JP5409553B2 - 核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法 - Google Patents

核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5409553B2
JP5409553B2 JP2010188980A JP2010188980A JP5409553B2 JP 5409553 B2 JP5409553 B2 JP 5409553B2 JP 2010188980 A JP2010188980 A JP 2010188980A JP 2010188980 A JP2010188980 A JP 2010188980A JP 5409553 B2 JP5409553 B2 JP 5409553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nuclear fuel
gas
fuel material
fluoride
fluorination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010188980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012047546A (ja
Inventor
大輔 渡邉
朗 笹平
文雄 河村
国義 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2010188980A priority Critical patent/JP5409553B2/ja
Publication of JP2012047546A publication Critical patent/JP2012047546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5409553B2 publication Critical patent/JP5409553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

本発明は使用済核燃料の再処理やウランの転換施設と使用済核燃料の再処理施設における核燃料物質のフッ化に係る技術分野に属するものである。
原子力産業分野において、ウラン転換もしくは使用済燃料の再処理を行うことを目的として、核燃料物質であるウラン(U)をフッ素ガス(F2)と反応させて六フッ化ウラン(UF6)とする技術がある。
ウランをフッ素ガスと反応させる装置として、非特許文献1と非特許文献2に示されるように、流動層を用いたものと、フレーム炉を用いたフッ化装置がある。
流動層を用いたフッ化装置の形状は例えば正方形の反応容器であり、ウランを装荷した反応容器内にフッ素ガスを吹き込み、比較的低温(300〜535℃)で反応させてUF6を得る。
フレーム炉を用いたフッ化装置の形状は一般的に直立した円筒状であり、円筒の頂上の中心部よりウランとフッ素ガスを供給し、ウランとフッ素ガスを高温(反応部が1200〜1600℃)で反応させてUF6を得る。ウランとフッ素ガスの反応部は炎のように見えるため、この反応部のことをフレームという。
ウラン転換では、フッ素ガスと反応させるウランは、天然ウランを精製したウラン酸化物(UO2)もしくは再処理回収ウランの酸化物であり、共通して高純度のウランという特徴がある。例えば、ウラン転換では、化学式1のようにウラン酸化物とフッ化水素(HF)を反応させて4フッ化ウラン(UF4)を得て、化学式2のようにUF4とフッ素ガスを反応させることでUF6を得る。この化学式2の反応は流動層もしくはフレーム炉で行われる。
UO2+4HF → UF4+2H2O ・・・(化1)
UF4+F2 → UF6 ・・・(化2)
使用済燃料の再処理技術として、特許文献1に示されるフッ化物揮発法がある。フッ化物揮発法は、使用済燃料をフッ素ガスと反応させて使用済燃料中に含まれるウランを揮発性のUF6として分離回収し、ウランを核燃料として再利用することを目的とする。使用済燃料にはウランの他に核分裂生成物(以下、FPという。)が含まれる。化学式3のように使用済燃料中のウラン酸化物がフッ素ガスと反応する際、FPもフッ素ガスと反応して例えば表1に示されるようなFPフッ化物が生成する。
UO2+3F2 → UF6+O2 ・・・(化3)
再処理を目的としたフッ化物揮発法の研究は1950年代より開始され、非特許文献2に示されるように研究初期にはフッ化反応装置は流動層方式であったが、近年フレーム炉方式の研究が開始されている。
特開2002−257980号公報
M. Benedict et al.著、清瀬量平 訳、「核燃料・材料の化学工学」、日刊工業新聞社、昭和59年3月30日、P152−156 「燃料サイクル技術 Nuclear Fuel Cycle Technology −21世紀の燃料サイクルの構築に向けて−」、社団法人日本原子力学会 発行。2002年5月31日、P96−98
フッ化物揮発法による使用済燃料の再処理において、流動層におけるフッ化反応温度は反応装置全体にわたって300℃程度であり、揮発したUF6には、例えば沸点が300℃以下であるモリブデン(Mo)やルテニウム(Ru),ニオブ(Nb),アンチモン(Sb)のフッ化物ガスが共存し、表1に示されるその他のFPフッ化物は揮発せずに固体残渣としてUF6から分離される。表1にFPフッ化物の沸点(℃)を示した。
Figure 0005409553
一方、フレーム炉で使用済燃料とフッ素ガスを反応させる場合、フレームは1200℃〜1600℃であるが、フレーム外周では温度は下がり、フレーム炉内壁表面の温度は約300℃である。そこで、我々はFPフッ化物の揮発挙動に着目し、フレーム炉特有の課題として一部のFPフッ化物がフレーム部では一度揮発するが、その後フレーム炉内壁表面で凝縮する(以下、この性質を半揮発性という)ことを新たに見出した。
表1によれば、流動層方式と同様にMoやRu,Nb,Sbのフッ化物はUF6と共に揮発し、イットリウム(Y)やバリウム(Ba),サマリウム(Sm),ストロンチウム(Sr)のフッ化物は揮発せずに固体残渣として残る。スズ(Sn)やジルコニウム(Zr),セシウム(Cs),ルビジウム(Rb)のフッ化物は、沸点がフレーム温度の1200℃〜1600℃以下であるため、全てもしくは一部が揮発するが、フレーム炉内壁表面近傍では凝縮し、フレーム炉内壁表面に固着することが予想される。
流動層方式では反応部にフレーム炉方式のような温度勾配はないこと、フッ化温度が比較的低温であることから、反応層内面への半揮発性FPフッ化物の固着は起こらない。また、ウラン転換におけるフッ化では高純度のウランを取り扱うため、フッ化の装置によらず半揮発性FPフッ化物の固着は起こらない。すなわち、使用済燃料をフレーム炉方式でフッ素と反応させるフッ化物揮発法にのみ、フレーム炉内壁表面への半揮発性のFPフッ化物の固着が特有な課題といえる。
フレーム炉内壁表面に半揮発性のFPフッ化物が付着した場合、フレーム炉表面の線量増加によるフレーム炉交換等の作業時の被曝リスクの増加が起こる。また、多量のFPフッ化物が付着してフレーム炉容積が変化した場合にはガスの流通速度が変化して運転条件が変わってしまうこと、付着したFPフッ化物とUF6や六フッ化プルトニウム(PuF6)といった核燃料物質が複塩をつくりフレーム炉内に蓄積することなどが起こる可能性がある。
従って、本発明の目的は、フレーム炉内壁表面への半揮発性のFPフッ化物の固着を抑制できる核燃料物質の再処理方法及びフッ化方法及びフッ化装置を提供することにある。
本発明の目的を達成するための核燃料物質のフッ化装置は、核燃料物質とフッ素ガスを反応させるフレーム炉を用いるフッ化装置において、前記フレーム炉の上部に取り付けられた前記核燃料物質とフッ素ガスの供給口よりも前記フレーム炉の外周側の位置に半揮発性のFPフッ化物を前記フッ化装置の下部へ同伴させる物質を前記フレーム炉内に供給する機構を備えることを特徴とする核燃料物質のフッ化装置である。
本発明の目的を達成するための核燃料物質のフッ化方法は、フレーム炉を用いたフッ化装置で核燃料物質をフッ素ガスと反応させるフッ化方法において、前記核燃料物質とフッ素ガスを前記フレーム炉の上部に取り付けられた核燃料物質とフッ素ガスの供給口から前記フレーム炉内に供給して反応させると共に、前記供給口よりも前記フレーム炉の外周側の位置から、半揮発性のFPフッ化物を前記フッ化装置の下部へ同伴させる物質を前記フレーム炉内に供給して前記半揮発性のFPフッ化物を前記物質に同伴させて前記フレーム炉の下方へ流すようにしたことを特徴とする核燃料物質のフッ化方法である。
本発明の目的を達成するための核燃料物質の再処理方法は、核燃料物質とフッ素ガスをフレーム炉の上部に取り付けられた核燃料物質とフッ素ガスの供給口から前記フレーム炉内に供給して反応させると共に、前記核燃料物質とフッ素ガスの供給口よりも前記フレーム炉の外周側の位置から、半揮発性のFPフッ化物を凝集する凝集材を供給し、前記核燃料物質と前記フッ素ガスとのフッ化反応で生じた不揮発性のフッ化残渣と、前記フレーム炉へ供給された前記凝集材とを混合残渣として回収し、前記混合残渣を水蒸気と反応させて酸化物に転換した後に溶解して溶媒抽出により前記混合残渣中の核燃料物質を分離回収することを特徴とした核燃料物質の再処理方法である。
本発明によれば、フレーム炉内のフレームにおいて一時的に揮発した半揮発性FPフッ化物がフレームからフレーム炉壁まで拡散してフレーム炉内壁表面へ付着することを抑制できるという直接的な効果が得られる。
この効果によって、フレーム炉の壁面の放射線量低減によるフレーム炉交換等の作業時の被曝リスクの低下、フレーム炉内壁表面へFPフッ化物が付着してフレーム炉の運転条件へ影響することの防止、核燃料物質のフレーム炉内壁表面への付着低減の効果を間接的得ることができる。
本発明の実施例1によるフレーム炉を用いたフッ化装置の縦断面の模式図である。 本発明の実施例2によるフレーム炉を用いたフッ化装置の縦断面の模式図である。 本発明の実施例3による核燃料物質の再処理方法の工程を示したフローチャート図である。
フレーム炉方式でフッ素と使用済燃料を反応させるフッ化物揮発法による再処理において、フレーム炉内壁表面への半揮発性のFPフッ化物の固着を抑制する手段として、発明者は2つの手法を発案するに至った。
その一つ目の発案内容は以下のとおりである。即ち、使用済燃料とフッ素ガスを反応させる際に、フレームとフレーム炉内壁表面の間に頂上部より微小な固体化合物を連続的に供給する手法である。供給する固体化合物はフレーム炉内壁表面近くで供給されることが望ましく、その場合、固体化合物の表面温度はフレーム炉内壁表面とほぼ同じ温度となる。
フレームにおいて一時的に揮発した半揮発性FPフッ化物は、フレームからフレーム炉壁まで拡散する間に固体化合物表面で冷却されて凝縮し、固体化合物とともに固体残渣として回収される。固体化合物の条件は、フッ素ガスと反応しない、もしくは反応するが表面に不働態をつくりフッ化が進行しにくいこと、フレーム炉内において不揮発性であることが挙げられる。
表2に固体化合物の一例を示す。
Figure 0005409553
表2中の2族元素のフッ化物,ランタノイドのフッ化物はこれ以上フッ化されないため、フッ素ガスと反応しない不揮発性の固体化合物といえる。焼結アルミナはフッ素ガスと反応しAlF3を生成するが、表面で生成したAlF3が不働態となり内部までフッ化反応が進行せず、かつ不揮発性である。
また、二つ目の発案内容は以下の通りである。即ち、使用済燃料とフッ素ガスを反応させる際に、フレームとフレーム炉内壁表面の間に頂上部よりキャリアガスを連続的に供給する手法である。
フレームにおいて一時的に揮発した半揮発性FPフッ化物がフレームからフレーム炉壁まで気体中を拡散する間にフレーム炉内より半揮発性FPフッ化物をキャリアガスに同伴させて排気し、残渣回収部で固体残渣として回収する。キャリアガスとしてフッ素ガスと反応するガスを供給すると、フッ素ガスが反応により消費されてしまうため、キャリアガスとしては、例えばフッ素ガスと反応しない窒素ガス(N2ガス),酸素ガス(O2ガス),フッ素ガス(F2ガス),アルゴンガス(Arガス)を使用すればよい。
以下に本発明の実施例1を図1に基づいて説明する。本発明の実施例は核燃料物質のフッ化方法およびフッ化装置に関する例である。そのフッ化装置は、図1に示されるように、円筒状のフレーム炉8と、そのフレーム炉8の核燃料物質入口2とフッ素ガス入口3と凝集材入口5と、フレーム炉8の下部が漏斗状に絞り込まれて接続された残渣回収部11と、その残渣回収部11に設けられて残渣回収部11からオフガス7を排気する通気口13とから構成される。
以下、物質移動の概要を述べる。核燃料物質1は例えば使用済燃料として説明する。フレーム炉8の形状は直立した円筒型であり、円筒の頂上部の中心に核燃料物質入口2が、核燃料物質入口2の外周にフッ素ガス入口3が、フッ素ガス入口3の外周に凝集材入口5が備え付けられている。フレーム炉8の下部に残渣回収部11が、残渣回収部11にオフガス7が排気される通気口13が備え付けられている。
核燃料物質入口2から供給された核燃料物質1は、フッ素ガス入口3より供給されたフッ素ガス4と反応し、フッ化反応の反応部であるフレーム9を形成し、フッ化物を生成する。核燃料物質1の供給と同時に凝集材入口5から凝集材6の供給を開始する。凝集材6は表2に示される2族元素のフッ化物もしくはランタノイドのフッ化物、焼結アルミナの微粒子であり、核燃料物質1の供給量の0.1%程度を供給する。
焼結アルミナを凝集材6として用いた場合、焼結アルミナがフレーム炉内のフッ素ガス4と反応し、その表面がフッ化アルミニウム(AlF3)となる。核燃料物質1に含まれるウランの化学形態はUO2であり、フッ素と化学式3のように反応して揮発性のUF6を生成する。
このとき、核燃料物質1に含まれるFPもフッ素ガス4と反応してフッ化物になる。フレーム9において生成した不揮発性のフッ化物はフッ化残渣10となり重力によりフレーム炉内を落下し、残渣回収部11で残渣として回収される。
一方、1200℃〜1600℃のフレーム9で生成した揮発性のフッ化物はフレーム炉内をフレーム炉内壁表面に向かって拡散しながら下方に向かって流通する。フレーム炉内壁表面に向かって拡散する揮発性フッ化物のうち比較的沸点が高い半揮発性フッ化物は、壁面に近づくにつれて温度勾配により徐々に温度が低下し、液体か固体に凝縮するか、もしくは凝集材6の表面に接触して冷却されることで凝縮する。
凝縮したフッ化物は重力によりフレーム炉内を落下し、残渣として回収される。したがって、回収された残渣はフッ化残渣10とフッ化物が表面に凝縮した凝集材6が混合された混合残渣12となる。
仮に凝集材6を供給せずに核燃料物質1のフッ化を行った場合、半揮発性FPフッ化物はフレーム炉内壁表面へ拡散し、そこで冷却されて凝縮し、固着することになる。
フレーム9で生成した揮発性のフッ化物のうち、フレーム炉内壁表面の温度でも凝集しない揮発性FPフッ化物は、UF6ガス,O2ガス、フッ化反応で余剰となったフッ素ガスとともに、オフガス7として通気口13を通過して残渣回収部11より排気される。その後、排気されたオフガス7より核燃料物質であるウランを回収し、回収されたウランは原子燃料として再利用される。
以上のように、本発明の実施例によれば、フレーム炉方式のフッ化装置で核燃料物質1をフッ素ガス4と反応する際、凝集材6を同時に供給することでフレーム炉内壁表面へのFPフッ化物付着を抑制でき、フレーム炉表面の放射線量低減によるフレーム炉交換等の作業時の被曝リスクの低下、フレーム炉内壁表面へFPフッ化物が付着してフレーム炉の運転条件へ影響することの防止、核燃料物質のフレーム炉内壁表面への付着低減の効果を得ることができる。
以下に本発明の実施例2を図2に基づいて説明する。本発明の実施例は核燃料物質のフッ化方法およびフッ化装置に関する例である。本実施例によるフッ化装置は、図2に示され、既述の実施例1と同様に、核燃料物質入口2とフッ素ガス入口3とフレーム炉8と残渣回収部11と通気口13とを備え、それにガス入口14が実施例1の凝集材入口5の代わりにフレーム炉8に配置されている。
以下、実施例2における物質移動の概要を述べる。核燃料物質1は例えば使用済燃料として説明する。実施例1と同様に核燃料物質入口2より核燃料物質1が、フッ素ガス入口3よりフッ素ガス4が供給され、フレーム9を形成してフッ化反応が進む。
実施例1と同様に、核燃料物質1に含まれるウランは既述の化学式3のように反応して揮発性のUF6となり、同時に核燃料物質1に含まれるFPもフッ素ガス4と反応して揮発性と半揮発性,不揮発性のフッ化物になる。
不揮発性のフッ化物はフッ化残渣10となり重力によりフレーム炉内を落下し、残渣回収部11で残渣として回収される。一方、揮発性と半揮発性のフッ化物はフレーム炉内をフレーム炉内壁表面に向かって拡散しながら下方に向かって流通する。
揮発性フッ化物が拡散によりフレーム炉内壁表面に到達することを防止するため、核燃料物質1の供給と同時にガス入口14から、例えばN2ガス,O2ガス,F2ガス,Arガスといったガス15をキャリアガスとして供給を開始する。ガス15の供給量は、フレーム9において生成した揮発性と半揮発性のフッ化物がガス中を拡散することによってフレーム炉内壁表面に到達する前にフレーム炉8の内部から残渣回収部11にキャリアガスに同伴させて排気されるよう、フレーム炉8の形状や運転条件により調整する。
揮発性フッ化物のうち比較的沸点が高い半揮発性フッ化物は、フレーム炉内部を流通するにつれて温度勾配により徐々に温度が低下し、液体か固体に凝縮するか、もしくは残渣回収部11において冷却されることで凝縮し、残渣として回収される。
したがって、回収された残渣はフッ化残渣10のみで構成される。仮にガス15を供給せずに核燃料物質1のフッ化を行った場合、半揮発性FPフッ化物はフレーム炉内壁表面へ拡散し、そこで冷却されて凝縮し、固着することになる。
フレーム9で生成した揮発性のフッ化物のうち、フレーム炉内壁表面の温度でも凝集しない揮発性FPフッ化物は、UF6ガス,O2ガス、フッ化反応で余剰となったフッ素ガス、ガス15とともに、オフガス7として通気口13を通過して残渣回収部11より排気される。
その後、ウラン精製工程においてFPフッ化物のみを吸着材に吸着させることでオフガス7より分離する。FPフッ化物が分離されたオフガス7より核燃料物質であるウランを回収し、回収されたウランは原子燃料として再利用される。
このウランの回収は、例えば100℃に保温されたフッ化ナトリウムを充填した吸着塔にオフガス7を流通してUF6のみを吸着し、ガス15,O2ガス,F2ガスを分離することによって実施される。
以上のように、本実施例によれば、フレーム炉方式のフッ化装置で核燃料物質1をフッ素ガス4と反応する際、ガス15を同時に供給することでフレーム炉内壁表面へのFPフッ化物付着を抑制でき、フレーム炉表面の放射線量低減によるフレーム炉交換等の作業時の被曝リスクの低下、フレーム炉内壁表面へFPフッ化物が付着してフレーム炉の運転条件へ影響することの防止、核燃料物質のフレーム炉内壁表面への付着低減の効果を得ることができる。
以下に本発明の実施例3を図3に基づいて説明する。本発明の実施例3は、既述の実施例1のフッ化装置を使用した場合における核燃料物質の再処理方法に関する例である。本実施例の核燃料物質の再処理方法は、図3に示されるように既述の実施例1によるフッ化装置とフッ化方法を用いたフッ化工程16,酸化物転換工程17,硝酸溶解工程19,溶媒抽出工程22から構成される。
以下、実施例3における物質移動を説明する。核燃料物質1は例えば使用済核燃料として説明する。フッ化工程16は、実施例1で説明したフレーム炉方式のフッ化装置により核燃料物質1をフッ素ガス4と反応させる工程であり、フレーム炉内壁表面へのFPフッ化物の固着を抑制するために凝集材6を添加する。
フッ化工程16からは、UF6,F2,O2、FPフッ化物で構成されるオフガス7と、不揮発性FPと凝集材6で構成される混合残渣12が排出される。オフガス7は、ウラン精製においてFPフッ化物が除去された後、残ったF2とO2からUF6が分離される。UF6は核燃料物質として再利用されるため、ウラン濃縮工程へ移送される。
混合残渣12には核燃料物質であるウランやプルトニウムが含まれるため、これら核燃料物質を回収するための処理がなされる。混合残渣12の大半は化学形態がフッ化物であるため、まず酸化物転換工程17において化学形態をフッ化物から酸化物に転換する(以下、得られた酸化物を「転換酸化物18」という)。酸化物転換は、例えばロータリーキルンのような気固反応装置に混合残渣12を供給し、そこに高温の水蒸気を吹き込んで反応させ、フッ素をフッ化水素ガス(HF)として分離することで行われる。
酸化物転換工程17において得られた転換酸化物18は硝酸溶解工程19において硝酸溶液に溶解される。ウランやプルトニウムといった核燃料物質は溶解し、溶解液21に移行する。凝集材6として表2に示される2族元素のフッ化物を使用した場合、この転換酸化物は硝酸溶液に溶解し、溶解液21に移行する。凝集材6として表2に示されるランタノイドのフッ化物を使用した場合、この転換酸化物は硝酸溶液に一部溶解し、一部は不溶解残渣20として沈殿する。凝集材6として表2に示される焼結アルミナを使用した場合、この転換酸化物は硝酸溶液に溶解せず、不溶解残渣20として沈殿する。不溶解残渣は放射性廃棄物として処理される。
溶解液21は溶媒抽出工程22において核燃料物質の抽出材と接触し、核燃料物質であるU+Pu23のみが抽出材に移行し、溶解液21に溶解しているFPなどの不純物と分離される。U+Pu23は原子燃料として再利用される。溶媒抽出工程22においてU+Pu23が除かれた溶解液21は廃棄物24となり、放射性廃棄物として処理される。
以上のように、本発明によれば、実施例1のようにフレーム炉方式のフッ化装置で核燃料物質1をフッ素ガス4と反応する際に凝集材6を同時に供給しつつ、核燃料物質の再処理を実施することができる。
本発明は、核燃料物質のフッ化方法やその装置並びに使用済み核燃料の再処理方法に利用される可能性を有する。
1 核燃料物質
2 核燃料物質入口
3 フッ素ガス入口
4 フッ素ガス
5 凝集材入口
6 凝集材
7 オフガス
8 フレーム炉
9 フレーム
10 フッ化残渣
11 残渣回収部
12 混合残渣
13 通気口
14 ガス入口
15 ガス
16 フッ化工程
17 酸化物転換工程
18 転換酸化物
19 硝酸溶解工程
20 不溶解残渣
21 溶解液
22 溶媒抽出工程
23 U+Pu
24 廃棄物

Claims (11)

  1. 核燃料物質とフッ素ガスを反応させるフレーム炉を用いるフッ化装置において、前記フレーム炉の上部に取り付けられた前記核燃料物質とフッ素ガスの供給口よりも前記フレーム炉の外周側の位置に半揮発性のFPフッ化物を前記フッ化装置の下部へ同伴させる物質を前記フレーム炉内に供給する機構を備えることを特徴とする核燃料物質のフッ化装置。
  2. 請求項1において、前記物質は、半揮発性のFPフッ化物を凝集する凝集材であり、前記機構は、前記凝縮材を下方に向けて前記フレーム炉内に供給する凝縮材入口を備えることを特徴とする核燃料物質のフッ化装置。
  3. 請求項1において、前記物質は、2族元素のフッ化物とランタノイドのフッ化物と酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とした核燃料物質のフッ化装置。
  4. 請求項1において、前記物質は、前記フッ素ガスと反応しないキャリアガスであり、前記機構は、前記キャリアガスを下方に向けて前記フレーム炉内に供給するガス入口を備えることを特徴とする核燃料物質のフッ化装置。
  5. 請求項4において、前記キャリアガスのガス種は、N2ガスとO2ガスとF2ガスとArガスのいずれかであることを特徴とする核燃料物質のフッ化装置。
  6. フレーム炉を用いたフッ化装置で核燃料物質をフッ素ガスと反応させるフッ化方法において、前記核燃料物質とフッ素ガスを前記フレーム炉の上部に取り付けられた核燃料物質とフッ素ガスの供給口から前記フレーム炉内に供給して反応させると共に、前記供給口よりも前記フレーム炉の外周側の位置から、半揮発性のFPフッ化物を前記フッ化装置の下部へ同伴させる物質を前記フレーム炉内に供給して前記半揮発性のFPフッ化物を前記物質に同伴させて前記フレーム炉の下方へ流すようにしたことを特徴とする核燃料物質のフッ化方法。
  7. 請求項6において、前記物質は、半揮発性のFPフッ化物を凝集する凝集材であり、前記凝集材を下方に向けて前記フレーム炉内に供給し、前記半揮発性のFPフッ化物を凝集材に凝集させて下方へ同伴させることを特徴とする核燃料物質のフッ化方法。
  8. 請求項6において、前記物質は、2族元素のフッ化物とランタノイドのフッ化物と酸化アルミニウムのいずれかであることを特徴とした核燃料物質のフッ化方法。
  9. 請求項6において、前記物質は、前記フッ素ガスと反応しないキャリアガスであり、前記機構は、前記キャリアガスを下方に向けて前記フレーム炉内に供給し、前記半揮発性のFPフッ化物を前記キャリアガスの下方への流れに同伴させることを特徴とする核燃料物質のフッ化方法。
  10. 請求項9において、前記キャリアガスのガス種は、N2ガスとO2ガスとF2ガスとArガスのいずれかであることを特徴とする核燃料物質のフッ化方法。
  11. 核燃料物質とフッ素ガスをフレーム炉の上部に取り付けられた核燃料物質とフッ素ガスの供給口から前記フレーム炉内に供給して反応させると共に、前記核燃料物質とフッ素ガスの供給口よりも前記フレーム炉の外周側の位置から、半揮発性のFPフッ化物を凝集する凝集材を供給し、前記核燃料物質と前記フッ素ガスとのフッ化反応で生じた不揮発性のフッ化残渣と、前記フレーム炉へ供給された前記凝集材とを混合残渣として回収し、前記混合残渣を水蒸気と反応させて酸化物に転換した後に溶解して溶媒抽出により前記混合残渣中の核燃料物質を分離回収することを特徴とした核燃料物質の再処理方法。
JP2010188980A 2010-08-26 2010-08-26 核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法 Active JP5409553B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010188980A JP5409553B2 (ja) 2010-08-26 2010-08-26 核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010188980A JP5409553B2 (ja) 2010-08-26 2010-08-26 核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012047546A JP2012047546A (ja) 2012-03-08
JP5409553B2 true JP5409553B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=45902607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010188980A Active JP5409553B2 (ja) 2010-08-26 2010-08-26 核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5409553B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6513909B2 (ja) * 2014-05-30 2019-05-15 株式会社東芝 ガラス固化体の核種分離方法
CN113795894A (zh) * 2020-10-14 2021-12-14 中广核研究院有限公司 基于等离子体的乏燃料干法后处理方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001153991A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Hitachi Ltd 使用済原子燃料の再処理方法
JP4312969B2 (ja) * 2001-03-02 2009-08-12 東京電力株式会社 使用済原子燃料の再処理方法
JP4196173B2 (ja) * 2003-01-28 2008-12-17 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 使用済核燃料の再処理方法
JP4022608B2 (ja) * 2004-07-30 2007-12-19 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 分留法を用いるフッ化物揮発法による再処理方法
JP5065163B2 (ja) * 2008-06-06 2012-10-31 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法
JP5593525B2 (ja) * 2010-06-08 2014-09-24 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 フッ化物残渣回収装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012047546A (ja) 2012-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6272228B2 (ja) 少なくとも1つの溶融塩を含む媒体からアクチノイド及び/又はランタノイドのオキシハロゲン化物及び/又は酸化物を調製する方法
JP5483867B2 (ja) 使用済燃料からの金属燃料物質の回収方法及び使用済燃料の再処理方法
JP4196173B2 (ja) 使用済核燃料の再処理方法
JP5409553B2 (ja) 核燃料物質のフッ化装置及びフッ化方法並びに再処理方法
CN113795894A (zh) 基于等离子体的乏燃料干法后处理方法
Okabe et al. Development of metallic nuclear material purification process via simultaneous chlorination and volatilization
JP3823593B2 (ja) 使用済核燃料の再処理方法および使用済核燃料からの燃料再加工方法
JP4528916B2 (ja) 使用済アルミナの除染および処理方法
JP2013101066A (ja) ジルコニウムを含む使用済燃料の処理装置および方法
JP5065163B2 (ja) 使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法
JP5309054B2 (ja) フッ化物廃吸着剤の処理方法
JP4679070B2 (ja) 使用済み酸化物燃料の再処理方法
JP2008014708A (ja) 使用済み核燃料の再処理方法
JP6621917B2 (ja) 放射性核種の分離方法および放射性核種の分離装置
JP6638071B2 (ja) ジルコニウムの分離方法及び使用済燃料の処理方法
JP2006046967A (ja) 固気分離法を用いるフッ化物揮発法による再処理方法
Figueroa et al. Uranium Dioxide Conversion
JP2007101495A (ja) 使用済核燃料または放射性廃棄物の再処理方法
KR102469051B1 (ko) 방사능 오염 콘크리트 처리를 위한 염소화 제염방법
JP6513909B2 (ja) ガラス固化体の核種分離方法
JP7298052B2 (ja) セシウムおよびテクネチウムを分離するための方法
JP2002071865A (ja) 原子炉用混合酸化物燃料の製造方法
JP2011203029A (ja) フッ化化合物の処理方法
JP2023110249A (ja) 燃料デブリの処理方法
JP2019215299A (ja) 不溶解性残渣処理プロセス

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120518

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5409553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150