JP5404241B2 - 組電池制御装置 - Google Patents

組電池制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5404241B2
JP5404241B2 JP2009188383A JP2009188383A JP5404241B2 JP 5404241 B2 JP5404241 B2 JP 5404241B2 JP 2009188383 A JP2009188383 A JP 2009188383A JP 2009188383 A JP2009188383 A JP 2009188383A JP 5404241 B2 JP5404241 B2 JP 5404241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
assembled battery
voltage
charge
value
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009188383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011041422A (ja
Inventor
剛介 芝原
睦 菊地
彰彦 工藤
保雄 上村
謙二 久保
芳成 青嶋
昭彦 江守
光 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Vehicle Energy Japan Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Vehicle Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Vehicle Energy Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2009188383A priority Critical patent/JP5404241B2/ja
Publication of JP2011041422A publication Critical patent/JP2011041422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5404241B2 publication Critical patent/JP5404241B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)

Description

本発明は、組電池の充放電を制御する組電池制御装置に関する。
従来、組電池、例えば、電気自動車あるいはハイブリッド自動車用の組電池では、組電池の総電圧を検出する回路、各電池の電圧を検出する回路、そして組電池の複数箇所の温度を測定する回路をそれぞれ備えており、それぞれの回路の診断によって、またはそれら検出回路の出力を比較することによって、故障の有無を検知している。
特開2003−134675号公報 特開2004−177208号公報
しかしながら、従来の技術では故障の有無については検知しているが、故障の程度や、検知された故障が車両制御に対してどのような影響を及ぼすのまでは考慮されていない。例えば、故障を検知した時点で単純に組電池の使用を禁止してしまうと、ハイブリッド車においては車両走行時の燃費を悪化させてしまう。また、電気自動車の場合には、故障を検知したら車両を即停止させることになり、ユーザーの利便性が著しく損なわれる。また、システム構成によってはハイブリッド車でも同様に、車両を停止しなければならないことがある。
請求項1の発明に係る組電池制御装置は組電池を構成するセルの温度を検出する温度センサと、診断時に温度センサの通電電流値を変化させ、検出温度の変化が第1の所定閾値を超えた場合に、温度センサと前記セルとの接触状態が異常であると診断する第1の診断手段と、温度センサの検出温度に基づいて、組電池の充電状態を推定する推定手段と、第1の診断手段により異常と診断されたときに、組電池に対する許容充放電範囲を、予め設定されている正常時許容充放電範囲よりも範囲の狭い異常時許容充放電範囲に設定する設定手段と、推定手段で推定された充電状態が異常時許容充放電範囲に収まるように、組電池の充放電を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電池状態を検出する温度センサや総電圧検出回路の異常状態に応じて、組電池の充放電制御を行うことができる。
組電池制御装置を説明するブロック図である。 温度検出回路83およびサーミスタ100を説明する図であり、(a)は取り付け位置が正常な場合を示し、(b)は取り付け位置が異常な場合を示す。 セル電圧検出回路81の一例を示す図である。 IC内部ブロックの一部を示す図である。 バッテリコントローラ80の総電圧検出回路82を説明する図である。 マイコン6における電圧測定(セル電圧および総電圧)動作および容量調整動作を示すフローチャートである。 温度測定および温度測定系の診断に関する動作を説明するフローチャートである。 マイコン91の動作のメインフローを示すフローチャートである。 図8に示すフローチャートに続く処理を示すフローチャートである。 ステップS305における処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本実施形態の組電池制御装置を説明するブロック図である。組電池制御装置は、複数のセルから成る組電池1を制御するバッテリコントローラ80、負荷システム90、電流遮断装置70、電流センサ30および温度センサとしてのサーミスタ100を備えている。図1に示す例はハイブリッド自動車用の組電池制御装置を示したものであり、負荷システム90はインバータ92やモータ93などで構成される。もちろん、本発明に係る組電池制御装置は、ハイブリッド自動車用に限らず電気自動車等の電気車にも適用が可能である。
バッテリコントローラ80は主に組電池1の監視装置として機能するものであり、セル電圧検出回路81、総電圧検出回路82、マイコン6、温度検出回路83および電流検出回路86を備えている。温度検出回路83には、組電池1に設けられたサーミスタ100からの検出信号が入力される。84,85は総電圧検出端子である。
図2(a)は温度検出回路83とサーミスタ100を示す図である。Rtはサーミスタ100の抵抗値を表している。サーミスタ100は、温度測定対象であるセルと接触しそのセルと同一温度となる位置及び固定方法で設置され、ハーネスによって温度検出回路83が設けられた回路基板まで配線される。温度検出回路83はバッテリコントローラ80の回路基板側に設けられた温度測定用インターフェース回路であり、サーミスタ100の一端をプルアップする直列抵抗Rsと、抵抗Rsを短絡させるスイッチSW1と、RCフィルタを構成する抵抗RlpfおよびコンデンサClpfとを備えている。
通常、スイッチSW1はオフ状態となっており、抵抗Rsとサーミスタ100の直列接続に電圧Vccが印加されている。電圧Vccは抵抗Rsとサーミスタ100の抵抗Rthとによって分圧される。サーミスタ100の電圧値Vtは、RCフィルタを介してマイコン6のアナログ入力に入力され、温度に変換される。抵抗RlpfおよびコンデンサClpfで構成されるRCフィルタは、アナログ入力に入力される電圧値Vtの高周波ノイズを抑制する。また、スイッチSW1はマイコン6のポート出力からの信号によりオンオフ制御される。なお、サーミスタ及び温度測定用インターフェース回路を複数設ける場合もある。
電流センサ30は組電池1の出入電流(充電電流、放電電流)を検出するものであり、例えば、ホール素子を用いた電流センサが使用される。電流センサ30からの検出信号は電流検出回路86に入力される。
本実施形態では、バッテリコントローラ80は、インバータ92のコントローラであるマイコン91との間でCAN(Control Area Network)20を介して通信を行う。バッテリコントローラ80は、検出回路81〜83で検出した情報を、CAN20を介して上位コントローラとして位置づけられるマイコン91に送信する。マイコン91は、バッテリコントローラ80からの情報(総電圧、充放電電流値、組電池温度)に基づいて組電池1の充電状態(SOC:State of charge)を推定するとともに、許容充放電範囲を決定する。また、インバータ92を制御して組電池1の充放電を制御する。
セル電圧検出回路81では、組電池1を構成する各セルの電圧を測定する。測定されたセル電圧情報は、マイコン6からの要求によりマイコン6へ送られ、さらに上位のマイコン91へ送信される。また、セル電圧検出回路81には、後述するように、各セルの充電量を放電により調整する容量調整回路が設けられている。本実施の形態では、容量調整実施の有無を上位のマイコン91が判断する構成となっているので、マイコン6は、マイコン91の指示により容量調整回路による各セルの容量調整を行わせる。
図3は、セル電圧検出回路81の一例を示す図である。組電池1を構成する複数のセルはいくつかのセルグループに分けられており、各セルグループに対応して集積回路ICが設けられている。図3では組電池1に含まれるセルグループの内、上位の2つのセルグループが表示されている。一つは、図示上側の4つのセルBC1〜BC4から成るセルグループであり、これらのセルはIC1によって管理される。下側の6つのセルBC1〜BC6から成るセルグループはIC2によって管理されている。
IC1、IC2のCV1〜CV6端子はセルのセル電圧を計測するための端子であり、各ICは6セルまで計測することができる。6セルを監視するIC2の場合、CV1〜CV6端子の電圧計測ラインには、端子保護及び容量調整の放電電流制限のための抵抗RCVがそれぞれ設けられている。各電圧計測ラインはセンシング線LSを介して各セルBC1の正極または負極に接続されている。例えば、セルBC1のセル電圧を計測する場合には、CV1−CV2端子間の電圧を計測する。また、セルBC6のセル電圧を計測する場合には、CV6−GNDS端子間の電圧を計測する。電圧計測ライン間には、コンデンサCv,Cinがノイズ対策として設けられている。
組電池1の性能を最大限に活用するためには、全セルのセル電圧を均等化する必要がある。例えば、セル電圧のばらつきが大きい場合、回生充電時に最も高いセルが上限電圧に達した時点で回生動作を停止する必要がある。この場合、その他のセルのセル電圧は上限に達していないにもかかわらず、回生動作を停止して、ブレーキとしてエネルギーを消費することになる。このようなことを防止するために、各ICは、マイコン6からのコマンドでセルの容量調整のための放電を行う。
IC1、IC2において、BS1〜BS6がセル容量調整用のバランシングスイッチである。例えば、IC1のセルBC1の放電を行う場合には、バランシングスイッチBS3をオンする。そうすると、セルBC1の正極→抵抗RCV→CV1端子→バランシングスイッチBS3→BR3端子→抵抗RB→セルBC1の負極の経路でバランシング電流が流れる。RBまたはRBBはバランシング用の抵抗である。
602,604はセル電圧検出回路81とマイコン6との通信を行う通信系であり、フォトカプラPHにより電気的に絶縁されている。IC1,IC2は、マイコン6から送信されたコマンド信号に応じて、セル電圧等の測定データをマイコン6へ送信したり、バランシング動作を行ったりする。
図4はIC内部ブロックの一部を示す図であり、6つのセルBC1〜BC6が接続されるIC2を例に示した。IC2には、マルチプレクサ120,アナログデジタル変換器122A,IC制御回路123,差動増幅器262、放電制御回路132、定電圧回路134等が設けられている。
セルBC1〜BC6の端子電圧は、CV1端子〜CV6端子およびGNDS端子を介してマルチプレクサ120に入力される。マルチプレクサ120はCV1端子〜CV6端子およびGNDS端子のいずれかを選択して、端子間電圧を差動増幅器262に入力する。差動増幅器262の出力は、アナログデジタル変換器122Aによりデジタル値に変換される。デジタル値に変換された端子間電圧はIC制御回路123に送られ、内部のデータ保持回路(不図示)に保持される。
CV1〜CV6,GNDS端子に入力される各セルBC1〜BC6の端子電圧は、IC2のグランド電位に対して直列接続されたセルの端子電圧に基づく電位でバイアスされている。上記差動増幅器262により上記バイアス電位の影響が除去され、各セルBC1〜BC6の端子電圧に基づくアナログ値がアナログデジタル変換器122Aに入力される。
SB1〜SB6はバランシングスイッチであり、図3に示す例では、バランシングスイッチBS1,BS3,BS5にはPMOSスイッチが用いられ、バランシングスイッチBS2,BS4,BS6にはNMOSスイッチが用いられている。これらのバランシングスイッチSB1〜SB6の開閉は、放電制御回路132によって制御される。上位コントローラであるマイコン6からの指令に基づいて、IC制御回路123から放電制御回路132に、放電させるべきセルに対応したバランシングスイッチを導通させるための指令信号が送られる。IC制御回路123は、マイコン6から各セルBC1〜BC6に対応した放電時間の指令を通信により受け、放電動作を実行する。
図5はバッテリコントローラ80の総電圧検出回路82を説明する図である。図1に示した総電圧検出回路82は、分圧抵抗10、バッファ回路3および4、定電圧回路2および差動増幅回路5で構成される。なお、本実施の形態では、マイコン6はADコンバータを内蔵するタイプが使用されているが、総電圧検出回路82の検出信号を、ADコンバータを介してマイコンに入力するような構成であっても良い。
組電池1に並列に接続される分圧抵抗10は、直列に接続された抵抗11、12、13および14によって構成される。本実施形態の形態では、高抵抗値の抵抗11,14はRHに設定され、電圧測定(および分圧)用の抵抗である抵抗12,13はRLに設定されている。従って、組電池1とバッテリコントローラ80との間は、凡そRH/2の絶縁抵抗で絶縁されていることになる。また、抵抗11および抵抗12により計測される電圧の分圧比はRL/(RH+RL)となる。
定電圧回路2は、出力が低インピーダンスなものを用い、抵抗12と抵抗13の中間点に接続される。本実施の形態では、単電源で動作し、V_biasを入力とするバッファ回路で構成している。抵抗11と抵抗12との接続点は、バッファ回路3を介して差動増幅回路5の正相入力側に、すなわちバッファ回路3および抵抗51を介して差動増幅器50の正相入力端子に接続されている。一方、抵抗13と抵抗14との接続点は、バッファ回路4を介して差動増幅回路5の逆相入力側に、すなわちバッファ回路4および抵抗53を介して差動増幅器50の逆相入力端子に接続されている。なお、抵抗51,53の値はRaに、抵抗52,54の値はRbにそれぞれ設定されている。
差動増幅回路5の出力側は、基準電圧源(例えばツェナーダイオード)8を基準電圧とするマイコン6のA/D入力端子61に接続されており、マイコン6で組電池1の総電圧が測定される。なお、バッファ回路3、4および差動増幅回路5で使用される演算増幅器も、定電圧回路2で使用されている演算増幅器と同様に単電源で動作するものであり、本実施の形態ではこれら4個の演算増幅器が1個のパッケージに内蔵されたものが用いられている。
マイコン6のA/D入力端子62には定電圧回路2の出力電圧が入力され、A/D入力端子63にはバッファ回路3の出力電圧が入力され、A/D入力端子64にはバッファ回路4の出力電圧が入力され、各電圧がマイコン6によってそれぞれ検出される。一例として、マイコン6の各A/D入力端子のフルスケールは基準電圧源8の電圧VRであり、Nビットの分解能を持つ。よって、A/D入力端子61で検出した電圧のデジタル値D61から、次式(1)によって組電池1の総電圧Eoが計算できる。
Eo=(D61/2)×VR×(Ra/Rb)×RL/(RH+RL) …(1)
なお、精度向上のため、上記演算の前に、デジタル値をゲイン補正値Dgとオフセット補正値Doにて補正するようにしても良い。その場合に得られる補正デジタル値D610は、次式(1.1)で表される。
D610=D61×Dg+Do …(1.1)
また、A/D入力端子63,64で検出した各電圧のデジタル値D63,D64を用いて、次式(2)により組電池1の総電圧(Eo’と記す)を計算することもできる。総電圧Eoは差分増幅回路5の出力電圧V1に基づく総電圧測定値であり、一方、総電圧Eo’は差分増幅回路5を通さずに検出された電圧V3,V4に基づく総電圧測定値である。総電圧Eoと総電圧Eo’とは構成により精度が異なるので、区別して考える。
Eo’=(D63−D64)/2×VR×RL/(RH+RL) …(2)
なお、各A/D入力端子62、63,64で検出した各デジタル値D62,D63,D64に基づき、電圧V2,V3,V4は次式(3)、(4)、(5)によりそれぞれ計算できる。
V2=(D62/2)×VR …(3)
V3=(D63/2)×VR …(4)
V4=(D64/2)×VR …(5)
(動作説明)
次に、各マイコン6および91の動作について説明する。図6および図7はマイコン6の動作を説明するフローチャートである。マイコン6は、総電圧検出回路82の四箇所の電圧値V1〜V4を所定周期(例えば、500ms周期)で測定し、通信手段であるCAN20を介して負荷システム90内のマイコン91へ送信する。また、それとは別に、温度センサ100で電池温度を検出するとともに、その検出結果に基づいて温度センサ100の状態を診断する。温度検出値および温度センサ100の診断結果は、CAN20を介してマイコン91へ送信される。
図6に示すフローチャートは、電圧測定(セル電圧および総電圧)動作および容量調整動作を示したものである。車両のキーオン動作によりマイコン6が起動し、図6に示す一連の処理がスタートする。ステップS100では、初期化処理が行われる。初期化処理としては、例えば、マイコンの各種ポートの設定や外部記憶装置などの診断などがある。ステップS110では、図5に示す5箇所のA/D入力端子61〜65における測定を行い、各電圧値を計算する。ステップS120では、算出された電圧値V1〜V4を、CANを介して上位のマイコン91へ伝達する。
ステップS130では、セル電圧検出回路81で検出された各セル電圧をセル電圧検出回路81から収集し、CAN通信により上位コントローラであるマイコン91へ送信する。ステップS140では、上位のマイコン91から容量調整の要求があったか否かを判定する。ステップS140において要求があったと判定されると、ステップS150に進んで該当セルの容量調整を容量調整回路により行う。一方、ステップS140でNOと判定された場合には、ステップS150をスキップしてステップS160へ進む。
ステップS160では、車両停止のキーオフ信号を受信したか否かを判定する。ステップS160においてNOと判定されると、ステップS110へ戻る。すなわち、キーオフ信号を受信するまでは、ステップS110からステップS150までの処理が繰り返し実行される。一方、キーオフ信号が受信されると、ステップS160からステップS170へ進みシャットダウン処理を行う。なお、このシャットダウン処理においても、ステップS100の場合と同様の診断処理(マイコンや外部記憶装置などの診断)を行うようにしても良い。
上述したように、マイコン6は図6に示す動作と並行して、図7に示す温度測定および温度測定系の診断動作を行う。なお、温度測定動作および診断動作は、総電圧測定動作と同一周期で行われる必要はない。
図7は、温度測定および温度測定系の診断に関する動作を説明するフローチャートである。温度測定系の診断は、温度測定が所定の回数(本実施の形態では10回)行われる毎に実行される。ステップS200では、温度測定のカウント数NをN=0に設定する。ステップS202では、図2に示すサーミスタ100の電圧値Vtを測定し、測定された電圧値Vtを温度(T0)に変換する。その温度T0の情報はCANを介してマイコン91へ送信される。
ステップS204では、温度測定の回数を表すNがN=10となったか否かを判定する。ステップS204においてN=10と判定されるとステップS206へ進み、ステップS206からステップS220までの診断動作に関する処理を行う。一方、温度測定回数Nが10に達しておらずステップS204でNOと判定された場合には、ステップS222へ進む。
ステップS204からステップS222へ進んだ場合には、ステップS226において回数Nの値を1だけ増加させる。続くステップS224では、キーオフ信号を上位コントローラから受信したか否かを判定する。ステップS224においてキーオフ信号を受信したと判定されると、一連の処理を終了し、キーオフ信号が受信されていないと判定されるとステップS202へ進み、再び温度測定を行う。
一方、温度測定の回数Nが10となってステップS204からステップS206に進んだ場合には、ステップS206において、サーミスタ100の電圧値Vtを測定し温度に変換する。このときの温度をT1とする。次に、ステップS208においてスイッチSW1を所定時間twだけオン状態とする。スイッチSW1をオン状態とすると、抵抗Rsを介さずに電圧Vccがサーミスタ100に印加される。その結果、抵抗値Rtのサーミスタ100に流れる電流が大きくなって発熱量が増加し、サーミスタ100の温度が上昇する。
ステップS210では、再度電圧値Vtを測定し温度に変換する。このときの温度をT2とする。温度上昇ΔT=T2−T1は、サーミスタ100の放熱状態によって異なる。図2(a)に示すようにサーミスタ100が正常な取り付け状態にある場合には、サーミスタ100は、静止空気と比べると熱伝導性に優れ、かつ熱容量が大きいセルに密着するように設けられている。すなわち、セルとの間の熱抵抗Rthが小さく、温度上昇ΔTも比較的小さい。一方、組み付け不良や振動の影響等によりサーミスタ100の取り付け位置がずれて、図2(b)に示すようにセルから離れた状態になると、セルとの間の熱抵抗Rth’が大きくなって温度上昇ΔTが増加する。
ステップS212では、温度上昇ΔTが、取り付け状態の異常判定閾値Tthよりも大きいか否かを判定する。ステップS212でΔT>Tthと判定されると、すなわち、取り付け状態が異常であると判定されるとステップS214に進み、故障モードフラグF3を、温度精度悪化を表す1に設定する。一方、ステップS212でΔT>Tthでないと判定されると、すなわち、取り付け状態は正常であると判定されると、ステップS216に進み、故障モードフラグF3を、正常を表す0に設定する。これらの故障モードフラグF3は、上位コントローラであるマイコン91に送信され、マイコン91における診断処理に利用される。
ステップS214またステップS216における故障モードフラグF3の設定が終了すると、ステップS218に進んで、温度測定回数を表すNを初期値(N=0)に戻し、ステップS220において所定時間twだけ待つ。このステップS220の処理は、ステップS208の処理による温度上昇ΔTを解消して、温度センサ100が元の温度に戻るのを待つための処理である。
ステップS222では、温度測定の回数Nを1だけ増加させる。ステップS224では、前述したように、キーオフ信号を上位コントローラから受信したか否かを判定し、キーオフ信号が受信された場合には一連の処理を終了し、キーオフ信号が受信されない場合にはステップS202へ戻り、再び温度測定を行う。このようにして、組電池1の温度測定と、温度測定系の診断、具体的にはサーミスタ100の取り付け状態に関する診断を行う。
なお、上述した例では、温度測定が10回行われる度に診断を1回行うようにしているが、例えば、キーオフ時(つまり1キーサイクルで1回)に診断を実施して、その診断結果を不揮発メモリに保存し、次のキーオン時にその診断結果を読み取って制御に反映させるようにしても良い。また、サーミスタ100の代わりに温度センサ自身が発熱体として機能しないセンサを使用した場合であっても、発熱体を別に設けることで、サーミスタ100の場合と同様に取り付け状態を診断することが可能である。
続いて、マイコン91にて行われる診断動作および制御動作について、図8〜10のフローチャートを用いて説明する。マイコン91では、マイコン6からのデータに基づいて総電圧測定系(総電圧検出回路82)の診断を行うとともに、総電圧測定系の診断結果および温度測定系の診断結果に基づいて、負荷システム90および電流遮断装置70の制御を行う。
図8は、マイコン91の動作のメインフローを示すフローチャートである。車両のキーオンによりマイコン91が起動し、ステップS300において初期化処理を行う。ステップS300では、例えば、マイコンの各種ポートの設定を行うとともに、マイコンや外部記憶装置などの診断を行うようにしても良い。ステップS302では、電圧値V1〜V4、温度T0および故障モードフラグF3を、マイコン6から受信する。ステップS304では、セル電圧検出回路81で検出された各セルの電圧を、マイコン6から受信する。ステップS305では、受信した情報に基づいて、総電圧測定系の診断を行う。
(ステップS305の処理の詳細説明)
図10は、ステップS305における処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS400において、電圧値V2の値が正常範囲か否かを判定する。本実施の形態では、定電圧回路2の電圧値をV_biasに設定しているので、例えばV_bias±10%の範囲を電圧値V2の正常範囲とする。ステップS400において正常と判定されるとステップS410へ進み、電圧値V2が正常範囲を外れている場合にはステップS402へ進む。
ステップS402へ進んだ場合には、定電圧回路2の故障であると診断する。また、電圧値V2が正常範囲を外れている場合には、算出された総電圧測定値EoおよびEo’に関しても信頼性が無いので、ステップS404へ進んで、故障モードフラグF1として精度ゼロを表す数値2を保存する。
一方、ステップS400において電圧値V2が正常範囲にあると判定された場合には、ステップS410に進んで、電圧値V3が電圧値V2に対して正常範囲内か否かを判定する。ここでは、電圧値V3と電圧値V2との差がVL以上かつVH以下の範囲にある場合、すなわちVL≦V3−V2≦VHを正常範囲と定義する。ステップS410で正常範囲と判定されるとステップS420に進み、正常範囲でないと判定されるとステップS422へ進む。
ステップS420では、電圧値V4が電圧値V2に対して正常範囲内か否かを判定する。この場合も、電圧値V2と電圧値V4との差がVL≦V3−V2≦VHを満足していれば、正常範囲と判定する。ステップS420で正常範囲と判定されるとステップS430に進み、正常範囲でないと判定されるとステップS422へ進む。
ステップS410またはステップS420で正常範囲でないと判定されてステップS422に進んだ場合には、バッテリコントローラ80に設けられている分圧抵抗11〜14、分圧回路3,4の故障と判断する。故障としては、(a) 分圧抵抗12または分圧抵抗13の開放または短絡故障、(b) 分圧抵抗11または分圧抵抗14の開放故障、(c) バッファ回路3またはバッファ回路4の故障、のいずれかが考えられる。いずれにしても、このような故障が発生した場合には、算出された総電圧測定値EoおよびEo’に関して信頼性が無いので、ステップS406へ進んで、故障モードフラグF1として精度ゼロを表す数値2を保存する。
ステップS420で正常範囲と判定されてステップS430に進んだ場合には、ステップS430において、2つの総電圧測定値Eo,Eo’に整合性があるか否かを判定する。ここでは、総電圧測定値Eoと総電圧測定値Eo’の差の絶対値がVx以上であれば整合性が無く、異常であると判定し、Vx未満の場合には整合性が有り、正常であると判定する。Vxの値は、必要な測定精度に基づき設計し、例えば組電池のSOC=50%での総電圧の1割程度(SOC=50%で、350Vであれば、Vx=35V)とする。
ステップS430で整合性無しと判定された場合には、ステップS432に進んで差動増幅回路5の故障と判断する。この場合、差動増幅回路5の出力(V1)に基づいて算出される総電圧測定値Eoの精度は信頼できないが、差動増幅回路5に入る前の電圧値V3,V4に基づいて算出された総電圧測定値Eo’の値は信頼できると判断される。ただし、構成によっては総電圧測定値Eo’の精度が劣る場合があるので、ステップS436において、故障モードフラグF1に精度悪化を表す数値1を保存する。一方、総電圧測定値Eoと総電圧測定値Eo’の差の絶対値がVx未満の場合には、ステップS430において整合性有りと判定され、ステップS434へ進む。ステップS434では、故障モードフラグF1に正常を表す数値ゼロを保存する。
このようにして総電圧測定系の診断(図10に示す一連の処理)が終了したならば、図8のステップS308へ進む。ステップS308以降の処理においては、以上の診断結果を4種類に分類し、それぞれに応じた制御を行う。本実施の形態では、(1)フラグF1、F3のいずれもがゼロの場合(F1=F3=0)、(2)フラグF1がゼロでフラグF3が1の場合(F1=0,F3=1)、(3)フラグF1が1の場合、(4)フラグF1が2の場合の4種類に分類する。
まず、ステップS308では、故障モードフラグF1,F3についてF1=F3=0であるか否かを判定する。ステップS308でYES(F1=F3=0)と判定されるとステップS320へ進み、NOと判定されるとステップS310へ進む。
ステップS330では、F1=F3=0であって総電圧測定系および温度測定系は正常に動作しているので、電池使用可能か否かを表す故障モードフラグF2を、電池使用可能を表す1に設定する。この場合、総電圧測定系および温度測定系は正常に動作しており、総電圧測定値Eoも電池温度測定値T0も信頼できるので、それらに基づいて算出される組電池1のSOCの誤差も小さいと判断される。よって、ステップS322では、許容充放電範囲を通常の許容範囲A0に設定する。ステップS324では、総電圧測定値Eo、電池温度測定値T0および電流センサ30で検出された電流値に基づいてSOCを推定する。
一方、ステップS308においてNOと判定された場合には、ステップS310に進んで故障モードフラグF1がF1=2となっているか否かを判定する。F1=2の状態とは、上述したように定電圧回路2が故障して電圧測定値の精度が落ちている状態(精度ゼロの状態)と判断された場合である。よって、ステップS310でYES(F1=2)と判定された場合には、ステップS330に進んで、故障モードフラグF2を、電池使用不能を表すゼロに設定する。この場合、電池使用不能の情報がマイコン91から上位のコントローラ(車両コントローラ)に送信される。車両コントローラは、例えば、組電池1の使用を停止して(シャットダウンして)、組電池1を使用しない走行モード等に移行させる。また、電池使用不能の情報を上位へ送信した後に、ステップS330から後述するステップS342に進んでシャットダウン処理を実行するようにしても良い。
ステップS310でNOと判定された場合、すなわち、故障モードフラグF1,F3の少なくとも一方が1である場合には、ステップS312に進み、故障モードフラグF2を1(電池使用可能)に設定する。故障モードフラグF1,F3の少なくとも一方が1であるということは、総電圧測定値Eoおよび温度測定値T0の少なくとも一方に精度悪化が生じていることを意味している。すなわち、測定値EoおよびT0を用いてSOCを推定した場合、SOCの推定誤差が大きくなってしまう。そこで、ステップS314では、許容充放電範囲を通常の許容範囲A0よりも狭い許容範囲A1に設定する。なお、狭い許容範囲A1に設定する理由は後述する。
ステップS316では、故障モードフラグF1がF1=0か否かを判定する。F1=0の場合、すなわち総電圧測定系は正常であると判断される場合、総電圧測定値Eoは信頼性を有している。そこで、ステップS324へ進んで総電圧測定値Eoおよび温度測定値T0を使用してSOC推定を行う。一方、ステップS316でNO(F1=1)と判定された場合には、差動増幅回路5の故障が生じていて総電圧測定値Eoに信頼性が無いと判断されるので、電圧値V3、V4に基づき算出される総電圧測定値Eo’と温度測定値T0とを使用してSOC推定を行う。それにより、総電圧測定値Eoを用いる場合に比べてもSOC推定の誤差を小さくすることができる。よって、ステップS318において総電圧測定値Eo’と温度測定値T0とに基づくSOC推定を行い、図9のステップS340へ進む。
図9のステップS340では、ステップS304で受信した各セルの電圧値を比較し、容量調整が必要なセルがあるか否かを判定する。ステップS340でYESと判定された場合には、容量調整の指示をマイコン6へ送信した後に、ステップS344へ進む。一方、ステップS340でNOと判定された場合には、ステップS344へ進み、車両停止のキーオフ信号を受信したか否かを判定する。ステップS344においてキーオフ信号を受信したと判定されると、ステップS346へ進んでシャットダウン処理を実行し、キーオフ信号が受信されない場合には図8のステップS302へ戻る。すなわち、キーオフ信号を受信するまで、以上のステップS302からステップS344までの処理が繰り返し実行される。なお、ステップS346においても、ステップS300の場合と同様の診断処理が行われる場合がある。
負荷システム90のマイコン91は、上述した(1)〜(4)の4つの分類に応じて算出されたSOC推定に基づいて、それぞれの許容充放電範囲を逸脱しない範囲で、インバータ駆動のための放電電流制御や、回生による充電電流制御を行う。
分類(1)の場合には、F1=F3=0と差動増幅回路5も温度測定系も正常であるので、総電圧測定値Eoと温度測定値T0に基づいてSOCを推定するとともに、通常の許容充放電範囲A0を逸脱しない範囲で充放電制御を行う。
分類(2)の場合には、F1=0,F3=1であって差動増幅回路5は正常であるが温度測定系が悪化しているので、SOC推定は、総電圧測定値Eoと温度測定値T0に基づいて行う。しかし、温度測定値T0には温度測定系悪化による誤差が生じているので、SOC推定値にも誤差が生じている。そのため、後述するような理由により、通常の許容充放電範囲A0よりも狭い範囲A1を許容充放電範囲に設定する。
分類(3) の場合には、F1=1であるので、差動増幅回路5の悪化により総電圧測定値Eoに誤差が生じている。そのため、SOCの推定には、総電圧測定値Eoに代えて、差動増幅回路5に入力される前の電圧値V3,V4に基づく総電圧測定値Eo’を用いる。フラグF3は0または1であるが、いずれにしても総電圧測定値Eo’を使用することでSOC推定に誤差が含まれているので、通常の許容充放電範囲A0よりも狭い範囲A1を許容充放電範囲に設定する。
分類(4) の場合には、F1=2であって、定電圧回路2が故障していて精度ゼロと判断されるので、電池使用不能とする。
ここで、分類(2),(3)の場合に、許容充放電範囲を通常の許容充放電範囲A0よりも狭い範囲A1に設定する理由について説明する。ここでは、範囲A0が10〜90%であって、範囲A1を20〜80%のように狭く設定する場合を例に説明する。F1=F3=0である分類(1)の場合には、測定値Eo,T0は精度が良いので、算出されるSOC推定値も精度が高い。そのため、範囲A0の上限(90%)または下限(10%)まで充放電を行っても、過放電や過充電を招くことがない。
一方、分類(2),(3)の場合のようにSOC推定値に誤差が生じている場合には、SOC推定値として90%が算出された場合であっても、実際のSOCに対してずれが生じていて、例えば、実際のSOCが95%のようになっていることもある。そのような場合には、許容充放電範囲A0で制御しているにもかかわらず、実際のSOCが上限の90%を越えて過放電になってしまうおそれがある。
しかし、上述のようにSOC推定値に誤差が生じている場合であっても、許容充放電範囲を20〜80%のように狭く設定すれば、SOC推定値がこの範囲の上限80%になった場合でも実際のSOCは85%程度となる。そのため、従来の範囲A0における上限(90%)を越えることがなく、安全に組電池1の充放電制御を行うことができる。また、このような制御を行うことで、組電池1の使用を可能な限り継続することができ、組電池1が使用不可となることで車両の燃費が低下するのを抑えることができる。
なお、測定精度が悪化する程度は、回路構成に応じて事前に見積もることができるので、従来の許容充放電範囲A0に対して範囲A1の幅をどれだけ狭めるかは、その見積もりに応じて決定すれば良い。また、許容充放電範囲A0の上下限の両方を狭めるように設定したが、いずれか一方のみを狭めるように設定するようにしても良い。
[変形例]
SOCの算出には総電圧、充放電電流および電池温度に基づいて行われる。上述した実施の形態では、総電圧測定系および電池温度測定系の診断方法と、許容充放電範囲への診断結果の反映方法について説明したが、以下に述べる変形例では、電流検出系の診断結果も考慮して許容充放電範囲の設定を行うようにした。
上述したように、電流センサ30にホール素子を使用した場合、電流センサ30はオフセット誤差をもつ特性がある。そこで、マイコン91は、車両起動直後の、すなわち、電流遮断装置70(図1参照)が開放状態で電流値がゼロだとわかっているときの、電流センサ30のセンサ出力値をオフセットとして記憶する。この記憶されたオフセット値の大きさが所定値S1以内である場合には、電流検出値をそのオフセット値でオフセット補正し、許容充放電範囲については変更しない。すなわち、上述した分類(1)〜(3)の許容充放電範囲をそのまま使用しつつ、オフセット補正した電流値を用いてSOC推定を行う。
また、記憶されたオフセット値の大きさが、所定値S1から所定値S2(S2>S1)の範囲内に収まる場合には、電流検出値をそのオフセット値でオフセット補正し、許容充放電範囲については上述した分類(1)〜(3)の範囲をさらに制限する。すなわち、分類(1)〜(3)において許容充放電範囲がA0の場合にはより狭い範囲B0に制限し、許容充放電範囲がA1の場合にはより狭い範囲B1に制限する。もちろん、範囲A0の場合は範囲A1に変更し、総電圧診断および温度診断によって既に範囲A1に制限されている場合には範囲A1をそのまま使用するようにしても良い。
さらに、記憶されたオフセット値の大きさが所定値S2よりも大きい場合には、電流検出部30の故障と判断し、図8のステップS330の場合と同じように電池使用不可と設定し、組電池1の使用を禁止する。
なお、例えばシステムの構成上、負荷システム90内にも電流センサを設けている場合には、充放電許容範囲を制限せずに継続して組電池1を使用しても良い。また、ここでは、電流センサの検出結果を許容充放電範囲に反映させる方法の一例として、オフセット値の範囲を、2つの所定値S1、S2を用いて3つに分類したが、分類の仕方はこれに限るものではない。また、所定値S1,S2は電流センサ30の特性等に基づいて設定される。
上述した実施の形態では、図1に示すようにバッテリコントローラ80と負荷システム90とが分離していて、マイコン6とマイコン91との間でCAN通信する構成としたが、それらを統合し、一つのマイコンで制御するような構成としても良い。その場合、図6〜9で示すフローチャートの処理や制御は全て同一マイコンが実施することになる。
また、上述した例では、SOC推定値の誤差に応じて許容充放電範囲(許容SOC範囲)を変更したが、許容充放電範囲とは別に、許容充放電電力または許容充放電電流を制限するようにしても良い。組電池1の充放電を行う際には、組電池1の総電圧および電流値等から、受け入れ可能または取り出し可能な電力値(充放電可能電力値)または電流値(充放電可能電流値)を推定し、推定された充放電可能電力値または充放電可能電流値を超過しないように、組電池1の充放電を制御している。
上述したように、本実施の形態では総電圧測定系や電流センサ30の診断を行っているので、その診断結果を上述した充放電制御に利用するようにしても良い。すなわち、総電圧測定系および電流センサ30の故障の程度および内容に応じて、充放電電力値または充放電電流値を制限することで、その時点の組電池1の充放電可能電力値または充放電可能電流値を越えた過大な負荷が掛かるのを防止することが出来る。例えば、充放電可能電力値または充放電可能電流値を、故障の程度および内容に応じて小さく設定し、それらを越えないように充放電を制御する。
以上説明したように、本実施の形態の組電池制御装置は、組電池1の電池状態を表す物理量(総電圧、温度、電流値)を総電圧測定系(総電圧検出回路82)、温度測定系(温度センサ100,温度検出回路83)、および電流測定系(電流センサ30,電流検出回路86)で検出する。これらの測定系の検出状態(故障状態)はマイコン6,91によって診断される。マイコン91は、測定系で検出された上記物理量に基づいて組電池1の充電状態(SOC)を推定し、診断結果に基づいて、組電池1が使用可能な充電状態の範囲を表す許容充放電範囲を設定する。そして、マイコン91は、推定された充電状態が許容充放電範囲に収まるように、組電池1の充放電を制御する。その結果、従来のように故障が検出されたら、ただちに組電池1の使用を禁止するのではなく、故障の程度に応じて安全に組電池1の制御を行うことで、燃費とユーザーの利便性を高めるという効果を得ることができる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
1:組電池、2:定電圧回路、3,4:バッファ回路、5:差動増幅回路、6,91:マイコン、10:分圧抵抗、11〜14,51〜54:抵抗、30:電流センサ、50:差動増幅器、70:電流遮断装置、80:バッテリコントローラ、81:セル電圧検出回路、82:総電圧検出回路、83:温度検出回路、86:電流検出回路、90:負荷システム、92:インバータ、93:モータ、100:サーミスタ、BC1〜BC6:セル、SW1:スイッチ

Claims (5)

  1. 組電池を構成するセルの温度を検出する温度センサと、
    診断時に前記温度センサの通電電流値を変化させ、検出温度の変化が第1の所定閾値を超えた場合に、前記温度センサと前記セルとの接触状態が異常であると診断する第1の診断手段と、
    前記温度センサの検出温度に基づいて、前記組電池の充電状態を推定する推定手段と、
    前記第1の診断手段により異常と診断されたときに、前記組電池に対する許容充放電範囲を、予め設定されている正常時許容充放電範囲よりも範囲の狭い異常時許容充放電範囲に設定する設定手段と、
    前記推定手段で推定された充電状態が前記異常時許容充放電範囲に収まるように、前記組電池の充放電を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする組電池制御装置。
  2. 請求項に記載の組電池制御装置において、
    前記組電池の総電圧を分圧抵抗により分圧して得られた電圧値を、増幅回路により増幅して検出する総電圧検出回路と、
    前記増幅回路の出力電圧に基づいて算出される第1の総電圧前記増幅回路の入力電圧に基づいて算出される第2の総電圧との差が第2の所定閾値以上である場合に、前記増幅回路を異常診断する第2の診断手段と、を備えることを特徴とする組電池制御装置。
  3. 請求項に記載の組電池制御装置において、
    前記推定手段は、前記増幅回路が異常と診断された場合には、前記第2の総電圧に基づいて前記組電池の充電状態を推定することを特徴とする組電池制御装置。
  4. 請求項に記載の組電池制御装置において、
    前記制御手段は、前記第1および第2の診断手段の少なくとも一方により異常と診断されたときに、前記組電池の充放電電力または充放電電流を制限することを特徴とする組電池制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組電池制御装置において、
    前記組電池の充放電電流を検出する電流センサ
    前記充放電電流がゼロのときの前記電流センサのオフセット値が所定値以下である場合に前記電流センサにより検出された電流値を前記オフセット値でオフセット補正する補正手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記補正手段で補正された電流値に基づいて、前記組電池の充放電を制御することを特徴とする組電池制御装置。
JP2009188383A 2009-08-17 2009-08-17 組電池制御装置 Expired - Fee Related JP5404241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009188383A JP5404241B2 (ja) 2009-08-17 2009-08-17 組電池制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009188383A JP5404241B2 (ja) 2009-08-17 2009-08-17 組電池制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011041422A JP2011041422A (ja) 2011-02-24
JP5404241B2 true JP5404241B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=43768582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009188383A Expired - Fee Related JP5404241B2 (ja) 2009-08-17 2009-08-17 組電池制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5404241B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108957326A (zh) * 2017-05-23 2018-12-07 中国石油化工股份有限公司 一种用于随钻电池的安全检测装置
TWI776238B (zh) * 2020-08-10 2022-09-01 大陸商昂寶電子(上海)有限公司 功率調變電路和方法、pwm控制器、快充協議電路和系統

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6046472B2 (ja) * 2011-12-09 2016-12-14 トヨタ自動車株式会社 電池温度検出手段の取付状態判定方法、及び電池温度検出手段の取付状態判定装置
CN105164541B (zh) * 2013-04-26 2018-04-06 日立汽车系统株式会社 电池监视装置和使用该电池监视装置的电池系统
JP5959566B2 (ja) * 2014-04-10 2016-08-02 三菱電機株式会社 蓄電池の制御装置
JP6437100B2 (ja) * 2015-04-15 2018-12-12 三菱電機株式会社 車両の電源装置
WO2017002529A1 (ja) * 2015-07-01 2017-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 電力変換制御装置、バッテリ制御装置、駆動制御サブシステム
JP6973184B2 (ja) * 2018-03-05 2021-11-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
CN112753148B (zh) * 2018-09-27 2024-08-13 三洋电机株式会社 电源系统和管理装置
JP7408967B2 (ja) * 2019-09-12 2024-01-09 株式会社デンソー 電池監視装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2644813B2 (ja) * 1988-03-25 1997-08-25 株式会社日立製作所 開閉機器の異常監視装置
JP2005091062A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Calsonic Kansei Corp 組電池の電圧検出装置
JP2007078377A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Nissan Motor Co Ltd 電流センサのオフセット値算出装置
JP2007097336A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Mazda Motor Corp 車両用発電機の制御装置
JP4745879B2 (ja) * 2006-04-06 2011-08-10 日立ビークルエナジー株式会社 ハイブリッド車両制御システム、ハイブリッド車両制御方法及び車両用蓄電池制御システム
JP4784566B2 (ja) * 2006-07-12 2011-10-05 日産自動車株式会社 二次電池の入出力電力制御装置及び入出力電力制御方法
JP5245334B2 (ja) * 2007-09-11 2013-07-24 パナソニック株式会社 蓄電装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108957326A (zh) * 2017-05-23 2018-12-07 中国石油化工股份有限公司 一种用于随钻电池的安全检测装置
TWI776238B (zh) * 2020-08-10 2022-09-01 大陸商昂寶電子(上海)有限公司 功率調變電路和方法、pwm控制器、快充協議電路和系統

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011041422A (ja) 2011-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5404241B2 (ja) 組電池制御装置
JP5401491B2 (ja) 電圧測定装置および電圧測定システム
JP4866993B2 (ja) バッテリー管理システム及びその作動方法
JP5469909B2 (ja) 車両用電池制御システム
US7728599B2 (en) Battery management system and driving method thereof
JP5470404B2 (ja) 電池制御装置およびモーター駆動システム
KR101470552B1 (ko) 고장 자가 진단 기능을 구비한 절연 저항 측정 장치 및 이를 이용한 고장 자가 진단 방법
JP4987581B2 (ja) 電池制御装置
JP6371415B2 (ja) 劣化状態パラメータの信頼性を判定する方法
JP5593553B2 (ja) 電池監視装置
CN109795368B (zh) 电源控制系统和电源控制方法
JP5369371B2 (ja) 電池冷却システムの故障診断装置
JP5812968B2 (ja) 電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法
JP2010066038A (ja) 電圧検出装置
KR20190042340A (ko) 차량 탑재용 충전기의 제어를 통한 배터리 팩의 진단 시스템 및 그 방법
KR20210041981A (ko) 배터리 팩의 진단 방법, 배터리 관리 시스템 및 배터리 장치
JP2012220344A (ja) セル電圧測定装置
JP2023511169A (ja) リレー診断装置、リレー診断方法、バッテリーシステム及び電気車両
JP5538333B2 (ja) 蓄電池監視装置
JP7397984B2 (ja) 継電器制御装置、および継電器制御装置の制御方法
JP4992373B2 (ja) 温度検出手段の診断装置
JP3831589B2 (ja) 二次電池の異常を温度で検出する方法と装置
JP6468787B2 (ja) 電圧検出装置
JP5028832B2 (ja) 組電池の冷却装置
JP2020141522A (ja) 電源装置の異常診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130528

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5404241

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees