JP6621917B2 - 放射性核種の分離方法および放射性核種の分離装置 - Google Patents

放射性核種の分離方法および放射性核種の分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射性核種を分離する技術に関し、特に高レベル放射性廃液から所定の放射性核種を分離する方法および該方法を実行するための分離装置に関するものである。
原子力発電で使用した燃料を再処理する過程において、再利用されるウラン(U)およびプルトニウム(Pu)を回収した後には、使用済燃料に含まれていた放射性核種が溶解した高レベル放射性廃液が発生する。当該高レベル放射性廃液は、現在、ガラス固化して埋設処分することが検討されている。以下、該廃液および該ガラス固化体を総称して高レベル放射性廃棄物という。
高レベル放射性廃棄物には、数多くの放射性核種が含まれている。このうち、比較的半減期の長い放射性核種(長半減期放射性核種)は、高レベル放射性廃棄物が長期間にわたって埋設されている間に地下水等と接触することでガラス固化体から溶出する可能性があり、それが地表に到達すると公衆の被曝源となることが懸念される。
そのような懸念に対処するため、埋設処分する前の高レベル放射性廃棄物から長半減期放射性核種を分離回収することで、高レベル放射性廃棄物の埋設処分による環境や人体への負荷を低減することが検討されている。なお、分離回収した長半減期放射性核種は、原子炉や加速器を使った核反応により別の短半減期放射性核種や非放射性核種に核変換することができ、それにより長半減期放射性核種の難点を克服することができる。
放射性核種の分離方法として、例えば、特許文献1(特開2015-227780)には、ガラス固化体の核種分離方法であって、放射性核種と白金属元素とを含むガラス固化体を溶解させる溶解工程と、溶解させた前記ガラス固化体から前記放射性核種を分離して回収する分離回収工程とを含み、前記溶解工程は、高温下で前記ガラス固化体をフッ素化し、前記ガラス固化体のフッ化物を気体中に溶解させるフッ素化工程を有し、前記分離回収工程は、前記フッ化物を冷却して、沸点の差異により前記放射性核種のそれぞれを気液または気固分離する冷却工程を有することを特徴とするガラス固化体の核種分離方法が提案されている。
特開2015−227780号公報
特許文献1によると、高レベル放射性廃棄物を含有するガラス固化体から放射性核種を効率的に分離回収することができるとされている。また、放射性核種を分離するにあたって、高レベル放射性廃棄物の容積を抑制する観点からは、溶媒等の添加により容積が増加し易いウエットプロセスよりも、ドライプロセスの方が好ましいと考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の分離方法は、放射性核種フッ化物の沸点の差異を利用するものであることから、分離対象の放射性核種フッ化物の沸点以上に加熱する必要があり、熱処理温度が高温化するという難点がある。
特許文献1によると、例えば、ストロンチウム(Sr)やサマリウム(Sm)を分離する場合、ストロンチウムフッ化物(沸点2460℃)やサマリウムフッ化物(沸点2323℃)の沸点以上に加熱する必要があり、分離するための装置コストや運転コストが増大し易い(すなわち、回収コストが増加し易い)という弱点がある。
また、沸点が近いフッ化物同士(例えば、沸点1251℃のセシウム(Cs)フッ化物と沸点1260℃のアルミニウム(Al)フッ化物や、沸点約900℃のジルコニウム(Zr)フッ化物と沸点約800℃のスズ(Sn)フッ化物)は混合する可能性があり、分離率が不十分になることが懸念される。
一方、処理・処分すべき高レベル放射性廃棄物の総量は年々増加しており、有効かつ安全な処理・処分方法が強く求められている。言い換えると、高い分離率が得られかつ簡便に(すなわち低コストで)放射性核種の分離が可能な方法に対するニーズは強い。
したがって、本発明の目的は、放射性核種の分離において、従来技術と同等以上の分離率を確保しながら、より簡便に(すなわち低コストで)放射性核種の分離が可能な方法、および該方法を実行するための分離装置を提供することにある。
(I)本発明の一態様は、分離対象の放射性核種を含む高レベル放射性廃液から該分離対象の放射性核種を分離する方法であって、
前記高レベル放射性廃液の液相成分を蒸発させて高レベル放射性固体を生成する放射性廃液固化工程と、
前記高レベル放射性固体にフッ素ガス(F2)を作用させて該高レベル放射性固体に含まれる前記分離対象の放射性核種をフッ化物に転換する放射性核種フッ化物転換工程と、
前記分離対象の放射性核種フッ化物の飽和蒸気圧が、前記高レベル放射性固体中の該核種フッ化物の含有率から算出される分圧以上大気圧未満の蒸気圧となる温度に加熱して該核種フッ化物を揮発させて分離する放射性核種フッ化物揮発分離工程とを有することを特徴とする放射性核種の分離方法を提供するものである。
本発明は、上記の放射性核種の分離方法(I)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)前記分離対象の放射性核種フッ化物の揮発ガスを冷却して該核種フッ化物を固化する放射性核種フッ化物固化工程を更に有する。
(ii)前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、キャリアガスを流しながら行う500℃以上900℃以下の温度範囲の熱処理である。
(iii)前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、前記温度範囲内で徐々に昇温する熱処理である。
(iv)前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、前記温度範囲内で前記キャリアガスの上流側の温度を高く、該キャリアガスの下流に向かって徐々に温度を低くする熱処理である。
(v)前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、前記キャリアガスの下流側の温度を前記温度範囲内で徐々に昇温する熱処理である。
(vi)前記分離対象の放射性核種は、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)およびセシウム(Cs)の内の一つ以上である。
(vii)前記放射性核種フッ化物転換工程は、400℃未満の温度範囲の熱処理である。
(viii)前記放射性廃液固化工程は、400℃以上600℃以下の温度範囲の熱処理である。
(II)本発明の他の一態様は、分離対象の放射性核種を含む高レベル放射性廃液から該分離対象の放射性核種を分離する分離装置であって、
前記高レベル放射性廃液を収容する廃液貯槽と、
前記高レベル放射性廃液の液相成分を蒸発させて高レベル放射性固体を生成する廃液固化装置と、
前記高レベル放射性固体をフッ素ガスと作用させて該高レベル放射性固体に含まれる前記分離対象の放射性核種をフッ化物に転換する放射性核種フッ化装置と、
キャリアガスを流しながら前記分離対象の放射性核種フッ化物を加熱して該核種フッ化物を揮発させて分離するフッ化物揮発分離装置とを有し、
前記フッ化物揮発分離装置は、前記分離対象の放射性核種フッ化物の飽和蒸気圧が、前記高レベル放射性固体中の該核種フッ化物の含有率から算出される分圧以上大気圧未満の蒸気圧となる所定の温度範囲に制御するフッ化物揮発温度制御機構を有することを特徴とする放射性核種の分離装置を提供するものである。
本発明は、上記の放射性核種の分離装置(II)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(ix)前記分離対象の放射性核種フッ化物の揮発ガスを冷却して該核種フッ化物を固化するフッ化物固化装置を更に有する。
(x)前記フッ化物揮発温度制御機構は、500℃以上900℃以下の温度範囲に制御する機構である。
(xi)前記フッ化物揮発温度制御機構は、前記温度範囲で徐々に昇温するように制御する機構である。
(xii)前記フッ化物揮発分離装置は、前記キャリアガスの上流側の温度を高く、該キャリアガスの下流に向かって徐々に温度が低くなる温度プロファイルを構築できる機構を有する。
(xiii)前記フッ化物揮発温度制御機構は、前記キャリアガスの下流側の温度を前記温度範囲内で徐々に昇温するように制御する機構である。
(xiv)前記分離対象の放射性核種は、スズ、ジルコニウムおよびセシウムの内の一つ以上である。
(xv)前記放射性核種フッ化装置は、400℃未満の温度範囲に制御するフッ化温度制御機構を有する。
(xvi)前記廃液固化装置は、400℃以上600℃以下の温度範囲に制御する廃液固化温度制御機構を有する。
本発明によれば、放射性核種の分離において、従来技術と同等以上の分離率を確保しながら、より簡便に(すなわち低コストで)放射性核種の分離が可能な方法、および該方法を実行するための分離装置を提供することができる。
本発明に係る放射性核種の分離装置の構成例を示す模式図である。 セシウムフッ化物、ジルコニウムフッ化物およびスズフッ化物の飽和蒸気圧と温度との関係を示すグラフである。 放射性核種フッ化物揮発分離工程において、フッ化物揮発温度制御機構によって制御したフッ化物揮発熱処理炉の設定温度プロファイルの一例である。 図3Aの熱処理条件における熱処理時間とフッ化物の分離率との関係の一例を示すグラフである。 放射性核種フッ化物揮発分離工程において、フッ化物揮発温度制御機構によって制御したフッ化物揮発熱処理炉の設定温度プロファイルの他の一例である。 図4Aの熱処理条件における熱処理時間とフッ化物の分離率との関係の一例を示すグラフである。 放射性核種フッ化物揮発分離工程において、フッ化物揮発温度制御機構によって制御したフッ化物揮発熱処理炉の設定温度プロファイルの他の一例である。 図5Aの熱処理条件における熱処理時間とフッ化物の分離率との関係の一例を示すグラフである。
[本発明の基本思想]
前述したように、特許文献1に記載の技術は、複数種の放射性核種が混在するガラス固化体から放射性核種を分離する方法であって、複数種全ての放射性核種を一旦フッ化物化して気化させた後、該フッ化物ガスを冷却する際に各フッ化物の沸点の差異を利用して分離する技術である。ただし、特許文献1の分離方法は、高い熱処理温度が必要なことから分離装置の設備コストや運転コストが増大し易いという弱点があった。また、沸点が近いフッ化物同士は混合し易い(分離率が低下し易い)という弱点があった。
このような弱点に対し、本発明者等は、従来技術と同等以上の分離率を確保しながら、より低コストで放射性核種の分離が可能な方法について鋭意検討した。その中で、本発明者等は、フッ化物の蒸気圧に着目し、温度による蒸気圧の差異を利用することによって所定の放射性核種を高い分離率で分離できることを見出した。
分離の原理について簡単に説明する。フッ化物は沸点以下でも蒸気圧を有し、その飽和蒸気圧は温度が上昇すると指数関数のように急激に大きくなる。飽和蒸気圧と外圧(例えば大気圧)とが等しくなる温度が沸点である。
分離処理する対象物として、複数種のフッ化物の混合物を想定する。複数種全てのフッ化物が気相になったとすると、各フッ化物ガスは、混合物中のそれぞれのモル分率に応じた分圧を有することになる。全圧(分圧の合計)を大気圧とすると、各分圧は当然のことながら大気圧未満である。
ある温度におけるあるフッ化物の飽和蒸気圧が該フッ化物の分圧未満の場合、該フッ化物の揮発は起こらない。言い換えると、あるフッ化物の飽和蒸気圧が混合物中のモル分率に応じた分圧以上になると、該フッ化物のみが揮発し始めることになる。
全圧が大気圧の場合、各分圧は大気圧未満であることから、所定のフッ化物が揮発する蒸気圧に達する温度は該フッ化物の沸点未満の温度である。すなわち、フッ化物の混合物を分離対象のフッ化物の沸点以上まで加熱しなくても、該分離対象のフッ化物を揮発分離することができる。
フッ化物の沸点未満の温度で分離可能になることから、従来技術に比して、分離装置の設備コストや運転コストを抑制することができる。また、飽和蒸気圧は温度の上昇と共に急激に大きくなることから、小さな温度差(例えば10℃)であっても大きな蒸気圧差となる。このことから、沸点が近いフッ化物同士であっても高い分離率を達成できる。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。
[本発明の第1実施形態]
(放射性核種の分離装置および分離方法)
図1は、本発明に係る放射性核種の分離装置の構成例を示す模式図である。図1に示したように、本発明の放射性核種の分離装置100は、高レベル放射性廃液を収容する廃液貯槽10と、高レベル放射性廃液の液相成分を蒸発させて高レベル放射性固体を生成する廃液固化装置20と、高レベル放射性固体をフッ素ガスと作用させて該高レベル放射性固体に含まれる分離対象の放射性核種を放射性核種フッ化物に転換する放射性核種フッ化装置30と、分離対象の放射性核種フッ化物を加熱して該核種フッ化物を揮発させて分離するフッ化物揮発分離装置40とを有する。フッ化物揮発分離装置40の下流に、分離対象の放射性核種フッ化物の揮発ガスを冷却して該核種フッ化物を固化するフッ化物固化装置50を更に有していてもよい。
高レベル放射性廃液は、カチオン種として例えばセシウム(Cs)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)を含み、アニオン種として例えば硝酸イオン(NO3 )を含む水溶液である。高レベル放射性廃液を安全・確実に収容することができるかぎり廃液貯槽10に特段の限定はなく、従前の廃液貯槽を利用できる。
なお、本発明においては、後述する放射性核種フッ化物揮発分離工程における熱処理温度を決定する上で、高レベル放射性廃液に含まれている放射性核種の種類、および該廃液中の分離対象の放射性核種の含有率(厳密にはモル分率)の情報が必要である。そのため、高レベル放射性廃液の組成が不明な場合には、高レベル放射性廃液に対して、カチオンの種類とモル分率とを少なくとも調査する廃液組成調査工程を行うことが好ましい。
廃液固化装置20は、高レベル放射性廃液中の液相成分を蒸発させて高レベル放射性固体(例えば、廃液中の放射性核種の酸化物粉末や硝酸塩粉末)を生成する放射性廃液固化工程を行う装置であり、液体を加熱できる機構を備えた廃液固化熱処理炉21(例えばロータリーキルン)と、熱処理温度を制御する廃液固化温度制御機構22とを有する。また、熱処理雰囲気を酸化性雰囲気(廃液中の放射性核種の酸化物を生成させるのに十分な酸素(O2)を含む雰囲気、例えば空気や酸素)に制御する廃液固化雰囲気制御機構23(例えば、ガス供給機構)を有することが好ましい。
放射性廃液固化工程の熱処理温度としては、廃液中の放射性核種の酸化物や硝酸塩等が生成する温度であり、かつ生成した酸化物や硝酸塩等が揮発しない温度が好ましい。例えば、400℃以上600℃以下が好ましく、450℃以上550℃以下がより好ましい。
放射性核種フッ化装置30は、高レベル放射性固体にフッ素ガスを作用させて該高レベル放射性固体に含まれる分離対象の放射性核種を放射性核種フッ化物に転換する放射性核種フッ化物転換工程を行う装置であり、加熱または冷却できる機構を備えたフッ化熱処理炉31(例えば流動層装置)と、熱処理温度を制御するフッ化温度制御機構32と、熱処理雰囲気をフッ素雰囲気に制御するフッ化雰囲気制御機構33(例えば、ガス供給機構や真空排気機構)とを有する。
放射性核種フッ化物転換工程の熱処理温度としては、フッ化反応が進行し、かつ分離対象の放射性核種のフッ化物が揮発しない温度が好ましく、例えば、200℃以上400℃未満が好ましい。
フッ化温度制御機構32では、フッ化反応の促進のために温度を高める制御を行う一方で、フッ化反応の進行に伴う反応熱によって望ましい温度範囲を超えそうな場合は、フッ化熱処理炉31を冷却する制御を行う。
なお、高レベル放射性廃液中に、分離対象の放射性核種のフッ化物よりも沸点が低いフッ化物を生成する元素(例えば、セレン(Se)やテルル(Te))が含まれている場合、該元素のフッ化物は、本工程中に揮発してフッ化熱処理炉31のオフガス配管(図示せず)より排出され、高レベル放射性固体から分離される。
フッ化物揮発分離装置40は、分離対象の放射性核種フッ化物を加熱して該核種フッ化物を揮発させて分離する放射性核種フッ化物揮発分離工程を行う装置であり、炉内の温度プロファイルを制御できる機構を備えたフッ化物揮発熱処理炉41と、熱処理温度を制御するフッ化物揮発温度制御機構42と、キャリアガスを制御するキャリアガス制御機構43(例えば、ガス供給機構や真空排気機構)とを有する。
放射性核種フッ化物揮発分離工程の熱処理温度としては、分離対象の放射性核種フッ化物の飽和蒸気圧が、高レベル放射性固体中の該核種フッ化物の含有率から算出される分圧以上大気圧未満の蒸気圧となる温度が好ましい。例えば、500℃以上900℃以下が好ましい。
第1実施形態においては、フッ化物揮発温度制御機構42は、炉内全域がほぼ一定温度になるような制御を行う。加えて、所望の温度範囲内で徐々に昇温する制御を行うことがより好ましい。
キャリアガス制御機構43は、揮発したフッ化物ガスを効率よくフッ化物揮発熱処理炉41から排出する(すなわち、分離対象の放射性核種フッ化物を高レベル放射性固体から分離する)ために、フッ化物揮発熱処理炉41内にキャリアガスを流すための機構である。キャリアガスとしては、放射性核種フッ化物と化学反応しない不活性ガスが好ましく、例えば、窒素(N2)やアルゴン(Ar)を好ましく用いることができる。
図2は、セシウムフッ化物、ジルコニウムフッ化物およびスズフッ化物の飽和蒸気圧と温度との関係を示すグラフである。セシウムとジルコニウムとは分離対象の長半減期放射性核種である。スズは高レベル放射性廃液に含まれる元素であり、沸点の近さからジルコニウムに混合し易いとされる元素である。
図2に示したように、沸点が近いフッ化物同士(ジルコニウムフッ化物、スズフッ化物)であっても飽和蒸気圧−温度曲線は大きく異なることが分かる。また、飽和蒸気圧は温度の上昇と共に急激に大きくなることが確認される。例えば、ジルコニウムフッ化物とスズフッ化物との飽和蒸気圧は、600℃において約2桁も差異があり、800℃でも約1桁の差異あることが分かる。本発明は、このような大きな飽和蒸気圧差を利用することによって、効率よく元素分離を行うものである。
図3Aは、放射性核種フッ化物揮発分離工程において、フッ化物揮発温度制御機構によって制御したフッ化物揮発熱処理炉の設定温度プロファイルの一例である。図3Bは、図3Aの熱処理条件における熱処理時間とフッ化物の分離率との関係の一例を示すグラフである。
図3Aに示したように、本実施形態でのフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイル(設定温度プロファイル)は、炉内全域で800℃の一定温度とした。図3Bは、「セシウムフッ化物:ジルコニウムフッ化物:スズフッ化物=1:1:1」のモル比で混合した混合物の分離率変化を示したものである。
また、本発明においてフッ化物の分離率とは、フッ化物揮発熱処理炉41に投入した放射性核種フッ化物に対して、当該フッ化物が揮発して炉外に排出された比率(炉外に排出されたA元素のフッ化物/炉に投入したA元素のフッ化物)と定義する。すなわち、炉に投入したA元素のフッ化物の全量が炉外に排出された場合、「分離率=1」となる。
図2に示したように、800℃における飽和蒸気圧は、スズフッ化物が最も高く、次にジルコニウムフッ化物、セシウムフッ化物の順に小さくなる。このため、フッ化物揮発熱処理炉42の炉内温度プロファイルを800℃で一定とした場合、図3Bに示したように飽和蒸気圧が最も高いスズフッ化物が最初に揮発して分離され(最も短時間で「分離率=1」となり)、次にジルコニウムフッ化物、セシウムフッ化物の順で揮発・分離される。
なお、放射性核種フッ化物揮発分離工程において揮発しなかった放射性核種のフッ化物は、フッ化物揮発熱処理炉41内に在留し、別途回収することができる。
フッ化物固化装置50は、分離対象の放射性核種フッ化物の揮発ガスを冷却して該核種フッ化物を固化する放射性核種フッ化物固化工程を行う装置であり、加熱または冷却できる機構を備えたフッ化物固化熱処理炉51と、熱処理温度を制御するフッ化物固化温度制御機構52とを有する。
放射性核種フッ化物固化工程の熱処理温度としては、前工程(放射性核種フッ化物揮発分離工程)でフッ化物揮発熱処理炉41から排出されたフッ化物ガスが確実に固化する温度であれば特段の限定はなく、例えば、200℃が好ましい。
また、フッ化物固化熱処理炉51は固体フッ化物回収容器51’を有しており、固体フッ化物回収容器51’が入れ替え容易な構造になっていることが好ましい。特に、カチオン種の異なるフッ化物ガスが時間差をもって排出されてくる場合、固体フッ化物回収容器51’が入れ替え容易な構造になっていれば、フッ化物ごとに固体フッ化物回収容器51’を替えることができ、放射性核種別の回収が容易になる。
(第1実施形態の分離方法の変形例)
放射性核種フッ化物揮発分離工程において、図3Aのようにフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイルを炉内全域で一定温度とした上で、前述の温度範囲内(500〜900℃)で徐々に昇温する熱処理は、より好ましい。
図2および図3Bの結果から考えると、スズフッ化物は500℃程度から揮発可能と考えられるが、ジルコニウムフッ化物およびセシウムフッ化物の揮発にはそれぞれ650℃程度および700℃程度の温度が必要と考えられる。そこで、熱処理温度を500℃から徐々に上げていくことにより、図3Bにおける各フッ化物の分離率の立ち上がり開始に十分な時間差をつくることができる。
より具体的には、熱処理温度が500〜650℃の間は実質的にスズフッ化物のみが揮発するので、スズ成分を選択的に分離することができる。その後、熱処理温度が650〜700℃の間は実質的にジルコニウムフッ化物のみが揮発するので、ジルコニウム成分を選択的に分離することができる。その後、熱処理温度を更に上昇させていくと実質的にセシウムフッ化物のみが揮発するので、セシウム成分を選択的に分離することができる。この結果、各成分が混合する確率が減少するため、分離精度を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、分離したい放射性核種のフッ化物を沸点まで加熱する必要がなく、各フッ化物の飽和蒸気圧の差を利用することにより、各フッ化物の沸点未満の温度でもそれぞれの放射性核種を揮発分離することが可能になる。
[本発明の第2実施形態]
(放射性核種の分離方法)
第2実施形態の分離方法は、放射性核種フッ化物揮発分離工程におけるフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイル(設定温度プロファイル)が第1実施形態のそれと異なっており、他を同じとするものである。そこで、放射性核種フッ化物揮発分離工程におけるフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイルについてのみ説明する。
図4Aは、放射性核種フッ化物揮発分離工程において、フッ化物揮発温度制御機構によって制御したフッ化物揮発熱処理炉の設定温度プロファイルの他の一例である。図4Bは、図4Aの熱処理条件における熱処理時間とフッ化物の分離率との関係の一例を示すグラフである。
図4Aに示したように、本実施形態でのフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイル(設定温度プロファイル)は、熱処理開始時にキャリアガス上流側(炉の入口側)の温度を900℃としキャリアガス下流側(炉の出口側)の温度を400℃として、キャリアガス上流側から下流側に向けてほぼ直線的に温度が低下するように設定したものであり、時間の経過と共にキャリアガス下流側(炉の出口側)の温度を徐々に上げて、最終的にキャリアガス下流側温度が900℃になるように制御したものである。図4Bは、先と同様に「セシウムフッ化物:ジルコニウムフッ化物:スズフッ化物=1:1:1」のモル比で混合した混合物の分離率変化を示したものである。
図4Bに示したように、スズフッ化物はキャリアガス下流側温度500℃程度から炉外に排出され始め、キャリアガス下流側温度約600℃でほぼ全量が炉外に排出される。この時、ジルコニウムフッ化物とセシウムフッ化物とは炉外にほとんど排出されておらず、フッ化物混合物からスズ成分をほぼ完全に分離できることが分かる。次に、キャリアガス下流側温度が600℃超になるとジルコニウムフッ化物とセシウムフッ化物とが炉外に排出され始めるが、それらの分離率の立ち上がり方(分離率変化の傾き)は大きく異なっていることが分かる。キャリアガス下流側温度約740℃でジルコニウムフッ化物は「分離率=1」となるが、その時のセシウムフッ化物は「分離率≒0.2」である。その後、セシウムフッ化物はキャリアガス下流側温度約820℃で「分離率=1」となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、分離したい放射性核種のフッ化物を沸点まで加熱する必要がなく、各フッ化物の飽和蒸気圧の差を利用することにより、各フッ化物の沸点未満の温度でもそれぞれの放射性核種を揮発分離することが可能になる。
[本発明の第3実施形態]
(放射性核種の分離方法)
第3実施形態の分離方法は、放射性核種フッ化物揮発分離工程におけるフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイル(設定温度プロファイル)が第1・第2実施形態のそれらと異なっており、他を同じとするものである。そこで、放射性核種フッ化物揮発分離工程におけるフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイルについてのみ説明する。
図5Aは、放射性核種フッ化物揮発分離工程において、フッ化物揮発温度制御機構によって制御したフッ化物揮発熱処理炉の設定温度プロファイルの他の一例である。図5Bは、図5Aの熱処理条件における熱処理時間とフッ化物の分離率との関係の一例を示すグラフである。
図5Aに示したように、本実施形態でのフッ化物揮発熱処理炉41の炉内温度プロファイル(設定温度プロファイル)は、熱処理開始時にキャリアガス上流端(炉の入口側)の温度を900℃としキャリアガス下流側(炉の出口側)の温度を700℃と固定して、キャリアガス上流側から下流側に向けてほぼ直線的に温度が低下するように設定したものである。図5Bは、「セシウムフッ化物:ジルコニウムフッ化物=1:1」のモル比で混合した混合物の分離率変化を示したものである。
図5Bに示したように、熱処理開始後、ジルコニウムフッ化物およびセシウムフッ化物は共に炉外に排出され始めるが、それらの分離率の立ち上がり方(分離率変化の傾き)は両者で大きく異なっており、ジルコニウムフッ化物の方がより短時間で「分離率=1」に到達することが分かる。この時のセシウムフッ化物は「分離率≒0.2」である。これは、炉外で回収するジルコニウムフッ化物には約17%のセシウムフッ化物が混入するが、炉内に残存するセシウムフッ化物にはジルコニウムフッ化物が混入していないことを意味する。なお、本工程を繰り返し行うことにより、ジルコニウム成分とセシウム成分との分離精度を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態においても、分離したい放射性核種のフッ化物を沸点まで加熱する必要がなく、各フッ化物の飽和蒸気圧の差を利用することにより、各フッ化物の沸点未満の温度でもそれぞれの放射性核種を揮発分離することが可能になる。
上述した実施形態は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。すなわち、本発明は、本明細書の実施形態の構成の一部について、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
100…放射性核種分離装置、10…廃液貯槽、20…廃液固化装置、21…廃液固化熱処理炉、22…廃液固化温度制御機構、23…廃液固化雰囲気制御機構、30…放射性核種フッ化装置、31…フッ化熱処理炉、32…フッ化温度制御機構、33…フッ化雰囲気制御機構、40…フッ化物揮発分離装置、41…フッ化物揮発熱処理炉、42…フッ化物揮発温度制御機構、43…キャリアガス制御機構、50…フッ化物固化装置、51…フッ化物固化熱処理炉、51’…固体フッ化物回収容器、52…フッ化物固化温度制御機構。

Claims (16)

  1. 分離対象の放射性核種を含む高レベル放射性廃液から該分離対象の放射性核種を分離する方法であって、
    前記高レベル放射性廃液の液相成分を蒸発させて高レベル放射性固体を生成する放射性廃液固化工程と、
    前記高レベル放射性固体にフッ素ガスを作用させて該高レベル放射性固体に含まれる前記分離対象の放射性核種をフッ化物に転換する放射性核種フッ化物転換工程と、
    前記分離対象の放射性核種フッ化物の飽和蒸気圧が、前記高レベル放射性固体中の該核種フッ化物の含有率から算出される分圧以上大気圧未満の蒸気圧となる温度に加熱して該核種フッ化物を揮発させて分離する放射性核種フッ化物揮発分離工程とを有することを特徴とする放射性核種の分離方法。
  2. 請求項1に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記分離対象の放射性核種フッ化物の揮発ガスを冷却して該核種フッ化物を固化する放射性核種フッ化物固化工程を更に有することを特徴とする放射性核種の分離方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、キャリアガスを流しながら行う500℃以上900℃以下の温度範囲の熱処理であることを特徴とする放射性核種の分離方法。
  4. 請求項3に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、前記温度範囲内で徐々に昇温する熱処理であることを特徴とする放射性核種の分離方法。
  5. 請求項3に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記放射性核種フッ化物揮発分離工程は、前記温度範囲内で前記キャリアガスの上流側の温度を高く、該キャリアガスの下流に向かって徐々に温度を低くする熱処理であることを特徴とする放射性核種の分離方法。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記分離対象の放射性核種は、スズ、ジルコニウムおよびセシウムの内の一つ以上であることを特徴とする放射性核種の分離方法。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記放射性核種フッ化物転換工程は、400℃未満の温度範囲の熱処理であることを特徴とする放射性核種の分離方法。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の放射性核種の分離方法において、
    前記放射性廃液固化工程は、400℃以上600℃以下の温度範囲の熱処理であることを特徴とする放射性核種の分離方法。
  9. 分離対象の放射性核種を含む高レベル放射性廃液から該分離対象の放射性核種を分離する分離装置であって、
    前記高レベル放射性廃液を収容する廃液貯槽と、
    前記高レベル放射性廃液の液相成分を蒸発させて高レベル放射性固体を生成する廃液固化装置と、
    前記高レベル放射性固体をフッ素ガスと作用させて該高レベル放射性固体に含まれる前記分離対象の放射性核種をフッ化物に転換する放射性核種フッ化装置と、
    キャリアガスを流しながら前記分離対象の放射性核種フッ化物を加熱して該核種フッ化物を揮発させて分離するフッ化物揮発分離装置とを有し、
    前記フッ化物揮発分離装置は、前記分離対象の放射性核種フッ化物の飽和蒸気圧が、前記高レベル放射性固体中の該核種フッ化物の含有率から算出される分圧以上大気圧未満の蒸気圧となる所定の温度範囲に制御するフッ化物揮発温度制御機構を有することを特徴とする放射性核種の分離装置。
  10. 請求項に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記分離対象の放射性核種フッ化物の揮発ガスを冷却して該核種フッ化物を固化するフッ化物固化装置を更に有することを特徴とする放射性核種の分離装置。
  11. 請求項又は請求項10に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記フッ化物揮発温度制御機構は、500℃以上900℃以下の温度範囲に制御する機構であることを特徴とする放射性核種の分離装置。
  12. 請求項11に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記フッ化物揮発温度制御機構は、前記温度範囲で徐々に昇温するように制御する機構であることを特徴とする放射性核種の分離装置。
  13. 請求項11に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記フッ化物揮発分離装置は、前記キャリアガスの上流側の温度を高く、該キャリアガスの下流に向かって徐々に温度が低くなる温度プロファイルを構築できる機構を有することを特徴とする放射性核種の分離装置。
  14. 請求項乃至請求項13のいずれか一項に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記分離対象の放射性核種は、スズ、ジルコニウムおよびセシウムの内の一つ以上であることを特徴とする放射性核種の分離装置。
  15. 請求項乃至請求項14のいずれか一項に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記放射性核種フッ化装置は、400℃未満の温度範囲に制御するフッ化温度制御機構を有することを特徴とする放射性核種の分離装置。
  16. 請求項乃至請求項15のいずれか一項に記載の放射性核種の分離装置において、
    前記廃液固化装置は、400℃以上600℃以下の温度範囲に制御する廃液固化温度制御機構を有することを特徴とする放射性核種の分離装置。
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