JP5406765B2 - バンド搬送装置 - Google Patents

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Description

この発明は、バンド成形ドラム上で成形された円筒形状をなすタイヤ成形用のバンドを該バンド成形ドラムと同軸上に位置するシェーピングドラムに搬送し、該バンドをシェーピングドラムに搬送した後にシェーピングドラムから退去するバンド搬送装置に関するものである。
タイヤの成形にあたっては、バンド成形ドラム上にてタイヤ構成部材のインナーライナ、カーカス、ビード等を組み立てて円筒形状のバンドを形成し、このバンドをバンド搬送装置によりシェーピングドラムに搬送し、シェーピングドラムでバンドを所定形状にシェーピングするとともにベルト・トレッド組立体をカーカスに接着させる。そして空になったバンド搬送装置はシェーピングドラムから退去させるが、このときシェーピングドラムにセットしたバンドを傷つけたり位置ずれを生じさせたりしないために該バンドとの干渉を回避しなければならない。
このため、特許文献1には、バンドをシェーピングドラムへ搬送するときには、円環状の支持リングに配置された複数のホルダをリンク機構を介して径方向内側に同期して移動させてバンドを保持するようにし、シェーピングドラムから退去するときには、上記複数のホルダを径方向外側に後退させることにより、シェーピングドラムにセットしたバンドとの干渉を避けるようにしたバンド・ビード供給機が提案されている。
また、特許文献2には、図8(a)に示すように、左右で対をなすトランスファシュー100a、100bを、左側のトランスファシュー100aの脚部と右側のトランスファシュー100bの脚部とを左右方向にシリンダ等により移動させることによって開閉可能とし、シェーピングドラムから退去するときには、左右のトランスファシュー100a、100bを開放することにより、シェーピングドラムにセットしたバンド(ビードが既にセットされている場合はビード)との干渉を避けるようにしたバンドトランスファが提案されている。
特開平3−7328号公報 実開昭63−191019号公報
しかしながら、特許文献1に記載のバンド・ビード供給機は、支持リングに配置されたホルダの後退動作のみによってシェーピングドラムにセットしたバンドとの干渉を避けるものであるので、各ホルダの後退代を大きく確保するために支持リングを大きく(大径に)形成しなければならず、装置の大型化および重量増しが避けられないものとなっている。
また、特許文献2に記載のバンドトランスファは、左右のトランスファシュー100a、100bが左右方向のみに移動するものであるので、図8(a)に示すように、シェーピングドラムにセットしたバンド(ビードが既にセットされている場合はビード)との干渉を避けるにあたって、左右のトランスファシュー100a、100bを開放させた際に側方へのはみ出し量Δdが大きくなり、設置スペースが増大してしまう。また、このバンドトランスファでは、バンドの保持姿勢において、左右のトランスファシュー100a、100bの間に隙間を有しバンドの上部および下部がこれらのトランスファシュー100a、100bによって保持されないので、トランスファシュー100a、100bによってバンドを保持した際にバンドが歪んだり、シェーピングドラムにセットした際にバンドの軸心とシェーピングドラムの軸心に芯ずれが生じたりするおそれがある。これを防止するために、図8(b)に対比して説明するように、左右のトランスファシュー100a、100bの間に隙間を設けず、バンドの全周をトランスファシュー100a、100bで保持するようにした場合には、トランスファシュー100a、100bを開放した際の側方へのはみ出し量Δdがさらに大きくなってしまう。
それゆえこの発明は、シェーピングドラムへのバンドのセット精度を良好に保ちつつも省スペース化を実現でき、しかも小型かつ軽量なバンド搬送装置を提供することを目的とする。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、この発明のバンド搬送装置は、バンド成形ドラム上で成形された円筒形状をなすタイヤ成形用のバンドを該バンド成形ドラムと同軸上に位置するシェーピングドラムに搬送し、バンドをシェーピングドラムに搬送した後にシェーピングドラムから退去するバンド搬送装置において、上記バンド成形ドラムと上記シェーピングドラムとの間で軸心方向に沿って移動する搬送基台と、上記搬送基台に対して近接方向および離間方向に移動可能に設けられ、周方向に二以上の枠片に分割されて上記搬送基台と向き合う側とは反対側にて開閉可能な環状の枠体と、
上記搬送基台と上記枠体との間を連結するとともに該枠体を搬送基台に対して近接方向および離間方向に移動させる枠体移動手段と、上記枠体を上記搬送基台と向き合う側とは反対側にて開閉させる開閉手段と、上記枠体に周方向に略均等に配置され、上記枠体よりも径方向内側にて上記バンドを保持する進出位置と該進出位置よりも径方向外側に後退した後退位置との間で径方向に沿って進退移動可能な複数の保持具と、各保持具同士を作動連結して該保持具を上記進出位置と上記後退位置との間で同期して進退移動させるリンク機構と、を備え、上記シェーピングドラムからの退去時に、上記枠体移動手段が上記枠体を上記近接方向に移動させるとともに上記開閉手段が上記枠体の上記反対側を開放して、シェーピングドラムに搬送されたバンドとの干渉を回避することを特徴とするものである。
かかるバンド搬送装置にあっては、バンドをシェーピングドラムへ搬送するときには、枠体に支持された保持具をリンク機構を介して径方向内側に同期して移動させ、保持具にバンドを保持させる。一方、シェーピングドラムから退去するときには、保持具を径方向外側に後退させた後に、枠体移動手段を作動させ枠体を搬送基台側に遠ざけるとともに開閉手段を作動させ枠体の、搬送基台とは反対側を開放させることにより、枠体を側方へ開放しつつ搬送基台側へ向けて移動させる。これにより、バンド搬送装置とシェーピングドラムに搬送されたバンドとの干渉が回避される。
したがってこの発明のバンド搬送装置によれば、枠体の周方向に略均等に配置された保持具によってバンドを保持でき、バンドの保持時および解放時にバンドが歪んだり軸心がずれたりせず、バンドのセット精度を良好に保つことができる。また、枠体を二以上の枠片に分割し、側方へ開放しつつ搬送基台側に向けて移動可能に構成したので、バンド搬送装置の退去時における側方へのはみ出し量を大幅に低減できて省スペース化を実現できる。しかも、保持具の後退動作に加えて枠体の開放によってバンドとの干渉を避けるようにしたので、保持具の後退代を小さくでき、この点も省スペース化に有利に寄与するとともに小型化および軽量化を図ることができる。
なお、この発明のバンド搬送装置にあっては、上記枠体は、周方向に分割された上記枠片の三つよりなり、該三つの枠片のうち第一の枠片は上記枠体移動手段に連結され、第二および第三の枠片は、各々の基端部にて上記第一の枠片の各端部に回動可能に軸支され、上記開閉手段が第二および第三の枠片の各々の基端部を基点に該第二および第三の枠片を回動させることが好ましい。
また、この発明のバンド搬送装置にあっては、上記保持具は、上記第一、第二および第三の枠片の各々に一つ以上配置され、上記第二の枠片および上記第三の枠片に配置された上記保持具のうち最も第一の枠片寄りに位置する保持具と上記第一の枠片に配置された上記保持具うち最も第二および第三の枠片寄りに位置する保持具との間の、上記リンク機構を介した連結を、択一的に作動連結状態と該作動連結を解除した非作動連結状態とに切替える切替え手段を備えることが好ましい。
さらに、この発明のバンド搬送装置にあっては、上記保持具を上記後退位置にてロックするロック手段を備えることが好ましい。
しかも、この発明のバンド搬送装置にあっては、上記保持具は、上記バンドを内周面側から保持するものであることが好ましい。
かくしてこの発明によれば、シェーピングドラムへのバンドのセット精度を良好に保ちつつも省スペース化を実現でき、しかも小型かつ軽量なバンド搬送装置を提供できる。
(a)〜(e)は、この発明に従う一実施形態のバンド搬送装置を用い、バンド成形ドラムからシェーピングドラムまでバンドを搬送する際の一連の動作を説明した概略図である。 上記実施形態の、保持具縮小状態におけるバンド搬送装置を示す図であり、図1中のA−A矢視図である。 保持具の一つを拡大して示す図であり、(a)は図2中のB矢視図、(b)は図4中のC矢視図である。 上記実施形態の、保持具拡大状態におけるバンド搬送装置を示す図であり、図1中のD−D矢視図である。 上記実施形態の、枠体を側方へ開放した状態におけるバンド搬送装置を示す図であり、図1中のE−E矢視図である。 バンド搬送装置を補助するビードセッターを示す図であり、(a)は図1中のF−F矢視図であり、(b)は図6(a)中のG−G矢視図である。 この発明に適用可能な他の枠体移動手段および開閉手段を示す図である。 従来のバンドトランスファをそれぞれ説明する図であり、(a)は左右に対向するトランスファシュー間に隙間を有するものを示し、(b)は左右に対向するトランスファシュー間に隙間の無いものを示している。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、この実施形態のバンド搬送装置1は、バンド成形ドラム2とシェーピングドラム3との間に配置され、バンド成形ドラム2上でインナーライナ、カーカス等が順次組み立てられてなる円筒形状のバンドCBを、シェーピングドラム3に搬送するものである。バンド成形ドラム2およびシェーピングドラム3は各々、主軸2a、3aを介して駆動装置2b、3bに回転可能に片持ち支持されている。また、この実施形態のバンド搬送装置1は、バンドCBの端部を内周側から保持するものであるが、バンドCBの幅方向の中央部を外周側から保持するものであってもよい。また、バンド成形ドラム2とバンド搬送装置1との間には、バンド成形ドラム2上のバンドCBに一組のビードBをセットするとともに、バンド搬送装置1によるバンドCBの搬送を補助する一対のビードセッター4が設けられている。
図2に、バンド搬送装置1の詳細を示すように、このバンド搬送装置1は、バンド成形ドラム2とシェーピングドラム3との間で軸心X方向に沿って移動する搬送基台5と、搬送基台5に対して近接方向および離間方向(ここでは上下方向)に移動可能に設けられ、かつ、周方向に二以上(ここでは三つ)の枠片6a、6b、6cに分割されて搬送基台5と向き合う側とは反対側(上側)にて開閉可能な環状の枠体6と、搬送基台5と枠体6との間を連結するとともに該枠体6を該搬送基台5に対して上下方向に移動させる枠体移動手段としてのシリンダ7と、枠体6を上側にて開閉させる開閉手段としてのシリンダ8と、枠体6に周方向に略均等に配置され、枠体6よりも径方向内側にてバンドCBを保持する進出位置と該進出位置よりも径方向外側に後退した後退位置との間で径方向に沿って進退移動可能な複数の保持具9と、各保持具9同士を作動連結して該保持具9を進出位置と後退位置との間で同期して進退移動させるリンク機構11と、を備えている。
搬送基台5は、バンド成形ドラム2からシェーピングドラム3まで敷設されたレール12と摺動可能に係合するガイド手段としてのスライドベアリング13を下面にもつベースプレート14と、ベースプレート14の下面に設けられ、搬送基台を駆動する駆動手段としてのモータ15からの回転力が伝達されるピニオンギア16と、を有し、ピニオンギア16が、バンド成形ドラム2およびシェーピングドラム3の軸心Xに沿って敷設されたラックギア17と噛合することで搬送基台5は軸心Xに沿ってバンド成形ドラム2とシェーピングドラム3との間で移動する。
枠体移動手段として設けられたシリンダ7は、搬送基台5のベースプレート14に垂直に固定され、空圧または油圧により駆動されるものであるが、これに代えてねじ機構を用いて枠体6を上下方向に移動するよう構成してもよい。なお、シリンダ7による枠体7の上下移動は、枠体6の下部から下方に延びるガイド軸10aと該ガイド軸10aを摺動可能に案内する軸受10bとにより案内される。
枠体6は、ここでは全体として円環形状をなし、周方向に分割された三つの円弧形状の枠片6a、6b、6cからなる。これらの枠片6a、6b、6cのうち、第一の枠片6aは枠体移動手段としてのシリンダ7のピストンロッド7aに連結されており、第二および第三の枠片6b、6cは、各々の基端部にて第一の枠片6aの各端部にヒンジ19を介して回動可能に軸支されている。よって、枠体6は、シリンダ7の作動により上下方向に移動する。
枠体6の上側を開閉させる開閉手段としてのシリンダ8は各々、ヒンジ19を跨ぐように第一の枠片6aと第二および第三の枠片6b、6cとの間を連結し、各々のシリンダ8の基端部は第一の枠片6aに連結され、各々のシリンダ8のピストンロッド8aの先端部は第二および第三の枠片6b、6cに連結されている。よって、シリンダ8の作動により第二の枠片6bおよび第三の枠片6cがヒンジ19を基点に回動して、枠体6の上側が開閉する。なお、開閉手段としてはラック・ピニオン等の歯車機構を用いてもよい。
保持具9はここでは六つ設けられ、第一、第二および第三の枠片6a、6b、6cの各々に一つ以上(ここでは二つずつ)配置されている。図3に示すように、各保持具9は、枠片6a、6b、6cに形成されたアリ溝20に嵌合する突出部21をもつ移動ブロック22と、移動ブロック22の下端(径方向内端)に一体に設けられ、バンドCBの内周面または外周面(ここでは内周面)に沿った形状を有する円弧形状の当接板23とを有する。当接板23には、軽量化のために複数の開口23aを設けてもよい。また、保持具9の移動ブロック22には、後述するベルクランク26のクランクピン26aを案内する長孔形状のガイド溝24が形成されている。
図2に示すように、リンク機構11は、リンク機構11を駆動する駆動部25と、駆動部25による回転運動を、直線運動すなわち保持具9の径方向に沿った進退運動に変換するベルクランク26と、各ベルクランク26同士をつないで駆動部25からの回転運動を伝達するリンクアーム27とを有してなる。ヒンジ19の両側に位置するベルクランク26同士をつなぐリンクアーム27は、互いに回動自在に連結された二以上(ここでは二つ)の分割アーム27a、27bからなる。駆動部25は、第一の枠片6aの下部にブラケット29を介して取り付けられたシリンダ30と、シリンダ30のピストンロッド30aに連結され上下に直線運動するラックギア31と、ラックギア31からの直線運動により左右に回転するピニオンギア32とからなる。ピニオンギア32には、駆動部25に最も近い保持具9を進退移動させるベルクランク26が固定されている。また、全てのベルクランク26は、保持具9の移動ブロック22に形成されたガイド溝24内を摺動するクランクピン26aを有している。よって、リンク機構11のシリンダ30を作動すると駆動部25に最も近いベルクランク26が回転し、その回転力がリンクアーム27を介してとなりに位置するベルクランク26に順次伝達され、これにより、全ての保持具9は同期して径方向に沿って進退移動する。
またこのバンド搬送装置1は、ヒンジ19の両側に位置する保持具9、すなわち第二の枠片6bおよび第三の枠片6cに配置された保持具9のうち最も第一の枠片6a寄りに位置する保持具9と第一の枠片6aに配置された保持具9うち最も第二および第三の枠片6b、6c寄りに位置する保持具9との間の、リンク機構11を介した連結を、択一的に作動連結状態と該作動連結を解除した非作動連結状態とに切替える切替え手段としてのシリンダ34を備えている。シリンダ34は、ヒンジ19の両側に位置するベルクランク34をつなぐ二つの分割アーム27a、27bの相対回動を択一的に許可および停止するものである。具体的には、二つの分割アーム27a、27bのうち一方(ここでは上側に位置する分割アーム27a)の端部に、他方の分割アーム27bに取り付けられたシリンダ34のピストンロッド34aが挿入されるための穴27a(図5参照)が設けており、シリンダ34のピストンロッド34aを突出させるとともに当該穴27aに挿入すると分割アーム27a、27bが相互に固定され、反対にシリンダ34のピストンロッド34aを引っ込めると、二つの分割アーム27a、27bが自由に相対回動可能となる。なお、シリンダ34に代えて電磁石(図示省略)を用い、電磁石への通電のオフ・オンにて二つの分割アーム同士の相対回動を許可および停止可能に構成してもよい。
さらにこのバンド搬送装置1は、ヒンジ19よりも上方に位置する第二および第三の枠片6b、6cに配置された保持具9を任意の後退位置、ここでは最終後退位置(保持具が最も径方向外側に後退した位置)にてロックするロック手段としてのシリンダ36を備えている。具体的には、シリンダ36は第二の枠体6bおよび第三の6cにそれぞれ固定されている。また、第二および第三の枠片6b、6cに配置された保持具9のうち最もヒンジに近い保持具9には、シリンダ36のピストンロッド36aが挿入される穴37aをもつ固定プレート37が設けられている。固定プレート37とシリンダ36とは、保持具9が最終後退位置に後退した状態にてそれらの穴37aおよびピストンロッド36aが一致するよう予め位置決めされている。よって、保持具9の最終後退位置にてシリンダ36のピストンロッド36aを突出させるとともに保持具9の固定プレート37の穴37aに挿入することにより、保持具9は枠体6a、6bに対して最終後退位置に位置固定される。なお、シリンダ36に代えて電磁石(図示省略)を用い、電磁石への通電のオンオフにて保持具9を枠体6b、6cに対して位置固定およびその解除を行うように構成してもよい。
ところで、バンド搬送装置1により、搬送時にバンドCBの端部を保持する場合には、図1に示すビードセッター4によってバンドCBを補助的に保持することにより、より安定してバンドCBを搬送できるようになるが、ビードセッター4としては、バンド搬送装置1と同様に、シェーピングドラム3からの退去時にバンドCB(ビードBが配置されている場合にはビードB)との干渉を避け得るものが好ましく、以下にその一例を説明する。
ビードセッター4は、バンド成形ドラム2上のバンドCBに対して、軸心X方向に所定の間隔を空けて一組のビードBを供給するものであり、図1に示すように、ビードBを保持および解放可能であるビード保持部材40と、ビード保持部材40を支持するとともにビード保持部材40を軸心Xに沿って可動に案内する搬送手段としての搬送基台41と、を備えてなる。なお、ビードセッターの搬送基台41は、バンド搬送装置1の搬送基台5とほぼ同様の構成であるので、同様の符号(「’」付き)を付してその説明を省略する。
図6に代表して一方のビードセッター4を示すに、ビード保持部材40は、各々円弧形状を持ち互いに近接した状態(以下、「閉状態」という)にて協働して円環形状を形成する第一の弧状体40a、第二の弧状体40bおよび第三の弧状体40cを有している。また、各弧状体40a、40b、40cは、それぞれの内端部にビードBを吸着保持する多数の磁石42が円弧状に配設されている。
第一の弧状体40aは、搬送基台41に対向して配置されるとともに、ベースプレート14’に垂直に固定された空圧または油圧により駆動される第一の弧状体駆動用の移動手段としてのシリンダ43のピストンロッド43aの先端に連結されている。これにより、第一の弧状体40aは、バンド成形ドラム2の軸心Xに直交する面内で径方向に沿って上下に移動自在に設けられている。第二および第三の弧状体40b、40cは、第一の弧状体40aの両側に互いに対向して配置されている。第二および第三の弧状体40b、40cは、上記閉状態にてそれらの上端が互いに接触する円周方向長さを有する。第二および第三の弧状体40a、40bの下端には、外側に向けて突出部40b、40cがそれぞれ連設されている。各突出部40b、40cの先端には、ベースプレート14’に立設されたブラケット44に固定された揺動支点としてのピン45に支持された揺動アーム46の一端がそれぞれ連結されている。揺動支点としてのピン45は、上記閉状態のビード保持部材40の径方向外側でかつ第二および第三の弧状体40b、40cとベースプレート14’との間に配置されている。各揺動アーム46の他端はそれぞれ、ベースプレート14’に略水平に取り付けられた空圧または油圧により駆動されるシリンダ47のピストンロッド47aの先端に連結されている。これらの揺動アーム46、ピン45およびシリンダ47は、第二および第三の弧状体40b、40cを揺動させる揺動手段を構成する。
よって、図6に仮想線および矢印で示すように、ベースプレート14’に垂直に取り付けられたシリンダ43のピストンロッド43aを引っ込めると、第一の弧状体40aが下方に移動し、シリンダ47のピストンロッド47aを引っ込めると、第二および第三の弧状体40b、40cが、揺動アーム46を介して軸心Xに直交する面内で外側に揺動展開する。なお、各弧状体40a、40b、40cを外側に展開した状態(図6に仮想線で示す状態であり、以下、「展開状態」という)にて、各弧状体40a、40b、40cの最内端P40a、P40b、P40cがそれぞれ、図6中に仮想線で示すバンドCB上のビードBの最外径位置Boutよりも径方向外側に位置するように、各シリンダ43、47のピストンロッド43a、47aの進退距離は設定されている。このビードセッター4を用いれば、シェーピングドラム3にセットしたバンドCB上のビードBとの干渉を回避する際の、ビード保持部材40の側方へのはみ出し量Δdを大幅に低減することができる。
次いで、これらのバンド搬送装置1およびビードセッター4を用いてバンド成形ドラム2上のバンドCBをシェーピングドラム3に搬送する方法について説明する。
図1(a)では、バンド成形ドラム2にて、タイヤ構成部材のインナーライナやカーカス等が巻き付けられ円筒形状のバンドCBが形成され、そのバンドCB上にビードセッター1によってフィラーまたはスティフナー付のビードBがセットされている。
バンド搬送装置1においては、先ず、図2に示すように、枠体移動手段としてのシリンダ7のピストンロッド7aおよび開閉手段としてのシリンダ8のピストンロッド8aを突出させて枠体6を閉じた状態にて、リンク機構11のシリンダ30のピストンロッド30aを引っ込めて保持具9の当接板23をバンドCBよりも径方向内側に位置させる。なお、リンク機構11のシリンダ30を作動する際には、予め切替え手段としてのシリンダ34のピストンロッド34aを分割アーム27aの穴27a内に挿入し、全ての保持具9を作動連結しておくことが必要である。次いで、図1(b)に示すように、当接板23をバンドCBの端部内側に挿入し、リンク機構11を作動して全ての保持具9を同時に径方向外側に後退させ、保持具9によってバンドCBを保持する。このとき各保持具9は同期して径方向外側に移動するので、バンドCBは保持具9に均一に保持され、バンドCBの軸心がバンド成形ドラム2の軸心Xに対してずれたりバンドCBが変形したりすることがない。
次いで、図1(c)に示すように、バンド搬送装置1およびビードセッター4をシェーピングドラム3まで移動させ、バンドCBをシェーピングドラム3にセットする。
次いで、バンド搬送装置1およびビードセッター4をシェーピングドラム3から退去させるが、バンド搬送装置1をシェーピングドラム3から退去させる際には、図1(d)に示すように、リンク機構11を作動して保持具9を一旦径方向内側に移動させることにより保持具9によるバンドCBの保持を解除した後に、図3(b)および図4に示すように、保持具9を径方向外側に移動させるとともに、ロック手段としてのシリンダ36により保持具9を最終後退位置にて枠片6b、6cに対して固定する。そして、枠体移動手段としてのシリンダ7のピストンロッド7aを引っ込めて枠体6を下方に移動させるとともに、開閉手段としてのシリンダ8のピストンロッド8aを引っ込めて第二および第三の枠片6b、6cをヒンジ19を基点に側方に展開して枠体6の上側を開放した状態にて、図1(e)に示すように、バンド搬送装置1をシェーピングドラム3から退去させる。これにより、枠体6の最内端Pは、セットしたバンドCB上のビードBの最外径位置Boutよりも径方向外側に位置するため、バンド搬送装置1の退去時にバンド搬送装置1とバンドCB上のビードBとが干渉することがない。なお、第二および第三の枠片6b、6cをヒンジ19を基点に回動させる際には、予め切替え手段としてのシリンダ34のピストンロッド34aを引っ込めて分割アーム27a、27b同士が自由に回動できるようにしておく必要がある。
一方、ビードセッター4をシェーピングドラム3から退去させる際には、図6(a)に仮想線で示すように、シリンダ43、47のピストンロッド43a、47aを引っ込めてビード保持部材40の第一、第二および第三の弧状体40a、40b、40cを外側に展開させた状態にて、図1(e)に示すように、ビードセッター1をシェーピングドラム3から退去させる。これにより、第一、第二および第三の弧状体40a、40b、40cの最内端P40a、P40b、P40cはセットしたバンドCB上のビードBの最外径位置Boutよりも径方向外側に位置するため、ビードセッター4の退去時にビード保持部材40とバンドCB上のビードBとが干渉することはない。
したがってかかる実施形態のバンド搬送装置1によれば、枠体6の周方向に略均等に配置された保持具9によってバンドCBを保持でき、バンドCBの保持時および解放時にバンドCBが歪んだり軸心がずれたりせず、バンドCBのセット精度を良好に保つことができる。また、枠体6を二以上の枠片6a、6b、6cに分割し、側方へ開放しつつ搬送基台5側に向けて移動可能に構成したので、バンド搬送装置1の退去時における側方へのはみ出し量を大幅に低減できて省スペース化を実現できる。しかも、保持具9の後退動作に加えて枠体6の開放によってバンドCBとの干渉を避けるようにしたので、保持具9の後退代を小さくでき、この点も省スペース化に有利に寄与するとともに枠体6を小さく形成し得るため小型化および軽量化を図ることができる。
また、このバンド搬送装置1によれば、枠体6を、周方向に分割された三つの枠片6a、6b、6cにより構成したことから、枠体6を二分割構造とする場合と比べて、シェーピングドラム3からの退去時における枠体6の側方へのはみ出し量をより低減することができる。
さらに、このバンド搬送装置1によれば、ヒンジ19の両側に位置するベルクランク26をつなぐリンクアーム27を二つの分割アーム27a、27bで構成するとともに、これらの分割アーム27a、27b同士の相対回動する択一的に許可および停止する切替え手段としてのシリンダ34を設けたことから、簡素な構造によって、リンク機構11を介した保持具9の径方向に沿った進退移動と、ヒンジ19を基点とした第二および第三の枠片6b、6cの回動とを確実に実現することができる。
さらに、このバンド搬送装置1によれば、保持具9を最終後退位置にてロックするロック手段としてのシリンダ36を備えていることから、第二および第三の枠片6b、6cをヒンジ19を基点に外側に開いた際に、保持具9が重力により不意に径方向内側に降下してくることがなく、シェーピングドラム3上のバンドCBとの接触をより一層確実に回避することができる。
しかも、このバンド搬送装置1によれば、保持具9によってバンドCBを内周面側から保持することとしたことから、保持具9でバンドCBを保持した際のバンドCBの変形や芯ずれをより確実に防止することができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではない。例えば、保持具は、各枠片に同数設けることが好ましいので、枠体が三つの枠片からなる場合には、製造する生タイヤの大きさに応じて、保持具を三つないし九つとしてもよい。また、枠体移動手段による枠体の上下移動と開閉手段による枠体の開閉とは、上述した例では別個に行うと説明したが、これらの動作を、例えばシリンダおよびリンクを用いて同時に行うこととしてもよい(図7参照)。
かくしてこの発明により、シェーピングドラムへのバンドのセット精度を良好に保ちつつも省スペース化を実現でき、しかも小型かつ軽量なバンド搬送装置を提供することが可能となった。
1 バンド搬送装置
2 バンド成形ドラム
3 シェーピングドラム
4 ビードセッター
5 搬送基台
6 枠体
6a、6b、6c 枠片
7 シリンダ(枠体移動手段)
8 シリンダ(開閉手段)
9 保持具
11 リンク機構
19 ヒンジ
26 ベルクランク
27 リンクアーム
27a、27b 分割アーム
27a
30 シリンダ
31 ラックギア
32 ピニオンギア
34 シリンダ(切替え手段)
36 シリンダ(ロック手段)

Claims (5)

  1. バンド成形ドラム上で成形された円筒形状をなすタイヤ成形用のバンドを該バンド成形ドラムと同軸上に位置するシェーピングドラムに搬送し、バンドをシェーピングドラムに搬送した後にシェーピングドラムから退去するバンド搬送装置において、
    前記バンド成形ドラムと前記シェーピングドラムとの間で軸心方向に沿って移動する搬送基台と、
    前記搬送基台に対して近接方向および離間方向に移動可能に設けられ、かつ、周方向に二以上の枠片に分割されて前記搬送基台と向き合う側とは反対側にて開閉可能な環状の枠体と、
    前記搬送基台と前記枠体との間を連結するとともに該枠体を搬送基台に対して近接方向および離間方向に移動させる枠体移動手段と、
    前記枠体を前記搬送基台と向き合う側とは反対側にて開閉させる開閉手段と、
    前記枠体に周方向に略均等に配置され、前記枠体よりも径方向内側にて前記バンドを保持する進出位置と該進出位置よりも径方向外側に後退した後退位置との間で径方向に沿って進退移動可能な複数の保持具と、
    各保持具同士を作動連結して該保持具を前記進出位置と前記後退位置との間で同期して進退移動させるリンク機構と、を備え、
    前記シェーピングドラムからの退去時に、前記枠体移動手段が前記枠体を前記近接方向に移動させるとともに前記開閉手段が前記枠体の前記反対側を開放して、シェーピングドラムに搬送されたバンドとの干渉を回避することを特徴とするバンド搬送装置。
  2. 前記枠体は、周方向に分割された前記枠片の三つよりなり、該三つの枠片のうち第一の枠片は前記枠体移動手段に連結され、第二および第三の枠片は、各々の基端部にて前記第一の枠片の各端部に回動可能に軸支され、
    前記開閉手段が第二および第三の枠片の各々の基端部を基点に該第二および第三の枠片を回動させる、請求項1に記載のバンド搬送装置。
  3. 前記保持具は、前記第一、第二および第三の枠片の各々に一つ以上配置され、
    前記第二の枠片および前記第三の枠片に配置された前記保持具のうち最も第一の枠片寄りに位置する保持具と前記第一の枠片に配置された前記保持具うち最も第二および第三の枠片寄りに位置する保持具との間の、前記リンク機構を介した連結を、択一的に作動連結状態と該作動連結を解除した非作動連結状態とに切替える切替え手段を備える、請求項2に記載のバンド搬送装置。
  4. 前記保持具を前記後退位置にてロックするロック手段を備える、請求項1〜3の何れか一項に記載のバンド搬送装置。
  5. 前記保持具は、前記バンドを内周面側から保持する、請求項1〜4の何れか一項に記載のバンド搬送装置。
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