本発明は、アイコン画面に触れると触覚を提示する触覚入力機能を備えたデジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下パソコンという)、ノート型のパソコン、現金自動受け払い機等の電子機器に適用可能な触覚シート部材、入力装置及び電子機器に関する。
詳しくは、所定の大きさの塊形状を有し、かつ、母材用の素材の硬度と異なる硬度を有して、母材用の素材の所々に分布された触覚用の素材を備え、部材表面が平坦状に観察されても、実際に部材表面を手で触れられて、母材用の素材から触覚用の素材へ摺動したとき、手触り凹凸感を提示できるようにすると共に、当該触覚シート部材を入力装置のアイコンタッチ用の触覚入力シートとして、また、各種電子機器筐体のグリップ部分の滑り止めシートとして十分応用できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、多種類の動作モードを装備したデジタルカメラを使用して被写体を撮影したり、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらのデジタルカメラや携帯端末装置等には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。
上述の入力装置の機能に関連して、特許文献1には、メニュー選択装置が開示されている。このメニュー選択装置によれば、項目選択手段及び項目入力手段を備え、項目入力手段が項目選択手段上に設けられ、項目の選択と入力とを同一のキーに割り当て、項目表示と項目選択入力キーとを並置するようにしたものである。このように装置を構成すると、同一のキーを用いて項目の選択と人力の指示(確定)とを実行できるというものである。
また、特許文献2には他の入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ケーシングの所定の位置に窓孔が設けられ、この窓孔から露出する操作釦をスライド操作して項目選択を行ったり、他の操作ノブを押圧操作して特定された項目選択画面内の所定領域を拡大表示するようにした。このように装置を構成すると、項目選択動作を簡単かつ的確に実行できるというものである。
なお、振動を伴う入力装置に関連して、特許文献3にはエアコンや、オーディオ等の電子機器に実装可能な入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ロータリスイッチ、プッシュスイッチ及びスライドスイッチの機能を併せ持つ操作子を備え、当該操作子を回転、スライド又は押圧することによって、操作項目の選択や、入力確定操作を行い、入力確定操作時には振動を伴うようになされる。このように装置を構成すると、操作負担が大幅に減少できるというものである。
また、アクチュエータを組み合わせた入力装置も開発されている。アクチュエータは、2層以上のひずみ量の異なる圧電素子、又は、圧電素子と非圧電素子とを貼り合わせ、この貼合体の圧電素子に振動制御電圧を印加したとき、双方のひずみ量の差によって生じる貼合体の曲げ変形を力学的に利用するものである(振動体機能)。
この種の圧電アクチュエータを備えた電子機器に関して、特許文献4には、入出力装置及び電子機器が開示されている。この電子機器によれば、多層圧電バイモルフ型の圧電アクチュエータ及びタッチパネルを有する入出力装置を備え、当該圧電アクチュエータは、情報の種類に応じてタッチパネルを通じて異なる触覚を使用者にフィードバックする。入出力装置は、支持フレーム上に支持部を介して圧電アクチュエータを取り付けた圧電体支持構造を有している。圧電アクチュエータの中央上部には、支持部が貼り付けられ、この支持部がタッチパネルに当接される。圧電アクチュエータへ振動制御電圧を供給すると、タッチパネルに振動を伝達するようになされる。
このように電子機器を構成すると、使用者に対して、情報の種類に応じた入力操作に対する触覚フィードバックを確実に提供できるというものである。これらの圧電アクチュエータを用いた触覚フィードバック制御では、タッチパネルが外部からの入力(位置および、加圧力)を検出し、制御系がタッチパネルからの入力情報をトリガにして、当該タッチパネルまたは筺体を振動させるようになされる。
特開平 02−230310号公報(第2頁 図1)
特開2005−063227号公報(第8頁 図15)
特開2004−070505号公報(第5頁 図3)
特開2004−094389号公報(第9頁 図4)
ところで、従来例に係る触覚入力機能付きの携帯電話機や、ビデオカメラ、デジタルカメラ、現金自動受け払い機等の電子機器によれば、以下のような問題がある。
i.特許文献1や特許文献3等に見られるような電子機器によれば、各種方式のタッチパネルと表示部とを合わせたタッチ入力機能付きの入力装置が実装されているが、表示部でアイコンを選択した際に、その選択と同期した触覚を操作者に与えることができていない。
ii.また、特許文献1〜3に見られるような入力装置によれば、キーボードをブラインドタッチしたとき、例えば、ドーム状のスイッチを押し込んだ際に指が感じる触覚によってキー操作感が与えられている。しかし、指が感じる触覚は、主に指と入力表面との接触面内における一様な振動又は力変化しか表現できていない場合が多い。
iii.この種の触覚デバイスを用いた入力操作性の改善に関して、ii.の問題を解決するために、特許文献4に見られるような入力装置によれば、複数の圧電アクチュエータを導入して、触覚表現力の強化を図っている。しかし、複数の圧電アクチュエータの大きさ(外形)に対して、指と入力表面の接触面積は小さく、その入力表面内において、多様な力変化を表現しきれない等の理由により、圧電アクチュエータを導入した触覚表現力としてはまだ不十分である。
iv.上述のiii.の問題を改善する入力装置に関連した、本願の発明者らが現在出願中の入力装置によれば、操作パネルの表示素子上に透明性の部材により補足的に凹又は凸状部位を設けたタッチシートを形成する方法が採られている。しかし、そのタッチシートの凹又は凸状部位が固定されているので、その凹又は凸状部位下のアイコン画像が光学的に見えにくくなることが確認された。
従って、表示素子の内容の視認性が悪くなるという問題が懸念されている。因みに表示素子上のタッチシートに固定された凹又は凸状部位と空気との境界面は、屈折率が1及び透過率が100%の空気に対して、屈折率が約1.4付近で全光線透過率が70〜95%程度の透明性の材料を透明部材に使用した場合、当該透明部材と空気が表示面に対して平坦でない凹又は凸状の界面を形成するようになる。従って、タッチシートの操作部としての凹凸表現ができても、その部分の表示部として視認性が劣化するという問題がある。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、タッチシート部材の組成を工夫して手触り凹凸感を提示できるようにすると共に、タッチシートにおける操作性や、滑り止めシートにおける親和性を向上できるようにした触覚シート部材、入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る触覚シート部材は、所定の硬度を有してシート状を成す母材用の素材と、所定の大きさの塊形状を有して母材用の素材の所々又は所定の位置に、互いに離隔して埋設され、各々が半円柱形状または半楕円柱形状を有する複数の触覚用の素材とを備え、触覚用の素材は母材用の素材の硬度と異なる硬度を有するものである。
本発明に係る触覚シート部材によれば、触覚用の素材が母材用の素材の硬度と異なる硬度を有するので、部材表面が平坦状に観察されても、実際に部材表面を手で触れて、母材用の素材から触覚用の素材へ摺動したとき、手触り凹凸感を与えることができる。
本発明に係る入力装置は、操作面を有した表示部に設けられ、操作体による摺動及び/又は押下操作によって入力される摺動位置を検出する検出部と、この検出部の一部又は全部を覆うように設けられ、表示部の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される透明性の上記本発明の触覚シート部材とを備えたものである。
本発明に係る入力装置によれば、本発明に係る透明性の触覚シート部材が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部に表示されたアイコン画像等を手で触れ、母材用の素材から触覚用の素材へ摺動したとき、凹凸感を伴った入力操作を提示できるようになる。
本発明に係る電子機器は、操作面を有した筐体と、この筐体に設けられて操作体による摺動又は及び押下操作によって情報を入力する上記本発明の入力装置とを備えたものである。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入力装置が備えられるので、当該電子機器を操作する操作体による摺動又は及び押下操作に対し、母材用の素材の硬度に対して触覚用の素材の硬度を高く設定した場合は、表示面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。また、母材用の素材の硬度に対して触覚用の素材の硬度を低く設定した場合は、表示面の一方から摺動方向に沿って掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。
本発明に係る触覚シート部材によれば、所定の大きさの塊形状を有して母材用の素材の所々に分布された触覚用の素材を備え、当該触覚用の素材は、母材用の素材の硬度と異なる硬度を有するものである。
この構造によって、部材表面が平坦状に観察されても、実際に部材表面を手で触れて、母材用の素材から触覚用の素材へ摺動したとき、手触り凹凸感を与えることができる。従って、当該触覚シート部材を入力装置のアイコンタッチ用の触覚入力シートとして、また、各種電子機器筐体のグリップ部分の滑り止めシートに十分応用できるようになる。
本発明に係る入力装置によれば、本発明に係る透明性の触覚シート部材が応用され、表示部の操作面に沿って摺動又は及び押下操作されるものである。
この構成によって、表示面が平坦状に観察されても、表示部に表示されたアイコン画像等を手で触れ、母材用の素材から触覚用の素材へ摺動したとき、凹凸感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置を提供できるようになる。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入力装置が備えられるので、筐体操作面の表示部にアイコンタッチ用の触覚入力シート等を備えた電子機器を提供できるようになる。しかも、入力装置の小型化及び操作性を向上できることから、当該電子機器の誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
続いて、この発明に係る触覚シート部材、入力装置及び電子機器の実施の形態について、図面を参照しながら説明をする。
図1A及びBは、実施形態としての触覚シート部材100の構成例を示す斜視図及び断面図である。図1Aに示す触覚シート部材100は、ベース部材1及び要素部材2を有して構成される。ベース部材1は、母材用の素材の一例を構成し、所定の硬度を有してシート状を成している。ベース部材1には、例えば、硬度20乃至40°の透明性の柔らかいシリコンゴム部材が使用される。
要素部材2は触覚用の素材の一例を構成し、所定の大きさの塊形状を有してベース部材1の所々又は所定の位置に分布されている。例えば、当該触覚シート部材100を電子機器のグリップ部分の滑り止めシートに応用する場合は、凹凸感を出すために半円柱状又は半楕円柱状を有した長細い塊が、シート面に沿って直線状(ストライプ状)に分布される。当該触覚シート部材100を入力装置の触覚入力シートに応用する場合は、凹凸感を出すために円柱状又は円錐状を有した突起塊が、シート面に対して垂直方向に立設するように分布される。
この例で要素部材2はベース部材1の硬度と異なる硬度を有している。要素部材2には硬度60乃至80°の透明性の比較的堅いシリコンゴム部材や、ポリカーボネート系の透明材料、ポリエチレンテレフタラート系の透明材料、ポリエーテルスルホン系の透明材料、透明性の光学部材(ゼオノアやアートンなど)等が使用される。この例では、ベース部材1に対して一種類以上の要素部材2が用いられる。
図1Bに示すtは触覚シート部材100の厚みである。厚みtは、0.01[mm]乃至5[mm]程度である。この例で、要素部材2とベース部材1との間には、ベース部材1の屈折率と要素部材2の屈折率とがほぼ等しく、曲げ弾性が異なる形態、ベース部材1の透過率と要素部材2の透過率とがほぼ等しく、曲げ弾性が異なる形態、及び、ベース部材1の屈折率と要素部材2の屈折率とがほぼ等しく、かつ、ベース部材1の透過率と要素部材2の透過率もほぼ等しく、曲げ弾性が異なる形態を含んでいる。
この例で、ベース部材1や要素部材2等には、空気の屈折率を1とし、その透過率を100%としたとき、当屈折率が約1.4付近で、全光線透過率が70〜95%程度の透明性の材料が使用される。触覚シート部材100の厚みは、ベース部材1と要素部材2により構成される層の厚みが0.01乃至5mmが好ましい。凹凸状感を与えるために、その透明性の材料の硬度にもよるが、触覚シート部材100の上面に構成される保護膜等の層の厚みを0.01乃至5mmとなるように設定してもよい。
上述のベース部材1及び要素部材2には、アクリル系の透明性の材料(以下透明材料という)、ポリカーボネート(PC)系の透明材料、ポリエチレンテレフタラート(PET)系の透明材料、ポリエーテルスルホン(PES)系の透明材料、ポリアリレート(PAR)系の透明材料、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)系の透明材料、液晶ポリマー(LCP)系の透明材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系の透明材料、ポリスチレン系の透明材料、スチレン系の透明材料、ウレタン系の透明材料、シリコン系の透明材料、ポリテトラフルオロチレン(PTFE)系の材料、フッ素系の樹脂材料、シクロオレフィンポリマー(COP)系の材料、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系の材料等の全ての材料相互の合成などにより形成される透明材料、上述の全ての材料から派生される透明材料、上述の全ての材料のうち透明でないもの、上述の全ての材料のうち、ゴムなどと混合して形成されるポリマーアロイが使用される。
また、ベース部材1及び要素部材2には、次に挙げるような合成樹脂全般(上述の内容と重複する材料有り)が使用可能となる。フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂(UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(ポリカーボネート系の透明材料)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタラート系の透明材料)、ポリエチレンテレフタレート・ガラス樹脂入り材料(ポリエチレンテレフタラート系の透明材料−G)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−ポリエチレンテレフタラート系の透明材料)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン((PTFE):一般的にテフロン(登録商標)と呼ばれる)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(ポリエーテルスルホン系の透明材料)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)の全ての材料相互の合成などにより形成される透明材料、上述の全ての材料から派生される透明材料、上述の全ての材料のうち透明でないもの(滑り止めシートに使用可)、上述の全ての材料のうちゴムなどと混合して形成されるポリマーアロイが使用される。
この例では、ベース部材1に硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用した場合、要素部材2には、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材や、ポリカーボネート系の透明材料、ポリエチレンテレフタラート系の透明材料、ポリエーテルスルホン系の透明材料、又は、透明性の光学部材(ゼオノアやアートンなど)が使用される。当該触覚シート部材100は、ケース被覆部材としての滑り止めシート(タッチシート)に流用することができる。その場合は、光を透過する必要がないため、透過率が異なってもよい。ベース部材1と要素部材2とは硬ささえ異なっていればよい。
このように実施形態としての触覚シート部材100によれば、触覚シート部材100の表面が平坦状に観察されても、実際にベース部材1の表面を手で触れて、ベース部材1から触覚用の要素部材2へ摺動したとき、手触り凹凸感を与えることができる。従って、当該触覚シート部材100を各種電子機器筐体のグリップ部分の滑り止めシートや、入力装置のアイコンタッチ用の触覚入力シートとして十分応用できるようになる。
図2A〜Cは、第1の実施例としての触覚シート部材100の形成例を示す工程図である。この例では、図1Aに示したような触覚シート部材100を形成する場合を例に挙げる。
まず、図2Aに示すシート状のベース部材1を準備する。例えば、硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材をシート状に形成してベース部材1を得る。この例では、滑り止めシートや、触覚入力シート等の用途に応じてシリコンゴム部材を熱ロール成型や、射出金型成形により、厚みt=0.01[mm]乃至5[mm]程度に成形する。
次に、図2Bに示すベース部材1に触覚用の凹凸感を形成する部位を画定するための開孔部又は穴部31を形成する。例えば、滑り止めシートを形成する場合、穴部31は、シート面に沿って断面が半円形又は楕円形を有した長細い溝部を所定の間隔を置いて直線状に形成する。長細い溝部は、切削加工等により形成する。開孔部は打ち抜き加工により形成する。もちろん、射出金型成形時に、長細い溝部の反転パターンを象ったコア及びキャビティを作成し、ベース部材1と穴部31とを一挙に成形してもよい。
その後、開孔部又は穴部31に図2Cに示す要素部材2を埋め込む。要素部材2には、例えば、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材を使用する。要素部材2には、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材に限定されることはなく、上述したポリカーボネート系の透明材料、ポリエチレンテレフタラート系の透明材料、ポリエーテルスルホン系の透明材料、又は、透明性の光学部材(ゼオノアやアートンなど)が使用される。開孔部又は穴部31への要素部材2の埋め込み方法は、射出金型成形による二色成形(ダブルモールド)や、塗布工程により行う。二色成形によれば、ベース部材1及び要素部材2を成す異材質(材料)同士を組み合わせて当該ベース部材1及び要素部材2を一体成形するようになされる。これにより、図1Aに示したような触覚シート部材100が完成する。
触覚シート部材100は、見た目は平坦で握った際に、凹凸感が得られるようなミラクルなシートである。これを携帯端末装置や、携帯電話機等の電子機器に適用すると、これらを持つ手が滑らず、電子機器を確実に保持できるようになる。
次に、触覚シート部材100の機能例について説明する。図3A及びBは、触覚シート部材100の機能例を示す断面図である。
この例では、基板又は基台4上に触覚シート部材100を載置して凹凸感を得る場合である。触覚シート部材100は、例えば、図3Aに示す要素部材2の凸状部位を上部に向けた状態で載置される。もちろん、これに限られることはなく、要素部材2の凸状部位を下部に向けた状態で載置してもよい。基板又は基台4は、例えば、入力装置のタッチパネルや、液晶表示画面、電子機器の外部筐体等に対応するものである。
この例では、断面半楕円形の要素部材2が所定の間隔を置いてベース部材1に直線状に形成されている。要素部材2は3個の場合である。上述の例でシート状のベース部材1は、硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材により形成されている。要素部材2は、ベース部材1よりも堅い、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材により形成されている。
このように構成された触覚シート部材100に関して、図3Bに示すようにベース部材1の表面を手で触れると、当該ベース部材1から触覚用の要素部材2へ摺動したとき、ユーザの指30aには手触り凹凸感が与えられる。例えば、荷重=0のとき(表示部として機能)は平坦に見え、荷重=15〜50gfのとき(操作部として機能)は、手触り凹凸感が与えられる。
この例では、要素部材2の凸状部位間は、硬度が20乃至40°と低いベース部材1から構成されているので、押し込み感が与えられ、要素部材2の凸状部位は、硬度が60乃至80°と高く、ベース部材1よりも堅く構成されていることから反発感が与えられる。従って、当該触覚シート部材100を各種電子機器筐体のグリップ部分の滑り止めシートや、入力装置のアイコンタッチ用の触覚入力シートとして十分応用できるようになる。
図4A〜Cは、第2の実施例としての触覚シート部材102の形成例を示す工程図である。この例では、図1Aに示した触覚シート部材100のベース部材1と要素部材2の材質を入れ替えた場合を例に挙げる。
まず、図4Aに示すシート状のベース部材11を準備する。例えば、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材をシート状に形成してベース部材11を得る。この例でも第1の実施例と同様にして、滑り止めシートや、触覚入力シート等の用途に応じてシリコンゴム部材を熱ロール成型や、射出金型成形により、厚みt=0.01[mm]乃至5[mm]程度に成形する。
次に、図4Bに示すベース部材11に触覚用の凹凸感を形成する部位を画定するための開孔部又は穴部31を形成する。例えば、滑り止めシートを形成する場合、穴部31は、シート面に沿って断面が半円形又は楕円形を有した長細い溝部を所定の間隔を置いて直線状に形成する。長細い溝部は第1の実施例と同様にして、切削加工、打ち抜き加工、射出金型成形により成形する。
その後、開孔部又は穴部31に図4Cに示す要素部材12を形成する。このとき、要素部材12は、ベース部材11よりも要素部材12の硬度が低いので、ベース部材11上に要素部材12が覆い被さるように形成してもよい。要素部材12には、例えば、硬度20°乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用する。要素部材12には、硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材に限定されることはなく、上述したポリカーボネート系の透明材料、ポリエチレンテレフタラート系の透明材料、ポリエーテルスルホン系の透明材料、又は、透明性の光学部材(ゼオノアやアートンなど)が使用される。開孔部又は穴部31への要素部材2の埋め込み方法は第1の実施例で説明しているのでその説明を省略する。これにより、図1Aに示した触覚シート部材100のベース部材1と要素部材2の軟性及び硬性(性質)を入れ替えた触覚シート部材102が完成する。
次に、触覚シート部材102の機能例について説明する。図5A及びBは、触覚シート部材102の機能例を示す断面図である。
この例でも、第1の実施例と同様にして、基板又は基台4上に触覚シート部材102を載置して凹凸感を得る場合である。触覚シート部材102は、例えば、図5Aに示す要素部材12の凹状部位を上部に向けた状態で載置される。基板又は基台4は、第1の実施例と同様にして、入力装置のタッチパネルや、液晶表示画面、電子機器の外部筐体等に対応するものである。
この例では、断面半楕円形の要素部材12が所定の間隔を置いてベース部材11に直線状に形成されている。要素部材12は3個の場合である。上述の例でシート状のベース部材11は、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材により形成されている。要素部材12は、ベース部材1よりも柔らかい、硬度20°乃至40°の透明性のシリコンゴム部材により形成されている。
このように構成された触覚シート部材102に関して、図5Bに示すようにベース部材11の表面を手で触れると、当該ベース部材11から触覚用の要素部材12へ摺動したとき、ユーザの指30aには手触り凹凸感が与えられる。この例では、要素部材12の凹状部位間は、硬度が60乃至80°と高いベース部材11から構成されているので、反発力感が与えられ、要素部材12の凹状部位は、硬度が20乃至40°と低く、ベース部材11よりも柔らかく構成されているので、押し込み感が与えられる。従って、当該触覚シート部材102を各種電子機器筐体のグリップ部分の滑り止めシートや、入力装置のアイコンタッチ用の触覚入力シートとして十分応用できるようになる。
図6は、触覚シート部材100等を応用した携帯端末装置200の構成例を示す上面図である。この例では、触覚シート部材102を携帯端末装置のグリップ部分の滑り止めシートに使用する場合であって、当該携帯端末装置200の側面周囲に触覚シート部材100を貼付して、グリップ時、凹凸感をユーザに与えるようになされる。触覚シート部材100は、その外観は表面が平坦状に視認され、そのまま触れられなければ凹凸感は分からない形態である。
図6に示す携帯端末装置200によれば、触覚シート部材100が本体ケース101の側面周囲を取り囲むように設けられている。例えば、図6に示す要素部材2の凸状部位は外側に向けた状態で貼付される。もちろん、これに限られることはなく、要素部材2の凸状部位を内側に向けた状態で貼付してもよい。触覚シート部材100は、例えば、本体ケース101の側面の幅に揃えられ、帯状に加工され、この帯状で所定の幅を有した触覚シート部材100が接着剤により貼り付けられる。触覚シート部材100と、本体ケース101との接着には両面テープを使用してもよい。
両面テープを使用可能としたのは、入力装置の触覚入力シートとして使用する場合に比べて、触覚シート部材100が透明性を要求されないためである。携帯端末装置200の表示部29の上部に触覚シート部材100を触覚入力シートとして使用する場合は、透明性が要求される。この例で、携帯端末装置200は縦長形態で本体ケース101を把持して操作(以下把持操作という)される場合や、横長形態で把持操作される場合がある。要素部材2は、その滑り止め機能を発揮させるためには、携帯端末装置200把持操作に必要な部分に分布していることが好ましい。
この例では、断面半楕円形の要素部材2が所定の間隔を置いてベース部材1に直線状に形成されている。本体ケース101の長さ方向と直交する方向に要素部材2を成す半楕円柱状の長細い塊が形成された触覚シート部材100が使用される。要素部材2は、ベース部材1よりも堅い、硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材により形成されている。要素部材2は20個の場合である。この場合、要素部材2は、本体ケース101の長手方向に7個づつ分布し、その短手方向に3個づつ分布している例である。上述の例でシート状のベース部材1は、硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材により形成されている。
図7A及びBは、触覚シート部材100を応用した携帯端末装置200の機能例を示す斜視図である。
図7Aに示す携帯端末装置200によれば、触覚シート部材100が本体ケース101の側面周囲を取り囲むように設けられている。このように構成された携帯端末装置200を、例えば、操作者30が左手で操作する場合、携帯端末装置200を握った操作者30の小指が図7Bに示す触覚シート部材100の右下方側の2つの要素部材2a,2bに当接される。その薬指は、同図に示す右下方側の2つの要素部材2b,2cの間に当接され、その中指が同図に示す右下方側の2つの要素部材2c,2dの間に当接される。その親指の付け根は触覚シート部材100の左下方側の要素部材2eの突起部位付近に当接される。
これにより、操作者30の小指には、2つの要素部材2a,2bの間に食い込む凹凸感が与えられる。その薬指には2つの要素部材2b,2cの間に食い込む凹凸感が与えられる。その中指には、2つの要素部材2c,2dの間に食い込む凹凸感が与えられる。その親指の付け根には、要素部材2eに引っ掛かるような凹凸感が与えられるようになる。操作者30は手触り凹凸感が得られる。
従って、携帯端末装置200を把持操作する際のグリップ性を向上できるようになる。当該触覚シート部材100は各種電子機器筐体のグリップ部分の滑り止めシートのみならず、素材に透明性の材料を適用した場合は、入力装置のアイコンタッチ用の触覚入力シートとして十分応用できるようになる。
上述した触覚シート部材100は、操作パネルを構成する入力機能類のコストに比べて、従来技術におけるシート部材に、曲げ弾性の異なる層を追加するだけなので、安価で、コストダウンになる。更に、従来方式で操作パネルであった部分を表示部に置換できるようになるので、表示面積を拡大することができる。以下、触覚入力シート及び、その製造方法について説明する。
図8は、第3の実施例としての入力装置301の構成例を示す斜視図である。図8に示す入力装置301は、操作者30の指等(操作体)による摺動又は及び押下操作によって情報を入力する装置である。入力装置301は、表示部29、入力検出部45及び触覚入力シート103を有して構成される。
表示部29は、入力操作時、複数の押しボタンスイッチ映像を表示する。押しボタンスイッチ映像は入力操作用のアイコン画像を構成する。押しボタンスイッチ映像は、「0」〜「9」数字キーK1〜K10、「*」や「#」等の記号キーK11,K12、「オン」や「オフ」等のフックボタンキーK13,K14、メニュー操作キーK15〜K19、早送りキーK20、早戻しキーK21等から構成される。表示部29には、カラーの液晶表示素子(LCD装置)が使用される。
表示部29の上方には検出部の一例を構成する入力検出部45が設けられる。入力検出部45は、操作面を有している。入力検出部45は、表示部29の上方に設けられて操作者の指等の摺動位置を検出するように動作する。入力検出部45には、例えば、静電容量方式のタッチパネルが使用される。入力検出部45は、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良く、静電容量方式の入力デバイスの他に、例えば、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置検出情報と力検出情報を制御手段に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。
入力検出部45の上方には触覚シート部材100の機能を構成する透明性の触覚入力シート103が設けられている。触覚入力シート103は、入力検出部45の全部を覆うように設けられ、表示部29の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される。もちろん、触覚入力シート103は、入力検出部45の一部を覆う形態であってもよい。触覚入力シート103には本発明に係る触覚シート部材100と保護膜とが備えられる。
例えば、ベース部材11の所々に、所定の大きさの塊形状を有して所定の位置に分布された複数の要素部材E1〜E21を有して構成される。この例で、入力操作用のアイコン画像に対応する「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー用の要素部材E1〜E12や、メニュー操作キー用の要素部材E15〜E19は塊形状の一例となる円柱状を有している。「オン」や「オフ」等のフックボタンキー用の要素部材E13,E14、早送りキー用の要素部材E20及び早戻しキー用の要素部材E21は塊形状の他の一例となる直方体状を有している。各々の要素部材E1〜E21は、ベース部材1の硬度60°乃至80°と異なる硬度20°乃至40°を有している。
上述の要素部材E1〜E21は、機能キーK1〜K21に対応させて配置されている。例えば、要素部材E1は、「1」数字キーK1上に配設され、要素部材E2は、「2」数字キーK2上に配設され、要素部材E3は、「3」数字キーK3上に配設され、要素部材E4は、「4」数字キーK4上に配設され、要素部材E5は、「5」数字キーK5上に配設され、要素部材E6は、「6」数字キーK6上に配設され、要素部材E7は、「7」数字キーK7上に配設され、要素部材E8は、「8」数字キーK8上に配設され、要素部材E9は、「9」数字キーK9上に配設され、要素部材E10は、「0」数字キーK10上に配設される。
また、要素部材E11は、「*」記号キーK11上に配設され、要素部材E12は、「#」記号キーK12上に配設され、要素部材E13は、フックボタンキーK13上に配設され、要素部材E14は、フックボタンキーK14上に配設され、要素部材E15は、メニュー操作キーK15上に配設され、要素部材E16は、メニュー操作キーK16上に配設され、要素部材E17は、メニュー操作キーK17上に配設され、要素部材E18は、メニュー操作キーK18上に配設され、要素部材E19は、メニュー操作キーK19上に配設され、要素部材E20は、早送りキーK20上に配設され、要素部材E21は、早戻しキーK21上に配設される。
この例では、ベース部材11及び、要素部材E1〜E21の上部には保護膜の機能を構成するフィルム状のトップ部材5が設けられる。トップ部材5には、当該触覚入力シート103の透過率及び屈折率とほぼ等しい透過率及び屈折率の透明性の材料が使用される。例えば、透明性の材料の一例を成す膜厚t=25[μm]程度のゼオノアが使用される。硬度は、20°乃至40°程度である。
図9は、入力装置301のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、触覚入力シート103のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合を例に挙げている。
図9に示す入力装置301によれば、表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート103及びトップ部材5が順に積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート103は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材11と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。ベース部材11と要素部材12とは二色成形されている。二色成形によれば、ベース部材11及び要素部材12を成す異材質(材料)同士を組み合わせて当該ベース部材11及び要素部材12を一体成形するようになされる。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例では、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。要素部材12は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材11により囲まれた部分に設定される。図9に示す要素部材12が図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネートと屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート103を構成すると、表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。
なお、図中では、省略しているが入力検出部45と触覚入力シート103との間に表面板を挿入してもよい。表面板には当該触覚入力シート103の透過率及び屈折率とほぼ等しい透過率及び屈折率の透明性の材料を使用すればよい。表面板は触覚入力シート103を単独で形成する際の基板を成したり、トップ部材5と共に触覚入力シート103の強度を補償したりする機能を発揮するようになる。
図10A〜Cは、触覚入力シート103の形成例を示す工程図である。この例では、図8及び図9に示したような入力装置301に適用可能な触覚入力シート103を二色成形により形成する場合を例に挙げる。
まず、図10Aに示すキャビティ901及び一次側のコア902を有した金型を準備する。コア902は凸状を有すると共に、ベース部材11の厚みtを規定する高さhを有している。コア902は更に開孔部3を成形するための所定の幅wを有している。幅wは図示しないコア902の長さと共に、要素部材12で表示領域Iを設定するものである。
開孔部3の大きさは表示領域Iの大きさとなるようにコア902を加工する。上述した例では、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。要素部材E1〜E12及び要素部材E15〜E19に対して、ベース部材11の所定部位に円柱状の開孔部3が得られるようにコア902を加工し、要素部材E13,E14,E20,E21に対して、その所定部位に図示しない立方体状の開孔部が得られるように凸状のコア902を加工する。
この例では、インサート成形と異なり、一次側となるベース部材11を成形してから同一金型内で二次側となる要素部材12を一次側と一体で成形するようになされる。一次側モールド材料には、例えば、硬度60乃至80°の透明性の材料の一例を成す透過率及び屈折率が共に「1.5」のポリカーボネート樹脂を使用する。そして、一次側のキャビティ901とコア902で一次側モールド成形を実行する。例えば、キャビティ901及び一次側のコア902を有した金型を型締めしてポリカーボネート樹脂を封入する。冷却後、金型を開くと、図10Bに示すベース部材11に開孔部3を形成できるようになる。
更に、一次側で成形したベース部材11の凹部を二次側のコアにした状態で金型を回転させて、二次側となる図示しないキャビティで型締めして、二次側モールド材料を流し込み、ベース部材11と要素部材12とを一体化する。二次側モールド材料には、例えば、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい硬度20°乃至40°の透明性の樹脂材料を使用する。この例では、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明性の樹脂材料を封入する。冷却後、金型を開くと、図10Cに示すベース部材11及び要素部材12を一体化した触覚入力シート103を形成できるようになる。
その後、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29にはカラーの液晶表示素子が使用される。入力検出部45には、静電容量方式の入力デバイスの他に、抵抗膜方式、表面波弾性方式、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスが使用される。その後、入力検出部45上に触覚入力シート103を形成する。
例えば、触覚入力シート103を入力検出部45上に接着剤を介して接合する。更に、触覚入力シート103上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート103上に接着する。これにより、図8及び図9に示したような入力装置301が完成する。
このように第3の実施例としての入力装置301によれば、表示画面のアイコン画像の上部のタッチシートが従来部材と異なっており、本発明に係る透明性の触覚入力シート103が応用される。触覚入力シート103は、ベース部材11及び要素部材12の光を透過する性質がほぼ等しく、組成物の硬さが異なっている。
従って、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、表示部29として視認性に優れ、かつ、操作部としても凹凸表現ができるアイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置301を提供できるようになる。
図11は、第4の実施例に係る入力装置302のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート104のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12の形状が異なり、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられる場合を挙げている。
図11に示す入力装置302によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート104及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート104は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材11と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材12は、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材11の全面に設けられる。図11に示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材12が断面逆台形状を有しており、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられるので、ベース部材11への充填工程を簡略化できるようになる。ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。
このように触覚入力シート104を構成すると、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート104との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図12A及びBは、触覚入力シート104の形成例を示す工程図である。この例では、図11に示したような入力装置302に適用可能な触覚入力シート104を形成する場合を例に挙げる。入力装置302の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図12Aに示す開孔部3’を有した膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材11を準備する。ベース部材11は射出金型成形により形成する。例えば、断面逆台形状(V形状)の開孔部3’を形成するための、断面逆台形状を有した図示しない金型用のコアを作成する。この例で開孔部3’の大きさが表示領域Iの大きさとなるようにコアを加工する。使用材料については第3の実施例で述べた通りである(図10A参照)。次に、金型を型締めしてポリカーボネート樹脂を封入する。冷却後、金型を開くと、開孔部3’を有したベース部材11ができるので、当該ベース部材11の一方の面に基板4を接合して開孔部3’における蓋締め処理をする。これにより、図12Aに示す基板付きのベース部材11を形成できる。
その後、図12Bに示す基板4を有したベース部材11の開孔部3’の内部に硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を開孔部3を含むベース部材11の全面に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、塗布材料を乾燥させる。これにより、要素部材12が断面逆さ台形状を有し、かつ、ベース部材11上が要素部材12で覆われた基板付きの触覚入力シート104が完成する。
その後、第3の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。その後、入力検出部45上に触覚入力シート104を接合する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート104を接合する。更に、触覚入力シート104上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート104上に接着する。これにより、図8及び図11に示したような入力装置302が完成する。
このように第4の実施例としての入力装置302によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート104が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置302を提供できるようになる。
図13は、第5の実施例に係る入力装置303のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート105のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面逆台形状を成し、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられない場合を挙げている。
図13に示す入力装置303によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート105及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート105は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材11と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3及び第4の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材12は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材11により囲まれた部分に設定される。図13に示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材12が断面逆台形状を有しており、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート105を構成すると、第4の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート105との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図14A〜Cは、触覚入力シート105の形成例を示す工程図である。この例では、図13に示したような入力装置303に適用可能な触覚入力シート105を形成する場合を例に挙げる。入力装置303の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図14Aに示したような膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材11を準備する。この例でも、開孔部3’の大きさは、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。ベース部材11の使用材料、開孔部3’の加工方法及び、基板4については第4の実施例で説明しているので、その説明を省略する(図12A参照)。
その後、図14Bに示す基板4を有したベース部材11の開孔部3’の内部に硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。この例では、開孔部3’の周囲にマスク部材6が形成される。マスク部材6には例えば、マスキングテープが使用される。このマスキング処理は、開孔部3’以外の部分に要素部材12を塗布しないようにするためである。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を、マスク部材6で養生された開孔部3’に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、マスク部材6を要素部材12の周囲から剥がして除去する。
これらの加工に関しては、シート状のベース部材11による形成方法に限られることはなく、二色成形や、射出金型成形等によりベース部材11及び要素部材12を加工して触覚入力シート105を形成するようにしてもよい。これにより、図14Cに示すような要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、ベース部材11上が要素部材12で覆われた基板付きの触覚入力シート105が完成する。
その後、第3及び第4の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。その後、入力検出部45上に触覚入力シート105を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート105を接合する。更に、触覚入力シート105上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート105上に接着する。これにより、図8及び図13に示したような入力装置303が完成する。
このように第5の実施例としての入力装置303によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート105が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置303を提供できるようになる。
図15は、第6の実施例に係る入力装置304のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、触覚入力シート106のベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、ベース部材21には巻回可能なロールシート状の材料が使用され、更に、要素部材12がベース部材21の全面に設けられる場合を挙げている。
図15に示す入力装置304によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート106及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート106は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材21と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例でも、第3〜第5の実施例と同様にして、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。要素部材12は、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分と、ベース部材21の全面に設定される。図15に示す要素部材12は、第3〜第5の実施例と同様にして、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
ベース部材21には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート106を構成すると、第4及び第5の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート106との間に表面板を挿入してもよい。
図16A〜Dは、触覚入力シート106の形成例を示す工程図である。この例では、図8及び図15に示したような入力装置304に適用可能な触覚入力シート106をシート状のベース部材21により形成する場合を例に挙げる。入力装置304の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図16Aに示す膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材21を準備する。ベース部材21には、例えば、硬度60乃至80°の透明性の材料の一例を成す透過率及び屈折率が共に「1.5」のポリカーボネート系の透明材料を周知の技術によりシート状に加工したものが使用される。シート状のベース部材21は巻回可能なものである。
次に、図16Bに示すベース部材21に開孔部3’を形成する。開孔部3’の大きさは表示領域Iの大きさとなるように開口する。上述した例では、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。要素部材E1〜E12及び要素部材E15〜E19に対して、ベース部材21の所定部位に円柱状の開孔部3’が得られるように開口し、要素部材E13,E14,E20,E21に対して、その所定部位に図示しない立方体状の開孔部が得られるように開口する。例えば、鎌状の切削回転刃や、四辺矩形状の切削刃を有した孔開け加工機を使用してベース部材21に断面逆台錐形や、断面逆台形状等の開孔部3’を形成する。
更に、複数の開孔部3’が形成されたベース部材21の一方の面に、表面板又は、仮の基板4を設けた後、図16Cに示す開孔部3’の内部に硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。この例では、要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を開孔部3を含むベース部材21の全面に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、塗布材料を乾燥させる。これにより、要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、ベース部材21上が要素部材12で覆われた基板付きの触覚入力シート106が完成する。
その後、第3〜第5の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。その後、入力検出部45上に触覚入力シート106を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート106を接合する。更に、触覚入力シート106上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート106上に接着する。これにより、図8及び図15に示したような入力装置304が完成する。
このように第6の実施例としての入力装置304によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート106が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置304を提供できるようになる。
図17は、第7の実施例に係る入力装置305のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート107のベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面逆台形状を成し、更に、要素部材12がベース部材21の全面に設けられない場合を挙げている。
図17に示す入力装置305によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート107及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート107は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材21と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材12は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材21により囲まれた部分に設定される。図17に示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材12が断面逆台形状を有しており、更に、要素部材12がベース部材21の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。ベース部材21には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート107を構成すると、第4の実施例〜第6の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート107との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図18A〜Dは、触覚入力シート107の形成例を示す工程図である。この例では、図17に示したような入力装置305に適用可能な触覚入力シート107を形成する場合を例に挙げる。入力装置305の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図18Aに示したような膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材21を準備する。この例でも、開孔部3’の大きさは、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。ベース部材21の使用材料、開孔部3’の加工方法及び、基板4については第4の実施例で説明しているので、その説明を省略する(図12A参照)。
その後、図18Bに示す基板4を有したベース部材21の開孔部3’の内部に硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。この例でも、開孔部3’の周囲には図18Cに示すマスキングテープ等のマスク部材6が形成される。マスキング処理は、開孔部3’以外の部分に要素部材12を塗布しないようにするためである。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を、マスク部材6で養生された開孔部3’に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、マスク部材6を要素部材12の周囲から剥がして除去する。これにより、図18Dに示すような要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、ベース部材21上には要素部材12が覆われていない基板付きの触覚入力シート107が完成する。
その後、第3〜第6の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。そして、入力検出部45上に触覚入力シート107を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート107を接合する。更に、触覚入力シート107上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート107上に接着する。これにより、図8及び図17に示したような入力装置305が完成する。
このように第7の実施例としての入力装置305によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート107が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置305を提供できるようになる。
図19は、第8の実施例に係る入力装置306のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート108のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面逆台形状を有し、要素部材12とベース部材11との間に設けられた反射防止界面薄膜(Anti-Reflective:以下AR薄膜7という)が当該ベース部材11の全面に設けられる場合を挙げている。
図19に示す入力装置306によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート108及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート108は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材11と、膜厚数Å程度のAR薄膜7と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、AR薄膜7は乱反射を防止するために用いられ、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材11の全面に設けられる。図19に示すAR薄膜7は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応するように設けられる。AR薄膜7は触覚入力シート108を作成する際に、スパッタ処理方法や、DIP処理方法、塗布方法等によりベース部材11の開孔部3’の内部や、ベース部材11の全面に形成される。
スパッタ処理方法は、真空蒸着法に類する薄膜製造の代表的な乾式法の一つであって、真空チャンバ内に薄膜として被着したい金属をターゲット材料として設置し、試料と電極との間に高電圧を印加して、希ガス元素(普通はアルゴンを用いる)をイオン化し、プラズマ化させた電子をターゲット材料に衝突させると、ターゲット表面の原子がはじき飛ばされ、基板に到達して製膜する方法である。
この例では、真空チャンバ内にガスを導入し、これをはじき飛ばされた金属と反応させることによって化合物を試料に製膜する反応性スパッタ法も利用できる。新たな合金や人工格子の作製技術として注目されている。反応性スパッタ法には、2極、3極、4極、RF、マグネトロン、対向ターゲット、ミラートロン、ECR、イオンビーム、デュアルイオンビーム等の方式がある。ターゲット材料にはマグネシウム(Mg)やシリコン(Si)が使用され、導入ガスにはフッ素(F)や酸素(O)が使用される。
DIP処理方法はAR膜を形成する湿式法の一つであって、膜材料を溶解させたフッ素樹脂の溶液系の中にベース部材を直浸(じゃぶ漬け)して塗膜を形成し、その後、溶液内から引き上げて熱風などで硬化する方法である。塗布方法では、膜材料を溶解させたフッ素樹脂系の溶液をベース部材に塗布して塗膜を形成し、その後、上述の後処理工程を経る方法である。
この例でも、要素部材12は表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iのみに設けられる。図19に示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。
このようにAR薄膜7を導入して触覚入力シート108を形成し構成すると、要素部材12とベース部材11との接合界面を強力に結合できるようになる。しかも、第4の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート108との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図20A〜Dは、触覚入力シート108の形成例を示す工程図である。この例では、図19に示したような入力装置306に適用可能な触覚入力シート108を形成する場合を例に挙げる。入力装置306の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図20Aに示す開孔部3’を有した膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材11を準備する。ベース部材11には第4の実施例で説明した金型を使用して射出金型成形することにより、図20Aに示す開孔部3’及び基板付きのベース部材11が得られる。その後、図20Bに示すベース部材11の開孔部3’の内部にAR薄膜7を形成する。例えば、スパッタ処理方法によりベース部材11の開孔部3’の内部にAR薄膜7を施す。この例では、開孔部3’の傾斜面部、底面部及び、ベース部材11上の全面に膜厚数Å程度のAR薄膜7を被着するようになされる。AR薄膜7は真空蒸着方法により行ってもよい。
例えば、開孔部3’及び基板付きのベース部材11をスパッタ装置の真空チャンバ内にセットする。その後、真空チャンバ内に導入された気体分子に、グロー放電等による電子を衝突させてプラズマ化する。このとき、ベース部材11とターゲット材料となるMgや、Si等の薄膜材料(AR部材)との間に電位差を与えられるので、薄膜材料に向けて電子が加速するようになる。そして、薄膜材料に衝突した電子により飛散するターゲット粒子がベース部材11に付着するようになる。これにより、開孔部3’の傾斜面部、底面部及び、ベース部材11上の全面に膜厚数Å程度のAR薄膜7を被着できるようになる。
この他に、ECRスパッタ処理方法により、AR薄膜7を被着するようにしてもよい。ECRスパッタによれば、真空チャンバ内においてグロー放電を使用せずに、マイクロ波を用いて、気体分子にエネルギーを与えてプラズマを発生する。このプラズマは、磁界内では回転し、真空チャンバ外に漏れないので高密度にプラズマを閉じ込めることができる。ターゲット材料の方向に平行電極板を配置して電位を与えることで、薄膜材料に電子を加速させ、薄膜材料に衝突した電子により飛散するターゲット粒子がベース部材11に付着するようになる。これにより、開孔部3’の傾斜面部、底面部及び、ベース部材11上の全面に膜厚数Å程度のAR薄膜7を被着できるようになる。
その後、AR薄膜7が開孔部3’及び全面に被着されたベース部材11をスパッタ装置から取り出し、この開孔部3’内のみに硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。この例では、開孔部3’の周囲にマスク部材6が形成される。マスク部材6には例えば、マスキングテープが使用される。このマスキング処理は、開孔部3’以外の部分に要素部材12を塗布しないようにするためである。
要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を、マスク部材6で養生された開孔部3’に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、マスク部材6を要素部材12の周囲から剥がして除去する。これにより、図20Dに示すような要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、要素部材12とベース部材11との間に設けられたAR薄膜7が当該ベース部材11の全面に設けられ基板付きの触覚入力シート108が完成する。
その後、第3〜第7の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。そして、入力検出部45上に触覚入力シート108を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート108を接合する。更に、触覚入力シート108上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート108上に接着する。これにより、図8及び図19に示したような入力装置306が完成する。
このように第8の実施例としての入力装置306によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート108が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。しかも、要素部材12とベース部材11との接合界面を強力に結合できるばかりか、乱反射を防止できるようになる。これにより、高信頼度のアイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置306を提供できるようになる。
図21は、第9の実施例に係る入力装置307のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート109のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面逆台形状を有し、要素部材12とベース部材11との間に設けられたAR薄膜7が表示領域のみに設けられる場合を挙げている。
図21に示す入力装置307によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート109及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート109は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材11と、膜厚数Å程度のAR薄膜7と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、AR薄膜7は乱反射を防止するために用いられ、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iのみに設けられる。図21に示すAR薄膜7は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応するように設けられる。AR薄膜7は触覚入力シート109を作成する際に、第8の実施例と同様にしてスパッタ処理方法や、DIP処理方法、塗布方法等によりベース部材11の開孔部3’の内部に形成される。
この例でも、要素部材12は表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iのみに設けられる。図21に示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。
このようにAR薄膜7を導入して触覚入力シート109を形成し構成すると、開孔部3’内の要素部材12とベース部材11との接合界面を強力に結合できるようになる。しかも、第4の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート109との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図22A〜Dは、触覚入力シート109の形成例を示す工程図である。この例では、図21に示したような入力装置307に適用可能な触覚入力シート109を形成する場合を例に挙げる。入力装置307の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図22Aに示す開孔部3’を有した膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材11を準備する。ベース部材11には第4の実施例で説明した金型を使用して射出金型成形することにより、図22Aに示す開孔部3’及び基板付きのベース部材11が得られる。
その後、図22Bに示すベース部材11の開孔部3’の周囲に第1のマスク部材6aを形成する。第1のマスク部材6aには例えば、耐熱性のマスキングテープが使用される。このマスキング処理は、開孔部3’以外の部分に薄膜材料を被着しないようにするためである。
次に、第1のマスク部材6aにより養生されたベース部材11を図示しないスパッタ装置にセットして、図22Cに示すようなAR薄膜7を全面に形成する。薄膜材料については、第8の実施例で使用されるMgやSi等のターゲット材料を使用する。このターゲット材料をスパッタ装置内で第1のマスク部材6aで養生された開孔部3’に被着することによりAR薄膜7を形成する。その後、薄膜状のAR薄膜7が開孔部3’及び、全面に被着されたベース部材11をスパッタ装置から取り出し、第1のマスク部材6aを開孔部3’の周囲から剥がして除去する。これにより、第1のマスク部材6a上に被着したAR薄膜7も除去できるようになる。AR薄膜7は真空蒸着方法により形成してもよい。
その後、ベース部材11の開孔部3’内のみに硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。この例では、図22Dに示すように開孔部3’の周囲に第2のマスク部材6bが形成される。第2のマスク部材6bには例えば、マスキングテープが使用される。このマスキング処理は、開孔部3’以外の部分に要素部材12を塗布しないようにするためである。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を、第2のマスク部材6bで養生された開孔部3’に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、第2のマスク部材6bを要素部材12の周囲から剥がして除去する。これにより、要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、開孔部3’の内部の要素部材12とベース部材11との間にAR薄膜7が設けられた基板付きの触覚入力シート109が完成する。
その後、第3〜第8の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。そして、入力検出部45上に触覚入力シート109を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート109を接合する。更に、触覚入力シート109上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート109上に接着する。これにより、図8及び図21に示したような入力装置307が完成する。
このように第9の実施例としての入力装置307によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート109が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。しかも、開孔部3’内の要素部材12とベース部材11との接合界面を強力に結合できるばかりか、乱反射を防止できるようになる。これにより、高信頼度のアイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置307を提供できるようになる。
図23は、第10の実施例に係る入力装置308のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、触覚入力シート110のベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、ベース部材21には巻回可能なロールシート状の材料が使用され、更に、AR薄膜7及び要素部材12がベース部材21の全面に設けられる場合を挙げている。
図23に示す入力装置308によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート110及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート110は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材21と、膜厚数Å程度のAR薄膜7、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例でも、第3〜第9の実施例と同様にして、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。要素部材12は、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分と、ベース部材21の全面に設定される。図23に示す要素部材12は、第3〜第9の実施例と同様にして、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
ベース部材21には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート110を構成すると、第4〜第9の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート110との間に表面板を挿入してもよい。
図24A〜Dは、触覚入力シート110の形成例を示す工程図である。この例では、図8及び図23に示したような入力装置308に適用可能な触覚入力シート110をシート状のベース部材21により形成する場合を例に挙げる。入力装置308の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図24Aに示す膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材21を準備する。ベース部材21には、例えば、硬度60乃至80°の透明性の材料の一例を成す透過率及び屈折率が共に「1.5」のポリカーボネート系の透明材料を周知の技術によりシート状に加工したものが使用される。シート状のベース部材21は巻回可能なものである。
次に、図24Bに示すベース部材21に開孔部3’を形成する。開孔部3’の大きさは表示領域Iの大きさとなるように開口する。上述した例では、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。要素部材E1〜E12及び要素部材E15〜E19に対して、ベース部材21の所定部位に円柱状の開孔部3’が得られるように開口し、要素部材E13,E14,E20,E21に対して、その所定部位に図示しない立方体状の開孔部が得られるように開口する。例えば、鎌状の切削回転刃や、四辺矩形状の切削刃を有した孔開け加工機を使用してベース部材21に断面逆台錐形や、断面逆台形状等の開孔部3’を形成する。更に、複数の開孔部3’が形成されたベース部材21の一方の面に、表面板又は、仮の基板4を設ける。
その後、図24Cに示すベース部材21の開孔部3’の内部にAR薄膜7を形成する。例えば、スパッタ処理方法によりベース部材21の開孔部3’の内部にAR薄膜7を施す。この例では、開孔部3’及び基板付きのベース部材21をスパッタ装置にセットし、その開孔部3’の傾斜面部、底面部及び、ベース部材21上の全面に膜厚数Å程度のAR薄膜7を被着するようになされる。AR薄膜7は真空蒸着方法により行ってもよい。
その後、AR薄膜7が開孔部3’及び全面に被着されたベース部材21をスパッタ装置から取り出し、この開孔部3’の内部及び、ベース部材21上に形成されたAR薄膜7上の全面に硬度20°乃至40°の要素部材12を塗布する。この例では、要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を開孔部3を含むベース部材21の全面に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、塗布材料を乾燥させる。これにより、要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、ベース部材21上が要素部材12で覆われた基板付きの触覚入力シート110が完成する。
その後、第3〜第9の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。その後、入力検出部45上に触覚入力シート110を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート110を接合する。更に、触覚入力シート110上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート110上に接着する。これにより、図8及び図23に示したような入力装置308が完成する。
このように第10の実施例としての入力装置308によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート110が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置308を提供できるようになる。
図25は、第11の実施例に係る入力装置309のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、触覚入力シート111のベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、ベース部材21には巻回可能なロールシート状の材料が使用され、更に、AR薄膜7及び要素部材12がベース部材21の全面に設けられる場合を挙げている。
図25に示す入力装置309によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート111及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート111は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材21と、膜厚数Å程度のAR薄膜7、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例でも、第3〜第10の実施例と同様にして、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。AR薄膜7は、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分と、ベース部材21の全面に設定される。要素部材12は、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iのみに設定される。図25に示す要素部材12は、第3〜第10の実施例と同様にして、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
ベース部材21には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート111を構成すると、第4〜第10の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート111との間に表面板を挿入してもよい。
図26A〜Dは、触覚入力シート111の形成例を示す工程図である。この例では、図8及び図25に示したような入力装置309に適用可能な触覚入力シート111をシート状のベース部材21により形成する場合を例に挙げる。入力装置309の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図26Aに示す膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材21を準備する。ベース部材21には、第10の実施例で説明したように形成したものが使用される。上述した例では、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように開孔部3’が設定される。要素部材E1〜E12及び要素部材E15〜E19に対して、ベース部材21の所定部位に円柱状の開孔部3’が得られるように開口し、要素部材E13,E14,E20,E21に対して、その所定部位に図示しない立方体状の開孔部3’が得られるように開口する。更に、複数の開孔部3’が形成されたベース部材21の一方の面に、表面板又は、仮の基板4を設ける。
その後、図26Bに示すベース部材21の開孔部3’を含む全面にAR薄膜7を形成する。例えば、スパッタ処理方法によりベース部材21の開孔部3’の内部及び、ベース部材21の全面にAR薄膜7を施す。この例では、開孔部3’及び基板付きのベース部材21をスパッタ装置にセットし、その開孔部3’の傾斜面部、底面部及び、ベース部材21上の全面に膜厚数Å程度のAR薄膜7を被着するようになされる。AR薄膜7は真空蒸着方法により行ってもよい。
その後、AR薄膜7が開孔部3’及び全面に被着されたベース部材21をスパッタ装置から取り出し、この開孔部3’内のみに硬度20°乃至40°の要素部材12を充填する。この例でも、開孔部3’の周囲には図26Cに示すマスキングテープ等のマスク部材6が形成される。マスキング処理は、開孔部3’以外の部分に要素部材12を塗布しないようにするためである。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用する。
例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を、図26Cに示すマスク部材6で養生された開孔部3’に塗布することにより要素部材12を形成する。その後、マスク部材6を要素部材12の周囲から剥がして除去する。そして、塗布材料を乾燥させる。これにより、要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、ベース部材21上がAR薄膜7で覆われ、ベース部材21上には要素部材12が覆われていない基板付きの触覚入力シート111が完成する。
その後、第3〜第10の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。その後、入力検出部45上に触覚入力シート111を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート111を接合する。更に、触覚入力シート111上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート111上に接着する。これにより、図8及び図25に示したような入力装置309が完成する。
このように第11の実施例としての入力装置309によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート111が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置309を提供できるようになる。
図27は、第12の実施例に係る入力装置310のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート112のベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面逆台形状を成し、更に、AR薄膜7が表示領域のみの要素部材12とベース部材21との間に設けられ、要素部材12がベース部材21の全面に設けられる場合を挙げている。
図27に示す入力装置310によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート112及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート112は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材21と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、AR薄膜7は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材21により囲まれた部分に設定される。要素部材12は、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分と、ベース部材21の全面に設けられている。図27に示す要素部材12は、第3〜第11の実施例と同様にして、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
この例では、要素部材12が断面逆台形状を有している。ベース部材21には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用している。その膜厚tは100[μm]+ベース部材21上の要素部材12の部分の厚み程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート112を構成すると、第4の実施例〜第11の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート112との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図28A〜Dは、触覚入力シート112の形成例を示す工程図である。この例では、図27に示したような入力装置310に適用可能な触覚入力シート112を形成する場合を例に挙げる。入力装置310の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図28Aに示すような膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材21を準備する。この例でも、開孔部3’の大きさは、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。ベース部材21の使用材料、開孔部3’の加工方法及び、基板4については第4の実施例で説明しているので、その説明を省略する(図12A参照)。
そして、基板4を有したベース部材21の開孔部3’の内部に膜厚数Å程度のAR薄膜7を形成するために、この例でも、開孔部3’の周囲には図28Bに示す耐熱性のマスキングテープ等のマスク部材6が形成される。マスキング処理は、開孔部3’以外の部分にAR薄膜7を被着しないようにするためである。
マスク部材6で養生された開孔部3’を有するベース部材21を、図示しないスパッタ装置内にセットする。そして、薄膜材料をターゲットとしたスパッタ処理を施す。これにより、図28Cに示すように開孔部3’を含むベース部材21の全面に、AR薄膜7を形成する。その後、マスク部材6を開孔部3’の周囲から剥がして除去する。そして、マスク部材6が除去された開孔部3’を含むベース部材21上の全面に、硬度20°乃至40°の要素部材12を形成する。
要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を全面に塗布し、その後、要素部材12を乾燥する。これにより、図28Dに示すような要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、ベース部材21上にも要素部材12が覆われた基板付きの触覚入力シート112が完成する。
その後、第3〜第11の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。そして、入力検出部45上に触覚入力シート112を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート112を接合する。更に、触覚入力シート112上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート112上に接着する。これにより、図8及び図27に示したような入力装置310が完成する。
このように第12の実施例としての入力装置310によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート112が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置310を提供できるようになる。
図29は、第13の実施例に係る入力装置311のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート113のベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面逆台形状を成し、更に、AR薄膜7及び要素部材12が表示領域のみに設けられる場合を挙げている。
図29に示す入力装置311によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート113及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート113は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材21と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、AR薄膜7は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材21により囲まれた部分に設定される。要素部材12も、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材21により囲まれた部分に設定される。図29に示す要素部材12は、第3〜第12の実施例と同様にして、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
この例では、要素部材12が断面逆台形状を有している。ベース部材21には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用している。その膜厚tは100[μm]程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート113を構成すると、第4の実施例〜第12の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート113との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図30A〜Dは、触覚入力シート113の形成例を示す工程図である。この例では、図29に示したような入力装置311に適用可能な触覚入力シート113を形成する場合を例に挙げる。入力装置311の全体構成例については、図8に示した入力装置301を参照されたい。
まず、図30Aに示すような膜厚t=100[μm]程度のシート状のベース部材21を準備する。この例でも、開孔部3’の大きさは、各種機能キーK1〜K21のアイコン画像を含む大きさに対応した要素部材E1〜E21の形状及び大きさとなるように設定される。ベース部材21の使用材料、開孔部3’の加工方法及び、基板4については第4の実施例で説明しているので、その説明を省略する(図12A参照)。
そして、基板4を有したベース部材21の開孔部3’の内部に膜厚数Å程度のAR薄膜7を形成するために、この例でも、開孔部3’の周囲には図30Bに示す耐熱性のマスキングテープ等の第1のマスク部材6aを形成する。マスキング処理は、開孔部3’以外の部分にAR薄膜7を被着しないようにするためである。
第1のマスク部材6aで養生された開孔部3’を有するベース部材21を、図示しないスパッタ装置内にセットする。そして、薄膜材料をターゲットとしたスパッタ処理を施す。これにより、図30Cに示すように開孔部3’を含むベース部材21の第2のマスク部材6b上にAR薄膜7が形成される。その後、第1のマスク部材6aを開孔部3’の周囲から剥がして除去する。そして、第1のマスク部材6aが除去された開孔部3’の内部のみに硬度20°乃至40°の要素部材12を形成する。
例えば、開孔部3’の周囲には図30Dに示すマスキングテープ等の第2のマスク部材6bが形成される。マスキング処理は、開孔部3’以外のベース部材21等に要素部材12を塗布しないようにするためである。第2のマスク部材6bで養生された開孔部3’を有するベース部材21に要素部材12を塗布する。
要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料を使用する。例えば、ポリカーボネートの屈折率=「1.5」に近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を開孔部3’の内部に充填するように塗布し、要素部材12を乾燥する。その後、第2のマスク部材6bを開孔部3’の周囲から剥がして除去する。これにより、要素部材12が断面逆台形状を有し、かつ、AR薄膜7及び要素部材12が表示領域のみに設けられた基板付きの触覚入力シート113が完成する。
その後、第3〜第12の実施例と同様にして、表示部29上に入力検出部45を設けた積層基板を準備する。表示部29及び入力検出部45の使用部品については、第3の実施例で説明した通りである。そして、入力検出部45上に触覚入力シート113を形成する。
この例でも、裏面の基板4を除去した後、入力検出部45上に接着剤を介して触覚入力シート113を接合する。更に、触覚入力シート113上にトップ部材5を形成する。トップ部材5は接着剤を介して触覚入力シート113上に接着する。これにより、図8及び図29に示したような入力装置311が完成する。
このように第13の実施例としての入力装置311によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート113が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置311を提供できるようになる。
図31は、第14の実施例に係る入力装置312のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、触覚入力シート114のベース部材1の硬度に対して要素部材2の硬度を高く設定される場合を例に挙げている。すなわち、第3の実施例で説明したベース部材11及び要素部材12の組成硬度に関して高低が反転している場合である。
図31に示す入力装置312によれば、表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート114及びトップ部材5が順に積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート114は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材1と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材2から構成されている。ベース部材1と要素部材2とは、例えば、二色成形されている。二色成形については第3の実施例で説明しているので、その説明を省略する。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例では、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。要素部材2は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材1により囲まれた部分に設定される。図31に示す要素部材2が図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
要素部材2には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。ベース部材1には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート114を構成すると、表示面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。
この例でも、入力検出部45と触覚入力シート114との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。なお、触覚入力シート114の形成例については、図10に示したベース部材11及び要素部材12の組成硬度に関して高低を反転し、ベース部材「11」→「1」及び要素部材「12」→「2」とするように読み替えて適用できるので、その説明を省略する。
このように第14の実施例としての入力装置312によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート114が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置312を提供できるようになる。
図32は、第15の実施例に係る入力装置313のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例で要素部材12’は、溝部位強調感を提供するために、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを区分けする部分であって、ベース部材11a,11bにより仕切られる部分に設定される。組成硬度は、ベース部材11a,11bの硬度が高く、要素部材12’の硬度が低い場合である。
図32に示す入力装置313によれば、表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート115及びトップ部材5が順に積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート115は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材11a,11bと、硬度20°乃至40°程度の枠状を成す要素部材12’から構成されている。ベース部材11a,11bと要素部材12’とは例えば、二色成形されている。二色成形については第3の実施例で説明しているので、その説明を省略する。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例では、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。要素部材12’は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを取り囲む部分であって、ベース部材11bを取り囲み、ベース部材11aにより囲まれた部分に設定される。図32に示す要素部材12’が図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
ベース部材11a,11bには、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12’には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート115を構成すると、表示面の一方から摺動方向に沿って最初の溝部位で一瞬落ち込んだ後、平坦状が連続し、他方の表示面に向かって次の溝部位で一瞬落ち込む溝部位強調感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート114との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。なお、触覚入力シート115の形成例については、その説明を省略する。
このように第15の実施例としての入力装置313によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート115が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11aから要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って最初の溝部位で一瞬落ち込んだ後、ベース部材11bの平坦状が連続し、他方の表示面に向かって次の溝部位で一瞬落ち込む溝部位強調感を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置313を提供できるようになる。
図33は、第16の実施例に係る入力装置314のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例で要素部材2’は、エッジ強調感(凸状感)を提供するために、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを区分けする部分であって、ベース部材1a,1bにより仕切られる部分(区分けする部分)に設定される。組成硬度は、ベース部材1a,1bの硬度が低く、要素部材2’の硬度が高い場合である。
図33に示す入力装置314によれば、表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート116及びトップ部材5が順に積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート116は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材1a,1bと、硬度60°乃至80°程度の枠状を成す要素部材2’から構成されている。ベース部材1a,1bと要素部材2’とは例えば、二色成形されている。二色成形については第3の実施例で説明しているので、その説明を省略する。図中Iは表示領域であり、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に、表示領域Iが定義される。
この例では、表示領域Iに表示されたアイコン画像上をユーザが押下操作するようになされる。要素部材2’は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを取り囲む部分であって、ベース部材1bを取り囲み、ベース部材1aにより囲まれた部分に設定される。図33に示す要素部材2’が図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応する。
要素部材2’には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。ベース部材1a,1bには、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるようになされる。このように触覚入力シート116を構成すると、表示面の一方から摺動方向に沿って最初の壁状突起部位で一瞬当接した後、凹状部位が連続し、他方の表示面に向かって次の壁状突起部位で一瞬当接するエッジ強調感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート114との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。なお、触覚入力シート116の形成例については、その説明を省略する。
このように第16の実施例としての入力装置314によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート116が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1aから要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って最初の壁状突起部位で一瞬当接した後、凹状部位が連続し、他方の表示面に向かって次の壁状突起部位で一瞬当接するエッジ強調感を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置314を提供できるようになる。
図34は、第17の実施例に係る入力装置315のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート117のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が断面台形状を成し、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられない場合を挙げている。
図34に示す入力装置315によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート117及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート117は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材11と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中IIは表示領域であり、第3の実施例で説明した、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K11のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材12は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域IIを含む部分であって、ベース部材11により囲まれた部分に設定され、ベース部材11と要素部材12とが接合する境界部位が傾斜状を成している。図34に示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K11のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E11の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材12が断面台形状を有しており、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられることなく、表示領域IIのみに設けられている。ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート117を構成すると、第5の実施例や第7の実施例等に比べて、表示面の一方から摺動方向に沿って庇状部位で急激に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって庇状部位から急激に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート117との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。なお、触覚入力シート117の形成例については、図18で断面逆台形状の要素部材12の向きを反転して、断面台形状とすればよいので、その説明を省略する。
このように第17の実施例としての入力装置315によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート117が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K11等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E11等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って庇状部位で急激に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって庇状部位から急激に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置315を提供できるようになる。
図35A及びBは、第18の実施例に係る入力装置316のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート118のベース部材1の硬度に対して要素部材2の硬度を高く設定される場合であって、要素部材2が断面逆台形状又は断面台形状を成し、更に、要素部材2がベース部材1の全面に設けられない場合を挙げている。
図35Aに示す入力装置316によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート118及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート118は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材1と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材2から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3の実施例と同様にして、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材2は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材1により囲まれた部分に設定される。図35Aに示す要素部材2は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材2が断面逆台形状を有しており、更に、要素部材2がベース部材1の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。要素部材2には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。ベース部材1には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明性の材料、例えば、硬度20°乃至40°程度の透明性のシリコンゴムを使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート118を構成すると、第4の実施例〜第6の実施例と異なり、表示面の一方から摺動方向に沿って庇状部位から急激に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって庇状部位から急激に落ち込む凸形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート118との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。なお、触覚入力シート118の形成例については、第5の実施例に示したベース部材11及び要素部材12の組成硬度に関して高低を反転し、ベース部材「11」→「1」及び要素部材「12」→「2」とするように読み替えて適用できるので、その説明を省略する。
図35Bは、入力装置316’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、要素部材2’が断面台形状を成す。すなわち、図35Aに示した要素部材2の形状が、図35Bに示す要素部材2’のように反転している場合である。
図35Bに示す入力装置316’によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート118’及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート118’は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材1’と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材2’から構成されている。図中IIは表示領域であり、第3の実施例で説明した、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K11のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材2’は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域IIを含む部分であって、ベース部材1’により囲まれた部分に設定され、ベース部材1’と要素部材2’とが接合する境界部位が傾斜状を成している。図35Bに示す要素部材2’は、図8に示した各種機能キーK1〜K11のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E11の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材2’が断面台形状を有しており、更に、要素部材2’がベース部材1’の全面に設けられることなく、表示領域IIのみに設けられている。ベース部材1’には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すシート状のポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材2’には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近いやや堅い透明性の材料を使用し、その膜厚tが100[μm]程度となるように平坦化される。
このように触覚入力シート118’を構成すると、第5の実施例や第17の実施例等に比べて、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位で円滑に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート118’との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。なお、触覚入力シート118’の形成例については、図35Aで断面逆台形状の要素部材2の向きを反転して、断面台形状とすればよいので、その説明を省略する。
このように第18の実施例としての入力装置316によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート118が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って庇状部位から急激に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって庇状部位から急激に落ち込む凸形状感を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置316を提供できるようになる。
また、図35Bに示した入力装置316’によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート118’が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K11等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1’から要素部材E1〜E11等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位を円滑に盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置316’を提供できるようになる。
図36A及びBは、第19の実施例に係る入力装置317,317’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート119のベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定される場合であって、要素部材12が下向きの蒲鉾状又は半球面状を成し、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられない場合を挙げている。
図36Aに示す入力装置317によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート119及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート119は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材11と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3及び第4の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材12は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材11により囲まれた部分に設定される。例えば、ベース部材11と要素部材12とが接合する境界部位が表示部29に向って垂下する蒲鉾状又は半球面状を成している。図36Aに示す要素部材12は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材12が下向きの蒲鉾状又は半球面状を有しており、更に、要素部材12がベース部材11の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。ベース部材11には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが約半分の50[μm]程度となるように埋め込まれ、その上部が平坦化される。
このように触覚入力シート119を構成すると、第5の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って下向きの蒲鉾状又は半球面状部位から滑り降り、かつ、他方の表示面に向かって蒲鉾状又は半球面状部位から滑り上がる凹形状感を提示できるようになる。しかも、要素部材12が凹レンズを構成するので、アイコン画像を縮小して視認できるようになり、レンズ効果が得られるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート119との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図36Bは、入力装置317’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、要素部材12’が上向きの蒲鉾状又は半球面状を成す。すなわち、図36Aに示した要素部材12’の形状が、図36Bに示す要素部材12’のように反転している場合である。特に、要素部材12’がレンズ効果を発揮する。
図36Bに示す入力装置317’によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート119’及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート119’は、硬度60°乃至80°のシート状を成すベース部材11’と、硬度20°乃至40°程度の塊状を成す要素部材12’から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3及び第4の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材12’は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材11’により囲まれた部分に設定される。例えば、ベース部材11’と要素部材12’とが接合する境界部位が表示部29から上方に向って延在する蒲鉾状又は半球面状を成している。図36Bに示す要素部材12’は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材12’が下向きの蒲鉾状又は半球面状を有しており、更に、要素部材12’がベース部材11’の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。ベース部材11’には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材12’には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明の材料として硬度20°〜40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、その膜厚tが約半分の50[μm]程度となるように埋没され、その上部のベース部材11’が平坦化されている。
このように触覚入力シート119’を構成すると、第5の実施例に比べて、表示面の一方から摺動方向に沿って上向きの蒲鉾状又は半球面状部位で落ち込む凹形状感を提示できるようになる。しかも、要素部材12’が凸レンズを構成するので、アイコン画像を拡大して視認できるようになり、レンズ効果が得られるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート119との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
このように第19の実施例としての入力装置317によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート119が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11’から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って下向きの蒲鉾状又は半球面状部位から滑り降り、かつ、他方の表示面に向かって蒲鉾状又は半球面状部位から滑り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置317を提供できるようになる。
また、図36Bに示した入力装置317’によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート119’が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K11等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11’から要素部材E1〜E11等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って上向きの蒲鉾状又は半球面状部位で落ち込む凹形状感を提示できるようになる。しかも、要素部材12’が凸レンズを構成するので、アイコン画像を拡大して視認できるようになる。これにより、アイコンタッチ用のユニークな触覚入力シート付きの入力装置317’を提供できるようになる。
図37A及びBは、第20の実施例に係る入力装置318,318’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
この例では、触覚入力シート120のベース部材1の硬度に対して要素部材2の硬度を高く設定される場合であって、要素部材2が下向きの蒲鉾状又は半球面状を成し、更に、要素部材2がベース部材1の全面に設けられない場合を挙げている。
図37Aに示す入力装置318によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート120及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート120は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材1と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材2から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3及び第4の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材2は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材1により囲まれた部分に設定される。例えば、ベース部材1と要素部材2とが接合する境界部位が表示部29に向って垂下する蒲鉾状又は半球面状を成している。図37Aに示す要素部材2は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材2が下向きの蒲鉾状又は半球面状を有しており、更に、要素部材2がベース部材1の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。要素部材2には、例えば、透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材2は、その膜厚tが約半分の50[μm]程度となるようにベース部材1に埋め込まれ、その上部が平坦化されている。ベース部材1には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近い柔らかい透明性の材料を使用する。例えば、硬度20°乃至40°程度の透明性のシリコンゴム部材が膜厚t=100[μm]程度に形成される。
このように触覚入力シート120を構成すると、第5の実施例と同様にして、表示面の一方から摺動方向に沿って下向きの蒲鉾状又は半球面状部位で反力が増加する凸形状感を提示できるようになる。しかも、第19の実施例と同様にして、要素部材2が凹レンズを構成するので、アイコン画像を縮小して視認できるようになり、レンズ効果が得られるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート120との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
図37Bは、入力装置318’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。この例では、要素部材2’が上向きの蒲鉾状又は半球面状を成す。すなわち、図37Aに示した要素部材2の形状が、図37Bに示す要素部材2’のように反転している場合である。この例でも、要素部材2’が凸レンズ効果を発揮する。
図37Bに示す入力装置318’によれば、第3の実施例と同様な順序で表示部29上に入力検出部45、触覚入力シート120’及びトップ部材5が積層されて構成される。入力検出部45上に設けられた触覚入力シート120’は、硬度20°乃至40°のシート状を成すベース部材1’と、硬度60°乃至80°程度の塊状を成す要素部材2’から構成されている。図中Iは表示領域であり、第3及び第4の実施例と同様にして、例えば、数字「1」キーK1のアイコン画像(入力画像)等が表示される領域である。他の機能キーK2〜K21のアイコン画像についても、同様に定義されることは第3の実施例で述べた通りである。
この例で、要素部材2’は、少なくとも、表示部29に表示されるアイコン画像の表示領域Iを含む部分であって、ベース部材1’により囲まれた部分に設定される。例えば、ベース部材1’と要素部材2’とが接合する境界部位が表示部29から上方に向って延在する蒲鉾状又は半球面状を成している。図37Bに示す要素部材2’は、図8に示した各種機能キーK1〜K21のアイコン画像に対峙した要素部材E1〜E21の各々に対応することは第3の実施例で述べた通りである。
この例では、要素部材2’が上向きの蒲鉾状又は半球面状を有しており、更に、要素部材2’がベース部材1’の全面に設けられることなく、表示領域Iのみに設けられている。ベース部材1’には、例えば、膜厚t=100[μm]程度の透明性の材料の一例を成すポリカーボネート系の透明材料が使用される。要素部材2’には、ポリカーボネート系の透明材料と屈折率の近いやや堅い透明性の材料を使用し、その膜厚tが約半分の50[μm]程度となるように埋没され、その上部が平坦化されている。
このように触覚入力シート120’を構成すると、第5の実施例に比べて、表示面の一方から摺動方向に沿って上向きの蒲鉾状又は半球面状部位で反力が減少する凸形状感を提示できるようになる。しかも、要素部材2’が凸レンズを構成するので、アイコン画像を拡大して視認できるようになり、レンズ効果が得られるようになる。この例でも、入力検出部45と触覚入力シート120との間に表面板を挿入してもよい。この表示板の挿入理由については、第3の実施例で述べた通りである。
このように第20の実施例としての入力装置318によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート120が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って下向きの蒲鉾状又は半球面状部位で反力が増加する凸形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置318を提供できるようになる。
また、図37Bに示した入力装置318’によれば、本発明に係る透明性の触覚入力シート120’が応用されるので、表示面が平坦状に観察されても、表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K11等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1’から要素部材E1〜E11等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って上向きの蒲鉾状又は半球面状部位で反力が減少する凸形状感を提示できるようになる。しかも、要素部材2’が凸レンズを構成するので、アイコン画像を拡大して視認できるようになる。これにより、アイコンタッチ用のユニークな触覚入力シート付きの入力装置318’を提供できるようになる。
上述した第3〜第13、第15、第17及び第19の実施例において、触覚入力シート103〜113,115,117,119のベース部材11,11a,11bに、硬度60°〜80°程度のポリカーボネート系の透明材料を使用し、要素部材12には硬度20°〜40°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、硬度60乃至80°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材12に硬度20乃至40°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用する場合であってもよい。
更に、触覚入力シート103〜113,115,117,119のベース部材11等に、硬度60°〜80°程度のポリエチレンテレフタラート系の透明材料を使用し、要素部材12に硬度20乃至40°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用する場合であってもよい。
また、触覚入力シート103〜113,115,117,119のベース部材11等に硬度60°〜80°程度のポリエーテルスルホン系の透明材料を使用し、要素部材12に硬度20乃至40°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用する場合であってもよい。更に、触覚入力シート103〜113,115,117,119のベース部材11等に硬度60°〜80°程度の透明性の光学部材(ゼオノアやアートンなど)を使用し、要素部材12に硬度20乃至40°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用する場合であってもよい。
上述した第14、第16、第18及び第20の実施例において、触覚入力シート114,116,118,120のベース部材1に、硬度20°〜40°程度の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材2に硬度60°〜80°程度のポリカーボネート系の透明材料を使用する場合について説明したが、これに限られることはなく、触覚入力シート114,116,118,120のベース部材1に硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材2に硬度60乃至80°の透明性のシリコンゴム部材を使用する場合であってもよい。
また、触覚入力シート114,116,118,120のベース部材1に硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材2に硬度60乃至80°程度のポリカーボネート系の透明材料を使用してもよい。更に、触覚入力シート114,116,118,120のベース部材1に硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材2に硬度60乃至80°程度のポリエチレンテレフタラート系の透明材料を使用してもよい。
また、触覚入力シート114,116,118,120のベース部材1に硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材2に硬度60乃至80°程度のポリエーテルスルホン系の透明材料を使用してもよい。更に、触覚入力シート114,116,118,120のベース部材1に硬度20乃至40°の透明性のシリコンゴム部材を使用し、要素部材2に硬度60乃至80°程度の透明性の光学部材(ゼオノアやアートンなど)を使用するようにしてもよい。このように、触覚入力シート103〜120は、表示部29の視認性を損なわないで、操作面上に屈折率がほぼ等しく、曲げ弾性が異なる2種類以上の透明部材を用いることで、入力操作時、操作者30の指等に凹凸感を提示できる。
図38は、本発明に係る入力装置90を備えた第21の実施例としての非折畳み式の携帯電話機400の構成例を示す斜視図である。
図38に示す携帯電話機400は電子機器の一例を構成し、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置90を備え、情報入力操作時に操作体(者)に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、電話機能の他に、音声及び映像処理を始め、各種データ処理をするものである。ここにアイコンタッチ用の触覚入力シートとは、表示部29に表示されたアイコン画像を手で触れると凹凸感を伴った入力操作が可能となるタッチシートをいう。もちろん、操作者の指30aに限られることはなく、ペン等の操作体を使用して入力操作をしてもよい。携帯電話機400で被写体像を撮像し、かつ、周囲の音響を録音することもできる。
携帯電話機400は、操作面を有した単体の筐体401及び、触覚入力機能付きの入力装置90を有している。入力装置90は、筐体401に設けられて操作者の指30a等による摺動又は及び押下操作によって情報を入力するようになされる。この入力装置90には本発明に係る第1〜第20の実施例で説明した触覚入力シート付きの入力装置301〜318,318’のいずれかが応用されるものである。
筐体401の表面の中央左上方には超小型のアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが設けられ、通話用のレシーバ(受話器)と触覚提示用のアクチュエータの機能を兼ね備えている。スピーカー36bには音声信号の他に、触覚提示用の200Hzの振動制御信号が入力される。筐体401のスピーカー取付け面の下方、すなわち、筐体401の前面のほぼ全領域には、触覚機能付きの入力装置90が設けられる。
入力装置90は、入力検出部45及び表示部29を有しており、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与える(提示する)ものである。入力検出部45は、操作面を有した表示部29に設けられて操作者30の指30a等の摺動位置や押込み操作を検出するようになされる。例えば、入力装置90には、第3の実施例に係る触覚入力シート103を実装した入力装置301が適用される。
この場合、透明性の触覚入力シート103は、入力検出部45の一部又は全部を覆うように設けられ、表示部29の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される。触覚入力シート103は、光を透過する性質がほぼ等しく、所定の硬度を有してシート状を成すベース部材11と、所定の大きさの塊形状を有してベース部材11の所々又は所定の位置に分布された要素部材12とを含み、要素部材12は、ベース部材11の硬度と異なる硬度を有する(図9参照)。
この例で、表示部29は表示領域が2つに分割され、その上部表示領域には、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示され、下部表示領域には、操作パネル98が表示される。この例でも、表示部29に表示された入力操作用のアイコン画像を指で操作すると、スピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指に触覚を提示するようになされる。
この例では、更に、表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。この入力操作により、携帯電話機400において、表示部29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになされる。
この例で、表示部29に表示される操作パネル98は、複数の押しボタンスイッチ92から構成される。例えば、押しボタンスイッチ92は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される(図8参照)。表示部29の背面にはカメラ34が取り付けられ、被写体像を撮像するように操作される。筐体401の上面下方には、通話用のマイクロフォン93が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。
なお、筐体401の前面外側にはUSB端子などのコネクタ99が配置され、外部機器と通信処理が可能なようになされている。筐体401の内側には、モジュール型のアンテナ96が取り付けられ、その内側周辺には、図示しない大音響用のスピーカーが設けられ、着信メロディや映像データに付加された音声(音楽)等を放音するようになされる。筐体401の内部には回路基板97が設けられる。更に筐体内には、バッテリー94が内蔵され、回路基板97や表示部29等へ電源が供給される。
次に、触覚入力シート及び触覚機能付きの携帯電話機400について説明をする。図39は、携帯電話機400の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
図39に示す携帯電話機400は、筐体401の回路基板97に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図38に示した各部と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機400は、制御部15、受信部18、送信部22、アンテナ共用器23、入力検出部45、表示部29、電源ユニット33、カメラ34、記憶部35、着信メロディ用のスピーカー36a、アクチュエータ機能付きのスピーカー36b及び、操作パネル98を有している。
図39に示す入力検出部45には、図8に示したように、静電容量方式、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスが使用され、位置検出情報と力検出情報を制御部15に出力するようになされる。入力検出部45は操作者30の指30aの摺動位置及び、押し込みを検出して、少なくとも、位置検出信号S1および入力量(押圧力;加圧力F)となる入力検出信号S2が入力される。
制御部15は、画像処理部26、A/Dドライバ28、CPU32,メモリ部37及び映像&音声処理部44を有している。A/Dドライバ28には、入力検出部45からの位置検出信号S1および入力検出信号S2が供給される。A/Dドライバ28ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ28は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報D1または入力検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ28にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶部35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶部35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。例えば、CPU32は、A/Dドライバ28からの位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部18からの受信データを取り込んだり、送信部22へ送信データを転送するように制御する。
この例で、CPU32は、入力検出部45から得られる入力検出情報D2と予め設定された押下判定閾値Fthとを比較し、当該比較結果に基づいてアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを振動制御するようにメモリ部37を制御する。例えば、入力検出部45の押下位置における入力検出面から伝播される触覚をA及びBとすると、触覚Aは、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力検出面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚Bは、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力検出面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
上述のCPU32には記憶部35が接続され、入力項目選択用の表示画面を、例えば、3次元的に表示するための表示情報D4や、当該表示情報D4に対応したアイコンの選択位置及び振動モードに関する制御情報Dc等が表示画面毎に記憶される。制御情報Dcには、表示部29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる複数の具体的な振動波形、及び、アプリケーション毎の具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。記憶部35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
この例でCPU32は、A/Dドライバ28から出力される位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3に基づいて表示部29の表示制御及び、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bの出力制御をする。例えば、制御部15は、入力検出部45から得られる位置検出信号S1及び、入力検出信号S2に基づいて記憶部35から制御情報Dcを読み出して、メモリ部37へアクセスし、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bに振動発生信号Saを供給するような制御がなされる。
例えば、CPU32は、入力検出部45が押下判定閾値Fthを越える入力検出情報D2を検出したとき、触覚Aを起動し、その後、押下判定閾値Fthを下回る入力検出情報D2を検出したとき、触覚Bを起動するように、メモリ部37を読み出し制御する。この制御によって、操作者の指30a等の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生するようになる。
CPU32にはメモリ部37が接続され、CPU32からの制御情報Dcに基づいて振動発生データDaを読み出す。振動発生データDaは、正弦波形からなる出力波形を有している。メモリ部37には映像&音声処理部44が接続され、各々の振動発生データDaが映像&音声処理部44に供給され、その振動発生データDaが音声処理(デジタル・アナログ変換・増幅等)され、振動発生信号Sout2となってアクチュエータ機能付きのスピーカー36bに供給される。スピーカー36bは、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この例で、メモリ部37は、各アプリケーションに対応する押下判定閾値Fthを記憶する。例えば、押下判定閾値Fthはトリガーパラメータとして記憶部35に設けられたROM等に予め格納される。記憶部35は、CPU32の制御を受けて、入力検出情報D2を入力し、予め設定された押下判定閾値Fthと、入力検出情報D2から得られる加圧力Fとを比較し、Fth>Fの判定処理や、Fth≦F等の判定処理を実行する。
例えば、押下判定閾値Fth=100[gf]をメモリ部37に設定すると、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。また、押下判定閾値Fth=20[gf]を設定すると、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。
CPU32にはメモリ部37の他に画像処理部26が接続され、ボタンアイコン等を3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示部29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のボタンアイコンを奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示部29を表示制御する。
このように構成された入力装置90は、例えば、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のボタンアイコンの1つを押下(接触)して当該表示画面上で入力検出部45をZ方向に押下すると触覚を伴って画面入力操作されるものである。操作者30は、指30aに振動を受けて触感として、ボタンアイコン毎の振動を感じる。
表示部29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36a,36b等からの放音は、操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル98を構成する表示部29及び入力検出部45が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示部29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図39に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部18が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部18には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用を構成するスピーカー36a及び、受話器を構成するアクチュエータ機能付きのスピーカー36bが接続される。スピーカー36aは、着呼時、音響信号Sout1に基づいて着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sout2’を入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。また、スピーカー36bは、触覚提示時、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この映像&音声処理部44にはスピーカー36a,36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン13が接続され、操作者の声を集音して音声信号Sinを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部18の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。カメラ34は筐体401の背面側に設けている。電源ユニット33は、バッテリー94を有しており、受信部18、送信部22、表示部29、CPU32、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44及び、入力検出部45にDC電源を供給するようになされる。なお、この例で、メモリ部37を映像&音声処理部44とは別個に設ける場合について説明したが、映像&音声処理部44に備え付けの記憶装置を兼用するようにしてもよい。部品点数が低減できる。
このように、第21の実施例としての携帯電話機400によれば、触覚機能付きの入力装置90に関して、本発明に係る入力装置301〜318のいずれかが備えられるので、当該携帯電話機400を操作する操作者の指30aによる摺動又は及び押し込み操作に対し、ベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を低く設定した場合は、表示面の一方から摺動方向に沿って掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。
従って、表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、携帯電話機400を操作する者の指30aに、触覚入力シート103による凹凸感と、スピーカー36bによる200Hzの振動とを合わせた触覚を提示できるようになる。
これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート及び触覚提示機能付きの入力装置90を備えた携帯電話機400を提供できるようになった。しかも、押し込みボタンスイッチが映像化され、スピーカー36bとアクチュエータとが兼用されたことから、入力装置90の小型化及び操作性を向上できる。従って、当該携帯電話機400の誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
従来、十分な凹凸表現が必要であったために、表示部29上に構成することのできなかった入力機能に関して、携帯電話機400において、暗闇であっても手探りで位置を確認できる必要のある入力ボタンなどを表示部29上に構成できるようになった。この結果、操作パネルのような入力機能が配置してあった面積および体積が携帯電話機400に必要なくなり、当該携帯電話機400の小型化及び薄型化が可能となる。
図40は、本発明に係る入力装置90を備えた第22の実施例としてのビデオカメラ500の構成例を示す斜視図である。
図40に示すビデオカメラ500は電子機器の他の一例を構成し、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置90を備え、情報入力操作時に操作体(者)に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、被写体像を撮像し、かつ、周囲の音響を録音するものである。
ビデオカメラ500は、外装を構成するケース402を有しており、ケース402の前面上部には撮影光学系404が組み込まれたレンズ鏡筒403が設けられている。レンズ鏡筒403の後端には、撮影光学系404によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子(不図示)が組み込まれている。
ケース402の後面、上面、側面には、電源スイッチ、撮影スタート/ストップスイッチ、ズームスイッチなど種々の操作スイッチ405が設けられている。ケース402の左側面には、触覚入力機能付きのタッチパネルディスプレイ装置501がヒンジ406を介して開閉可能にケース402に連結され、不図示の撮像素子で撮像した画像を表示するようになされる。
タッチパネルディスプレイ装置501は操作面を有している。タッチパネルディスプレイ装置501には、入力装置90が備えられ、操作者の指30a等による摺動又は及び押下操作によって情報を入力するようになされる。このタッチパネルディスプレイ装置501には本発明に係る第1〜第20の実施例で説明した触覚入力シート付きの入力装置301〜318,318’のいずれかが応用されるものである。
入力装置90は、入力検出部45及び表示部29を有しており、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与える(提示する)ものである。入力検出部45は、操作面を有した表示部29に設けられて操作者30の指30a等の摺動位置や押込み操作を検出するようになされる。例えば、入力装置90には、第5の実施例に係る触覚入力シート105を実装した入力装置303が適用される(図8,図13参照)。
この場合、透明性の触覚入力シート105は、入力検出部45の一部又は全部を覆うように設けられ、表示部29の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される。触覚入力シート105は、光を透過する性質がほぼ等しく、所定の硬度を有してシート状を成すベース部材11と、所定の大きさの塊形状を有してベース部材11の所々又は所定の位置に分布された要素部材12とを含み、要素部材12は、ベース部材11の硬度と異なる硬度を有する(図13参照)。
この例では、表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。この入力操作により、ビデオカメラ500においても、表示部29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになる。
この例でも、タッチパネルディスプレイ装置501のモニタ用の表示部29に表示された入力操作用のアイコン画像を指30aで操作すると、スピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指に触覚を提示するようになされる。
このように、第22の実施例としてのビデオカメラ500によれば、触覚機能付きのタッチパネルディスプレイ装置501に関して、本発明に係る入力装置301〜318,318’のいずれかが備えられるので、当該ビデオカメラ500を操作する操作者の指30aによる摺動又は及び押し込み操作に対し、ベース部材11の硬度に対して要素部材12の硬度を高く設定した場合は、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。
従って、タッチパネルディスプレイ装置501における表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材11から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、ビデオカメラ500を操作する者の指30aに、触覚入力シート105による凹凸感と、スピーカー36bによる200Hzの振動とを合わせた触覚を提示できるようになる。
これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート及び触覚提示機能付きのタッチパネルディスプレイ装置501を備えたビデオカメラ500を提供できるようになった。しかも、押し込みボタンスイッチが映像化され、スピーカー36bとアクチュエータとが兼用されたことから、タッチパネルディスプレイ装置501の小型化及び操作性を向上できる。従って、当該ビデオカメラ500の誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
図41は、本発明に係る入力装置90を備えた第23の実施例としてのデジタルカメラ600の構成例を示す斜視図である。
図41に示すデジタルカメラ600は電子機器の他の一例を構成し、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置90を備え、被写体の映像を撮影して得られる静止画情報を処理する装置である。
デジタルカメラ600は、外装を構成する本体ケース60を有しており、本体ケース60の前面側には撮像部34’が組み込まれている。撮像部34’は撮像レンズや、図示しないレンズ駆動機構、撮像素子等を有して構成される。撮像素子は、撮像レンズの後端に設けられ、撮像レンズやレンズ駆動機構等の撮影光学系によって導かれた被写体像を撮像するように動作する。
本体ケース60の後面、上面、側面には、電源スイッチ、モードスイッチ、ズームスイッチ、シャッタースイッチ12a等の種々の押しボタンスイッチ92が設けられている。電源スイッチはデジタルカメラ600の電源をオン又はオフするスイッチである。
図示ないズームスイッチは、被写体映像をズームアップ表示又はズームダウン表示する際に操作される。シャッタースイッチ12aは表示部29に表示されている被写体映像の静止画情報の取り込みを制御系へ指示する際にON操作される。
更に、本体ケース60の背面側には、表示部29が設けられ、撮像部34’で撮像した被写体映像を動画表示(モニタ)するようになされる。例えば、表示部29は撮影中の映像(動画像)や、シャッターON操作時、再生時の静止画映像又は動画映像を表示する。表示部29には、例えば、2乃至3インチ程度のカラー液晶表示装置が使用される。
表示部29は操作面を有している。表示部29は入力検出部45と共に入力装置90を構成し、操作者の指30a等による摺動又は及び押下操作によって情報を入力するようになされる。この入力装置90には本発明に係る第1〜第20の実施例で説明した触覚入力シート付きの入力装置301〜318,318’のいずれかが応用されるものである。
入力装置90は、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与える(提示する)ものである。入力検出部45は、操作面を有した表示部29に設けられて操作者30の指30a等の摺動位置や押込み操作を検出するようになされる。例えば、入力装置90には、第11の実施例に係る触覚入力シート111を実装した入力装置309が適用される(図8,図25参照)。
この場合、透明性の触覚入力シート111は、入力検出部45の一部又は全部を覆うように設けられ、表示部29の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される。触覚入力シート111は、光を透過する性質がほぼ等しく、所定の硬度を有してシート状を成すベース部材21と、所定の大きさの塊形状を有してベース部材21の所々又は所定の位置に分布された要素部材12とを含み、要素部材12は、ベース部材21の硬度と異なる硬度を有する(図25参照)。
この例では、表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を提示できるようになる。この入力操作により、デジタルカメラ600においても、表示部29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになる。
本体ケース60の内部には回路基板17が設けられる。回路基板17には記録メディアやメディアスロット等のメモリが実装又は装着可能となされ、撮影によって得られた被写体の静止画情報を記録するようになされる。回路基板17にはメモリを含む制御系が実装される。
本体ケース60の内部には回路基板17の他にバッテリー14が実装され、当該回路基板17、表示部29、撮像部34’、メモリに直流電源を供給するようになされる。本体ケース60の外部側には外部インターフェース41等が設けられ、外部機器からの映像&音声用のコネクタや、通信ケーブル類が接続可能なようになされている。外部インターフェース41は外部機器へ映像&音声出力する際に使用され、通信ケーブル用の端子は、外部機器と通信する際に使用される。
この例でも、入力装置90のモニタ用の表示部29に表示された入力操作用のアイコン画像を指30aで操作すると、図示しないスピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指30a等に触覚を提示するようになされる。
このように第23の実施例に係るデジタルカメラ600によれば、触覚機能付きの入力装置90に関して、本発明に係る入力装置309が備えられるので、当該デジタルカメラ600を操作する操作者の指30aによる摺動又は及び押し込み操作に対し、ベース部材21の硬度に対して要素部材12の硬度を高く設定した場合は、表示面の一方から摺動方向に沿って傾斜状部位から円滑に掘り下がり、かつ、他方の表示面に向かって傾斜状部位から円滑に掘り上がる凹形状感を伴った入力操作を提示できるようになる。
従って、入力装置90における表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材21から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、デジタルカメラ600を操作する者の指30aに、触覚入力シート111による凹凸感と、スピーカー36bによる200Hzの振動とを合わせた触覚を提示できるようになる。
これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート及び触覚提示機能付きの入力装置90を備えたデジタルカメラ600を提供できるようになった。しかも、押し込みボタンスイッチが映像化され、スピーカー36bとアクチュエータとが兼用されたことから、入力装置90の小型化及び操作性を向上できる。従って、当該デジタルカメラ600の誤動作の低減、コストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
従来、十分な凹凸表現が必要であったために、表示部29上に構成することのできなかった入力機能、上述したデジタルカメラ600であれば、シャッタースイッチ12aを表示部29上に構成できるようになる。この結果、デジタルカメラ600において、操作パネルのような入力機能が配置してあった面積および体積が必要なくなり、デジタルカメラ600の小型化及び薄型化が可能となる。
図42は、本発明に係る入力装置312を備えた第24の実施例としての現金自動預け払い機700の構成例を示す斜視図である。
図42に示す現金自動預け払い機(Automated Teller Machine;以下ATM700という)は電子機器の他の一例を構成し、アイコンタッチ用の触覚入力シート付きの入力装置312を備え、通常、紙幣(及び硬貨)、通帳、磁気カード等の受け入れ口や支払い口等を有しており、顧客自身の操作によって、金融機関や貸金業者、現金出納を行う業者の提供するサービス等を取引できるようになされた装置である。
ATM700では、例えば、預貯金口座への現金の預入、貸付金の現金による返済、預貯金や貸付金の引出、預貯金残高や取引明細、相場情報などの照会、預貯金通帳に記入されていない取引の記入・預貯金通帳の繰越、振込(現金あるいはキャッシュカードを利用した振込)、振替(自己の預貯金口座の一方から引出し、他方に預入する取引)、キャッシュカードに登録した暗証番号の変更、債券や外国通貨の購入申し込み、宝くじの購入申込み等の業務を取り扱うようになされる。業務に必要な媒体には、磁気カードやICカード等が使用される。ATM700では、預金者の手指や手掌の静脈叢紋様を予め登録し、利用者の当該部位を取引の都度照合して生体認証するシステムも導入される。
ATM700は、外装を構成する本体ケース70を有しており、本体ケース70の前面側には表示部29が設けられ、業務に必要な案内や、取引操作のための表示画面、複数の押しボタンスイッチ映像等を表示する。押しボタンスイッチ映像は入力操作用のアイコン画像を構成し、例えば、暗証番号入力や、現金指定入力時等に操作させるための「0」〜「9」の数字キーK1〜K9、「確認」や「取消」等のボタンキーK24、送りキーK22、戻しキーK23等から構成される。図中、「0」数字キーや、「円」キー、操作メニューキー等を省略している。
表示部29には、カラーの液晶表示素子(LCD装置)が使用される。表示部29には、例えば、15乃至17インチ程度のカラー液晶表示装置が使用される。表示部29の下方には挿入支払い口71が設けられ、紙幣、硬貨、通帳、帳票類、磁気カードなどの業務に必要な媒体を取り扱う際に使用される。挿入支払い口71に隣接してカード挿入口72が設けられ、磁気カードや、電子カード等を挿入するように取り扱われる。
表示部29は操作面を有している。表示部29は入力検出部45と共に入力装置312を構成し、操作者の指30a等による摺動又は及び押下操作によって情報を入力するようになされる。入力装置312は、操作画面表示と複数の押しボタンスイッチ映像とを一体化した液晶タッチパネルを構成する。入力装置312は、例えば、本体ケース70に対して垂直に配置される。この入力装置312は、入力装置90のような触覚入力機能を有しており、入力装置312には、本発明に係る第1〜第11、第13〜20の実施例で説明した触覚入力シート付きの入力装置301〜311,313〜318,318’のいずれかを応用することもできる。
入力装置312は、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与える(提示する)ものである。入力検出部45は、操作面を有した表示部29に設けられて操作者30の指30a等の摺動位置や押込み操作を検出するようになされる。例えば、入力装置312は、第14の実施例に係る触覚入力シート114を実装したものが適用される(図31参照)。
この場合、透明性の触覚入力シート114は、入力検出部45の一部又は全部を覆うように設けられ、表示部29の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される。触覚入力シート114は、光を透過する性質がほぼ等しく、所定の硬度を有してシート状を成すベース部材1と、所定の大きさの塊形状を有してベース部材1の所々又は所定の位置に分布された要素部材2とを含み、要素部材2は、ベース部材1の硬度と異なる硬度を有する(図31参照)。
この例では、表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、表示面の一方から摺動方向に沿って表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。この入力操作により、ATM700においても、表示部29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになる。本体ケース70の内部の構成については、防犯の都合上、その説明を省略する。
この例でも、入力装置312のモニタ用の表示部29に表示された入力操作用のアイコン画像を指30aで操作すると、図示しないスピーカー36bからクリック音(サイバースイッチ操作音)と共に、表示画面上を触れている操作者の指30a等に触覚を提示するようになされる。
図43は、ATM700における入力装置312の構成例を示す斜視図である。図43に示す入力装置312は、ATM700に実装され、操作者30の指等(操作体)による摺動又は及び押下操作によって情報を入力する装置である。入力装置312は、表示部29、入力検出部45及び触覚入力シート114を有して構成される。
表示部29は、入力操作時、複数の押しボタンスイッチ映像を表示する。押しボタンスイッチ映像は入力操作用のアイコン画像を構成する。押しボタンスイッチ映像は、「0」〜「9」数字キーK1〜K10(図示せず)、「*」や「#」等の記号キーK11,K12(図示せず)、メニュー操作キーK15〜K19(図示せず)、送りキーK22、戻しキーK23、確認キーK24、取消キー(図示せず)等から構成される。
表示部29には、液晶表示素子が使用されるが、触覚入力シート114の上部に偏光板を設けるようにしてもよい。偏光板を設置すると、正面の反射光(特定の振動成分の光)は偏光されずに視認でき、斜めの反射光は偏光されるので、表示画面上の視野角を意図的に狭くすることができる。これにより、暗証番号等の入力時、表示部29を見る角度によって画面内容が見えなくなるので、これを盗み見られないようにできる。
表示部29の上方には入力検出部45が積層して設けられる。入力検出部45は、操作面を有している。入力検出部45は、表示部29の上方に設けられて操作者の指等の摺動位置を検出するように動作する。入力検出部45には、例えば、静電容量方式のタッチパネルが使用される。入力検出部45は、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良く、静電容量方式の入力デバイスの他に、例えば、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置検出情報と力検出情報を制御系に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。
入力検出部45の上方には触覚シート部材の機能を構成する透明性の触覚入力シート114が設けられている。触覚入力シート114は、入力検出部45の全部を覆うように設けられ、表示部29の操作面に沿って摺動又は及び押下操作される。もちろん、触覚入力シート114は、入力検出部45の一部を覆う形態であってもよい。触覚入力シート114には本発明に係る触覚シート部材と保護膜とが備えられる。
例えば、ベース部材1の所々に、所定の大きさの塊形状を有して所定の位置に分布された複数の要素部材E1〜E9,E22〜E24を有して構成される。この例で、暗証番号や現金指定操作用のアイコン画像に対応する「1」〜「9」数字キーK1〜K9は円柱状を有している。送りキー用の要素部材E22、戻しキー用の要素部材E23及び確認キー用の要素部材E24は直方体状を有している。各々の要素部材E1〜E9、E22〜E24は、ベース部材1の硬度20°乃至40°と異なる硬度60°乃至80°を有している。
上述の要素部材E1〜E9,E22〜E24は、機能キーK1〜K9,K22〜K24に対応させて配置されている。例えば、要素部材E1は、「1」数字キーK1上に配設され、要素部材E2は、「2」数字キーK2上に配設され、要素部材E3は、「3」数字キーK3上に配設され、要素部材E4は、「4」数字キーK4上に配設され、要素部材E5は、「5」数字キーK5上に配設され、要素部材E6は、「6」数字キーK6上に配設され、要素部材E7は、「7」数字キーK7上に配設され、要素部材E8は、「8」数字キーK8上に配設され、要素部材E9は、「9」数字キーK9上に配設される。要素部材E22は、送りキーK22上に配設され、要素部材E23は、戻しキーK23上に配設され、要素部材E24は、確認キーK24上に配設される。
この例では、ベース部材1及び、要素部材E1〜E9,E22〜E24の上部には保護膜の機能を構成するフィルム状のトップ部材5が設けられる。トップ部材5には、当該触覚入力シート114の透過率及び屈折率とほぼ等しい透過率及び屈折率の透明性の材料が使用される。例えば、透明性の材料の一例を成す膜厚t=25[μm]程度のゼオノアが使用される。硬度は、20°乃至40°程度である。このように触覚入力シート114を構成すると、表示面の一方から摺動方向に沿って表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。
このように第23の実施例に係るATM700によれば、触覚機能付きの入力装置90に関して、本発明に係る入力装置312が備えられ、当該ATM700を操作する操作者の指30aによる摺動又は及び押し込み操作に対し、ベース部材1の硬度に対して要素部材E1〜E9,E22〜E24の硬度を高く設定されているので、表示面の一方から摺動方向に沿って表示面の一方から摺動方向に沿って段差状に盛り上がり、かつ、他方の表示面に向かって段差状に盛り下がる凸形状感を提示できるようになる。
従って、入力装置312における表示部29の表示面が平坦状に観察されても、当該表示部29に表示された、各種機能キーK1〜K21等のアイコン画像等を手で触れ、ベース部材1から要素部材E1〜E21等へ摺動したとき、ATM700を操作する者の指30aに、触覚入力シート114による凹凸感と、スピーカー36bによる200Hzの振動とを合わせた触覚を提示できるようになる。
これにより、アイコンタッチ用の触覚入力シート及び触覚提示機能付きの入力装置312を備えたATM700を提供できるようになった。しかも、押し込みボタンスイッチが映像化され、スピーカー36bとアクチュエータとが兼用されたことから、入力装置312の小型化及び操作性を向上できる。従って、当該ATM700の小型化、そのコストダウン及び製造プロセスの簡素化を図ることができる。
次に、本発明が適用される携帯電話800について説明する。なお、上述した携帯電話機400等の電子機器と共通する構成、動作及び製造方法等については説明を省略している。図44(A)および図44(B)は携帯電話800の構成を示す斜視図であり、図45は図44(B)に示す携帯電話800のA−A線に沿った断面図であり、図46は携帯電話800の構成を示す分解斜視図である。以下の図44〜図52においては、上部筐体810および下部筐体820の短手方向をX軸とし、その長手方向をY軸とし、X,Y軸に直交する方向をZ軸とする。また図45では便宜上、上部筐体810を簡略化して図示している。
携帯電話800は、上部筐体(筐体)810と操作部900と下部筐体820とを備えている。上部筐体810と下部筐体820とは、図44(A)及び図44(B)に示すように、Y軸に沿って相対的にスライド可能に連結され、いわゆるスライド式の携帯電話端末を構成している。
上部筐体810は、図46に示すように、フロントカバー812とフロントケース814とから構成される。フロントケース814は、底板814aとこの底板814aの周縁部に立設された壁部814bとを有し、上面が開口された箱形状をなしている。フロントケース814の角部には、フロントカバー812を固定するための固定部814cが設けられる。フロントケース814には、後述する回路基板840等の電子部品が収容される。
フロントカバー812は、インサートモールドにより成形された蓋体であり、フロントケース814の固定部814cを介してフロントケース814に取り付け、固定される。フロントカバー812は、不透明であってかつ操作部900よりも硬度の高い硬い材料から構成される。上部筐体810の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、PC+ABS、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)またはアクリル樹脂(PMMA)等の材料が好適に用いられる。
フロントカバー812表面には透明パネル818が取り付けられている。透明パネル818は、例えばアクリル樹脂(PMMA)等の透明材料から構成される。透明パネル818の上側には後述するレシーバー836から発生された音声を出力するための音声出力孔835が設けられる。
操作部900は、ユーザの摺動操作や押下操作により位置情報を入力したり、この位置情報の入力の際にユーザに凹凸感を付与するものである。操作部900は、フロントカバー812表面の透明パネル818よりも下側の領域に形成された図示しない開口部を介してフロントカバー812に取り付けられる。操作部900の上面は上部筐体810表面から突出しないように平坦面に形成され、その上面と上部筐体810表面とで連続した平面を構成している。
また操作部900は、平面視楕円形状であって断面半球状(図45参照)をなし、不透明かつ上部筐体810よりも硬度の低い材料から構成される。操作部900の材料としては例えば高分子材料全般が用いられ、高分子材料としては、例えば、ゴムや熱可塑性エラストマー等のエラストマーやプラスチック、皮、繊維等が好適に用いられる。さらに、ゴムとしては例えばシリコンゴム等が好適に用いられ、熱可塑性エラストマーとしては例えばウレタンエラストマー等が好適に用いられる。
フロントカバー812及びフロントケース814により構成された上部筐体810の内部には、表示部830、レシーバー836、センサ846及び回路基板840等の電子部品が収容される。回路基板840には図示しないプリント配線が形成され、このプリント基板を含む回路基板840上には複数のメタルドームスイッチ842が実装される。
メタルドームスイッチ842は、図45に示すように、スイッチ部842aとこれを覆うカバー部材842bから構成される。スイッチ部842aは弾性を有する導電部材からなり、カバー部材842bは絶縁部材からなる。これら複数のメタルドームスイッチ842は、図46に示すように、操作部900の中央部、上部及び下部のそれぞれに対応した位置に配設される。
センサ846は、検出部の一例であり、例えば静電容量方式の入力デバイスから構成され、ユーザの操作部900のX−Y軸方向の摺動操作により入力される位置情報を検出する。このセンサ846は、可撓性を有するシート状部材からなり、操作部900の湾曲状をなす裏面に当接するようにして設置される。
センサ846と操作部900裏面との間には図示しないシリコンゴム838が介挿されている。シリコンゴム838の裏面側には、ユーザの操作部900のZ軸方向の押下に応じてメタルドームスイッチ842を押圧するための複数の突起部824が取り付けられる。複数の突起部824は、操作部900の上下左右方向に対応した位置の4箇所とその中央に対応した位置の1箇所に設けられ、センサ846に形成された開口部を介してセンサ846裏面から突出している。本例では、上述した上部筐体810、操作部900、突起部824、センサ846及びメタルドームスイッチ842により入力装置を構成している。
表示部830は、透明パネル818に対向した位置に設けられ、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等から構成される。レシーバー836は、音声出力孔835に対応した位置に配置され、映像&音声処理部44(図39参照)から供給される音声信号に基づいて音声を出力する。
下部筐体820には、図44(B)に示すように、「数字」キーや「♯」キー、「*」キー等の操作キーを有するキー操作部822が設けられる。キー操作部822は、下部筐体820が上部筐体810に対して相対的にスライドし、携帯電話800がオープン状態となったときに露出するように構成されている。
本発明に係る携帯電話800は上記実施例で説明したような二色成形により形成することができる。まず、一次側となる上部筐体810を成形する。例えば上述したPC等の材料を金型に流し込んで上部筐体810を成形し、上部筐体810には操作部900を取り付ける開口部を形成する。次に、同一金型内で二次側となる操作部900を成形する。例えば上述した高分子材料を金型に流し込んで上部筐体810の開口部に一体で操作部900を成形し、携帯電話800を製造する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、操作部900の上面を上部筐体810の表面から突出しないように平坦状に形成するので、携帯電話800を視覚的にフラットに構成することができ、デザイン性の向上を図ることができる。
また、操作部900を平坦状に形成した場合でも、操作部900の材料の硬度を上部筐体810の硬度よりも低い材料を用いて構成するため、ユーザの操作部900の操作時に触覚的な凹凸感を付与することができる。
さらに、本実施の形態によれば、操作部900を表示部830上に設けていないので、透明材料を用いる必要がなく、さらには操作部900と上部筐体810との部在間の透過率等を考慮する必要がない。そのため、材料や透過率等の制約条件から開放されることで材料選定等が容易となり、設計の自由度の向上および簡易化を図ることができる。
<変形例1>
次に、操作部900の変形例である操作部910について説明する。図47(A)は操作部910の構成を示す斜視図であり、図47(B)はそのB−B線に沿った断面図である。なお、以下の変形例1〜6の説明では便宜上、上部筐体810のみを図示している。また以下の変形例1〜6においては上記実施例25で説明した携帯電話800と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
操作部910は、上部筐体810のY軸に沿って延びる直線部912と、直線部912から上部筐体810のX軸に沿って延びる複数の枝部914とから構成される。複数の枝部914は、直線部912の長手方向に所定間隔を隔てて左右対称に設けられており、携帯電話800はいわゆるアンテナ形状をなしている。
枝部914の長さLは、ユーザの指の幅よりも少なくとも長くなるように選定され、ユーザが摺動操作したときに触覚的凹凸感を確実に付与できるように構成されている。また隣接する枝部914,914のピッチを異ならせることで、摺動操作したときに隣接する枝部914,914間において異なった触覚的凹凸感を提示することもできる。
操作部910は、不透明であってかつ上部筐体810よりも硬度の低い材料からなり、例えば上記実施例25で説明したような高分子材料全般が用いられる。また操作部900は、上面が上部筐体810表面から突出しないように平坦面に形成され、その上面と上部筐体810表面と連続した平面を構成している。
メタルドームスイッチ842は、例えば操作部900の中央部、上部、下部、右部及び左部のそれぞれに対応した位置に配設され、確定操作及び上下左右方向操作が行えるようになっている。
本変形例によれば、上述した実施例25と同様に、携帯電話800のデザイン性を向上することができると共に、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与することができる。
<変形例2>
図48(A)は操作部920の構成を示す斜視図であり、図48(B)はそのC−C線に沿った断面図である。操作部920は、中央に設けられた確定キー922と、確定キー922の上下左右に配設された方向キー924とを有する。方向キー924は、中央に設けられた確定キー922と所定間隔を隔てて独立して設けられ、上方向キー924aと下方向キー924bと左方向キー924cと右方向キー924dとから構成される。これらの確定キー922及び方向キー924は、入力の確定や方向の決定を行う他に、その操作面を摺動操作することにより画面のスクロールやカーソルを移動させる機能も有している。
操作部920は、不透明であってかつ上部筐体810よりも硬度の低い材料からなり、例えば実施例25で説明したような高分子材料全般が用いられる。また操作部920は、上面が上部筐体810表面から突出しないように平坦面に形成され、上部筐体810表面と連続した平面を構成している。
本変形例によれば、上述した実施例25と同様に、携帯電話800のデザイン性を向上することができると共に、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与することができる。
<変形例3>
図49(A)は操作部930の構成を示す斜視図であり、図49(B)はそのD−D線に沿った断面図である。操作部930は、表示部830の下側の略全域に平面視矩形状に設けられる。操作部930は、不透明であってかつ上部筐体810よりも硬度の低い材料からなり、例えば実施例25で説明したような高分子材料全般が用いられる。また操作部930は、上面が上部筐体810表面から突出しないように平坦面に形成され、上部筐体810表面と連続した平面を構成している。
操作部930の裏面側(メタルドームスイッチ842側)には、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与するための凸部816が埋設されている。凸部816は、ドーム状をなし、その湾曲面を上方(メタルドームスイッチ842と反対側)に向けて操作部930に一体形成される。凸部816は、例えば上部筐体810と同様にPC等の材料から構成され、上下左右方向及び中央に対応した位置等に配設されている。凸部816に対向した位置にはメタルドームスイッチ842が設けられる。
本変形例によれば、上述した実施例25と同様に、携帯電話800のデザイン性を向上することができると共に、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与することができる。
<変形例4>
図50(A)は操作部940の構成を示す斜視図であり、図50(B)はそのE−E線に沿った断面図である。操作部940は、平面視十字形状をなし、上下左右(X−Y軸)方向に延在している。操作部940の中央940e、上部940a、下部940b、左部940cおよび右部940dのそれぞれに対応した位置にはメタルドームスイッチ842が設けられる。
操作部940は、不透明であってかつ上部筐体810よりも硬度の低い材料からなり、例えば実施例25で説明したような高分子材料全般が用いられる。また操作部940は、上面が上部筐体810表面から突出しないように平坦面に形成され、上部筐体810表面と連続した平面を構成している。
本変形例によれば、上述した実施例25と同様に、携帯電話800のデザイン性を向上することができると共に、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与することができる。
<変形例5>
図51(A)は操作部950の構成を示す斜視図であり、図51(B)はそのF−F線に沿った断面図である。操作部950は、円形部952と、円形部952の外周に沿って環状に設けられた環状部954とから構成される。例えば、円形部952の中央952aは確定キーに対応し、環状部954の上部954a、下部954b、左部954cおよび右部954dに対応した位置は上下左右方向キーに対応している。また、円形部952の中央952aおよび環状部954の上部954a、下部954b、左部954cおよび右部954dに対応した位置には、メタルドームスイッチ842が設けられる。なお、円形部952や環状部954の操作面を摺動操作することで触覚を得ることもできる。
操作部950は、不透明であってかつ上部筐体810よりも硬度の低い材料からなり、例えば上述したような高分子材料全般が用いられる。操作部950の上面は、上部筐体810表面から突出しないように上部筐体810表面と連続した平坦状に形成される。
本変形例によれば、上述した実施例25と同様に、携帯電話800のデザイン性を向上することができると共に、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与することができる。
<変形例6>
図52(A)は操作部960の構成を示す斜視図であり、図52(B)はそのG−G線に沿った断面図である。操作部960は、半円柱状をなし、その湾曲部をセンサ846(シリコンゴム838)に当接させるようにして上部筐体810に取り付けられる。操作部960の中央、上部、下部、左部および右部のそれぞれに対応した位置にはメタルドームスイッチ842が設けられる。
操作部960は、不透明であってかつ上部筐体810よりも硬度の低い材料からなり、例えば上述したような高分子材料全般が用いられる。操作部960の上面は、上部筐体810表面から突出しないように上部筐体810表面と連続した平坦状に形成される。
本変形例によれば、上述した実施例25と同様に、携帯電話800のデザイン性を向上することができると共に、ユーザの操作時に触覚的凹凸感を付与することができる。
この発明は、アイコン画面に触れると触覚を提示する触覚入力機能を備えたデジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下パソコンという)、ノート型のパソコン、ATM等の電子機器に適用して極めて好適である。
(A)及び(B)は、実施形態としての触覚シート部材100の構成例を示す斜視図及び断面図である。
(A)〜(C)は、第1の実施例としての触覚シート部材100の形成例を示す工程図である。
(A)及び(B)は、触覚シート部材100の機能例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、第2の実施例としての触覚シート部材102の形成例を示す工程図である。
(A)及び(B)は、触覚シート部材102の機能例を示す断面図である。
触覚シート部材100等を応用した携帯端末装置200の構成例を示す上面図である。
(A)及び(B)は、触覚シート部材100を応用した携帯端末装置200の機能例を示す斜視図である。
第3の実施例としての入力装置301の構成例を示す斜視図である。
入力装置301のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、触覚入力シート103の形成例を示す工程図である。
第4の実施例に係る入力装置302のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、触覚入力シート104の形成例を示す工程図である。
第5の実施例に係る入力装置303のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、触覚入力シート105の形成例を示す工程図である。
第6の実施例に係る入力装置304のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート106の形成例を示す工程図である。
第7の実施例に係る入力装置305のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート107の形成例を示す工程図である。
第8の実施例に係る入力装置306のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート108の形成例を示す工程図である。
第9の実施例に係る入力装置307のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート109の形成例を示す工程図である。
第10の実施例に係る入力装置308のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート110の形成例を示す工程図である。
第11の実施例に係る入力装置309のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート111の形成例を示す工程図である。
第12の実施例に係る入力装置310のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート112の形成例を示す工程図である。
第13の実施例に係る入力装置311のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)〜(D)は、触覚入力シート113の形成例を示す工程図である。
第14の実施例に係る入力装置312のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
第15の実施例に係る入力装置313のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
第16の実施例に係る入力装置314のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
第17の実施例に係る入力装置315のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、第18の実施例に係る入力装置316,316’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、第19の実施例に係る入力装置317,317’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、第20の実施例に係る入力装置318,318’のアイコン画像1要素の構成例を示す断面図である。
本発明に係る入力装置90を備えた第21の実施例としての非折畳み式の携帯電話機400の構成例を示す斜視図である。
携帯電話機400の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
本発明に係る入力装置90を備えた第22の実施例としてのビデオカメラ500の構成例を示す斜視図である。
本発明に係る入力装置90を備えた第23の実施例としてのデジタルカメラ600の構成例を示す斜視図である。
本発明に係る入力装置312を備えた第24の実施例としての現金自動預け払い機700の構成例を示す斜視図である。
ATM700における入力装置312の構成例を示す斜視図である。
本発明の第25実施例に係る携帯電話800の構成例を示す斜視図である。
携帯電話800の構成例を示す断面図である。
携帯電話800の構成例を示す分解斜視図である。
携帯電話800の変形例(その1)の構成例を示す図である。
携帯電話800の変形例(その2)の構成例を示す図である。
携帯電話800の変形例(その3)の構成例を示す図である。
携帯電話800の変形例(その4)の構成例を示す図である。
携帯電話800の変形例(その5)の構成例を示す図である。
携帯電話800の変形例(その6)の構成例を示す図である。
符号の説明
1,11,21,1’,11’・・・ベース部材(母材用の素材)、2,2’,12,12’・・・要素部材(触覚用の素材)、4・・・基板、5・・・トップ部材(保護膜)、6,6a,6b・・・マスク部材、7・・・AR薄膜(反射防止膜)、12a・・・シャッタースイッチ、14,94・・・バッテリー、15・・・制御部、16,96・・・アンテナ、17,97・・・回路基板、18・・・受信部、21・・・受信部、22・・・送信部、26・・・画像処理部、29・・・表示部、32・・・CPU(制御部)、34・・・カメラ、34’・・・撮像部、35・・・記憶部、36a・・・スピーカー、36b・・・アクチュエータ機能付きのスピーカー、37・・メモリ部、41・・・外部インターフェース、44・・・映像&音声処理部、45・・・入力検出部、60,401・・・本体ケース、90・・・触覚機能付きの入力装置、92・・・押しボタンスイッチ、93・・・マイクロフォン、98・・・操作パネル、100,102・・・触覚シート部材、301〜318,318’・・・入力装置、400・・・携帯電話機(電子機器)、500・・・ビデオカメラ(電子機器)、600・・・デジタルカメラ(電子機器)、700・・・現金自動預け払い機(電子機器)、800・・・携帯電話、810・・・上部筐体、812・・・フロントカバー、814・・・フロントケース、820・・・下部筐体、830・・・表示部、846・・・センサ、900,910,920,930.940,950,960・・・操作部