本発明は、予め準備された入力項目選択用の表示画面をなぞるまたは押下して情報を入力するとき、操作者の指等に触覚提示をする情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して好適な触覚機能付きの入出力装置及び電子機器に関する。詳しくは、表示面を有して情報を表示する表示手段の基板部材の一部に圧電体を配設して、情報入力操作に応じて表示面を振動できるようにすると共に、その表示面上の入力手段に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それらを利用する場合が多くなってきた。これらの携帯端末装置には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。
また、アクチュエータを組み合わせた入出力装置も開発されている。アクチュエータは、2層以上のひずみ量の異なる圧電素子、又は、圧電素子と非圧電素子とを貼り合わせ、この貼合体の圧電素子に振動制御電圧を印加したとき、双方のひずみ量の差によって生じる貼合体の曲げ変形を力学的に利用するものである(振動体機能)。反対に、圧電素子に力を加えると電圧を発生することが知られている(力検出センサ機能)。アクチュエータには、いわゆるバイモルフ型のアクチュエータや、ユニモルフ型のアクチュエータ、円盤アクチュエータ(これらを総括して、以下、単に圧電アクチュエータという)等が使用される場合が多い。
この種の圧電アクチュエータを備えた電子機器に関して、特許文献1には、入力出力装置及び電子機器が開示されている。この電子機器によれば、多層圧電バイモルフ型圧電アクチュエータ及びタッチパネルを有する入出力装置を備え、多層圧電バイモルフ型圧電アクチュエータは、情報の種類に応じてタッチパネルを通じて異なる触覚を使用者にフィードバックする。入出力装置は、支持フレーム上に支持部を介して圧電アクチュエータを取り付けた圧電体支持構造を有している。圧電アクチュエータの中央上部には、支持部が貼り付けられ、この支持部がタッチパネルに当接される。圧電アクチュエータ振動制御電圧を供給すると、タッチパネルに振動を伝達するようになされる。
このように電子機器を構成すると、使用者に対して、情報の種類に応じた入力操作に対する触覚フィードバックを確実に提供できるというものである。これらの圧電アクチュエータを用いた触覚フィードバック制御では、タッチパネルが外部からの入力(位置および、加圧力)を検出し、制御系がタッチパネルからの入力情報をトリガーにして、当該タッチパネルまたは筺体を振動させるようになされる。
ところで、従来例に係る触覚入力機能付きの情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等の電子機器によれば、以下のような問題がある。
i.特許文献1に見られるような入出力装置によれば、タッチパネルを構成するガラス板に、圧電アクチュエータを用いて振動を与え、ユーザへ触覚を提示している。この振動伝達構造によれば、圧電アクチュエータに対する支点となる2つの支持部が支持フレーム上において、当該圧電アクチュエータに接着部材(粘着材)を使用して貼り付けられる。
また、圧電アクチュエータの作用点を成す支持部は、その圧電アクチュエータの中央上部において、当該圧電アクチュエータに接着部材を使用して貼り付けられる。このような接合処理が圧電体取り付け時の作業性を低下させ、その圧電アクチュエータの取り付けに手間がかかる事態を招いている。
ii.近頃、ガラス板のような硬質の材料に代わって、タッチパネル等の入力手段には、フィルム状の軟質素材が使用され、また、透明の強化プラスティック部材が表示部に使用され始めている。更に、偏光板を上部電極に含むF−Fインナータッチパネルも使用される傾向にある。これらの入力手段や表示手段を使用して触覚提示機構を構成しようとした場合、いわゆるフィルム−樹脂方式やF−Fインナー方式のタッチパネルについては、ガラス基板に比べて振動がフィルムに伝わり難く、効率良く振動を入力操作面に伝達することができず、操作者の指等に満足な触覚提示ができなくなるおそれがある。
iii.因みに、剛性の低い薄型のフィルム状のタッチパネルに関して、その操作感の低下に対し、タッチパネルを他部材から分離して額縁状に実装する方法が考えられるが、入力操作時にタッチパネルが大きくたわみ、著しく操作感覚が損なわれるおそれがある。
iv.一般に、圧電アクチュエータを本体側の電子部品実装基板と接続する際に、圧電素子の端子と、電子部品実装基板に半田付けされたコネクタとをフレキシブル配線基板(FPC)や、ハーネスケーブル等を使用して配線する方法が採られる。このような方法を採ると、圧電アクチュエータの配線に、他のデバイス配線とは独立した専用のプリント配線基板やハーネスケーブル等の配線が必要となって、組立性が悪く、部品コストや部品点数等が増加するおそれがある。また、これらの機構部品が入出力装置の薄型化の妨げとなるおそれがある。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、情報入力操作に応じて表示面を振動できるようにすると共に、その表示面上の入力手段に接触する操作体に対して強い触覚を提示できるようにした触覚機能付きの入出力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題は、開口部が設けられた上部筺体と、入力検出部と、第1のガラス基板および第2のガラス基板、ならびに液晶またはEL層とからなる表示部と、弾性を有する電源供給用接触端子が設けられた圧電アクチュエータと、電源供給用電極が設けられた半導体集積回路基板と、下部筺体とを有し、上部筺体または下部筺体のうちの一方は、2つの細長い部品当接部が設けられ、入力検出部は、表示部の表示面の上方に配置され、半導体集積回路基板および圧電アクチュエータは、第1および第2のガラス基板のうち一方が他方に対して長くなされることにより表示部に形成される段差領域に配設され、電源供給用接触端子は、電源供給用電極に圧接されることにより電気的に接続され、圧電アクチュエータは、他方に対して長くなされた側のガラス基板に対向する側の中央部に突起部が設けられ、上部筺体および下部筺体が一体とされたときに、突起部が他方に対して長くなされた側のガラス基板に当接するようにされるとともに、2つの細長い部品当接部が圧電アクチュエータの突起部が設けられていない面に当接されることにより、段差領域に圧電アクチュエータが挟み込まれるように配置され、入力検出部への入力の操作に応じて圧電アクチュエータにより発生される振動が、他方に対して長くなされた側のガラス基板に供給されることにより、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚機能付きの入出力装置によって解決される。
本発明に係る触覚機能付きの入出力装置によれば、表示面を有した表示手段の基板部材の一部に圧電体が配設される。例えば、表示手段に液晶表示装置が使用される場合に、液晶封止用の1組の基板部材のうち、一方の基板部材より長くなされた他方の基板部材には、電子部品実装領域が設けられ、その電子部品実装領域には圧電体が実装される。
また、入力手段は、表示手段の表示面の上方に配置される。これを前提にして、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する場合に、表示手段は情報を表示する。入力手段は、表示手段の表示面からの光を透過すると共に、操作体の接触を検出して情報を入力するように操作される。圧電体は、入力手段の操作に応じて表示手段に振動を供給するようになされる。従って、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、その表示面上の入力手段に接触する操作体に対して強い触覚を提示できるようになる。
本発明に係る電子機器は、開口部が設けられた上部筺体と、入力検出部と、第1のガラス基板および第2のガラス基板、ならびに液晶またはEL層とからなる表示部と、弾性を有する電源供給用接触端子が設けられた圧電アクチュエータと、電源供給用電極が設けられた半導体集積回路基板と、下部筺体とを有し、上部筺体または下部筺体のうちの一方は、2つの細長い部品当接部が設けられ、入力検出部は、表示部の表示面の上方に配置され、半導体集積回路基板および圧電アクチュエータは、第1および第2のガラス基板のうち一方が他方に対して長くなされることにより表示部に形成される段差領域に配設され、電源供給用接触端子は、電源供給用電極に圧接されることにより電気的に接続され、圧電アクチュエータは、他方に対して長くなされた側のガラス基板に対向する側の中央部に突起部が設けられ、上部筺体および下部筺体が一体とされたときに、突起部が他方に対して長くなされた側のガラス基板に当接するようにされるとともに、2つの細長い部品当接部が圧電アクチュエータの突起部が設けられていない面に当接されることにより、段差領域に圧電アクチュエータが挟み込まれるように配置され、圧電アクチュエータにより発生される入力検出部への入力の操作に応じた振動が、他方に対して長くなされた側のガラス基板に供給されることにより、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚機能付きの入出力装置を備えるものである。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入出力装置が応用され、情報入力操作に応じて表示面を振動するようになされる。従って、表示面上の入力手段に接触する操作体に対して強い触覚を提示できるようになる。これにより、フィルム状の入力手段を表示手段の表示面上に設けた触覚入力機能付きの電子機器を提供することができる。
本発明に係る触覚機能付きの入出力装置によれば、表示面を有して情報を表示する表示手段の基板部材の一部に圧電体が配設されるものである。
この構成によって、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、その表示面上の入力手段に接触する操作体に対して強い触覚を提示できるようになる。これにより、フィルム状の入力手段を表示面上に設けた触覚機能付きの薄型の入出力装置を提供することができる。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入出力装置が応用され、情報入力操作に応じて表示面を振動するようになされる。
この構成によって、表示手段の表示面上の入力手段に接触する操作体に対して強い触覚を提示できるようになる。これにより、フィルム状の入力手段を表示手段の表示面上に設けた触覚入力機能付きの薄型の電子機器を提供することができる。
続いて、この発明に係る触覚機能付きの入出力装置及び電子機器の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、第1の実施例としての入出力装置100の構成例を示す分解斜視図である。図2A及びBは、入出力装置100の構成例を補足する一部破砕の上面図及びそのX1−X1矢視断面図である。
図1に示す触覚機能付きの入出力装置は、携帯電話機や情報携帯端末装置等の筐体内部に取り付け可能な装置であって、圧電体(以下圧電アクチュエータという)による振動を利用して、情報入力操作時に操作体に触覚を提示するものである。例えば、入出力装置100には、入力項目選択用のアイコン映像が表示され、複数のアイコンの1つに接触して当該表示画面上で入力操作したとき、操作者の指(操作体)に触覚を提示するようになされる。
入出力装置100は部品収納体を成しており、下部筐体10、上部筐体20、圧電アクチュエータ25、表示手段29及び入力検出手段45を有している。入力検出手段45は、入力手段24及び力検出手段55a〜55dを有して構成される。下部筐体10と、上部筐体20とは、圧電アクチュエータ25、表示手段29及び入力検出手段45を収納するようになされる。
下部筐体10は、底部10a、部品載置部(部品支持部)10b,10c及び当該部品載置部側に開放面を有し、かつ、相互で対向する側面には、被係合部の一例となる1組の細長い断面三角状の係合爪部5a,5bと5c,5dとを有している。下部筐体10は、箱状を有しており、その一辺は、長さがL[mm]で、幅がW[mm]で、高さがH[mm]程度を有している。下部筐体10には、所定の厚みを有した合成樹脂部材や、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金、ステンレススチール(SUS)等の金属部材が使用される。底部10aには1組の細長い突起状の部品載置部10b,10cが設けられ、圧電アクチュエータ25が載置される。
下部筐体10の、例えば、右側面には、係合部の一例となる係合爪部5a,5bが設けられる。反対側の側面(左側面)には、1組の係合爪部5c,5dが設けられる。係合爪部5a,5b,5c,5dは、上部筐体20と下部筐体10とを係合する場合に使用される。この例で、係合爪部5a,5b,5c,5dが設けられた側面以外の側面に、切欠き部39が設けられ、フレキシブルプリント配線ケーブル(以下FPCケーブル19という)を外部に引き出す領域となされる。
圧電アクチュエータ25は、入力手段24の操作に応じて表示手段29に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ25は、表示手段29を構成する基板部材の一部に配設される。例えば、下部筐体10の部品載置部10b,10cと上部ガラス基板29aとの間に、圧電アクチュエータ25が挟み込まれるように配置される。圧電アクチュエータ25は、電子部品取付領域の長手方向に取り付け可能な大きさを有している。圧電アクチュエータ25には、例えば、多数の圧電素子を積層したバイモルフ型の圧電アクチュエータが使用される。
圧電アクチュエータ25の中央部上には、振動作用点を成す突起部8aが設けられる。この例では、振動作用点を通じて上部ガラス基板29aを上下方向(入力操作面を垂直方向)に振動する。この振動は、入力操作面で操作する操作者の指等に伝搬される。これにより、入力操作に対するアクナレッジやその他の触覚情報を操作者(ユーザ)に提示することができる。
下部筐体10には、圧電アクチュエータ25の他に、下から順に光学シート11、表示手段29及び入力手段24を積み重ねた光学系の構造体が配置される。光学シート11は、バックライトを構成し、下部筐体10の底部10aに配置され、その側面には図示しない光源が取り付けられる。光源から出射された光は、表示手段29に照射される。光学シート11には、グラスファイバーや蛍光部材等が使用される。
この例で、光学シート11の四隅には、力検出センサ用の取付けスペースが確保されている。ここで、入力検出手段45の入力操作面の一方をX方向とし、当該X方向と直交する他方をY方向とし、X及びY方向と直交する方向をZ方向とする。上述の取付けスペースには、力検出手段55a〜55dが配設され、入力手段24に対する操作者の指の押圧力(Z方向への加圧力F)を検出して力検出情報を出力すると共に、当該押下位置に表示された入力情報を確定する。
なお、力検出手段55a〜55d(55c及び55dは図示せず)を配設する位置は、光学シート11の内側四隅を切欠く等により確保する。もちろん、これに限られることはなく、その内側四隅の照明が不均等になった場合を考慮して、光学シート11の外側四隅に力検出手段55a〜55dを配設し、下部ガラス基板29bの四隅に、図示しない折曲げ部を設け、各々の折曲げ部で力検出手段55a〜55dに当接して押下するようにしてもよい。その際には、力検出手段55a〜55dは、四隅の入力量(Z方向の押圧力)として、例えば、当該アイコン選択時の力検出信号を検出するようになる。入力検出信号は制御系に出力される。
光学シート11上には、表示手段29が配置される。表示手段29は、四角形状を有しており、その一辺の長さがl[mm]で、その幅がw[mm]の表示面を有している。この表示面には、例えば、入力項目選択用のアイコン映像(情報)が表示される。表示手段29には、液晶表示パネル(LCD)が使用され、液晶表示パネルは、液晶封止用の1組の基板部材の一例となる上部ガラス基板29a(他方の基板部材)及び下部ガラス基板29b(一方の基板部材)を有している。下部ガラス基板29bには、光学シート11から照射される光が入射される。
この例で、上部ガラス基板29aは、下部ガラス基板29bより長くなされ、この上部ガラス基板29aには、電子部品実装領域が設けられる。電子部品実装領域29cは、上部ガラス基板29aと下部ガラス基板29bとの段差領域に形成され、例えば、半導体集積回路基板として使用される。この電子部品実装領域には圧電アクチュエータ25が実装される。図示しない半導体集積回路基板29cには、FPCケーブル19が接続され、映像表示信号や振動制御電圧が入力される。このようにすると、電子部品実装領域において、圧電アクチュエータ25を他の電子部品に対してオーバラップするように実装できるので、従来方式に比べて電子機器の小型及び薄型化を実現できるようになる。
上述の振動制御電圧Vaは、図示しないアクチュエータ駆動回路等からFPCケーブル19を通じて供給するようになされる。振動制御電圧Vaは、複数の振動波形パターンを合成して発生される。例えば、表示手段29に表示されたアイコンの1つに操作者が接触(タッチ)すると、圧電アクチュエータ25に供給される。
上部ガラス基板29a上であって、表示面の上方には入力検出手段45を構成する入力手段24が配設され、当該表示面からの光を透過すると共に、操作者の指(操作体)の接触を検出して情報を入力するように操作される。入力手段24には、フィルム状のタッチパネルが使用され、フィルム−樹脂タッチパネル等の軟質部材の入力操作面に、操作者の指やスタイラスペン等を接触することにより情報を入力するように操作される。
タッチパネルは、透明電極をマトリクス状に配置したフィルム状の静電容量シートを有しており、静電容量方式の入力デバイスを構成する。入力手段24は、ボタンアイコンの選択位置を検出するようになされる。この入力手段24から得られる入力情報には位置検出情報が含まれる。位置検出情報はボタンアイコン押下時の位置検出信号により得られ、制御系に出力される。
このような下部筐体10に収納された光学シート11や、入力手段24、圧電アクチュエータ25、表示手段29等の光学系の構造体には、上部筐体20で蓋を被せるように組み立てられる。例えば、上部筐体20は、下部筐体10よりもやや大きめの箱状を有しており、その一辺は、長さがL’(L’>L)[mm]で、幅がW’(W’>W)[mm]で、高さがH’(H’>H)[mm]程度を有している。上部筐体20には、下部筐体10と同様な合成樹脂部材や金属部材が使用される。上部筐体20は、表示手段29の表示面を見通せる表示窓部20a及び当該表示窓部20aの反対側に開放面を有し、かつ、側面に被係合部の一例となる係合穴部6a,6b,6c,6d(図示せず)を有している。表示窓部20aは、表示手段29の表示面の大きさよりも、やや小さめな直方体状を有しており、その一辺の長さがl’(l’<l)[mm]で、幅がw’(w’<w)[mm]程度を有している(図2A参照)。
上部筐体20の側面には、1組の長細い四角形状の係合穴部6a,6bが設けられる。反対側の側面にも、1組の係合穴部6c,6dが設けられる。係合穴部6a,6b,6c,6dは、下部筐体10と上部筐体20とを係合する際に使用される。例えば、部品収納時に、上部筐体20の開放面側と下部筐体10の開放面側とを位置合わせするようにして、上部筐体20が、下部筐体10に覆い被され、更に、上部筐体20を下部筐体10に嵌合したとき、上部筐体20の係合穴部6a,6b,6c,6dが、下部筐体10の係合爪部5a,5b,5c,5dに嵌合される。
これにより、上部筐体20と下部筐体10とが一体した部品となされる。このとき、FPCケーブル19は切欠き部49を介して外部に引き出される。切欠き部39及び49は、下部筐体10と上部筐体20とを嵌合したときに、開口部を形成する。
図2Aに示す圧電アクチュエータ25は、その一方の側、この例では右側には、圧電素子のシム(SIM)端子となる1組の電源供給用の接触端子(以下単に電源端子3a,3bという)を有している。電源端子3a,3bは弾性を有しており、図2Bに示すように板バネ形状に加えて、先端がU状を成している。電源端子3a,3bには、銅、黄銅、りん青銅等の金属材料が使用される。上部ガラス基板29aの電子部品実装領域(段差領域)には、電源供給電極の一例となる圧電アクチュエータ用のパッド電極12a,12b(又はランド電極)や、そこに接続されるFPCケーブル端子19aが設けられる。
この例では、電子部品実装領域のパッド電極12a,12bに圧電アクチュエータ25の電源端子3a,3bを圧接すること、すなわち、押さえ付けによる接圧を発生しながら、パッド電極12a,12bに電気的に接続され、半導体集積回路基板29cを経由してFPCケーブル19等に電気的に接続される。このようにすると、部品点数の削減、組立の簡素化、ライフタイムの短縮化、低コスト化が可能となる。例えば、専用のFPCコネクタ、同FPCケーブル、樹脂フレームといった、比較的高額な部品を低減することができる。この結果、触覚機能付きの入出力装置の大幅な低コスト化が可能となる。
また、図2Bに示す上部筐体20の天板部には、細長い突起状の部品当接部20bが設けられる。部品当接部20bは、上部ガラス基板29aを挟んだ圧電アクチュエータ25の突起部8a(振動作用点)に対峙する位置に設けられ、振動作用点からの振動を受け止めるようになされる。これは浮き上がり現象を防止して振動を上部ガラス基板29aに効率良く伝搬するためである。更に、このような構造を採るようにしたのは、近年、急速に普及しつつある、樹脂フィルム型のタッチパネルのような軟質部材の入力操作面を持つ入力デバイスにおいて、ユーザに対して、触覚を再現性良く提示できるようにするためである。
図3は、フィルム状圧電体の積層例及びその内部電極層IE1〜IE16の内部結線例を示す断面図である。
図3に示すフィルム状圧電体は、バイモルフ型の圧電アクチュエータ25を構成し、その内部電極層IE1〜IE16は、バイアホールや、アクチュエータ側面部を使用するなどの方法により、一層おきに接続され、それぞれの圧電素子#1〜#18が電気的に並列に接続される。例えば、電源端子3a,3bの引出し位置を基準にして、その上方の内部電極層IE1,IE3,IE5,IE7は、その内部で接続されて当該電源端子3aに接続される。内部電極層IE2,IE4,IE6,IE8は、その内部で接続されて上部電極1に接続され、更に、他の電源端子3bに接続される。また、電源端子3a,3bの引出し位置を基準にして、その下方の内部電極層IE10,IE12,IE14,IE16は、その内部で接続されて当該電源端子3aに接続される。内部電極層IE9,IE11,IE13,IE15は、その内部で接続されて下部電極2に接続され、更に、他の電源端子3bに接続される。
この電源端子3a,3bの引出し位置を基準にして、その上方に積層された圧電素子#1〜#8や、その下方に積層された圧電素子#9〜#16等は、振動制御電圧Vaが印加されると、同一方向に変形し、上方に積層された圧電素子#1〜#8とその下方に積層された圧電素子#9〜#16は、逆方向に変形することにより、圧電アクチュエータ25が曲げ変形するようになされる。このような積層構造によると、圧電アクチュエータ25に印加する電圧を低くすることができ、制御回路や電源回路の簡素化及び小型化が可能になる。また、積層型の圧電アクチュエータ25は、単層型圧電アクチュエータに比べて低電圧駆動できるという特徴がある。
続いて、入出力装置100の組立例について、その説明をする。図4〜図7は、入出力装置100の組立例(その1〜4)を示す工程図である。図4Aは、圧電アクチュエータ25の構成例を示す正面図である。
この実施例では、表示面を有して情報を表示する表示手段29上部ガラス基板29aの一部に圧電アクチュエータ25を配設して、情報入力操作に応じて表示面を振動できるようにすると共に、その表示面上の入力手段24に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようにする。
これらの組立条件を前提にして、まず、図4Aに示すような圧電アクチュエータ25を準備する。圧電アクチュエータ25は、電子部品取付領域の長手方向に取付け可能な大きさを有している。圧電アクチュエータ25には、図3に示したような多数の圧電素子を積層したバイモルフ型の圧電アクチュエータが使用される。
ここで圧電アクチュエータ25の製造方法について簡単に説明する。例えば、圧電素子と内部電極層と複数積層して、その圧電積層体を電源端子3a,3bの上下に接合する。圧電素子には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が使用され、その厚みは28μm程度である。各電極層の厚みは、4μm程度である。その最上層には上部電極を形成し、及び、その最下層には下部電極を各々形成する。電源端子3a,3bには、銅、黄銅、りん青銅等の金属材料が使用され、板バネ性を有するように端子の位置をU状に金属加工がなされる。この例で、圧電素子本体25aから一方の側に引き出された電源端子3a,3bは、圧電素子のシム(SIM)端子となる。
このとき、バイアホールやアクチュエータ側面部等を使用して、その内部電極層IE1〜IE16を、一層おきに接続し、それぞれの圧電素子#1〜#18を電気的に並列に接続するようになされる。図3に示した例では、上方の内部電極層IE1,IE3,IE5,IE7をその内部で接続して、電源端子3aに接続する。
また、内部電極層IE2,IE4,IE6,IE8をその内部で接続して、上部電極1に接続し、更に、他の電源端子3bに接続するようにする。下方の内部電極層IE10,IE12,IE14,IE16をその内部で接続して電源端子3aに接続する。更に内部電極層IE9,IE11,IE13,IE15をその内部で接続して下部電極2に接続し、これを他の電源端子3bに接続する。なお、上部電極1上には、絶縁層が形成され、更にその中央部には、振動作用点を成す突起部8aが形成される。このとき、下部電極2の下方にも、絶縁層が形成され、全体的に電源端子3a,3bの露出部分を除いて絶縁層で保護される。これにより、先端がU状を成し、かつ、弾性を有した電源端子3a,3b付きの圧電アクチュエータ25を形成することができる。
次に、図4Bに示すような下部筐体10を準備する。下部筐体10は、底部10a、部品載置部10b,10c及び当該部品載置部10b,10c側に開放面を有し、かつ、側面に係合爪部5a,5b,5c,5dを有したものが使用される。下部筐体10は、箱状を有しており、その一辺の長さは、L[mm]で、幅がW[mm]で、高さがH[mm]程度を有している。
図4Bに示す下部筐体10の底部10aには1組の細長い突起状の部品載置部10b,10cが形成される。また、下部筐体10の側面には、1組の細長い断面三角状の係合爪部5a,5b(図示せず)が形成され、反対側の側面にも、1組の係合爪部5c,5d(図示せず)が形成される。係合爪部5a,5b,5c,5dが設けられた側面以外の側面には、図示しない切欠き部39が形成される。
下部筐体10には、所定の厚みを有した合成樹脂部材や、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金、ステンレススチール(SUS)等の金属部材が使用される。下部筐体10を樹脂成形する場合は、射出成形金型が使用される。下部筐体10を金属成形する場合は、プレス加工機や、穴開け加工機、板金加工機等が使用される。
次に、図4Cに示すような上部筐体20を準備する。上部筐体20は、下部筐体10よりも広く、その一辺は、長さがL’[mm](図示せず)で、幅がW’[mm]で、高さがH’[mm]程度の箱状を有している。上部筐体20には、下部筐体10と同様にして、所定の厚みを有した合成樹脂部材や金属部材等が使用される。上部筐体20は、映像表示面を見通せるような表示窓部20a及び当該表示窓部20aの反対側に開放面を有し、かつ、側面に係合穴部6a,6b,6c,6dを有したものが使用される。表示窓部20aは、表示手段29の表示面の大きさよりも、やや小さめな四角形状を有しており、その一辺の長さがl’[mm](図示せず)で、幅がw’[mm]程度を有している。
また、図4Cに示すように上部筐体20の天板部には、細長い突起状の部品当接部20bが設けられる。これは、筐体組み立て後、圧電アクチュエータ25の突起部8aに対峙する位置に部品当接部20bが設けられることで、その振動作用点からの振動を受け止めるようにするためである。上部筐体20を樹脂成形する場合は、射出成形金型が使用される。上部筐体20を金属成形する場合は、プレス加工機や、穴開け加工機、板金加工機等が使用される。係合穴部6a,6b,6c,6dが設けられた側面以外の側面には、図示しない切欠き部49が形成される。
続いて、図5Aに示す入力手段24を準備する。入力手段24には、フィルム状のタッチパネルが使用される。タッチパネルは、透明電極をマトリクス状に配置したフィルム状の静電容量シートを有しており、静電容量方式の入力デバイスを構成する。
次に、図5Bに示す表示手段29を準備する。表示手段29は、図5Aに示した入力手段24の下方に配置するようになされる。表示手段29には、液晶表示パネルが使用される。液晶表示パネルは、幅W(図示せず)がほぼ同等で、その長さがほぼL[mm」程度の表示モジュール用の上部ガラス基板29a(基板部材)と、長さがほぼl[mm]程度の下部ガラス基板29b(基板部材)とを有している。つまり、上部ガラス基板29aの方が長く、上部ガラス基板29aと下部ガラス基板29bとは、長さL−lの差を有している。このW×(L−l)の領域を電子部品実装領域となされる。
液晶表示パネルは上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bの他に、光学シート11及び半導体集積回路基板29cを有して構成される。半導体集積回路基板29cは、電子部品実装領域に画定される。この電子部品実装領域(段差領域)には、圧電アクチュエータ用のパッド電極12a,12b(又はランド電極)や、そこに接続される、図示しないケーブル端子19aを形成するようになされる。図中、二点鎖線で示す領域に圧電アクチュエータ25が配置される。
上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bの間にはスペーサ部材29d,29eが設けられ、この間には液晶29fが封入される。上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bには、厚み0.33mm程度の無アルカリ性のガラス板が使用される。表示手段29が平面表示装置の場合には、上部ガラス基板29a及び下部ガラス基板29bの間にEL層が設けられる。
この例では、光学シート11は、四隅が切り欠かれた十字状を有しており、下部ガラス基板29bの下方に配置するようになされる。4個の力検出手段55a〜55dは、十字状の光学シート11の四隅に各々配置するようになされる。この例で入力手段24と4個の力検出手段55a〜55dとで入力検出手段45を構成するようになされる。力検出手段55a〜55dから引き出される、図示しない引出し線は、半導体集積回路基板29cに接続され、FPCケーブル19を通じて外部に引き出すようになされる。
図6A〜Dは、入出力装置100の組立例を示す図である。この例では、まず、図6Dに示す下部筐体10の底部10aの部品載置部10b,10c上に、図6Cに示す圧電アクチュエータ25を載置(配置)する。このとき、電源端子3a,3bは、U状が逆さ向きになり、突起部8aが上方に向くようにして圧電アクチュエータ25を部品載置部10b,10c上に配置する。圧電アクチュエータ25は、表示手段29を構成する上部ガラス基板29aの一部に配設された電子部品実装領域に、例えば、下部筐体10の部品載置部10b,10cと上部ガラス基板29aとの間に、圧電アクチュエータ25が挟み込まれるように配置される。
その後、図6Bに示す光学シート11、力検出手段55a〜55b、表示手段29及び入力手段24等の構造体を圧電アクチュエータ25の横に併設するように底部10aに配置する。このとき、ケーブル端子19aには図示しないFPCケーブル19が接続される。また、光学シート11及び力検出手段55a〜55dに表示手段29を覆い被せるように配置する。そして、図6Aに示す上部筐体20の開放面側と、図6Dに示す下部筐体10の開放面側とを位置合わせして係合する。上部筐体20は、蓋を被せるように下部筐体10に嵌合するようになされる。更に、上部筐体20を下部筐体10に嵌合したとき、上部筐体20の係合穴部6a,6b,6c,6dが下部筐体10の係合爪部5a,5b,5c,5dに嵌合される。
図7は、組立後の入出力装置100の完成例を示す断面図である。図7に示す入出力装置100によれば、光学シート11、入力手段24、表示手段29、圧電アクチュエータ25及び力検出手段55a〜55bが一体部品化され、これらを内蔵した部品収納体が完成する。
この例では、電子部品実装領域のパッド電極12a,12bに圧電アクチュエータ25の電源端子3a,3bを圧接すること、すなわち、押さえ付けによる接圧を発生しながら、パッド電極12a,12bに電気的に接続され、半導体集積回路基板29cを通過してケーブル端子19aに電気的に接続される。図示しないFPCケーブル19は、上部筐体20及び下部筐体10の各々側面に設けられた切欠き部39、49が重なることで生じた開口部を潜って外部に引き出される。
圧電アクチュエータ25には、入力手段24の操作に応じて表示手段29に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ25の中央部上に設けられた突起部8aは、振動作用点を構成する。上部筐体20の部品当接部20bは、振動作用部からの振動を受け止めるようになされる。このような構造は、浮き上がり現象を防止して振動を上部ガラス基板29aに効率良く伝搬するためである。これにより、上部筐体20と下部筐体10とが一体した部品となされる。
また、図示しないが光学シート11の側面に取り付けられた光源から光学シート11に光が照射される。表示手段29には、入力手段24から得られる位置検出情報及び制御系から供給される表示信号に基づいてアイコン映像等を表示するように動作する。この例では、振動作用点を通じて上部ガラス基板29aを上下方向(入力操作面を垂直方向)に振動する。この振動は、入力操作面で操作する操作者の指等に伝搬される。これにより、入力操作に対するアクナレッジやその他の触覚情報を操作者(ユーザ)に提示することができる。
このように、第1の実施例としての触覚機能付きの入出力装置100によれば、表示面を有した表示手段29の上部ガラス基板29aの一部に圧電アクチュエータ25が配設される。この例では、表示手段29に液晶表示パネルが使用され、その液晶封止用の1組の上部及び下部ガラス基板29a、29bのうち、下部ガラス基板29bより長くなされた上部ガラス基板29aには、電子部品実装領域が設けられ、その電子部品実装領域には圧電アクチュエータ25が実装される。
また、入力手段24は、表示手段29の表示面の上方に配置される。これを前提にして、情報入力操作時に操作者の指等に触覚を提示する場合に、表示手段29はアイコン等の入力情報を表示する。入力手段24は、表示手段29の表示面からの光を透過すると共に、操作者の指等の接触を検出してアイコン等の入力情報を入力するように操作される。圧電アクチュエータ25は、入力手段24の操作に応じて表示手段29を構成する上部ガラス基板29aに振動を供給するようになされる。
従って、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、その表示面上の入力手段24に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようになる。しかも、近年、急速に普及しつつある、樹脂フィルム型のタッチパネルのような軟質部材の入力操作面を持つ入力デバイスにおいて、ユーザに対して、触覚を再現性良く提示できるようになる。これにより、フィルム状の入力手段24を表示手段29の表示面上に設けた触覚機能付きの薄型の入出力装置100を提供することができる。
また、入出力装置100によれば、部品点数の削減、組立の簡素化、ライフタイムの短縮化が可能となる。更に、専用のFPCコネクタ、同FPCケーブル、樹脂フレームといった、比較的高額な部品を低減することができる。この結果、触覚機能付きの入出力装置100の大幅な低コスト化が可能となる。
図8A及びBは、第2の実施例としての圧電アクチュエータ65の構成例を示す上面図及び正面図である。
第2の実施例では、図8Aに示すような圧電アクチュエータ65が準備される。圧電アクチュエータ65は、圧電素子本体65aの長手方向の両側に電源端子3a,bが設けられるものである。圧電アクチュエータ65には、図3に示したような多数の圧電素子を積層したバイモルフ型の圧電アクチュエータが使用される。この例では、圧電素子本体65aの右側から電源端子3aが引き出され、その左側から電源端子3bを引き出すようになされる。
ここで圧電アクチュエータ65の製造方法について簡単に説明する。例えば、圧電素子と内部電極層と複数積層して、その圧電積層体を長手方向で両側に引き出した電源端子3a,3bの上下に接合する。圧電素子には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が使用され、その厚みは28μm程度である。各電極層の厚みは、4μm程度である。その最上層には上部電極を形成し、及び、その最下層には下部電極を各々形成する。電源端子3a,3bには、銅、黄銅、りん青銅等の金属材料が使用され、板バネ性を有するように端子の一部をU状に金属加工がなされる。電源端子3a,3bは、圧電素子のシム(SIM)端子となる。
このとき、バイアホールやアクチュエータ側面部等を使用して、その内部電極層IE1〜IE16を、一層おきに接続し、それぞれの圧電素子#1〜#18を電気的に並列に接続するようになされる。図3に示した例では、上方の内部電極層IE1,IE3,IE5,IE7をその内部で接続して、一方の側に引き出した電源端子3aに接続する。
また、内部電極層IE2,IE4,IE6,IE8をその内部で接続して、上部電極1に接続し、更に、他方の側に引き出した電源端子3bに接続するようにする。下方の内部電極層IE10,IE12,IE14,IE16をその内部で接続して電源端子3aに接続する。更に内部電極層IE9,IE11,IE13,IE15をその内部で接続して下部電極2に接続し、これを他の電源端子3bに接続する(図3参照)。
なお、上部電極1上には、絶縁層が形成され、更にその中央部には、振動作用点を成す突起部8aが形成される。このとき、下部電極2の下方にも、絶縁層が形成され、全体的に電源端子3a,3bの露出部分を除いて絶縁層で保護される。これにより、その両側で先端がU状を成し、かつ、弾性を有した電源端子3a,3b付きの圧電アクチュエータ65を形成することができる。
図9は、圧電アクチュエータ65を実装した入出力装置200の構成例を示す断面図である。
図9に示す入出力装置200によれば、光学シート11、入力手段24、表示手段29、力検出手段55a〜55b(図示せず)及び圧電アクチュエータ65が一体部品化され、これらを内蔵した部品収納体が完成する。この例では、電子部品実装領域のパッド電極12a,12bに圧電アクチュエータ65の電源端子3a,3bを圧接すること、すなわち、押さえ付けによる接圧を発生しながら、パッド電極12a,12bに電気的に接続され、半導体集積回路基板29cを通過して図示しないケーブル端子19aに電気的に接続される。図示しないFPCケーブル19は、第1の実施例と同様にして、上部筐体20及び下部筐体10の各々側面に設けられた切欠き部39、49が重なることで生じた開口部を潜って外部に引き出される。
圧電アクチュエータ65には、入力手段24の操作に応じて表示手段29に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ65の中央部上に設けられた突起部8aは、第1の実施例と同様にして、振動作用点を構成する。上部筐体20の部品当接部20bは、振動作用部からの振動を受け止めるようになされる。これにより、上部筐体20と下部筐体10とが一体した部品となされる。なお、第1の実施例と同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
このように、第2の実施例としての触覚機能付きの入出力装置200によれば、表示面を有した表示手段29の上部ガラス基板29aの一部に圧電アクチュエータ65が配設される。この例でも、下部ガラス基板29bより長くなされた上部ガラス基板29aには、電子部品実装領域が設けられ、その電子部品実装領域には圧電アクチュエータ65が実装される。
また、入力手段24は、表示手段29の表示面の上方に配置される。これを前提にして、情報入力操作時に操作者の指等に触覚を提示する場合に、表示手段29はアイコン等の入力情報を表示する。入力手段24は、表示手段29の表示面からの光を透過すると共に、操作者の指等の接触を検出してアイコン等の入力情報を入力するように操作される。圧電アクチュエータ65は、入力手段24の操作に応じて表示手段29を構成する上部ガラス基板29aに振動を供給するようになされる。
従って、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、第1の実施例と同様にして、その表示面上の入力手段24に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようになる。しかも、第1の実施例と同様にして、樹脂フィルム型のタッチパネルのような軟質部材の入力操作面を持つ入力デバイスにおいて、ユーザに対して、触覚を再現性良く提示できるようになる。これにより、フィルム状の入力手段24を表示手段29の表示面上に設けた触覚機能付きの薄型の入出力装置200を提供することができる。また、入出力装置200によれば、部品点数の削減、組立の簡素化、ライフタイムの短縮化が可能となり、触覚機能付きの入出力装置200の大幅な低コスト化が可能となる。
図10A及びBは、第3の実施例としての圧電アクチュエータ75の構成例を示す上面図及び正面図である。
第3の実施例では、図10Aに示すような圧電アクチュエータ75が準備される。圧電アクチュエータ75は、図8Aに示した圧電アクチュエータ65の電源端子3a,3bの先端を変形したものである。例えば、圧電アクチュエータ75は、圧電素子本体75aの長手方向の両側に先端フック形状の電源端子3a’,3b’が設けられるものである。圧電アクチュエータ75には、図3に示したような多数の圧電素子を積層したバイモルフ型の圧電アクチュエータが使用される。
電源端子3a’,3b’には、銅、黄銅、りん青銅等の金属材料が使用され、板バネ性を有するように端子の一部をフック形状に金属加工がなされる。この例では、電源端子3a’は断面逆C形状で、電源端子3b’がC形状を有している。電源端子3a’,3b’は、圧電素子のシム(SIM)端子となる。なお、圧電アクチュエータ75の製造方法については、第2の実施例と、その電源端子形状が異なる点で相違する他、同様な構成を採るので、その説明を省略する。
図11は、圧電アクチュエータ75を実装した入出力装置300の構成例を示す断面図である。
図11に示す入出力装置300は部品収納体を構成し、光学シート11、入力手段24、表示手段29、力検出手段55a〜55d(図示せず)及び圧電アクチュエータ75が一体部品化される。この例では、下部筐体10’は、第1及び第2の実施例に比べて、その強度を向上させる観点から底部10aが厚くなされた場合に、当該底部10aには、部品収納用の穴部10dが設けられる。この穴部10dには、圧電アクチュエータ75の下半分を収納するようになされる。穴部10dの底部には、部品載置部10b,10cが設けられる。部品載置部10b,10cには、圧電アクチュエータ75が載置される。
この例でも、電子部品実装領域のパッド電極12a,12bに圧電アクチュエータ75の先端フック形状の電源端子3a’,3b’を圧接すること、すなわち、押さえ付けによる接圧を発生しながら、パッド電極12a,12bに電気的に接続される。電源端子3a’,3b’は内側に絞り込むように圧接される。パッド電極12a,12bは、導体集積回路基板29cを通過して図示しないケーブル端子19aに電気的に接続される。図示しないFPCケーブル19は、第1及び第2の実施例と同様にして、上部筐体20及び下部筐体10の各々側面に設けられた切欠き部39、49が重なることで生じた開口部を潜って外部に引き出される。
圧電アクチュエータ75には、入力手段24の操作に応じて表示手段29に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ75の中央部上に設けられた突起部8aは、第1及び第2の実施例と同様にして、振動作用点を構成する。上部筐体20の部品当接部20bは、振動作用部からの振動を受け止めるようになされる。これにより、上部筐体20と下部筐体10’とが一体した部品となされる。なお、第1の実施例と同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
このように、第3の実施例としての触覚機能付きの入出力装置300によれば、表示面を有した表示手段29の上部ガラス基板29aの一部に圧電アクチュエータ75が配設される。この例でも、下部ガラス基板29bより長くなされた上部ガラス基板29aには、電子部品実装領域が設けられ、その電子部品実装領域には圧電アクチュエータ75が実装される。
また、入力手段24は、表示手段29の表示面の上方に配置される。これを前提にして、情報入力操作時に操作者の指等に触覚を提示する場合に、表示手段29はアイコン等の入力情報を表示する。入力手段24は、表示手段29の表示面からの光を透過すると共に、操作者の指等の接触を検出してアイコン等の入力情報を入力するように操作される。圧電アクチュエータ75は、入力手段24の操作に応じて表示手段29を構成する上部ガラス基板29aに振動を供給するようになされる。
従って、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、第1及び第2の実施例と同様にして、その表示面上の入力手段24に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようになる。しかも、第1及び第2の実施例と同様にして、樹脂フィルム型のタッチパネルのような軟質部材の入力操作面を持つ入力デバイスにおいて、ユーザに対して、触覚を再現性良く提示できるようになる。
これにより、フィルム状の入力手段24を表示手段29の表示面上に設けた触覚機能付きの薄型の入出力装置300を提供することができる。また、入出力装置300によれば、部品点数の削減、組立の簡素化、ライフタイムの短縮化が可能となり、触覚機能付きの入出力装置300の大幅な低コスト化を図ることが可能となる。
図12A及びBは、第4の実施例としての入出力装置400の構成例を示す正面及び側面の断面図である。
図12Aに示す入出力装置400も部品収納体を成し、光学シート11、入力手段24、表示手段29’、圧電アクチュエータ25及び力検出手段55a〜55bが一体部品化されている。表示手段29’は、第1〜第3の実施例と同様にして入力手段24の下方に配置するようになされる。この例では、表示手段29’に液晶表示パネルが使用される場合であって、表示モジュール用の長さほぼl[mm]の上部ガラス基板29a’と、長さがほぼL[mm]程度の下部ガラス基板29b’とを有している。
つまり、第1〜第3の実施例に比べて、上部ガラス基板29a’よりも、下部ガラス基板29b’の方が長く、上部ガラス基板29a’と下部ガラス基板29b’とは、長さL−lの差を有している。このW×(L−l)の領域を電子部品実装領域となされる。図中、下部ガラス基板29b’に形成された電子部品実装領域に圧電アクチュエータ25が取り付けられる。
液晶表示パネルは、図12Bに示すように、上部ガラス基板29a’及び下部ガラス基板29b’の他に、光学シート11及び半導体集積回路基板29cを有して構成される。半導体集積回路基板29cは、電子部品実装領域に画定される。この電子部品実装領域(段差領域)には、圧電アクチュエータ用のパッド電極12a,12b(又はランド電極)や、そこに接続されるケーブル端子19aを形成するようになされる。
この例で、圧電アクチュエータ25は、図12Bに示すように、第1の実施例に比べて圧電素子本体25aが倒立(逆さまに)した状態で取り付けられる。下部ガラス基板29b’上に形成されたパッド電極12a,12bには、圧電アクチュエータ25の電源端子3a,3bが圧接されることにより、すなわち、第1の実施例と同様にして押さえ付けによる接圧を発生しながら、パッド電極12a,12bに電気的に接続される。パッド電極12a,12bは、半導体集積回路基板29cを通過してケーブル端子19aに電気的に接続される。FPCケーブル19は、上部筐体20及び下部筐体10の各々側面に設けられた切欠き部39、49が重なることで生じた開口部を潜って外部に引き出される(図12A参照)。
圧電アクチュエータ25には、入力手段24の操作に応じて表示手段29’に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ25の中央部上に設けられた突起部8aは、振動作用点を構成する。上部筐体20の裏面には、2つの細長い部品当接部20c及び20dが形成され、この部品当接部20c及び20dは、圧電アクチュエータ25の突起部8a(振動作用部)からの振動を受け止めるようになされる。このような構造は、浮き上がり現象を防止して振動を下部ガラス基板29b’に効率良く伝搬するためである。これにより、上部筐体20と下部筐体10とが一体した部品となされる。なお、第1の実施例と同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
このように、第4の実施例としての触覚機能付きの入出力装置400によれば、表示面を有した表示手段29’の下部ガラス基板29b’の一部に圧電アクチュエータ25が配設される。この例では、表示手段29’に液晶表示パネルが使用され、上部ガラス基板29a’より長くなされた下部ガラス基板29b’には、電子部品実装領域が設けられ、その電子部品実装領域には圧電アクチュエータ25が実装される。
また、入力手段24は、表示手段29’の表示面の上方に配置される。これを前提にして、情報入力操作時に操作者の指等に触覚を提示する場合に、表示手段29’はアイコン等の入力情報を表示する。入力手段24は、表示手段29’の表示面からの光を透過すると共に、操作者の指等の接触を検出してアイコン等の入力情報を入力するように操作される。圧電アクチュエータ25は、入力手段24の操作に応じて表示手段29’を構成する下部ガラス基板29b’に振動を供給するようになされる。
従って、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、その表示面上の入力手段24に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようになる。しかも、第1〜第3の実施例と同様にして、樹脂フィルム型のタッチパネルのような軟質部材の入力操作面を持つ入力デバイスにおいて、ユーザに対して、触覚を再現性良く提示できるようになる。
これにより、フィルム状の入力手段24を表示手段29’の表示面上に設けた触覚機能付きの薄型の入出力装置400を提供することができる。また、入出力装置400によれば、部品点数の削減、組立の簡素化、ライフタイムの短縮化が可能となり、触覚機能付きの入出力装置400の大幅な低コスト化を図ることが可能となる。
図13A及びBは、第5の実施例としての圧電アクチュエータ85及びその取付け具80を示す斜視図である。
図13Aに示す圧電アクチュエータ85は、第2の実施例に係る圧電アクチュエータ85の取付構造を変形したものである。この例では、圧電アクチュエータ専用の取付け具(ホルダ)80が備えられ、取付け具80には、回転挿入機構が備えられる。
例えば、圧電アクチュエータ85は、圧電素子本体85aの長手方向の両側に先端U状の電源端子3a,3bと、凸状の爪部86a,86bが設けられるものである。圧電アクチュエータ85には、図3に示したような多数の圧電素子を積層したバイモルフ型の圧電アクチュエータが使用される。電源端子3a,3bには、銅、黄銅、りん青銅等の金属材料が使用され、板バネ性を有するように端子の一部をU状に金属加工がなされる。電源端子3a,3bは、圧電素子のシム(SIM)端子となる。
圧電アクチュエータ85の一方の側において、爪部86aは電源端子3aに隣接して設けられ、その他方側にも、爪部86bは電源端子3bに隣接して設けられる。電源端子3a、3bは、圧電素子本体85aを基準にして、その対角線上に配置される。爪部86a、86bは、その反対側の対角線上に配置される。これは、取付け具80の回転挿入機構に整合させるためである。爪部86a,86bには、銅、黄銅、りん青銅等の金属材料が使用され、板バネ性を有するように端子の一部を金属加工するようにしてもよい。
この例では、表示手段29’に液晶表示パネルが使用される場合であって、表示モジュール用の長さがほぼl[mm]の上部ガラス基板29a’と、長さがほぼL[mm]程度の下部ガラス基板29b’とを有している。つまり、第4の実施例と同様にして、上部ガラス基板29a’よりも、下部ガラス基板29b’の方が長く、上部ガラス基板29a’と下部ガラス基板29b’とは、長さL−lの差を有している。このW×(L−l)の領域を電子部品実装領域となされる。図中、下部ガラス基板29b’に形成された電子部品実装領域に圧電アクチュエータ85が取り付けられる。なお、圧電アクチュエータ85の製造方法については、第2の実施例とその電源端子形状及び爪部86a,86bが異なる点で相違する他、同様な構成を採るので、その説明を省略する。
圧電アクチュエータ用の取付け具(ホルダ)80は、射出金型成型品から構成され、その基板部材20’には1組の凸状のボス87a、87bが設けられる。ボス87aには所定の高さに凹部88aが設けられ、圧電アクチュエータ85の爪部86aを係合するようになされる。ボス87bの所定の高さにも、凹部88bが設けられ、圧電アクチュエータ85の爪部86bを係合するようになされる。
図14は、圧電アクチュエータ85を実装した入出力装置500の側面の構成例、図15は、その正面の構成例を各々示す断面図である。
図14に示す入出力装置500は、部品収納体を構成し、光学シート11、入力手段24、表示手段29’、力検出手段55a〜55d及び圧電アクチュエータ85が一体部品化される。FPCケーブル19は、第1の実施例と同様にして、上部筐体20’及び下部筐体10の各々側面に設けられた切欠き部39、49が重なることで生じた開口部を潜って外部に引き出される。
この例では、取付け具80を基板部材の一例となる上部筐体20’と共に射出金型成型品から構成し、その上部筐体20’には、図15に示すように1組の凸状のボス87a、87bが設けられる。この例でも、電子部品実装領域のパッド電極12a,12bに圧電アクチュエータ85の電源端子3a,3bを圧接すること、すなわち、押さえ付けによる接圧を発生しながら、パッド電極12a,12bに電気的に接続され、半導体集積回路基板29cを通過して図示しないケーブル端子19aに電気的に接続される。
圧電アクチュエータ85には、入力手段24の操作に応じて表示手段29’に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ85の中央部上に設けられた突起部8aが第1〜第4の実施例と同様にして、振動作用点を構成する。この例では、第4の実施例で説明した上部筐体20の部品当接部20c、20dが、ボス87aの凹部88aに、ボス87bの凹部88bに各々代わり、振動作用部からの振動を受け止めるようになされる。これにより、上部筐体20と下部筐体10とが一体した部品となされる。なお、第1の実施例と同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
図16A〜Cは、圧電アクチュエータ85の取付例を示す工程図である。
図16Aにおいて、まず、ボス87aに凹部88aが形成され、かつ、ボス87bに凹部88bが形成された上部筐体20’を裏返した状態で、図16Bに示す圧電アクチュエータ85と、取付け具80と位置合わせをする。そして、図16Bに示す時計方向(矢印の方向)に当該圧電アクチュエータ85を回転する。
この回転結果で、図16Cに示すように、圧電アクチュエータ85の一方の側では、爪部86aが凹部88aに係合される。他方の側では、爪部86bが凹部88bに係合される。これにより、圧電アクチュエータ85を上部筐体20’に取り付けることができる。
この状態で、光学シート11、力検出手段55a〜55d、表示手段29’及び入力手段24等の構造体を圧電アクチュエータ85の横に併設するように底部10aに配置する。このとき、ケーブル端子19aにはFPCケーブル19が接続される。また、光学シート11及び力検出手段55a〜55dに表示手段29’を覆い被せるように配置する。そして、図示しない上部筐体20’の開放面側と、下部筐体10の開放面側とを位置合わせして係合する。
上部筐体20’は、蓋を被せるように下部筐体10に嵌合するようになされる。このとき、圧電アクチュエータ85の電源端子3a,3bは、U状が下向きになり、突起部8aが下方に向くようになる。圧電アクチュエータ85は、表示手段29’を構成する下部ガラス基板29aの一部に配設された電子部品実装領域で、例えば、パッド電極12a,12b上に接触する位置に合わせ込まれる。
この状態で、上部筐体20’を下部筐体10に嵌合したとき、上部筐体20’の係合穴部6a,6b,6c,6dが下部筐体10の係合爪部5a,5b,5c,5dに嵌合される。このとき、電源端子3aがパッド電極12aに電気的に接続される。同様にして、と共に、電源端子3bがパッド電極12bに電気的に接続される。これにより、図14及び図15に示したような入出力装置500が完成する。
このように、第5の実施例としての触覚機能付きの入出力装置500によれば、表示面を有した表示手段29’の下部ガラス基板29b’の一部に圧電アクチュエータ85が配設される。この例でも、上部ガラス基板29aより長くなされた下部ガラス基板29b’には、電子部品実装領域が設けられ、その電子部品実装領域には圧電アクチュエータ85が実装される。
また、入力手段24は、表示手段29’の表示面の上方に配置される。これを前提にして、情報入力操作時に操作者の指等に触覚を提示する場合に、表示手段29’はアイコン等の入力情報を表示する。入力手段24は、表示手段29’の表示面からの光を透過すると共に、操作者の指等の接触を検出してアイコン等の入力情報を入力するように操作される。圧電アクチュエータ85は、入力手段24の操作に応じて表示手段29’を構成する下部ガラス基板29b’に振動を供給するようになされる。
従って、情報入力操作に応じて表示面を振動できるので、第4の実施例と同様にして、その表示面上の入力手段24に接触する操作者の指等に対して強い触覚を提示できるようになる。しかも、第1〜第4の実施例と同様にして、樹脂フィルム型のタッチパネルのような軟質部材の入力操作面を持つ入力デバイスにおいて、ユーザに対して、触覚を再現性良く提示できるようになる。これにより、フィルム状の入力手段24を表示手段29’の表示面上に設けた触覚機能付きの薄型の入出力装置500を提供することができる。
また、入出力装置500によれば、圧電アクチュエータ85を上下方向でより一層安定的に実装することができ、部品点数の削減、組立の簡素化、ライフタイムの短縮化が可能となり、触覚機能付きの入出力装置500の大幅な低コスト化が可能となる。
図17は、第6の実施例としての触覚入力機能付きの携帯電話機600の構成例を示す斜視図である。
この実施例では、第1〜5の実施例に係る入出力装置100、200、300、400又は500を備えると共に、フィルム状のタッチパネルの入力操作面において、その入力操作面の振動を圧電アクチュエータ25、65、75、85等により制御して、その入力操作面における操作者の指等の押下操作に対して触覚を提示できるようにすると共に、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようにしたものである。
図17に示す携帯電話機600は電子機器の一例であり、表示画面上の入力操作面を摺動接触操作される、例えば、触覚機能付きの入出力装置100を有している。携帯電話機600は下部筐体60及び上部筐体70を備えている。この例で、一体部品化された入出力装置100は、上部筐体70内に組み込まれる。もちろん、入出力装置100に代えて、入出力装置200、300、400又は500を上部筐体70内に組み込んでもよい。これらの下部筐体60及び上部筐体70間は、回転レンジ機構51によって可動自在に係合されている。この回転レンジ機構51によれば、下部筐体60の操作面の一端に設けられた図示しない軸部と、下部筐体60の裏面の一端に設けられた図示しない軸受け部とが回転自在に係合され、上部筐体70は下部筐体60に対して角度±180°の回転自由度を有して面結合されている。
下部筐体60には、複数の押しボタンスイッチ52から成る操作パネル18が設けられる。押しボタンスイッチ52は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。下部筐体60において、操作パネル面の下方には、通話用のマイクロフォン53が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。
また、下部筐体60の下端部には、モジュール型のアンテナ16が取り付けられ、その上端内部側面には、大音響用のスピーカー36aが設けられ、着信メロディ等を放音するようになされる。下部筐体60には、バッテリーや回路基板17等が設けられ、下部筐体60の裏面にはカメラ34が取り付けられている。
上述の下部筐体60に対して、回転レンジ機構51によって可動自在に係合された上部筐体70には、その表面の上方に通話用のスピーカー36bが取り付けられ、受話器として機能するようになされる。上部筐体70のスピーカー取付け面の下方には、触覚機能付き入出力装置100が設けられる。入出力装置100は、入力検出手段45及び表示手段29を有しており、表示画面上の入力操作面における操作者の指(操作体)等の押下操作に対して触覚を与えるものである。
入力検出手段45には入力手段24が含まれている。入力手段24には、フィルム状のタッチパネルが使用される。表示手段29には、液晶表示パネルが使用され、液晶表示パネルは、図5Bで説明したように液晶封止用の1組の上部ガラス基板29a、下部ガラス基板29bを有しており、例えば、下部ガラス基板29bよりも長くなされた上部ガラス基板29aには、電子部品実装領域が設けられ、電子部品実装領域には圧電アクチュエータ25が実装される。表示手段29は表示面を有しており、その表示面には、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示される。入力手段24は、表示面の上方に配置され、当該表示面からの光を透過すると共に、操作者の指等の接触を検出して情報を入力するように操作される。
次に、触覚入力機能付きの携帯電話機600の内部構成例及び感触フィードバック入力方法について説明をする。図18は、触覚入力機能付き携帯電話機600の内部構成例を示すブロック図である。
図18に示す携帯電話機600は、下部筐体60の回路基板17に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図17に示した各部及び手段と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機600は、制御手段15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、圧電アクチュエータ25、表示手段29、電源ユニット33、カメラ34、記憶手段35及び入力検出手段45を有している。
図18に示す入力検出手段45は、図1〜図16では静電容量方式の入力デバイスを説明したが、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良く、例えば、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置検出情報と力検出情報を制御手段15に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。上述の入力検出手段45は操作者30の指30aを介して少なくとも位置検出信号S1および入力量(押圧力;加圧力F)となる入力検出信号S2を制御手段15に出力するようになされる。
制御手段15は制御系を構成し、フィルム状の入力手段24の入力操作面に対して振動を与えるように圧電アクチュエータ25を制御する。制御手段15は、画像処理部26、A/Dドライバ31、CPU32及び映像&音声処理部44を有している。A/Dドライバ31には、入力検出手段45からの位置検出信号S1および入力検出信号S2が供給される。
A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報D1または入力検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶手段35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶手段35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。
例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データ[D]を電源ユニット33や、カメラ34、記憶手段35、アクチュエータ駆動回路37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部2へ送信データを転送するように制御する。
この例で、CPU32は、フィルム状の入力手段24から得られる位置検出信号S1及び力検出手段55a〜55dから得られる入力検出信号S2に基づいて波形指定コマンドDcを発行し、波形指定コマンドDcに基づいてアクチュエータ駆動回路37を制御する。アクチュエータ駆動回路37は、波形指定コマンドDcに基づいて記憶手段35から波形パターンデータDPを読み出して圧電アクチュエータ25に振動制御電圧Vaを供給する。
また、CPU32は、入力手段24上で、ユーザが入力操作のために接触する押下点の座標値に応じて波形指定コマンドDcを生成するようになされる。例えば、ボタンやアイコンなどの位置関係と、入力手段24上でユーザが入力のために接触する点(入力座標)とは、CPU32内で予め関連付けられており、CPU32では、ユーザが操作を行うボタンやアイコンに対応した波形指定コマンドDcを生成するようになされる。波形指定コマンドDcは、振動波形パターンの作成を指示する指令データ[D]である。
CPU32は、波形指定コマンドDcをアクチュエータ駆動回路37に出力(発行)し、入出力装置100における入力操作面に対して振動を与えるように圧電アクチュエータ25を制御する。この例で振動制御電圧Vaに関して、直流電圧(DC)でアクチュエータ駆動制御をする場合は、圧電アクチュエータ25に加えるDC電圧の大きさを制御して、上部筐体70に供給する振動張力を制御するようになされる。交流電圧(AC)でアクチュエータ駆動制御をする場合は、圧電アクチュエータ25に加えるAC電圧の周波数(振動数)やその振動(反復)回数などを制御して、上部筐体70に加わる張力を制御するようになされる。
この例で、CPU32は、入力検出手段45が押下判定閾値Fthを越える入力検出情報D2を検出したとき、触覚Aを起動し、その後、押下判定閾値Fthを下回る入力検出情報D2を検出したとき、触覚Bを起動するようにアクチュエータ駆動回路37を制御する。このようにすると、操作者の指30a等の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
この例で、CPU32は、入力検出手段45から得られる入力検出情報D2と予め設定された押下判定閾値Fthとを比較し、当該比較結果に基づいて圧電アクチュエータ25を振動制御するようにアクチュエータ駆動回路37を制御する。例えば、入力検出手段45の押下位置における入力操作面から伝播される触覚をA及びBとすると、触覚Aは、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力操作面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚Bは、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力操作面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
上述のCPU32には記憶手段35が接続される。記憶手段35は波形ライブラリーを構成し、触覚提示用の振動波形パターンを作成するための素材波形パターンを成す基本的な波形パターンデータDP(Wx)が格納される。波形パターンデータDP(Wx)には、正弦波W1,矩形波W2及び複合波W3等に係る各々のデータが含まれる。
記憶手段35には波形パターンデータDPの他に、入力項目選択用の表示画面を、例えば、3次元的に表示するための表示情報D4や、当該表示情報D4に対応したアイコンの選択位置及び振動モードに関する波形指定コマンドDc等が表示画面毎に記憶される。
波形指定コマンドDcには、表示手段29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる複数の具体的な振動波形、及び、アプリケーション毎の具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。記憶手段35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
表示手段29は、ユーザに入力操作を促すボタンやアイコンなどの画像情報を表示する。画像情報は制御手段15から供給される指令[D]に基づいて表示される。表示手段29には液晶表示装置(LCD)や平面表示素子が使用される。CPU32には表示手段29の他に操作パネル18が接続される。操作パネル18は、プログラムポートを構成する。この例で、操作パネル18は、CPU32に対して、素材波形パターンを組み合わせた振動合成波形パターンを設定するように操作される。
CPU32には、アクチュエータ駆動回路37が接続され、CPU32からの波形指定コマンドDcに基づいて振動制御電圧Vaを発生する。アクチュエータ駆動回路37は、圧電アクチュエータ25を駆動するための波形コントロール部を構成する。振動制御電圧Vaは、例えば、正弦波W1からなる出力波形を有している。アクチュエータ駆動回路37には、圧電アクチュエータ25が接続され、振動制御電圧Vaに基づいて振動するようになされる。
この例で、圧電アクチュエータ25には、多数の圧電素子を積層した積層型の圧電アクチュエータが使用される。圧電アクチュエータ25は、入力手段24の操作に応じて表示手段29に振動を供給するようになされる。圧電アクチュエータ25は、表示手段29を構成する上部ガラス基板29a又は下部ガラス基板29bの一部に配設される。この例で、表示手段29の表示面が、上部ガラス基板29aにより画定される場合であって、下部ガラス基板29bよりも長くなされた上部ガラス基板29aに対して、圧電アクチュエータ25から振動を供給するようになされる。
なお、入出力装置400又は500を実装した場合は、表示手段29の表示面が、下部ガラス基板29bにより画定される場合であって、上部ガラス基板29aよりも長くなされた下部ガラス基板29bに対して、圧電アクチュエータ25から振動を供給するようになされる。いずれの場合も、圧電アクチュエータ25から一方のガラス基板より長くなされた他方のガラス基板に振動を供給するようになされる。詳細は、既に図1〜図16で説明した通りである。
この例で、アクチュエータ駆動回路37は、各アプリケーションに対応する押下判定閾値Fthを記憶する。例えば、押下判定閾値Fthはトリガーパラメータとしてアクチュエータ駆動回路37に設けられたROM等に予め格納される。アクチュエータ駆動回路37は、CPU32の制御を受けて、入力検出情報D2を入力し、予め設定された押下判定閾値Fthと、入力検出情報D2から得られる加圧力Fとを比較し、Fth>Fの判定処理や、Fth≦F等の判定処理を実行する。
この例で、押下判定閾値Fth=100[gf]を設定すると、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力操作面を振動するようになされる。また、押下判定閾値Fth=20[gf]を設定すると、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力操作面を振動するようになされる。
CPU32にはアクチュエータ駆動回路37の他に画像処理部26が接続され、ボタンアイコンを3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示手段29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のボタンアイコンを奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示手段29を表示制御する。
このように構成された入出力装置100を内蔵した携帯電話機600は、例えば、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のボタンアイコンの1つを押下(接触)して当該表示画面上でフィルム状の入力手段24をZ方向に押下すると触覚を伴って画面入力操作されるものである。操作者30は、指30aに振動を受けて触感として、ボタンアイコン毎の振動を感じる。
表示手段29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36a、36b等からの放音は、操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示手段29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図18に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用及び受話器を構成するスピーカー36a、36bが接続される。スピーカー36aは、着呼時、着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sinを入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。この映像&音声処理部44にはスピーカー36a、36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン53が接続され、操作者の声を集音して音声信号Soutを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。電源ユニット33は、バッテリーを有しており、CPU3215、操作パネル18、受信部21、送信部22、圧電アクチュエータ25、表示手段29、カメラ34、記憶手段35及び入力検出手段45にDC電源を供給するようになされる。
図19A及びBは、触覚A及びBに係る振動パターン例を示す波形図である。図19A及びBにおいて、いずれも横軸は、時間tである。縦軸は振動制御電圧Va等の電圧(振幅Ax)[V]である。この例では、ボタンアイコンにおいて、それを押し込む時は触覚Aを与え、それを離す時は触覚Bを与える場合を前提とする。
図19Aに示す第1の振動パターンPaは触覚Aを与える波形である。その触覚Aの駆動条件aは、ボタンアイコンが押し込まれたとき、押下判定閾値Fthと加圧力Fとの関係がFth<Fとなる場合であって、第1段階iで約0.1秒間、周波数fx=50Hz、振幅Ax=5μm、回数Nx=2回の振動パターンで振動する。以下[fx Ax Nx]=[50 5 2]と表記する。同様にして、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動するようになされる。
図19Bに示す第1の振動パターンPbは触覚Bを与える波形である。その触覚Bの駆動条件bは、ボタンアイコンが押し込まれた後に、そのボタンアイコンが放されたとき、押下判定閾値Fthと加圧力Fとの関係がFth>Fとなる場合であって、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]で振動し、同様にして、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。このような振動パターンに基づいて入力操作面を振動すると、サイバースイッチ等の触覚を得ることができる。
図20A及びBは、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その1)を示す図である。図20Aにおいて、縦軸は加圧力Fであり、入力検出信号S2(二値化後は入力検出情報D2)から得られる。図20Bにおいて、縦軸は振動制御信号Sa等の電圧(振幅)である。図20A及びBにおいて、横軸はいずれも時間tである。
一般に、ボタンスイッチ操作等において、入力モーションピークが存在する。設計通りの押下速度(操作入力速度)である場合、その加圧力Fは30[gf]乃至240[gf]程度であることが知られている。図20Aに示す加圧力分布波形Iは、入力装置設計時に基準とした、Z方向への押下速度による加圧力Fを反映したものである。
この例で入力検出手段45から得られる入力検出信号S2に対して予め押下判定閾値Fthが設定され、CPU32は、入力検出信号S2の立ち上がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t11に第1の振動パターンPaを発生し、入力検出信号S2の立ち下がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t21に第2の振動パターンPbを発生するようにアクチュエータ振動回路37を制御する。
このようにすると、入力検出手段45が入力装置設計時に基準とした加圧力Fを検出し、CPU32等が押下判定閾値Fth<加圧力Fを検出したとき、触覚Aを起動することができ、押下判定閾値Fth>加圧力Fを検出したとき、触覚Bを起動することができる。なお、振動パターンPaと振動パターンPbとの間には、無振動の空白期間Tx=T1が設けられる。この空白期間Txは、Z方向への押圧速度に応じて可変するようになされる。
図21A及びBは、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その2)を示す図である。図21Aにおいて、縦軸は加圧力Fであり、入力検出信号S2(二値化後は入力検出情報D2)から得られる。図21Bにおいて、縦軸は振動制御信号Sa等の電圧(振幅)である。図21A及びBにおいて、横軸はいずれも時間tである。
図21Aに示す加圧力分布波形IIは、図20Aに示した基準押下速度よりも早くボタンアイコン等を押下した場合の加圧力Fを反映したものである。この例でも、図20Aと同様にして、入力検出手段45から得られる入力検出信号S2に対して予め押下判定閾値Fthが設定され、CPU32は、入力検出信号S2の立ち上がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t12に振動パターンPaを発生し、入力検出信号S2の立ち下がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t22に振動パターンPbを発生するようにアクチュエータ振動回路37を制御する。
このようにすると、入力検出手段45が基準押下速度よりも早くボタンアイコン等が押下された場合の加圧力Fを検出し、CPU32等が押下判定閾値Fth<加圧力Fを検出したとき、触覚Aを起動することができる。また、CPU32等が押下判定閾値Fth>加圧力Fを検出したとき、触覚Bを起動することができる。なお、振動パターンPaと振動パターンPbとの間には、無振動の空白期間Tx=T2(T2<T1)が設けられる。
このように、設計時の押下速度よりも早い押下速度である場合であっても、前半で触覚Aが伝わり、クリック感のある荷重に到達させることができ、その後半で、触覚Bが伝わり、クリック感のあるストロークに到達させることができる。この例で押下判定閾値Fth=100[gf]を設定すると、クラシックスイッチの触覚を得ることができる。
続いて、携帯電話機600における情報処理例について説明をする。図22は、第6の実施例に係る携帯電話機600における情報処理例を示すフローチャートである。
この例では、携帯電話機600において、第1〜5の実施例に係る入出力装置100,200,300,400又は500のいずれかを備えると共に、操作者の指30aで当該携帯電話機600の表示画面上の入力操作面を押下操作して情報を入力する場合を前提とする。携帯電話機600には、例えば、同一振動モード内において、操作者の指30a等による加圧力Fをパラメータにして波形を加工する機能(アルゴリズム)が備えられる。CPU32は、入力検出情報D2から加圧力Fを算出し、図20Aに示したような駆動条件a,bに対応して判別を行い、その判別結果で、同一の振動モード内において、いかなる種類の入力に対しても、入力動作中の動きに対応した触覚を発生できるようにした。
これらを情報処理条件にして、CPU32は、図22に示すフローチャートのステップG1で電源オンを待機する。例えば、CPU32は電源オン情報を検出してシステムを起動する。電源オン情報は通常、時計機能等が稼働し、スリーピング状態にある携帯電話機等の電源スイッチをオンされたときに発生する。
そして、ステップG2に移行してCPU32は、アイコン画面を表示するように表示手段29を制御する。例えば、CPU32は、表示手段29に表示データD4を供給して表示画面に入力情報を表示する。表示画面に表示された入力情報は、入力操作面を有した入力検出手段45を通じて目視可能になされる。そして、ステップG3に移行してCPU32は、ボタンアイコン入力モード又はその他の処理モードに基づいて制御を分岐する。ボタンアイコン入力モードとは、ボタンアイコン選択時に入力操作面上のアイコンボタンを押下する入力操作をいう。
ボタンアイコン入力モードが設定された場合、ボタンアイコンが押し込まれるので、ステップG4に移行してCPU32は入力検出情報D2に基づいて加圧力Fを算出する。このとき、力検出手段55a〜55dは、入力操作面における操作者の指30aの押下位置の加圧力Fを検出し、入力検出信号S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は入力検出信号S2をA/D変換し、そのA/D変換後の入力検出情報D2をCPU32に転送する。
そして、ステップG5に移行して、CPU32は加圧力Fと押下判定閾値Fthとを比較し、これらの関係がF>Fthとなるか否かを判別する。これらの関係がF>Fthとなる場合は、ステップG6に移行して触覚Aを起動する。触覚Aは、圧電アクチュエータ25によって、操作者の指30aの加圧力Fに対応した振動パターンPaに基づいて入力操作面を振動することで得られる。
例えば、触覚Aは、図19Aに示した周波数fx、振幅Ax及び回数Nxに関して、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 5 2]の振動パターンで振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる(駆動条件a)。
その後、ステップG7に移行してCPU32は更に加圧力Fを検出する。加圧力Fは、力検出手段55a〜55dによってボタンアイコンの押し込みに続いてボタンアイコンから離れる状態が検出される。このとき、力検出手段55a〜55dは、入力操作面における操作者の指30aの押下位置から離れるときの加圧力Fを検出し、入力検出信号S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は入力検出信号S2をA/D変換し、そのA/D変換後の入力検出情報D2をCPU32に転送する。
そして、ステップG8に移行してCPU32は、加圧力Fと押下判定閾値Fthとを比較し、これらの関係がF<Fthか否かを判別する。これらの関係がF<Fthとなる場合は、触覚Bを起動する。触覚Bは、圧電アクチュエータ25によって、操作者の指30aの加圧力Fに対応した振動パターンPbに基づいて入力操作面を振動することで得られる。そのボタンアイコンが放された触覚Bは、例えば、図19Bに示した第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]の振動パターンで振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の”加圧力”に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる(駆動条件b)。
その後、ステップG10に移行して入力を確定する。このとき、CPU32は、入力操作面で当該押下位置に表示された入力情報を確定する。そして、ステップG12に移行する。なお、ステップG3で他の処理モードが選択された場合は、ステップG11に移行して他の処理モードを実行する。他の処理モードには、電話モードやメール作成、送信表示モード等が含まれる。電話モードには、相手方に電話を発信する操作が含まれる。ボタンアイコンは、電話モード選択時の文字入力項目が含まれる。他の処理モードを実行した後は、ステップG12に移行する。
ステップG12でCPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップG2に戻って、メニュー等のアイコン画面を表示し、上述した処理を繰り返すようになされる。
このように、第6の実施例として携帯電話機600によれば、第1〜5の実施例に係る触覚機能付きの入出力装置100,200,300,400又は500のいずれかが応用され、フィルム状のタッチパネルの入力操作面において、その情報入力操作に応じて、圧電アクチュエータ25、65、75、85等を制御して、その入力操作面を振動するようになされる。
従って、その入力操作面における操作者30の指30a等の押下操作に対して強い触覚を提示できるようになり、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようになる。しかも、入出力装置100,200,300,400又は500の部品点数削減、組み立て簡素化及び小型薄型化が図られることから、触覚入力機能付きの携帯電話機600の低廉化及び小型薄型化を図ることが可能となる。これにより、フィルム状の入力手段24を表示手段29の表示面上に設けた触覚入力機能付きの携帯電話機600を提供することができる。
この発明は予め準備された入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力するとき、操作体に触覚提示をする情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して極めて好適である。
第1の実施例としての入出力装置100の構成例を示す分解斜視図である。
(A)及び(B)は、入出力装置100の構成例を補足する一部破砕の上面図及びそのX1−X1矢視断面図である。
フィルム状圧電体の積層例及びその内部電極層IE1〜IE16の内部結線例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、入出力装置100の組立例(その1)を各々示す断面図である。
(A)及び(B)は、入出力装置100の組立例(その2)を示す上面図及びY1−Y1矢視断面図である。
(A)〜(D)は、入出力装置100の組立例(その3)を示す図である。
入出力装置100の組立例(その4)を示す断面図である。
(A)及び(B)は、第2の実施例としての圧電アクチュエータ65の構成例を示す上面図及び正面図である。
圧電アクチュエータ65を実装した入出力装置200の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、第3の実施例としての圧電アクチュエータ75の構成例を示す上面図及び正面図である。
圧電アクチュエータ75を実装した入出力装置300の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、第4の実施例としての入出力装置400の構成例を示す正面及び側面の断面図である。
(A)及び(B)は、第5の実施例としての圧電アクチュエータ85及びその取付け具80の構造例を示す斜視図である。
圧電アクチュエータ85を実装した入出力装置500の側面の構成例を示す断面図である。
入出力装置500の正面の構成例を示す断面図である。
(A)〜(C)は、圧電アクチュエータ85の取付例を示す工程図である。
第6の実施例としての触覚入力機能付きの携帯電話機600の構成例を示す斜視図である。
触覚入力機能付き携帯電話機600の内部構成例を示すブロック図である。
(A)及び(B)は、触覚A及びBに係る振動パターン例を示す波形図である。
(A)及び(B)は、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その1)を示す図である。
(A)及び(B)は、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その2)を示す図である。
第6の実施例に係る携帯電話機600における情報処理例を示すフローチャートである。
符号の説明
5a〜5d・・・係合爪部(係合部)、6a〜6d・・・係合穴部(被係合部)、10,60・・・下部筐体、11・・・光学シート、12a,12b・・・パッド電極(電源供給電極)、15・・・制御手段、18・・・操作パネル、20,70・・・上部筐体、21・・・受信部、22・・・送信部、24・・・入力手段、25,65,75,85・・・圧電アクチュエータ(圧電体)、29,29’・・・表示手段、32・・・CPU(制御手段)、35・・・記憶手段、37・・・アクチュエータ駆動回路、45・・・入力検出手段、51・・・回転レンジ機構、100,200,300,400,500・・・触覚機能付きの入出力装置、600・・・携帯電話機(電子機器)