JP5403304B2 - 導電性ペースト、太陽電池、及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ペースト、太陽電池、及び太陽電池の製造方法に関し、より詳しくは太陽電池の電極形成に適した導電性ペースト、この導電性ペーストを使用して製造された太陽電池、この太陽電池の製造に適した太陽電池の製造方法に関する。
太陽電池は、通常、半導体基板の一方の主面に所定パターンの受光面電極を形成している。また、前記受光面電極を除く半導体基板上には反射防止及びパッシベーション用の薄膜(以下、「反射防止膜」という。)が形成されており、入射される太陽光の反射損失を前記反射防止膜で抑制し、これにより太陽光の電気エネルギーへの変換効率を向上させている。
前記受光面電極は、通常、反射防止膜の表面に導電性ペーストを塗布して所定パターンの導電膜を形成し、焼成して形成される。すなわち、導電性ペーストは、導電性粉末、ガラスフリット、及び少なくともバインダ樹脂と溶剤とを含む有機ビヒクルを含有している。そして、半導体基板上に形成された反射防止膜の表面に導電性ペーストを塗布し、所定パターンの導電膜を形成する。次いで、焼成過程でガラスフリットを溶融させ、導電膜下層の反射防止膜を分解・除去し、これにより導電膜が焼結されて受光面電極を形成すると共に、該受光面電極と半導体基板とを接着させ、両者を導通させている。
ところで、太陽電池の電極形成用導電性ペーストに含有されるバインダ樹脂としては、アスペクト比(電極厚みと電極幅との比)の高い電極を形成できるエチルセルロース樹脂が広く使用されている。すなわち、受光面電極の電極幅が狭くなってくると電極断面積が小さくなって電気抵抗値が高くなり、変換効率の低下を招く。このためアスペクト比を高くする必要があり、バインダ樹脂の樹脂材料としては、このような作用を発揮するのに適したエチルセルロース樹脂が広く使用されている。
例えば、特許文献1には、導体粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルとを含む太陽電池電極用ペースト組成物であって、前記有機ビヒクルは45〜47%のエトキシ化度のエチルセルロースが60重量%以上を占め且つ48%以上のエトキシ化度のエチルセルロースが残部を占める樹脂と溶剤とを含んだ太陽電池電極用ペースト組成物が提案されている。
特許文献1では、エトキシ化度が45〜47%と低いエチルセルロース樹脂を全エチルセルロース樹脂の60重量%以上含ませることにより、ペーストのチキソトロピー性を高めている。そしてこれにより、スキージング時に適度な流動性を確保しながら、ペーストの塗布面における広がりを抑制し、印刷性を損なうことなく、細幅寸法で断面積の大きな印刷パターンの形成を可能にしている。
特開2009−246277号公報(請求項1、段落番号〔0010〕、〔0012〕等)
しかしながら、特許文献1で使用されるエチルセルロース樹脂は熱分解性が高く、400℃以下の温度で殆どが熱分解し消失する。一方、ガラスフリットの軟化や導電性粉末の焼結は450℃以上の温度領域で開始し、焼結により収縮挙動が生じる。
このようにバインダ樹脂としてのエチルセルロース樹脂は、400℃以下の温度で熱分解してしまうため、受光面電極と半導体基板との接着性に十分に寄与せず、受光面電極と半導体基板との接着が不十分になるおそれがある。そして、このように受光面電極と半導体基板との接着が不十分になると、反射防止膜の分解不良が生じ、その結果接触抵抗が増大し、太陽電池の電池特性が低下するおそれがある。また、焼成後の受光面電極と半導体基板の接着強度が不足するおそれがある。
この場合、導電性ペースト中に低軟化点のガラスフリットを含有させ、ガラスフリットの軟化開始を低温化することにより、受光面電極と半導体基板との間の接着性を確保することも可能とも考えられる。
しかしながら、非鉛系のガラスフリットの場合は、反射防止膜の分解力が低い上にガラスフリットの軟化点が下がるのに伴い過剰な流動化を起すことから、流動化したガラス成分が受光面電極と半導体基板との界面に析出しやすくなり、このため却って接触抵抗の増大を招くおそれがある。
一方、鉛系のガラスフリットの場合は、反射防止膜の分解力が高く、しかもガラス軟化点を低下させても流動性が低いため、ガラス成分は受光面電極と半導体基板との界面に析出し難い。しかしながら、鉛は環境汚染を招く環境負荷物質であることから、使用するのは好ましくない。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、受光面電極と半導体基板との間の接着強度が大きく、良好な変換効率を得ることができる太陽電池の電極形成用の導電性ペースト、この導電性ペーストを使用して製造された太陽電池、及び太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を行ったところ、450〜650℃で熱分解する熱硬化性樹脂をバインダ樹脂中に含み、かつ該熱硬化性樹脂はペースト中で1.0重量%以下(0重量%を含まず。)の範囲で含有することにより、接着強度が向上し、かつ変換効率が向上した太陽電池を得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る導電性ペーストは、太陽電池の電極を形成するための導電性ペーストであって、導電性粉末と、ガラスフリットと、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記バインダ樹脂は、450〜650℃の温度で熱分解が終了する熱硬化性樹脂を含有すると共に、該熱硬化性樹脂の前記導電性ペースト中の含有量が、1.0重量%以下(0重量%を含まず。)であることを特徴としている。
上記導電性ペーストを使用することにより、熱硬化性樹脂が半導体基板と受光面電極との間に残留することもなく、ガラスフリットの軟化や導電性粉末の焼結が開始する温度領域に達するまでの間に熱硬化性樹脂を硬化させることができることから、半導体基板と導電膜との接着性を確保することができ、変換効率を向上させることができる。また、焼成後においても受光面電極と半導体基板との間の接着強度を向上させることができる。
また、本発明の導電性ペーストは、バインダ樹脂が、セルロース誘導体を含有すると共に、前記導電性ペースト中における前記熱硬化性樹脂と前記セルロース誘導体との含有量の総計が、2.0重量%以下であるのが好ましい。
これにより導電性ペーストを印刷した後の滲み出しを効果的に抑制することができ、微細配線化が可能となる。そしてこのように微細配線化することによって太陽電池の受光面積が増大し、その結果、良好な変換効率を有する太陽電池を得ることができる。しかも、低温での接着強度も十分に確保できることから、より一層良好な接着強度と変換効率を有する太陽電池を得ることができる。
また、本発明の導電性ペーストは、前記熱硬化性樹脂が、アルキド樹脂であるのが好ましい。
また、本発明の導電性ペーストは、前記熱硬化性樹脂が、酸価が5KOHmg/g以上であるのが好ましい。
これにより、半導体基板と導電膜との接着強度をより効果的に向上させることが可能となる。
さらに、本発明の導電性ペーストは、前記ガラスフリットは、BiをBiに換算して26モル%未満の範囲で含有すると共に、Pbを含有していないのが好ましい。
これにより非鉛系の導電性ペーストを使用した場合であっても、より一層の変換効率向上を図ることができる。
さらに、本発明の導電性ペーストは、前記導電性粉末は、Ag粉末であるのが好ましい。
また、本発明に係る太陽電池は、半導体基板の一方の主面に反射防止膜及び該記反射防止膜を貫通する電極が形成されると共に、前記電極が、上記いずれかに記載の導電性ペーストが焼結されてなることを特徴としている。
このように上記熱硬化性樹脂を含有した導電性ペーストを使用することにより、接着強度が良好で変換効率に優れた太陽電池を得ることができる。
また、本発明に係る太陽電池の製造方法は、半導体基板の一方の主面に反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程と、1.0重量%以下(0重量%を含まず。)の範囲で熱硬化性樹脂を含有した導電性ペーストを前記反射防止膜の表面に塗布して所定パターンの第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、裏面電極形成用導電性ペーストを前記半導体基板の他方の主面に塗布して第2の導電膜を形成する第2の導電膜形成工程と、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜が形成された前記半導体基板を焼成し、前記反射防止膜を分解・除去して前記第1の導電膜を前記半導体基板に接合する焼成工程とを含み、前記焼成工程は、前記熱硬化性樹脂が450〜650℃の温度範囲で分解し、消失することを特徴としている。
これにより接着強度が良好で変換効率に優れた太陽電池を容易に得ることができる。
本発明の導電性ペーストによれば、Ag粉末等の導電性粉末と、ガラスフリットと、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記バインダ樹脂は、450〜650℃の温度で熱分解が終了するアルキド樹脂等の熱硬化性樹脂を含有すると共に、該熱硬化性樹脂の前記導電性ペースト中の含有量が、1.0重量%以下(0重量%を含まず。)であるので、熱硬化性樹脂が半導体基板と受光面電極との間に残留することもなく、ガラスフリットの軟化や導電性粉末の焼結が開始する温度領域に達するまでの間、熱硬化性樹脂を硬化させることによって半導体基板と導電膜との接着性を確保することができ、変換効率を向上させることができる。また、焼成後においても受光面電極と半導体基板との間の接着強度を向上させることができる。
また、本発明の太陽電池によれば、半導体基板の一方の主面に反射防止膜及び該記反射防止膜を貫通する電極が形成されると共に、前記電極が、上記いずれかに記載の導電性ペーストが焼結されてなるので、上述した熱硬化性樹脂を使用することにより、接着強度が良好で変換効率に優れた太陽電池を得ることができる。
また、本発明の太陽電池の製造方法によれば、半導体基板の一方の主面に反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程と、1.0重量%以下(0重量%を含まず。)の範囲で熱硬化性樹脂を含有した導電性ペーストを前記反射防止膜の表面に塗布して所定パターンの第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、裏面電極形成用導電性ペーストを前記半導体基板の他方の主面に塗布して第2の導電膜を形成する第2の導電膜形成工程と、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜が形成された前記半導体基板を焼成し、前記反射防止膜を分解・除去して前記第1の導電膜を前記半導体基板に接合する焼成工程とを含み、前記焼成工程は、前記熱硬化性樹脂が450〜650℃の温度範囲で分解し、消失するので、接着強度が良好で変換効率に優れた太陽電池を容易に得ることができる。
本発明に係る導電性ペーストを使用して製造された太陽電池の一実施形態を示す要部断面図である。 受光面電極側を模式的に示した拡大平面図である。 裏面電極側を模式的に示した拡大底面図である。 太陽電池の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図である。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は、本発明に係る導電性ペーストを使用して製造された太陽電池の一実施の形態を示す要部断面図である。
この太陽電池は、Siを主成分とした半導体基板1の一方の主面に反射防止膜2及び受光面電極3が形成されると共に、該半導体基板1の他方の主面に裏面電極4が形成されている。
半導体基板1は、p型半導体層1bとn型半導体層1aとを有し、p型半導体層1bの上面にn型半導体層1aが形成されている。該半導体基板1は、例えば、単結晶又は多結晶のp型半導体層1bの一方の主面に不純物を拡散させ、薄いn型半導体層1aを形成することにより得ることができるが、p型半導体層1bの上面に、n型半導体層1aが形成されているのであれば、その構造及び製法は特に限定されるものではない。また、半導体基板は、n型半導体層の一方の主面に薄いp型半導体層が形成された構造のものや、半導体基板の一方の主面の一部にp型半導体層とn型半導体層の両方が形成されている構造のものを用いてもよい。いずれにしても、反射防止膜2が形成された半導体基板1の主面であれば、本発明に係る導電性ペーストを有効に用いることができる。
尚、図1では、半導体基板1の表面はフラット状に記載しているが、太陽光を半導体基板1に効果的に閉じ込めるために、表面は微小凹凸構造を有するように形成されている。
反射防止膜2は、窒化ケイ素(SiNx)等の絶縁性材料で形成され、矢印Aに示す太陽光の受光面への光の反射を抑制し、太陽光を半導体基板1に迅速かつ効率よく導く。この反射防止膜2を構成する材料としては、上述した窒化ケイ素に限定されるものではなく、他の絶縁性材料、例えば酸化ケイ素や酸化チタンを使用してもよく、2種類以上の絶縁性材料を併用してもよい。また、結晶Si系であれば単結晶Si及び多結晶Siのいずれを使用してもよい。
受光面電極3は、半導体基板1上に反射防止膜2を貫通して形成されている。この受光面電極3は、スクリーン印刷等を使用し、後述する本発明の導電性ペーストを半導体基板1上に塗布して導電膜を作製し、焼成することによって形成される。すなわち、受光面電極3を形成する焼成過程で、導電膜下層の反射防止膜2が分解・除去されてファイヤースルーされ、これにより反射防止膜2を貫通する形態で半導体基板1上に受光面電極3が形成される。
受光面電極3は、具体的には、図2に示すように、多数のフィンガー電極5a、5b、…5nが櫛歯状に並設されると共に、フィンガー電極5a、5b、…5nと交差状にバスバー電極6が設けられ、フィンガー電極5a、5b、…5nとバスバー電極6とは電気的に接続されている。そして、受光面電極3が設けられている部分を除く残りの領域に、反射防止膜2が形成されている。このようにして半導体基板1で発生した電力をフィンガー電極5nによって集電するとともにバスバー電極6によって外部へ取り出している。
裏面電極4は、具体的には、図3に示すように、p型半導体層1bの裏面に形成されたAl等からなる集電電極7と、該集電電極7の裏面に形成されて該集電電極7と電気的に接続されたAg等からなる取出電極8とで構成されている。そして、半導体基板1で発生した電力は集電電極7に集電され、取出電極8によって電力を取り出している。
次に、受光面電極3を形成するための本発明の導電性ペーストについて詳述する。
本発明の導電性ペーストは、導電性粉末、ガラスフリット、バインダ樹脂、及び有機溶剤を含有している。
そして、前記バインダ樹脂は、熱分解の終了温度が450〜650℃の熱硬化性樹脂を1.0重量%以下(0重量%を含まず。)の範囲で含有している。
すなわち、バインダ樹脂としては、従来より、エチルセルロース樹脂に代表されるセルロース誘導体等の熱可塑性樹脂が多用されている。これらエチルセルロース樹脂等のバインダ樹脂は、通常、焼成過程で400℃以下の温度で熱分解が終了し消失する。
一方、非鉛系ガラスフリットの場合、軟化点を過度に低下させると過剰に流動化し、焼成後に受光面電極3と半導体基板1との界面にガラス成分が析出し、接触抵抗の増大を招くことから、通常、軟化点が450℃以上のガラスフリットが使用される。また、Ag等の導電性粉末は、焼成過程で450℃以上の温度で焼結を開始する。
したがって、ガラスフリットの軟化や導電性粉末の焼結が開始される時点では、バインダ樹脂は殆どが熱分解して消失することから、受光面電極3と半導体基板1との接着性に十分に寄与することができない。
そこで、本実施の形態では、ガラスフリットの軟化や導電性粉末の焼結が開始する少なくとも450℃以上の温度で熱分解が終了するような熱可塑性樹脂をバインダ樹脂として含有させている。そしてこれにより、ガラスフリットの軟化及び導電性粉末の焼結が開始しても、受光面電極3と半導体基板1との間の接着性を十分に確保でき、これにより反射防止膜2の分解不良を抑制して接触抵抗を低下することができ、変換効率が向上し、かつ受光面電極3と半導体基板1との間の接着強度を確保することができる。
ただし、熱分解の終了温度は650℃以下にする必要がある。すなわち、熱分解の終了温度が650℃を超えると、焼成過程で熱硬化性樹脂が十分に熱分解しきれなくなり、熱分解しきれなかった熱硬化性樹脂が焼成後も受光面電極3と半導体基板1との界面に残留する。このため受光面電極3と半導体基板1との間で接触抵抗が増大し、太陽電池の電池特性低下を招くおそれがある。
また、熱硬化性樹脂の含有量は、上述したように、1.0重量%(0重量%を含ます。)以下とする必要がある。これは熱硬化性樹脂の含有量が1.0重量%を超えると、450〜650℃の温度範囲では、熱硬化性樹脂を十分に熱分解することができず、熱分解しきれなかった熱硬化性樹脂が焼成後も受光面電極3と半導体基板1との界面に残留し、その結果、両者間の接触抵抗が増大し、太陽電池の電池特性低下を招くおそれがあるからである。
そして、このような熱硬化性樹脂としては、上述した450〜650℃で熱分解が終了するものであれば特に限定されるものではなく、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂等を使用することができるが、これらの中ではアルキド樹脂を好んで使用することができる。また、熱硬化性樹脂の分解終了温度は、樹脂の有する分子量や添加物質を調整することにより設定することができる。例えば、アルキド樹脂の場合は、原料として用いる有機酸の種類や配合比率を変更させることによって熱分解終了温度を調整することができる。
また、本発明は、バインダ樹脂として、セルロース誘導体を含有するのも好ましい。すなわち、セルロース誘導体は、導電性ペーストを印刷した後の滲み出しを抑制する作用を有することから、微細配線化が可能となる。そして、微細配線化することによって太陽電池の受光面積が増大するため、良好な変換効率を有する太陽電池を得ることができる。また、低温での接着強度も十分に確保できることから、より一層良好な接着強度と変換効率を有する太陽電池を得ることができる。すなわち、セルロース誘導体は、通常、400℃以下の低温で熱分解し、消失する熱可塑性樹脂であることから、熱硬化性樹脂と共に含有させることにより、より一層接着強度が使用し、かつ変換効率の良好な電池特性に優れた太陽電池を得ることができる。
ただし、セルロース誘導体を含有させる場合は、該セルロース誘導体と、熱硬化性樹脂との含有量の総計が2.0重量%以下の範囲とする必要がある。これは熱硬化性樹脂とセルロース誘導体の総含有量が2.0重量%を超えると、これらの樹脂が十分に熱分解しきれなくなり、熱分解しきれなかった熱硬化性樹脂が焼成後も受光面電極3と半導体基板1との界面に残留すると、両者間の接触抵抗の増大を招き、太陽電池の電池特性が低下するおそれがあるからである。
したがって、導電性ペースト中にセルロース誘導体を含有させる場合は、熱硬化性樹脂とセルロース誘導体との含有量の総計が2.0重量%以下の範囲となるようにする必要がある。
そして、このようなセルロース誘導体としては、特に限定されるものではなく、例えばエチルセルロース樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、ニトロセルロース樹脂等を使用することができる。
尚、本発明の導電性ペーストには、熱硬化性樹脂やセルロース誘導体に加え、ロジン等の他のバインダ樹脂成分を含有させてもよい。
また、上記熱硬化性樹脂は、酸価が5KOHmg/g以上が好ましい。酸価は、熱硬化性樹脂1g中に含まれる酸性成分に対し、これを中和するのに要するKOHの重量(mg)である。酸価が5KOHmg/g以上が好ましいのは、以下の理由による。
例えば、窒化ケイ素(SiNx)を反射防止膜材料に使用した場合、窒化ケイ素は空気中の水分と反応し、一部がSiNHを形成する。SiNHは、アルキド樹脂のカルボキシル基(−COOH)と脱水縮合してアミド結合を形成し、これにより低温での接着強度を向上させることが可能になる。そして、酸価が高いほど、カルボキシル基が多くなるため、より一層良好な接着強度と変換効率を得ることができると考えられる。そしてそのためには熱硬化性樹脂の酸価は、5KOHmg/g以上が好ましい。
また、ガラスフリットは、環境汚染等を考慮すると、鉛を含有しない非鉛系ガラスフリットを使用するのが好ましい。
非鉛系ガラスフリットは、鉛系ガラスフリットに比べてガラスフリットの軟化点が過度に低下すると過剰な流動を招くことから、450℃以上の軟化点を有するガラスフリットを使用する必要がある。
そして、本発明では、導電性ペースト中に450〜650℃で熱分解が終了する熱硬化性樹脂を含有しているので、ガラスフリットの軟化が開始した後、バインダ樹脂の熱分解が終了する。
したがって、本発明は、このように非鉛系ガラスフリットを使用した場合に特に効果的である。
そして、このような非鉛系ガラスフリットとしては、例えば、Si−B−Bi−M系ガラスフリット(Mはアルカリ土類金属)を使用することができる。
尚、斯かるSi−B−Bi−M系ガラスフリットを使用する場合、Biの含有モル量はBiに換算して30モル%以下が好ましい。
Biの含有モル量がBiに換算して30モル%を超えると、ガラスフリットの軟化点が低くなってガラス粘度が低くなり、受光面電極3と半導体基板1との間の界面にガラス成分が滞留し、接触抵抗が増大して太陽電池の電池特性低下を招くおそれがある。
また、導電性粉末としては、良好な導電性を有する金属粉であれば特に限定されるものではないが、焼成処理を大気中で行った場合であっても酸化されることなく良好な導電性を維持することができるAg粉末を好んで使用することができる。尚、この導電性粉末の形状も、特に限定されるものではなく、例えば、球形状、扁平状、不定形形状、或いはこれらの混合粉であってもよい。
また、導電性粉末の平均粒径も、特に限定されるものではないが、導電性粉末と半導体基板1との間で、所望の接触点を確保する観点からは、球形粉換算で、1.0〜5.0μmが好ましい。
さらに、導電性ペースト中にZnOを含有させるのも好ましい。すなわち、ZnOは、導電性ペーストの焼成に際し、半導体基板1の表面に予め形成されている反射防止膜の分解・除去を促進して円滑なファイヤースルーを可能とし、受光面電極3と半導体基板1との接触抵抗を低くする。尚、この場合、反射防止膜の分解作用は、導電性粉末とZnOが接触している箇所で生じていると考えられる。
尚、導電性ペーストには、必要に応じて、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジブチル等の可塑剤を1種又はこれらの組み合わせを添加するのも好ましい。また、チクソトロピック剤、増粘剤、分散剤などを添加してもよいし、必要に応じ脂肪酸アマイドや脂肪酸等のレオロジー調製剤を添加してもよい。
そして、この導電性ペーストは、導電性粉末、ガラスフリット、バインダ樹脂、及び有機溶剤を所定の混合比率となるように秤量し、三本ロールミル等を使用して有機ビヒクル中に分散・混練させることにより、容易に製造することができる。
尚、バインダ樹脂と有機溶剤とが、例えば体積比率で、1〜3:7〜9となるように配合される。
このように本実施の形態では、Ag粉末等の導電性粉末と、ガラスフリットと、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、前記バインダ樹脂は、450〜650℃の温度で熱分解が終了するアルキド樹脂等の熱硬化性樹脂を含有し、前記熱硬化性樹脂の含有量は、ペースト中で1.0重量%以下(0重量%を含まず。)であるので、焼成後に熱硬化性樹脂が半導体基板と受光面電極との間に残留することもなく、ガラスフリットの軟化や導電性粉末の焼結が開始する温度領域に達するまでの間、熱硬化性樹脂を硬化させることによって半導体基板と導電膜との接着性を確保することができ、変換効率を向上させることができる。また、焼成後においても受光面電極と半導体基板との間の接着強度を向上させることができる。
また、前記バインダ樹脂は、セルロース誘導体を含有すると共に、前記熱硬化性樹脂と前記セルロース誘導体との含有量の総計を、2.0重量%以下とすることにより、導電性ペーストを印刷した後の滲み出しを効果的に抑制することができ、微細配線化が可能となる。そしてこのように微細配線化することによって太陽電池の受光面積が増大し、その結果、良好な変換効率を有する太陽電池を得ることができる。しかも、低温での接着強度も十分に確保できることから、より一層良好な接着強度と変換効率を有する太陽電池を得ることができる。
また、前記熱硬化性樹脂が、酸価が5KOHmg/g以上とすることにより、接着強度をより効果的に向上させることが可能となる。
さらに、前記ガラスフリットは、BiをBiに換算して30モル%未満の範囲で含有すると共に、Pbを含有しないこととすることにより、非鉛系の導電性ペーストを使用した場合であっても、より一層の変換効率向上を図ることができる。
次に、上記太陽電池の製造方法を詳述する。
図4は太陽電池の製造方法の一実施の形態を示す製造工程図である。
まず、図4(a)に示すように、単結晶又は多結晶のSi等からなる厚みが200mm程度のp型半導体基板11を用意する。このp型半導体基板11は、例えば、Si等の半導体原料を坩堝で溶解・再固化させて形成されたインゴットをブロック毎に切断し、ワイヤーソー等で薄片状にスライスすることによって得られる。
次いで、図4(b)に示すように、p型半導体基板11の表面にn型拡散層12を形成する。すなわち、拡散すべき不純物を含有した塗布液をスピンコート法等により膜状に塗布して塗布膜を形成し、熱処理を行って前記不純物をp型半導体基板11の表面に拡散させ、厚みが300〜500nmのn型拡散層12を形成する。そしてこれにより、p型半導体基板11の部分をp型半導体層1b、n型拡散層12の部分をn型半導体層1aとした半導体基板1を得る(pn接合の形成)。
尚、拡散すべき不純物としては、n型拡散層12を形成するものであれば特に限定されないが、通常はPが好んで使用され、塗布液としてはオキシ塩化リン(POCl)が好んで使用される。また、入射する太陽光を有効に半導体基板1内に閉じ込めるためには、テクスチャエッチングを行って表面を微小凹凸構造とするのが好ましい。
次に、プラズマ化学気相成長法(PECVD)等の薄膜形成法を使用し、図4(c)に示すように、窒化ケイ素(SiNx)等の絶縁性材料からなる膜厚が70〜80nmの反射防止膜2を形成する。
次に、平均粒径が5μmのAl粉末を含有したAlペーストを用意し、更に平均粒径1.5μmのAg粉末を含有したAgペーストを用意する。そして、該Alペーストを前記半導体基板1の裏面全面に塗布し、さらにAgペーストをスクリーン印刷して乾燥させ、図4(d)に示すように、裏面電極用の第2の導電膜13を形成する。
次に、上記本発明の導電性ペーストを使用してスクリーン印刷し、所定パターンの第1の導電膜14を形成する。
そしてこの後、入口から出口までを1〜3分で通過するベルト式焼成炉を使用し、Alが500℃で焼結し、最高焼成温度が750℃となるような焼成プロファイルで第1及び第2の導電膜14、13を焼結させ、図4(e)に示すように、受光面電極3及び裏面電極4を作製し、太陽電池が形成される。そして、本発明の導電性ペーストに含有された熱硬化性樹脂は、前記焼成処理中、450〜650℃で熱分解が終了し、消失する。
このように本実施の形態では、半導体基板1の一方の主面に反射防止膜2を形成する反射防止膜形成工程と、1.0重量%以下(0重量%を含まず。)の範囲で熱硬化性樹脂を含有した導電性ペーストを前記反射防止膜2の表面に塗布して所定パターンの第1の導電膜14を形成する第1の導電膜形成工程と、Alを含有した裏面電極形成用導電性ペーストを半導体基板1の他方の主面に塗布して第2の導電膜13を形成する第2の導電膜形成工程と、第1の導電膜14及び第2の導電膜13が形成された半導体基板1を焼成し、反射防止膜2を分解・除去して第1の導電膜14を半導体基板1に接合する焼成工程とを含み、前記焼成工程は、前記熱硬化性樹脂が450〜650℃の温度範囲で分解し、消失するので、接着強度が良好で変換効率に優れた太陽電池を容易に得ることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態ではガラスフリットとして、B−Si−Bi−M系ガラスフリットを例示したが、これに限定されるものではなく、例えばアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KOなど)やTiOやZrO等の種々の酸化物を含んでいてもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
〔試料の作製〕
(分解終了温度の測定)
有機酸の配合比率を異ならせたアルキド樹脂を多数用意し、TG−DTA(熱重量−示差熱分析装置)を使用して熱分析を行い、熱分解の分解終了温度を求めた。すなわち、アルミナ製容器に試料5mgを収容し、標準試料にαアルミナを使用し、流量100mL/分で測定装置内に空気を供給しながら、該測定装置を1分間に20℃上昇するような焼成プロファイルで室温から900℃まで加熱し、温度に対する重量変化からTG曲線及びDTA曲線を作成した。そして斯かるTG曲線及びDTA曲線から各試料における熱分解の分解終了温度を求めた。
また、セルロース誘導体としてのエチルセルロース樹脂を用意し、上述と同様、TG−DTAを使用して分解終了温度を求めたところ、365℃であった。
(酸価の測定)
アルキド樹脂をアルコール・エーテル混合液に溶解させ、フェノールフタレイン試薬を指示薬とし、0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定して酸価を測定した。
(導電性ペーストの作製)
導電性粉末として平均粒径が1.0μmの球形Ag粉末、及びガラスフリット中のBiの含有モル量が26モル%に調製されたSi−B−Bi−Ba系ガラスフリットを用意した。
次いで、Ag粉末100重量部に対し前記ガラスフリットが2.5重量部となるように秤量し、さらにアルキド樹脂及びエチルセルロース樹脂の導電性ペースト中の含有量が表1となるように、これらアルキド樹脂及びエチルセルロース樹脂を秤量し、溶剤としてのテキサノールと共に、プラネタリミキサー中で混合し、三本ロールミルで分散させ、混錬して試料番号1〜10の導電性ペーストを作製した。
(太陽電池セルの作製)
すなわち、縦50mm、横50mm、厚み0.18mmの単結晶のSi系半導体基板の表面全域に膜厚80nmの反射防止膜をプラズマ化学気相成長法(PECVD)で形成した。尚、このSi系半導体基板は、p型Si系半導体層の一部にPを拡散させ、これによりp型Si系半導体層の上面にn型Si系半導体層が形成されている。
また、平均粒径5μmの球形のAl粉末、及びPb−Si系ガラスフリットを用意した。そして、Al粉末100重量部に対し上記ガラスフリット3.7重量部を混合し、さらにエチルセルロース樹脂が導電性ペースト中、4.6重量%となるように秤量し、溶剤としてのテキサノールと共にプラネタリミキサー中で混合し、三本ロールミルで分散させ、Alペーストを作製した。
さらに、平均粒径1.5μmの球形のAg粉末、及びSi−B−Bi系ガラスフリットを用意した。そして、Ag粉末100重量部に対し上記ガラスフリット3重量部を混合し、さらにエチルセルロース樹脂が導電性ペースト中、3重量%となるように秤量し、溶剤としてのテキサノールと共にプラネタリミキサー中で混合し、三本ロールミルで分散させ、Agペーストを作製した。
次いで、焼成後の膜厚が10μmとなるようにAlペーストを前記半導体基板1の裏面全面に塗布し、さらに焼成後の膜厚が10μmとなるようにAgペーストをスクリーン印刷して乾燥させ、裏面電極用にAl及びAgを主成分とする第2の導電膜を作製した。そして、150℃に設定されたオーブンで乾燥した。その後、導電性ペーストを、反射防止膜上にスクリーン印刷して焼成後の膜厚が20μmとなるように第1の導電膜を作製し、150℃に設定されたオーブンで乾燥した。
次に、ベルト式近赤外炉(デスパッチ社製、CDF7210)を使用し、試料が入口〜出口間を約1分で通過するように搬送速度を調整し、大気雰囲気下、最高焼成温度750℃で焼成し、第1及び第2の導電膜が焼結されて受光面電極が形成され、これにより試料番号1〜10の試料を作製した。
〔試料の評価〕
試料番号1〜10の各試料について、接着強度を測定した。すなわち、芯線のCuがSn−Ag−Cu系はんだで被覆されたリード線を各試料の受光面電極にはんだ付けした。
そして、引張試験機により半導体基板から離反する方向にリード線に外力を負荷し、受光面電極から剥離した際の剥離強度を求め、これを受光面電極の半導体基板に対する接着強度とした。
表1は、アルキド樹脂及びエチルセルロース樹脂の含有量、分解終了温度、酸価、接着強度、及び変換効率ηを示している。
尚、接着強度は2940mN以上でリード線と各試料とが十分に接合することから、2940mN以上を良品とした。また、変換効率ηは試料番号1を100%とし、相対値で示した。相対値が98.0%以上で十分な発電量を得ることができる。
Figure 0005403304
試料番号6は、接着強度が2001mNと低く、変換効率ηも試料番号1に対し83.3%に低下した。これは導電性ペースト中にアルキド樹脂を含有していないため、エチルセルロースのみでは焼成過程における受光面電極と半導体基板との間の接着性を十分に確保できなくなるためと思われる。
試料番号7は、接着強度は4178mNと十分であるが、変換効率ηが試料番号1に対し88.1%に低下した。これは導電性ペースト中でアルキド樹脂の含有量が2.0重量%であり、1.0重量%を超えているため、該アルキド樹脂が十分に熱分解しきれなくなり、この熱分解しきれなかったアルキド樹脂が焼成後も受光面電極と半導体基板との界面に残存し、このため前記界面での接触抵抗を増大し、変換効率ηの低下を招いたものと思われる。
試料番号8は、接着強度が1981mNと低く、変換効率ηも試料番号1に対し89.0%に低下した。これはアルキド樹脂の分解終了温度が435℃であり、450℃未満と低いため、ガラスフリットの軟化が開始する前又はAg粉末が焼結を開始する前にアルキド樹脂が熱分解してしまい、この間で受光面電極と半導体基板との接着性を十分確保することができなくなるためと思われる。
試料番号9は、接着強度は3609mNと十分であるが、変換効率ηが試料番号1に対し83.2%に低下した。これはアルキド樹脂の熱分解終了温度が680℃であり、650℃を超えているため、アルキド樹脂が十分に熱分解しきれず、熱分解しきれなかったアルキド樹脂が焼成後も受光面電極と半導体基板との界面に残存し、このため前記界面での接触抵抗を増大し、変換効率ηの低下を招いたものと思われる。
試料番号10は、接着強度は4658mNと十分であるが、変換効率ηが試料番号1に対し87.0%に低下した。これはアルキド樹脂とエチルセルロース樹脂との含有量の総計が、2.0重量%を超えているため、アルキド樹脂の一部が熱分解せずに残存し、斯かるアルキド樹脂が焼成後も受光面電極と半導体基板との界面に残存し、このため前記界面での接触抵抗を増大し、変換効率ηの低下を招いたものと思われる。
これに対し試料番号1〜5は、アルキド樹脂の分解終了温度は589℃であり、アルキド樹脂の含有量は1.0重量%以下であり、またエチルセルロース樹脂を含有させた場合であっても、アルキド樹脂とエチルセルロース樹脂との含有量の総計が2.0重量%以下であるので、接着強度は3690〜4786mNとなって2940mNを遥かに超えており、また変換効率ηも98.6%以上であり,電池特性の良好な太陽電池を得ることができることが分かった。
熱分解の分解終了温度及び酸価が異なる試料番号21〜26のアルキド樹脂を用意した。尚、熱分解の分解終了温度及び酸価は、実施例1と同様の方法・手順で測定した。
次いで、実施例1と同様の方法・手順で、試料番号21〜26の導電性ペースト及び太陽電池セルを作製し、各試料の接着強度及び変換効率ηを求めた。
表2は、試料番号21〜26のアルキド樹脂及びエチルセルロース樹脂の含有量、分解終了温度、酸価、接着強度、及び変換効率ηを示している。
尚、表2には試料番号1のデータを再掲している。
Figure 0005403304
試料番号21〜26は、アルキド樹脂の分解終了温度は452〜649℃であり、アルキド樹脂の含有量は1.0重量%以下であり、アルキド樹脂とエチルセルロースとの総量が2.0重量%以下であるので、接着強度は2940mNを超えており、また変換効率ηも99.8%以上であり、電池特性の良好な太陽電池を得ることができた。
ただし、試料番号25及び26は、酸価がそれぞれ3.7、4.7と5以下であるため、接着強度が若干低下傾向になることが分かった。
Biの含有モル量が異なる以外は、実施例1と同様の方法・手順で、試料番号31〜33の導電性ペースト及び太陽電池セルを作製し、各試料の接着強度及び変換効率ηを求めた。
表3は、試料番号31〜33のアルキド樹脂及びエチルセルロース樹脂の含有量、分解終了温度、酸価等、接着強度、及び変換効率ηを示している。
尚、表3には試料番号1のデータを再掲している。
Figure 0005403304
試料番号31〜33は、アルキド樹脂の分解終了温度は589℃であり、アルキド樹脂の含有量は0.5重量%であり、しかもアルキド樹脂とエチルセルロース樹脂との含有量の総計が1.0重量%であるので、接着強度は4197〜4413mNであり、また変換効率ηも98.5%以上であり、電池特性の良好な太陽電池を得ることができた。
ただし、試料番号31〜33は、Biの含有モル量が29.5〜32.0モル%であり、26.0モル%を超えているため、試料番号1に比べ、接着強度が低下傾向になることが分かった。
受光面電極と半導体基板との間の接着強度が大きく、良好な変換効率を得ることができる太陽電池を実現することができる。
1 半導体基板
2 反射防止膜
3 受光面電極(電極)

Claims (8)

  1. 太陽電池の電極を形成するための導電性ペーストであって、
    導電性粉末と、ガラスフリットと、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、
    前記バインダ樹脂は、450〜650℃の温度で熱分解が終了する熱硬化性樹脂を含有すると共に、該熱硬化性樹脂の前記導電性ペースト中の含有量が、1.0重量%以下(0重量%を含まず。)であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記バインダ樹脂は、セルロース誘導体を含有すると共に、前記導電性ペースト中における前記熱硬化性樹脂と前記セルロース誘導体との含有量の総計が、2.0重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 前記熱硬化性樹脂は、アルキド樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導電性ペースト。
  4. 前記熱硬化性樹脂は、酸価が5KOHmg/g以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の導電性ペースト。
  5. 前記ガラスフリットは、BiをBiに換算して26モル%未満の範囲で含有すると共に、Pbを含有していないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. 前記導電性粉末は、Ag粉末であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. 半導体基板の一方の主面に反射防止膜及び該反射防止膜を貫通する電極が形成され、
    前記電極が、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の導電性ペーストが焼結されてなることを特徴とする太陽電池。
  8. 半導体基板の一方の主面に反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程と、
    1.0重量%以下(0重量%を含まず。)の範囲で熱硬化性樹脂を含有した導電性ペーストを前記反射防止膜の表面に塗布して所定パターンの第1の導電膜を形成する第1の導電膜形成工程と、
    裏面電極形成用導電性ペーストを前記半導体基板の他方の主面に塗布して第2の導電膜を形成する第2の導電膜形成工程と、
    前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜が形成された前記半導体基板を焼成し、前記反射防止膜を分解・除去して前記第1の導電膜を前記半導体基板に接合する焼成工程とを含み、
    前記焼成工程は、前記熱硬化性樹脂が450〜650℃の温度範囲で分解し、消失することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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