JP5405740B2 - 吸水性樹脂粒子の製造方法、それにより得られる吸水性樹脂粒子、およびそれを用いた吸収体および吸収性物品 - Google Patents
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Description
前者の吸収体中の吸水性樹脂の比率を増加する方法では、体液を吸収した際に吸水性樹脂同士がゲルブロッキングを起こしやすくなる。したがって、吸水性樹脂同士のゲルブロッキングを抑制するために、吸水性樹脂の加圧下での吸水能が高いことが要求されている。しかしながら、加圧下での吸水能を高くするためには一般に吸水性樹脂の架橋密度を上げる必要があり、その結果吸水性樹脂の保水能が低下するといった問題がある。
また、後者の吸水性樹脂の保水能を上げる方法では、吸水性樹脂の架橋密度を下げる必要がある。その結果、未架橋成分が増加し、液体と接した際、ママコ状態となることで吸水速度は低下する傾向にあり、さらに、ゲルの強度が低下したり、吸液後のぬめり分(水可溶分)が溶出しやすくなる。上記の吸水性樹脂をおむつとして使用すると、ゲルの強度不足による体液の逆戻り増加、水可溶分によるかぶれの原因となり着用者の快適性が損なわれる。
しかしながら、これらの吸水性樹脂は、ある保水能を超えると、ゲルの強度が低下し、水可溶分が増加するため、これらの吸水性樹脂が用いられた吸収体の性能は、十分満足しうるものではない。
本発明の製造方法は、特に、水分率が35%以上の吸水性樹脂粒子前駆体に後架橋剤を添加して後架橋反応を行う第1の後架橋反応工程、後架橋した吸水性樹脂粒子前駆体の水分率を35%未満に低下させる水分率調整工程、および水分率を低下させた後架橋吸水性樹脂前駆体に後架橋剤を添加して後架橋反応を行う第2の後架橋反応工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の製造方法により得られた吸収性樹脂粒子を用いることによって、高い吸水能および高い保水能を有する吸収体および吸収性物品が得られる。
水溶性エチレン性不飽和単量体のうち好ましいものとしては、工業的に入手が容易である観点から、(メタ)アクリル酸およびそのアルカリ金属塩、(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。さらに好ましいものとしては、経済性の観点から、(メタ)アクリル酸およびそのアルカリ金属塩が挙げられる。
水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液は、用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体が酸基を有する場合、その酸基をアルカリ金属等によって中和させておいてもよい。アルカリ金属による中和度は、得られる吸水性樹脂粒子の浸透圧を高くし、吸水速度を速め、余剰のアルカリ金属の存在により安全性等に問題が生じないようにする観点から、中和前の水溶性エチレン性不飽和単量体の酸基の10〜100モル%であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げられる。これらの中では、ナトリウムおよびカリウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。
前記添加剤の量は、使用する水溶性エチレン性不飽和単量体1モルあたり、0.00001〜0.05モル、好ましくは0.000015〜0.02モル、さらに好ましくは0.0002〜0.01モルであることが望ましい。添加剤の量が0.00001モル未満の場合、添加効果が十分に発現されなくなる傾向があり、また、0.05モルを超える場合、吸液後のぬめり分(水可溶分)が多くなる傾向がある。
また、前記逆相懸濁重合によって得られた吸水性樹脂粒子前駆体に、前記水溶性エチレン性不飽和単量体を更に添加し、2段以上の多段階で重合を行うことで吸水性樹脂粒子前駆体を得ることもできる。
なお、本発明における水分率とは、含水吸水性樹脂粒子前駆体中の水分量を理論樹脂固形分量で除して百分率換算した値を意味する。
しかる後に、第2の後架橋反応工程が行われるが、その際の吸水性樹脂粒子前駆体の水分率は35%未満であり、15〜33%がより好ましく、20〜30%が最も好ましい。吸水性樹脂粒子前駆体の水分率が35%以上の場合、得られる吸水性樹脂粒子の加圧下吸水能が低くなるおそれがある。
第1の後架橋反応工程と第2の後架橋反応工程との間で、吸水性樹脂粒子前駆体の水分率の差異を5%以上とし、より好ましくは10%以上とする。
第1の後架橋反応工程における後架橋剤の添加量が0.000005モルより少ない場合、吸水性樹脂粒子の架橋密度を十分に高めることができなくなる傾向があり、水可溶分が増加するおそれがある。0.002モルを超える場合、架橋剤量が過剰となるため吸収容量が低くなる傾向がある。
一方、第2の後架橋反応工程における後架橋剤の添加量が0.000005モルより少ない場合、吸水性樹脂粒子の架橋密度を十分に高めることができなくなる傾向があり、加圧下吸水能が低くなるおそれがある。0.001モルを超える場合、架橋剤量が過剰となるため吸収容量が低くなるばかりか、未反応の架橋剤が残存する傾向がある。
また、前記の吸水性樹脂粒子の各特性値は、後記の「B.吸水性樹脂粒子の特性評価」の項に記載の測定方法により決定される。
4.14kPa荷重下の生理食塩水吸水能は、高いものの方が吸収性物品として用いた場合、吸収性物品に圧力がかかった場合における逆戻り量が少なくなるという利点を有する観点から、15ml/g以上であることが好ましい。
実施例1〜4において、本発明による吸水性樹脂粒子の製造方法に準じて、2段階の後架橋工程を行い、本発明の吸水性樹脂粒子を得た。
また、比較例1〜3において、1段階の後架橋工程を行い、比較のための吸水性樹脂粒子を得た。
工程1:吸水性樹脂粒子前駆体の調製
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1000mL容の五つ口円筒型丸底フラスコ内に、n−ヘプタン340gおよびHLBが3.0のショ糖脂肪酸エステル〔三菱化学フーズ株式会社製、商品名:S−370〕0.92gを加え、分散させながら70℃まで昇温して溶解させた後、55℃まで冷却した。
この1段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記五つ口円筒型丸底フラスコに、撹拌下で加えて分散させ、系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、重合反応を1時間行った。その後、得られたスラリー状の反応混合物を室温まで冷却した。
この2段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記で得られた反応混合物に添加した後、再び系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、2段目の重合反応を2時間行った。
得られた吸水性樹脂粒子前駆体に、後架橋剤として2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液4.22g(0.00049モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、共沸蒸留により水のみを系外に除去しながら第1の後架橋反応を行った。この時28gの水分が除去され、残存水分量は60gで、水分率29%となった。
引続き、後架橋剤として2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液2.53g(0.00029モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、得られたゲル状物の水分およびn−ヘプタンを蒸留により除去、乾燥しながら第2の後架橋反応を行い、質量平均粒子径が381μmの吸水性樹脂粒子222.5gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は5%であった。
実施例1において、第1の後架橋反応工程に用いた後架橋剤である2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液の添加量を2.11g(0.00024モル)に、第2の後架橋反応工程に用いた後架橋剤である2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液の添加量を2.11g(0.00024モル)にそれぞれ変更し、第1の後架橋反応工程における水分率と第2の後架橋反応工程における水分率をそれぞれ45%、29%とした以外は実施例1と同様の操作を行い、質量平均粒子径が373μmの吸水性樹脂粒子222.4gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は4%であった。
工程1:吸水性樹脂粒子前駆体の調製
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1000mL容の五つ口円筒型丸底フラスコ内に、n−ヘプタン340gおよびHLBが3.0のショ糖脂肪酸エステル〔三菱化学フーズ株式会社製、商品名:S−370〕0.92gを加え、分散させながら70℃まで昇温して溶解させた後、55℃まで冷却した。
この1段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記五つ口円筒型丸底フラスコに、撹拌下で加えて分散させ、系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、重合反応を1時間行った。その後、得られたスラリー状の反応混合物を室温まで冷却した。
この2段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記で得られた反応混合物に添加した後、再び系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、2段目の重合反応を2時間行った。
得られた吸水性樹脂粒子前駆体に、後架橋剤として2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液4.22g(0.00049モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、共沸蒸留により水のみを系外に除去しながら第1の後架橋反応を行った。この時36gの水分が除去され、残存水分量は62gで、水分率30%となった。
引き続き、後架橋剤として、2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液1.48g(0.00017モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、得られたゲル状物の水分およびn−ヘプタンを蒸留により除去、乾燥しながら第2の後架橋反応を行い、質量平均粒子径が380μmの吸水性樹脂粒子223.1gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は5%であった。
実施例3において、第1の後架橋反応工程に用いた後架橋剤である2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液の添加量を6.33g(0.00073モル)に、第2の後架橋反応工程に用いた後架橋剤である2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液の添加量を0.53g(0.000061モル)にそれぞれ変更し、第1の後架橋反応工程における水分率と第2の後架橋反応工程における水分率をそれぞれ45%、29%とした以外は実施例3と同様の操作を行い、質量平均粒子径が370μmの吸水性樹脂粒子222.7gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は5%であった。
工程1:吸水性樹脂粒子前駆体の調製
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1000mL容の五つ口円筒型丸底フラスコ内に、n−ヘプタン340gおよびHLBが3.0のショ糖脂肪酸エステル〔三菱化学フーズ株式会社製、商品名:S−370〕0.92gを加え、分散させながら70℃まで昇温して溶解させた後、55℃まで冷却した。
この1段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記五つ口円筒型丸底フラスコに、撹拌下で加えて分散させ、系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、重合反応を1時間行った。その後、得られたスラリー状の反応混合物を室温まで冷却した。
この2段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記で得られた反応混合物に添加した後、再び系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、2段目の重合反応を2時間行った。
得られた吸水性樹脂粒子前駆体に、後架橋剤として2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液4.22g(0.00049モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、共沸蒸留により水のみを系外に除去しながら第1の後架橋反応を行った。この時38gの水分が除去され、残存水分量は60gで、水分率29%となった。
引続き、後架橋剤として2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.17g(0.00036モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、得られたゲル状物の水分およびn−ヘプタンを蒸留により除去、乾燥しながら第2の後架橋反応を行い、質量平均粒子径が378μmの吸水性樹脂粒子223.7gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は3%であった。
工程1:吸水性樹脂粒子前駆体の調製
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガス導入管を備えた1000mL容の五つ口円筒型丸底フラスコ内に、n−ヘプタン340gおよびHLBが3.0のショ糖脂肪酸エステル〔三菱化学フーズ株式会社製、商品名:S−370〕0.92gを加え、分散させながら70℃まで昇温して溶解させた後、55℃まで冷却した。
この1段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記五つ口円筒型丸底フラスコに、撹拌下で加えて分散させ、系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、重合反応を1時間行った。その後、得られたスラリー状の反応混合物を室温まで冷却した。
この2段目重合用の単量体水溶液の全量を、前記で得られた反応混合物に添加した後、再び系内を窒素ガスで十分に置換し、浴温を70℃に保持し、2段目の重合反応を2時間行った。
得られた吸水性樹脂粒子前駆体に、後架橋剤として2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液3.70g(0.00042モル)を添加して混合した。
この混合物を120℃の油浴で加熱し、共沸蒸留により水のみを系外に除去しながら1段階の後架橋反応を行った。この時37gの水分が除去され、残存水分量は60gで、水分率29%となった。
引き続き、この混合物を120℃の油浴で加熱し、得られたゲル状物の水分およびn−ヘプタンを蒸留により除去、乾燥し、質量平均粒子径が366μmの吸水性樹脂粒子222.3gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は5%であった。
比較例1において、後架橋反応工程に用いた2質量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液の添加量を7.81g(0.00090モル)に変更し、後架橋反応工程における水分率を23%に変更し、以降の共沸蒸留を実施しなかった以外は比較例1と同様の操作を行い、質量平均粒子径が374μmの吸水性樹脂粒子222.2gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は5%であった。
実施例3において、第2の後架橋反応を実施しなかった以外は実施例3と同様の操作により、1段階の後架橋反応、および共沸蒸留、乾燥を行い、質量平均粒子径が373μmの吸水性樹脂粒子222.8gを得た。なお、この吸水性樹脂粒子の最終水分率(乾燥減量)は5%であった。
吸水性樹脂粒子2.0gを、綿袋(メンブロード60番、横100mm×縦200mm)中に量り取り、500mL容のビーカー中に入れた。綿袋に生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液、以下同様)500gを一度に注ぎ込み、吸水性樹脂粒子のママコが発生しないように食塩水を分散させた。綿袋の上部を輪ゴムで縛り、1時間放置して、吸水性樹脂粒子を十分に膨潤させた。遠心力167Gになるよう設定した脱水機〔国産遠心機株式会社、品番:H−122〕を用いて綿袋を1分間脱水して、脱水後の膨潤ゲルを含んだ綿袋の質量Wa(g)を測定した。吸水性樹脂粒子を添加せずに同様の操作を行い、綿袋の湿潤時空質量Wb(g)を測定し、以下の式から保水能を算出した。
吸水性樹脂粒子の4.14kPaの荷重下における生理食塩水吸水能は、図1に概略構成を示した測定装置1を用いて行った。
図1に示した測定装置1は、ビュレット部11、導管12、測定台13と測定台13上に置かれた測定部14からなっている。
ビュレット部11は、ビュレット111の上部にゴム栓115、下部に吸気導入管113とコック112が連結されており、さらに、吸気導入管113は先端にコック114を有している。
ビュレット部11と測定台13の間には、導管12が取り付けられており、導管12の内径は6mmである。測定台13の中央部には、直径2mmの穴があいており、導管12が連結されている。
測定部14は、アクリル樹脂製の円筒141と、この円筒141の底部に接着されたナイロンメッシュ142と、重り143とを有している。円筒141の内径は、20mmである。
ナイロンメッシュ142の目開きは75μm(200メッシュ)である。そして、測定時には、ナイロンメッシュ142上に吸水性樹脂粒子2が均一に撒布されている。
重り143は、直径19mm、質量119.6gである。この重りは、吸水性樹脂粒子2上に置かれ、吸水性樹脂粒子2に対して4.14kPaの荷重を加えることができるようになっている。
まず、ビュレット部11のコック112およびコック114を閉め、25℃に調節された0.9質量%食塩水をビュレット111上部から入れ、ゴム栓115でビュレット上部に栓をした後、ビュレット部11のコック112およびコック114を開ける。
次に、測定台13中心部の導管口から出てくる0.9質量%食塩水の水面と、測定台13の上面とが同じ高さになるように測定台13の高さの調整を行う。
吸水性樹脂粒子2の4.14kPa荷重下の生理食塩水吸水能を以下の式により求めた。
本発明のゲル強度は、下記のゲルを図2に示すような測定原理を有する装置3(例えば、飯尾電気社製ネオカードメーター、品番:M−303)で測定した値である。
装置3は、支持部31、測定試料(ゲル)4を搭載するための可動台板32、可動台板32を駆動するための駆動部33および測定部34から構成される。
支持部31において、支持台311に立てられた支柱312の上部に架台313が固定されている。支柱312には、上下に移動するように可動台板32が取り付けられている。架台313上にはパルスモーター331が搭載され、プーリー332を回転させることによって、ワイヤー333を介して可動台板32を上下に移動する。
また、測定部34において、変形により生ずる歪みを計測するためのロードセル341に、精密スプリング342および連継軸343を介してディスク付き感圧軸344が取り付けられている。測定条件により、ディスクの直径は変更することができる。ディスク付き感圧軸344の上部には重り35を搭載することができる。
精密スプリング342を、上方のロードセル341(応力検出器)に固定し、下方にはディスク付き感圧軸344を連結して所定の重り35を乗せて垂直に懸吊してある。測定試料4を乗せた可動台板32は、パルスモーター331の回転により一定速度で上昇する。スプリング342を介して試料4に定速荷重を加え、変形により生ずる歪みをロードセル341で計測し、硬さを測定演算するものである。
次に、吸水性樹脂粒子1.0gを攪拌中のビーカー内に投入し、回転渦が消えて液面が水平になるまで攪拌を続け、測定試料4となるゲルを調製した。
500mL容のビーカーに、生理食塩水500gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)を投入し、マグネチックスターラー(iuchi社製:HS−30D)の上に配置した。引続きマグネチックスターラーバーを600rpmで回転するように調整し、さらに、マグネチックスターラーバーの回転により生ずる渦の底部は、マグネチックスターラーバーの上部近くになるように調整した。
次に、吸水性樹脂粒子2.0gを、ビーカー中の渦中央とビーカー側面の間に素早く流し込み分散させ、3時間撹拌した。3時間撹拌後の吸水性樹脂粒子分散水を、JIS標準ふるい(目開き75μm)でろ過し、得られたろ液をさらに桐山式ロート(濾紙No.6)を用い吸引ろ過した。
あらかじめ140℃で乾燥して恒量し、室温まで冷却した100ml容のビーカーに得られたろ液を80±0.01g量りとり、内温を140℃に設定した熱風乾燥機(ADVANTEC社製)で恒量になるまで乾燥させ、ろ液固形分の質量Wd(g)を測定した。
一方、吸水性樹脂粒子を用いずに上記操作と同様に行い、ブランク質量We(g)を測定して、次式より水可溶分を算出した。
吸水性樹脂粒子2gを、あらかじめ秤量したアルミホイールケース(8号)に精秤した(Wf(g))。上記サンプルを、内温を105℃に設定した熱風乾燥機(ADVANTEC社製)で2時間乾燥させた後、デシケーター中で放冷して、乾燥後の吸水性樹脂粒子の質量Wg(g)を測定した。以下の式から、吸水性樹脂粒子の乾燥減量を算出した。
実施例6
実施例1で製造された吸水性樹脂粒子10gと解砕された木材パルプ10gとを乾式混合し、大きさが40cm×12cmで重さが1gのティッシュに吹き付けた後に、同じ大きさおよび重さのティッシュを重ねてシート状にし、これの全体に196kPaの加重を30秒間加えてプレスすることにより、吸収体を得た。得られた吸収体を坪量20g/m2のポリエチレン製エアスルー型不織布とポリエチレンシートで挟み付けることにより吸収性物品を得た。
実施例6において、実施例1で製造された吸水性樹脂粒子に代えて実施例2〜5および比較例1〜3で得られた吸水性樹脂粒子をそれぞれ用いた以外は、実施例6と同様にして吸収性物品を製造し、得られた吸収性物品をそれぞれ順に、実施例7〜10および比較例4〜6の吸収性物品とした。
実施例6〜10および比較例4〜6の吸収性物品につき、2種の条件で吸水性物品試験を以下の手順により行った。
各実施例および各比較例で得られた吸水性物品を以下の方法に基づいて評価した。それらの結果を表2に示す。
人工尿の調製:10L容の容器に適量の蒸留水を入れ、塩化ナトリウム60g、塩化カルシウム・二水和物1.8gおよび塩化マグネシウム・六水和物3.6gを添加し、溶解した。次いで、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.02gを添加し、さらに蒸留水を追加して、全体の質量を6000gとした。さらに、少量の青色1号で着色して、人工尿を調製した。
液投入回数を1回、人工尿量を150mlとし、1回目投入開始から5分後に荷重開始とする以外は、吸収性物品試験Aと同様の操作を行った。
Claims (6)
- 水溶性エチレン性不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂粒子前駆体を、水分率35〜100%に調整する水分率調整工程;
水分率を調整した前記吸水性樹脂前駆体に後架橋剤を添加して後架橋反応を行う第1の後架橋反応工程;
後架橋した後架橋吸水性樹脂前駆体の水分率を35%未満に低下させる水分率調製工程;および
水分率を低下させた前記後架橋吸水性樹脂前駆体に後架橋剤を添加して後架橋反応を行う第2の後架橋反応工程を含み、
ここに、水分率とは、含水吸水性樹脂粒子前駆体中の水分量を理論樹脂固形分量で除して百分率換算した値を意味する、吸水性樹脂粒子の製造方法。 - 第1の後架橋工程および第2の後架橋工程で用いる後架橋剤が、グリシジル化合物である請求項1に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
- 後架橋剤の添加量が、吸水性樹脂粒子前駆体を得るために使用した水溶性エチレン性不飽和単量体の総量1モルに対し、第1の後架橋反応工程において0.000005〜0.002モル、第2の後架橋反応工程において0.000005〜0.001モルである請求項1または2に記載の吸水性樹脂粒子の製造方法。
- 生理食塩水保水能が40〜60g/g、4.14kPa加圧下の生理食塩水吸水能が15ml/g以上、ゲル強度が500Pa以上、水可溶分が15質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で得られる吸水性樹脂粒子。
- 請求項4記載の吸水性樹脂粒子と親水性繊維とからなる吸収体。
- 請求項5に記載の吸収体を、液体透過性シートと液体不透過性シートとの間に保持して
なる吸収性物品。
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