JP5408774B2 - 感温性粘着剤および感温性粘着テープ - Google Patents

感温性粘着剤および感温性粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、所定温度で粘着力を発現する感温性粘着剤および感温性粘着テープに関する。
従来から、粘着力を熱により可逆的に制御できる感温性粘着テープがある(例えば、特許文献1参照)。該感温性粘着テープは、粘着剤層に感温性粘着剤を含有し、該感温性粘着剤の融点以上の温度にまで加熱処理をすると、前記感温性粘着剤が流動性を示すことによって粘着力が発現する。
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の感温性粘着剤には、該感温性粘着剤の融点を境に雰囲気温度の異なる2つの工程において、使用することができないという問題がある。例えば60〜80℃程度の雰囲気温度で部品を固定して加工する工程では、通常、55℃程度の融点を有する感温性粘着剤が使用される。これは、加工工程の雰囲気温度と、感温性粘着剤の融点との温度差があまり大きいと、感温性粘着剤の凝集力が著しく低下し、粘着力が低下する傾向にあるためである。
ところが、加工した部品は、前記融点未満の温度で搬送することが多い。そのため、この搬送工程では、前記感温性粘着剤の粘着力が低下しており、部品を固定して搬送することができない。
特開平9−251923号公報
本発明の課題は、感温性粘着剤の融点を境に雰囲気温度の異なる少なくとも2つの工程において使用可能な感温性粘着剤および感温性粘着テープを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す感温性粘着剤であって、下記側鎖結晶性ポリマー(A)と側鎖結晶性ポリマー(B)とのポリマーブレンドからなることを特徴とする感温性粘着剤。
側鎖結晶性ポリマー(A):炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート40〜100重量部と、この(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー0〜60重量部との重合体である。
側鎖結晶性ポリマー(B):炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する前記(メタ)アクリレートのうち、側鎖結晶性ポリマー(A)に用いた前記(メタ)アクリレートと炭素数が4つ以上異なる直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート40〜100重量部と、この(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー0〜60重量部との重合体である。
(2)炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートと共重合可能な前記モノマーが、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーから選ばれる少なくとも1種である前記(1)記載の感温性粘着剤。
(3)前記側鎖結晶性ポリマー(A)の融点と、前記側鎖結晶性ポリマー(B)の融点との差が、絶対値で10〜50℃である前記(1)または(2)記載の感温性粘着剤。
(4)前記ポリマーブレンドに架橋剤を加え架橋反応してなる前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含有する粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたことを特徴とする感温性粘着テープ。
本発明によれば、感温性粘着剤が特定の組成からなる側鎖結晶性ポリマー(A),(B)のポリマーブレンドからなるので、側鎖結晶性ポリマー(A),(B)にそれぞれ所望の融点を1つ付与することができる。したがって、感温性粘着剤自体は融点を2つ有するようになり、従来のように一融点を境に雰囲気温度の異なる2つの工程において使用できないという問題がなく、雰囲気温度の異なる複数の工程において使用することができる。
本発明の感温性粘着剤は、融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で相転移して流動性を示すものである。すなわち、前記感温性粘着剤は、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こすものである。これにより、前記感温性粘着剤を融点以上の温度に加熱すれば、該感温性粘着剤が流動性を示すことによって粘着力が発現する。また、前記感温性粘着剤を融点未満の温度に冷却すれば、該感温性粘着剤が結晶化することによって粘着力が低下する。
前記融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態となる温度を意味し、示差熱走査熱量計(DSC)により10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。
本発明の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマー(A)と、側鎖結晶性ポリマー(B)とのポリマーブレンドからなる。前記側鎖結晶性ポリマー(A),(B)は、それぞれ融点を1つ有するので、感温性粘着剤自体は融点を2つ有する。
具体的に説明すると、前記側鎖結晶性ポリマー(A)は、炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「第1(メタ)アクリレート」と言う。)40〜100重量部と、この第1(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー0〜60重量部との重合体からなる。
前記第1(メタ)アクリレートとしては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数14〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
第1(メタ)アクリレートと共重合可能な前記モノマーは、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「第2(メタ)アクリレート」と言う。)および極性モノマーから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記第2(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。前記極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
前記側鎖結晶性ポリマー(A)の好ましい組成としては、第1(メタ)アクリレート40〜60重量部と、第2(メタ)アクリレート30〜60重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる共重合体である。
重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。例えば溶液重合法を採用する場合には、前記で例示したモノマーを溶剤に混合し、40〜90℃程度で2〜6時間程度攪拌することによって前記モノマーを重合させることができる。
一方、前記側鎖結晶性ポリマー(B)は、前記第1(メタ)アクリレートのうち、側鎖結晶性ポリマー(A)に用いた第1(メタ)アクリレートと炭素数が4つ以上、好ましくは4〜8つ異なる直鎖状アルキル基を有する第1(メタ)アクリレート40〜100重量部と、この第1(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー0〜60重量部との重合体からなる。
2種以上の第1(メタ)アクリレートを混合して用いる場合における前記炭素数は、以下のものを基準とする。すなわち、前記側鎖結晶性ポリマー(A),(B)のうち、一方の第1(メタ)アクリレートの前記炭素数と、他方の第1(メタ)アクリレートの前記炭素数との差が、最も大きくなるような第1(メタ)アクリレートの前記炭素数を基準とする。具体例を挙げると、後述する合成例1,2における第1(メタ)アクリレートは、それぞれ以下のものを用いている。
合成例1:ステアリルアクリレート(直鎖状アルキル基の炭素数:18)およびセチルアクリレート(直鎖状アルキル基の炭素数:16)
合成例2:ベヘニルアクリレート(直鎖状アルキル基の炭素数:22)
この場合、合成例1において基準とする第1(メタ)アクリレートは、ステアリルアクリレートおよびセチルアクリレートのうち、合成例2のベヘニルアクリレートの前記炭素数との差が最も大きくなるセチルアクリレートである。
第1(メタ)アクリレートと共重合可能な前記モノマーとしては、前記側鎖結晶性ポリマー(A)で例示したのと同じモノマー、すなわち前記第2(メタ)アクリレートおよび極性モノマーが挙げられる。前記側鎖結晶性ポリマー(B)の好ましい組成としては、第1(メタ)アクリレートの前記炭素数が4つ以上異なる以外は、前記側鎖結晶性ポリマー(A)で例示したのと同じ組成が挙げられる。重合方法としては、前記側鎖結晶性ポリマー(A)で例示したのと同じ重合方法が挙げられる。
ここで、前記側鎖結晶性ポリマー(A),(B)の組成において、前記第1(メタ)アクリレートは、融点に及ぼす影響が大きい。この第1(メタ)アクリレートのうち、直鎖状アルキル基の炭素数が大きいもの配合するほど、得られる重合体の融点は高くなる傾向にある。前記側鎖結晶性ポリマー(A),(B)は、この第1(メタ)アクリレートをそれぞれ40〜100重量部の割合で重合してなり、かつ側鎖結晶性ポリマー(A)に用いた第1(メタ)アクリレートと炭素数が4つ以上異なる直鎖状アルキル基を有する第1(メタ)アクリレートを側鎖結晶性ポリマー(B)に用いる。これにより、側鎖結晶性ポリマー(A),(B)は、それぞれ所定の融点を1つ有するようになると共に、側鎖結晶性ポリマー(A)の融点と、側鎖結晶性ポリマー(B)の融点との温度差が、適度なものになる。
具体的には、前記側鎖結晶性ポリマー(A),(B)のうち、一方の融点は15〜35℃、他方の融点は45〜65℃が好ましい。前記融点を所定の値とするには、第1(メタ)アクリレートの組成、割合等を変えることによって任意に行うことができる。また、前記側鎖結晶性ポリマー(A)の融点と、前記側鎖結晶性ポリマー(B)の融点との温度差は、絶対値で10〜50℃になる傾向があり、これにより雰囲気温度の異なる複数の工程においても、使用することができる。
これに対し、側鎖結晶性ポリマー(A),(B)の組成において、前記第1(メタ)アクリレートの割合が40重量部未満であると、得られる重合体に融点が存在しないおそれがある。また、側鎖結晶性ポリマー(A),(B)において、第1(メタ)アクリレートの前記炭素数の差が4未満であると、側鎖結晶性ポリマー(A)の融点と、側鎖結晶性ポリマー(B)の融点との温度差が小さくなる傾向にある。そのため、感温性粘着剤の融点が1つになるおそれがある。また、感温性粘着剤が融点を2つ有する場合であっても、2つの融点間の温度差が小さく、側鎖結晶性ポリマー(A),(B)のうち、一方の粘着力を低下させた際には、他方の粘着力も低下してしまい、雰囲気温度の異なる複数の工程に使用できなくなる。
一方、前記側鎖結晶性ポリマー(A),(B)の各々の重量平均分子量は200,000〜800,000であるのがよい。前記重量平均分子量があまり小さいと、感温性粘着剤を部品から取外す際には、粘着剤の凝集力が低下し、該感温性粘着剤が部品上に残る、いわゆる糊残りが多くなるおそれがある。また、前記重量平均分子量があまり大きいと、感温性粘着剤が融点以上の温度に加温されても流動性を示し難くなるので、粘着力が発現し難くなる。前記重量平均分子量は、各側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
また、前記ポリマーブレンドは、側鎖結晶性ポリマー(A),(B)のうち、融点の低い一方の側鎖結晶性ポリマーと、融点の高い他方の側鎖結晶性ポリマーとを、重量比で25:75〜75:25、好ましくは50:50〜75:25の割合でブンレドしてなるのがよい。これにより、融点の高い他方の粘着力を低下させた際には、融点の低い一方の粘着力によって粘着力を維持することができる。
本発明の感温性粘着剤は、前記ポリマーブレンドに架橋剤を加え架橋反応してなるのが好ましい。これにより、感温性粘着剤の耐熱性を向上することができる。前記架橋剤としては、例えばイソシアネート化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。前記架橋剤の添加量としては、ポリマーブレンドの総量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%であるのがよい。前記架橋反応は、通常、前記ポリマーブレンドを40〜160℃程度に加熱して行う。
本発明の感温性粘着剤の使用形態としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合反応後の重合体溶液を被着体に直接塗布して乾燥するようにしてもよく、あるいはフィルム状ないしシート状の形態で用いることもできる。フィルム状ないしシート状の使用形態である粘着テープを例に挙げて説明すると、該粘着テープ(感温性粘着テープ)は、基材フィルムの片面または両面に本発明の感温性粘着剤を含有する粘着剤層を設けてなる。
前記基材フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムが挙げられる。また、該フィルムは、単層体またはこれらの複層体からなるものであってもよく、厚さは、通常、25〜250μm程度である。基材フィルムの表面には、粘着剤層に対する密着性を向上させるため、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施してもよい。
基材フィルムの片面または両面に粘着剤層を設けるには、例えば基材フィルムの片面または両面に、溶液重合反応後の重合体溶液を塗布し、乾燥させればよい。前記重合体溶液には、例えばタッキファイヤー、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
塗布は、一般的にナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター等により行うことができる。また、塗工厚みや材料の粘度によっては、グラビアコーター、ロッドコーター等により行うこともできる。粘着剤層の厚さは5〜60μm、好ましくは10〜40μmであるのがよい。
本発明にかかる感温性粘着剤および感温性粘着テープの用途としては、特に限定されるものではなく、雰囲気温度の異なる複数の工程において、例えば精密な電子、機械部品等の仮止め用粘着剤として好適に用いることができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明の感温性粘着剤および感温性粘着テープを詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
(合成例1)
ステアリルアクリレート(ニチユ製)を15部、セチルアクリレート(ニチユ製)を30部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体(側鎖結晶性ポリマー)の重量平均分子量は45万、融点は23℃であった。
(合成例2)
ベヘニルアクリレート(ニチユ製)を45部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体(側鎖結晶性ポリマー)の重量平均分子量は60万、融点は55℃であった。
(合成例3)
ベヘニルアクリレート(ニチユ製)を22部、ステアリルアクリレート(ニチユ製)を8部、セチルアクリレート(ニチユ製)を15部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体(側鎖結晶性ポリマー)の重量平均分子量は55万、融点は40℃であった。
(合成例4)
ステアリルアクリレート(ニチユ製)を45部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部の割合で、それぞれ酢酸エチル230部に加えて混合し、55℃で4時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体(側鎖結晶性ポリマー)の重量平均分子量は50万、融点は34℃であった。
前記合成例1〜4の各共重合体を表1に示す。なお、前記重量平均分子量は、共重合体をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。また、融点は、DSCで10℃/分の測定条件で測定した。
Figure 0005408774
<感温性粘着テープの作製>
まず、前記合成例1,2で得られた各共重合体を、酢酸エチルで固形分が30%となるよう調製した。ついで、前記合成例1で得られた共重合体溶液と、合成例2で得られた共重合体溶液とを、75:25の重量比でブンレドした。この混合溶液に、アジリジン化合物を固形分換算で前記混合溶液の固形分総量に対して0.5重量%添加した。そして、この混合溶液を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗布して100℃で10分間加熱して架橋反応を行わせ、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。
<180°剥離強度>
得られた感温性粘着テープについて、60℃および80℃(加工工程)、23℃(搬送工程)、10℃(剥離工程)の各雰囲気温度におけるステンレス鋼に対する180°剥離強度(JIS Z0237準拠)を測定した。具体的には、以下の条件で感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着した後、ロードセルを用いて300mm/分の速度で180°剥離した。
(23℃、60℃および80℃)
各雰囲気温度で感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着して20分間静置した後、180°剥離した。
(10℃)
80℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをステンレス鋼板に貼着し、雰囲気温度を10℃に低下させ、この雰囲気温度で1分間静置した後、180°剥離した。
各雰囲気温度における180°剥離強度は、以下の基準で判定した。
(60℃および80℃:加工工程)
○:1.0N/25mm以上
×:1.0N/25mm未満
(23℃:搬送工程)
○:0.5N/25mm以上
×:0.5N/25mm未満
(10℃:剥離工程)
○:0.1N/25mm以下
×:0.1N/25mmを超える
なお、60℃および80℃の加工工程では、いずれか一方の温度における180°剥離強度が1.0N/25mm未満であれば、判定を×とした。
前記合成例1で得られた共重合体溶液と、合成例2で得られた共重合体溶液とを、50:50の重量比でブンレドした以外は、前記実施例1と同様にして、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。得られた感温性粘着テープについて、前記実施例1と同様にして180°剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
前記合成例1で得られた共重合体溶液と、合成例2で得られた共重合体溶液とを、25:75の重量比でブンレドした以外は、前記実施例1と同様にして、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。得られた感温性粘着テープについて、前記実施例1と同様にして180°剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
[比較例1]
まず、前記合成例2で得られた共重合体を、酢酸エチルで固形分が30%となるよう調製した。この共重合体溶液に、アジリジン化合物を固形分換算で前記共重合体溶液の固形分総量に対して0.5重量%添加した。そして、この共重合体溶液を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗布して100℃で10分間加熱して架橋反応を行わせ、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。得られた感温性粘着テープについて、前記実施例1と同様にして180°剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
[比較例2]
合成例2で得られた共重合体に代えて、前記合成例1で得られた共重合体を用いた以外は、前記比較例1と同様にして、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。得られた感温性粘着テープについて、前記実施例1と同様にして180°剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
[比較例3]
合成例2で得られた共重合体に代えて、前記合成例3で得られた共重合体を用いた以外は、前記比較例1と同様にして、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。得られた感温性粘着テープについて、前記実施例1と同様にして180°剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
[比較例4]
前記合成例4で得られた共重合体を酢酸エチルで固形分が30%となるよう調製し、前記合成例1で得られた共重合体溶液と、合成例4で得られた共重合体溶液とを、50:50の重量比でブンレドした以外は、前記実施例1と同様にして、厚さ10μmの粘着剤層が形成された感温性粘着テープを作製した。得られた感温性粘着テープについて、前記実施例1と同様にして180°剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005408774
表2から明らかなように、実施例1〜3は、23℃および55℃付近の合計2つの融点を有しており、加工工程および搬送工程のいずれの工程においても粘着力を発現できているのがわかる。また、剥離工程では粘着力が低下しているのがわかる。したがって、実施例1〜3によれば、例えば前記加工工程において電子部品の素体を固定し、該素体を切断や研磨等した後、所定位置に搬送して剥離し、所望の電子部品を得ることができる。
なお、表2中、感温性粘着剤の融点は、該感温性粘着剤をDSCにより10℃/分の測定条件で測定して得られた値である。ここで、合成例2の融点は55℃であるが(表1参照)、実施例1,2において、合成例2に起因する融点は、55℃よりも低い47℃,52℃である。これは、感温性粘着剤中の合成例1,2の割合によるものと推察される。すなわち、合成例1および合成例2の分子量の低い成分が混合され、合成例2に起因する融点も低くなったものと推察される。
一方、1つの融点を有する比較例1〜4は、加工工程、搬送工程および剥離工程のいずれかを満足できない結果を示した。すなわち55℃の融点を有する比較例1は、融点以上の雰囲気温度である加工工程では粘着力を発現できているものの、23℃の搬送工程では粘着力が低下する結果を示した。また、23℃付近の融点を有する比較例2,4は、加工工程の雰囲気温度との温度差が大きいために、該加工工程において粘着力が低下する結果を示した。40℃の融点を有する比較例3は、加工工程および搬送工程を満足できない結果を示した。なお、第1(メタ)アクリレートの炭素数の差が2である比較例4は、融点が1つであった。

Claims (5)

  1. 融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す感温性粘着剤であって、下記側鎖結晶性ポリマー(A)と側鎖結晶性ポリマー(B)とのポリマーブレンドからなることを特徴とする感温性粘着剤。
    側鎖結晶性ポリマー(A):炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート40〜100重量部と、この(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー0〜60重量部との重合体である。
    側鎖結晶性ポリマー(B):炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する前記(メタ)アクリレートのうち、側鎖結晶性ポリマー(A)に用いた前記(メタ)アクリレートと炭素数が4つ以上異なる直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート40〜100重量部と、この(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマー0〜60重量部との重合体である。
  2. 炭素数14以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートと共重合可能な前記モノマーが、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートおよび極性モノマーから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の感温性粘着剤。
  3. 前記側鎖結晶性ポリマー(A)の融点と、前記側鎖結晶性ポリマー(B)の融点との差が、絶対値で10〜50℃である請求項1または2記載の感温性粘着剤。
  4. 前記ポリマーブレンドに架橋剤を加え架橋反応してなる請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤を含有する粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたことを特徴とする感温性粘着テープ。
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