JP5409460B2 - 画像形成装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、発光光源から発光されたレーザ光を、複数の反射面を有し、回転駆動される回転多面鏡によって感光ドラムに走査する画像形成装置及びその制御方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置に搭載される光学走査装置は、入力された画像データに応じてレーザ光源を駆動して出射されるレーザ光をモータにより駆動する回転多面鏡等の偏向部材で反射・偏向させて感光体上の主走査方向(感光体の軸方向)に静電潜像を形成する。
回転多面鏡は、反射面の面精度がばらついていると、反射面毎にレーザ光の副走査方向の走査位置が変動してしまう。その結果として、目に付きやすい周期的な副走査方向の濃度ムラが生じる。この副走査方向の走査位置の変動は、回転多面鏡の面倒れの影響が最も大きく、回転多面鏡の面精度を高めることが直接的な解決策であるが、製造コストの観点から限界があった。
ここで、面倒れは回転多面鏡の特定の面で発生し、通常は変化しないため、回転多面鏡3のどの面を実際に反射面として使用して走査しているかを特定できれば、電気的な面倒れ補正が可能となる。
そこで、従来より、この濃度ムラを電気的に補正するために種々の手法が提案されている。例えば、図13のように、回転多面鏡3の上面に識別可能なマーキング5を施し、そのマーキングを専用の光源6aによって照射し、その反射光を専用の検知センサ6bによって検出することによりミラー位置を特定(インデックスマーク検知)するものがある。
また、面倒れ量に応じて、反射ミラーの角度や、回転多面鏡の偏向角度を変化させることにより、直接、レーザ光の照射位置を制御する手法や、面倒れ量に応じて、走査線毎に光量を変化させることにより、濃度ムラを補正する手法等がある(特許文献1及び2参照)。
また、感光体の走査開始側又は走査終了側に設置された同期検知センサから出力されるBD(Beam Detect)信号と、回転多面鏡3の回転角度に応じた信号であるFG(Frequency Generator)信号との時間間隔をカウントし、予め記憶した各反射面に関連付けられたカウント値と比較することにより、回転多面鏡の反射面を検知する手法がある(特許文献3参照)。
しかしながら、上記従来技術では、実際に使用している回転多面鏡の反射面を検知するために、回転多面鏡にマーキングを追加工する必要があり、また、専用の光源・検知センサを設ける必要がある。
また、BD信号とFG信号の時間間隔を計測する手法では、回転多面鏡の面数とFG信号を発生するホール素子の個数や位置関係によっては面検知することができない。例えば、4つの反射面を有する回転多面鏡(4つのBDセンサと2つのFGセンサ等)の場合には、図14のように面検知ができない場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、回転多面鏡の面倒れに起因するレーザ光の副走査方向へのズレを簡易な構成でより正確に補正することにより、高品質の画像を形成可能である画像形成装置及びその制御方法を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、発光光源から発光されたレーザ光を、複数の反射面を有し、回転駆動される回転多面鏡によって感光ドラムに走査する画像形成装置であって、前記回転多面鏡によって走査されたレーザ光の前記感光ドラム上における照射基準位置からの副走査方向の正方向及び負方向へのズレ量を検出し、該検出したズレ量に応じた電圧値を出力する検出手段と、前記検出手段から出力された電圧値の大きさに基づいて、該電圧値の順位を決定する順位決定手段と、前記回転多面鏡の回転軸からの各反射面の傾倒角度に基づく順位と、前記電圧値を補正するための補正値とを予め関連付けて記憶する記憶手段と、前記順位決定手段が決定した順位に従って、前記記憶手段に記憶された補正値の中から対応する順位の補正値を選択し、該選択した補正値に基づいて、前記レーザ光を発光する発光光源の電圧値を補正する補正手段と、を備える。
本発明によれば、回転多面鏡の面倒れに起因するレーザ光の副走査方向へのズレを簡易な構成でより正確に補正することにより、高品質の画像を形成可能である画像形成装置及びその制御方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲を限定するものでなく、また、実施形態で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<実施例1>
[画像形成装置の構成及び画像形成処理の全体的な処理手順(図1)]
画像形成装置は、2つのカセット給紙部1、2と、1つの手差し給紙部3とを備え、各給紙部1、2、3から選択的に転写紙Sが給紙される。転写紙Sは、各給紙部1、2、3のカセット4、5又はトレイ6上に積載されており、ピックアップローラ7によって最上面のものから順に繰り出される。そして、ピックアップローラ7によって繰り出された転写紙Sは、フィードローラ8A(搬送手段)と、リタードローラ8B(分離手段)とを有する分離ローラ対8によって最上面の転写紙のみ分離され、回転停止しているレジストローラ対12へ送られる。
[画像形成装置の構成及び画像形成処理の全体的な処理手順(図1)]
画像形成装置は、2つのカセット給紙部1、2と、1つの手差し給紙部3とを備え、各給紙部1、2、3から選択的に転写紙Sが給紙される。転写紙Sは、各給紙部1、2、3のカセット4、5又はトレイ6上に積載されており、ピックアップローラ7によって最上面のものから順に繰り出される。そして、ピックアップローラ7によって繰り出された転写紙Sは、フィードローラ8A(搬送手段)と、リタードローラ8B(分離手段)とを有する分離ローラ対8によって最上面の転写紙のみ分離され、回転停止しているレジストローラ対12へ送られる。
この場合、レジストローラ対12までの距離が長いカセット4、5から給送された転写紙Sは、複数の搬送ローラ対9、10、11に中継されてレジストローラ対12へ送られる。
レジストローラ対12へ送られた転写紙Sは、転写紙先端がレジストローラ対12のニップに突き当たって所定のループを形成すると、一旦移動が停止される。このループの形成により転写紙Sの斜行状態が矯正される。
レジストローラ対12の下流には、中間転写体である長尺の中間転写ベルト(無端ベルト)13が、駆動ローラ13a、二次転写対向ローラ13b及びテンションローラ13cに張設され、断面視で略三角形状に設定されている。この中間転写ベルト13は、図1では時計回りに回転する。中間転写ベルト13の水平部上面には、異なる色のカラートナー像を形成、担持する複数の感光ドラム14、15、16、17が中間転写ベルト13の回転方向に沿って配置される。
なお、中間転写ベルト回転方向において最上流の感光ドラム14はマゼンタ色のトナー像を担持し、次の感光ドラム15はシアン色のトナー像を担持し、次の感光ドラム16はイエロー色のトナー像を担持し、最下流の感光ドラム17はブラック色のトナー像を担持する。
まず、最上流の感光ドラム14上にマゼンタ成分の画像に基づくレーザ光LMの露光が開始され、感光ドラム14上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器23から供給されるマゼンタ色のトナーによって可視化される。
次に、感光ドラム15上にシアン成分の画像に基づくレーザ光LCの露光が開始され、感光ドラム16上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器24から供給されるシアン色のトナーによって可視化される。
次に、感光ドラム15上にレーザ光LCの露光開始から所定時間経過後、感光ドラム16上にイエロー成分の画像に基づくレーザ光LYの露光が開始され、感光ドラム16上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器25から供給されるイエロー色のトナーによって可視化される。
次に、感光ドラム16上へのレーザ光LYの露光開始から所定時間経過後、感光ドラム17上にブラック成分の画像に基づくレーザ光LBの露光が開始され、感光ドラム17上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像器26から供給されるブラック色のトナーによって可視化される。
なお、各感光ドラム14〜17の周りには、各感光ドラム14〜17を均一に帯電させるための一次帯電器27、28、29、30や、トナー像転写後の感光ドラム14〜17上に付着しているトナーを除去するためのクリーナ31、32、33、34等が設置されている。
中間転写ベルト13が時計回りに回転する過程で、感光ドラム14と転写帯電器90との間の転写部、感光ドラム15と転写帯電器91との間の転写部、感光ドラム16と転写帯電器92との間の転写部、感光ドラム17と転写帯電器93との間の転写部を順次通過することにより、中間転写ベルト13上にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のトナー像が重ねて転写される。
一方、レジストローラ対12へ送られて斜行状態が矯正された転写紙Sは、中間転写ベルト13上のトナー像と転写紙先端との位置を合わせるタイミングをとって回転を開始するレジストローラ対12によって、中間転写ベルト13上の2次転写ローラ40と2次転写対向ローラ13bとの当接部である2次転写部T2に送られ、シート面上にトナー像が転写される。
2次転写部T2を通過した転写紙Sは中間転写ベルト13によって定着部35へ送られる。そして、転写紙Sが定着部35内の定着ローラ35Aと加圧ローラ35Bとによって形成されるニップ部を通過する過程で、定着ローラ35Aにより加熱され、加圧ローラ35Bにより加圧されて転写トナー像がシート面に定着される。定着部35を通過した定着処理済み転写紙Sは搬送ローラ対36によって排出ローラ対37へ送られ、さらに機外の排出トレイ38上へ排出される。
本実施例に係る画像形成装置は、両面モードの画像形成が可能に構成される。以下、両面モード時の転写紙Sの流れに沿って本実施例に係る画像形成装置の構成を詳細に説明する。
両面モードが指定されている場合、定着部35の定着ローラ対を通過した定着処理済み転写紙Sは、縦パス58を通って反転パス59へ送られる。この場合、フラッパ60は縦パス58を開いており、定着処理済み転写紙Sは、搬送ローラ対36、61、62及び逆転ローラ対63によって搬送される。
逆転ローラ対63によって矢印a方向に搬送されている定着処理済み転写紙Sの後端がポイントPを通過した時点で逆転ローラ対63が逆転して、定着処理済み転写紙Sは後端側を先頭にして矢印b方向に搬送される。この動作で、定着処理済み転写紙Sのトナー像転写面は上側になる。
なお、ポイントPには、縦パス58から反転パス59への転写紙Sの進入を可能とし、反転パス59から縦パス58への転写紙Sの侵入を不可能とする可撓性転写紙付きフラッパ64と、転写紙後端が同ポイントPを通過したことを検知する検知レバー65が設けられている。
逆転ローラ対63の逆転によって矢印b方向に搬送された定着済みシートSは、再給紙パス67内に送られ、複数の再給紙パス内搬送ローラ対68と搬送ローラ対11で中継され、再び画像形成のためにレジストローラ対12に送られる。定着処理済み転写紙Sは、レジストローラ対12で斜行状態を補正された後、中間転写ベルト13に送られる。そして、主走査方向・副走査方向の倍率補正が行われた画像メモリ(不図示)に蓄えられた画像データに基づいて2回目の画像形成が行われ、以後、片面画像形成と同一のプロセスを経て機外に排出される。
[露光部の構成(図2)]
ここでは、図1で示す画像形成装置において、各色YMCK毎に設けられた4つの露光部のうちの1つを例として挙げて説明する。露光部101は、複数の光源(本実施例では、2ビームとする)を含むレーザ光源103(発光光源)から出射した発散光束はコリメータレンズ107によって略平行光束とされ、絞り105によって該光束を制限して副走査方向のみに所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ110に入射する。シリンドリカルレンズ110に入射した略平行光束のうち主走査断面内においては、そのまま略平行光束の状態で射出する。また、副走査断面内においては集束してポリゴンミラー111(回転多面鏡)の偏向面で偏向反射された光束を、fθ特性を有する結像光学系レンズ(fθレンズ)112により折り返しミラー116を介して被走査面としての感光ドラム117上に結像させ、該ポリゴンミラー111を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム117上を矢印B方向(主走査方向)に光走査して画像情報の記録を行う。
ここでは、図1で示す画像形成装置において、各色YMCK毎に設けられた4つの露光部のうちの1つを例として挙げて説明する。露光部101は、複数の光源(本実施例では、2ビームとする)を含むレーザ光源103(発光光源)から出射した発散光束はコリメータレンズ107によって略平行光束とされ、絞り105によって該光束を制限して副走査方向のみに所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ110に入射する。シリンドリカルレンズ110に入射した略平行光束のうち主走査断面内においては、そのまま略平行光束の状態で射出する。また、副走査断面内においては集束してポリゴンミラー111(回転多面鏡)の偏向面で偏向反射された光束を、fθ特性を有する結像光学系レンズ(fθレンズ)112により折り返しミラー116を介して被走査面としての感光ドラム117上に結像させ、該ポリゴンミラー111を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム117上を矢印B方向(主走査方向)に光走査して画像情報の記録を行う。
102は、レーザドライバ回路を示す。面検出センサ114は、感光ドラム117の主走査方向への走査開始位置に設けられる。増幅器118は、面検出センサ114の出力を増幅する。ピークホールド回路119は、増幅器118の出力をホールドする。A/Dコンバータ120は、ピークホールド回路119のアナログ電圧出力をデジタル値に変換する。順位決定部121は、A/Dコンバータ120の出力値の大きさに基づいて、出力値の順位を決定する。補正値記憶部122は、面倒れ補正値を記憶しており、面倒れ補正回路123に面倒れ補正値を供給する。面倒れ補正回路123は、供給された面倒れ補正値に基づいて、面倒れ補正信号を出力する。レーザ駆動回路124は、不図示の画像コントローラから入力される画像データに基づいて、レーザ光源103を発光させる。また、面倒れ補正回路123の補正値に応じて、レーザ光源103への供給電圧を制御することにより、レーザ光源103の発光光量を増減させる。また、これらをCPU125と不図示のROM/RAMで制御する。
[ポリゴンミラーの構成(図3)]
ポリゴンミラー111は、モータ130の出力軸に取り付けられてモータ130により回転駆動される。また、ポリゴンミラー111は、発光光源から発光されたレーザ光を反射するための複数の反射面を有する。
ポリゴンミラー111は、モータ130の出力軸に取り付けられてモータ130により回転駆動される。また、ポリゴンミラー111は、発光光源から発光されたレーザ光を反射するための複数の反射面を有する。
複数の反射面は、反射面1と、反射面1と隣り合い、反射面1の次のタイミングで感光ドラム117に走査を行う反射面2と、反射面2と隣り合い、反射面2の次のタイミングで感光ドラム117に走査を行う反射面3と、反射面3に隣り合い、反射面3の次のタイミングで感光ドラム117に走査を行う反射面4とを含む。反射面1は、反射面4と隣り合い、反射面4の次のタイミングで感光ドラム117に走査を行う。反射面1〜4のうち、隣り合ういずれか2つの反射面が、第1の反射面及び第2の反射面として機能する。
ポリゴンミラー111は、製造精度の限界によりミラー面が軸に対して完全に平行とならず、いわゆる面倒れが生じる。また、その倒れ量は面ごとに異なることが多い。
例えば、ポリゴンミラー111の面倒れプロファイルが、図4で示す状態にあるとする。すなわち、面1は面倒れ量が0である(つまり、この面が基準面となる)。面倒れ量とは、ポリゴンミラー111の回転軸からの各反射面の傾倒角度をいう。面2は副走査方向の負方向に角度aだけずれている。面3は副走査方向の正方向に角度bだけずれている。面4は副走査方向の正方向に角度cだけずれている。
この面倒れプロファイルの状態におけるポリゴンミラーの各反射面の傾倒角度と感光ドラム117の外周面上の走査位置を図5に示している。面1は面倒れ量が0であるため、感光ドラム上の理想位置を走査する。面2の面倒れ量は−aであるため、感光ドラム上の理想位置からaだけずれた位置を走査する。面3、面4も同様な理由で理想位置からの走査位置のずれを生じる。
このような特性のポリゴンミラー111で感光ドラム117にレーザ光源103でビームを照射する場合、図6のような状況になる。すなわち、面1では理想位置に照射し、面2では副走査方向の負方向に、面3及び4では副走査方向の正方向にそれぞれずれた位置に照射する。
更に、転写紙に記録した場合を図7を用いて説明する。ポリゴンミラー111に面倒れがない場合、図7の7aのように、各面によって形成されたラインは等間隔に揃う。しかし、図4で示したように面倒れプロファイルが理想位置からずれてしまうと、各面によって形成されるラインは図7の7bのように、面ごとの隣り合うラインは粗密を生じる。この結果、ライン間が密となる部分(ライン同士の間隔が狭い部分)では濃くなり、ライン間が粗となる部分(ライン同士の間隔が広い部分)では薄くなる。このような濃度変動がポリゴンミラー111の面倒れによる弊害である。
[面検出センサ114の構成及び検出動作(図8)]
面検出センサ114は、ポリゴンミラー111によって走査されたレーザ光の感光ドラム117における照射基準位置からの副走査方向の正方向及び負方向へのズレ量を検出し、該検出したズレ量に応じた電圧値を出力する。つまり、面検出センサ114は、検出した副走査方向の正方向又は負方向のいずれか一方へのズレ量が大きいほど、大きい電圧値を出力し、他方へのズレ量が大きいほど、小さい電圧値を出力する。例えば、図4のような面倒れプロファイルを持つポリゴンミラー111で光走査する場合、面1〜面4のそれぞれで面検出センサ114の検出位置が変化し、この検出位置に応じて出力電圧が図8下段のグラフに示すように変化する。ここでは、面検出センサ114は、副走査方向の正方向へのズレ量が大きいほど、大きい電圧値を出力し、副走査方向の負方向へのズレ量が大きいほど、小さい電圧値を出力するものとしている。
面検出センサ114は、ポリゴンミラー111によって走査されたレーザ光の感光ドラム117における照射基準位置からの副走査方向の正方向及び負方向へのズレ量を検出し、該検出したズレ量に応じた電圧値を出力する。つまり、面検出センサ114は、検出した副走査方向の正方向又は負方向のいずれか一方へのズレ量が大きいほど、大きい電圧値を出力し、他方へのズレ量が大きいほど、小さい電圧値を出力する。例えば、図4のような面倒れプロファイルを持つポリゴンミラー111で光走査する場合、面1〜面4のそれぞれで面検出センサ114の検出位置が変化し、この検出位置に応じて出力電圧が図8下段のグラフに示すように変化する。ここでは、面検出センサ114は、副走査方向の正方向へのズレ量が大きいほど、大きい電圧値を出力し、副走査方向の負方向へのズレ量が大きいほど、小さい電圧値を出力するものとしている。
そして、面検出センサ114からの出力電圧が、増幅器118に入力され、所定ゲインで増幅される。次に、ピークホールド回路119に入力され、面ごとに出力電圧がホールドされる。例えば、図4のような面倒れプロファイルを持つポリゴンミラー111で光走査する場合におけるピークホールド回路119の出力電圧の推移を図9に示す。
ホールドされた電圧は、A/Dコンバータ120に入力され、デジタル値に変換されて順位決定部121に出力される。順位決定部121は、ポリゴンミラー111の出力電圧値の順位付けを行う。ポリゴンミラー111が1回転以上すると、電圧値V1〜V4がサンプルされて図10の10aに示すように電圧順位が確定する。この順位に基づいて、順位決定部121は、補正値記憶部122に対して、面倒れ順位信号を出力する。本実施例のような4面のポリゴンミラーの場合は2ビットのデジタル信号でよい。以上のような方法でポリゴンミラー111の反射面の検出が可能となる。
補正値記憶部122は、上記の通り、製造工程(例えば、組立工程等)でポリゴンミラーの各反射面の面倒れ量を測定することによって得られた面倒れ順位と、電圧値を補正するための補正値とを予め関連付けて記憶している(図10の10b)。
CPU125は、順位決定部121からの電圧順位信号に従って、補正値記憶部122に記憶された補正値の中から対応する面倒れ順位の補正値を選択して、各反射面に応じた補正値を面倒れ補正回路123に対して出力させる。補正値記憶部122は、隣り合う反射面の傾倒角度の差が大きいほど、大きい補正値を記憶している。面倒れ補正回路123は、面倒れ補正値に応じて補正信号を生成し、レーザ駆動回路124に対して生成した補正信号を出力する。レーザ駆動回路124は、不図示の画像コントローラから入力される画像データに応じて、レーザ光源103を駆動する。この際、レーザ駆動回路124は、面倒れ補正回路123からの補正信号に応じて副走査方向の先頭側のレーザ光源103の光量を増減する。
例えば、面倒れに起因する濃度補正を実行すると、図7の7cで示すような結果が得られる。濃度補正信号に基づいて、面2の走査時の副走査方向の先頭側のレーザ光源103の光量を−2%、面3の走査時の副走査方向の先頭側のレーザ光源103の光量を+4%、面4の走査時の副走査方向の先頭側のレーザ光源103の光量を+1%、面1の走査時の副走査方向の先頭側のレーザ光源103の光量を−2%それぞれ調整する。このように、面倒れによって走査線間が理想距離から離れた場合には光量を増大し、近づいた場合には光量を減少することで、平均的には理想の濃度となる。
なお、面倒れ補正回路123は、上記例では、第1の反射面に隣り合う第2の反射面で走査される副走査方向の先頭の走査線を走査する際に、選択した補正値に基づいて、レーザ光源103の電圧値を補正するものとしたが、第1の反射面で走査される副走査方向の末尾の走査線を走査する際に、選択した補正値に基づいて、レーザ光源103の電圧値を補正するものとしてもよい。
以上述べた通り、本実施例1によれば、ポリゴンミラー111の面倒れに起因する画像形成時の濃度変動を抑制することが可能となる。
<実施例2>
本実施例2は、実施例1に対して、増幅器118が差動増幅器119である点、差動増幅器119の増幅率を決定するリファレンス電圧を供給するD/Aコンバータ125及びその制御値(基準電圧値)を補正値記憶部122が供給する点が異なる。以下、この相違点について説明する。
本実施例2は、実施例1に対して、増幅器118が差動増幅器119である点、差動増幅器119の増幅率を決定するリファレンス電圧を供給するD/Aコンバータ125及びその制御値(基準電圧値)を補正値記憶部122が供給する点が異なる。以下、この相違点について説明する。
[露光部101の構成(図11)]
ポリゴンミラー111の面倒れ量が比較的小さく、面検出センサ114による検出電圧が小さいとき、A/Dコンバータ120の分解能の限界により、順位の決定が十分にできず、面検知が誤動作する可能性がある。増幅器118の増幅率を高く設定しておけばよいが、面倒れ量によっては増幅過多となるため、A/Dコンバータ120の検出ができなくなる。このため、増幅器118を面検出センサ114から出力された電圧値と、補正値記憶部122に予め記憶された基準電圧値との差分を増幅する差動増幅器119とし、面倒れ量に応じた最適な増幅率を設定する。
ポリゴンミラー111の面倒れ量が比較的小さく、面検出センサ114による検出電圧が小さいとき、A/Dコンバータ120の分解能の限界により、順位の決定が十分にできず、面検知が誤動作する可能性がある。増幅器118の増幅率を高く設定しておけばよいが、面倒れ量によっては増幅過多となるため、A/Dコンバータ120の検出ができなくなる。このため、増幅器118を面検出センサ114から出力された電圧値と、補正値記憶部122に予め記憶された基準電圧値との差分を増幅する差動増幅器119とし、面倒れ量に応じた最適な増幅率を設定する。
補正値記憶部122は、図10の10cのように差動増幅器119の増幅率を予め記憶している。この増幅率は、製造工程(例えば、組立工程等)で面倒れ量を測定し、測定した面倒れ量に応じて決定される。順位決定部121は、差動増幅器119により増幅された差分に基づいて、各反射面の電圧値の順位を決定する。
なお、面検出センサ114は、ポリゴンミラーの反射面の検出だけでなく、主走査方向への走査開始タイミングをも検出可能(BD:Beam Detect)である。
以上述べた通り、本実施例2によれば、ポリゴンミラー111の面倒れに起因する画像形成時の濃度変動を高精度に抑制することが可能となる。
<他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (8)
- 発光光源から発光されたレーザ光を、複数の反射面を有し、回転駆動される回転多面鏡によって感光ドラムに走査する画像形成装置であって、
前記回転多面鏡によって走査されたレーザ光の前記感光ドラム上における照射基準位置からの副走査方向の正方向及び負方向へのズレ量を検出し、該検出したズレ量に応じた電圧値を出力する検出手段と、
前記検出手段から出力された電圧値の大きさに基づいて、該電圧値の順位を決定する順位決定手段と、
前記回転多面鏡の回転軸からの各反射面の傾倒角度に基づく順位と、前記電圧値を補正するための補正値とを予め関連付けて記憶する記憶手段と、
前記順位決定手段が決定した順位に従って、前記記憶手段に記憶された補正値の中から対応する順位の補正値を選択し、該選択した補正値に基づいて、前記レーザ光を発光する発光光源の電圧値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段から出力された電圧値と、前記記憶手段に予め記憶された基準電圧値との差分を増幅する差動増幅手段を更に備え、
前記順位決定手段は、前記差動増幅手段により増幅された差分に基づいて、各反射面の電圧値の順位を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記検出手段は、検出した副走査方向の正方向又は負方向のいずれか一方へのズレ量が大きいほど、大きい電圧値を出力し、他方へのズレ量が大きいほど、小さい電圧値を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記複数の反射面は、
第1の反射面と、
前記第1の反射面と隣り合い、前記第1の反射面の次のタイミングで前記感光ドラムに走査を行う第2の反射面と、を有し、
前記記憶手段は、前記第1の反射面と前記第2の反射面の傾倒角度の差が大きいほど、大きい補正値を記憶していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、前記第1の反射面で走査される末尾の走査線、前記第2の反射面で走査される先頭の走査線のいずれかを走査する際に、前記選択した補正値に基づいて、前記発光光源の電圧値を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記感光ドラムの主走査方向への走査開始位置に設けられ、主走査方向への走査開始タイミングを検出可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 発光光源から発光されたレーザ光を、複数の反射面を有し、回転駆動される回転多面鏡によって感光ドラムに走査する画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、
前記回転多面鏡の回転軸からの各反射面の傾倒角度に基づく順位と、電圧値を補正するための補正値とを予め関連付けて記憶する記憶手段を備え、
前記制御方法は、
前記画像形成装置が備える検出手段が、前記回転多面鏡によって走査されたレーザ光の前記感光ドラム上における照射基準位置からの副走査方向の正方向及び負方向へのズレ量を検出し、該検出したズレ量に応じた電圧値を出力する検出工程と、
前記画像形成装置が備える順位決定手段が、前記検出工程で出力された電圧値の大きさに基づいて、該電圧値の順位を決定する順位決定工程と、
前記画像形成装置が備える補正手段が、前記順位決定工程で決定した順位に従って、前記記憶手段に記憶された補正値の中から対応する順位の補正値を選択し、該選択した補正値に基づいて、前記レーザ光を発光する発光光源の電圧値を補正する補正工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。 - 請求項7に記載の画像形成装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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