以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
実施の形態1.
図1(a)は、本実施の形態に係る照明装置10の斜視図である。図2は、照明装置10の部分断面側面図である。
図1(a)、図2において、照明装置10は、LEDモジュール20と導光体30とを備えた照明用光源11を少なくとも1つ具備する。なお、図2では、照明装置10が複数組(具体的には、2組)の照明用光源11を具備する例を示しているが、図1(a)では、簡単のため、照明装置10が1組のみの照明用光源11を具備する例を示している。ここで、1組の照明用光源11とは、1つ又は複数の照明用光源11を組み合わせ、全体として平面視で略円形状のランプとなったものをいう。照明用光源11の詳細な構成については後述する。
照明装置10は、照明用光源11に加えて、本体12、ホルダー13、LED電源14(電源装置)、配線15、引き紐16、反射カバー17(セード)、固定具18を具備する。
照明用光源11は着脱自在であり、照明装置10に取り付けられる場合には、本体12から下方に延びるホルダー13によって固定される。LED電源14も着脱自在であり、照明装置10に取り付けられる場合には、本体12内部に収容される。照明用光源11のLEDモジュール20とLED電源14とは配線15で接続される。LED電源14は、配線15を介してLEDモジュール20に電力を供給する。また、LED電源14は、引き紐16が引っ張られたとき、あるいは、不図示のボリュームダイヤルやスイッチやリモコン(ワイヤレス)等から所定の信号が送信されたときに、配線15を介してLEDモジュール20に点灯制御信号や調光制御信号等の各種信号を伝送する。LEDモジュール20が点灯すると、LEDモジュール20から発せられた光が照明用光源11の導光体30によって拡散され、周囲に放射(照射)される。このとき、上方や側方に放射された光は、照明用光源11を上から覆う反射カバー17によって下方に反射されるため、器具効率が高まる。照明装置10は、例えば天井面に設置され、固定具18によって固定される。
照明装置10を構成する部品のうち、照明用光源11及びLED電源14以外については、例えば従来の丸管蛍光ランプ用の部品を用いることができる。したがって、従来の丸管蛍光ランプを用いた照明器具に、本実施の形態に係る照明用光源11及びLED電源14を取り付けることで、光源の長寿命化、省エネが図れる。例えば、照明用光源11の導光体30の外径(平面視での縦幅及び横幅)を205mm(ミリメートル)程度、断面の縦幅及び横幅を29mm程度とすれば、照明用光源11により従来の20形の丸管蛍光ランプを置き換え可能である。同様に、導光体30の外径を225mm程度、断面の縦幅及び横幅を29mm程度とすれば、従来の30形の丸管蛍光ランプを置き換え可能である。
なお、図2に示した反射カバー17は、照明装置10を実現する上で必須のものではなく、照明装置10は、用途によっては照明用光源11全体を露出させた構成であってもよい。
図3は、LED電源14の構成を示すブロック図である。
図3において、LED電源14は、固定具18の内部を通る電線により商用電源40と接続される。また、前述したように、LED電源14は、配線15により照明用光源11のLEDモジュール20と接続される。
LED電源14は、交流−直流変換回路41、調光部42、制御部43を備える。ここで、後述するように、照明用光源11は、少なくとも1つのLEDモジュール20を備えており、LED電源14は、LEDモジュール20ごとに、調光部42を備える。
交流−直流変換回路41は、商用電源40から入力される交流電流を直流電流に変換して調光部42に入力することにより、調光部42に光源電力を供給する。調光部42は、LEDモジュール20を点灯/消灯させる機能を有している。また、調光部42は、LEDモジュール20に対し、順電流制御(電流値を調整することにより光源の明るさを調節する制御)やデューティ制御(光源を高速で点滅させ、その点灯時間の割合を調整することにより光源の明るさを調節する制御)等により発光強度を変化させる機能を有している。制御部43は、個別のLEDモジュール20、又は、照明用光源11を所望の発光強度に調節するための入力を外部から受け付ける機能を有している。また、制御部43は、その入力に従った信号を調光部42に与える機能を有している。入力手段としては、前述したように、引き紐16、あるいは、ボリュームダイヤルやスイッチやリモコン等を用いることができる。
図4(a)は、照明用光源11の斜視図である。
図4(a)において、照明用光源11は、LED21が少なくとも1つ基板上に実装されたLEDモジュール20を長手方向の両端に1つずつ備える。また、照明用光源11は、板状に形成され、長手方向に湾曲した長手状の導光体30(導光板)を備える。図示していないが、LEDモジュール20と導光体30とは、例えば枠材によって連結されている。図4(a)では、各LEDモジュール20の基板上に3つのLED21が直線状に配置された例を示しているが、LED21の数や配置はこれに限るものではない。例えば、2つ以下あるいは4つ以上のLED21が直線状に配置されてもよいし、複数のLED21がリング状、放射状、複数列の直線状、あるいは、ランダムに配置されてもよい。図1(a)に示したように、導光体30は、全体が略円弧状に湾曲しており、LEDモジュール20を含めた照明用光源11全体が平面視で略四半円形状になるように形成されている。即ち、導光体30が略1/4円形となっている。そのため、4つの照明用光源11の端部を順番に連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として平面視で略円形状のランプとすることができる。
ここで、図1(a)に対応する図である図1(b)〜(d)に本実施の形態の変形例1〜3を示す。
図1(b)に示すように、本実施の形態の変形例1において、導光体30は、照明用光源11全体が平面視で略半円形状になるように形成されている。即ち、導光体30が略半円形となっている。この例では、2つの照明用光源11の端部同士を連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として平面視で略円形状のランプとすることができる。
図1(c)に示すように、本実施の形態の変形例2において、導光体30は、照明用光源11全体が平面視で略円形状になるように形成されている。即ち、導光体30が略円形となっている。この例では、1つの照明用光源11のみで1組の照明用光源11を構成し、全体として平面視で略円形状のランプとすることができる。
図1(d)に示すように、本実施の形態の変形例3において、導光体30は、照明用光源11全体が平面視で略1/3円形状となるように形成されている。即ち、導光体30が略1/3円形となっている。この例では、3つの照明用光源11の端部を順番に連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として平面視で略円形状のランプとすることができる。
上記のように、導光体30は、照明用光源11全体が平面視で略1/N円形状(Nは1以上の整数)になるように形成される。即ち、導光体30が略1/N円形となる。Nが2以上の場合、N個の照明用光源11の端部を順番に連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として平面視で略円形状のランプとすることができる。
なお、導光体30の形状は、全体が略円弧状に湾曲したものに限らず、例えば平面視で略S字状や略U字状であってもよい。また、後述するように、導光体30の形状は、湾曲したものでなくてもよいし、導光体30の断面は、矩形状以外の形状を有していてもよい。
図4(a)において、導光体30は、長手方向の一端にある端面31(入射面)と、長手方向の他端にある端面32(他の入射面)と、長手方向に延在する側面33とを有する。側面33において、少なくとも一部の領域は、拡散領域35になっている。拡散領域35には、拡散パターン36が形成されている。拡散パターン36は、光を拡散させる複数の拡散要素が一定方向に沿って等間隔で並ぶように配置されたものである。複数の拡散要素の構成については後述する。また、側面33において、少なくとも一部の領域は、出射領域37になっている。拡散領域35と出射領域37とは、重複していてもよい。
本実施の形態では、導光体30の断面が四角形状であるため、側面33が4つの面(断面の輪郭が四角形の四辺)からなる。側面33において、上側の板面全体が、拡散領域35になっている。また、4つの面全体が、出射領域37になっている。
また、本実施の形態では、導光体30が平面視で円弧状であるため、拡散領域35に、拡散パターン36の複数の拡散要素が導光体30の曲率中心から放射状に配置されている。
導光体30の長手方向の一端に設置されたLED21は、表面(発光面)から導光体30の端面31に対して光を発する。同様に、導光体30の長手方向の他端に設置されたLED21は、表面(発光面)から導光体30の端面32に対して光を発する。導光体30は、長手方向の両端側のLED21が発する光をそれぞれ端面31,32から入射する。導光体30は、端面31,32からそれぞれ入射した光を拡散領域35に形成されている拡散パターン36で拡散させる。そして、導光体30は、拡散パターン36で拡散した光を出射領域37から出射する。なお、端面31,32からそれぞれ入射した光の一部が、拡散領域35に到達せず、そのまま出射領域37から出射される場合もある。
本実施の形態において、導光体30は、照明用光源11が照明装置10(本体12)に取り付けられているとき(即ち、照明用光源11の使用時)に、拡散領域35が露出した状態又は少なくとも拡散パターン36の形状(複数の拡散要素の構成)が直視できる状態(例えば、下側の板面から透けて見える状態)で用いられるが、拡散パターン36の複数の拡散要素が一定方向に沿って等間隔で並ぶように配置されているため、LEDモジュール20(LED21)が点灯した際に、光散乱パターンが不規則になりにくい。また、拡散パターン36の設計や加工処理が容易となる。つまり、本実施の形態によれば、作製が容易で、光を端面31,32から入射して側面33から出射する際に、光散乱パターンが不規則になりにくい導光体30を提供することが可能となる。また、拡散パターン36の複数の拡散要素が等間隔で並んでいるため、意匠性が向上する。
ここで、図4(a)に対応する図である図4(b)及び(c)に本実施の形態の変形例4及び5を示す。
図4(b)に示すように、本実施の形態の変形例4において、導光体30は平面視で略矩形状(角柱状)である。この例では、導光体30が、長手方向に直線状に延びているという点を除き、図4(a)に示したものと同様に構成されている。
図4(c)に示すように、本実施の形態の変形例5において、導光体30は、図4(a)に示したものと同様に、板状に形成され、全体が略円弧状に長手方向に湾曲している。しかし、この例では、導光体30の湾曲する方向が図4(a)に示したものと異なる。図4(a)では、板面以外の面が湾曲面(内周面及び外周面)となっているが、図4(c)では、板面が湾曲面(内周面及び外周面)となっている。また、図4(a)では、上側の板面に拡散領域35があるが、図4(c)では、内周面に拡散領域35がある。即ち、この例では、側面33において、使用時に汚れたり、傷ついたりしにくく、また清掃される機会が比較的少ない内周面に拡散パターン36が形成されている。そして、使用時に直接触れられること等により汚れたり、傷ついたりしやすく、また清掃される機会が比較的多い外周面には拡散パターン36が形成されていない。このため、拡散パターン36の経年劣化等を抑制することができ、所望の配光特性を長期間維持できる。
図4(a)〜(c)では、導光体30の断面が矩形状であるが、下記のように、導光体30の断面の形状はこれに限るものではない。
ここで、照明用光源11の部分斜視図である図5(a)及び(b)に本実施の形態の変形例6及び7を示す。
図5(a)に示すように、本実施の形態の変形例6において、導光体30は蒲鉾形状(断面はドーム形状)である。この例では、側面33が1つの平坦面と1つの湾曲面とからなる。側面33において、平坦面全体が、拡散領域35になっている。また、平坦面と湾曲面との全体が、出射領域37になっている。平坦面を上面としたとき、この面に形成されている拡散パターン36で光が拡散し、拡散した光が、特に湾曲面においては真下及び斜め下方向の広い範囲に向かって出射されるため、出射光の拡散性が優れた照明用光源11が提供できる。
図5(b)に示すように、本実施の形態の変形例7において、導光体30の形状は図5(a)に示した変形例6と同様である。この例では、平坦面だけでなく、湾曲面も、全体が拡散領域35になっている。このため、照明用光源11全体で略均一に光を照射することが可能となる。
上記のように、導光体30の断面の輪郭は、直線のみで構成されていてもよいし、曲線のみで構成されていてもよいし、直線と曲線との組み合わせで構成されていてもよい。つまり、導光体30は、多角柱状、蒲鉾形状、円柱状、円筒状等であってもよく、導光体30の断面は、例えば、涙形状、十字形状、半円形状、台形状、馬蹄形状、環形状であってもよい。
図6(a)は、照明用光源11の部分側面図である。図6(b)は、導光体30の鳥瞰図(部分斜視図)である。
図6(a)及び(b)において、導光体30の拡散領域35には、点線状のドット印刷により拡散パターン36が形成されている。具体的には、複数のドットが、それぞれ拡散要素として、導光体30の長手方向(湾曲方向)に沿って互いに等間隔で並ぶように配置されている。望ましくは、これら複数のドットが、導光体30の短手方向においても互いに等間隔で並ぶように配置されている。ドット印刷は、例えば白色塗料により成すことができる。なお、拡散領域35において、実線状、格子状、又は、その他の形状の線印刷により拡散パターン36が形成されていてもよい。
ここで、図6(a)に対応する図である図6(c)に本実施の形態の変形例12を示す。
図6(c)に示すように、本実施の形態の変形例12において、導光体30は、上側の平坦面だけでなく、下側の平坦面も拡散領域35になっている。この例では、上側及び下側の平坦面の拡散領域35に、点線状のドット印刷により拡散パターン36が形成されている。
また、図6(a)に対応する図である図7(a)、図6(b)に対応する図である図7(b)及び(c)に本実施の形態の変形例13を示す。
図7(a)に示すように、本実施の形態の変形例13において、拡散領域35には、実線状又は点線状の凸加工(具体的には、断面略逆U字形の突起が多数形成されているが、他の形状の突起でもよい)により拡散パターン36が形成されている。具体的には、図7(b)に示すように、複数の逆U字形の線状突起(実線状の凸加工の一例)が、それぞれ拡散要素として、導光体30の長手方向(湾曲方向)に沿って互いに等間隔で並ぶように配置されている。あるいは、図7(c)に示すように、複数の円柱状(ドーム形状等でもよい)の突起(点線状の凸加工の一例)が、それぞれ拡散要素として、導光体30の長手方向(湾曲方向)に沿って互いに等間隔で並ぶように配置されている。凸加工が点線状になされている場合、望ましくは、上記複数の突起が、導光体30の短手方向においても互いに等間隔で並ぶように配置される。図示していないが、この例でも、図6(c)に示した変形例12と同様に、導光体30の上側の平坦面だけでなく、下側の平坦面が拡散領域35になっていてもよい。なお、拡散領域35において、格子状又はその他の形状の凸加工により拡散パターン36が形成されていてもよい。
また、図6(a)に対応する図である図7(d)、図6(b)に対応する図である図7(e)に本実施の形態の変形例14を示す。
図7(d)に示すように、本実施の形態の変形例14において、拡散領域35には、実線状又は点線状の凹加工(具体的には、断面略V字形の溝が多数形成されているが、他の形状の溝でもよい)により拡散パターン36が形成されている。具体的には、図7(e)に示すように、複数のV字形の線状溝(実線状の凹加工の一例)が、それぞれ拡散要素として、導光体30の長手方向(湾曲方向)に沿って互いに等間隔で並ぶように配置されている。凹加工が点線状になされている場合、望ましくは、上記複数の溝が、導光体30の短手方向においても互いに等間隔で並ぶように配置される。この例では、図6(c)に示した変形例12と同様に、導光体30の上側の平坦面だけでなく、下側の平坦面も拡散領域35になっている。なお、拡散領域35において、格子状又はその他の形状の凹加工により拡散パターン36が形成されていてもよい。
凸加工や凹加工は、例えば金型加工、研削加工により成すことができる。
図4(a)において、導光体30は、透光性を有するプラスチック材料(透明樹脂)からなるものが望ましいが、ガラス材料からなるものでもよい。プラスチック材料を用いた場合、曲げ加工をして導光体30を長手方向に湾曲させることが容易となる。透明なプラスチック材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリサルフォン(PSF)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、アクリル(PMMA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)樹脂、塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメチルペンテン(PMP)樹脂のいずれかを用いることができる。
プラスチック材料を曲げ加工することで、長手方向に湾曲した長手状の導光体30を得る場合、例えば、図4(b)に示した導光体30を曲げ加工して、図4(a)に示した導光体30を得ることができる。同様に、図4(b)に示した導光体30を曲げ加工して、図4(c)に示した導光体30を得ることもできる。即ち、平面視で略矩形状の導光体30を、長手方向に湾曲加工することにより、平面視で略円弧状の導光体30を得ることができる。このとき、湾曲加工する前の導光体30(平面視で略矩形状の導光体30)の内部に、光を拡散させる処理が略一様に施されていれば、湾曲加工した後の導光体30(平面視で略円弧状の導光体30)の内部では、光を拡散させる処理が導光体30の湾曲方向の外側から内側に向かって密になるように施されている状態となる。即ち、拡散処理が任意の曲率で曲がった導光体30の内周側で密となり、外周側で粗となる。これにより、出射領域37全体において導光体30の湾曲方向の相対位置によって生じる輝度の差を小さくすることができる。
本実施の形態において、LEDモジュール20の基板上に複数のLED21が実装される場合、前述したように、LED21は1列又は複数列に直線状に配置されてもよいし、リング状、放射状、あるいは、ランダムに配置されてもよい。例えば、LED21を、導光体30の湾曲方向の外側から内側に向かって密になるように配置してもよい。この場合、導光体30の出射領域37全体において導光体30の湾曲方向の相対位置によって生じる輝度の差を小さくすることができる。なお、LED21が一様に(互いに等間隔に)配置されている場合であっても、導光体30の湾曲方向の外側から内側に向かって光束が少なくなるようにそれぞれのLED21を調光することで同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、LEDモジュール20の基板上に複数のLED21が実装される場合、全てのLED21に同じ色温度の光を発するものを用いてもよいし、下記のように、互いに異なる色温度の光を発する少なくとも2種類のLED21を組み合わせて用いてもよい。
ここで、照明用光源11の部分斜視図である図8(a)及び(b)に本実施の形態の変形例15及び16を示す。
図8(a)に示すように、本実施の形態の変形例15において、2種類のLED21として、色温度が3000K(ケルビン)のLED21と色温度が6000KのLED21aとが組み合わせられている。このとき、LED電源14の制御部43は、前述した機能に加えて、個別のLEDモジュール20、又は、照明用光源11を所望の色温度に調節するための入力を外部から受け付ける機能を有する。そして、制御部43は、その入力に従った信号を調光部42に与える機能を有する。LED電源14の調光部42は、LED21とLED21aとをそれぞれ独立して調光するように構成されることが望ましい。これにより、照明用光源11全体の色温度を3000〜6000Kの間で可変とすることができる。また、LED21とLED21aとを、それぞれ1個又は複数個ずつ交互に配置する(即ち、周期的に入れ替えて配列する)ことにより、光の混色性を高めることができる。
図8(b)に示すように、本実施の形態の変形例16において、LED21とLED21aとは、同じ色温度のものが隣り合わないように複数列の直線状に配置されている。これにより、光の混色性をさらに高めることができる。
図示していないが、例えばLED21とLED21aとは、一方が他方の周りを取り囲むように放射状に配置されてもよい。これにより、光の混色性をさらに高めることができる。
なお、図1(a)又は(b)に示すように、複数の照明用光源11を連結したり、近接するように位置を固定したりする場合、全ての照明用光源11に同じ色温度の光を発するものを用いてもよいし、互いに異なる色温度の光を発する少なくとも2種類の照明用光源11を組み合わせて用いてもよい。例えば、2種類の照明用光源11として、色温度が3000KのLEDモジュール20を備えた照明用光源11と色温度が6000KのLEDモジュール20を備えた照明用光源11とを組み合わせることができる。この場合、2種類の照明用光源11を、それぞれ1個又は複数個ずつ交互に配置したり、同じものを対角線上に配置したりすることにより、意匠性に優れた照明装置10を提供することができる。
上記のように、本実施の形態では、長手方向に延伸して2つの端面31,32をもつ導光体30が、端面31,32からLED21による光を入射して表面から光を拡散することで光出射する。照明用光源11は、端部を除く導光体30の略全体を露出した状態で使用される。光を拡散するため導光体30の表面に施す拡散パターン36は、等間隔に施されている。導光体30では、拡散パターン36に沿って光が拡散されるため、拡散パターン36の形状そのものが直視できる。本実施の形態では、拡散パターン36を等間隔にすることによって光散乱が均一となり、意匠性に優れた照明用光源11、照明装置10が提供できる。
また、本実施の形態によれば、1つ又は複数の照明用光源11によって環状や曲線状の発光面(出射領域37)を形成し、グレア(眩しさ)のない照明器具を提供することができる。これにより、LED21の長寿命、高効率といった特徴を活かした円形照明装置が得られるだけでなく、円形照明装置で使われる丸形蛍光管を本実施の形態に係る照明用光源11により置き換え(リプレース)可能となる。また、本実施の形態によれば、LED21を配列する基板を環状に形成したり、LED21を環状に配置したりする必要がないため、製造しやすい照明器具を提供することができる。
同様に、図4(b)に示した変形例4においても、1つ又は複数の照明用光源11によって直線状の発光面(出射領域37)を形成し、グレア(眩しさ)のない照明器具を提供することができる。これにより、LED21の長寿命、高効率といった特徴を活かした線形照明装置が得られるだけでなく、線形照明装置で使われる線形蛍光管を図4(b)に示したような照明用光源11により置き換え(リプレース)可能となる。
なお、図示していないが、導光体30の一端にある端面31において、LED21の光軸方向に位置する一定の領域のみを、LED21からの光を入射する入射窓とし、入射窓以外の領域に、導光体30の内側に光を反射する処理を施してもよい。この場合、導光体30の端面31から漏れる光の量を最小限に抑えることができるため、より高い発光効率が得られる。入射窓は、導光体30の一端にあるLED21ごとに設けられてもよいし、導光体30の一端にあるLED21の一部(2つ以上)又は全てに対して1つ設けられてもよい。光を反射する処理としては、例えば、白色塗装、白色板貼付、金属コーティング等を施すことができる。
導光体30の他端側も同様の構成にすることで、同様の効果を得ることができる。即ち、導光体30の他端にある端面32において、LED21の光軸方向に位置する一定の領域のみを、LED21からの光を入射する入射窓とし、入射窓以外の領域に、導光体30の内側に光を反射する処理を施してもよい。この場合、導光体30の端面32から漏れる光の量を最小限に抑えることができるため、より高い発光効率が得られる。
また、図1(a)〜(d)において、背中合わせに配置される2つのLEDモジュール20の基板を、1つの両面実装基板に置き換えても構わない。この場合、1つの基板の表面には1つの照明用光源11のLED21が実装され、同じ基板の裏面には他の照明用光源11のLED21が実装される。このように、LED21を、両面に回路形成できる基板の両面に実装することで、LEDモジュール20のサイズを小さくして、その分導光体30のサイズを大きくすることができる。なお、両面実装基板は、その中心部に放熱のための金属板やヒートシンクが挟まれている等、何らかの放熱手段を具備しても構わない。
また、本実施の形態において、照明用光源11は、LED21が少なくとも1つ基板上に実装されたLEDモジュール20を備えるが、LEDモジュール20の代わりに、LED以外の発光素子(例えば、有機EL)が少なくとも1つ基板上に実装されたモジュールを備えていても構わない。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図9(a)は、本実施の形態に係る照明用光源11の斜視図である。
図9(a)において、照明用光源11は、図4(a)に示した実施の形態1のものと異なり、LED21が少なくとも1つ基板上に実装されたLEDモジュール20を長手方向の一端のみに備える。図9(a)では、図4(a)と同様に、LEDモジュール20の基板上に3つのLED21が直線状に配置された例を示しているが、LED21の数や配置はこれに限るものではない。
導光体30は、長手方向の一端にある端面31(入射面)と、長手方向の他端にある端面32a(反射面)と、長手方向に延在する側面33とを有する。端面31及び側面33については、実施の形態1のものと同様である。端面32aには、導光体30の内側に光を反射する処理として、反射コーティングが施されている。
導光体30の長手方向の一端に設置されたLED21は、表面(発光面)から導光体30の端面31に対して光を発する。導光体30は、長手方向の一端側のLED21が発する光を端面31から入射する。導光体30は、端面31から入射した光を拡散領域35に形成されている拡散パターン36で拡散させる。このとき、端面31から入射した光の一部が逆側の端面32aに到達するため、導光体30は、この光を端面32aで反射させ、端面32aで反射した光を拡散領域35に形成されている拡散パターン36で拡散させる。そして、導光体30は、拡散パターン36で拡散した光を出射領域37から出射する。なお、端面31から入射した光及び端面32aで反射した光の一部が、拡散領域35に到達せず、そのまま出射領域37から出射される場合もある。
ここで、図9(a)に対応する図である図9(b)に本実施の形態の変形例を示す。
図9(b)に示すように、本実施の形態の変形例において、導光体30は平面視で略矩形状(角柱状)である。この例では、導光体30が、長手方向に直線状に延びているという点と、端面32aに、光を反射する処理として、白色塗装が施されているという点を除き、図9(a)に示したものと同様に構成されている。
なお、端面32aに、光を反射する処理を施す方法としては、反射コーティングや白色塗装を施す方法以外にも、端面32aを白色板や反射ミラー(反射板)で覆う方法等を用いることができる。
本実施の形態によれば、導光体30の光出射しない面(端面32a)で光を反射することにより、発光効率のよい照明用光源11を提供することができる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図10は、本実施の形態に係る照明用光源11の部分斜視図である。図11(a)は、照明用光源11の部分側面図である。
図10、図11(a)において、照明用光源11は、導光体30の拡散領域35を覆う反射体38を備える。反射体38は、拡散領域35から漏れる光を反射する。
このように、拡散領域35から光を出射する必要がなければ、それ以外の領域のみを出射領域37とし、拡散領域35を反射体38で覆うことにより、不要な方向の光を反射させて、必要な方向の光の照度を上げることができる。反射体38としては、例えば、アルミニウム等の反射コーティングを施すことができる。
なお、図11(a)では、拡散領域35に、図7(a)〜(c)に示したものと同様の凸加工により拡散パターン36が形成されているが、図6(a)〜(c)、図7(d)及び(e)に示したものと同様のドット印刷や凹加工等により拡散パターン36が形成されていても構わない。
ここで、図11(a)に対応する図である図11(b)に本実施の形態の変形例を示す。
図11(b)に示すように、本実施の形態の変形例において、導光体30の拡散領域35は、反射体38で覆われる代わりに、その表面に、導光体30の内側に光を反射する処理が施されている。光を反射する処理としては、例えば、白色塗装、白色板貼付、金属コーティング等を施すことができる。
本実施の形態によれば、導光体30の光出射しない領域(拡散領域35)で光を反射することにより、発光効率のよい照明用光源11を提供することができる。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図12(a)は、本実施の形態に係る照明用光源11の下面図である。図12(b)は、本実施の形態に係る照明用光源11のスリーブ39を除いた状態の下面図である。
図12(a)及び(b)に示すように、本実施の形態では、2つの直線状の照明用光源11それぞれの両端に、円弧状(具体的には、平面視で略四半円形状)の照明用光源11を1つずつ連結し(近接するように位置を固定するだけでもよい)、さらに、それぞれの両端同士を連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として平面視で略楕円形状もしくは略角丸四角形状のランプとしている。直線状の照明用光源11としては、例えば、図4(b)に示したようなものを用いることができる。円弧状の照明用光源11としては、例えば、図4(a)に示したようなものを用いることができる。直線状の照明用光源11と円弧状の照明用光源11との組み合わせ方(数、種類、配置等)は、ここで示したものに限らない。
照明用光源11同士は、スリーブ39によって連結されている。それぞれのスリーブ39は、各LEDモジュール20の基板を、対応する導光体30の端面31,32側に固定している。また、それぞれのスリーブ39は、各LEDモジュール20の基板と、対応する導光体30の端面31,32との隙間を囲んでいる。このため、光の漏れを防止することができる。しかも、導光体30の光源から最も近い箇所はスリーブ39で覆われることになるため、当該箇所から光が出射されなくなり、眩しさが低減されるとともに、全体の出射光の均一性も向上する。
図示していないが、それぞれのスリーブ39の内周面には、光を反射する処理が施されているものとする。これにより、LED21から発せられる光の略全てを導光体30の端面31,32に入射させることができるため、高い発光効率が得られる。光を反射する処理としては、例えば、白色塗装、白色板貼付、金属コーティング等を施すことができる。LEDモジュール20の基板の表面にも、同様の処理が施されていればなおよい。
上記のように、本実施の形態では、平面視で略直線状の照明用光源11と平面視で略円弧状(例えば、略半円形状、略四半円形状、略1/3円形状)の照明用光源11とを複数組み合わせて、自由なレイアウトの照明装置10を構成することができる。
また、本実施の形態では、LED21を実装した基板がスリーブ39を介して導光体30の端面31,32に配置され、このスリーブ39の内部には、光を反射する処理が施されている。そのため、端面31,32から入射し、そのまま逆側の端面31,32から出射した光を反射して導光体30の内側に戻すことができるので、高い発光効率が得られる。
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図13(a)は、本実施の形態に係る照明用光源11の斜視図である。
図13(a)において、導光体30は、長手方向の一端にある端面31(入射面)と、長手方向の他端にある端面32(他の入射面)と、長手方向に延在し、角部34がある側面33とを有する。端面31,32については、実施の形態1のものと同様である。側面33において、角部34から所定の距離D以上離れた領域は、拡散領域35になっている。拡散領域35には、光を拡散させる拡散パターン36が形成されている。拡散パターン36の構成については実施の形態1のものと同様である。なお、導光体30にドット印刷を施す際には、角部34(及び角部34から距離D以内の領域)に拡散パターン36がかからないように、例えば、拡散領域35と同サイズの印刷パターンを使用したり、角部34から距離D以内の領域にマスキングを施したりする。また、凸加工や凹加工をした導光体30を製造する際には、角部34(及び角部34から距離D以内の領域)に拡散パターン36がかからないように、例えば、拡散領域35に相当する範囲のみに凸パターンや凹パターンを設けた成形型(金型)を使用する。側面33において、角部34を含む少なくとも一部の領域は、出射領域37になっている。実施の形態1と同様に、拡散領域35と出射領域37とは、重複していてもよい。
本実施の形態では、導光体30の断面が四角形状であるため、側面33に角部34が4つあり、側面33が4つの面(断面の輪郭が四角形の四辺)からなる。側面33において、上側の板面では、角部34から距離D以上離れた領域が拡散領域35になっている。また、4つの面全体が、出射領域37になっている。
本実施の形態において、導光体30は、照明用光源11が照明装置10(本体12)に取り付けられているとき(即ち、照明用光源11の使用時)に、角部34が露出した状態で用いられるが、拡散パターン36が角部34までかかっていないため、LEDモジュール20(LED21)が点灯した際に、角部34で不規則な光散乱が起こりにくい。つまり、本実施の形態によれば、導光体30において、光を端面31,32から入射して側面33から出射する際に、角部34で起きる不規則な光散乱を抑制することが可能となる。また、角部34に凹凸等がないため、意匠性が向上する。
前述したように、側面33において、拡散領域35は、角部34から距離D以上離れた領域であるが、この距離Dは、好適には導光体30の短手方向の幅Wの略10%以下、又は、10mm(ミリメートル)以下であり、より好適には0.5mm以上である。拡散領域35が隣り合う2つの角部34の間にある場合、拡散領域35は、両方の角部34から距離D以上離れた領域となる。このとき、導光体30の短手方向において、拡散領域35の幅が導光体30の幅Wの80%以上を占めていれば、十分に高い発光効率を達成できると考えられる。距離Dが短いほど、発光効率が向上するため、導光体30の幅Wが100mm以上ある場合には、距離Dを10mm以下とすることが望ましい。距離Dがさらに短ければ、より好適であるが、距離Dは導光体30の製造が困難にならない程度の長さにすることが望ましい。前述したように、拡散パターン36はドット印刷、凸加工、凹加工等により形成されるが、距離Dを決める際には、ドット印刷、凸加工、凹加工等の精度を考慮する必要がある。例えば、導光体30を成形するための金型の雄型と雌型との位置合わせのバラツキを考慮する必要がある。
このように、本実施の形態では、所望の発光効率を得るために、拡散パターン36の面積は大きい方が望ましく、角部34と拡散領域35との間隔(距離D)は10mm以下もしくは拡散パターン36を施す面の幅の10%以下のどちらか小さい方とすることが望ましい。その一方、ドット印刷、凸加工、凹加工等の精度を考えると、角部34と拡散領域35との間隔は0.5mm以上、より確実には1mm以上とすることが望ましい。
ここで、図13(a)に対応する図である図13(b)及び(c)に本実施の形態の変形例1及び2を示す。
図13(b)に示すように、本実施の形態の変形例1において、導光体30は平面視で略矩形状(角柱状)である。この例では、導光体30が、長手方向に直線状に延びているという点を除き、図13(a)に示したものと同様に構成されている。
図13(c)に示すように、本実施の形態の変形例2において、導光体30は、図13(a)に示したものと同様に、板状に形成され、全体が略円弧状に長手方向に湾曲している。しかし、この例では、導光体30の湾曲する方向が図13(a)に示したものと異なる。図13(a)では、板面以外の面が湾曲面(内周面及び外周面)となっているが、図13(c)では、板面が湾曲面(内周面及び外周面)となっている。また、図13(a)では、上側の板面に拡散領域35があるが、図13(c)では、内周面に拡散領域35がある。即ち、この例では、側面33において、使用時に汚れたり、傷ついたりしにくく、また清掃される機会が比較的少ない内周面で、角部34から距離D以上離れた領域に拡散パターン36が形成されている。そして、使用時に直接触れられること等により汚れたり、傷ついたりしやすく、また清掃される機会が比較的多い外周面には拡散パターン36が形成されていない。このため、拡散パターン36の経年劣化等を抑制することができ、所望の配光特性を長期間維持できる。
図13(a)〜(c)では、導光体30の断面が矩形状であるため、側面33に直角の角部34が4つあるが、下記のように、角部34の数や形状(角度)はこれに限るものではない。
導光体30は、短手方向に切断した断面に角部34を少なくとも1つ有するように形成される。その断面の輪郭は、直線のみで構成されていてもよいし、曲線のみで構成されていてもよいし、直線と曲線との組み合わせで構成されていてもよい。つまり、導光体30は、多角柱状、蒲鉾形状等であってもよく、導光体30の断面は、例えば、涙形状、十字形状、半円形状、台形状、馬蹄形状であってもよい。
上記のように、本実施の形態では、長手方向に延伸して2つの端面31,32をもつ導光体30が、端面31,32からLED21による光を入射して表面から光を拡散することで光出射する。照明用光源11は、端部を除く導光体30の略全体を露出した状態で使用される。光を拡散するため導光体30の表面に施す拡散パターン36は、端面31,32を除く少なくとも1面以上に施され、かつ、導光体30のエッジ部(角部34)から離隔している。エッジ部に拡散パターン36がかかると、かかった箇所では光散乱するが、かからなかった箇所では光散乱しないため、エッジ部の光散乱パターンが不規則となり意匠性が損なわれる。本実施の形態ではそのような不規則散乱が防止できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。例えば、実施の形態4のスリーブ39は、実施の形態1〜3及び5でも使用可能である。