    を特徴とする水素製造システム。
  8. 請求項4乃至請求項7のいずれか1つに記載する水素製造システムにおいて、
    前記水素分離膜を透過した水素を圧力0.7MPaG以下に調整する水素圧力調整機器を有していること、
    を特徴とする水素製造システム。
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