JP4163438B2 - 内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部先端に設けられた処置具挿通用チャンネルからガイドワイヤを導出し、このガイドワイヤを用いて処置具を患部に導く内視鏡に係り、特に膵胆管系の内視鏡検査や内視鏡下手術に好適な内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、湾曲機能付きの内視鏡を用いて、体腔内の診断・処置を行う手技が実用化されている。
【0003】
内視鏡を用いた手技の例として、近年では、消化管系及び膵胆管系内にある疾患の位置に内視鏡的処置を用いることが増えてきている。内視鏡を用いた膵胆管系の処置には、内視鏡的に胆管や、膵管を造影する診断的処置の他に、総胆管等に存在する胆石を、バルーンや把持処置具により回収する治療的処置等もある。
【0004】
また、膵管や胆管や肝管等の内視鏡的処置に際しては、通常、内視鏡の挿入部の先端部を十二指腸乳頭付近まで挿入し、そこからX線透視下でガイドワイヤをガイドにしてカテーテル等の処置具を膵管や胆管や肝管に選択的に挿入することが行われている。
【0005】
具体的には、次のような作業が行われる。
図56及び図57はこのような従来の内視鏡を用いた処置具の交換作業を説明する説明図である。
【0006】
術者は、予め、図56及び図57に示す内視鏡901の挿入部902の先端部903を十二指腸乳頭付近まで挿入した後、この内視鏡901の処置具挿通用チャンネルにカテーテル904を挿入し、カテーテル904の先端部911を経内視鏡的に膵管もしくは胆管内に挿入する。次に、挿入されたカテーテル904の基端側の口金912からガイドワイヤ905を挿入する。
【0007】
その後、X線下で、ガイドワイヤ905が膵管もしくは胆管内まで正しく挿入されていることを確認し、図56に示すようにガイドワイヤ905の基端側を手で把持しつつカテーテル904を内視鏡901の処置具挿通用チャンネルから引き抜く操作を行なう。この操作中、図57に示すようにカテーテル904の先端部911が内視鏡901の操作部906側のチャンネル開口部907より出てきたら、内視鏡901のチャンネル開口部907付近のガイドワイヤ905を把持してカテーテル904を完全に内視鏡901から引き抜く。
【0008】
次に、ガイドワイヤ905の基端側を別の処置具の挿通孔内に挿入し、このガイドワイヤ905に案内させる状態で、別の処置具を内視鏡901のチャンネル開口部907から処置具挿通用チャンネルに挿入する。以後、処置具の交換回数だけ上述の内容の作業を繰り返す。
【0009】
これらの処置に用いる処置具は、一般的に内視鏡901の長さを考慮して190cm以上の長さに設定されている。
【0010】
また、ガイドワイヤ905は、内視鏡901の長さと処置具の長さとを合わせた以上の長さが必要となるので、少なくとも400cm程度、必要であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のガイドワイヤを用いて処置具を膵管や胆管や肝管に導く内視鏡では、ガイドワイヤが400cm程度と長いため、狭い内視鏡室内でガイドワイヤが床等の不潔領域に接しないように取り回すことは煩わしい作業になっており、また、処置具は長いガイドワイヤの全長分移動させなければ交換作業を行うことが出来ないので、処置具の交換自体にかかる時間も長くなっていた。従って、処置具を患部に導いたり交換する作業時には、多くの時間かかかってしまう難点があった。
【0012】
さらに、処置具を交換する作業を行う際には、術者と介助者一人での交換作業は困難であり、長いガイドワイヤとそれに合った処置具を取り回すには、手術室に少なくとも二人の介助者が必要である。そのため、人的コストが多く、病院や患者への金銭的負担が大きくなるという問題も発生する。
【0013】
このことに対応して、USP5,921,971号には、カテーテルシャフトにおけるガイドワイヤルーメンの先端部と基端部との間に長手方向の開口部を延在させることにより、ガイドワイヤを短くするとともに、ガイドワイヤからカテーテルシャフトを引き抜きやすくして、迅速交換が可能な胆管用カテーテルが開示されている。この胆管用カテーテルは、ガイドワイヤルーメンの手元側に第1開口を有し、基端側に第1開口と連通した第2開口を有したものであり、スリットから延出したガイドワイヤを押さえることで、ガイドワイヤを固定した状態でその上を走行する処置具の挿脱を可能にしたものである。
【0014】
しかし、上述した構成では、ガイドワイヤ固定位置を処置具が通過する際には、術者と介助者の連携作業が必要であった。つまり、ガイドワイヤから手を離して内視鏡に対して処置具を移動すると、ガイドワイヤも同時に移動してしまうので、例えばガイドワイヤの先端が十二指腸乳頭に挿入された状態で処置具を交換する作業時には、内視鏡の処置具挿通用チャンネルに対して処置具を引き抜きながら、同じ移動量だけガイドワイヤを挿入する。あるいは同様に処置具挿通用チャンネルに処置具を挿入しながら、同じ移動量だけガイドワイヤを引き抜くという二つの動作を同時に行う必要があるので、その操作が非常に複雑かつ面倒であった。
【0015】
また、術者と介助者が近づかないと出来ない作業であるため、両者にとって作業性が非常に悪かった。
【0016】
同様の効果を示すものとして、本件出願人による特願2001−104390号には、処置具起上台の誘導面頂上部にスリットを設け、このスリットにガイドワイヤを係止することで、内視鏡に対してガイドワイヤを固定し、ガイドワイヤから手を離した状態で処置具を交換できるようにした内視鏡が記載されているが、これはガイドワイヤを異なる2点で剪断的に固定しているため、使用環境によってスリットへのガイドワイヤの入り込みが不十分になることがあり、ガイドワイヤや処置具の使用環境によっては必要とする固定強度が保てないことがあった。
【0017】
また、処置具起上台を有する内視鏡としては、処置具起上台で処置具を起上した際の損傷を防止する目的で、様々な先行技術が存在する。
【0018】
その中でも処置具起上台等の可動部材を新たに設けて処置具の起上角度を変え2段階の起上範囲を有することで、処置具の損傷を押さえるものがあるが、これらは可動部材を新たに先端に設けたことで、可動部材を操作するための牽引手段を挿入部及び先端部に設けなければならず、これにより挿入部が太径化していた。また、先端の構造が複雑になるため、洗滌、消毒時の作業性が悪かった。
【0019】
また、本件出願人による特願2001−104390号のように、従来よりも起上角を増すことでガイドワイヤを起上時に、内視鏡の先端部の導入案内路の上面部と処置具起上台で剪断的な力でガイドワイヤを挟んで固定する内視鏡では、処置具が突出した状態で誤ってガイドワイヤ固定用起上角まで処置具起上台を起上させてしまうと、処置具が損傷してしまうことがあり、術者はこれを避けるために慎重な起上操作が必要であった。そのため、作業時間が伸び、術者、患者の疲労があった。
【0020】
一方、特に膵胆などの内視鏡を用いた症例において、特にステント留置時に、複数のガイドワイヤを体内に入れ各ガイドワイヤ越しにステントを挿入するといった手技が実際に行われている。複数体内にあるガイドワイヤの1本にステントを挿入する際には、そのガイドワイヤ先端が体内奥へと進んでいかないようにガイドワイヤを固定する必要がある。また、同時にそのガイドワイヤと並行に走る複数のガイドワイヤも先に進んでいかないようにガイドワイヤを固定する必要がある。ところが、特願2001−104390号のように、ガイドワイヤを固定するためのスリットが1つしかないと、ガイドワイヤの固定は1本しか出来ないというところに問題があった。
【0021】
このことに対応して、ガイドワイヤ固定用スリットを複数設けることも考えられるが、ガイドワイヤ固定用スリットをただ複数増やしただけでは、1本目のガイドワイヤがスリットに入った後に、2本目のガイドワイヤが1本目の既にスリットに誘導されたガイドワイヤに引っ掛かり、うまく2つ目のスリットに誘導できないためにうまく固定が出来ないことがあった。
【0022】
また、膵胆の症例で、処置具起上台に起上をかけた状態で処置具の進退を行う場面がある。処置具起上台の誘導面を特にコイルシース等の処置具が進退する際には、処置具誘導面の頂上部への負担が大かった。また、ガイドワイヤを内視鏡先端で固定するために処置具起上台にスリットを設けたものがあるが、これは処置具の進退によるスリットへの負担はさらに大かった。
【0023】
これらの理由から、長年使用することで処置具起上台の交換を迫られることもあった。
【0024】
ここで、実公昭58−50884号公報には、鉗子軸を処置具起上台本体と補助部材で受け支え、鉗子軸を取り外すことなく処置具起上台を単独で取り外せるようにしたものがあるが、これだと回転部分の壁面に段差が出来てしまうので、処置具起上台回動時のガタの発生するため問題があった。
【0025】
また、鉗子軸部は処置具起上時にかなりの力が加わるため、2体構造では材料の弾性変形等により処置具起上台回動時のガタが発生する恐れがあった。
【0026】
また、処置具起上台を回動させるためにワイヤ等の牽引手段が存在するが、先行技術では牽引手段は処置具起上台本体に接続されており、処置具起上台交換時は処置具起上台のみではなく牽引手段も交換する必要があり、牽引手段を交換するために操作部に設けた操作手段も分解する必要があり、非常に作業が煩わしかった。
【0027】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡単な操作で、内視鏡挿入部の先端部にガイドワイヤの固定を行えるようにするとともに、この場合の固定強度を十分確保できる内視鏡を提供することを第1の目的とする。
【0028】
また、本発明は、内視鏡先端部を太く、かつ複雑にすることなく、処置具起上台の起上角の2段階操作が可能な内視鏡を提供することを第2の目的とする。
【0029】
また、本発明は、複数のガイドワイヤを内視鏡先端で固定可能な内視鏡を提供することを第3の目的とする。
【0030】
また、本発明は、作業の面倒な処置具起上台の全体の交換を行うことなく、処置具起上台の損傷し易い部分のみを容易に交換可能な内視鏡を提供することを第4の目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の内視鏡は、先端側に先端硬質部を備え、処置具を挿通させるための処置具挿通用チャンネルを内蔵する挿入部と、前記先端硬質部に設けられ、前記処置具挿通チャンネルに連通する開口部と、前記開口部近傍に設けられ、処置具を所望の処置部位に誘導する処置具誘導面を有するとともに、前記処置具誘導面の側壁部に形成されたガイドワイヤ係止部であって、前記処置具挿通チャンネルから導出される処置具のうちガイドワイヤ以外のものを係止せずに前記処置具誘導面へと誘導させ、ガイドワイヤを前記処置具誘導面の一側方に誘導して係止可能なガイドワイヤ係止部を備えた処置具起上台と、前記挿入部の基端側に接続され、前記処置具起上台を操作する操作部と、を具備し、前記操作部により前記処置具起上台を起上させることによって、前記ガイドワイヤ係止部は、前記処置具誘導面の一側方に誘導した当該ガイドワイヤを、対向する前記先端硬質部の側壁との間で挟持して固定可能とすることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図12は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は内視鏡と各種の外部装置とを組み込んだ内視鏡装置のシステム全体の概略構成を示す概略図、図2はガイドワイヤを導出した状態の内視鏡の挿入部の先端部を示す斜視図、図3は内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図、図4は内視鏡の操作部の内部を示す断面図、図5は図4のA1方向から見た内視鏡の内部を示す断面図、図6は処置具起上台の斜視図、図7は処置具起上台がガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝へ誘導して起上させた状態を示す説明図、図8は処置具起上台が処置具をガイドワイヤ係止溝へ誘導して途中まで起上させた状態を示す説明図、図9はガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第1の説明図、図10はガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第2の説明図、図11はガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第3の説明図、図12はガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第4の説明図である。
【0033】
(構成)
まず、図1を用いて内視鏡装置1のシステム全体の概略構成を示すものである。
図1に示すように、内視鏡装置1は、内視鏡2と各種の外部装置とを組込んだものである。
【0034】
外部装置としては、光源装置3、画像処理装置4、モニタ5、入力用キーボード6、吸引ポンプ装置7、送水瓶8等の機器がある。これらの機器はキャリア9付きの棚10に設置されている。
【0035】
また、内視鏡2には、挿入部12と、操作部13と、ユニバーサルコード14とが設けられている。
【0036】
挿入部12は、細長く形成され、体腔内に挿入されるようになっている。操作部13は、内視鏡2の手元側に設けられ、挿入部12の基端部に連結されている。この操作部13にはユニバーサルコード14の基端部が連結されている。
【0037】
さらに、挿入部12には、基端側から可撓管部15と、湾曲部16と、先端部17とが設けられている。可撓管部15は、細長く形成され、可撓性を備えている。可撓管部15の先端には湾曲部16が連結されている。挿入部12の最先端位置に先端部17が配置されている。
【0038】
また、操作部13に連結されたユニバーサルコード14の先端部にはコネクタ18が設けられている。このコネクタ18にはライトガイド管や電気接点部が設けられている。そしてこのコネクタ18は、外部装置である光源装置3及び画像処理装置4にそれぞれ接続されている。
【0039】
また、内視鏡2の先端部17の外周面には、図2に示すように一側面側が切り欠かれた凹陥状の切欠部21が形成されている。そして、この切欠部21の一側部側にチャンネル開口部22が配置されている。さらに、このチャンネル開口部22の横には観察光学系の対物レンズ23と、照明光学系の照明レンズ24とが並べて配設されている。
【0040】
また、先端部17の切欠部21の後端壁面25には送気送水用のノズル(不図示)が突設されている。そして、このノズルから対物レンズの外表面に水や空気等の流体を噴き付けてそのレンズ面の清掃を行うように構成されている。
【0041】
また、図1に示すように、内視鏡2の操作部13には、湾曲操作部61と、送気送水ボタン62と、吸引操作ボタン63とが設けられている。湾曲操作部61は、ダイヤル状に形成され、挿入部12の湾曲部16を上下/左右方向に湾曲させるための操作を行うようになっている。また、内視鏡2の操作部13には、図3に示す処置具挿通用チャンネル26に通じる鉗子口部64が配設されている。
【0042】
そして、内視鏡2は、送気送水ボタン62の操作によって先端部17のノズルに選択的に気体と液体とを噴出させるように構成されている。
【0043】
さらに、吸引操作ボタン63の操作によって処置具挿通用チャンネル26を通じて先端部17のチャンネル開口部22に選択的に吸引力を作用させ、体腔内の粘液等を回収するように構成されている。
【0044】
また、図4及び図5に示すように、操作部13の内部には、図3に示す起上ワイヤ30を操作するための処置具起上台作動機構41が内蔵されている。起上ワイヤ30の基端部には金属等の硬質の棒状材質よりなるワイヤ固定部材42が半田等にて一体的に固着されている。このワイヤ固定部材42の基端部分には図5に示すように凹部よりなる係止溝43が形成されている。
【0045】
さらに、ワイヤ固定部材42の基端部分には金属等の硬質のブロック体よりなるリンク部材44が固定されている。このリンク部材44にはワイヤ固定部材42の挿入孔45が形成されている。そして、このリンク部材44の挿入孔45内にワイヤ固定部材42の基端部分が嵌挿されている。ワイヤ固定部材42の基端部分は係止溝43が形成された範囲が全てリンク部材44の挿入孔45内に嵌挿されている。
【0046】
また、リンク部材44にはワイヤ固定部材42の固定ネジ47が螺挿される雌ネジ部46が設けられている。そして、リンク部材44の雌ネジ部46に螺合された固定ネジ47の先端部はワイヤ固定部材42の係止溝43に挿入された状態で係止溝43を係止している。これにより、ワイヤ固定部材42はリンク部材44に固定された状態で連結されている。
【0047】
さらに、操作部13の内部には、その操作部13の基盤となるベース48が配設されている。そして、リンク部材44はこのベース48の長手方向に進退自在に配されている。
【0048】
また、リンク部材44には、アーム49の一端部が棒状の軸部材であるリンク軸50により回動自在に連結されている。リンク軸50におけるベース48側の端部と反対側の端部には、C型またはE型の止め輪等よりなる係止部材51が係合されている。
【0049】
さらに、アーム49の他端部は図1に示す湾曲操作部61に隣接して設けられた起上操作ノブ65に連接されている。
【0050】
これにより、内視鏡2は、操作部13内の起上操作ノブ65の操作によってアーム49、リンク部材44、ワイヤ固定部材42を順次介して図3に示す起上ワイヤ30が牽引操作され、処置具起上台27が処置具起上台回動支点28を中心に起伏動作されるように構成されている。内視鏡2は、処置具挿通用チャンネル26に挿通されて図2に示すチャンネル開口部22から外部側に導出されるガイドカテーテル及びガイドワイヤ20が処置具起上台27を起上させることで起上されるように構成されている。
【0051】
次に、挿入部12の先端部17の構成について、図3を用いて詳細に説明する。
図3に示すように、先端部17には先端部本体としての先端硬質部31と、これの周囲を覆うように樹脂等の非導電性材質より形成された先端カバー32とが設けられている。先端カバー32は先端硬質部31に接着等にて固定されている。
【0052】
さらに、先端硬質部31には処置具等の導入を先端側へ案内する導入案内路33が形成されている。この導入案内路33は、内視鏡2の挿入部12内に配設された処置具挿通用案内路としての処置具挿通用チャンネル(挿通孔)26と連続して形成されている。
【0053】
また、導入案内路33の先端側には先端硬質部31と先端カバー32とにて形成される空間部である収容室34が設けられている。そして、この収容室34の開口部によって処置具挿通用チャンネル26の先端開口部を構成するチャンネル開口部22が形成されている。
【0054】
また、収容室34内にはチャンネル23内を通じて導入される処置具やガイドカテーテル等の処置具を所望の位置へ起上させるための処置具起上台27が配設されている。この処置具起上台27はその一端が先端硬質部31に設けられた処置具起上台回動支点28により枢着されている。
【0055】
処置具起上台回動支点28は、導入案内路33の先端開口部分の下側部位に配置されている。そして、処置具起上台27はこの処置具起上台回動支点28を中心に収容室34内において図3中に実線で示す待機位置から同図中に二点鎖線で示す処置具起上位置まで回動するように起伏動作自在に取り付けられている。
【0056】
また、処置具起上台27には処置具やガイドカテーテル等の処置具を誘導するための誘導面29が形成されている。
【0057】
さらに、処置具起上台27には起上ワイヤ30の先端部が固定されている。この起上ワイヤ30は挿入部12内に挿通されるガイドパイプ35、ガイドチューブ36を通じて操作部13側に導かれ、処置具起上台操作機構41に接続されている。そして、この起上ワイヤ30の牽引操作に伴い処置具起上台27が処置具起上台回動支点28を中心に起伏動作されるように構成されている。
【0058】
次に、本発明の要部となる処置具起上台27を示す。
図6に示すように、処置具起上台27は、処置具誘導面29の側部71にガイドワイヤ20のみを係止するガイドワイヤ係止溝72を設けている。また、処置具起上台27には、処置具起上台27を牽引する手段を固定するためのワイヤ固定孔73と、回動時の中心軸となる位置に回動軸孔74とが設けられている。回動軸孔74の中心は図3に示す処置具起上台回動支点28の中心と一致している。
【0059】
ガイドワイヤ係止溝72の大きさの設定について図7及び図8を参照して説明する。
【0060】
図7及び図8に示すように、ガイドワイヤ20は外径が細い。ガイドカテーテル70はガイドワイヤ20に比べ外径が太なっている。
【0061】
第1の実施の形態では、処置具起上台27を起上させることで、細いガイドワイヤ20を、図7に示すようにガイドワイヤ係止溝72と先端硬質部31にて形成される収容室34の収容室側壁75で挟まり固定できるように、収容室側壁75あるいは先端カバー32の側壁76に対してのガイドワイヤ係止溝72の高さ、位置を設定している。
【0062】
なおかつ、第1の実施の形態では、図8に示すように処置具起上台27の起上時にガイドカテーテル70がガイドワイヤ係止溝72に引っ掛からず、さらに処置具起上台27に起上をかけていくことでガイドカテーテル70が波線で示すように処置具誘導面29に落ちるように、収容室側壁75あるいは先端カバー32の側壁76に対してのガイドワイヤ係止溝72の高さ、位置を設定している。
【0063】
また、ガイドワイヤ係止溝72の各稜線部には、ガイドワイヤ20の外皮への損傷を和らげるために固定強度を落とさない範囲でR面取りを行っても良い。
【0064】
このような構造により、内視鏡2の挿入部12は、先端側に先端硬質部31を有し、内部に処置具挿通用チャンネル26を内蔵する。
【0065】
操作部13は、この挿入部12の基端側に接続される。
処置具起上台27は、前記挿入部12の先端側の前記処置具挿通用チャンネル26の開口部近傍に設けられ、処置具を誘導する処置具誘導面29を有するとともに、前記操作部13からの操作によって起上可能になっている。
【0066】
ガイドワイヤ係止溝72は、この処置具起上台27の処置具誘導面29の側部71に設けられ、前記処置具挿通用チャンネル26の開口部より導出したガイドワイヤのみを案内する溝部となっている。
【0067】
前記処置具起上台27を起上した場合には、前記ガイドワイヤ係止溝72に案内されたガイドワイヤが、前記溝部と前記先端硬質部31との間に挟持されて固定される。
【0068】
(作用)
第1の実施の形態の要部の作用について説明する。
術者は、まず、図1に示す内視鏡2の操作部13の鉗子口部64から図3に示す処置具挿通用チャンネル26に図8に示すガイドカテーテル70を挿入する。その際、処置具起上台27は倒置状態である。ガイドカテーテル70を、チャンネル開口部22から外部側に突出させ、経乳頭的に膵/胆管(図示せず)内に挿入する。
【0069】
その後、現在使用中のガイドカテーテル70を次に使用する処置具(ここでは仮に高周波ナイフとする)に交換する。
【0070】
この場合のガイドカテーテル70を次に使用する処置具に交換する動作を図9乃至12を参照して説明する。
【0071】
なお、図9乃至12において、図中の実線矢印は内視鏡2の操作部13の動きを、一点鎖線矢印は視野方向を表している。
【0072】
この場合、図1のモニタ5の画面上は乳頭80(図9参照)を正面視した状態で、まずガイドカテーテル70の後端部より、ガイドワイヤ20を挿入する。そして、このガイドワイヤ20の先端部が、ガイドワイヤルーメンを通じて膵/胆管内の目的部位まで挿入されたことを、内視鏡2の観察像(内視鏡像)及びX線透視下にて確認する。
【0073】
その後、術者がガイドカテーテル70を抜去すると同時に、ガイドワイヤ20も合わせて抜去されないよう介助者が術者の動きに合わせてガイドワイヤ20の位置を保ちつつ、ガイドカテーテル70の先端が処置具起上台27より操作部手元側に来るまで共同作業を行う。
【0074】
図9に示すように、ガイドワイヤ20が膵/胆管内に入った状態で、操作部13を時計回りに約半回転捻り先端部17を時計回りに捻ることで、図10に示すように、ガイドワイヤ20を処置具誘導面29からガイドワイヤ係止溝72に誘導する。つまり、意図的に乳頭80を正面視した状態から乳頭80が画面左端に外れる状態になる。その状態で、瞬時に図1に示した起上操作ノブ65により処置具起上台27を最大起上させる。すると、図11に示すように、ガイドワイヤ20はガイドワイヤ係止溝72にて固定されたまま、処置具誘導面29に誘導されることなく起上され、先端硬質部31の収容室側壁75とワイヤ係止溝72で係止される。
【0075】
この状態でガイドワイヤ20が確実に固定されている。
その後、先ほど時計回りに回したままの操作部13(先端部17)を、ガイドワイヤ20を固定したまま元に戻すことで、図12に示すように、再度乳頭80が正面視される。その状態で、画面上でガイドワイヤ20が動かないことを確認しつつ、ガイドカテーテル70を一気に引き抜く。
【0076】
その後上記ガイドワイヤ固定状態のまま、次に使用する処置具をガイドワイヤ20の基端側から挿入し、ガイドワイヤ20をガイドにした状態で処置具を処置具挿通用チャンネル26に挿入していく。
【0077】
処置具先端がガイドワイヤを固定している処置具起上台27に当たったところで、起上操作ノブ65の操作により処置具起上台27を倒置する。これにより、ガイドワイヤ20の固定が解除される。
【0078】
その後は、術者が処置具を挿入するのと同時に、介助者がガイドワイヤ20が動かないように押さえることで、処置具を目的とする部位まで誘導する。
【0079】
必要に応じて、上記手法を繰り返す。
(効果)
第1の実施の形態によれば、内視鏡2の操作部13の起上操作ノブ65を操作するという、通常行われる処置具起上台27の操作のみで、収容室側壁75とワイヤ係止溝72の間にガイドワイヤ20を挟んで、容易にガイドワイヤ20の固定が可能となる。また、ガイドワイヤ係止溝72を設けたことで、ガイドワイヤ係止溝72へ誘導されたガイドワイヤ20が固定位置から外れることなく確実に固定される。
【0080】
この場合の固定は、処置具起上台の処置具誘導面に設けたスリットによる固定よりも、同じ位置で挟み込んで固定するため固定強度が強く、さまざまな使用環境下においてガイドワイヤの固定が可能になる。
【0081】
これにより、簡単な操作で、内視鏡挿入部の先端部にガイドワイヤの固定を行えるようにするとともに、この場合の固定強度を十分確保できる。
【0082】
また、ワイヤ係止溝72には、ガイドワイヤ20以外の処置具は係止されることなく、ガイドワイヤ20のみが固定されるため従来処置具の損傷も無い。
【0083】
このように、第1の実施の形態では、先端部17でガイドワイヤ20の固定が出来るため、ガイドワイヤ20の長さを短くできる。そのため、ガイドワイヤ20の取り回しが容易となり、広い作業スペースが不要となる効果がある。加えて、処置具交換が容易になり、介助者の数も減らせ、かつ作業時の時間短縮にもつながる。
【0084】
また、従来の処置具が使用できるため、術者の使い慣れた処置具の使用により処置操作性が良いままの状態を維持できる。そのため、処置具の従来の操作方法や、操作感覚を損なうことなくより短時間で容易に処置具交換が行える。
【0085】
図13は図1乃至図12に示した第1の実施の形態の変形例を示す処置具起上台の斜視図である。
【0086】
図13に示すように、第1の実施の形態の変形例の処置具起上台27は、ガイドワイヤ係止溝72を処置具誘導面29の両側の側部71、71にそれぞれ設けている。
【0087】
このような変形例によれば、図1乃至図12に示した第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、図9とは逆の方向に先端部17を回転させてガイドワイヤ27を係止することが可能になる。
【0088】
(第2の実施の形態)
図14ないし図20は本発明の第2の実施の形態に係り、図14は内視鏡の操作部の処置具起上台の作動機構をを示す断面図、図15はリンク部材の斜視図、図16は第2牽引部材の斜視図、図17はガイド部材の斜視図、図18は操作部の動作を示す第1の説明図、図19は操作部の動作を示す第2の説明図、図20は操作部の動作を示す第3の説明図である。第2の実施の形態の説明において、図14ないし図20以外の構成要素は図1乃至図12を代用して説明する。
【0089】
(構成)
第2の実施の形態では、図3に示した処置具起上台27と接続された起上ワイヤ30は、図14に示す内視鏡92の操作部93のワイヤ固定部材42と半田等により固定される。前述したアーム49とリンク軸50にて固定されているリンク部材94には、図15に示すように、先端側の一部に開口部95を設けるとともに、この開口部95に連通する孔96を設けている。孔96は、開口部95にワイヤ固定部材42を挿通させるため設けている。開口部95の幅は図16に示す第2牽引部材101の係合突起102の幅よりも大きく、処置具起上台27を第1最大起上位置から更に起上をかける分のストローク幅を有している。
【0090】
ワイヤ固定部材42は、孔96と第2牽引部材101の係合突起102に設けたガイド孔103内で、ガイド孔103上部に設けた係合孔104を介して第2牽引部材101と図14に示す固定ネジ47にて固定されている。
【0091】
係合突起102は、リンク部材94を誘導する図17に示すガイド部材111に設けた開口部112に位置し、第2牽引部材101はガイド部材111と並行に存在する。また、第2牽引部材101の係合突起102と反対側の面にはラックギヤ105を設けておいる。
【0092】
ラックギヤ105は、図14に示すように、第2起上レバー106の第2レバーアーム107の回転軸108に位置するピニオンギヤ109と係合する。つまり、第2起上レバー106の回動操作に合わせてピニオンギヤ109が回転し、それに伴い第2牽引部材101が連動して係合突起102は軸方向に移動可能となっている。また、第2の実施の形態では、操作部93の一部に第2起上レバー106を突出させる開口113を形成している。開口113には、操作部内の水密を維持するために、防水カバー100を設けている。防水カバーの材質は、ゴム、プラスチック等の弾性部材が良い。
【0093】
なお、操作部内の水密を維持するための一例として防水カバー100を記載したが、水密機能が保てれば防水カバー100はこの限りではない。
【0094】
(作用)
図18乃至図20を用いて第2の実施の形態の動作を説明する。
図18は処置具起上台倒置状態、図19は第1最大起上状態、図20は第2最大起上状態を示している。
【0095】
まず、図18に示すように、起上操作ノブ65を手元側に回転させることで処置具起上台27を倒置状態にする。この場合、リンク部材94は先端部方向の最大移動位置まで移動する。そのとき操作部側壁面97が係合突起102を押すことで第2牽引部材101が移動し、第2牽引部材101の動きに伴い第2起上レバー106は最大倒置位置まで移動する。
【0096】
処置具を第1最大起上位置まで起上する際には、起上操作ノブ65を内視鏡先端側に回転操作することでリンク部材94を操作部側に引き込み、リンク部材94に接続されたワイヤ固定部材42及び30が牽引され、処置具起上台27が回動起上される。
【0097】
起上操作ノブ65にて作動できる第1最大起上位置まで操作した状態を図19に示す。
【0098】
図19の状態では、リンク部材94の開口部95の先端側壁面98が係合突起102を押すことで第2牽引部材101がある位置まで移動する。これにより第2起上レバー106はある位置まで回動する。
【0099】
図19の状態からさらに第2起上レバー106を内視鏡先端側に回動操作することで、図20に示すように、ラックギヤ105及びピニオンギヤ109により第2牽引部材101がさらに操作部93側に移動し、それに伴って係合突起102は牽引され処置具起上台27の起上角がさらに増す。
【0100】
処置具起上台27を倒置する際は、起上操作ノブ65及び第2起上レバー106を操作することでリンク部材94、第2牽引部材101を倒置位置まで戻す。
【0101】
必要に応じて、上記手法を繰り返す。
【0102】
このような構成及び作用により、起上ワイヤ30は、前記処置具起上台27の牽引操作を行う牽引手段となっている。
【0103】
起上操作ノブ65は、この牽引手段を操作可能にする第1の操作手段となっている。
【0104】
第2起上レバー106は、この第1の操作手段の近傍に設けられ、前記処置具起上台27を前記第1の操作手段の操作により可能な最大起上した状態で、前記牽引手段をさらに牽引可能にする第2の操作手段となっている。
【0105】
(効果)
このような第2の実施の形態によれば、起上時の損傷レベルの異なる処置具を起上する際に、処置具起上台27の起上角を選択的に操作することが可能になり、処置具の損傷を防止できる。
【0106】
また、第2の実施の形態によれば、処置具起上台27の牽引手段は、先端部及び挿入部の内の構造が従来と変わらないため、先端部及び挿入部の外径が太径化することを押さえられる。これにより、内視鏡先端部を太く、かつ複雑にすることなく、処置具起上台の起上角の2段階操作を可能にすることができる。また、操作レバーが第1起上用の起上操作ノブ65と、第2起上用の第2起上レバー106で分かれているため、気づかずに角度を最大までかけてしまうというような誤操作が減少する。
【0107】
また、第2の実施の形態の内視鏡は、洗滌、消毒が従来と同様に行える。
(第3の実施の形態)
図21及び図22は本発明の第3の実施の形態に係り、図21は内視鏡の操作部の処置具起上台作動機構の第1最大起上状態を示す断面図、図22は内視鏡の操作部の処置具起上台の作動機構を第2最大起上状態を示す断面図である。
【0108】
(構成)
図21に示すように、第3の実施の形態の内視鏡122の操作部123では、図14乃至図20に示したラックギヤ105及びピニオンギヤ109による作動機構の代わりに、起上操作ノブ65とリンク部材44をつなぐアームを第1アーム124と第2アーム125の2体構成にしている。第1アーム124は起上操作ノブ65と第1連結軸126にて連結されている。第1アーム124と第2アーム125は第2連結軸127にて連結されている。
【0109】
第2起上レバー136は回転軸138を軸として回動した際に、第2連結軸127を押圧可能な形状にしている。第2起上レバー136の押圧位置には安定して、かつスムーズに第2連結軸127をとらえるように、球状の押圧部139を有している。図では省略しているが第2起上レバー136は、防水カバー100にて覆われている。
【0110】
(作用)
図21に示すように、起上操作ノブ65の操作で、第1起上範囲の最大位置まで処置具起上台27を回動起上させる。その際、第1アーム124と第2アーム125は一直線上を保っている。その後、さらに起上をかけたい場合には、起上操作ノブ65を術者の指等で固定した状態で第2起上レバー136を操作することで、回転軸138を軸に押圧部139は第2連結軸127を押圧する。すると図21に示すように、第1アーム124及び第2アーム125は押し出される。この状態で、起上操作ノブ65を固定していることで第1アーム124の第1連結軸126を起点に第1アーム124が回動されるため、第2アーム125と連結しているリンク部材44は操作部側に牽引される。これにより、処置具起上台27はさらに起上される。
【0111】
(効果)
第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を、部品点数を減らして達成でき、製造コストの低減が可能になる。
【0112】
(第4の実施の形態)
図23及び図24は本発明の第4の実施の形態に係り、図23は内視鏡の先端部の処置具起上台を示す平面図、図24は図23の処置具誘導面の頂上部の拡大図である。図23及び図24に図示されていない部分は、図1乃至図12に示した第1の実施の形態と同様である。
【0113】
(構成)
図23及び図24を用いて第4の実施の形態を説明する。
図23に示すように、処置具起上台141は、内視鏡の先端部に設けられ、処置具70を所望の位置へ誘導可能にする。処置具起上台141の略V字状になる処置具誘導面142の頂上部には、ガイドワイヤ151,152のみを係脱可能に係止する第1スリット143及び第2スリット144を略並行に有している。なお、各スリット143,144はガイドワイヤ151,152の外径が異なっても安定して固定可能なV溝形状が望ましい。
【0114】
各スリット143,144の深さは、図24に示すように、ガイドワイヤ151,152が係入した際にガイドワイヤ151,152の頂上部の高さが、処置具誘導面142の延長上とほぼ同一になる高さに設定している。
【0115】
また、第1スリット143と第2スリット144の間には、処置具誘導面142の一部である誘導面頂上部145を残している。
【0116】
このような構造により、前記処置具挿通用チャンネルの開口部より導出したガイドワイヤのみを係脱可能に係止するスリットを前記処置具起上台141の処置具誘導面142に複数設けている。
【0117】
(作用)
第4の実施の形態では、ガイドワイヤ151,152のみが2本突出した状態で、処置具起上台141を起上していくことで、2本のガイドワイヤ151,152は処置具誘導面142の略V字状の傾きにより、第1スリット143あるいは第2スリット144へと誘導される。
【0118】
この時のガイドワイヤ151,152の動きを図24に示す。
図24に示すように、先に片方のスリット(ここでは仮に第1スリット143とする)に、片方のガイドワイヤ(ここでは仮に第1ガイドワイヤ151とする)が係入される。するともう一方のガイドワイヤ(ここでは第2ガイドワイヤ152とする)は第1スリット143が既に塞がっているため、誘導面頂上部145を通じてもう一方のスリット(ここでは第2スリット144とする)へと誘導される。この際、第1スリット143に係入したガイドワイヤ151の頂上部の高さを誘導面頂上部145と合わせているため、第2ガイドワイヤ152は第1スリット143に引っ掛かることなく、スムーズに第2スリット144へと誘導される。
【0119】
(効果)
このような第4の実施の形態によれば、複数のガイドワイヤを内視鏡先端部の処置具起上台の複数のスリットに固定できる。また、この場合の各スリットへのガイドワイヤの誘導がスムーズに、かつ安定して行われる。
【0120】
図25は図23及び図24に示した第4の実施の形態の変形例を示す処置具誘導面の頂上部の拡大図である。
【0121】
である。
【0122】
図25に示すように、処置具起上台141の各スリット143,144の開口部の幅はガイドワイヤ151,152と処置具誘導面142の幅A2が最小となるようにしている。
【0123】
このような変形例によれば、スリット143,144の開口部を狭くすることで、第1ガイドワイヤが挿入されたスリットに第2のガイドワイヤが引っ掛かるのをさらに防止できる。
【0124】
(第5の実施の形態)
図26乃至図28は本発明の第5の実施の形態に係り、図26は内視鏡の先端部の処置具起上台を示す斜視図、図27は処置具起上台の分解斜視図、図28の第1起上部材の平面図である。
【0125】
(構成)
図26に示すように、第5の実施の形態の内視鏡の先端部の処置具起上台161は、操作部からの操作により処置具を所望の位置へ誘導可能にするものである。
【0126】
図26及び図27に示すように、処置具起上台161は第1起上部材162と第2起上部材163からなり、両者は第1起上部材162及び第2起上部材163に設けたレール溝164及びレール係合突起168で係合固定される。
【0127】
また、図27及び図28に示すように、レール溝164上には複数の係合孔165,166,167を有しており、レール係合突起168には、係合孔165,166,167と対応する位置に係合突起169を同数設けている。
【0128】
複数存在する係合孔165,166,167及び係合突起169の大きさは、第2起上部材163を挿入する方向から順に外径を大きくしておくと、なお良い。
【0129】
係合孔165,166,167及び係合突起169は、前記第1起上部材162から前記第2起上部材163が容易に外れないようにする脱落防止機構となっている。
【0130】
尚、第1起上部材162には、処置具起上台161を回動する際の中心軸となる回動軸孔74と、牽引手段を接続する為のワイヤ固定孔73を有している。第2起上部材163は処置具起上台161の処置具誘導面170の頂上部となっている。
【0131】
(作用)
処置具起上台161の第2起上部材163が損傷した際の交換作業を以下に示す。
【0132】
作業者は、まず第2起上部材163をペンチ等で把持し係合突起169が外れるよう力を入れてレール溝164に沿って引き抜く。その際、場合によっては係合突起169を破壊してもかまわない。
【0133】
古い第2起上部材163を外したところで、新しい第2起上部材163の取り付け作業に入る。この場合、作業者は、レール係合突起168をレール溝164に合わせ、第1起上部材162に第2起上部材163を係合させる。その際、係合突起169は弾性変形をしながら進み、所定の位置に来たところで、係合孔165,166,167と係合突起169が係合し、固定される。
【0134】
作業者は、必要に応じて、これを繰り返す。
(効果)
第5の実施の形態によれば、処置具起上台161の最も損傷し易い処置具誘導面170の頂上部のみを、処置具起上台161を内視鏡から取り外すことなく交換可能になる。これにより、内視鏡の先端カバーを壊して起上ワイヤ等の牽引手段や処置具起上台回動支点を取り外しするといった作業が無くなるため、非常に作業が楽になり作業時間も大幅に短縮される。また、回動部分となる回動軸孔74は第1起上部材162と一体となっているため、回動時のガタ等の恐れも無く、繰り返し耐性も向上している。
【0135】
(第6の実施の形態)
図29乃至図31は本発明の第6の実施の形態に係り、図29は内視鏡の先端部の処置具起上台を示す斜視図、図30は処置具起上台の分解斜視図、図31は第2起上部材の斜視図である。
【0136】
(構成)
図29及び図30に示すように、第6の実施の形態の内視鏡の先端部の処置具起上台181は、処置具起上台181は第1起上部材182と第2起上部材183からなる。
【0137】
第2起上部材183は、処置具誘導面190の頂上部の処置具が頻繁に接触する位置のみとしている。
【0138】
図30及び図31に示すように、第1起上部材182の処置具誘導面頂上部に切り欠き184が設けられている。第2起上部材183は、切欠き184に係合するよう形成されている。第1起上部材182と第2起上部材183は、第1起上部材182に設けた係合孔185と第2起上部材183に設けた係合突起188で係合することで固定されている。また、第1起上部材182の切り欠き184にある切り欠き底面191と、第2起上部材114の底面192が合わさることで、第2起上部材183の回転方向の動きを規制している。
【0139】
(作用)
第6の実施の形態において、第2起上部材183の交換作業を以下に示す。
【0140】
作業者は、まず第2起上部材183をペンチ等で把持し係合突起188が係合孔185から外れるよう力を入れて引き抜く。その際、場合によっては係合突起188を破壊してもかまわない。
【0141】
古い第2起上部材183を外したところで、新しい第2起上部材183の取り付け作業に入る。作業者は、切り欠き184に合わせ、第2起上部材183を係合させる。その際係合突起188は弾性変形をしながら進み、所定の位置に来たところで、係合孔185と係合突起188が係合し、第2起上部材183は図29に示すように固定される。
【0142】
必要に応じて、これを繰り返す。
(効果)
第6の実施の形態によれば、第5の実施の形態の効果に加えて、第2起上部材の形状が簡素化されることで、加工が容易になりコスト低減につながる。
【0143】
(第7の実施の形態)
図32は本発明の第7の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台の第2起上部材を示す斜視図である。
【0144】
(構成)
図32に示すように、第2起上部材203は、第6の実施の形態の第2起上部材183に対して、V字状のガイドワイヤ固定用のスリット204を設けたものである。ガイドワイヤ固定用のスリット204は第5実施の形態の第2起上部材163に設けてもよい。
【0145】
(作用)
第7の実施の形態によれば、第6の実施の形態と同様に第2起上部材203を交換できるとともに、特願2001−104390号に記載の内視鏡と同様の動作でガイドワイヤを固定スリット204に固定できる。
【0146】
(効果)
第7の実施の形態によれば、第5及び第6の実施の形態の効果に加えて、処置具の挿脱等により削れやすいガイドワイヤ固定用のスリット部の交換が容易に行える。また、ガイドワイヤ固定式スコープと従来スコープの選択が第2起上部材の変更のみで行えるため、必要に応じて好みの仕様を1台のスコープで対応できる。さらに、またガイドワイヤ固定式スコープの中でも、術者が好んで使用するガイドワイヤの外径に合わせたスリットや、術者の好みにあった固定強度を有するスリットを第2起上部材で選択することが出来る。
【0147】
(第8の実施の形態)
図33は本発明の第8の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台の第2起上部材を示す斜視図である。
【0148】
(構成)
図33に示すように、第2起上部材213は、ゴム等の弾性部材で形成されている。第2起上部材213は、図30の第1起上部材182に設けた係合孔185と契合する係合突起218を設けている。第2起上部材213の処置具誘導面頂上部には第7の実施の形態と同様にスリット214が設けられている。
【0149】
(作用)
第8の実施の形態によれば、第7の実施の形態と同様に第2起上部材213を交換できるとともに、ガイドワイヤを固定スリット214に固定できる。
【0150】
(効果)
第8の実施の形態によれば、第7の実施の形態の効果に加えて、スリット214が弾性部材のため、従来の金属材料に比べ摩擦抵抗が増し、ガイドワイヤをスリット214内に挟み込んで固定した時の固定強度が増す。この場合、第2起上部材213に用いた弾性部材の劣化は早いが、交換が容易なため第2起上部材213は必要の固定強度を維持できる。第2起上部材213は、誘導面全面ではなく、一部分に設けることで処置具挿通感覚も大きな影響を受けない。
【0151】
(第9の実施の形態)
図34及び図35は本発明の第9の実施の形態に係り、図34は図6は処置具起上台の分解斜視図、図35は内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図である。
【0152】
尚、図34及び図35において、図1乃至図12に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0153】
(構成)
図34に示すように、処置具起上台327は、第1起上部材342と第2起上部材343からなり、両者は第1起上部材342及び第2起上部材343に設けたレール溝344及びレール係合突起348で係合固定されている。
【0154】
ここで、第1起上部材342に設けられたレール構344、及び第2起上部材343に設けられたレール係合突起348は、図35に示す内視鏡の先端部317に処置具起上台327を取り付けた際に、径方向に対して外周にあたる側から設け、光学系、照明系等を有する内側部の手前でレールを終了させている。これにより、第2起上部材343は、第1起上部材342に対して一方向からしか係合出来ない構造になっている。
【0155】
またレール溝344上には複数の係合孔345,346,347を有しており、第2起上部材343を装着した際に係合孔345,346,347と対応する位置に係合突起349を同数設けている。
【0156】
なお、第1起上部材342と第2起上部材343の接続位置は、図35に示すように処置具起上台327が最大起上した際に両処置具起上台327のレール係合突起348及びレール溝344の接続面が先端カバー32よりも低い位置に設けている。
【0157】
なお、上記内視鏡の先端部317は先端カバー32が着脱可能な構造である。
【0158】
このような構造により、第9の実施の形態では、第1起上部材342と第2起上部材343を係合するレール係合突起348及びレール溝344を、前記挿入部軸方向と垂直に前記一方の面から設けるとともに、この場合のレール係合突起348及びレール溝344を前記処置具起上台327の前記一方の面の反対面まで貫通しない範囲で設けている。
【0159】
(作用)
第9の実施の形態において、第2起上部材343の交換作業を以下に示す。 作業者は、まず、先端カバー32を取り外す。次に、第2起上部材343をペンチ等で把持し先端部317の外周にあたる側から力を入れて引き抜く。その際、場合によっては係合突起349を破壊してもかまわない。
【0160】
古い第2起上部材343を外したところで、新しい第2起上部材343の取り付け作業に入る。作業者は、レール溝344に合わせ、先端部317の外周にあたる側から第2起上部材343を係合させる。
【0161】
(効果)
第9の実施の形態によれば、第5の実施の形態の効果に加えて、第2起上部材343の接続は、先端カバー32を外さない限り、第1起上部材342から取り外すことが出来ないため、体内での第2起上部材343の固定がより確実になる。
【0162】
(第10の実施の形態)
図36及び図37は本発明の第10の実施の形態に係り、図36は図6は処置具起上台の分解斜視図、図37は内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図である。
【0163】
尚、図36及び図37において、図1乃至図12に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0164】
(構成)
図36及び図37に示すように、内視鏡の先端部357に設けられた処置具起上台367は、第1起上部材372と第2起上部材373からなり、両者は第1起上部材372及び第2起上部材373に設けたレール溝374及びレール係合突起375で係合固定されている。
【0165】
第1起上部材372と第2起上部材373の固定は、ビス固定にしている。 この場合、第1起上部材372と第2起上部材373がレール溝374及びレール係合突起375にて係合された状態で、第1起上部材372の先端側壁面より第2起上部材373に向けて、斜めに雌ネジ376,377を設け、固定ビス378にて固定している。
【0166】
即ち、第10の実施の形態では、前記第1起上部材372の前記第2起上部材373との接触面に第1の螺合孔の雌ネジ376を設け、前記第1起上部材372の接触面に対応する前記第2起上部材373の接触面に第2の螺合孔の雌ネジ377を設け、これら螺合孔に螺入することで前記第1起上部材372と前記第2起上部材373とを接続固定する固定ビス378を有している。
【0167】
(作用)
処置具起上台367の第2起上部材373が損傷した際の交換作業を以下に示す。
【0168】
作業者は、まず処置具起上台367を起上させて固定ビス378を外し、第2起上部材373をレール溝374に沿って引き抜く。
【0169】
古い第2起上部材373を外したところで、新しい第2起上部材373の取り付け作業に入る。レール係合突起375をレール溝374に合わせ、第2起上部材373を第1起上部材372に係合させる。第1起上部材372と第2起上部材373との雌ネジ376,377を合わせたところで、雌ネジ376,377に固定ビス378を累合することで第1起上部材372と第2起上部材373の固定が行われる。
【0170】
(効果)
第10の実施の形態によれば、第5の実施の形態の効果に加えて、第1起上部材372と第2起上部材373が、より強固に固定可能になる。また、第2起上部材373の固定をビス固定のみで行うため、交換時の第2起上部材373の取り外しが容易になる。
【0171】
(第11の実施の形態)
(構成)
第11の実施の形態では、図26乃至図28に示した第5の実施の形態の第1起上部材162と第2起上部材163の固定を、接着剤による固定にする。
【0172】
(作用)
第11の実施の形態において、第1起上部材162と第2起上部材163の接触する面に、接着剤を薄くあるいはスポット的に塗布する。
【0173】
交換時は、第1起上部材162を押さえ、第2起上部材163を引っ張ることで第2起上部材163の離脱が可能となる。
【0174】
(効果)
第11の実施の形態によれば、第5の実施の形態の効果に加えて、第1起上部材162と第2起上部材163の構成が簡素化され、設計が容易でかつ原価低減になる。また、第1起上部材162の交換時の作業が容易となる。
【0175】
(第12の実施の形態)
(構成)
第12の実施の形態では、図26乃至図28に示した第5の実施の形態の第2起上部材163を、第1起上部材162とは異なる材質にする。この場合、第2起上部材163の材質は、加工が難しいが摩擦抵抗の少ないセラミックとしている。
【0176】
(作用)
第12の実施の形態において、第5の実施の形態と同じ作業で第2起上部材163の交換を行える。
【0177】
(効果)
第12の実施の形態によれば、第5の実施の形態の効果に加えて、処置具起上台の全体の形状では加工の難しい材質(材料)を用いて第2起上部材163を加工にすることで、加工の難しい材質が使用可能になる。この場合、第2起上部材163をセラミックにすることで、処置具の挿脱性が向上すると共に、耐久性も向上する。
【0178】
(第13の実施の形態)
図38乃至図41は本発明の第13の実施の形態に係り、図38は内視鏡の先端部の処置具起上台を示す平面図、図39は処置具起上台とガイドワイヤ及び処置具の関係を示す平面図、図40は図38のスリットの拡大図、図41は内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図である。
【0179】
(構成)
図38及び図41を用いて第13の実施の形態を説明する。
図38に示すように、処置具起上台411は、図41に示す内視鏡の先端部407に設けられ、図39に示す処置具70を所望の位置へ誘導可能にする。
【0180】
処置具起上台411の処置具誘導面412の頂上部に、略L字状のスリット413を設けている。
【0181】
図40に示すように、スリット413は、垂直スリット部414と、水平スリット部415と、垂直スリット部414に入ったガイドワイヤ20を水平スリット部415に誘導する誘導面416を有する。
【0182】
スリット413の幅tは、ガイドワイヤ20の外径をD1、その他処置具の外径をD2とすると、Dl<t<D2の寸法関係になっている。また、L宇状スリット413の水平スリット部415は、図41に示す内視鏡先端部407に設けた先端カバー32の処置具挿通面420よりも低くなるように設定している。
【0183】
(作用)
ガイドワイヤ20のみを内視鏡先端に突出させた状態で、処置具起上台411を起上させることで、処置具誘導面412に沿ってガイドワイヤ20がL字状スリット413の垂直スリット部414に誘導される。ガイドワイヤ20が誘導面416を通じて水平スリット部415まで誘導されたところで、図1に示した起上操作ノブ65の操作により処置具起上台411を倒置状態にする。
【0184】
このように、ガイドワイヤ20は水平スリット部415に位置したまま倒置させることで、水平スリット部415よりも高い位置にある処置具挿通面420がガイドワイヤ20を押し上げる。これにより、処置具挿通面420と略L字状のスリット413で、図41の矢印に示すように短い距離で剪断的な力が発生する。これにより、ガイドワイヤ20が固定される。
【0185】
ガイドワイヤ20の固定を解除する際は、処置具起上台411の倒置状態をゆるめ、ガイドワイヤ20越しに処置具を通すことでL字状スリット413に処置具先端が当接したところで、行き場のないガイドワイヤ20は処置具に押され水平スリット部415から誘導面416を通じて垂直スリット部414に誘導され、スリット413から外れる。
【0186】
(効果)
第13の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。 (第14の実施の形態)
図42乃至図44は本発明の第14の実施の形態に係り、図42は内視鏡の挿入部の先端部の平面図、図43はガイドワイヤを固定する場合の作用を説明する第1の説明図、図44はガイドワイヤを固定する場合の作用を説明する第2の説明図である。
【0187】
尚、図42乃至図44において、図1乃至図12に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
【0188】
(構成)
図42乃至図44に示すように、内視鏡の先端部427には、処置具起上台431が設けられる。
【0189】
処置具起上台431の収容室432の側壁433,434には処置具誘導部材435,436を設けている。処置具誘導部材435,436の形状は、処置具等を処置具起上台431の中央部に導きやすい様に、半円状にしている。またこの処置具誘導部材435,436は、ゴム等の弾性部材で形成している。
【0190】
(作用)
第14の実施の形態では、処置具やガイドワイヤ20が処置具起上台431の処置具誘導面440から外れた状態のときに、処置具起上台431を起上させることで、図44の矢印に示すように処置具やガイドワイヤ20等が処置具誘導部材435,436に沿って処置具誘導面440のある処置具起上台431の中心部に誘導される。さらに起上をかける際は、処置具起上台431はSUS等の金属材料で出来ているため、処置具誘導部材435,436を乗り越えて起上を行うことが出来る。
【0191】
(効果)
第14の実施の形態によれば、処置具起上台431の起上範囲を制限することなく、処置具起上台431の誘導面から外れた処置具やガイドワイヤ20等を確実に処置具起上台431の中央に誘導することが出来、処置性が向上する。
【0192】
(第15の実施の形態)
図45及び図46は本発明の第15の実施の形態に係り、図45は処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が突出した状態を示す断面図、図46は処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が後退した状態を示す断面図である。
【0193】
(構成)
図45及び図46に示すように、第15の実施の形態は、第14実施の形態の処置具誘導部材435,436と同位置に処置具誘導部材455を配置している。この処置具誘導部材455は牽引ワイヤ461と連結している。
【0194】
処置具誘導部材455から延出した牽引ワイヤ461は、ローラー462にて湾曲され、図1に示した操作部13へと通じている。操作手段は、図4に前述した処置具起上台の操作手段と同じリンク機構を使用している。
【0195】
(作用)
通常症例時は、図46に示すように牽引ワイヤ461を牽引し処置具誘導部材455を側壁433に収納しておく。
【0196】
画面上で処置具やガイドワイヤが所望の位置から外れた状態で起上がかかった場合は、牽引ワイヤ461を操作して図45に示すように処置具誘導部材455を側壁433から突出させる。処置具等が所望の位置に誘導されたことを確認後さらに処置具起上台の起上をかける際は、再度牽引ワイヤ461を牽引することで処置具誘導部材455を側壁433に収納することで処置具起上台をスムーズに最大位置まで起上できる。
【0197】
(効果)
第15の実施の形態によれば、第14の実施の形態の効果に加えて、処置具誘導部材と処置具起上台が接触しないため、処置具誘導部材の耐性が向上する。
【0198】
図47及び図48は本発明の第15の実施の形態の変形例に係り、図47は処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が突出した状態を示す断面図、図48は処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が後退した状態を示す断面図である。
【0199】
図47及び図48に示す変形例では、ラックギヤ671及びピニオンギア672により処置具誘導部材473と牽引ワイヤ461を連動させている。
【0200】
このような変形例においても、図45及び図46に示した第15の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0201】
(第16の実施の形態)
図49及び図50は本発明の第16の実施の形態に係り、図49は内視鏡に対してガイドワイヤ越しに処置具を挿入する様子を示す第1の説明図、図50は内視鏡に対してガイドワイヤ越しに処置具を挿入する様子を示す第2の説明図である。
【0202】
(構成)
図49及び図50に示すように、第16の実施の形態の処置具570は、先端部571が、内視鏡2の挿入部12の湾曲部16を通過する範囲において、鉗子口部64に対応する位置に、先端571が湾曲部16内を通過していることが分かる指標572乃至マーキングを設けたものである。
【0203】
(作用)
術者は、内視鏡2の処置具挿通用チャンネル26に、処置具570を目的とする部位まで誘導するためのガイドワイヤ20が既に入った状態で、ガイドワイヤ20の後端側より処置具570の先端部571を挿入する。その際、図49及び図50に示すように、処置具起上台27を起上させることで、内視鏡先端部17と処置具起上台27の摩擦抵抗を増やし、ガイドワイヤ20を固定する。処置具570の先端部571が湾曲部16にさしかかるところで、術者が挿入する際処置具を把持する鉗子口部64の位置において、指標572が出てくる。指標572がある部分では術者は、注意をして処置具570の挿通を行う。
【0204】
先端部571が湾曲部16を通過した後は、指標572は内視鏡2の処置具挿通用チャンネル26内に入り込むことで見えなくなり、術者は湾曲部16を通過したことが分かるので、また従来通りの処置具の挿通を行う。
【0205】
処置具を抜去する際も、同様の操作を行う。
(効果)
第16の実施の形態の処置具570によれば、ガイドワイヤ20越しに処置具570を挿脱する際にガイドワイヤ20と処置具570の間での抵抗が発生するためガイドワイヤ20が処置具570につられて動きやすくなるが、指標572があることで術者に慎重に処置具挿脱を行うよう警告することができ、結果的にガイドワイヤ20がつられて動かない。これにより、処置具570の挿通を全長に渡って丁寧に行う必要はなく、ガイドワイヤ20が動きやすい所のみを注意することで症例時間の短縮につながる。
【0206】
(第17の実施の形態)
図51乃至図53は本発明の第17の実施の形態に係り、図51は内視鏡の挿入部の先端部の断面図、図52は第17の実施の形態の効果を従来の比較で説明する第1の説明図、図53は第17の実施の形態の効果を従来の比較で説明する第2の説明図である。
【0207】
(構成)
図51に示すように、第17の実施の形態の内視鏡の先端部617では、牽引操作により回動軸621を中心にして回動したリンク部材622が、導入案内路633上面と挟持してガイドワイヤ20を固定する際に、ガイドワイヤ20を面で押さえるよう、リンク部材622に当接面623を設けている。
【0208】
(作用)
第17の実施の形態では、ガイドワイヤ20を突出させた状態で、リンク部材622を起上させることで導入案内路633上面と挟持してガイドワイヤ20に固定する。
【0209】
図52及び図53に示す従来の内視鏡の先端部657では、ガイドワイヤ20を係止可能なガイドワイヤ固定用処置具起上台662を設けている。ガイドワイヤ固定用処置具起上台662は、図53に示すように、導入案内路633上面と挟持してガイドワイヤ20を固定する際に、ガイドワイヤ20を角で押さえる。
【0210】
(効果)
第17の実施の形態によれば、従来に比べ、ガイドワイヤを点接触から面接触で押させえるため、ガイドワイヤの外皮に対しての負荷が少ない。
【0211】
(第18の実施の形態)
図54及び図55は本発明の第18の実施の形態に係り、図54はドレナージチューブを示す断面図、図55はドレナージチューブの使用状態を示す説明図である。
【0212】
(構成)
図54に示すように、ドレナージチューブ701は、胆汁、膵液等を狭窄した膵/胆管から排出するものである。
【0213】
ドレナージチューブ701のドレイン管路702の一部に、逆止弁703を設けている。
【0214】
ドレナージチューブ701は矢印A方向を膵/胆管内、矢印B方向を十二指腸内として、逆止弁519の向きをB方向のみに液体が流れるように定めている。
【0215】
(作用)
図55に示すようにドレナージチューブ701を狭窄部710に挿入する。流れでなかった胆汁等は正常状態のように流れるようになり、かつ十二指腸側の食物、胃液などは膵/胆管内に入っていかない。
【0216】
(効果)
第17の実施の形態によれば、ドレナージチューブにおける食物、胃液等の逆流を防止できる。
【0217】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0218】
(付記項1) 先端側に先端硬質部を有し、内部に処置具挿通用チャンネルを内蔵する挿入部と、
この挿入部の基端側に接続された操作部と、
前記挿入部の先端側の前記処置具挿通用チャンネルの開口部近傍に設けられ、処置具を誘導する処置具誘導面を有するとともに、前記操作部からの操作によって起上可能な処置具起上台と、
この処置具起上台の処置具誘導面の側部に設けられ、前記処置具挿通用チャンネルの開口部より導出したガイドワイヤのみを案内する溝部と、
を具備し、前記処置具起上台を起上した場合に前記溝部に案内されたガイドワイヤが、前記溝部と前記先端硬質部との間に挟持されて固定されることを特徴とする内視鏡。
【0219】
(付記項2) 処置具を所望の位置に誘導可能な処置具起上台と、
前記処置具起上台の牽引操作を行う牽引手段と、
この牽引手段を操作可能にする第1の操作手段と、
この第1の操作手段の近傍に設けられ、前記処置具起上台を前記第1の操作手段の操作により可能な最大起上した状態で、前記牽引手段をさらに牽引可能にする第2の操作手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡。
【0220】
(付記項3) 前記処置具起上台は、前記処置具を損傷させない最大起上範囲に対して、さらに起上が高く、ガイドワイヤを固定可能にする最大起上範囲を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【0221】
(付記項4) 内部に処置具挿通用チャンネルを内蔵する挿入部と、
この挿入部の基端側に接続された操作部と、
前記挿入部の先端側の前記処置具挿通用チャンネルの開口部近傍に設けられ、処置具を誘導する処置具誘導面を有するとともに、前記操作部からの操作によって起上可能な処置具起上台と、
を具備し、前記処置具挿通用チャンネルの開口部より導出したガイドワイヤのみを係脱可能に係止するスリットを前記処置具起上台の処置具誘導面に複数設けたことを特徴とする内視鏡。
【0222】
(付記項5) 前記スリットにガイドワイヤが係入されたときのガイドワイヤ頂部が前記スリットの両側の処置具誘導面を結んだ線と略同じ高さになるように前記スリットを形成することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡。
【0223】
(付記項6) 内部に処置具挿通用チャンネルを内蔵する挿入部と、
この挿入部の先端部に設けた回転軸を中心として処置具を所望の位置へ誘導可能に回動する処置具起上台と、
前記処置具起上台を牽引操作する牽引手段と、
を具備し、前記処置具起上台は、前記回転軸及び前記牽引手段と係合可能な第1起上部材と、この第1起上部材に着脱可能な状態で取り付けられ、前記処置具誘導面の一部をなす第2起上部材とから構成したことを特徴とする内視鏡。
【0224】
(付記項7) 前記第1起上部材及び第2起上部材には、前記処置具起上台の使用中に、前記第1起上部材から前記第2起上部材が容易に外れないようにする脱落防止機構を設けたことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
【0225】
(付記項8) 前記脱落防止機構として、前記第2起上部材の下端部にレール係合突起と複数の突起を設け、前記第1起上部材に前記レール係合突起と係合するレール溝及び前記突起と係合する係合孔を設けたことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
【0226】
(付記項9) 前記挿入部の先端部に着脱可能な先端カバーを有し、この先端カバーの前記処置具起上台と接する一方の面の高さよりも第1起上部材と第2起上部材の接続部を低く設けると共に、
第1起上部材と第2起上部材を係合するレール係合突起及びレール溝を、前記挿入部軸方向と垂直に前記一方の面から設けるとともに、この場合の前記レール係合突起及びレール溝を前記処置具起上台の前記一方の面の反対面まで貫通しない範囲で設けたことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
【0227】
(付記項10) 前記第1起上部材の前記第2起上部材との接触面に第1の螺合孔を設け、前記第1起上部材の接触面に対応する前記第2起上部材の接触面に第2の螺合孔を設け、これら螺合孔に螺入することで前記第1起上部材と前記第2起上部材とを接続固定する固定ビスを有することを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
【0228】
(付記項11) 前記第2起上部材は、ガイドワイヤのみを係脱可能に係止するガイドワイヤ固定用スリットを有することを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
【0229】
(付記項12) 前記第2起上部材は、弾性部材よりなることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡。
【0230】
(付記項13) 前記第2起上部材は、第1起上部材とは異なる硬質部材よりなることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
【0231】
(付記項14) 胆汁を狭窄した胆管から排出するドレナージチューブにおいて、
ドレイン管路の一部に、逆止弁を設けたことを特徴とするドレナージチューブ。
【0232】
(付記項15) 膵液を狭窄した膵管から排出するドレナージチューブにおいて、
ドレイン管路の一部に、逆止弁を設けたことを特徴とするドレナージチューブ。
【0233】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、簡単な操作で、内視鏡挿入部の先端部にガイドワイヤの固定を行えるようにするとともに、この場合の固定強度を十分確保できるので、処置具の損傷が無く、ガイドワイヤの長さを短くできる。そのため、ガイドワイヤの取り回しが容易となり、広い作業スペースが不要となる効果がある。加えて、処置具交換が容易になり、介助者の数も減らせ、かつ作業時の時間短縮にもつながる。また、従来の処置具が使用できるため、術者の使い慣れた処置具の使用により処置操作性が良いままの状態を維持できる。そのため、処置具の従来の操作方法や、操作感覚を損なうことなくより短時間で容易に処置具交換が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡と各種の外部装置とを組み込んだ内視鏡装置のシステム全体の概略構成を示す概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るガイドワイヤを導出した状態の内視鏡の挿入部の先端部を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡の操作部の内部を示す断面図。
【図5】図4のA1方向から見た内視鏡の内部を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る処置具起上台の斜視図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る処置具起上台がガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝へ誘導して起上させた状態を示す説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る処置具起上台が処置具をガイドワイヤ係止溝へ誘導して途中まで起上させた状態を示す説明図。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第1の説明図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第2の説明図。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第3の説明図。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るガイドワイヤをガイドワイヤ係止溝に固定する場合の作業を説明する第4の説明図。
【図13】図1乃至図12に示した第1の実施の形態の変形例を示す処置具起上台の斜視図。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡の操作部の処置具起上台の作動機構をを示す断面図。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡のリンク部材の斜視図。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡の第2牽引部材の斜視図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るガイド部材の斜視図。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る操作部の動作を示す第1の説明図。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る操作部の動作を示す第2の説明図。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る操作部の動作を示す第3の説明図。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡の操作部の処置具起上台作動機構の第1最大起上状態を示す断面図。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡の操作部の処置具起上台の作動機構を第2最大起上状態を示す断面図。
【図23】本発明の第4の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台を示す平面図。
【図24】図23の処置具誘導面の頂上部の拡大図。
【図25】第4の実施の形態の変形例を示す処置具誘導面の頂上部の拡大図。
【図26】本発明の第5の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台を示す斜視図。
【図27】本発明の第5の実施の形態に係る処置具起上台の分解斜視図。
【図28】本発明の第5の実施の形態に係る第1起上部材の平面図。
【図29】本発明の第6の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台を示す斜視図。
【図30】本発明の第6の実施の形態に係る処置具起上台の分解斜視図。
【図31】本発明の第6の実施の形態に係る第2起上部材の斜視図。
【図32】本発明の第7の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台の第2起上部材を示す斜視図。
【図33】本発明の第8の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台の第2起上部材を示す斜視図。
【図34】本発明の第9の実施の形態に係る処置具起上台の分解斜視図。
【図35】本発明の第9の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図。
【図36】本発明の第10の実施の形態に係る内視鏡の処置具起上台の分解斜視図。
【図37】本発明の第10の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図。
【図38】本発明の第13の実施の形態に係る内視鏡の先端部の処置具起上台を示す平面図。
【図39】本発明の第13の実施の形態に係る処置具起上台とガイドワイヤ及び処置具の関係を示す平面図。
【図40】本発明の第13の実施の形態に係るスリットの拡大図。
【図41】本発明の第13の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の先端部を示す断面図。
【図42】本発明の第14の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の先端部の平面図。
【図43】本発明の第14の実施の形態に係る内視鏡のガイドワイヤを固定する場合の作用を説明する第1の説明図。
【図44】本発明の第14の実施の形態に係る内視鏡のガイドワイヤを固定する場合の作用を説明する第2の説明図。
【図45】本発明の第15の実施の形態に係る処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が突出した状態を示す断面図。
【図46】本発明の第15の実施の形態に係る処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が後退した状態を示す断面図。
【図47】本発明の第15の実施の形態の変形例に係る処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が突出した状態を示す断面図。
【図48】本発明の第15の実施の形態の変形例に係る処置具起上台の収容室の側壁から処置具誘導部材が後退した状態を示す断面図。
【図49】本発明の第16の実施の形態に係る内視鏡に対してガイドワイヤ越しに処置具を挿入する様子を示す第1の説明図。
【図50】本発明の第16の実施の形態に係る内視鏡に対してガイドワイヤ越しに処置具を挿入する様子を示す第2の説明図である。
【図51】本発明の第17の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の先端部の断面図。
【図52】本発明の第17の実施の形態の効果を従来の比較で説明する第1の説明図。
【図53】本発明の第17の実施の形態の効果を従来の比較で説明する第2の説明図。
【図54】本発明の第18の実施の形態に係るドレナージチューブを示す断面図。
【図55】本発明の第18の実施の形態に係るドレナージチューブの使用状態を示す説明図。
【図56】従来の内視鏡を用いた処置具の交換作業を説明する第1の説明図。
【図57】従来の内視鏡を用いた処置具の交換作業を説明する第2の説明図。
【符号の説明】
1 …内視鏡装置
2 …内視鏡
12 …挿入部
17 …先端部
22 …チャンネル開口部
26 …処置具挿通用チャンネル
27 …処置具起上台
71 …側部
72 …ガイドワイヤ係止溝

Claims (1)

  1. 先端側に先端硬質部を備え、処置具を挿通させるための処置具挿通用チャンネルを内蔵する挿入部と、
    前記先端硬質部に設けられ、前記処置具挿通チャンネルに連通する開口部と、
    前記開口部近傍に設けられ、処置具を所望の処置部位に誘導する処置具誘導面を有するとともに、前記処置具誘導面の側壁部に形成されたガイドワイヤ係止部であって、前記処置具挿通チャンネルから導出される処置具のうちガイドワイヤ以外のものを係止せずに前記処置具誘導面へと誘導させ、ガイドワイヤを前記処置具誘導面の一側方に誘導して係止可能なガイドワイヤ係止部を備えた処置具起上台と、
    前記挿入部の基端側に接続され、前記処置具起上台を操作する操作部と、
    を具備し、
    前記操作部により前記処置具起上台を起上させることによって、前記ガイドワイヤ係止部は、前記処置具誘導面の一側方に誘導した当該ガイドワイヤを、対向する前記先端硬質部の側壁との間で挟持して固定可能とする
    ことを特徴とする内視鏡。
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