JP3776655B2 - 入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力装置に係り、特に、電子・情報・通信機器等へ制御情報や文字・数値情報等の各種情報を入力するための、触覚フィードバックを備えた入力装置に関する。本発明の入力装置は、例えば、キーパッド、ポインティングパッド、ポインディングデバイス等に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字・数値情報の入力にはキーボードやキーパッド等が使用され、一方、座標情報の入力にはマウスやポインティングパッド等が使用されてきた。近年、視覚障害者のインターフェイス方式として、あるいは仮想現実技術の実用化の一貫として、力覚、触覚情報をフィードバックするインターフェイス装置が市販されるようになった。例えば、指に装着したリングや手袋を通じて力覚情報をフィードバックする方式、あるいはアクチュエータにより上下運動するピンの配列を皮膚に当てて触覚情報をフィードバックする方式が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の力覚、触覚情報フィードバック方式による入力装置は、製造コストが高く、また着用に不自然さを伴い、機構が複雑であること等から信頼性が十分とはいえず、一般的に普及していなかった。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、キーパッドまたはポインティングパッド等の入力装置において、触覚フィードバックを小型、堅牢かつ低コストの機構で備えた入力装置を提供することを目的とする。また、本発明は、比較的簡単な構成でありながら、狭い指の移動範囲の中で多種多様の情報を能率良く入力可能とするインタフェースを実現することを目的とする。
また、本発明は、指先に感じる力感・触覚情報をディスプレイ画面の表示情報と同期させることで、視覚と触覚の両者によってメニューの選定情報を確認し、情報入力の操作性と能率を高めることを目的とする。さらに、本発明は、触覚を通じて狭い操作範囲の中で情報を識別して入力することにより、携帯電話等の小型機器に適したインターフェイスを実現することを目的とする。
また、本発明は、仮想現実装置、比較的軽度の視覚障害者のインタフェース、携帯電話やPHS等の各種通信機器のインタフェース等に応用することができる入力装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の主な特徴は、例えば、以下の通りである。
・キーパッドまたはポインティングパッドの表面に凹凸部位を設け、この凹凸部位にその表面を低摩擦で滑るシートを被せ、使用者がこのシートの上に指を乗せて、凹凸表面上で指を滑らかに動かすと共に、シートを介してパッド表面の凹凸を知覚できるように装置を構成すること。
・シートは十分な柔軟性または伸縮性を備え、指がシートを介在してパッド表面の凹凸を感じ得るようにしていること。
・シートの位置または動き、あるいは指の位置または動きを検出する機構を設け、検出した指またはシートの位置あるいは動きに基づき、入力する座標、制御情報、文字数値情報を指定できること。
・使用者はディスプレイ画面に表示されるカーソル等の視覚情報に加え、凹凸部位に触れる際の触覚情報を通じて指位置並びにディスプレイ画面上の選択アイコンを確認できること。
・このように触覚情報を援用することで操作性が高まると共に入力情報の識別性が向上し、指の移動範囲を狭くしながら多種の情報を入力できるようになるため、入力装置を小型化できること。
【0006】
本発明の解決手段によると、
周囲の一部又は全部に伸縮部を有し、該伸縮部が伸縮することで中央部が2次元方向に動くと共にこの移動方向に対して垂直な方向に加わる力に応じて自由変形可能なシートと、
前記シートの裏面側に2次元方向に配置された複数の凸部位と、
前記凸部位の各々に対応して操作される複数の第1のスイッチと、
複数の前記凸部位及び前記第1のスイッチと一体化した、または、これらとは別個に設けられた押し部と、
前記押し部が上下方向に移動することにより操作される第2のスイッチと、
を備え、
前記シートを押圧した指の接触位置がシートに対して固定又はほぼ固定された状態で、該シートが2次元方向に移動されて所望の位置で軽く押さえられることにより、前記第1のスイッチのひとつ又は複数がオン又はオフ状態となり、さらに強く押すかまたは別の指で押すことにより前記押し部が移動して前記第2のスイッチがオン又はオフ状態となるようにした入力装置を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る入力装置の第1の実施の形態の構成図を示す。上から見た外観を図1(a)に、横から見た断面図を図1(b)に示す。また第2のスイッチ8の別の配置例を図1(c)に示す。この入力装置は、シート1、小部位2、凸部位3、第1のスイッチ4、位置指示部5、センサ6、押し部7、第2のスイッチ8、台部9を備える。
【0008】
シート1は、伸縮性または柔軟性を持つ素材で形成され、例えば、布、麻、ナイロン、ストッキング用生地、ビニール等の適宜のシート状の材料を用いることができる。シート1の周辺はアコーディオン状又は波状等に折り畳まれ、シート1上に置かれた指がシート1と共にパッド表面を移動する際に十分な伸縮量を与える。シート1は磨耗したときに交換できるように着脱可能としてもよい。
シート1の中心部上面には、小部位2を設けることができる。小部位2は、シート上で周囲と触感の異なる材質で形成される。小部位2は、例えば、シリコン樹脂を塗って固め、盛り上げると共に硬度を高めた構成とすることができる。この小部位2は、シート1の他の部分とは異なる触感を指に与え、指をシート1上に正しく配置する上での手掛りとなると共に、小部位2と凹凸部位が接触する際に生じる感触によって指(小部位2)の凹凸部位に対する相対位置を把握し易くするものである。なお、小部位2は省略してもよい。
【0009】
凸部位3は、シート1の下に複数個が2次元的に配列され、指で触感され得るように、例えば、半球状・球状・玉子状等の凸形状とすることができる。この例では凸部位3は6個設けられているが、適宜の個数設けることができる。指を小部位2に接触しつつ、シート1の表面上で動かすことで、シート1の周辺部の一方が伸び、他方が縮み、各凸部位3の上又は近くや、複数の凸部位3の間に指を移動可能である。この際にシートは凸部位3に対して低摩擦で滑り、指は凸部位3上で凹凸感を把握しながら滑らかに動くことができる。各凸部位3は指から圧力が加わるときに下降し、第1のスイッチ4のひとつ又は複数を押す。第1のスイッチ4は、凸部位3のそれぞれに対応して設けられ、指の圧力が加わった凸部位3を検出する。
指位置をさらに高解像度に計測するために小部位2の中に微小のコイル又は電極等による位置指示部5を組込むようにしてもよい。センサ6は指位置検出用であり、この場合、センサ6により位置指示部5の位置を検出することができる。このように位置指示部5により、位置情報を高解像度に識別することでポインティング装置として座標入力の機能を兼ねることができる。なお、位置指示部5及びセンサ6は省略してもよい。
【0010】
図1(a)、(b)は同じ実施の形態の上面図及び横断面図であって、この実施の形態においては押し部7は、シート1、小部位2、凸部位3、第1のスイッチ4、位置指示部5と一体化しており、凸部位3を押す指と同じ指によって操作される。一方、図1(c)に示す実施の形態では、押し部7は、シート1、小部位2、凸部位3、第1のスイッチ4、位置指示部5と別個に設けられており、凸部位3を押す指とは別の指によって操作される。なお、図1(c)のような押し部7を、シート1と同じ面又は台部9の側面等、適宜の位置に設けるようにしてもよい。いずれの場合も第2のスイッチ8は、凸部位3が押された時にオンする第1のスイッチ4により選択された情報を最終確定するためのスイッチである。また、台部9は、センサ6、第2のスイッチ8を搭載する。この台部9に対して、押し部7がスライドして第2のスイッチ8がオン・オフされるように構成される。なお、この際、第2のスイッチ8自体の復元力が用いられるか、又は、必要に応じて押し部7及び台部9間に設けられたバネ、ゴム、スプリング等の弾性部材の復元力が用いられる。
【0011】
以下に、このような入力装置の動作について説明する。この入力装置では、小部位2を例えば、親指、人差し指等の指1本で触れ、柔軟性を持つシート1を介して下部の凸部位3の配列によって作り出される凹凸の感触を把握しながらシート1を凸部位3上で滑らせて、指をシート1の面方向に2次元的に移動させることができる。この際にシート1の周辺部が伸縮し、またシート中央部は指と共に移動し、所望の位置に指を置くことができる。この後で使用者は、小部位2を例えば親指又は人差し指等一本の指で軽く押圧するように操作して、1つ又は複数の凸部位3を押すことができる。こうして押された凸部位3の下部にあるスイッチ4がオン又はオフすることになる。6つのスイッチ4のオン/オフの状況から選定された凸部位3又は複数の凸部位3の間の凹部が判定され、シート1上の指位置が判断される。
【0012】
図1(a)、(b)の方式においては、小部位2上に置かれた指からさらに強い圧力が加わるとパッドの凹凸部位全体を乗せた押し部7が台部9にそって下降して第2のスイッチ8が押される。この方式では、順序として、まず第1のスイッチ4が弱い指の圧力でオン(又はオフ)となって凸部位3又は凸部位3の間の凹部位を選択する。その後、後述するように、選択結果をディスプレイ画面に表示することもできる。使用者は選択されている位置を確認した後、さらに指の力を強めて第2のスイッチ8をオン(又はオフ)として、入力する情報を最終確定することができる。
また、図1(a)、(c)の方式においては、装置背面から別の指で押された押し部7が台部9にそって下降して第2のスイッチ8が押される。この方式においては、順序として、まず第1のスイッチ4が指の圧力でオン(又はオフ)となって凸部位3又は凸部位3の間の凹部位を選択する。その後、後述するように、選択結果をディスプレイ画面に表示することもできる。使用者は選択されている位置を確認した後、別の指で第2のスイッチ8をオン(又はオフ)として、入力する情報を最終確定することができる。この際、押圧する強さは第1のスイッチ4および第2のスイッチ8で、強弱を付けても付けなくてもよく、適宜設定することができる。
なお、このような操作における位置の確認は、例えば、押し部7や台部8の全体の位置、複数の凸部位3の相対的位置、ディスプレイ画面等による可視表示、第1のスイッチ4に対応して位置を知らせる可聴表示等の手段により適宜行うことができる。
【0013】
図2に、位置情報を検出するための構成図を示す。この図は、一例として、シート上に設置されたアンテナ用コイルまたは電極の位置を検出するものである。図2で、シート1上に設置されている位置指示部5は、例えばアンテナ用のコイルまたは電極で構成される。導線30は、例えば柔軟性のある繊維状のものであり、位置指示部5が移動可能なように接続される。このコイルまたは電極等の位置指示部5から導線30を介在して回路26に信号が伝わる。一方、センサ6は、図2に示すように、例えば2次元的に配列したアンテナまたは電極28及び29が横・縦方向に直交する構成をなす。位置指示部5がコイルの場合はセンサ6はアンテナが用いられ、アンテナ28及び29は、位置指示部5と電磁的に結合する。位置指示部5が電極の場合は、センサ6は電極がそれぞれ用いられ、電極28及び29は、位置指示部5と静電的に結合する。回路26は、これらのアンテナまたは電極28及び29を継時的、周期的又は適宜のタイミングで選択し、選択したアンテナまたは電極28及び29に高周波、ステップ状波形又は矩形波等の検出用信号を加える。こうして2次元的に配列されたアンテナまたは電極28及び29の各々に信号を加えながら、位置検出部5が受信した信号の大きさを比較し、最大信号を与える縦・横方向のアンテナまたは電極28及び29の交点に位置指示部5が位置していると判定する。
【0014】
以下に、本発明に係る入力装置の応用例を説明する。
図3に、ディスプレイ画面のメニューを選択するための説明図を示す。すなわち、図3は、操作者が本発明の入力装置を用いてディスプレイ画面10を見ながらメニューを選択する場合の操作動作を示す。図中、ディスプレイ画面10は、ディスプレイ画面10上に表示された複数のボタンアイコン11を有する。ここでは、予めメニュー(Menu)には6個の凸部位3に対応するボタンアイコン11(Button 1〜Button 6)が配置され、表示されている。図では、一例として、使用者が、各ボタンを指12で押して操作する状況を表す。すなわち、使用者は、このディスプレイ画面10を見ながら、本発明に係る入力装置を操作する。
【0015】
ここでは、一例として、使用者は、Button 1を選択するために、指12をシート1と共に接触したまま動かし、小部位2が左下の1つの凸部位13に接触したときに、軽くシート1を押す。この操作により第1のスイッチ4がオンとなり、指12によって選択された凸部位13に対応するボタンアイコン14(Button 1)の色が変化又は反転し、そのボタンアイコンが選択されたことが示される。さらに指を強く押すと第2のスイッチ8がオンとなり、選択されたボタンアイコンが押された形態で表示され、そのボタンに該当する情報が確定し入力されることになる。第1のスイッチ又は第2のスイッチが操作されたことを表示する方法は、適宜異なるように可視又は可聴表示することができる。可聴表示する際は、例えば、各々の第1のスイッチに連動して異なる発信源を設けるようにすればよい。
【0016】
図4に、本発明の入力装置を携帯電話の文字情報入力に使用した際の説明図を示す。図4(a)は、本発明の入力装置(キーパッド)を2つ用いて携帯電話の文字入力を行う例である。この場合、例えば、携帯電話を横にして左手親指と右手親指で2つのキーパッドを操作する(端末モード)。図4(b)は、2つのキーパッドの1つを折り畳んで1つのキーパッドを用いて数字入力を行う例を示す。例えば、送受話を行う場合には、このようにキーパッドの1つを折り畳み、電話を縦向きに保持して片手で数字入力を行う(通話モード)。
【0017】
この携帯電話は、本発明の入力装置であるキーパッド15、ディスプレイ画面16、収納部21を備える。収納部21は、キーパッド1を折り畳み、シート表面を収納するためのものである。収納部21としては、蝶番、ヒンジ、柔軟性のある折り曲げ可能なシート等が用いられる。ディスプレイ画面16は、ディスプレイ画面16内のキー割り当て表示部17、入力文字・数字表示部19を有する。ディスプレイ画面16内のキー割り当て表示部17には、キーパッド表面の凹凸部位へアルファベット及び数字が割り当てられる。キー割り当て表示部17中で、円で囲まれた文字はキーパッド15の凸部位に、それ以外の文字は複数の凸部位間の凹部に割り当てられている。入力文字・数字表示部19には、入力された文字又は数字が、入力確定前又は確定後に適宜表示される。また、キーパッド15は、折り畳まれることで収納可能とされ、ディスプレイ画面のキー割り当て表示部17のカバーとして機能することができる。キーパッド15が折り畳まれているか否かの状態(収納又は非収納状態)は、キーパッド15又は収納部21に関連して設けられた適宜のスイッチ等により検出される。
【0018】
この例では、図4(a)のように、2つのキーパッド15を開いているときには、その表面の凹凸部に対してアルファベットが割り当てられる。図4(a)のように、アルファベットの文字種を網羅するため、左右の手の親指で操作する2つのキーパッド15を用い、各キーパッド15の凹部と凸部位の両者に文字を割り当てる。割り当てられた状態はディスプレイ画面16内のキー割り当て表示部17に表示される。指位置により選定された凹部または凸部位に割り当てられた文字がディスプレイ画面16上に拡大表示される(図中、拡大表示された文字「A」18)。さらに指でキーパッド15を強く押すとこの拡大表示された文字「A」18が確定入力され、ディスプレイ画面16内の入力文字・数字表示部19に表示される。なお、拡大表示された段階で入力文字・数字表示部19に表示されるようにしてもよい。
【0019】
一方、図4(b)のように、通常の電話として使用する際には、ひとつのキーパッド15を折り畳むと自動的にディスプレイの表示が変わる(入力モードが切り替え)。この例では、折り畳まれなかった側のキーパッド15の凹凸部に対して数字が割り当てられ、キーパッド15は数字入力の機能を果たす。なお、電話機を上下対称設計とすることにより、左右どちらの手で握っても使用可能とすることができる。
【0020】
図5に、キーパッドの入力モード切り替え及びキー選択ためのフローチャートを示す。この図は、指の位置、折り畳み式キーパッド(入力装置)の開閉状態によってディスプレイ画面に表示するアイコンを切り替える機構を示したものである。
指の移動または選択文字の変化を検出する度にディスプレイ画面の表示内容を表示用メモリーを介して書き換える。図4の実施の形態では、2つに分かれた折り畳み式キーパッド15の開閉状態によってキー割り当てとディスプレイの表示内容を変えるので、キーパッド15の開閉状態に基づき、使用する文字・数字キーアイコンを限定する。さらに指の移動による選択文字・数字の変化を検出し、該当する位置にある文字・数字キーアイコンを非選択表示から選択表示へあるいはその逆に書きかえる。
【0021】
具体的には、フローチャートのように、以下のような動作となる。
まず、折り畳み式キーパッドの開閉状態に関する情報が入力される(S01)。この情報は、キーパッドの収納状態に連動するスイッチ等により検出することができる。この情報により表示モードが文字入力用又は数字入力用(端末モード又は通話モード用)等のように選択される(S03)。例えば、通話モードの場合、図4(b)のようにキー割り当て表示部17には、数字のキーアイコン集合が表示される(S05)。一方、端末モードの場合、図4(a)のように、英文字等のキーアイコン集合が表示される(S07)。次に、表示されたキーアイコン集合に基づき、使用者は、指をシートに接触したままシート上を移動させて適宜の文字又は数字の位置として、所望の位置で軽く押圧することにより、指位置の情報が得られる。この例では、6つの凸部位のいずれか又は複数を押すことにより、平面上の2次元座標又は指圧力の加わる凸部又はその組み合わせを用いて指位置情報が得られる。こうして使用者による選択文字か非選択文字かが判定される(S09)。キーアイコン集合の各数字又は文字について、使用者による選択文字又は非選択文字の情報がそれぞれ付され(S13,S11)、適宜の内部メモリーへその情報が書き込まれる(S15)。内部メモリーに記憶された情報に基づき、表示用メモリの内容が作成及び記憶され(S17)、入力文字の数字表示部19に表示される(S19)。なお、内部メモリーと表示用メモリーとは強要してもよい。また、各モードは、一例を説明したにすぎず、適宜の数字、文字、画像、マークを割り当てて、キー割り当て表示部17に表示するようにしてもよい。
【0022】
図6に、本発明に係る入力装置の第2の実施の形態の構成図を示す。この例では、シート1の周囲に板22及びバネ25が設けられる。板22は枠23に対して可動であり、バネ25によって手を離した時に中央位置に復帰する。使用者は、柔軟性のあるシート1の上に指を置き、下の凸部位3の凹凸の感触を得ながら指をシートと共に動かす。所望の位置で押圧することで、第1の実施の形態と同様に、情報を入力することができる。なお、バネ25は、この他に、スプリング、ゴム等の適宜の弾性部材を用いることができる。
この入力装置では、さらに、光学センサー24及び位置指示部26を設けることもできる。この場合、光学センサー24に相対する板22の下面に描かれている格子パターン又はミラー等の位置指示部26の動き又は位置を検出し、指の移動量又は位置を判断することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によると、以上のように、キーパッドまたはポインティングパッド等の入力装置において、触覚フィードバックを小型、堅牢かつ低コストの機構で備えた入力装置を提供することができる。また、本発明によると、比較的簡単な構成でありながら、狭い指の移動範囲の中で多種多様の情報を能率良く入力可能とするインタフェースを実現することができる。
また、本発明によると、指先に感じる力感・触覚情報をディスプレイ画面の表示情報と同期させることで、視覚と触覚の両者によってメニューの選定情報を確認し、情報入力の操作性と能率を高めることができる。さらに、本発明によると、触覚を通じて狭い操作範囲の中で情報を識別して入力することにより、携帯電話等の小型機器に適したインターフェイスを実現することができる。
また、本発明によると、仮想現実装置、比較的軽度の視覚障害者のインタフェース、携帯電話やPHS等の各種通信機器のインタフェース等に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入力装置の第1の実施の形態の構成図。
【図2】位置情報を検出するための構成図。
【図3】ディスプレイ画面のメニューを選択するための説明図。
【図4】本発明の入力装置を携帯電話の文字情報入力に使用した際の説明図。
【図5】キーパッドの入力モード切り替え及びキー選択ためのフローチャート。
【図6】本発明に係る入力装置の第2の実施の形態の構成図。
【符号の説明】
1 シート
2 小部位
3 凸部位
4 第1のスイッチ
5 位置指示部
6 センサ
7 押し部
8 第2のスイッチ
9 台部
10 ディスプレイ画面
11 ディスプレイ画面上に表示されたボタンアイコン
12 指
13 指が選択している凸部位
14 指によって選択された凸部位に対応するボタンアイコン
15 入力装置(キーパッド)
16 ディスプレイ画面
17 キー割り当て表示部
18 指が選択した凸部位に割り当てられた文字の拡大表示
19 入力文字・数字表示部
21 収納部
22 板
23 板22がスライド移動できるように支持する枠
24 板22の移動量、位置を検出する光学センサー
25 板22を標準位置に復帰するバネ
26 位置指示部
28 アンテナまたは電極(横方向)
29 アンテナまたは電極(縦方向)
30 導体

Claims (8)

  1. 中央部の周囲の一部又は全部に伸縮部を有し、該伸縮部が伸縮することで前記中央部が2次元方向に動くと共に、垂直方向に加わる力に応じて自由変形可能な柔軟性を有するシートと、
    前記シートの裏面側に2次元方向に配置され、前記シートを介在して指で触感されるための複数の凸部位と、
    前記凸部位の各々に対応して操作される複数の第1のスイッチと、
    前記凸部位及び前記第1のスイッチと一体化した押し部と、
    前記押し部が上下方向に移動することにより操作される第2のスイッチと、
    を備え、
    複数の前記凸部位の配列によって凹凸が作り出され、感触によって指の凹凸に対する相対位置が把握され、
    指が前記シートの表面上で2次元方向に動かされることで、前記シートの周辺の一方が伸び、他方が縮み、前記凸部位の上又は近く又は複数の前記凸部位の間の凹部に指を移動可能であり、
    前記シートを押圧した指の接触位置がシートに対して固定又はほぼ固定された状態で、該シートが前記凸部位に対して2次元方向に移動されて所望の位置で押さえられることにより該位置の前記凸部位のひとつ又は複数が下降し、該凸部位に対応する前記第1のスイッチのひとつ又は複数がオン又はオフ状態となり、該第1のスイッチのオン又はオフの状態から指の圧力が加えられた前記凸部位又は複数の前記凸部位の間の凹部が判定され、
    前記シートを押圧した指でさらに強く押すことにより前記押し部が移動して前記第2のスイッチがオン又はオフ状態となるようにした入力装置。
  2. 中央部の周囲の一部又は全部に伸縮部を有し、該伸縮部が伸縮することで前記中央部が2次元方向に動くと共に、垂直方向に加わる力に応じて自由変形可能な柔軟性を有するシートと、
    前記シートの裏面側に2次元方向に配置され、前記シートを介在して指で触感されるための複数の凸部位と、
    前記凸部位の各々に対応して操作される複数の第1のスイッチと、
    前記凸部位及び前記第1のスイッチと別個に設けられた押し部と、
    前記凸部位及び前記第1のスイッチを搭載した台部と、
    前記押し部が上下方向に移動することにより操作される第2のスイッチと、
    を備え、
    複数の前記凸部位の配列によって凹凸が作り出され、感触によって指の凹凸に対する相対位置が把握され、
    指が前記シートの表面上で2次元方向に動かされることで、前記シートの周辺の一方が伸び、他方が縮み、前記凸部位の上又は近くや、複数の前記凸部位の間の凹部に指を移動可能であり、
    前記シートを押圧した指の接触位置がシートに対して固定又はほぼ固定された状態で、該シートが前記凸部位に対して2次元方向に移動されて所望の位置で押さえられることにより該位置の前記凸部位のひとつ又は複数が下降し、該凸部位に対応する前記第1のスイッチのひとつ又は複数がオン又はオフ状態となり、該第1のスイッチのオン又はオフの状態から指の圧力が加えられた前記凸部位又は複数の前記凸部位の間の凹部が判定され、
    前記シートを押圧した指でさらに強く押すかまたは別の指で押すことにより、前記台部に対して前記押し部が相対的に移動して前記第2のスイッチがオン又はオフ状態となるようにした入力装置。
  3. 前記シート上の中心部に小部位をさらに備えた請求項1又は2に記載の入力装置。
  4. 前記シートの伸縮部は、前記シートの周囲の一部又は全部がアコーディオン状又は波状に折り畳まれていること、又は、周囲の一部又は全部に関連して弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の入力装置。
  5. 前記シート上に設けられた指位置検出用の位置指示部と、
    前記位置指示部の位置を電磁的又は静電的又は光学的に検出するためのセンサ
    をさらに備えた請求項1乃至のいずれかに記載の入力装置。
  6. 前記第1のスイッチのオン又はオフ状態を可視表示又は可聴表示する表示手段をさらに備えた請求項1乃至のいずれかに記載の入力装置。
  7. 前記第1のスイッチのオン又はオフ状態を可視表示又は可聴表示する表示手段と、
    記第2のスイッチを有する台部と、
    前記押し部と前記台部を折り畳み、表面の前記シートを収納又は非収納状態とするための収納部
    をさらに備え、
    前記収納部による前記台部の収納又は非収納状態に応じて、前記表示手段に表示される内容又は操作モードを切り替えることを特徴とする請求項に記載の入力装置。
  8. 前記第1のスイッチのオン又はオフ状態を可視表示又は可聴表示する表示手段と、
    前記押し部と前記台部を折り畳み、表面の前記シートを収納又は非収納状態とするための収納部と
    をさらに備え、
    前記収納部による前記台部の収納又は非収納状態に応じて、前記表示手段に表示される内容又は操作モードを切り替えることを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
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