JP5409977B1 - 組合せ式硬性尿管鏡 - Google Patents

Abstract

本発明の組合せ式硬性尿管鏡は、硬性尿管鏡の本体（１）及び本体の管状部（１１）の外に環設されている管状の鞘部（２）を含む。鞘部（２）の始端と本体の管状部（１１）の間は密接されており、鞘部（２）の後端にはロック部（３）が設けられ、本体の管状部（１１）と操作部（１２）の間にはロック機構（１３）が設けられている。ロック部（３）とロック機構（１３）の係合により、本体（１）と鞘部（２）との施錠または解錠を行う。この組合せ式硬性尿管鏡を使って尿管と腎臓の検査、診断及び治療のための手術を行う場合、尿管鏡の本体（１）と鞘部（２）の間にあるロック部を緩めることで、硬性尿管鏡の本体（１）と鞘部（２）を分離し、鞘部（２）を尿管に残したまま、何回も繰り返して砕石の取り出し操作を行い、または本体（１）を単独に尿管に挿抜でき、又は軟性尿管鏡の手術通路として使えるため、手術時間を短縮し、手術の安全性を高め、軟性尿管鏡の操作が難しい問題及び容易に損耗される問題を避けることができる。

Description

本発明は、医療器械に係り、特に尿管鏡に関する。

尿管鏡は、尿管と腎臓の検査、診断及び治療を行う内視鏡であって、軟性尿管鏡と硬性尿管鏡という両種類を含み、その特徴によって、上尿路の異なる部位の診察治療にそれぞれ適用される。既存の尿管鏡では、検査及び砕石を行う時、砕石装置によって結石を破砕した後、その砕石を尿管鏡の管通路を通じて体外に取り出す必要がある。しかし、尿管鏡の管通路が非常に細くなっているので、若干大きい砕石であってもその管通路を通すことができなくなり、尿管鏡と一緒に体外に取り出すことしかできない。この場合、砕石を体外に取り出すためには、尿管鏡を、尿道、膀胱及び尿管、更には腎臓まで挿入したり、また体外に取り出したりする操作を何回も繰り返す必要があり、手術時間を延長し、手術のリスクを増やすことになり、また、複数回に渡る挿入及び取り出し操作による患者の苦痛も増加する。一方、軟性尿管鏡を利用して、腎盂（Renalpelvis）、腎杯（RenalCalyces）と尿管上部の病気を診断、治療する場合、まず、硬性尿管鏡により尿管口を拡張してから検査し、ガイドワイヤーを挿入してから硬性尿管鏡を取り出す。次に、ホースをガイドワイヤーに沿って尿管内に挿入し、その後ガイドワイヤーを取り出す。そして、軟性尿管鏡をホースに沿って尿管上部に挿入して、腎盂及び腎杯の病気を診断、治療する。手術過程において、ホースを全行程にわたって常に可視環境で挿入することができないため、尿管損傷のリスクを増やし、操作が複雑となる。また、軟性尿管鏡は、設備が高価であり、操作が難しく、容易に損耗し、頻繁な使用することは手術の時間が長くなったりコストが高くなったりすることを招くため、普及及び展開しにくくなっている。そのため、既存の尿管鏡の構造設計は、現在の臨床治療に対する安全、有効、低廉の要求を満たしていない。

本発明は、上記課題を解決するための組合せ式硬性尿管鏡を提供する。

本発明に係る組合せ式硬性尿管鏡は、硬性尿管鏡の本体及び本体の管状部の外に環設されている管状の鞘部を含み、前記鞘部の始端と前記本体の管状部の間は密接され、前記鞘部の後端にはロック部が設けられ、前記本体の管状部と操作部の間にはロック機構が設けられており、前記ロック部と前記ロック機構の係合により、前記本体と前記鞘部との施錠または解錠を行う。

また、本発明の好ましい実施形態として、前記鞘部の後端に設けられたロック部は、端蓋を有するスリーブ及びこのスリーブの側壁に固定されているピンを含み、前記鞘部の後端の外壁には、前記ピンの端部が挿入されるよう、傾斜シュートが形成されており、前記本体のロック機構は、前記本体の管壁に設けられた環状リブであり、環状リブとなる前記ロック機構は、前記スリーブの端蓋の中に係止されるように挿入しており、前記傾斜シュートでの前記ピンの動作によって、前記鞘部と前記本体との施錠または解錠を行う。

また、本発明のさらに好ましい実施形態として、前記鞘部はテーパー管であり、前記本体の管状部の始端は前記鞘部から突出し、前記鞘部の管壁と前記本体の管状部との間には隙間があることで水通路が形成され、前記鞘部の先端の外壁には入水孔が形成され、前記鞘部の後端には出水孔が形成されている。

本発明によれば、以下のような技術効果を得ることができる。
つまり、本発明による組合せ式硬性尿管鏡を使って尿管と腎臓の検査、診断及び治療のための手術を行う場合、
Ａ：尿管鏡の本体と鞘部の間にあるロック部を緩めることで、硬性尿管鏡の本体と鞘部を分離し、鞘部を尿管に残して、何回も繰り返して行う砕石の取り出しまたは本体を単独に尿管に挿入したり尿管から取り出したりするときの通路として使うため、手術時間を短縮し、手術の安全性を高め、患者の苦痛を軽減することができる。
Ｂ：軟性尿管鏡を利用して腎盂、腎杯と尿管上部の病気を診断、治療する場合でも、組合せ式硬性尿管鏡により尿管口を拡張して検査を行い、その後、硬性尿管鏡の鞘部を直接放置して軟性尿管鏡の進出通路とすることができ、ガイドワイヤーをホースに挿入する必要もないので、手術の手順を減らし、しかも、鞘部の放置作業は、全行程にわたって硬性尿管鏡自身の接眼レンズを直視する状態で行うため、従来のガイドワイヤー及びホースを挿入することより安全性が大幅に高くなる。
Ｃ：軟性尿管鏡を利用して手術を行う場合、一部の手術は硬性尿管鏡で代替することができ、尿管鏡の鞘部を直接に軟性尿管鏡及び硬性尿管鏡に交替して挿入しながら手術を行うことで、軟性尿管鏡及び硬性尿管鏡を上手に合わせて使うことができ、軟性尿管鏡の操作難及び容易に損耗されるという問題を避けることができ、実際的に臨床治療の安全、有効、低廉の要求を満たすことができる。
Ｄ：本発明の尿管鏡において、鞘部の管壁と本体の管状部の間には出水用の通路が形成され、また鞘部に入水口、出水口が形成されているため、洗浄液をその通路を通って流出させることができるので、既存の尿管鏡に水の出入り通路が一つしかない構成による水が連続して出入りできないという問題を克服することができる。これにより、手術過程において、洗浄液による連続洗浄が可能となり、はっきりした手術の可視域が確保できるとともに、水の出入りを交替して行うことによる手術時間の延長及び腔内圧の高すぎの問題を避けることができ、手術による尿管及び腎臓への損傷リスクを大幅に低減することができる。

図１は、本発明の一つの実施形態における全体構造示す模式図である。 図２は、図１に示した構成の分解模式図である。 図３は、本発明の他の一つの実施形態における分解構造を示す模式図である。

以下、図面及び実施形態によって本発明を詳細に説明する。
図１、図２に示すように、本発明による組合せ式硬性尿管鏡は、硬性尿管鏡の本体１及び本体の管状部１１の外に環設されている管状の鞘部２を含み、前記鞘部２の始端と本体の管状部１１の間は密接され、鞘部２の後端にはロック部３が設けられている。また、本体の管状部１１と操作部１２の間にはロック機構１３が設けられており、ロック部３とロック機構１３の係合により、本体１と鞘部２の施錠または解錠を行う。

本実施形態において、前記鞘部２の後端に設けられたロック部３は、端蓋３３を有するスリーブ３１、及び当該スリーブ３１の側壁に固定されているピン３２を含み、管状の鞘部２の後端の外壁には、ピン３２の端部が挿入されるよう、傾斜シュート３４が形成されている。また、本体１のロック機構１３は、本体１の管壁に設けられた環状リブであり、当該環状リブとなっているロック機構１３を、スリーブ３１の端蓋３３の中に係止されるように挿入することができる。そして、傾斜シュート３４でのピン３２の動作によって、鞘部２と本体１との施錠または解錠を行う。

また、図３に示すように、本実施形態において、鞘部２の後端に位置するロック部３は、鞘部２の後端に位置するボス部３１｀に環設されているネジスリーブ３２｀であり、本体１のロック機構１３は、本体１の管壁に設けられた雄ねじである。そして、雄ねじとなっているロック機構１３でのネジスリーブ３２｀の動作によって、鞘部２と本体１との施錠または解錠を行う。

このような本発明による組合せ式硬性尿管鏡を使って尿管と腎臓の検査、診断及び治療のための手術を行う場合、尿管鏡の本体と鞘部の間にあるロック部を緩めることで、硬性尿管鏡の本体と鞘部を分離させ、鞘部を尿管に残して、何回も繰り返して行う砕石の取り出すことが可能になり、また、本体を単独に尿管に挿入したり尿管から取り出したりするときの通路として使うことができるため、手術時間を短縮し、手術の安全性を高め、患者の苦痛を軽減することができる。また、軟性尿管鏡を利用して腎盂、腎杯と尿管上部の病気を診断、治療する場合でも、本発明による組合せ式硬性尿管鏡により尿管口を拡張して検査を行い、その後、硬性尿管鏡の鞘部を直接放置して軟性尿管鏡の進出通路とすることができ、ガイドワイヤーをホースに挿入する必要もないので、手術の手順を減らし、しかも、鞘部の放置作業は、全行程にわたって硬性尿管鏡自身の接眼レンズを直視する状態で行うため、従来のガイドワイヤー及びホースを挿入する場合に比べ安全性が大幅に高くなる。

また、軟性尿管鏡を利用して手術を行う場合、一部の手術は硬性尿管鏡で代替することができ、尿管鏡の鞘部を直接に軟性尿管鏡及び硬性尿管鏡に交替して挿入しながら手術を行うことで、軟性尿管鏡及び硬性尿管鏡を上手に組み合わせて使うことができる。例えば、軟性尿管鏡で腎杯部位の結石を破砕するとき、一部の砕石が腎盂に移動する可能性もあるが、この場合、従来では引き続き軟性尿管鏡を使って、砕石を取り出すかまたは結石を破砕することしかできなかったものの、軟性尿管鏡で砕石を取り出す操作をするには、難度が高く、破砕効率が低く、時間消耗が長くなるという問題があるため、いずれも手術時間が長くなり、手術リスクが高くなる恐れがあった。しかし、この場合、本発明による組合せ式硬性尿管鏡を使うと、硬性尿管鏡の鞘部を直接に軟性尿管鏡及び硬性尿管鏡に交替して挿入して操作することができるので、砕石の取り出し作業が便利になり、結石を迅速に破砕することで、手術時間を大幅に短縮させ、軟性尿管鏡の使用を減らすため、軟性尿管鏡の操作が難しく容易に損耗されるという問題を避けることができ、実際的に臨床治療の安全、有効、低廉の要求を満たすことができる。

また、本発明のさらなる改良として、図１、図２に示すように、管状の鞘部２はテーパー管であり、本体の管状部１１の始端は鞘部２の外に突出しており、鞘部２の管壁と本体の管状部１１との間には隙間があって水通路（４）を形成している。また、鞘部２の先端の外壁には入水孔２１が形成され、鞘部２の後端には出水孔２２が形成されている。このように、鞘部２に水の出入り通路を設けるような改良案は、既存の尿管鏡に水の出入り通路が一つしかない構成による水が連続して出入りできないという問題を克服することができる。これにより、手術過程において、洗浄液による連続洗浄が可能になり、はっきりした手術の可視域が確保できるとともに、水の出入りを交替して行うことに伴う手術時間の延長及び高腔内圧問題を避けることができ、手術による尿管及び腎臓への損傷リスクを大幅に低減することができる。
以上のように、本発明は、尿管と腎臓の検査、診断及び治療を目的とした手術に幅広く適用される。

Claims (4)

1. 組合せ式硬性尿管鏡であって、
   硬性尿管鏡の本体（１）及び本体の管状部（１１）の外に環設されている管状の鞘部（２）を含み、
   前記鞘部（２）の始端と前記本体の管状部（１１）の間は密接され、前記鞘部（２）の後端にはロック部（３）が設けられ、前記本体の管状部（１１）と本体の操作部（１２）の間にはロック機構（１３）が設けられており、
   前記ロック部（３）と前記ロック機構（１３）の係合により、前記本体（１）と前記鞘部（２）との施錠または解錠を行う、
   ことを特徴とする組合せ式硬性尿管鏡。
2. 前記鞘部（２）の後端に設けられたロック部（３）は、端蓋（３３）を有するスリーブ（３１）、及びスリーブ（３１）の側壁に固定されているピン（３２）を含み、
   前記鞘部（２）の後端の外壁には、前記ピン（３２）の端部が挿入されるように傾斜シュート（３４）が形成されており、
   前記本体（１）のロック機構（１３）は、前記本体（１）の管壁に設けられた環状リブであり、環状リブは、前記スリーブ（３１）の端蓋（３３）の中に係止されるように挿入しており、
   前記傾斜シュート（３４）での前記ピン（３２）の動作によって、前記鞘部（２）と前記本体（１）との施錠または解錠を行う、
   ことを特徴とする請求項１に記載の組合せ式硬性尿管鏡。
3. 前記鞘部（２）の後端に位置する前記ロック部（３）は、前記鞘部（２）の後端に位置するボス部（３１｀）に環設されているネジスリーブ（３２｀）であり、
   前記本体（１）のロック機構（１３）は、前記本体（１）の管壁に設けられた雄ねじであり、
   雄ねじでの前記ネジスリーブ（３２｀）の動作によって、前記鞘部（２）と前記本体（１）との施錠または解錠を行う、
   ことを特徴とする請求項１に記載の組合せ式硬性尿管鏡。
4. 前記鞘部（２）はテーパー管であり、前記本体の管状部（１１）の始端は前記鞘部（２）から突出し、
   前記鞘部（２）の管壁と前記本体の管状部（１１）との間には隙間があって出水通路（４）が形成され、
   前記鞘部（２）の先端の外壁には入水孔（２１）が形成され、前記鞘部（２）の後端には出水孔（２２）が形成されている、
   ことを特徴とする請求項１〜請求項３の何れか１項に記載の組合せ式硬性尿管鏡。