JP5407241B2 - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)に関する。
電界発光を利用したエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)は、各種表示装置等の発光素子への利用が注目されている。EL素子は、発光層に到達した電子と正孔とが再結合する際に生じる発光を利用した電荷注入型の自発光素子である。EL素子の基本構成は、陰極と陽極の間に、発光材料を含有する発光層が配置された構成である。EL素子には、発光材料として、無機化合物を用いる無機EL素子と、有機化合物を用いる有機EL素子とがある。
最近では、発光材料として量子ドットを用いるエレクトロルミネッセンス素子も提案されている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1など)。量子ドットは、半導体のナノメートルサイズの微粒子(半導体ナノ結晶)であり、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、特異的な光学的、電気的性質を示し、幅広い分野でその利用が期待されている。量子ドットより放出される光は、その波長が量子ドットの粒径に依存しており、粒径の制御により種々の波長の光を得ることができる。また、量子ドットの発光は、スペクトル幅が狭いため、色純度に優れる。
量子ドットを含有する層は、該量子ドットを分散させた分散液を塗布する湿式法、或いは、量子ドット原料を蒸着法やスパッタリング等により膜化する乾式法により、形成することができるが、装置や工程の簡便性や、得られる層の平滑性等の観点から、湿式法が採用される傾向がある。
しかしながら、湿式法で量子ドット含有層を形成する場合、分散液中において、量子ドットが凝集しやすいという問題がある。そこで、溶液中における量子ドットの分散性、さらには、製造時における量子ドットの粒径の制御等を目的として、量子ドットの表面を保護材料で保護することが行われる。製造時の粒径の制御や溶液中の分散性向上に対して効果を有する代表的な保護材料としては、トリオクチルフォスフィン酸化物(TOPO:[CH(CHPO)が挙げられる。
有機EL素子は、発光材料として低分子有機化合物を用いた場合でも、高分子有機化合物を用いた場合でも、その寿命が短いという問題がある。製造プロセスにおける加熱処理や駆動時の発熱、また、電荷輸送や励起子の生成、発光に伴う化学変化により、発光材料である有機化合物が劣化、分解し、色度の他、電子、正孔の移動性、励起子生成効率等、発光特性が変化するためである。このような有機化合物の劣化分解に伴う不可逆的な発光特性の変化を抑制すべく、従来から数多くの研究が行われている。
例えば、特許文献4には、全ての有機化合物層のガラス転位温度が75℃以上で、且つ有機青色発光層に接する有機化合物層のガラス転位温度が105℃以上である有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。特許文献4に記載の技術は、青色発光可能な有機化合物のガラス転位温度が低いために、有機EL素子の熱安定性が低く、発光色が変化し、発光効率が低下するという問題を解決することを目的とするものであり、特許文献4には、75℃以上のガラス転位温度を有する有機化合物層により有機EL素子を構成することで上記問題を解決しうることが記載されている。
特開2005−38634号公報 特表2005−502176号公報 特表2006−520077号公報 特開平10−110163号公報 Seth Coe et al. Nature 420, 800-803(2002)
一方、無機化合物である量子ドットは、75℃等の高温条件下においても、量子ドットそのものの劣化等は生じにくく、その発光色、発光効率等の発光特性が維持される。しかしながら、製造プロセスや高温での保存、駆動時の高温条件下においては、量子ドットの保護材料や量子ドットを含有する発光層中のバインダー成分等の有機化合物が軟化することによって、発光層における量子ドットの移動性が高まり、量子ドットの凝集が促進されることが本発明者によって見出された。
具体的には、量子ドットを含有する発光層を量子ドットの分散液を用いて形成(湿式法)する場合、該分散液により形成された膜において、残存する溶媒は発光層における不純物となるため、充分に塗膜の乾燥を行い、溶媒を除去することが望ましい。発光層内に溶媒が残存すると、素子の駆動安定性(輝度半減寿命)が低下する等のおそれがあるからである。
一方、量子ドットの分散液に用いる溶媒は、量子ドットを含む発光層を構成する材料の溶解性や、該分散液の塗布方法等により適宜選択されるが、例えば、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、アニソール、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等を用いることができる。これらの溶媒の沸点は、それぞれ81℃、111℃、139℃、155℃、165℃、208℃、240℃であり、発光層からこれら溶媒を充分に乾燥除去するためには、量子ドット分散液の塗膜をこれら溶媒の沸点以上に加熱することが好ましい。そのため、上記のような溶媒を用いる場合、最も沸点の低いシクロヘキサンを用いても、塗膜乾燥温度は81℃以上となる。
このとき、量子ドットの保護材料のガラス転位温度や融点が81℃未満であると、塗膜乾燥時に、保護材料が軟化することによって、量子ドットの移動性が高まり、量子ドットの凝集が生じやすい。
尚、量子ドットを分散させる溶媒として、シクロヘキサンよりも沸点が低い(81℃未満)溶媒を用いることもできるが、このように沸点の低い溶媒を用いた場合、該分散液の塗布工程(例えば、インクジェット等)において、その塗布安定性を確保することが難しく、発光層の膜厚、パターン等の制御が困難である。
TOPOに代表される一般的な従来の量子ドット保護材料は、ガラス転位温度(Tg)や融点が低いため、上記のような製造プロセスにおける加熱や保存時、また、EL素子駆動時における温度上昇の際に、これら保護材料が軟化することによって、発光層における量子ドットの移動性が高まり、量子ドットの凝集が生じやすかった。
上述したように、量子ドットの発光色はそのサイズに依存していることから、量子ドットを含有する発光層において量子ドットが凝集し、その結晶構造が変化すると、発光色の変化、さらには、消光を引き起こし、EL素子の発光特性を低下させる大きな原因のひとつとなる。また、量子ドットの凝集は、発光層における相分離等を引き起こし、発光ムラを生じさせる他、発光層における電子、正孔の移動性の変化と、励起子の生成効率の低下によって、発光効率が低下するという問題もある。すなわち、製造プロセスや保存時、また、駆動時の発光層における量子ドットの凝集は、発光層の発光特性の安定という点において、EL素子の長寿命化を妨げる原因となっている。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、90℃以上のような高温条件下においても、発光層における量子ドットの凝集が抑制されており、長期間にわたる発光特性の維持が可能な、高い耐久性を有するEL素子を提供することを目的とする。
本発明のEL素子は、
一対の電極と、該電極間に配置され、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス層と、を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、
前記発光層は、少なくとも1種の保護材料によりその表面が保護された量子ドットを含有しており、該保護材料の少なくとも1種が、
下記官能基よりなる群:
カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、スルホン酸基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸基、ホスフィン基、及び、ホスフィンオキシド基
から選ばれる一つ以上の親水基が、
下記残基よりなる群:
4,4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、
4,4’,4’’−トリ[N−カルバゾールイル]トリフェニルアミン、
ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)、
1,3−ビス[2−(2,2’‐ビピリジン‐6‐イル)‐1,3,4‐オキサジアゾ‐5‐イル]ベンゼン、
3‐tert‐ブチル‐9,10‐ジ(ナフト‐2−イル)アントラセン、
2,2’,7,7’-テトラキス(2,2’−ジフェニルビニル)スピロ−9,9’‐ビフルオレン、
1,3‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)ベンゼン、
4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル、
4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジ‐トルイル‐フルオレン、
2,7‐ビス(9‐カルバゾールイル)‐9,9‐スピロビフルオレン、
2,2’,2’’‐(1,3,5‐ベンゼントリイル)-トリス(1‐フェニル‐1‐H‐ベンズイミダゾール)、
トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体、
及び、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体それぞれの残基
から選ばれる疎水基に直接結合してなる、90℃以上のガラス転位温度及び融点を有する化合物であることを特徴とするものである。
本発明のEL素子においては、量子ドットの保護材料として、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の化合物が用いられているため、90℃以上のような高温条件下でも、該保護材料の軟化が生じず、量子ドットの凝集が抑制される。従って、本発明によれば、製造プロセス、保存時、さらには駆動時における量子ドットの凝集を抑えることが可能であり、EL素子の長期間にわたる発光特性を維持することができ、EL素子の長寿命化が達成可能である。
発光層における量子ドットの凝集をより確実に抑制するためには、前記保護材料のガラス転位温度及び融点は、130℃以上であることが好ましい。
前記発光層は、さらに、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の少なくとも1種のバインダー成分を含有することが好ましい。前記発光層のバインダー成分として、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の化合物を用いることによって、高温条件下におけるバインダー成分の軟化が抑制され、さらに量子ドットの凝集を抑えることができるからである。
さらに、前記発光層を構成する全成分のガラス転位温度及び融点が90℃以上である場合、駆動時の該発光層における量子ドットの移動性の高まりが抑えられ、より量子ドットの凝集を抑制することが可能である。
本発明によれば、90℃のような高温条件下においても、発光材料である量子ドットの凝集が抑制されており、長期間にわたる発光特性の維持が可能な高い耐久性を有するEL素子を提供することが可能である。
本発明のEL素子は、一対の電極と、該電極間に配置され、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス層(EL層)と、を備えるエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)であって、前記発光層は、少なくとも1種の保護材料によりその表面が保護された量子ドットを含有しており、該保護材料の少なくとも1種が、90℃以上のガラス転位温度及び融点を有することを特徴とする。
本発明のEL素子は、発光材料として、量子ドットを用いる。量子ドットの発光により得られる光の波長は、量子サイズ効果により、その結晶の微粒子のサイズに依存することから、微粒子のサイズの制御により種々の波長の光を得ることできる。一方で、量子ドットが凝集することによって、結晶構造が変化し、発光色の変化或いは消光が生じるおそれがある。また、量子ドットを含有する発光層における量子ドットの凝集は、発光層の相分離等を引き起こし、発光ムラを生じさせる他、発光層における電子、正孔の移動性の変化と励起子の生成効率の低下によって、発光効率の低下を招く。
そこで、本発明では、発光材料として含有される量子ドットの表面を、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の保護材料(以下、耐熱性保護材料ということがある。)により保護することによって、90℃以上のような高温条件下における該保護材料の軟化を抑制し、保護材料の軟化に起因する量子ドットの凝集の防止を可能とした。つまり、従来のガラス転位温度や融点が低い保護材料で保護された量子ドットを用いたEL素子においては、保護材料が軟化し、量子ドットの移動性が高まる結果、量子ドットの凝集が生じていたような高温条件でも、本発明のEL素子では、量子ドットの凝集が生じにくく、その分散状態を保持することができる。
従って、本発明のEL素子によれば、量子ドットの凝集に起因する量子ドットの発光色の変化、消光を防止することが可能である。さらには、量子ドットの凝集による発光層の相分離に起因する発光ムラ、発光層における電子、正孔の移動性の変化、及び、励起子の生成効率の低下による発光効率低下などを防止することが可能である。すなわち、本発明のEL素子は、長期間にわたってその発光特性を維持することが可能であり、耐久性に優れている。
量子ドットとしては、半導体のナノメートルサイズの微粒子(半導体ナノ結晶)であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる発光材料であれば特に限定されない。具体的には、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe及びHgTeのようなII−VI族半導体化合物、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InN、InAs、InP、InSb、TiN、TiP、TiAs及びTiSbのようなIII−V族半導体化合物、Si、Ge及びPbのようなIV族半導体等を含有する半導体結晶の他、InGaPのような3元素以上を含んだ半導体化合物が挙げられる。或いは、上記半導体化合物に、Eu3+、Tb3+、Ag、Cuのような希土類金属のカチオン又は遷移金属のカチオンをドープしてなる半導体結晶を用いることができる。
中でも、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒径の制御性、蛍光量子収率の観点から、CdS,CdSe,CdTe、InGaP等の半導体結晶が好適である。
量子ドットは、1種の半導体化合物からなるものであっても、2種以上の半導体化合物からなるものであってもよく、例えば、半導体化合物からなるコアと、該コアと異なる半導体化合物からなるシェルとを有するコアシェル型構造を有していてもよい。コアシェル型の量子ドットとしては、励起子が、コアに閉じ込められるように、シェルを構成する半導体化合物として、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いることで、量子ドットの発光効率を高めることができる。このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS等が挙げられる。
量子ドットのサイズは、所望の波長の光が得られるように、量子ドットを構成する材料によって、適宜調節すればよい。量子ドットは粒径が小さくなるに従い、エネルギーバンドギャップが大きくなる。すなわち、結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトする。そのため、量子ドットのサイズを変化させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調節することができる。
一般的には、量子ドットの粒径(直径)は0.5〜20nmの範囲であることが好ましく、特に1〜10nmの範囲であることが好ましい。尚、量子ドットのサイズ分布が狭いほど、より鮮明な発光色を得ることができる。
また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。量子ドットの粒径は、量子ドットが球状でない場合、同体積を有する真球状であると仮定したときの値とすることができる。
量子ドットの粒径、形状、分散状態等の情報については、透過型電子顕微鏡(TEM)により得ることができる。また、量子ドットの結晶構造、また粒径については、X線結晶回折(XRD)により知ることができる。さらには、UV−Vis吸収スペクトルによって、量子ドットの粒径、表面に関する情報を得ることもできる。
本発明において、量子ドットは、その表面に保護材料が付着し、保護材料により保護された状態で発光層に含有される。この保護材料としてガラス転位温度及び融点が90℃以上である化合物を用いる点が本発明の大きな特徴である。
ここで、量子ドット表面が保護材料で保護されているとは、量子ドットの表面に保護材料が付着した状態である。そして、量子ドット表面に保護材料が付着しているとは、保護材料が量子ドットの表面に配位結合している他、量子ドット表面と保護材料間に相互作用(引力)が生じ、量子ドットの表面に保護材料が存在している状態を含む。尚、量子ドットの表面は、保護材料によって完全に被覆されていなくてもよく、量子ドットの表面の一部が露出していてもよい。
量子ドットの表面に保護材料が付着していることは、表面分析方法のひとつであるX線光電子分析(XPS)を用いて、保護材料に含有される元素が含まれていることを調べることにより確認することができる。
量子ドットは、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の保護材料(以下、単に耐熱性保護材料ということがある)が少なくとも1種、その表面に付着していれば、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の耐熱性保護材料が2種以上付着していてもよいし、耐熱性保護材料以外の保護材料が付着していてもよい。
耐熱性保護材料は、ガラス転位温度及び融点が90℃以上であり、量子ドットの表面に付着してその凝集を抑制することができれば、特に限定されないが、量子ドットの凝集をより確実に抑制可能であることから、ガラス転位温度及び融点が110℃以上、さらに、130℃以上であることが好ましい。一方、溶媒への溶解性の観点から、耐熱性保護材料のガラス転位温度及び融点は、一般には200℃以下であることが好ましい。
保護材料のガラス転位温度及び融点は、例えば、以下のような方法によりにより知ることができる。すなわち、試料の温度をゆっくりと上昇又は下降させながら、熱分析装置にて厚さ方向の熱膨張量を測定するTMA法や、試料の温度をゆっくりと上昇又は下降させながら、示差走査熱量計にて発熱量や吸熱量を測定するDSC法、試料の温度をゆっくりと上昇又は下降させながら、粘弾性測定装置にて試験片の動的粘弾性及び損失正接を測定するDMA法(引張り法)等が挙げられる。
耐熱性保護材料としては、例えば、1分子中に親水基を1残基以上、及び、疎水基を有する有機化合物が挙げられる。このように1分子中に親水基と疎水基が共存する有機化合物(以下、親水基含有保護材料ということがある)は、親水基が量子ドットを構成する金属との親和性を有しており、親水基によって、量子ドットの表面に付着することができる。該親水基含有保護材料としては、疎水基の片末端又は両末端に親水基が結合している有機化合物が好ましい。
親水基含有保護材料において、親水基としては、量子ドット表面に付着可能な官能基であれば特に限定されず、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、スルホン酸基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸基、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基などを挙げることができる。中でも、量子ドットとの親和性が高いことから、親水基は、カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はホスフィンオキシド基から選ばれる1種であることが好ましい。
親水基含有保護材料のガラス転移温度及び融点は、主に、分子量が大きく、主たる成分である疎水基により左右されると考えられる。従って、親水基含有保護材料の疎水基として、該親水基含有保護材料のガラス転移温度及び融点を90℃以上とするような構造を選択することによって、ガラス転移温度及び融点が90℃以上の耐熱性保護材料を得ることが可能であると考えられる。
このような耐熱性を有する疎水基としては、例えば、剛直な分子構造を有するもの、立体障害を有するもの、多量体等の分子数の大きなもの等が挙げられ、具体的には、芳香族基を含有する基及びその多量体等が挙げられる。より具体的には、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピロール基等の芳香族基を含有(これら芳香環が連結、縮合等する構造も含む)する基等が挙げられる。
発光層における導電性の確保という観点からは、保護材料は、電荷輸送性を有するものが好ましい。以下、電荷輸送性を有する疎水基について、例示する。電荷輸送性を有する疎水基としては、有機EL素子の発光層において、いわゆるホスト材料として使用可能な化合物及びその誘導体の残基を挙げることができる。
具体的には、例えば、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、アリールアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、ジナフチルアントラセン誘導体、フェニルアントラセン誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、フェナントロリン類、ベンズイミダゾール誘導体等の残基を挙げることができる。また、これらにフルオレン基やスピロ基を導入した化合物の残基も用いることができる。
より具体的には、例えば、トリフェニルアミン誘導体としては、4,4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2−TNATA:Tg=110℃、融点110℃以上)、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾールイル)トリフェニルアミン(TCTA:Tg=151℃、融点151℃以上)等が挙げられる。アリールアミン誘導体としては、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD:Tg=95℃、融点95℃以上)等が挙げられる。
オキサジアゾール誘導体としては、1,3−ビス[2−(2,2’‐ビピリジン‐6‐イル)‐1,3,4‐オキサジアゾ‐5‐イル]ベンゼン(Bpy−OXD:Tg=102℃、融点102℃以上)等が挙げられる。ジナフチルアントラセン誘導体としては、3‐tert‐ブチル‐9,10‐ジ(ナフト‐2−イル)アントラセン(TBADN:Tg=130℃、融点130℃以上)等が挙げられる。
ジスチリルアリーレン誘導体としては、2,2’,7,7’-テトラキス(2,2’−ジフェニルビニル)スピロ−9,9’‐ビフルオレン(spiro‐DPVBi:Tg=130℃、融点130℃以上)等が挙げられる。
カルバゾール誘導体としては、4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP:Tg=111℃、融点111℃以上)、1,3‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)ベンゼン(MCP:Tg=90℃以上、融点90℃以上)、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン(DMFL−CBP:Tg=131℃、融点131℃以上)、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジ‐トルイル‐フルオレン(DPFL−CBP:Tg=158℃、融点158℃以上)、2,7‐ビス(9‐カルバゾールイル)‐9,9‐スピロビフルオレン(Spiro−2CBP:Tg=174℃、融点174℃以上)等が挙げられる。
ベンズイミダゾール誘導体としては、2,2’,2’’‐(1,3,5‐ベンゼントリイル)-トリス(1‐フェニル‐1‐H‐ベンズイミダゾール)(TPBi:Tg=122℃以上、融点122℃以上)が挙げられる。
また、以下のような金属錯体の残基も上記疎水基とすることができる。例えば、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、イリジウム金属錯体、プラチナ金属錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be、Ir、Pt等、またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
具体的には、アルミニウムキノリノール錯体として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq:Tg=約183℃、融点183℃以上)、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体(BAlq:Tg=90℃以上、融点90℃以上)等を挙げることができる。
さらには、以下のような高分子化合物の残基もまた、上記疎水基とすることができる。例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。また、疎水基として上記列挙した各化合物を高分子化したものも挙げられる。
中でも、上記疎水基として、4,4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリ[N−カルバゾールイル]トリフェニルアミン、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)、1,3−ビス[2−(2,2’‐ビピリジン‐6‐イル)‐1,3,4‐オキサジアゾ‐5‐イル]ベンゼン、3‐tert‐ブチル‐9,10‐ジ(ナフト‐2−イル)アントラセン、2,2’,7,7’-テトラキス(2,2’−ジフェニルビニル)スピロ−9,9’‐ビフルオレン、1,3‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)ベンゼン、4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジ‐トルイル‐フルオレン、2,7‐ビス(9‐カルバゾールイル)‐9,9‐スピロビフルオレン、2,2’,2’’‐(1,3,5‐ベンゼントリイル)-トリス(1‐フェニル‐1‐H‐ベンズイミダゾール)、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の残基を有する親水基含有保護材料が好ましい。
また、本発明においては、1分子中に親水基を1残基以上及び疎水基を有し、該疎水基として以下のような有機化合物の残基を有する保護材料が、量子ドット表面に付着していてもよい。
すなわち、下記に挙げるような蛍光発光又は燐光発光する、いわゆるドーパントの残基を疎水基として有する有機化合物が量子ドットの表面に付着していてもよい。例えば、蛍光発光を示すものとして、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等の残基を挙げることができる。具体的には、2,5,8,11‐テトラ‐tert‐ブチルペリレン(TBPe)、クマリン6、ナイルレッド、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)等の残基を挙げることができる。
さらに、燐光系のドーパントである、白金やイリジウムなどの重金属イオンを中心に有し、燐光を示す有機金属錯体の残基を疎水基として有する有機化合物も保護材料として使用することができる。具体的には、Ir(ppy)3、(ppy)2Ir(acac)、Ir(BQ)3、(BQ)2Ir(acac)、Ir(THP)3、(THP)2Ir(acac)、Ir(BO)3、(BO)2(acac)、Ir(BT)3、(BT)2Ir(acac)、Ir(BTP)3、(BTP)2Ir(acac)、FIr、PtOEP等の残基を挙げることができる。
上記ドーパントの残基のうち、90℃以上のTg及び融点を有するものは、上記耐熱性保護材料の疎水基としても利用可能である。
耐熱性保護材料の量子ドット表面への付着量は、保護材料による所望の効果が得られれば特に限定されるものでなく、量子ドットや保護材料の種類によって異なるが、通常、量子ドットの保護材料として上記耐熱性保護材料のみを用いる場合には、耐熱性保護材料が量子ドットの表面を最密充填している状態が好ましい。耐熱性保護材料と共にその他の保護材料を用いる場合には、これら保護材料全体で量子ドットの表面を最密充填することが好ましい。
上記保護材料で保護された量子ドットの製造方法は、特に限定されないが、保護材料の量子ドット表面への導入容易性、量子ドットの粒径の制御性、製造工程の簡便性等の観点から、液相にて量子ドットの結晶を成長させる液相法が好適である。液相法としては、例えば、共沈法、逆ミセル法、ホットソープ法等を挙げることができ、特にホットソープ法が好適である。
ホットソープ法とは、目的とする量子ドットの前駆体の少なくとも1種を高温に加熱した分散剤中で熱分解させる結果、開始する反応により結晶の核生成と結晶成長とを進行させる方法である。この結晶の核生成及び結晶成長の過程の反応速度を制御する目的で、目的とする量子ドットの構成元素に配位力のある分散剤が液相媒体を構成する必須成分として使用される。ホットソープ法は、粒径分布の狭く、且つ、溶液中における分散性に優れた量子ドットを得ることができる。
以下、ホットソープ法による量子ドットの製造方法について詳しく説明する。
量子ドット前駆体としては、上述したような半導体化合物を含む量子ドットを形成することが可能なものであれば特に限定されない。例えば、上記したようなII−VI族半導体化合物、III−V族半導体化合物を含有する量子ドットを得るためには、該半導体化合物を構成する原子の供給源となる化合物、例えば、(1)II族及び/又はIII族を含有する無機化合物、有機金属化合物或いは元素金属と、(2)VI族及び/又はV族を含有し、上記II族及び/又はIII族を含有する化合物或いは金属元素(1)と反応して上記半導体化合物を形成できる化合物とを組み合わせて用いたり、或いは、II族及び/又はIII族とVI族及び/又はV族とを共に含有する化合物を用いることができる。
具体的には、化合物(2)として、ビス(トリメチルシリル)セレニド[(TMS)Se];(トリ−n−オクチルホスフィン)セレニド[TOPSe]やトリ−n−ブチルホスフィン)セレニド[TBPSe]等のトリアルキルホスフィンセレニド;(トリ−n−オクチルホスフィン)テルリド[TOPTe]やヘキサプロピルホスホラストリアミドテルリド[HPPTTe]等のトリアルキルホスフィンテルリド;ビス(トリメチルシリル)テルリド[(TMS)Te];ビス(トリメチルシリル)スルフィド[(TMSS);(トリ−n−オクチルホスフィン)スルフィド[TOPS]等のトリアルキルホスフィンスルフィド;ハロゲン化アンモニウム(例えば、NHClなど)等のアンモニウム塩;トリス(トリメチルシリル)ホスフィド[(TMS)P];トリス(トリメチルシリル)アルセニド[(TMS)As];トリス(トリメチルシリル)アンチモニド[(TMS)Sb)等が挙げられる。
上記のような量子ドット前駆体は、上記分散剤を含有する液相に溶解可能であることが好ましい。このような液相を構成する溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等のアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素、ジフェニルエーテル、ジ(n−オクチル)エーテル等のエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系炭化水素、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等のアミン類、あるいは後述する分散剤に用いられる化合物等が挙げられる。これらの中でも、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン等のアルカン類、あるいはトリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、エーテル類が好ましく用いられる。
分散剤としては、高温液相において量子ドットの微結晶に配位して安定化する物質であれば特に限定されるものではないが、例えばトリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のω−アミノアルカン類、トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等の第3級アミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、1−アダマンタンカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリブチルホスフィンオキシドやトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)等のトリアルキルホスフィンオキシド類、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等の炭素数12以上のω−アミノアルカン類等の分子構造中に窒素原子又はリン原子を含む化合物が好ましく用いられる。
より好ましいものとしては、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリブチルホスフィンオキシドやトリオクチルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類等の炭素−リン単結合を有する化合物が挙げられる。特に、トリオクチルホスフィンオキシド等のトリアルキルホスフィンオキシド類は好適に用いられる。
これらの分散剤は、単独で用いても、必要に応じ複数種を混合して使用してもよい。
さらに、上記分散剤は、適当な有機溶剤(例えばトルエン、キシレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素、オクタン、デカン、ドデカン、オクタデカン等の長鎖アルカン類、ジフェニルエーテル、ジ(n−オクチル)エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ハロゲン系炭化水素等)で希釈して使用してもよい。
分散剤を含有する液相の加熱温度としては、上記分散剤および量子ドット前駆体が溶解する温度であれば特に限定されるものではなく、圧力条件等によっても異なるものであるが、通常は150℃以上とする。また、この加熱温度は比較的高い方が好ましい。高温に設定することにより分散剤に注入された量子ドット前駆体が一斉に分解することで、多数の核が一気に生成するために、比較的粒径の小さい量子ドットが得られやすくなり、量子ドットの粒径制御が容易になるからである。
また、この加熱した分散剤への量子ドット前駆体の注入方法としては、特に限定されない。
上記量子ドット前駆体を加熱した分散剤に注入した後、量子ドットを形成する際の反応温度としては、上記分散剤および量子ドット前駆体が溶融または有機溶媒に溶解する温度であり、かつ、結晶成長が起こる温度であれば特に限定されるものではなく、圧力条件等によっても異なるものであるが、通常は150℃以上とする。
尚、コアシェル型の量子ドットを得る方法としては、上記ホットソープ法により、まず、コアとなる半導体化合物微粒子を調製し、該半導体化合物微粒子からなるコアの表面に、ホットソープ法によりシェルを形成する方法が挙げられる。
具体的には、分散剤を加熱し、この加熱した分散剤にコア部を形成する半導体化合物微粒子、及びシェル部の半導体化合物の前駆体を注入することによって、コア部がシェル部で被覆されたコアシェル型量子ドットを得ることができる。ホットソープ法において使用できる分散剤、溶媒は、上記と同様にすることができる。
コア部を形成する半導体微粒子及びシェル部の前駆体の分散剤への注入は、同時に注入しても、コア部微粒子を先に注入してもよいが、コア部微粒子を注入した後に、シェル部前駆体を徐々に注入することが好ましい。シェル部前駆体を先に注入したり、一度に大量に注入したりすると、シェル部前駆体による核生成が起こり、シェル部のみから構成される微粒子が形成される可能性があるからである。
上記コア部微粒子及びシェル部前駆体を加熱した分散剤に注入した後の、コア部をシェル部で被覆する際の反応温度としては、上記分散剤及びシェル部前駆体が溶融又は有機溶媒に溶解する温度であり、且つ、シェル部の構成材料の結晶成長が起こる温度であれば特に限定されるものではなく、圧力条件等によっても異なるものであるが、通常は100℃以上とする。
尚、ホットソープ工程は、通常、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行われる。
ホットソープ法により得られた量子ドットは、通常、上記分散剤と分離する。分離方法としては、例えば遠心分離、浮上分離、泡沫分離等の沈降分離法、ケークろ過、清澄ろ過等のろ過法、圧搾法が挙げられる。
以上のようにして、得られた量子ドットは、その表面に上記ホットソープ法において使用した上記分散剤の一部が付着した状態である。該分散剤として、90℃以上のガラス転位温度及び融点を有するものを用いた場合、該分散剤が耐熱性保護材料として機能するため、該分散剤が付着した量子ドットはそのまま使用することができる。
しかしながら、該分散剤のガラス転位温度及び/又は融点が90℃未満である場合には、該分散剤を、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の耐熱性保護材料で置換することによって、本発明のEL素子において使用可能な耐熱性保護材料で保護された量子ドットを得ることができる。
耐熱性保護材料による置換方法としては、特に限定されず、例えば、多量の耐熱性保護材料と、量子ドットを、不活性ガス雰囲気下で、溶媒中、混合しながら加熱することで、量子ドットの表面に付着していた分散剤を、多量に存在する耐熱性保護材料に置換することができる。置換したい耐熱性保護材料の添加量は、特に限定されないが、通常は量子ドットに対して重量比で5倍以上であればよい。また、加熱時間は通常1〜48時間である。
量子ドットは、TOPO等の一般的な従来の保護材料で保護されたものが市販品として入手可能であり、このような市販品の保護材料を、ガラス転移温度及び融点が90℃以上の耐熱性保護材料に置換することにより、耐熱性保護材料で保護された量子ドットを得ることもできる。保護材料の置換方法は、上記したような方法を採用することができる。
ここまで、本発明のEL素子に使用される耐熱性保護材料で保護された量子ドットについて説明してきたが、以下、本発明のEL素子について、図1〜図2を用いて説明する。図1〜図2は、本発明のEL素子の一形態例を示す断面概略図である。
図1及び図2において、EL素子1は、基板2上に、第一電極3と、発光層4を含むEL層6と、第一電極3の対極である第二電極7がこの順に積層された積層構造を有するものである。
ここで、後にも述べるように、EL層6は、少なくとも発光層4を含めば、発光層4のみの単層構造であっても、複数の層からなる積層構造を有する(図1及び図2参照)ものであってもよい。また、本発明のEL素子は、電極及びEL層以外の層を備えていてもよい。
以下、EL素子の各構成について説明する。
(基板)
基板2は、第一電極3以降の各層、すなわち、図1及び図2においては、第一電極3、EL層6及び第二電極7を支持するものである。基板は、基板2側から発光によって生じた光を取り出す場合には透明性を有することが好ましいが、第二電極7側から光を取り出す場合には、必ずしも透明性を有する必要はない。
透明性を有する基板としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、アルカリガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス基板;フィルム状に成形が可能な樹脂基板;などを用いることができる。
樹脂基板に用いられる樹脂としては、耐溶剤性及び耐熱性の比較的高いものであることが好ましい。具体的には、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリミクロイキシレンジメチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル-スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。また、これらの共重合体を用いることもできる。さらに必要に応じて、水分や酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する基板を用いてもよい。
基板2の厚みとしては、基板2を構成する材料やEL素子の用途により、それぞれ適切に選択されることが好ましいが、0.005mm〜5mm程度である。
(電極)
基板上に設けられる一対の電極(第一電極3及び第二電極7)は、基板2側に設けられる電極(第一電極)が陽極であっても陰極であってもよいが、一般に、EL素子を作製する際には、陽極側から積層する方が安定してEL素子を作製することができるため、基板2側に形成される第一電極3が陽極であることが好ましい。
第一電極及び第二電極のうち、光の取出し面側となる電極は透明である必要がある。一方、光の取出し面と反対側の電極は、透明であってもなくてもよい。
また、第一電極及び第二電極は抵抗が小さいことが好ましく、一般には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物又は無機化合物を用いてもよい。
陽極に用いられる材料としては、正孔が注入しやすいように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、Au、Ta、W、Pt、Ni、Pd、Cr、Cu、Mo、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属;これらの金属の酸化物;AlLi、AlCa、AlMg等のAl合金、MgAg等のMg合金、Ni合金、Cr合金、アルカリ金属の合金、アルカリ土類金属の合金等の合金;酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム等の無機酸化物;金属ドープされたポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体等の導電性高分子;α−Si、α−SiC;などが挙げられる。これらの導電性材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。
陰極に用いられる材料としては、電子が注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Cs、Ba、Sr、Ca等のアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金などが挙げられる。
第一電極及び第二電極の成膜方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的蒸着(PVD)法、あるいは、化学的蒸着(CVD)法などを挙げることができる。また、第一電極及び第二電極のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的にはフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
(EL層)
EL層は、少なくとも発光層を含むものである。
EL層6は、発光層4(量子ドット含有層)単独で構成され得るが、電子や正孔の注入性、輸送性を向上させる目的で、発光層に加えて、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等の種々の層を積層した積層構造とすることもできる。これらEL層を構成する各層は、一層で複数の機能を併せ持つ層とすることもできる。例えば、正孔輸送層と正孔注入層の機能を併せ持つ正孔注入輸送層や、電子輸送層と電子注入層の機能を併せ持つ電子注入輸送層とすることができる。或いは、発光層に電子輸送層の機能を付与したり、発光層に正孔輸送層の機能を付与することもできる。
その他、EL層内に形成される層としては、キャリアブロック層のような正孔又は電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
EL層の具体的な積層構造としては、特に限定されず、発光層と上記したような各層とを適宜積層することができる。例えば、陽極側から順に、正孔輸送層5/発光層4(図1参照)、正孔輸送層5/発光層4/電子注入層8(図2参照)、正孔注入層/正孔輸送層/発光層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層、が積層したような積層構造が挙げられる。
以下に、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層の各層について説明する。
(1)発光層
発光層は、特定の保護材料(耐熱性保護材料)で保護された量子ドットを含有し、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を有するものである。発光層において、電子と正孔が再結合する位置は特に限定されず、量子ドットであってもよいし、量子ドットの保護材料であってもよいし、量子ドット及び保護材料以外の発光層構成材料(バインダー成分等)であってもよい。
発光層としては、青色、緑色、黄色、橙色、赤色等の単色発光するものであってもよく、複数色の混色により白色発光するものであってもよく、三原色の発光パターンが配列されたものであってもよい。白色発光は、複数の発光体からの発光の重ねあわせにより得ることができる。白色発光する発光層は、例えば、所定のピーク波長を有する2種類の発光体の2色発光の重ねあわせにより白色発光を得るものであってもよく、所定のピーク波長を有する3種類の発光体の3色発光の重ねあわせにより白色発光を得るものであってもよい。
量子ドット及びその保護材料については既述したため、ここでは説明を省略する。
本発明において、発光層に含有される発光材料としては、量子ドット以外の材料、例えば、有機EL素子において使用されているような発光材料を、量子ドットと併用してもよい。具体的には、以下のような、色素系発光材料、金属錯体系発光材料、高分子系発光材料を挙げることができる。
色素系発光材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、アリールアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、カルバゾール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー、フェナントロリン類等を挙げることができる。
具体的に、トリフェニルアミン誘導体としては、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾールイル)トリフェニルアミン(TCTA)等が挙げられる。
アリールアミン誘導体としては、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)等が挙げられる。オキサジアゾール誘導体としては、(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)、1,3−ビス[2−(2,2’‐ビピリジン‐6‐イル)‐1,3,4‐オキサジアゾ‐5‐イル]ベンゼン(Bpy−OXD)等が挙げられる。
ジナフチルアントラセン誘導体としては、3‐tert‐ブチル‐9,10‐ジ(ナフト‐2−イル)アントラセン(TBADN)、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)等が挙げられる。
ジスチリルアリーレン誘導体としては、2,2’,7,7’-テトラキス(2,2’−ジフェニルビニル)スピロ−9,9’‐ビフルオレン(spiro‐DPVBi)、1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ベンゼン(DPVBi)等が挙げられる。
カルバゾール誘導体としては、4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP)、1,3‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)ベンゼン(MCP)、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン(DMFL−CBP)、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジ‐トルイル‐フルオレン(DPFL−CBP)、2,7‐ビス(9‐カルバゾールイル)‐9,9‐スピロビフルオレン(Spiro−2CBP)等が挙げられる。
フェナントロリン類としては、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が挙げられる。ベンズイミダゾール誘導体としては、2,2’,2’’‐(1,3,5‐ベンゼントリイル)-トリス(1‐フェニル‐1‐H‐ベンズイミダゾール)(TPBi)が挙げられる。
これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
金属錯体系発光材料としては、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、イリジウム金属錯体、プラチナ金属錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be、Ir、Pt等、またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を挙げることができる。
具体的には、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体(BAlq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(Bebq)等を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
高分子系発光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。また、上記色素系発光材料および金属錯体系発光材料を高分子化したものも挙げられる。
上記したような色素系発光材料、金属錯体系発光材料及び高分子系発光材料(ホスト材料)は、量子ドットを含有する発光層において、バインダー成分として作用し、発光層と隣接する層から電子、正孔を受け取り、再結合する場として機能する。
本発明の主目的である、高温条件下における量子ドットの凝集の抑制を、より確実に達成するためには、発光層を構成するバインダー成分が、90℃以上、特に110℃以上、さらには130℃以上のガラス転位温度及び融点を有することが好ましい。このような高温条件下においても軟化しにくいバインダー成分を用いることによって、高温条件下における量子ドットの移動が抑制され、その結果、発光層における量子ドットの凝集を防止することができる。
90℃以上のガラス転位温度及び90℃以上の融点を有するバインダー成分(ホスト材料)としては、例えば、4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4’,4’’−トリ[N−カルバゾールイル]トリフェニルアミン(TCTA)、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD)、1,3−ビス[2−(2,2’‐ビピリジン‐6‐イル)‐1,3,4‐オキサジアゾ‐5‐イル]ベンゼン(Bpy‐OXD)、3‐tert‐ブチル‐9,10‐ジ(ナフト‐2−イル)アントラセン(TBADN)、2,2’,7,7’-テトラキス(2,2’−ジフェニルビニル)スピロ−9,9’‐ビフルオレン(spiro‐DPVBi)、1,3‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)ベンゼン(MCP)、4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP)、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン(DMFL−CBP)、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジ‐トルイル‐フルオレン(DPFL−CBP)、2,2’,2’’‐(1,3,5‐ベンゼントリイル)-トリス(1‐フェニル‐1‐H‐ベンズイミダゾール)(TPBi)、2,7‐ビス(9‐カルバゾールイル)‐9,9‐スピロビフルオレン(Spiro−2CBP)、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)、及び、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体(BAlq)及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
また、発光層は、上記のような発光材料以外にも、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリエステル等のバインダー樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等の熱又は光により硬化する硬化性樹脂等を、バインダー成分として含有していてもよい。これら樹脂を発光層に含有させる場合、量子ドットの凝集抑制の観点から、90℃以上のガラス転位温度及び90℃以上の融点を有するものを選択することが好ましい。
同様の観点から、さらに、発光層を構成する材料の全てが、ガラス転位温度及び融点が90℃以上、特に110℃以上、さらには130℃以上であることが好ましい。発光層全体を、90℃以上のような高温条件においても軟化しない構成とすることによって、さらにより確実に量子ドットの凝集を抑制することが可能であるからである。
発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的で、上記発光材料と共に、蛍光発光又は燐光発光するドーパントが添加されていてもよい。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体等を挙げることができる。具体的には、2,5,8,11‐テトラ‐tert‐ブチルペリレン(TBPe)、クマリン6、ナイルレッド、1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ベンゼン(DPVBi)、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)等を挙げることができる。
さらに、燐光系のドーパントとして、白金やイリジウムなどの重金属イオンを中心に有し、燐光を示す有機金属錯体を使用することができる。具体的には、Ir(ppy)3、(ppy)2Ir(acac)、Ir(BQ)3、(BQ)2Ir(acac)、Ir(THP)3、(THP)2Ir(acac)、Ir(BO)3、(BO)2(acac)、Ir(BT)3、(BT)2Ir(acac)、Ir(BTP)3、(BTP)2Ir(acac)、FIr、PtOEP等を用いることができる。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されなく、例えば1nm〜200nm程度とすることができる。
発光層を形成する方法としては、EL素子に要求される微細なパターンの形成が可能な方法であれば特に限定されるものではない。例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、もしくは自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。中でも、蒸着法、スピンコート法、インクジェット法を用いることが好ましい。
蒸着法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、真空蒸着法の具体例としては、抵抗加熱蒸着法、フラッシュ蒸着法、アーク蒸着法、レーザー蒸着法、高周波加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法等が挙げられる。
スピンコート法やインクジェット法等の塗工液の塗布により発光層を形成する場合、塗工液の溶媒としては、発光層の各構成材料を溶解又は分散させることができれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、テトラリン、メシチレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、クロロホルム等を挙げることができる。
EL素子を用いて、フルカラー表示若しくはマルチカラー表示のディスプレイを作製する際には、異なる色を発光する発光層を微細な形状に形成した上、所定の配列で並べる必要があることから、発光層のパターニングを要することがある。発光層のパターニングは、異なる発光色ごとに、マスキング法により塗り分けや蒸着を行なうか、印刷法若しくはインクジェット法によって行えばよい。
配列した発光層間には隔壁を有していてもよい。隔壁があると、インクジェット法等によって発光層を形成する際に、蛍光体が隣接した区域に広がらない利点が生じる。隔壁自体は、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等で形成できる。また、隔壁を形成する材料の表面エネルギー(濡れ性)を変化させる処理が行なわれてもよい。
(2)正孔注入層
陽極と発光層の間、或いは、陽極と正孔輸送層の間には、正孔注入層が形成されていてもよい。正孔注入層の構成材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる正孔注入性材料であれば特に限定されるものではない。正孔注入性材料としては、例えば、アリールアミン誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、カルバゾール誘導体、さらにはポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体等の導電性高分子などを挙げることができる。
具体的には、アリールアミン誘導体としては、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)等が挙げられ、トリフェニルアミン誘導体としては、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N´−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、コポリ[3,3’−ヒドロキシ−テトラフェニルベンジジン/ジエチレングリコール]カーボネート(PC−TPD−DEG)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。カルバゾール誘導体としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)等が挙げられ、ポリチオフェン誘導体としてはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)等が挙げられる。
上記のポルフィリン誘導体およびアリールアミン誘導体等は、ルイス酸や四フッ化テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、塩化鉄、バナジウムやモリブデンなど無機の酸化物などが混合されていてもよい。
さらに、正孔注入層には、金属酸化物、炭化物などの無機材料を用いることもできる。例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムおよび酸化チタン等の金属酸化物;アモルファスカーボン、C60、カーボンナノチューブ等の炭化物が挙げられる。
また、正孔注入層には、電極との結合基をもつ材料を用いることもできる。電極との結合基をもつ材料としては、リン酸化合物、カルボン酸化合物、スルホン酸化合物、シランカップリング剤等を挙げることができる。具体的には、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド、4‐クロロフェニルホスホロジクロリダート、9−フルオレニルメチルクロロホーメート等が挙げられる。
正孔注入層の厚みとしては、正孔注入機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されるものではない。また、正孔注入層の形成方法としては、例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、もしくは自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができるがこれに限定されない。中でも、蒸着法、スピンコート法、もしくはインクジェット法を用いることが好ましい。
(3)正孔輸送層
陽極と発光層の間、或いは、正孔輸送層と発光層の間には、正孔輸送層が形成されていてもよい。正孔輸送層の構成材料としては、発光層内への電子の輸送を安定化させることができる正孔輸送性材料であれば特に限定されるものではない。
中でも、正孔輸送性材料は、正孔移動度が高いものであることが好ましい。さらに、正孔輸送性材料は、陰極から移動してきた電子の突き抜けを防止することが可能なもの(電子ブロック性材料)であることが好ましい。これにより、発光層内での正孔及び電子の再結合効率を高めることができるからである。
このような正孔輸送性材料としては、例えば、アリールアミン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体、フルオレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、スピロ化合物等を挙げることができる。
アリールアミン誘導体の具体例としては、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)−ベンジジン(α−NPD)等が挙げられ、トリフェニルアミン誘導体の具体例としては、コポリ[3,3’−ヒドロキシ−テトラフェニルベンジジン/ジエチレングリコール]カーボネート(PC−TPD−DEG)、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等を挙げることができる。
アントラセン誘導体の具体例としては、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(9,10−アントラセン)]、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(DNA)等を挙げることができる。
カルバゾール誘導体の具体例としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、4,4−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)等を挙げることができる。
ジスチリルアリーレン誘導体の具体例としては、1,4−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ベンゼン(DPVBi)等を挙げることができる。
チオフェン誘導体の具体例としては、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(ビチオフェン)]等を挙げることができる。
フルオレン誘導体の具体例としては、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4’−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)](TFB)等を挙げることができる。
スピロ化合物の具体例としては、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−co−(9,9’−スピロ−ビフルオレン−2,7−ジイル)]等を挙げることができる。
これらの材料は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(4)電子輸送層
発光層と陰極の間、或いは、発光層と電子注入層の間には、電子輸送層が形成されていてもよい。電子輸送層の構成材料としては、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な電子輸送性材料であれば特に限定されるものではない。中でも、電子輸送性材料は、電子移動度が高いものであることが好ましい。さらに、電子輸送性材料は、正極から移動してきた正孔の突き抜けを防止することが可能なもの(正孔ブロック性材料)であることが好ましい。これにより、発光層内での正孔および電子の再結合効率を高めることができるからである。
電子輸送性材料としては、例えば、オキサジアゾール類、トリアゾール類、フェナントロリン類、シロール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、アルミニウム錯体等を挙げることができる。具体的には、オキサジアゾール誘導体としては(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)等が挙げられ、フェナントロリン類としてはバソキュプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が挙げられ、アルミニウム錯体としてはトリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体(BAlq)等が挙げられる。
電子輸送層の厚みとしては、電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されるものではない。また、電子輸送層の形成方法としては、蒸着法を用いることができる。
(5)電子注入層
発光層と陰極の間、或いは、電子輸送層と陰極の間には、電子注入層が形成されていてもよい。電子注入層の構成材料は、発光層内への電子の注入を安定化させることができる電子注入性材料であれば特に限定されるものではない。
例えば、アルミニウム、ストロンチウム、カルシウム、リチウム、セシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化セシウム、ポリメチルメタクリレートポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ金属の有機錯体等を挙げることができる。中でも、アルカリ土類金属のフッ化物を用いることが好ましい。アルカリ土類金属のフッ化物は、有機EL層の安定性および寿命を向上させることができるからである。
電子注入層の厚みとしては、電子注入機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されるものではない。また、電子注入層の形成方法としては、蒸着法を用いることができる。
以上、EL層を構成する層として、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層及び電子輸送層について説明したが、EL層はこれら層以外の種々の機能を備えていてもよい。
[耐熱性保護材料の合成]
(合成例1)
4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP:Tg111℃、融点は111℃以上)のカルバゾール基へ、親水基としてホスフィンオキシドを有する基を付加したもの(下記式(1))を合成した(CAP−Aとする)。
尚、CAP−Aのガラス転位温度及び融点は、CDBPと同等と考えることができる。
Figure 0005407241
(合成例2)
4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン(DMFL−CBP:Tg131℃、融点は131℃以上)のカルバゾール基へ、親水基としてホスフィンオキシドを有する基を付加したもの(下記式(2))を合成した(CAP−Bとする)。
尚、CAP−Bのガラス転位温度及び融点は、DMFL−CBPと同等と考えることができる。
Figure 0005407241
[耐熱性保護材料の合成]
(合成例3)
ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)(α−NPD:Tg=95℃、融点は95℃以上)のフェニル基へ、親水基としてホスフィンオキシドを有する基を付加したもの(下記式(3))を合成した(CAP−Cとする)。
尚、CAP−Cのガラス転位温度及び融点は、α−NPDと同等と考えることができる。
Figure 0005407241
[保護材料の合成]
(合成例4)
1,1−ビス−(4−ビス(4−メチルフェニル)−アミノフェニル)−シクロヘキサン(Tg=78℃)のシクロヘキシル基へ、親水基としてホスフィンオキシドを有する基を付加したもの(下記式(4))を合成した(CAP−Dとする)。
尚、CAP−Dのガラス転位温度及び融点は、1,1−ビス−(4−ビス(4−メチルフェニル)−アミノフェニル)−シクロヘキサンと同等と考えることができる。
Figure 0005407241
[保護材料の合成]
(合成例5)
N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン(TPD:Tg=60℃)のフェニル基へ、親水基としてホスフィンオキシドを有する基を付加したもの(下記式(5))を合成した(CAP−Eとする)。
尚、CAP−Eのガラス転位温度及び融点は、TPDと同等と考えることができる。
Figure 0005407241
[量子ドット表面への耐熱性保護材料の付着]
(CAP−Aの付着)
まず、上記にて合成したCAP−Aにトルエンを加えて攪拌、溶解し、CAP−Aのトルエン溶液を得た。
続いて、表面にTOPO(融点50〜54℃)が付着したコアシェル型量子ドット(エヴィデントテクノロジーズ社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、発光波長:520nm)[QD−TOPOとする]のトルエン分散液へ、攪拌しながら、アルゴンガス雰囲気下、室温(26℃)にて、CAP−Aのトルエン溶液を滴下した。この反応液を12時間攪拌した後、アルゴンガス雰囲気から大気雰囲気へ変更し、蒸発飛散した量のトルエンを添加した後、エタノールを適量、滴下した。
次いで、遠心分離によって沈殿物を反応液から分離した。さらに、得られた沈殿物をトルエンと混合して分散液とし、この分散液にエタノールを滴下することにより再沈殿させ、精製された沈殿物を得た。
得られた再沈殿液を遠心分離し、CAP−Aが付着したコアシェル型量子ドットの精製物[QD−Aとする]を得た。
(CAP−B〜CAP−Eの付着)
上記CAP−Aの付着において、CAP−Aのトルエン溶液の代わりに、それぞれ、CAP−Bのトルエン溶液、CAP−Cのトルエン溶液、CAP−Dのトルエン溶液、CAP−Eのトルエン溶液を用いること以外は同様にして、CAP−Bが付着したコアシェル型量子ドットの精製物[QD−Bとする]、CAP−Cが付着したコアシェル型量子ドットの精製物[QD−Cとする]、CAP−Dが付着したコアシェル型量子ドットの精製物[QD−Dとする]、CAP−Eが付着したコアシェル型量子ドットの精製物[QD−Eとする]を得た。
(実施例1)
ガラス基板上に、まず、酸化インジウム錫(ITO)の薄膜(厚み:150nm)をスパッタリング法により成膜して、陽極を形成した。陽極が形成された基板を洗浄し、UVオゾン処理を施した。
その後、大気中にて、ITO薄膜上にポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)の溶液をスピンコート法により塗布し、乾燥させて、正孔注入層(厚み:20nm)を形成した。
次に、低酸素(酸素濃度:0.1ppm以下)、低湿度(水蒸気濃度:0.1ppm以下)状態のグローブボックス中にて、上記正孔注入層上に4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン(DMFL−CBP)及びQD−Aをトルエンと混合した混合溶液をスピンコートし、発光層(厚み:40nm)を形成した。上記混合溶液におけるDMFL−CBPとQD−Aの重量比は、DMFL−CBP/QD−A=9/5となるようにした。
上記発光層まで形成された基板に対し、真空中(圧力:5×10−5Pa)にて、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体(BAlq)を抵抗加熱蒸着法により成膜し、正孔ブロック層(厚み:60nm)を形成した。
さらに、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq)(厚み:20nm)、LiF(厚み:0.5nm)、Al(厚み:150nm)をこの順で抵抗加熱蒸着法により成膜し、電子輸送層、電子注入層、陰極を形成した。
さらに、低酸素(酸素濃度:0.1ppm以下)、低湿度(水蒸気濃度:0.1ppm以下)状態のグローブボックス中にて、無アルカリガラスにより封止し、EL素子を得た。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
表1に、各実施例、比較例における発光層の量子ドットの保護材料のTg及び融点、並びに、発光層成膜後の加熱処理の有無及び加熱処理条件について示す。
Figure 0005407241
(実施例2)
量子ドットとしてQD−Aの代わりにQD−Bを用いたことを除いては、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
(実施例3)
発光層の成膜後に、膜に残留した溶媒を除去するため、グローブボックス中にてホットプレート上で30分間120℃に加熱したことを除いては、実施例2と同様にしてEL素子を作製した。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
(実施例4)
発光層の成膜後に、膜に残留した溶媒を除去するため、グローブボックス中にてホットプレート上で30分間90℃に加熱したことを除いては、実施例2と同様にしてEL素子を作製した。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
(実施例5、実施例6)
発光層の成膜後に、膜に残留した溶媒を除去するため、グローブボックス中にてホットプレート上で30分間120℃に加熱(実施例5)、或いは、30分間90℃に加熱(実施例6)したことを除いては、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
(実施例7〜実施例9)
量子ドットとしてQD−Aの代わりにQD−Cを用いたことを除いては、実施例2〜実施例4と同様にしてEL素子を作製した(実施例7:加熱処理なし、実施例8:30分120℃の加熱処理、実施例9:30分90℃の加熱処理)。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
(比較例1)
量子ドットとしてQD−Aの代わりにQD−TOPOを用いたことを除いては、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られた。また、EL素子を肉眼で観察した範囲では、ダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。
(比較例2)
発光層の成膜後に、膜に残留した溶媒を除去するため、グローブボックス中にてホットプレート上で30分間120℃に加熱したことを除いては、比較例1と同様にしてEL素子を作製した。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、量子ドットに起因した発光が見られたが、発光状態は均一ではなく、ムラが生じていた。
(比較例3〜比較例5)
量子ドットとしてQD−Aの代わりにQD−Dを用いたことを除いては、実施例2〜実施例4と同様にしてEL素子を作製した(比較例3:加熱処理なし、比較例4:30分120℃の加熱処理、比較例5:30分90℃の加熱処理)。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、比較例3では、量子ドットに起因した発光が見られ、また、EL素子を肉眼で観察した範囲ではダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。一方、発光層の成膜後に加熱処理を行った比較例4(30分120℃)及び比較例5(30分90℃)では、量子ドットに起因した発光が見られたが、発光状態は均一ではなく、ムラが生じていた。
(比較例6〜比較例8)
量子ドットとしてQD−Aの代わりにQD−Eを用いたことを除いては、実施例2〜実施例4と同様にしてEL素子を作製した(比較例6:加熱処理なし、比較例7:30分120℃の加熱処理、比較例8:30分90℃の加熱処理)。
得られたEL素子の陽極と陰極の間に電圧を印加し、基板平面に対して垂直な方向へ発光された光の輝度を測定したところ、比較例6では、量子ドットに起因した発光が見られ、また、EL素子を肉眼で観察した範囲ではダークスポット等の発光欠陥は生じていなかった。一方、発光層の成膜後に加熱処理を行った比較例7(30分120℃)及び比較例8(30分90℃)では、量子ドットに起因した発光が見られたが、発光状態は均一ではなく、ムラが生じていた。
[初期特性評価]
上記にて得られた実施例1〜実施例9、比較例1〜8のEL素子について、定電流を流し、輝度100cd/m時の電流効率を測定した。
同じ保護材料を用いた実施例1、5〜6、実施例2〜4、実施例7〜9の初期特性を比較すると、加熱プロセスの有無によらず、それぞれ同程度の電流効率を示した。
これに対して、同じ保護材料が用いられた比較例1と比較例2との対比では、発光層の成膜後、加熱処理を施した比較例2の素子は発光状態が均一でなく、電流効率も比較例1の素子より低かった。同様の結果が、比較例3〜5、及び比較例6〜8においても得られた。すなわち、比較例3と比較例4〜5との対比、並びに、比較例6と比較例7〜8との対比において、加熱処理を施した比較例4〜5、比較例7〜8は、発光状態が不均一であると共に電流効率も低くなった。これは、比較例2、比較例4〜5、比較例7〜比較例8の素子において、加熱プロセスにより発光層における量子ドットの凝集が生じたためであると考えられる。
[耐久性評価]
上記にて得られた実施例1〜9、比較例1〜8のEL素子について、輝度100cd/mとなる電流密度で定電流駆動し、輝度50cd/mとなるまでの時間(寿命)を測定したところ、比較例1よりも実施例1〜実施例9及び比較例3〜8の素子の方が寿命が長かった。
また、用いた保護材料が同じ場合、加熱処理を行うことで素子の寿命が長くなった。具体的には、実施例1と実施例5〜6、実施例2と実施例3〜4、実施例7と実施例8〜9、比較例3と比較例4〜5、比較例6と比較例7〜8、それぞれの対比において、加熱処理を施した素子は加熱処理を行わなかった素子よりも寿命が長かった。これは、加熱処理によって、膜(発光層)に残留していた溶媒の除去率が高まったためである。特に、Tgが120℃以上のCAP‐Bについては、120℃の加熱処理による溶媒の除去効果が高く、120℃の加熱処理を行った実施例3は、90℃の加熱処理を行った実施例4と比較して優れた寿命特性を示した。
また、発光層の成膜後における加熱処理条件が同じであれば、素子の寿命の長さは、CAP−B(実施例2〜4)>CAP−A(実施例1、5〜6)>CAP−C(実施例7〜9)>CAP−D(比較例3〜5)>CAP−E(比較例6〜8)、という順番となった。つまり、発光層に含まれる量子ドットの保護材料のTg及び融点が高い程、素子の寿命は長かった。特に、Tg及び融点が90℃以上であるCAP−C(実施例7〜9)と90℃未満であるCAP−D(実施例3〜5)との寿命の差は大きく、量子ドットの保護材料としてTg及び融点が90℃以上の材料を用いることで、素子の寿命特性を大きく向上させることが可能であることがわかった。
本発明のEL素子の一形態例を示す断面概略図である。 本発明のEL素子の他の一形態例を示す断面概略図である。
符号の説明
1…EL素子
2…基板
3…陽極
4…発光層
5…正孔輸送層
6…EL層
7…陰極
8…電子注入層

Claims (4)

  1. 一対の電極と、該電極間に配置され、少なくとも発光層を含むエレクトロルミネッセンス層と、を備えるエレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記発光層は、少なくとも1種の保護材料によりその表面が保護された量子ドットを含有しており、該保護材料の少なくとも1種が、
    下記官能基よりなる群:
    カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、スルホン酸基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸基、ホスフィン基、及び、ホスフィンオキシド基
    から選ばれる一つ以上の親水基が、
    下記残基よりなる群:
    4,4’,4’’−トリス[2−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン、
    4,4’,4’’−トリ[N−カルバゾールイル]トリフェニルアミン、
    ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン)、
    1,3−ビス[2−(2,2’‐ビピリジン‐6‐イル)‐1,3,4‐オキサジアゾ‐5‐イル]ベンゼン、
    3‐tert‐ブチル‐9,10‐ジ(ナフト‐2−イル)アントラセン、
    2,2’,7,7’-テトラキス(2,2’−ジフェニルビニル)スピロ−9,9’‐ビフルオレン、
    1,3‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)ベンゼン、
    4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル、
    4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジメチル‐フルオレン、4,4’‐ビス(カルバゾール‐9‐イル)‐9,9‐ジ‐トルイル‐フルオレン、
    2,7‐ビス(9‐カルバゾールイル)‐9,9‐スピロビフルオレン、
    2,2’,2’’‐(1,3,5‐ベンゼントリイル)-トリス(1‐フェニル‐1‐H‐ベンズイミダゾール)、
    トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体、
    及び、ビス(2−メチル−8−キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム錯体それぞれの残基
    から選ばれる疎水基に直接結合してなる、90℃以上のガラス転位温度及び融点を有する化合物であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記保護材料のガラス転位温度及び融点が130℃以上である、請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記発光層は、さらに、ガラス転位温度及び融点が90℃以上の少なくとも1種のバインダー成分を含有する、請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記発光層を構成する全成分のガラス転位温度及び融点が90℃以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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