本発明は、液晶パネルに照明光を照射するバックライトを具備する液晶表示装置に関する。
液晶パネル(以下、「LCD」という)には、液晶の動的散乱効果を利用した電流効果型のものと、電界印加によるねじれネマティック効果を利用した電界効果型のものがある。電界効果型LCDは、薄型・軽量・低消費電力などの特徴を有していることから、例えば、デジタルカメラのようなモバイル機器や、OA機器、テレビ等の画像表示機器に用いられている。
画像を表示するためにLCDに照明光を照射するバックライトが、LCDの背後に設けられている。バックライトの光源としては、従来は線状の冷陰極管が広く用いられていたが、寿命の長さおよび発色の良さから発光ダイオード(LED)を光源とする構成が注目されている。LCDの背面に導光板を配置し、その導光板の側端面に1又は複数個のLEDを配置してその出力光を導光板に入射し、LCDの背面全体に行き渡らせる。
LCDについては、その光学特性(透過率、カラーフィルタ特性)、LCDを駆動する周辺回路の特性、又は電源電圧のばらつきなどにより、輝度特性や色度特性にばらつきが発生する。LED式バックライトでは、LEDの発光特性(輝度特性、色度特性)にばらつきが大きく、更には、経時変化によっても発光特性が変化する。従って、これらを組み合わせて表示装置を構成した場合、製品セットとしての表示性能を一定範囲に収めるのが難しい。
このような問題を解決する試みとして、特許文献1、2に記載される技術が提案されている。特許文献1に記載の技術では、LCDの透過光量を測定するための無効表示部を設け、この無効表示部のLCD透過光量によりLCDを帰還制御する。特許文献2に記載の技術では、キーボードを有する本体の端部に液晶モニタをヒンジ結合したノート型PC(パーソナルコンピュータ)において、液晶モニタを閉じた状態で電源オン時にLCDの透過光量を測定し、その測定結果によりLCDを制御する。
特開平4−53923号公報
特開平7−333581号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、LCDの透過光量を測定するための無効表示部を設け、この無効表示部にモニタ画素を設けた特殊な構造のLCDを用意しなければならない。また、特許文献2に記載の技術は、適用可能な構造が限定される。例えば、デジタルカメラ等のモバイル機器においてもバリアングル機構をもつ場合に限られ、また装置としても厚みが出るので大型化してしまう。
本発明は、このような問題を解消するためになされたもので、特殊なLCDや大掛かりな構成を必要とせず、よりコンパクトな構成で良好な表示性能を有する液晶表示装置を提示することを目的とする。
本発明に係る液晶表示装置は、画像を表示する液晶パネルと、前記液晶パネルのバックライトであって、個別に発光する複数の発光素子を有するバックライトと、前記バックライトから出力され前記液晶パネルを透過した透過光を測光する測光部と、前記液晶パネルの前記透過光の一部を反射して前記測光部に供給し、且つ、外光を透過して前記測光部に供給する位置に配置された反射手段と、前記測光部からの測光信号に従い、前記発光素子の発光特性及び前記液晶パネルの輝度、色度、又は、輝度と色度の両方を制御する制御手段とを有し、前記複数の発光素子が、前記液晶パネルの短辺に沿って配置され、前記測光部が、前記液晶パネルの1又は両方の長辺に沿って配置されることを特徴とする。
本発明によれば、特別の構造の液晶パネルを用いることなしに、バックライトの発光特性と液晶パネルの表示特性を適切な状態に調整できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である液晶表示装置の横断面図を示し、図2は、図1のA−A線から見た断面図を示す。本実施例は、例えば、デジタルカメラまたは画像再生機器などに実装される。
図1及び図2に示すパネル構成10では、背面側から、バックライトフレーム12、反射シート14、導光板16、光学シート18および液晶パネル20が積層されている。表面には、液晶パネル20を保護する保護パネル22が設置されている。バックライトフレーム12、反射シート14、導光板16、光学シート18および液晶パネル20の各間にギャップが存在するように図示してあるが、これは、各素子の位置関係を明確にするためであり、これらのギャップは実際には無くてもよい。
導光板16の側端面16cには、光源としての複数の発光素子、すなわちLED(発光ダイオード)24が、図1の紙面に垂直な方向に並んで配置されている。リフレクタ26が、各LED24の出射光を導光板16に向ける役目を果たす。
LCDフレーム28が液晶パネル20を保持し、外装枠30が保護パネル22を保持する。LCDフレーム28の外装枠30側に測光部32を配置し、外装枠30のLCDフレーム28側に反射材34を配置してある。すなわち、測光部32に対面するように、反射材34を配置してある。反射シート14、光学シート18および液晶パネル20は、LCDフレーム28によりバックライトフレーム12に固定されている。
LCDフレーム28と外装枠30との間には、液晶パネル20と保護パネル22の間に塵や埃が入るのを防ぐクッション材36を配置してある。クッション材36は、外気圧の相違を吸収する静圧受け手段としても機能する。図2に示すように、クッション材36は、測光部32と液晶パネル20を取り囲むように配置されている。クッション材36の内面36aは、反射材34と同種の反射材で構成されている。
この明細書では、導光板16の光学シート18側の面を上面16aと呼び、導光板16の反射シート14側の面を下面16bと呼ぶ。下面16bには、後述するように、導光板16内で下面16bに入射した光を拡散して反射するように拡散性を付与してある。すなわち、下面16bは拡散部又は拡散手段でもある。
各LED24は、白色LEDからなっても、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光をそれぞれ発光する3色のLEDの組み合わせからなってもよい。異なる波長の光を発光するLEDを組み合わせる場合、全体として白色光となるように、各LEDの発光輝度が調整されることはいうまでもない。複数のLED24は、全体として均一に白色光を出射するように配列されている。
保護パネル22は、人の手、指、外側の何か等が液晶パネル20に接触するのを防止する。保護パネル22は、外装枠30とオーバーラップしている箇所で外装枠30に接着される。
LED24から出射された光は直接又はリフレクタ26により反射されて、導光板16の入射端面16cに入射する。導光板16に入射した光は導光板16の内部を伝播して、全体に均一に広がる。導光板16の下面16bの全体にはドット印刷がなされており、これが、導光板16の内部で下面16bに入射した光の一部を反射および拡散させる拡散手段として機能する。すなわち、導光板16の内部で下面16bに入射した光の一部は、拡散手段(下面16b)によって反射および拡散され、導光板16の上面16aから出射され、光学シート18に入射する。下面16bを透過した光は反射シート14で反射されて導光板16に再入射する。最終的に、LED24の出射光は、導光板16の上面16aから光学シート18に向け出射される。
光学シート18は、拡散シート、保護シートおよびプリズムシート等から構成され、導光板16から入射した光を拡散等して液晶パネル20に向け出射する。液晶パネル20は、基本的に、TFTアレイ基板、CF基板及びこれらの2枚の基板に狭持される液晶の3層構造からなる。TFTアレイ基板は、ガラス基板上にスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)を形成した構成からなる。CF基板は、ガラス基板上に着色層と遮光層を形成した構成からなる。TFTアレイ基板のスイッチング素子を駆動することによって、所望の画素の透過率を制御できる。これにより、所望の画像が表示される。
液晶パネル20を透過した光の一部は、クロム等の金属材からなる反射材34により反射されて、測光部32に入射する。反射材34は、反射塗料を塗布したものでも、レンズまたは金属材を使用したものでもよい。クッション材36の内面36aに反射材34と同様の反射性を付与しておくことで、反射材34の反射光を測光部32に集光でき、測光部32への入射効率を高めることができる。また、クッション材36の内面36aの反射により、測光部32を、反射材34からの光量を確保できる全反射角に依存しない位置に配置することが可能になる。すなわち、測光部32の配置の自由度が増す。
測光部32は、反射材34で反射された液晶パネル20の透過光を分光して各色成分の光強度を測光し、各色成分の強度値または輝度・色度値を示す測光信号を出力する。例えば、測光部32は、入射光(LCD透過光)を複数の色成分に分光して受光する受光素子を有し、赤色成分の測光信号R、青色成分の測光信号B、および緑色成分の測光信号Gに変換する。このような受光素子は、例えば、MOS型撮像デバイスやCCD型撮像デバイスに色フィルタを取り付けた構成からなる。このための受光素子は、解像度の低いもの(画素数の少ないもの)で構わない。また、測光部32は、テレビジョン方式に対応する測光信号Y,R−Y,B−Yや、XYZ色空間に対応する測光信号X,Y,Zを出力するものでも構わない。
詳細は後述するが、測光部32の測光結果により液晶パネル20およびLED24を帰還制御することで、液晶パネル20とLED24の輝度特性・色度特性のばらつきを抑制できる。また、特殊な液晶パネルや大掛かりな構成を必要とせず、よりコンパクトな構成で、液晶パネル20の表示性能、例えば、輝度・色度を制御できるようになる。
図3は、本実施例において、測光部32の測光結果によりLED24の発光特性及び液晶パネル20の表示特性を制御する制御系の概略構成ブロック図を示す。50は液晶パネル20を駆動する液晶パネル駆動制御部である。52はLED24を駆動して所望の輝度で発光させるLED制御部である。54は、測光部32からの測光値又は測光信号から輝度色度値を算出する輝度色度演算部である。56は、輝度色度演算部54で得られた輝度色度を参照して、LED24の輝度及び液晶パネル20の発光特性を補正する補正信号を生成する補正演算部である。58はLED24の輝度及び液晶パネル20の発光特性の調整のために液晶パネル20を制御する制御信号を生成する液晶制御信号生成部である。60は、液晶パネル20で表示する画像信号を生成する画像信号生成部である。
図3に示す制御系の動作を説明する。LED制御部52は各LED24の出力光量を制御する。液晶パネル駆動制御部50は、液晶制御信号生成部58からの制御信号と画像信号生成部60からの画像信号に従い、液晶パネル20を駆動する。これにより、液晶パネル20は画像信号に従う画像を表示する。測光部32は、先に説明したように、液晶パネル20の表示画像(透過光)を測光して、測光結果を輝度色度演算部54に供給する。輝度色度演算部54は、測光部32からの測光結果信号から演算した輝度色度値を補正演算部56に供給する。補正演算部56は、輝度色度演算部54からの輝度色度値を基に算出した補正データを液晶制御信号生成部58とLED制御部52に供給する。このような帰還制御ループにより、液晶パネル20の表示(輝度と色度)と、LED24の光量が、制御される。
輝度色度演算部54は、測光部32からのアナログ測光信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、A/D変換部からのデジタル信号から色度・輝度を演算する演算部からなる。輝度色度演算部54は、測光部32による3色の測光値R,G,Bから輝度値を算出し、測光値R,G,BをXYZ色空間の色度座標(x,y,z)に変換して色度値を算出する。
補正演算部56は、目標輝度値および目標色度軸に対し、輝度色度演算部54からの輝度値と色度値から輝度差分値および色度差分値を算出し、LED24および液晶パネル20に対する補正値を算出する。補正演算部56は、内蔵されたプログラムと目標輝度値および目標色度値に従い、測光輝度値および測光色度値からこれらの補正値を演算する。
液晶制御信号生成部58は、液晶パネル20を制御するための初期制御信号と、補正演算部56からの補正値に基づく補正制御信号を液晶パネル駆動制御部50に供給する。液晶パネル駆動制御部50は、これらの制御信号に従い液晶パネル20を駆動及び制御する。画像信号生成部60は、通常の画像信号と測光用のテストパターン信号を液晶パネル駆動制御部50に供給する。LED制御部52は、補正演算部56からの補正値に従い、LED24に対する駆動信号を制御する。
輝度色度演算部54、補正演算部56、液晶制御信号生成部58および画像信号生成部60は、ROM等の不揮発性メモリを内蔵し、このメモリに記憶されているプログラムに従って動作するマイクロプロセッサユニットからなる。輝度色度演算部54、補正演算部56、液晶制御信号生成部58および画像信号生成部60の1または複数を、個別のマイクロプロセッサで実現することもある。
図4は、本実施例のフィードバック処理のフローチャートを示す。液晶パネル20は、高輝度テストパターンを表示する(S1)。高輝度テストパターンは、例えば、白100%の画像データ(8ビットデータの場合で、235)である。LED24の輝度、すなわち、バックライトの輝度を調整する(S2)。低輝度テストパターンを表示する(S3)。低輝度テストパターンは、例えば、全面黒の画像データ(8ビットデータの場合で、0)である。
液晶パネル20を制御して、そのコントラストを調整する(S4)。中間輝度テストパターンを表示する(S5)。中間輝度テストパターンは、例えば、白65%の画像データ(8ビットデータの場合で、153)である。液晶パネル20を制御して、液晶パネル20の色度を調整する(S6)。
図5は、本実施例の液晶表示装置を背面に組み込んだデジタルカメラの背面図を示す。Xを測光部32の配置エリアとした場合、液晶パネル20の測光部32に近い表示領域Yに上述の3種類のテストパターンを表示する。この場合、メニューや動作状態を表示するキャラクタ表示をこれらのテストパターンのために使用してもよい。もちろん、テストパターンは、液晶パネル20の表示領域全域に表示してもよい。
液晶パネル20およびLED24をフィードバック制御するタイミングは、例えば、デジタルカメラ等のモバイル機器では、カメラ起動時、動作モード切替え時、または、再生モードでの再生画像切替え時などである。
図6は、図4のステップS2に示すバックライト輝度調整の詳細なフローチャートを示す。
測光部32が、入射光、すなわち、液晶パネル20の透過光を測光する(S11)。輝度色度演算部54が、測光部32からの測光値から輝度値Yを算出する(S12)。補正演算部56が、目標輝度値と現在の輝度値との差分値ΔYを算出する(S13)。補正演算部56が、差分値ΔYからLED制御部52の駆動補正量を算出する(S14)。LED制御部52が、LED駆動補正量に従いLED24の輝度を補正する(S15)。測光部32が、再度、測光を行う(S16)。輝度色度演算部54が、測光部32の測光値から輝度値Yを算出する(S17)。輝度値Yが所定の誤差範囲内で目標輝度値と等しくなれば(S18)、図6に示す処理を終了し、図4のステップS3に進む。輝度値が目標輝度値に達しないか、超えていたらステップS13以降を繰り返す。
図7は、図4のステップS4の液晶パネルコントラスト調整の詳細なフローチャートを示す。
測光部32が、その入射光、すなわち、液晶パネル20の透過光を測光する(S21)。輝度色度演算部54が、測光部32からの測光値から輝度値Yを算出する(S22)。補正演算部56が、目標輝度値と現在の輝度値との差分値ΔYを算出する(S23)。補正演算部56が、差分値ΔYから液晶パネル駆動制御部50のコントラスト補正量を算出する(S24)。液晶パネル駆動制御部50が、コントラスト補正量に従い液晶パネル20の輝度を補正する(S25)。測光部32が、再度、測光を行う(S26)。輝度色度演算部54が、測光部32の測光値から輝度値Yを算出する(S27)。輝度値Yが所定の誤差範囲内で目標輝度値と等しくなれば(S28)、図7に示す処理を終了し、図4のステップS5に進む。輝度値が目標輝度値に達しないか、超えていたらステップS23以降を繰り返す。
図8は、図4のステップS6の液晶パネル色度調整の詳細なフローチャートを示す。
測光部32が、その入射光、すなわち、液晶パネル20の透過光を測光する(S31)。輝度色度演算部54が、測光部32からの測光値から色度座標(x,y)を算出する(S32)。補正演算部56は、色度座標(x,y)を通り目標色度軸と直交する色度調整軸と目標色度軸との目標色度座標(x’,y’)を求め、現在の色度座標との距離Defを算出する(S33)。補正演算部56は、距離Defから液晶パネル駆動制御部50の色度補正量を算出する(S34)。液晶パネル駆動制御部50は、色度補正量に従い液晶パネル20の色度を補正する(S35)。測光部32が、再度、測光を行う(S36)。輝度色度演算部54は、測光部32の測光値から色度座標(x,y)を算出する(S37)。色度座標(x,y)が所定の誤差範囲内で目標色度座標(x’,y’)と等しければ(S38)、フィードバック処理を終了する。色度座標(x,y)が所定の誤差以上に目標色度座標(x’,y’)から外れている場合(S38)、ステップS33以降を繰り返す。
本実施例では、特殊なLCDや大掛かりな構成を必要とせず、コンパクトな構成で、液晶パネルの表示性能を適切な状態に制御できる。
上記実施例では、表示画面を正面から見た場合で、LED24のアレイと測光部32を同じ辺の側に配置したが、LED24と測光部32を異なる辺に沿って配置しても良い。
まず、測光部32とLED24のアレイの配置例を説明する。図9は、表示画面の短辺に沿ってLED24のアレイを配置し、一方又は両方の長辺の中央付近に測光部32を配置した構成の正面図を示す。測光部32とLED24のアレイの配置を示すのに必要な要素のみを図示してある。表示画面の短辺に沿ったエリアA1にLED24のアレイを配置し、一方又は両方の長辺のエリアB1,B2の中央付近に測光部32を配置する。
図10は、表示画面の長辺に沿ってLED24のアレイを配置し、一方又は両方の短辺の中央付近に測光部32を配置した構成の正面図を示す。測光部32とLED24のアレイの配置を示すのに必要な要素のみを図示してある。表示画面の下側の長辺に沿ったエリアA2にLED24のアレイを配置し、一方又は両方の短辺のエリアB3又はB4の中央付近に測光部32を配置する。
図11は、図9に示す配置例に対応する液晶パネル20とLED24の制御系の概略構成ブロック図を示す。図11では、2つのLED24X,24Yを有し、2つの測光部32X,32Yを有するとしているが、LEDは、3個以上でも良い。32X,32YはそれぞれLED24X,24Yに対応した測光部である。56aは補正演算部、52X,52YはそれぞれLED24X,24Yの輝度を制御するLED制御部である。輝度色度演算部54が、単一の測光部32の測光結果に基づき輝度色度を演算するのに対し、輝度色度演算部54aは、2つの測光部32X,32Yの測光結果に従い輝度色度を演算する点が異なる。また、補正演算部56が単一のLED制御部52に補正信号を供給するのに対して、補正演算部56aは、2つのLED制御部52X,52Yに補正信号を供給する点が異なる。その他の構成要素50,58,60の基本機能は、図3に示す回路構成の場合と同じである。
図3に示す制御系との相違点を主に説明する。LED制御部52X,52Yは、LED24X,24Yを制御する。液晶パネル駆動制御部50は、液晶制御信号生成部58から送られる制御信号と画像信号生成部60から送られる画像信号に従い液晶パネル20を駆動し、液晶パネル20に画像を表示させる。
測光部32X,32Yは、液晶パネル20の表示画像(透過光)を測光し、測光信号を輝度色度演算部54aに供給する。輝度色度演算部54aは、測光部32X,32Yからの測光信号から輝度・色度データを演算し、補正演算部56aに供給する。補正演算部56aは、輝度色度演算部54aからの輝度データを基に補正データを算出してLED制御部52X,52Yに供給する。LED制御部52X,52Yは、補正演算部56からの補正信号に従い、それぞれ、LED24X,24Yの輝度を補正する制御を行う。
図12は、図11に示す制御系におけるバックライト輝度ムラ調整のフローチャートを示す。
まず、高輝度テストパターンを表示する(S41)。高輝度パターンは、実施例1と同様、白100%データ(8ビットデータの場合で235)である。測光部32X,32Yが、液晶パネル20に表示される高輝度テストパターンを測光する(S42)。輝度色度演算部54aが、測光部32X,32Yの各測光値から輝度値Yx,Yyを算出する(S43)。補正演算部56aは、測光部32Xの測光値から得られた輝度値Yxと、測光部32Yの測光値から得られた輝度値Yyを比較する。
輝度値Yxが輝度値Yyより大きい場合(S44)、補正演算部56aは、両輝度値Yx,Yyの差ΔYxy(=Yx−Yy)を算出する(S45)。補正演算部56aは、得られた輝度差ΔYxyからLED制御部52Yの駆動補正量を算出する(S46)。LED制御部52Yは、補正演算部56aからのLED駆動補正量に従いLED24Yの輝度を補正する(S47)。
輝度値Yyが輝度値Yx以上の場合(S44)、補正演算部56aは、両輝度値Yy,Yxの差ΔYyx(=Yy−Yx)を算出する(S48)。補正演算部56aは、得られた輝度差ΔYyxからLED制御部52Xの駆動補正量を算出する(S49)。LED制御部52Xは、補正演算部56aからのLED駆動補正量に従いLED24Xの輝度を補正する(S50)。
測光部32X,32Yが、輝度調整されたLED24x,24Yのバックライトの下で、液晶パネル20に表示される高輝度テストパターンを再び測光する(S51)。輝度色度演算部54aが、測光部32X,32Yの各測光値から輝度値Yx,Yyを算出する(S52)。そして、補正演算部56aは、測光部32Xの測光値から得られた輝度値Yxと、測光部32Yの測光値から得られた輝度値Yyが所定の誤差範囲内で一致するかどうかを調べる(S53)。両輝度値Yx,Yyが実質的に一致する場合(S53)、バックライト輝度ムラ調整のフィードバック処理を終了する。両輝度値Yx,Yyが一致しない場合(S53)、ステップS44以降の輝度調整を繰り返す。
液晶パネル20に表示するテストパターンの表示領域は、測光部32X,32Yによる測光が可能な領域を含めば良いことは明らかである。例えば、測光部32X,32Yが設置された位置に近い表示領域にテストパターンを表示すれば良い。もちろん、液晶パネル20の全表示領域にテストパターンを表示しても良い。メニュー又はキャラクタの表示をテストパターンに流用してもよい。
本実施例では、表示画面の短辺に沿って配置したLEDの光量を、2つの長辺に配置した測光部の測光結果により調整するので、単一の測光部の場合に比べ、より適切に輝度ムラを低減できる。LED24X,24Yと測光部32X,32Yの配置を図10に示す例に対応させた場合も同様である。この場合には、表示画面の長辺に沿って配置したLEDの光量を、2つの短辺に配置した測光部の測光結果により調整するので、単一の測光部の場合に比べ、より適切に輝度ムラを低減できる。
図13は、本発明に係る液晶表示装置の第3実施例の横断面図を示す。図1に示す構成と同じ構成要素には同じ符号を付してある。本実施例のパネル構成10aでは、反射材34の代わりにハーフミラー38を配置し、ハーフミラー38の一部が外気に露出するように、外装枠30aに開口40を設けてある。ハーフミラー38と開口40により、測光部32は、液晶パネル20の表示画像(透過光)だけでなく、外光を同時に測光できる。
図14は、図13に示す構成において、測光部32の測光結果によりLED24の発光特性及び液晶パネル20の表示特性を制御する制御系の概略構成ブロック図を示す。図3と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
LED制御部52は一時的にLED24をオフにする。これにより、測光部32は、外光輝度を測光する状態になり、その測光信号が輝度色度演算部54に供給される。輝度色度演算部54は、測光部32からの測光信号から輝度・色度値を演算し、目標輝度設定部62と補正演算部56bに供給する。目標輝度設定部62は、輝度色度演算部54からの輝度・色度値から目標輝度値を算出して補正演算部56bに供給する。LED制御部52がLED24をオンにしているとき図14に示す制御系の動作は、第1実施例と同じである。目標輝度設定部62は、ROM等の不揮発性メモリを内蔵し、メモリに記憶されているプログラムに従って動作するマイクロプロセッサユニットで構成されている。
図15は、図14に示す制御系による外光輝度測光時の動作フローチャートを示す。
画像信号生成部60は、液晶パネル駆動制御部50に送る映像信号を停止する(S61)。その後、液晶制御信号生成部58は、液晶パネル駆動制御部50が液晶パネル20に黒信号出力する状態に遷移する制御信号を液晶パネル駆動制御部50に送る。これにより、液晶パネル20は、LED24からの入射光を遮光する状態となる。
LED制御部52は、LED24をオフにする(S62)。測光部32は測光を実行する(S63)。輝度色度演算部54が測光部32からの測光信号から輝度値Ydを算出し、補正演算部56bが外光輝度値として輝度値Ydをメモリ(不図示)に記憶する(S64)。同時に、目標輝度設定部62は、輝度色度演算部54からの輝度値Ydから目標輝度値Yrefを算出し、メモリ(不図示)に記憶する(S65)。
LED制御部52はLED24をオンにする(S66)。液晶制御信号生成部58は、液晶パネル駆動制御部50の黒信号出力状態を解除して通常の画像出力状態に遷移する制御信号を液晶パネル駆動制御部50に送る(S67)。その後、画像信号生成部60は、液晶パネル駆動制御部50への画像信号出力を再開する。これにより、液晶パネル20は画像を表示する。
図15に示す処理の後、図14に示す制御系は、図6及び図7を参照して説明したのと実質的に同じ方法で、LED24の発光特性と液晶パネル20の表示特性を調整する。ただし、補正演算部56bによる目標輝度値と現在の輝度値との輝度差分値ΔYの算出方法(図6のステップS13、図7のステップS23)が異なる。すなわち、本実施例では、補正演算部56bは、輝度色度演算部54からの輝度値Yから図15に示すフローで記憶した外光輝度値Ydを差し引いた結果と目標輝度値Yrefとの差分を輝度差分値ΔYとする。
外光測光時のタイミングは、例えば、デジタルカメラ等のモバイル機器では、カメラ起動時、動作モード切替え時又は再生モードでの再生画像切替え時などである。
本実施例では、同一の測光部で外光とLCDの透過光の両方を測光できる。これにより、外光を考慮して、バックグランド光の輝度ムラと、液晶パネルの表示特性を調整できる。
図16は、本発明に係る液晶表示装置の別の実施例の横断面図を示す。図13と同じ構成要素には同じ符号を付してある。図16に示すパネル構成10bでは、図13に示す構成のハーフミラー38に代えて、反射と透過を制御できる透過反射手段としての測光補助用液晶パネル42を配置してある。すなわち、測光部32の正面に測光補助用液晶パネル42と開口40が位置する。測光補助用液晶パネル42は、通電の有無より開口40を通って入射する外光を透過する透過状態と、外光を遮光する状態とを切替え可能である。測光補助用液晶パネル42は、外光の遮光状態では、液晶パネル20からの透過光を反射する。測光補助用液晶パネル42は、画素数を問わず、単画素でも構わない。図15に示すフローで外光測光時にLED24をオン/オフする代わりに、本実施例では、測光補助用液晶パネル42の通電を制御する。
図17は、本実施例の制御系の概略構成ブロック図を示す。測光補助用液晶パネル制御部64が、測光補助用液晶パネル42の通電を制御する。
本実施例の基本的動作を説明する。LED制御部52がLED24をオフにしているとき、測光補助用液晶パネル制御部64は測光補助用液晶パネル42を透過状態にする。この状態で、測光部32は、外光輝度を測光する。LED制御部52がLED24をオンにしているとき、測光補助用液晶パネル制御部64は測光補助用液晶パネル42を遮光状態とする。この状態で、測光部32は、液晶パネル20の透過光を測光する。測光補助用液晶パネル制御部64は、測光補助用液晶パネル42の通電/非通電により透過状態/遮光状態を切り替えることができる。測光補助用液晶パネル制御部64は、ROM等の不揮発性メモリを内蔵し、メモリに記憶されているプログラムに従って動作するマイクロプロセッサユニットで構成されていても良い。
図18は、本実施例の外光輝度測光時の動作フローチャートである。画像信号生成部60は、液晶パネル駆動制御部50への画像信号を停止する(S71)。その後、液晶制御信号生成部58は、液晶パネル駆動制御部50が液晶パネル20に黒信号出力する状態に遷移する制御信号を液晶パネル駆動制御部50に送る。これにより、液晶パネル20はLED24からの入射光を遮光する状態となる。
LED制御部52はLED24をオフにする(S72)。測光補助用液晶パネル制御部64は、測光補助用液晶パネル42を透過状態にする(S73)。この状態で、測光部32は測光を実行する(S74)。輝度色度演算部54は、測光部32からの測光値から外光の輝度値Ydを算出する(S75)。目標輝度設定部62は、輝度色度演算部54からの輝度値Ydから目標輝度値Yrefを決定し、メモリ(不図示)に記憶する(S76)。
LED制御部52はLED24をオンにする(S77)。液晶制御信号生成部58は、液晶パネル駆動制御部50の黒信号出力状態を解除して通常の画像出力状態に遷移する制御信号を液晶パネル駆動制御部50に送る(S78)。その後、画像信号生成部60は、液晶パネル駆動制御部50への画像信号の出力を再開する。これにより、液晶パネル20は画像を表示する。
図19は、液晶パネル20の透過光を測光している時の、測光補助用液晶パネル制御部64の動作フローチャートである。測光補助用液晶パネル制御部64は、測光補助用液晶パネル42を遮光状態にする(S81)。
図18に示すフローの後、図4に示す制御フローと同等の制御により、LED24の発光特性と液晶パネル20の表示特性を調整する。
外光測光時のタイミングは、例えば、デジタルカメラ等のモバイル機器では、カメラ起動時、動作モード切替え時又は再生モードでの再生画像切替え時などである。
本実施例では、同一の測光部で外光とLCDの透過光の両方を測光できる。これにより、外光を考慮して、バックグランド光の輝度ムラと、液晶パネルの表示特性を調整できる。
本発明の一実施例である液晶表示装置の横断面図を示す。
図1のA−A線から見た断面図を示す。
本実施例における制御系の概略構成ブロック図である。
本実施例のフィードバック処理のフローチャートを示す。
本実施例の液晶表示装置を背面に組み込んだデジタルカメラの背面図を示す。
図4のステップS2に示すバックライト輝度調整の詳細なフローチャートを示す。
図4のステップS4の液晶パネルコントラスト調整の詳細なフローチャートを示す。
図4のステップS6の液晶パネル色度調整の詳細なフローチャートを示す。
LEDと測光部の配置例である。
LEDと測光部の別の配置例である。
図9に示す配置例に対応する液晶パネル20とLED24の制御系の概略構成ブロック図を示す。
図11に示す制御系におけるバックライト輝度ムラ調整のフローチャートを示す。
本発明に係る液晶表示装置の第3実施例の横断面図を示す。
図13に示す構成に対する制御系の概略構成ブロック図を示す。
図14に示す制御系による外光輝度測光時の動作フローチャートを示す。
本発明に係る液晶表示装置の別のパネル構成の横断面図を示す。
図16に示すパネル構成の制御系の概略構成ブロック図を示す。
図17に示す制御系の外光輝度測光時の動作フローチャートである。
液晶パネル20の透過光を測光している時の、測光補助用液晶パネル制御部64の動作フローチャートである。
10,10a,10b:パネル構成
12:バックライトフレーム
14:反射シート
16:導光板
16a:上面
16b:下面(拡散手段)
16c:バックライト光入射面
18:光学シート
20:液晶パネル
22:保護パネル
24,24X,24Y:LED(発光ダイオード)
26:リフレクタ
28:LCDフレーム
30:外装枠
32,32X,32Y:測光部
34:反射材
36:クッション材
36a:内面(反射面)
38:ハーフミラー
40:開口
42:測光補助用液晶パネル
50:液晶パネル駆動制御部
52,52X,52Y:LED制御部
54,54a:輝度色度演算部
56,56a,56b:補正演算部
58:液晶制御信号生成部
60:画像信号生成部
62:目標輝度設定部
64:測光補助用液晶パネル制御部