JP2008009090A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックライトの発光輝度の経年変化及び周囲光の明るさも考慮して、バックライトの発光輝度を制御することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】蛍光管を有するバックライト20と、バックライト20から照射されるバックライト光によって照明される液晶パネル30と、光検出素子19及びバックライト輝度検出回路15で例示するバックライト光の輝度を測定する輝度センサと、光検出素子11及び外光輝度検出回路12で例示する外光の輝度を測定する外光センサと、輝度センサで測定されたバックライト光の輝度及び外光センサで測定された外光の輝度に従って、バックライト20の発光輝度を制御するバックライト制御回路13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、より詳細には、バックライト光を制御して照射することが可能な液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶パネルとその液晶パネルを背面や側面などから照射するバックライトとを主に備えてなる。バックライトとしては、一般的に冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)や外部(管外)電極蛍光ランプ(EEFL:External Electrode Fluorescent Lamp)等の蛍光管が具備されており、近年、LEDを用いたLEDバックライトや、色再現性の向上のために蛍光管及びLEDを併用するハイブリッド型バックライトも注目されている。ハイブリッド型バックライトとしては、図5で例示するように蛍光管が赤色の強度が低いスペクトル特性をもつことから、蛍光管と赤色LEDとを組み合わせてなるものが多い。
図6は、蛍光管の輝度の経年変化の一例を示す図で、図6(A)は片対数グラフ、図6(B)は方眼グラフでそれぞれ示している。バックライトの光源として使用する蛍光管は、図6で例示したように、長時間使用することでその発光効率が低下するため、徐々に暗くなっていく。蛍光管の発光効率の低下は、その電極や発光素子の劣化等により生ずるものである。
特許文献1には、バックライトの光量を検出するための光検出手段、ユーザが所望の輝度となるように設定するための輝度設定手段、及び新規使用状態にあるバックライトが最大輝度で点灯しているときの光検出手段の検出出力を基準とし、輝度設定手段によって設定された輝度となるようにバックライトの輝度を制御する制御手段を備えた、液晶表示装置用バックライトの輝度制御装置が開示されている。この輝度制御装置は、バックライトの輝度の個体差によるばらつきや光検出手段自体の感度のばらつきによる影響をキャンセルし、正確な輝度低下を把握し得る装置であり、バックライト及び光検出手段に対するキャリブレーション用として用いられる。
また、バックライトは、実際には輝度の低下のみならず、発色の度合い(色見)すなわち色温度も経年変化していく。図7は、蛍光管における輝度と色温度との関係の一例を示す図である。図7で例示したように、蛍光管の輝度と色温度とはほぼ反比例の関係にあり、従って、蛍光管は輝度の経年劣化に伴い色温度が高くなる傾向にある。但し、輝度の経年変化と色温度の経年変化のペースは異なる。そして、バックライトの色温度の経年変化により、表示画像の色温度も経年変化してしまう。
さらに、特許文献2には、バックライトの輝度だけでなく液晶パネルのコントラストをも制御し、画面の輝度を調整するコントラスト補正装置が開示されている。このコントラスト補正装置は、電源回路の出力電圧を時間経過とともに変化させる手段を備えることで、輝度の劣化に起因するコントラスト低下を補正しており、さらに使用時間経過とともに液晶パネルに入力する映像信号レベルを変化させる映像信号レベル制御手段を備えることで、コントラスト劣化を補正している。
一方で、特許文献3には、周囲の照度を検出し自動的に蛍光管の輝度を最適値に調整し、消費電力の低減を図る蛍光管点灯装置が開示されている。
特許第3193315号公報 特開平6−167695号公報 特開平5−36487号公報
しかしながら、特許文献1−3をはじめとする従来技術においては、外光とバックライト光との実測値に基づいてバックライトの発光輝度を制御していないため、バックライトの発光輝度の経年変化だけでなく液晶表示装置周りの現在の環境(周囲の明るさ)に合うように発光輝度を制御することができない。
例えば、特許文献1に記載の装置は、バックライトの新規使用状態の最大輝度を記憶し、蛍光管の劣化に伴う輝度の減少率を把握することは可能であるが、周囲の明るさに応じたバックライトの発光輝度制御ができないだけでなく、全て新規使用状態を基準にしてバックライトの輝度を制御するため、数年後にユーザが輝度設定を例えば95%にしたとしても、その設定値の輝度を実現できる能力が、蛍光管には既に無くなってしまっている。
特許文献2に記載の装置であっても、周囲の明るさに応じたバックライトの発光輝度制御ができないだけでなく、予め予想されたバックライト寿命特性に基づき時間経過とともに発光輝度を制御しており、バックライトが実際に個体差が大きいこともあって、この制御が実際のバックライトの劣化に合致することは非常に稀である。一方で、特許文献4に記載の装置は、バックライトの経年変化を補う発光輝度の制御ができるものではない。
また、上述のごとくハイブリッド型のバックライトは、蛍光管のみのバックライトでは赤色の色再現性が不足することが多いため、赤色のLEDと蛍光管との組み合わせにより構成する場合が多いが、このような組み合わせにおいては、上述した経年変化による色温度の変化が特に顕著となってしまう。これは、蛍光管とLEDとでは経年劣化による輝度及び色度の変化量がそれぞれで異なるためである。蛍光管の場合、基本的に青色の成分が減衰し易い傾向にあり、LEDも経年変化によって蛍光体の変色が起こる場合があるが、蛍光管の経年変化はLEDの経年変化に比べてかなり大きいものとなる。従って、例えば上述したような、赤色を補完するために赤色LEDを用いたハイブリッド型の表示装置では、赤色系の色見が強くなり、当初の設定とは大きくずれるということになる。
バックライトは、上述のごとく経年変化により色温度も変化するため、特許文献1−3をはじめとする従来技術のように画面の輝度のみに着目した手段では、経年変化により表示画像の色見(画面の色見)が当初ユーザが設定していたものとは違うものとなるので、必要に応じてその色温度をユーザが再設定する必要が生じる。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、バックライトの発光輝度の経年変化及び周囲光の明るさも考慮して、バックライトの発光輝度を制御することが可能な液晶表示装置を提供することを、その目的とする。
また、本発明は、バックライトの発光輝度の経年変化及び周囲光の明るさも考慮して、バックライトの発光輝度を制御するとともに、バックライトの色温度の経年変化も考慮して、表示画像の色温度を調整することが可能な液晶表示装置を提供することを、他の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の技術手段は、蛍光管を有するバックライトと、該バックライトから照射されるバックライト光によって照明される液晶パネルとを備えた液晶表示装置であって、前記バックライト光の輝度を測定する輝度センサと、外光の輝度を測定する外光センサと、前記輝度センサで測定されたバックライト光の輝度及び前記外光センサで測定された外光の輝度に従って、前記バックライトの発光輝度を制御するバックライト制御手段と、を備えたことを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記輝度センサは、前記バックライト光の輝度を直接検出する位置、或いは前記バックライト光の輝度を前記液晶パネルを介して検出する位置に配設されることを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記輝度センサは、前記バックライト光の輝度を他の液晶パネルを介して検出する位置に配設され、該他の液晶パネルは、前記液晶パネルと同じ性質で表示領域が小さいものであることを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1乃至第3のいずれかの技術手段において、前記バックライト制御手段は、前記バックライトを駆動する駆動電圧を制御することで、前記バックライトの発光輝度を制御することを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第1乃至第4のいずれかの技術手段において、前記バックライト制御手段は、前記バックライトが新規使用状態にあるときの発光可能輝度に比べ、前記新規使用状態で制御する際の前記バックライトの発光輝度の上限値を、予め低く設定しておくことを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第1乃至第5のいずれかの技術手段において、前記バックライト光の色温度を測定する色温度センサと、該色温度センサで測定された色温度に従って、表示画像の色温度を調整する色温度調整手段と、を備えたことを特徴としたものである。
第7の技術手段は、第6の技術手段において、前記色温度センサは、前記バックライト光の色温度を直接検出する位置、或いは前記バックライト光の色温度を前記液晶パネルを介して検出する位置に配設されることを特徴としたものである。
第8の技術手段は、第6の技術手段において、前記色温度センサは、前記バックライト光の色温度を他の液晶パネルを介して検出する位置に配設され、該他の液晶パネルは、前記液晶パネルと同じ性質で表示領域が小さいものであることを特徴としたものである。
第9の技術手段は、第6乃至第8のいずれかの技術手段において、外光の色温度を測定する外光色温度センサを備え、前記色温度調整手段は、前記外光色温度センサで測定された色温度に従って、表示画像の色温度を調整することを特徴としたものである。
第10の技術手段は、第1乃至第9のいずれかの技術手段において、前記バックライトは、前記蛍光管の他にLEDを有することを特徴としたものである。
第11の技術手段は、第6乃至第9のいずれかの技術手段において、前記バックライトは、前記蛍光管の他にLEDを有し、前記色温度調整手段は、前記バックライト制御手段での蛍光管の発光輝度の制御によって色温度を調整する手段を有することを特徴としたものである。
本発明によれば、液晶表示装置において、バックライトの発光輝度の経年変化及び周囲光の明るさも考慮して、バックライトの発光輝度を制御することが可能となる。
また、本発明の他の形態によれば、液晶表示装置において、バックライトの発光輝度の経年変化及び周囲光の明るさも考慮して、バックライトの発光輝度を制御するとともに、バックライトの色温度の経年変化も考慮して、表示画像の色温度を調整することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一構成例を示すブロック図、図2は、図1の液晶表示装置における一部構成要素の配置を例示する概略図で、図中、1は液晶表示装置である。
図1で例示する液晶表示装置1は、光検出素子11、外光輝度検出回路12、バックライト制御回路13、バックライト駆動回路14、バックライト輝度検出回路15、MPU(Microprocessing Unit)16、バックライト色温度検出回路17、色温度検出素子18、光検出素子19、バックライト20、信号処理回路21、画質調整回路22、及び液晶パネル30を備える。なお、MPU16は、バックライト輝度検出回路15及びバックライト色温度検出回路17から受け取ったデータに基づき画質調整回路22を制御するものとして図示しているが、バックライト輝度検出回路15及びバックライト色温度検出回路17に対して検出タイミングを制御したり、液晶表示装置1に具備された他の構成要素も直接或いは間接的に制御するものとする。
信号処理回路21は、図示しないチューナ、記録媒体、外部機器などから表示対象として選択して出力された映像信号に対し、各種映像信号処理を施して、処理後の映像信号を画質調整回路22へ出力する。各種映像信号処理とは、例えば必要に応じた映像分離処理、必要に応じたIP変換やスケーリング等、映像信号を液晶パネル30の表示方式及び解像度のデータに変換する映像信号変換処理、必要に応じたAD変換処理などがそれに該当する。また、液晶表示装置1は、具備される表示対象の映像信号の取得手段によって、例えばテレビジョン受像機、各種レコーダ、パーソナルコンピュータの表示モニタなどとして機能することとなる。
画質調整回路22は、信号処理回路21から出力された映像信号に対し、各種画質調整処理を施して、液晶パネル30へ出力する。各種画質調整処理とは、例えばカラーマネージメントをはじめとする映像の色を補正する色補正処理、デジタルフィルタによる映像のエッジ強調等の画質強調補正処理やノイズリダクション、映像の動きに基づき液晶パネル30の液晶セルに通常より高い電圧を印加して動画応答性を高める処理、映像のγ特性をγテーブルに従って変更して映像のトーンを調整するγ補正処理などがそれに該当する。なお、信号処理回路21と画質調整回路22とを分けて図示しているが、信号処理回路21側でエッジ強調も含めたIP変換を行うなど様々な構成が可能であり、これに限ったものではない。
また、液晶表示装置1では、通常、内蔵するフォントデータ又はビットマップデータによりオンスクリーン信号を生成して、画質調整回路22の後段又は前段でオンスクリーン信号を映像信号に重畳することもなされる。
液晶パネル30は、入力された映像信号(ここでは画質調整回路22から出力された映像信号)を表示するパネルであり、例えばアクティブマトリクス型や単純型のパネルなどを指す。液晶パネル30は、主として、液晶セル、ソースドライバ、ゲートドライバ、及びそれらドライバを制御する液晶コントローラを備える。液晶コントローラは、入力映像信号に従ってソースドライバに出力する階調データ及び信号線制御信号を生成するとともに、ゲートドライバに出力する走査線制御信号を生成し、液晶セルにおける画像表示制御を行う。また、液晶コントローラは、バックライト制御回路13へ出力するバックライト制御信号の生成も行うことで、バックライト20の発光駆動制御を間接的に行う。
バックライト20は、その構成を図示しないが、液晶パネル30を背面から照射するCCFLやEEFL等の蛍光管を1又は複数本、各蛍光管から発光した光を液晶パネル30側に有効に照射するための反射シート又は反射板、各蛍光管からの発光及び反射板等による反射光を拡散させる拡散板や色むら防止の拡散シート、及びこれらを収納するための筐体を、一般的に備える。なお、図2等では、拡散シートや拡散板23をバックライト20と分かり易く別々に図示しているが、一般的に、拡散シートや拡散板23も合わせてバックライト或いはバックライトユニットと呼ぶ。バックライト20からの光供給によって液晶パネル30の各画素では所定の階調電圧に応じた光透過率によって各画素の明るさが制御され、映像情報を画面上に表示することが可能となる。但し、バックライト20は上述のごとき直下型に限ったものではなく、エッジライト型であってもよい。エッジライト型のバックライトは、バックライト20から発せられた光を、端面から入射させ、出射した光により液晶パネル30を背面から照射するための導光板と備えたものである。
バックライト駆動回路14は、バックライト20(ここでは蛍光管)を駆動するインバータ回路を主たる構成要素とし、バックライト制御回路13によって駆動電圧が制御される。バックライト制御回路13は、基本的にMPU16によって制御され、本発明ではその制御にバックライト光及び外光の検出値が用いられる。
光検出素子11は外光を検出する素子であり、外光輝度検出回路12は光検出素子11での検出値から外光の輝度を算出し、その輝度に基づき外光用輝度調整データを生成し、バックライト制御回路13へ出力する。光検出素子11及び外光輝度検出回路12は、双方で外光の輝度を測定する外光センサを構成する。光検出素子(外光用光検出素子)11は、図2では液晶パネル30と離間した位置に図示しているが、実際には液晶パネル30の筐体に設ければよい。このように、本発明では、外光に対しては少なくとも輝度が測定できればよく、好ましくは後述するように、外光の色温度も測定できればよい。なお、後述する本発明の制御においては、実質的にセンサにて輝度を測定することとセンサにて例えば光量を測定することとは同義である。
光検出素子19はバックライト光を検出する素子であり、バックライト輝度検出回路15は、光検出素子19での検出値からバックライト光の輝度を算出して、その輝度に基づき輝度調整データを生成し、バックライト制御回路13へ出力する。光検出素子19及びバックライト輝度検出回路15は、双方でバックライト光の輝度を測定する輝度センサを構成する。
ここで、輝度センサ(少なくとも光検出素子19)は、バックライト光の輝度を直接検出する位置、或いはバックライト光の輝度を液晶パネル30を介して検出する位置に配設される。前者の場合、図2でバックライト用光検出素子19を図示しているようにバックライト光が直接及び反射されて入射する位置であって、特に、バックライト光が平均化される位置に配設されることが好ましい。後者の場合、図2で表示画面用光検出素子32を図示しているが、実際には視聴の妨げにならない位置であることが好ましく、例えば液晶パネル30の枠において、表示画面との境界に表示画面側を向けて配設するなどすればよい。なお、図2ではバックライト用光検出素子19と表示画面用光検出素子32を双方図示しているが、実際にこれらの素子を併設して、後述の発光輝度制御は全ての素子の検出値に基づいて実行するよう構成してもよい。
バックライト制御回路13は、光検出素子19及びバックライト輝度検出回路15で検出したバックライト20の輝度(上述した輝度調整データ)と、光検出素子11及び外光輝度検出回路12で検出した外光の輝度(上述した外光用輝度調整データ)に基づき、バックライト駆動回路14の駆動電圧を通常の駆動電圧に対して補正(上げ下げ)して動作させるよう制御することで、バックライト20の発光輝度を調整する。なお、ここでいう通常の駆動電圧とは、デフォルトで或いはユーザにより設定されている駆動電圧を指す。
例えば、駆動電圧Vを新品の蛍光管に印加した場合に対し、同一駆動電圧Vを5年使用した蛍光管に印加した場合には実際の発光輝度が下がることとなるので、バックライト制御回路13では、5年使用したときには或る駆動電圧で駆動したときの実際の発光輝度をバックライト光の実測値から得て、その値をフィードバックして駆動電圧を上げ、最終的にバックライト光の実測値が制御目標の輝度となるまでこの処理を繰り返す。また、ここでの制御目標の輝度は、外光の実測値が大きければ上げ、小さければ下げるなどすることで、外光に対する制御を実現することができる。このようにして、バックライト制御回路13は、実測輝度(外光及びバックライト光)に基づき、バックライト20の経年劣化による輝度低下をバックライト駆動回路14の駆動電圧で補正する。
また、バックライト制御回路13は、バックライト20が新規使用状態にあるときの発光可能輝度(発光輝度の最大値)に比べ、新規使用状態で制御する際のバックライト20の発光輝度の上限値(制御目標値の上限)を、予め低く設定しておくことが好ましい。例えば、予めバックライト20の最高輝度を100%でなく70%程度にしておき、経年劣化に応じて自己補正するとよい。ここで、自己補正とは、駆動電圧とその駆動電圧で駆動したときのバックライト光の実測輝度値との関係をフィードバックさせることで発光輝度の上限を補正してもよいし、単純にバックライト20の点灯時間に応じて上限を変化させていってもよい。このような設定により、消費電力の低減が可能となるだけでなく、年数がある程度経過しても新規使用状態と同じ発光輝度を得ることが可能となる。
また、画質調整回路22は、信号処理回路21から出力された映像信号に対し、検出したバックライト光の輝度(及び検出した外光の輝度)に基づき、すなわちバックライト制御回路13で制御される発光輝度に基づき、表示画像のコントラストを調整することが好ましい。実際、MPU16がコントラスト調整データに基づき画質調整回路22を制御する信号を生成・出力し、画質調整回路22を制御することにより、液晶パネル30上で任意の明るさの表示が可能となる。そして、バックライト輝度検出回路15が、バックライト制御回路13で制御される発光輝度に対応したコントラスト調整用データを生成し、MPU16に渡すようにしておくことで、液晶パネル30上で、検出したバックライト光の輝度(及び検出した外光の輝度)に合ったコントラストでの画像表示が可能となる。
以上、バックライト20単体の輝度を測定するセンサと外光の輝度を測定するセンサとを設けて、バックライト20の輝度を制御して画像表示部の明るさを適正に調整しているので、経年変化でバックライト20用の蛍光管が劣化して発光効率が低下しても、表示画面上はその明るさを常に一定の状態で維持できる。従って、製品使用初期時から末期時まで安定した画質で映像を表示することができる。また、外光(環境光)の明るさに対する画面の見え方に関しても補正が可能となるため、より最適な視聴環境を提供できる。また、液晶パネル30を介してバックライト光の輝度を測定する構成を採用することで、液晶パネル30の透過率特性が経年変化しても、表示画面上はその明るさを常に一定の状態で維持できる。
また、図示したように、液晶表示装置1には色温度検出素子18及び色温度検出回路17を備えることが好ましい。色温度検出素子18はバックライト光の色温度を検出する素子であり、バックライト色温度検出回路17は色温度検出素子18で検出されたバックライト光の色温度に基づきカラー調整データを生成し、MPU16へ出力する。色温度検出素子18及び色温度検出回路17は、双方でバックライト光の色温度(色見)を測定する色温度センサを構成する。この色温度センサは、複数の検出素子からなる色温度検出素子18により入射光の複数の光成分を個別に検出して、色温度検出回路17にて色温度を算出するなどすればよい。
ここで、色温度センサ(少なくとも光検出素子18)も、輝度センサと同様に、バックライト光の色温度を直接検出する位置、或いはバックライト光の色温度を液晶パネル30を介して検出する位置に配設されるとよい。前者の場合、図2で図示したバックライト用光検出素子19と同様に配置すればよい。後者の場合、図2で表示画面用色検出素子31を図示しているが、実際には視聴の妨げにならない位置であることが好ましく、例えば液晶パネル30の枠において、表示画面との境界に表示画面側を向けて配設するなどすればよい。
MPU16は、色温度センサで測定された色温度に従って生成されたカラー調整データに基づき、表示画像の色温度を調整するように画質調整回路22を制御する画質調整データを生成し、画質調整回路22に渡し、画質調整回路22を制御することにより、液晶パネル30上で表示画像の色温度(を含む画質)を調整した表示が可能となる。
上述したように、検出したバックライト光や外光の輝度に基づくコントラスト調整も併せて実行する場合には、MPU16が、受信したコントラスト調整データ及びカラー調整データに基づき画質調整回路22を制御する画質調整データを生成・出力し、画質調整回路22を制御することにより、液晶パネル30上で、検出したバックライト光の輝度(及び検出した外光の輝度)並びに検出したバックライト光の色温度に合ったコントラスト並びに色温度(色見)での画像表示が可能となる。
また、液晶表示装置1は、外光の色温度を測定する外光色温度センサ(図示せず)を備え、環境も加味した色温度調整を行うようにしてもよい。色温度調整に際し、MPU16及び画質調整回路22では、色温度センサで測定された色温度だけでなく外光色温度センサで測定された色温度に従って、表示画像の色温度を調整する。この外光色温度センサは、上述の色温度センサと同様の構成で、光検出素子11と同様の位置に設置すればよく、光検出素子11及び外光輝度検出回路12と一体で構成してもよい。そして、MPU16では、バックライト色温度検出回路17からのカラー調整データと、外光色温度センサにおいて検出した色温度に基づき生成されたカラー調整データとから、実際のカラー調整データを生成し、そのカラー調整データ(及びコントラスト調整データ)に基づき、画質調整データを生成・出力すればよい。
以上、バックライト20単体の輝度及び発光色の色温度を測定するセンサと外光の輝度(及び色温度)を測定するセンサとを設けて、バックライト20の輝度を制御して画像表示部の明るさを適正に調整し、且つ画像表示部の画質調整回路22の動作を制御することにより表示画像の色温度を適正に調整しているので、経年変化でバックライト20用の蛍光管が劣化して発光効率が低下したり発色が変化しても、表示画面上はその明るさ及び色見を常に一定の状態で維持できる。従って、製品使用初期時から末期時まで安定した画質で映像を表示することができる。また、外光(環境光)の色温度に対する画面の見え方に関しても補正が可能となるため、より最適な視聴環境を提供できる。また、液晶パネル30を介してバックライト光の輝度及び色温度を測定する構成を採用することで、液晶パネル30の透過率特性が経年変化しても、表示画面上はその明るさ及び色味を常に一定の状態で維持できる。
図3は、図1の液晶表示装置における一部構成要素の他の配置を例示する概略図である。バックライト光に対する輝度センサや色温度センサの位置は、上述した位置に限ったものではなく、バックライト光の輝度を他の液晶パネル(調整画面用液晶パネル35として図示)を介して検出する位置に配設されるようにしてもよい。この位置は、図3において、調整画面用光検出素子37や調整画面用色検出素子36として例示するように、調整画面用液晶パネル35の表示画面の輝度や色温度が検出できる位置を指す。なお、図3では図2との位置の比較のためにバックライト用光検出素子19を図示しているが、実際に直接輝度や色温度を検出する素子を併設して、それら全ての素子の検出値に基づく発光輝度や色味の調整を行ってもよい。
また、調整画面用液晶パネル35は、液晶パネル30と同じ性質で液晶パネル30より表示領域が小さいものであればよい。さらに、バックライト20と調整画面用液晶パネル35との位置関係は、調整画面用液晶パネル35に対し少なくともバックライト光が照射される関係にあればよいが、バックライト20が液晶パネル30へ照射する照度と同じ照度が得られるような位置関係がより好ましい。また、調整画面用液晶パネル35を液晶パネル30へのバックライト光を遮断しないような位置に設けることで、液晶パネル30の画面位置による輝度差を無くすことができる。調整画面用液晶パネル35は、実際には、バックライト20と調整画面用液晶パネル35との間に導光路を配設して、バックライト20に対して液晶パネル30の反対側や側面側に設けるなどすればよい。
図3で例示したように、液晶パネル30とは別の液晶パネルを通したバックライト光の輝度や色温度を測定することで、液晶パネル30の透過率特性が経年変化しても調整画面用液晶パネル35も同様に経年変化するので、表示画面上はその明るさ及び色味を常に一定の状態で維持できる。さらに、測定用のセンサを視聴者が視認できない位置に設けることができる。
図4は、図1の液晶表示装置におけるバックライトとして採用できるハイブリッド型バックライトの一構成例を示す図である。ハイブリッド型のバックライト40には、フレーム41の底側に、複数の蛍光管44及び複数のLED(例えば赤色LED)45の列が図4(B)で例示するように交互に配設されている。フレーム41の底には、LED45の設置場所以外に反射板が設けられ、蛍光管44及びLED45からの光を反射するようになっている。また、フレーム41には、拡散板43や色むら防止の拡散シート42が取り付けられ、これらにより蛍光管44及びLED45からの直接光及び反射板による反射光を拡散させ、図示しない液晶パネルを照射する。
図4で例示したようなハイブリッド型のバックライト40は、LED45は経年変化が少ないが、蛍光管44は輝度(及び色温度)の経年変化が激しく、それらのバランスが時間的に変化してしまうこととなる。しかしながら、本発明を適用して、図1乃至図3で例示したような測定輝度(及び色温度)に基づくバックライトの発光輝度の調整(及び画質調整)を行うことで、常に一定の明るさ(及び常に一定の色温度)での画像表示が可能となる。なお、この例においても測定対象のバックライト光としては、特別、蛍光管44とLED45とで区別したものではなく、両方合わさったものである。また、バックライト40に対しては基本的に蛍光管44に対する駆動回路とLED45に対する駆動回路とが別個に具備されるため、図1のバックライト制御回路13がそれぞれの駆動回路を制御する構成とすればよい。また、蛍光管44の方が劣化が激しいことから、バックライト制御回路13は、輝度センサでの測定値に従った発光輝度の制御を蛍光管44のみに対して行うようにしてもよい。
また、図4で例示したようなハイブリッド型のバックライト40に対して、色温度による画質調整処理を行う場合も、バックライト色温度検出回路17(及び外光色温度センサ)から出力されたカラー調整データに基づき画質調整回路22を制御すればよい。また、その代替案として、蛍光管44とLED45との発光バランスを解消するように、MPU16がバックライト制御回路13を制御してもよい。例えば、このカラー調整データに基づき、蛍光管44又はLED45のいずれかの駆動回路を制御するように、MPU16がをバックライト制御回路13を制御し、そのいずれか(蛍光管44又はLED45)の駆動電圧を上げ下げしてそのいずれかの発光輝度を補正してもよい。この場合も、外光及びバックライト光の測定輝度に基づく蛍光管44及びLED45の制御とは独立の制御(色温度調整のためのバックライト発光輝度調整)としてもよいが、双方鑑みた制御としてもよい。
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一構成例を示すブロック図である。 図1の液晶表示装置における一部構成要素の配置を例示する概略図である。 図1の液晶表示装置における一部構成要素の他の配置を例示する概略図である。 図1の液晶表示装置におけるバックライトとして採用できるハイブリッド型バックライトの一構成例を示す図である。 蛍光管のスペクトル特性の一例を示す図である。 蛍光管の輝度の経年変化の一例を示す図である。 蛍光管における輝度と色温度との関係の一例を示す図である。
符号の説明
1…液晶表示装置、11,19…光検出素子(外光用光検出素子)、12…外光輝度検出回路、13…バックライト制御回路、14…バックライト駆動回路、15…バックライト輝度検出回路、16…MPU、17…バックライト色温度検出回路、18…色温度検出素子、19…光検出素子(バックライト用光検出素子)、20…バックライト、21…信号処理回路、22…画質調整回路、23…拡散板、30…液晶パネル、31…表示画面用色検出素子、32…表示画面用光検出素子、35…調整画面用液晶パネル、36…調整画面用色検出素子、37…調整画面用光検出素子、40…ハイブリッド型のバックライト、41…フレーム、42…拡散シート、43…拡散板、44…蛍光管、45…LED。

Claims (11)

  1. 蛍光管を有するバックライトと、該バックライトから照射されるバックライト光によって照明される液晶パネルとを備えた液晶表示装置であって、前記バックライト光の輝度を測定する輝度センサと、外光の輝度を測定する外光センサと、前記輝度センサで測定されたバックライト光の輝度及び前記外光センサで測定された外光の輝度に従って、前記バックライトの発光輝度を制御するバックライト制御手段と、を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記輝度センサは、前記バックライト光の輝度を直接検出する位置、或いは前記バックライト光の輝度を前記液晶パネルを介して検出する位置に配設されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記輝度センサは、前記バックライト光の輝度を他の液晶パネルを介して検出する位置に配設され、該他の液晶パネルは、前記液晶パネルと同じ性質で表示領域が小さいものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記バックライト制御手段は、前記バックライトを駆動する駆動電圧を制御することで、前記バックライトの発光輝度を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記バックライト制御手段は、前記バックライトが新規使用状態にあるときの発光可能輝度に比べ、前記新規使用状態で制御する際の前記バックライトの発光輝度の上限値を、予め低く設定しておくことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記バックライト光の色温度を測定する色温度センサと、該色温度センサで測定された色温度に従って、表示画像の色温度を調整する色温度調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記色温度センサは、前記バックライト光の色温度を直接検出する位置、或いは前記バックライト光の色温度を前記液晶パネルを介して検出する位置に配設されることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 前記色温度センサは、前記バックライト光の色温度を他の液晶パネルを介して検出する位置に配設され、該他の液晶パネルは、前記液晶パネルと同じ性質で表示領域が小さいものであることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  9. 外光の色温度を測定する外光色温度センサを備え、前記色温度調整手段は、前記外光色温度センサで測定された色温度に従って、表示画像の色温度を調整することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 前記バックライトは、前記蛍光管の他にLEDを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  11. 前記バックライトは、前記蛍光管の他にLEDを有し、前記色温度調整手段は、前記バックライト制御手段での蛍光管の発光輝度の制御によって色温度を調整する手段を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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