JP5552119B2 - 套管と光学系とを有する内視鏡 - Google Patents

Description

本発明は、套管とこの套管内に配置されて套管遠位端の前の領域を観察することのできる光学系とを有する外科用内視鏡に関する。

内視鏡を前立腺の切除に利用することは知られている。内視鏡は套管内に配置されるナイフを有し、このナイフは套管遠位端の前で組織を切除することができる。普通このナイフは高周波を印加される切除ループとして形成されている。切除作業時出血によって視界状況が悪化するので、十分に洗浄しなければならない。

切除に使用されるこのような内視鏡は、連続的に可視領域が洗浄されてこの領域から吸い出される連続洗浄システムを有する。内套管を通して注入洗浄され、内套管と外套管との間の環状空間を通して吸い出され、外套管が遠位領域に横孔を備えており、これらの横孔を通して吸い出される。

上記切除機器は、洗浄水で吸引排出することのできる比較的小さな組織断片が切除される古典的経尿道的切除において利用される。その際、外套管から挿入物を時々取り出して、拡大された断面を通して大きな断片も流し出さねばならない。

しかし最近、内視鏡の套管を通してもはや導出できない大きな断片に組織を細砕する前立腺切除法、例えばＴＵＥＢ（経尿道的前立腺核出術）またはＨＯＬＥＰ（ホルミウムレーザ前立腺核出術）が普及している。つまりこの切除作業では膀胱内に大きな組織断片が発生し、これらの組織断片は套管を通して外に排出できる前にまず細砕されねばならない。

この細砕目的のために使用される細切器が組織を細砕し、細砕箇所から吸い出す。吸い出された液体は連続洗浄の意味で前立腺切除法におけると同様に案内されねばならない。

例えば組織残渣、結石断片等が膀胱底から吸い出される例えば単純な吸引管におけるように吸出しを行う別の外科器具において類似の問題が発生する。ここでも、上記細切作業におけると同様に、吸引孔を有する吸引管もしくは吸引式細切器を目視観察しながら適切に操作し、吸い出された液体を案内しなければならない問題がある。

本発明の課題は、これらの目的に適した機器を提供することである。

この課題は、請求項１の特徴で解決される。

本発明によれば、套管とこの套管内にある光学系と例えば吸引式細切器の態様の吸引管とを有する内視鏡が設けられており、吸引管の吸引孔は光学系の観察範囲内で内視鏡套管の遠位端の前にある。つまり吸引孔と套管遠位端は相互に離間している。この設計において細切器もしくは吸引管はきわめて良好に制御可能、観察可能であり、選び出した断片をごく精確に吸い込みもしくは細切することができる。吸引管もしくは細切器で吸い込まれるので、套管の横孔は液体供給に利用され、こうして作業領域において液体の吸引式給排で連続洗浄が可能となり、そのことで鮮明な視界がもたらされる。その際、栓要素が套管を軸方向で閉鎖し、液体は套管から直接軸方向に流出できるのでなく、横に流出できるだけである。これにより十分な洗浄作用を有する流れが得られ、但し強い軸方向流れによる障害はない。

套管を遠位端で閉鎖する栓要素は任意の仕方で、例えば弾性密封プラグとして、シールリップとして、または套管または吸引管に形成しておくことのできる好適な栓体として設けておくことができる。しかし請求項２により有利には栓要素は光学系の端領域に形成されており、光学系と一緒に挿入することができる。

請求項３により有利には光学系と細切器が套管から取出し可能である。そのことから再利用のための浄化が容易となり、別の器具と組合せる可能性が得られる。

請求項４により有利には、套管は冒頭に触れた切除機器の外套としても利用可能であるように形成されている。そのことから、同じ外套が切除用と引き続く細切用にも利用可能であるという大きな利点が得られる。つまり外套は手術全体の間尿道内に留めることができ、套管を何度も導入し引き出すことによる患者の損傷は減少する。

図面に本発明が例示的に略示してある。

本発明に係る内視鏡の套管の遠位端領域の軸方向断面図である。 套管の側面図である。 図２の套管用の挿入物の側面図である。 図１の４‐４線断面図である。 図１の５‐５線断面図である。

図１が縦断面図で示す尿路内視鏡１の遠位先端領域は外壁となる套管２とこの套管内に配置される光学系３とを有し、この光学系は図１と図３が示すように遠位端領域で栓要素４として形成されており、この栓要素が套管２の内部断面を閉鎖する。しかし近位側で栓要素４に続いて、図１が切断線５‐５に示すように光学系３の断面は小さく、そのことは特に図５もはっきり示している。

套管２の光学系３の横でこの箇所に残存する自由内部断面には、縦長棒状細切器５を導入するためのスペースがあり、この細切器は図１と図４が示すように栓要素４の、套管２の軸線と平行に配置される穴６内に延設され、その遠位端領域が套管２の遠位端の前に配置されている。そこに細切器５が横吸引孔７を有し、この吸引孔は細切と被細切物の吸い込みとに役立つ。

図２は套管２を側面図で示す。套管２の近位端領域８に洗浄水入口管９が装着されており、この入口管によって液体は矢印方向で套管２の内部に導入することができる。套管２の遠位端領域で套管はすべての側面に孔１０を有し、そのうち１つの孔を図１に認めることもできる。

図３が示すように光学系３はその近位端領域に連結部材１１を有し、この連結部材は套管２の近位端領域８に差し込まれ、密封連結可能である。この連結部材１１から光学系は近位側で折曲げ部３’となり、折曲げ部の末端に接眼レンズ１２と横方向ライトガイド接続管１３が配置されている。接眼レンズ１２はイメージガイド１４の近位端に装着されており、イメージガイドは光学系３内に全長にわたって延設されている。ライトガイド接続管１３が近位端に２つの平行なライトガイド１５を有し、ライトガイドはやはり光学系３内に全長にわたって延設され、その遠位端面で放射する。

実施例で説明したのとは異なり、光学系３は例えば、遠位端領域にビデオカメラを配置し、イメージガイドを形成するビデオケーブルをビデオカメラから近位方向に延ばしたビデオ光学系として形成しておくことができる。光学系内にライトガイドは欠落させることができ、ライトガイドは例えば図示内視鏡とは分離して配置しておくことができる。

図３が示すように細切器５は密封して光学系３の連結部材１１内に延設され、近位側で連結部材から突出している。細切器の近位端に細切器駆動装置１６と横方向管１７が配置されており、この管を介して液体は細切器５の液体を通過させる内部から吸い出される。

図示設計から離れて、細切器５の代わりに単純な吸引管を使用することができ、この吸引管は例えば図示細切器５と同様に形成しておくことができ、但し細切機能はない。細切器５の代わりに例えば関節鏡シェーバ等の別の吸引器具も使用することができる。

近位方向で引き出すことによって光学系３から分離可能な細切器５が図３の構成による光学系に挿入され、光学系３が再び図２の套管２に挿入されると、図１、図４および図５に示した構成が遠位端領域に得られる。套管２の内部はその遠位端を端体４によって密封されている。洗浄水入口管９を通して套管２に導入される洗浄液は横孔１０を通して套管２から流出し、細切器５によって孔７を通して吸い込まれ、この孔を通して外部から細切器の回転式ナイフも接近可能であり、このナイフは駆動装置１６によって駆動される。液体の流入流出は図１に矢印１８で示唆してある。

既に述べたように、光学系３と細切器５は套管２から近位方向に引き出すことができる。図２の略図から認めることができるように、光学系３がその連結部材１１で外套に連結可能であるだけでなく、例えばＴＵＥＢ法またはＨＯＬＥＰ法に従って作動する切除機器の切除挿入物も選択的に套管２に適切に装着可能であるように、外套２はその近位端領域８が形成されている。

套管２が切除機器の外套として使用される場合、液体は普通軸方向で套管の遠位端から取り出して遠位方向で供給され、外套の横孔を通して吸い出される。吸引管もしくは吸引式細切器５と一緒に套管２をこのように使用する場合、液体は吸引管もしくは細切器によって吸い出され、孔１０を通して供給される。状況によっては単一の孔１０で既に間に合うことがある。

図１に矢印１８で示したように、液体供給と液体吸い出しとの間で循環流が達成されねばならない。しかしいずれにしても、液体流入が軸方向で起きることは栓要素４によって防止されねばならない。軸方向液体流入は細切すべき組織断片を洗い流し、こうして細切または吸い出しを妨げることがあろうが、図１による本発明に係る設計では液体案内が組織片を吸引孔７の方向に追いやる。

Claims (2)

1. 外科用内視鏡（１）であって、套管（２）がその近位端領域（８）で洗浄水入口管（９）に接続可能であり、かつ遠位端領域に少なくとも１つの横孔（１０）を有し、前記套管（２）内に延設された光学系（３）が前記套管（２）の内部断面よりも小さな断面で形成されており、前記光学系内に全長にわたってイメージガイド（１４）が延設されており、前記套管（２）の前記光学系（３）の横に残存する自由内部断面内に吸引管（５）が配置されており、前記吸引管（５）はその吸引孔（７）が遠位側で前記套管（２）の前に配置され、かつ近位側では吸引機構（１７）に接続されており、前記套管（２）の残存する自由内部断面を閉鎖する栓要素（４）が前記套管（２）の前記遠位端領域に配置され、
   前記光学系（３）の前記遠位端領域が前記栓要素（４）を形成し、
   前記光学系（３）と前記吸引管（５）が前記套管（２）から取出し可能に形成されていることを特徴とする
   内視鏡。
2. 前記套管（２）が経尿道的前立腺切除用切除機器の外套として形成されていることを特徴とする、請求項１記載の内視鏡。

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