本発明は、予め準備された入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力したり、入力操作面をスライドして情報を入力する情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して好適な振動伝達機構、振動波形データ作成方法、触覚機能付き入力装置及び電子機器に関する。
詳しくは、アクチュエータを振動制御信号に基づいて触覚制御する制御手段を備え、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号をアクチュエータに供給するようにして、構造体に対するアクチュエータの組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、一意の振動(触覚)波形パターンで対応できるようにすると共に、最適な周波数範囲の振動波形パターンを含む振動波形データに基づいて入力操作面を振動できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらの携帯端末装置には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。
この種の携帯端末装置に関連して特許文献1には、携帯情報端末及びプログラムが開示されている。この携帯情報端末によれば、端末装置本体に表示部と、本体のほぼ中央にJOGダイヤルとを備える。JOGダイヤルは、表示部とは別の位置に設けられる。このJOGダイヤルは、時計方向又は反時計方向に回転され、この回転に連動して表示部に表示された画像が回転するようになされる。しかも、JOGダイヤルを本体の方向に押下すると、画像範囲を変更するようになされる。このように情報端末を構成すると、より快適に各種の操作を実行できるというものである。つまり、JOGダイヤルは、メカ的な構造を採用することによって、操作者に、表示部において、入力項目を選択する毎に、表示部の変化と同期した触覚を操作者に与えられる。
また、他の触覚入力機能付きの携帯端末装置には、各種方式のタッチパネルと表示部とを合わせた入力機能付表示部を備えたものがある。この種の携帯端末装置によれば、操作者の視覚からみて、表示部の奥行き方向以外の2次元において、アイコン表示位置を直接タッチして入力項目を選択するようになされる。このように、操作者は、表示部に表示される各種アイコン等を直接さわる(入力する、タッチする)等の感覚で、入力操作を行うことができ、目の移動量も、JOGダイヤル方式に比べて少なく、より直接的に入力項目を選択することができるというものである。
図25は操作体が固体(構造体)から受ける触覚の評価例を示す立体評価表図である。図25に示す立体評価表は、固体に与える周波数fx、固体における振幅Ampをパラメータにして、操作者が固体から受けるクリック感(指の振動に関する感度)を多人数評価して得たものである。この例では、触覚性能を定量化するために、基準振動クリック感に対する相対評価採点方法を用いた。基準振動クリック感とは、充分な触覚性能を得られるレベルをいう。X軸は、触覚を与える周波数fx[Hz]であり、0[Hz]〜500[Hz」である。Y軸は触覚測定点の振幅Amp[μm;p−p]である。Z軸はクリック感であり、操作者の指に与える触覚(感度)である。
この例では、周波数fxがどれだけ相違すると、クリック感はどのように変化するかを評価したところ、設計者が意図する周波数Aから50Hz程度前後しても、クリック感(認識性)はさほど変わらないことが見出された。また、振幅Ampがどれだけ変わると、どれだけ認識性が落ちるかを評価したところ、振幅Ampが30μmから10μmに低下すると、認識性が半分以下になることが見出された。この評価結果で、振動振幅と触感性能とはほぼ比例することが得られた。また、振動周波数対触覚性能において、周波数200[Hz]でクリック感にピーク値を持つことが見出された。
図26は従来例に係る固体の振幅Amp対周波数fxの関係例を示す図である。図26において、縦軸は、触覚提示点の振幅Amp[μm;p−p]である。振幅Ampは、例えば、評価対象のタッチパネルや液晶表示パネルの固体中央部で測定した値である。横軸は触覚を与える周波数fx[Hz]である。この例では、周波数fx=0[Hz]〜600[Hz」の振動制御信号を振動手段であるアクチュエータに供給した場合である。図中、菱形の実線は固体のAmp対fx特性であり、周波数fx=140[Hz]において、振幅Amp=132.5[μm]、fx=230[Hz]において、Amp=105.0[μm]、fx=460[Hz]においてAmp=95.0[μm]の各々ピークを有している。
このように、アクチュエータ等により振動させるタッチパネルや液晶表示パネル等の固体は、大きく震えることができる周波数と、小さくしか震えることができない周波数とが存在する。これは、タッチパネルや液晶表示パネル等の固体に組み込む振動伝達機構の固有振動数が異なることによると考えられる。
従って、固体毎に最適な触覚を得ようとした場合に、その固体毎に最適な周波数fを求め、その固体の固有振動数に応じたROMを実装するようになされる。例えば、固有振動数の異なる3つの固体イ、ロ、ハが与えられた場合、当該固体イにアクチュエータを取り付ける。アクチュエータに所望の周波数の電圧を印加する。このとき、周波数を可変して一番触覚が得られる周波数を求める。この周波数の振動波形パターンデータを固体イ用のROMaに格納する。その後、ROMaを固体イの駆動基板に実装する。
また、固体ロについては、当該固体ロにアクチュエータを取り付ける。そのアクチュエータに所望の周波数の電圧を印加する。このとき、周波数を可変して一番触覚が得られる周波数を求める。この周波数の振動波形パターンデータを固体ロ用のROMbに格納する。その後、ROMbを固体ロの駆動基板に実装する。
同様にして、固体ハについては、当該固体ハにアクチュエータを取り付ける。そのアクチュエータに所望の周波数の電圧を印加する。このとき、周波数を可変して一番触覚が得られる周波数を求める。この周波数の振動波形パターンデータを固体ハ用のROMcに格納する。その後、ROMcを固体ハの駆動基板に実装するようになされる。
特開2003−256120号公報(第2乃至3頁 第1図)
ところで、従来例に係る触覚入力機能付きの情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等の電子機器によれば、以下のような問題がある。
i.特許文献1に見られるような表示部とJOGダイヤルとが分離配置された携帯情報端末によれば、機械的な構造が発生せしめる単一の触覚のみしか与えることができず、操作者に採って、インパクトのある触覚となっていないのが現状である。
ii.また、各種方式のタッチパネルと表示部とを合わせた入力機能付きの携帯端末装置によれば、固体へのアクチュエータの組み立てに依存して、表示部でアイコンを選択した際に、その選択と同期した触覚を操作者に与えることができないおそれがある。これは、触覚(振動)を発生させる機械的な固体が、複数の部品から成り立っており、その固体は、固有周波数を有し、大きな振幅が得られる周波数帯と小さな振幅しか得られない周波数帯が存在するためである。
iii.振動伝達機構の組み立てにばらつきが生じた場合に、同一の構造体であっても、周波数特性が変化する。因みに振幅が落ちるとそのまま触覚感度が落ちる原因となる。これは同一の出力振動を与えた場合においても、個々の製品によって得られる振幅(触覚の強弱に非常に影響するもの)が異なり、品質を維持することが非常に困難となる。換言すると、触覚を伝える部品には機械的な構造から周波数に関して得意、不得意があり、その組み立てによって、その得意不得意が変化する。従って、同じ周波数を与えていたのでは、個々の製品で、所望の振幅が得られないものが大量に発生し、触覚品質を保証できなくなるおそれがある。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、構造体への振動手段の組み立てばらつきに対して一意の振動波形パターンで対応できるようにすると共に、最適な周波数範囲の振動波形パターンを含む振動波形データに基づいて構造体を振動できるようにした振動伝達機構、振動波形データ作成方法、触覚機能付き入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題は、構造体に取り付けられ、当該構造体を振動する振動手段と、この振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御する制御手段とを備え、制御手段は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号を振動手段に供給することを特徴とする振動伝達機構によって解決される。
本発明に係る振動伝達機構によれば、制御手段から振動手段に供給される振動制御信号は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせたものである。これを前提にして、制御手段は、例えば、構造体に取り付けられた振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御をする。従って、最適な周波数の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動波形データに基づいて構造体を振動させることができる。
本発明に係る振動波形データ作成方法は、構造体に触れた操作体に触覚を与えるための振動波形データを作成する方法であって、構造体に振動手段を取り付ける工程と、構造体に取り付けられた振動手段に所望の周波数の電圧を印加すると共に、当該周波数を可変して最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを求める工程と、最適な周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせる工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る振動波形データ作成方法によれば、構造体に触れた操作体に触覚を与えるための振動波形データを作成する場合に、最適な周波数の振動波形パターンに、前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動波形データを作成することができる。しかも、異なる構造体(製品)間で振動波形パターンを共通化できるので、設計期間の短縮及びサービスコストの削減をすることができる。
本発明に係る触覚機能付き入力装置は、表示画面に表示されたアイコンに接触して画面入力操作される触覚機能付き入力装置であって、アイコンを表示する表示手段と、この表示手段に表示されたアイコンに接触した操作体の接触位置を検出する検出手段と、この検出手段から得られる位置情報に基づいて表示手段を振動する振動伝達機構とを備え、この振動伝達機構は、振動手段と、この振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御をする制御手段とを有し、この制御手段は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号を振動手段に供給することを特徴とするものである。
本発明に係る触覚機能付き入力装置によれば、本発明に係る振動伝達機構が応用される。表示画面に表示されたアイコンに接触して画面入力操作をする場合に、表示手段は、アイコンを表示する。検出手段は、表示手段に表示されたアイコンに接触した操作体の接触位置を検出する。振動伝達機構は、検出手段から得られる位置情報に基づいて表示手段を振動するようになされる。
このとき、振動伝達機構では、制御手段から振動手段へ供給される振動制御信号は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせたものである。これを前提にして、制御手段が、振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御をする。振動手段は、制御手段による触覚制御に基づいて最適な周波数の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動波形データにより、表示手段を収容した構造体を振動するようになる。従って、表示画面に表示されたアイコンに接触した操作体に対して最適な触覚を付与することができる。
本発明に係る電子機器は、表示画面に表示されたアイコンに接触して画面入力操作される触覚機能付き入力装置を有した電子機器であって、触覚機能付き入力装置は、アイコンを表示する表示手段と、この表示手段に表示されたアイコンに接触した操作体の接触位置を検出する検出手段と、この検出手段から得られる位置情報に基づいて表示手段を振動する振動伝達機構とを備え、この振動伝達機構は、振動手段と、この振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御をする制御手段とを有し、制御手段は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号を振動手段に供給することを特徴とするものである。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る触覚機能付き入力装置が応用され、表示画面に表示されたアイコンに接触して画面入力操作をする場合に、表示手段は、アイコンを表示する。検出手段は、表示手段に表示されたアイコンに接触した操作体の接触位置を検出する。触覚機能付き入力装置の振動伝達機構は、検出手段から得られる位置情報に基づいて表示手段を振動するようになされる。
このとき、振動伝達機構では、制御手段から振動手段へ供給される振動制御信号は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせたものである。これを前提にして、制御手段が、振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御をする。振動手段は、制御手段による触覚制御に基づいて最適な周波数の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動波形データにより、表示手段を収容した構造体を振動するようになる。従って、表示画面に表示されたアイコンに接触した操作体に対して最適な触覚を付与することができる。
本発明に係る振動伝達機構によれば、振動手段を振動制御信号に基づいて触覚制御する制御手段を備え、この制御手段から振動手段へ供給される振動制御信号は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせたものである。
この構成によって、最適な周波数の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動制御信号に基づいて構造体を振動させることができる。従って、構造体に対する振動手段の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、一意の振動(触覚)波形パターンで対応できるため、均一な触覚を付与することができる。しかも、量産における触覚品質の安定化を図ることができる。
本発明に係る振動波形データ作成方法によれば、構造体に触れた操作体に触覚を与えるための振動波形データを作成する場合に、最適な周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせるようになされる。
この構成によって、最適な周波数の振動波形パターンに、前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動波形データを作成することができる。しかも、異なる構造体(製品)間で振動波形パターンを共通化できるので、設計期間の短縮及びサービスコストの削減をすることができる。
本発明に係る触覚機能付き入力装置によれば、本発明に係る振動伝達機構が応用されるので、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号に基づいて表示手段を収容した構造体を振動させることができる。
この構成によって、表示画面に表示されたアイコンに接触した操作体に対して最適な触覚を付与することができる。従って、構造体に対する振動手段の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、最適な触覚を伴った画面入力操作することができる。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入出力装置が応用されるので、最適な周波数の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲内の振動波形パターンを含む振動波形データに基づいて表示手段を収容した構造体を振動させることができる。
この構成によって、表示画面に表示されたアイコンに接触した操作体に対して最適な触覚を付与することができる。従って、構造体に対する振動手段の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、最適な触覚を伴った画面入力操作することができる。
続いて、この発明に係る振動伝達機構、振動波形データ作成方法、触覚機能付き入力装置及び電子機器の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、本発明に係る第1の実施例としての振動伝達機構50を応用した触覚機能付き入力装置90の構成例を示す組み立て斜視図である。
図1に示す触覚機能付き入力装置90は、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のアイコンの1つに接触して当該表示画面上で入力操作されるものである。入力装置90は、長さがLcm程度で、幅がWcm程度の大きさの入力手段24と、同等の大きさの第1のフレーム1と、同等の大きさの液晶表示ディスプレイから成る表示手段29と、この表示手段29を収納する大きさの第2のフレーム7とが積層されて構成される。フレーム7は表示手段抜け止め加工がなされており、フレーム1及び7は構造体(筐体)を構成する。
フレーム7は、厚さ0.3mm程度のステンレスの枠体から構成され、表示手段29を保護するようになされる。フレーム7内には、表示手段29が収納され、入力手段24から得られる位置情報に基づいてアイコンを表示するように動作する。フレーム7に収納された表示手段29上には、フレーム1が配置される。フレーム1も、厚さ0.3mm程度のステンレスの枠体から構成され、その両側二辺には、振動手段取付用の橋架付きの開口部8a,8bが設けられている。
この開口部8aには、振動手段の一例となるアクチュエータ25aが取り付けられ、振動制御信号Saに基づいて表示画面(入力操作面)を振動するようになされる。アクチュエータ25aは、開口部8aの橋架部位上に固定部材4a,5aを介して取り付けられる。同様にして、開口部8bにはアクチュエータ25bが取り付けられ、振動制御信号Sbに基づいて表示画面(入力操作面)を振動するようになされる。アクチュエータ25bは、開口部8bの橋架部位上に固定部材4b,5bを介して取り付けられる。
振動制御信号Sa及びSbは、表示手段29に表示されたアイコンの1つに操作者が接触(タッチ)すると、アクチュエータ25aに供給される。アクチュエータ25a,25bには、大きさ幅=3mm×長さ=30mm程度で厚みが0.8mm程度の圧電素子が使用される。固定部材4a,5aや4b,5b等には、弾性率の低い材料(例えば、NITTO製5713等)から構成される。
この例で、フレーム1の開口部8a,8bが設けられていない他の二辺には、長方形状のサポータ2a、2bが設けられ、その四隅には、正方形状のサポータ3a〜3dが各々設けられている。サポータ2a、2b、3a、3b、3c及び3dには、発泡ゴムやKGゲル等が使用される。サポータ2a、2b、3a、3b、3c及び3d上には、入力手段24が配置されている。入力手段24は、アクチュエータ25aのほぼ中央部位上に設けられた連結部材6aを介して接続され、かつ、アクチュエータ25bのほぼ中央部位上に設けられた連結部材6bを介して接続される。
この例で、アクチュエータ25a及び連結部材6aと、アクチュエータ25b及び連結部材6bとは、振動伝達機構50を構成し、アクチュエータ25a及び25bで発生した振動を入力手段24に伝播するようになされる。入力手段24は検出手段の一例を構成し、アイコンの選択接触位置を検出して位置検出情報を出力するようになされる。
位置検出情報には位置情報及び入力量(力)が含まれる。位置情報はアイコン接触時の位置検出信号S1により得られ、入力量(力)は同アイコン接触時の入力検出信号S2から得られる。入力手段24には入力操作面の大きさがW=64mm×L=88mmで厚みが1.0mm程度のタッチパネルが使用される。タッチパネルは静電容量方式の入力デバイスであり、蓄積電極となる透明電極をマトリクス状に配置した静電容量シートを有している。
図2は、振動伝達機構50の構成例を示す拡大斜視図である。図2に示す振動伝達機構50はアクチュエータ25aの周辺を示しており、フレーム1、固定部材5a、連結部材6a及びアクチュエータ25aを有して構成される。フレーム1は例えば、幅4mm程度で、断面C型(チャンネル)のステンレス部材を枠型に折り曲げ加工して形成される。このフレーム1の所定部位には、例えば、幅3mm程度で長さ30mm程度の開口部8aが設けられる。開口部8aの所定の位置には橋架部9a、9b(図示せず)が設けられる。アクチュエータ25bも同様にして構成される。
アクチュエータ25aは、開口部8aの橋架部9a、9b上に固定部材4a,5aを介して取り付けられる。アクチュエータ25a等には、大きさ幅=3mm×長さ=30mm程度で厚みが0.8mm程度の圧電素子が使用される。アクチュエータ25aのほぼ中央部位上には、連結部材6aが取り付けられる。これはアクチュエータ25aと入力手段24とを連結部材6aを介して接続するためである。この振動伝達機構50では、アクチュエータ25aで発生した振動が連結部材6aを介して入力手段24に伝播するようになされる。
図3は、振動伝達機構50における制御系の構成例を示すブロック図である。図3に示す振動伝達機構50のアクチュエータ25aには制御手段15が接続される。アクチュエータ25aには制御手段15から振動制御信号Saが供給される。図示しないアクチュエータ25bには同様にして振動制御信号Sbが供給される。振動制御信号Sa及びSbは、複数の振動波形パターンを発生するための信号である。
制御手段15は、アクチュエータ25aに振動制御信号Saを供給して当該アクチュエータ25aを触覚制御するように動作する。例えば、制御手段15は、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号Saをアクチュエータ25a等に供給する。
この例で、制御手段15には記憶手段35が接続される。記憶手段35には、振動波形データDaが格納される。振動波形データDaは、フレーム1等の構造体に取り付けられたアクチュエータ25aに所望の周波数の電圧を印加すると共に、当該周波数を可変して最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを求める工程と、最適な周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせる工程とを経て作成されたものである。
例えば、第1の電子機器を構成する構造体(固体I)を振動させて触覚を得る場合に、当該固体Iにアクチュエータ25a等を取り付ける。このアクチュエータ25a等に所望の周波数fxの電圧を印加する。このとき、周波数fxを可変して一番触覚が得られる周波数faを求める。また、第2の電子機器を構成する構造体(固体II)を振動させて触覚を得る場合に、当該固体IIにアクチュエータ25a等を取り付ける。このアクチュエータ25a等に所望の周波数fxの電圧を印加する。このとき、周波数fxを可変して一番触覚が得られる周波数fbを求める。
同様にして、第3の電子機器を構成する構造体(固体III)を振動させて触覚を得る場合に、当該固体IIIにアクチュエータ25a等を取り付ける。このアクチュエータ25a等に所望の周波数fxの電圧を印加する。このとき、周波数fxを可変して一番触覚が得られる周波数fcを求める。上述の周波数fa,fb,fcの振動波形パターンを合成した振動波形パターンデータをROM等の記憶手段35に格納する。
この記憶手段35を各々の電子機器を成す固体I〜IIIの各々の駆動基板に実装するようになされる。このようにすると、アクチュエータ25aの例えば、100Hz程度の周波数特性の変化に対して、一意の振動(触覚)波形パターンで対応することが可能となる。従って、異なる電子機器の構造体間で振動波形パターンを共通化できるようになる。
この例で、最適な振動波形パターンの周波数をAとし、周波数Aの振動波形パターンを含む前後の振動波形パターンの周波数変動幅を±αとしたとき、周波数範囲A±αの振動波形データDaが記憶手段35に格納される。記憶手段35は、携帯電話機やデジタルカメラ等の電子機器に装備され、記憶手段35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。振動波形データDaは、携帯電話機やデジタルカメラ等において、例えば、アイコン操作入力モードやスライドモード等に関連した”X”などとソフトウエア上で関連付けておき、必要に応じて、入力装置90のドライバ回路等がソフトウエア言語上の”X”というキャラクタを読み出すようにして使用される。
続いて、本発明に係る振動波形データDaの作成方法について説明をする。
この実施例では、図1に示した触覚機能付き入力装置90の入力手段24に触れた操作者の指に触覚を与えるための振動波形データDaを作成する場合を前提とする。
この例では、図1に示したフレーム1にアクチュエータ25aを取り付ける工程と、フレーム1に取り付けられたアクチュエータ25aに所望の周波数の電圧を印加する当該周波数fxを可変して最適な触覚が得られる周波数Aの振動波形パターンを求める工程と、最適な周波数Aの振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせる工程とを有する。
この例で、最適な振動波形パターンの周波数をAとし、周波数Aの振動波形パターンを含む前後の振動波形パターンの周波数変動幅を±αとしたとき、周波数範囲A±αの振動波形データDaを作成する場合を例に挙げる。この周波数範囲A±αは、設計者が意図する周波数帯である。
これらをデータ作成条件にして、最適な周波数A[Hz]の振動波形パターンの、ある波形要素において、その波形要素の周波数A[Hz]の繰り返し数(振動回数)をB[回]、及び、アクチュエータ25aの周波数特性における周波数バラツキ幅をC[Hz]としたとき、n回目(n=1,2,3,4,5・・・B−1,B)の繰り返しにおいて発生させる周波数fxは、(1)式、すなわち、
fx=A−(C/2)+C(n−1)/(B−1)・・・・(1)
により示される。但し、A>Cで、かつ、Bが2以上の自然数であり、B=1のときは、周波数fxはAのままとなされる。
例えば、最適な振動波形パターンの周波数がA=100[Hz]で、その繰り返し数がB=10[回]で、周波数バラツキ幅がC=10[Hz]の場合、n回目(n=1,2,3,4,5・・・B−1,B)の繰り返しにおいて発生させる各々の周波数fx[Hz]は、
n=1のとき、
fx=100−5=95[Hz]、
n=2のとき、
fx=100−5+10(9)=95+1.1=96.1[Hz]、
n=3のとき、
fx=100−5+10(2/9)=95+2.2=97.2[Hz]、
n=4のとき、
fx=100−5+10(3/9)=95+3.3=98.3[Hz]、
n=5のとき、
fx=100−5+10(4/9)=95+4.4=99.4[Hz]、
n=6のとき、
fx=100−5+10(5/9)=95+5.5=100.5[Hz]、
n=7のとき、
fx=100−5+10(6/9)=95+6.6=101.6[Hz]、
n=8のとき、
fx=100−5+10(7/9)=95+7.7=102.7[Hz]、
n=9のとき、
fx=100−5+10(8/9)=95+8.8=103.8[Hz]、
n=10のとき、
fx=100−5+10(9/9)=95+10=105[Hz]
となる。
なお、触覚波形は、複数の波形要素から構成されるが、ここに波形要素とは、従来の触覚波形において、連続して同一の周波数を複数回繰り返す波形パターンをいう。また、周波数バラツキ幅Cとは、振動面の機械的な組み込みバラツキから生ずる周波数特性のバラツキ幅をX[Hz]とし、設計上の安全率をD(無次元;1以上の正数)としたとき、C=DXで決定(定義)される周波数変動幅をいう。
周波数バラツキ幅Cは、対象となる製品の筐体構造により変動(増減)する。すなわち、製品の筐体構造ごとに周波数特性のバラツキ精度は変化する。例えば、わかりやすい例を挙げると、電子機器の筐体系を構成する部品点数が多ければ、多いほど周波数バラツキ幅Cは大きくなる。周波数バラツキ幅Cは、余り大きくしすぎると、触覚波形設計上、波形の持つ触覚(イメージ)自体が変化してしまう。従って、周波数バラツキ幅Cはできるだけ小さいほうが望ましい。
図4A〜Dは、固体I(又はII)の振動伝達比較時のパネル構造例を示す図である。
図4Aに示す固体I(又はII)は、振動伝達比較例に供されるパネル24’であり、長さがL=94mm程度で、幅がW=60mm程度で厚みが1.5mm程度の大きさを有している。パネル24’の左側には、アクチュエータ25a,25cが設けられ、その右側には、アクチュエータ25b,25dが各々設けられ、その上部にはサポート部材51a,51bが設けられ、その下部には、サポート部材51c,51dが各々設けられる。
パネル24’は、図4Bに示すような平坦な基台300上に載置される。パネル24’は、サポート部材51a〜51dによって基台にしっかりとサポートされる。アクチュエータ25a等は、図4Cに示すように固定部材4’と連結部材6’との間に挟まれて設けられる。固定部材4’には厚み0.3mm程度のNITTO製のNo5713が使用される。連結部材6’には厚み0.25mm程度のNITTO製のNo7642が使用される。連結部材6’は、PETフィルムをNo.i7642で挟んだ3層構造を有している。
これらのパネル24’を2組準備し、この2組のパネル24’の各々を固体I及びIIとする。この2組のパネル24’から成る固体I及びIIは、同じ設計条件で作成しているが、周波数特性が異なるものである。周波数特性が異なる原因は、アクチュエータ25a、25b、25c、25d、パネル24’及びサポート部材51a〜51d等の組み立てによって生じる振動伝達機構50の固有振動数のばらつきと考えられる。
図5は、固体I及びIIの周波数特性例を示す図である。図5において、縦軸は振幅Amp[μmp−p]である。振幅Ampは、例えば、パネル中央部で測定した値である。横軸は周波数fx[Hz]である。この例では、周波数fx=0[Hz]〜600[Hz」の振動制御信号をアクチュエータ25a〜25dに供給した場合である。図中、菱形の実線は固体Iの周波数特性であり、周波数fx=140[Hz]において、振幅Amp=132.5[μm]、fx=230[Hz]において、Amp=105.0[μm]、fx=460[Hz]においてAmp=95.0[μm]の各々ピークを有している。
一方、四角形の実線は固体IIの周波数特性であり、周波数fx=150[Hz]において、振幅Amp=132.5[μm]、fx=240[Hz]において、Amp=105.0[μm]、fx=470[Hz]において、Amp=95.0[μm]の各々ピークを有している。このように、同じ設計条件で固体I及びIIを作成しているが、周波数特性がわずかに異なっている。
図6A〜Cは、従来方式に係る固体I及びIIの周波数特性例を示す図である。図6A及びBに示す波形は、単発(単一)の周波数fx=140Hzに基づく振動波形データDaで、固体Iと固体IIの各々のアクチュエータ25a〜25dを駆動した場合である。
固体Iでは、単波Ia,Ib,Ic,Id,Ieのいずれもが振幅α=132.5[μm]である。これに対して、固体IIでは、単波IIa,IIb,IIc,IId,IIeのいずれもが振幅α=80[μm]である。このように、同じ設計条件で固体I及びIIを作成しているが、各々の周波数特性を比較すると、最大振幅量で40%減少していることが分かる。これは、固体Iと固体IIで触覚効果を比較すると、固体IIが40%減少することを意味している。本発明では、このような現象を是正するような工夫がなされる。
図7A〜Cは、本発明方式に係る固体I’及びII’の周波数特性例を示す図である。図7A及びBに示す波形は触覚を発生する出力波形であり、先に示した(1)式に基づく振動波形パターンである。この例で、人が感じる触覚は、周波数50Hz以上500Hz以下が適しており、意図した周波数Aの±20Hzの波形を組み合わせて振動波形パターンを発生させている。具体的には、周波数範囲A±α=140±20[Hz]の振動波形データDaで、固体I’と固体II’の各々のアクチュエータ25a〜25dを駆動した場合である。周波数fxは、先述の(1)式に、周波数A=140[Hz]、回数B=5[回]及び周波数バラツキ幅C=40[Hz]を代入して演算される。
固体I’では、単波Ia’が周波数fx=120[Hz]で振幅Amp=51.6[μm]である。単波Ib’はfx=130[Hz]でAmp=80.0[μm]である。単波Ic’はfx=140[Hz]でAmp=132.5[μm]である。単波Id’はfx=150[Hz]でAmp=103.3[μm]である。単波Ie’はfx=160[Hz]でAmp=75.8[μm]である。
これに対して、固体II’では、単波IIa’が周波数fx=120[Hz]で振幅Amp=34.1[μm]である。単波IIb’はfx=130[Hz]でAmp=51.6[μm]である。単波IIc’はfx=140[Hz]でAmp=80.0[μm]である。単波IId’はfx=150[Hz]でAmp=132.5[μm]である。単波IIe’はfx=160[Hz]でAmp=103.3[μm]である。
本発明方式によれば、固体I’の単波Ic’である周波数fx=140[Hz]のときの振幅Amp=132.5[μm]と、固体II’の単波IId’である周波数fx=150[Hz]のときの振幅Amp=132.5[μm]とが一致する。このように周波数範囲140±20[Hz]の振動波形データDaで固体I’と固体II’の各々のアクチュエータ25a〜25dを駆動しているので、振動伝達機構50の固有振動数のばらつきにより各々の周波数特性が異なった場合でも、アクチュエータ25a、25b、25c、25d、パネル24’及び他の部品の組み立てによって発生する触覚の強弱を吸収できるようになる。これにより、最大振幅量が減少すること無しに、安定した触覚効果を得ることができる。
このように、第1の実施例としての振動伝達機構50を応用した触覚機能付きの入力装置90によれば、制御手段15からアクチュエータ25a、25b等へ供給される振動制御信号Sa,Sbは、予め設定された最適な触覚が得られる周波数Aの振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲A±α内の振動波形パターンを組み合わせたものである。これを前提にして、制御手段15は、フレーム1等の筐体に取り付けられたアクチュエータ25a、25bに振動制御信号Sa、Sbを供給して当該アクチュエータ25a、25b等を触覚制御する。アクチュエータ25a、25bは、制御手段15による触覚制御に基づいて入力手段24等を振動するようになる。
従って、最適な周波数Aの振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲A±α内の振動波形パターンを含む振動波形データDaに基づいて入力手段24等の筐体を振動させることができる。しかも、入力手段24に対するアクチュエータ25a、25b等の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、周波数範囲A±αの一意の振動(触覚)波形パターンで対応できるため、均一な触覚を得ることができる。例えば、本発明方式では、アクチュエータ25a等の約100Hz程度の周波数特性の変化に対して一意の振動(触覚)波形パターンで対応することが可能となる。これにより、触覚機能付きの入力装置90を応用した電子機器の量産における触覚品質の安定化を図ることができる。
また、本発明に係る振動波形データ作成方法によれば、パネル24’等に触れた操作者の指等に触覚を与えるための振動波形データDaを作成する場合に、最適な周波数Aの振動波形パターンに、前後の周波数範囲A±α内の振動波形パターンを含む振動波形データDaを作成することができる。しかも、振動伝達機構50の固有振動数が異なる筐体(製品)間で振動波形パターンを共通化できるので、設計期間の短縮及びサービスコストの削減をすることができる。
この他に、次のような効果がある。従来方式に比べて、製造設備の高精度化や組み立て後の微調整等が大幅に低減される。本発明方式では、振動波形データDaを簡単に作成することができる。従って、製品を安く、かつ、製品を早く作製できるようになる。しかも、量産商品において、ユーザが振動(触覚)波形を自由にカスタマイズ(ダウンロードしたり、各種入力機能に好みの触覚を選択する)することができ、環境を考慮した場合、振動波形パターンを共通化することで、振動波形パターンを提供するサービス内容が簡素化でき、サービスコストの削減及びサービス・ロス・タイムの短縮が可能となる。
図8は本発明に係る第2の実施例としての触覚入力機能付き携帯電話機100の構成例を示す斜視図である。
この実施例では、触覚機能付きの入力装置90を備えた携帯電話機100を構成し、表示画面に表示されたアイコンに接触した操作者の指に対して最適な触覚を付与できるようにすると共に、筐体に対するアクチュエータ25a等の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、最適な触覚を伴った画面入力操作できるようにした。この例では、振動(触覚)波形の成分の中で、同一の周波数Aの波形を複数回繰り返すような部分に対して、周波数Aの±20[Hz]程度の“誤差範囲内の周波数成分を組み合わせ発生させるようにした。
図8に示す携帯電話機100は電子機器の一例であり、触覚機能付きの入力装置90を有している。この入力装置90は、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のアイコンの1つに接触して当該表示画面上で入力操作されるものである。
この例で、携帯電話機100は下部筐体10及び上部筐体20を備え、これらの筐体10及び20間は、回転レンジ機構11によって可動自在に係合されている。この回転レンジ機構によれば、下部筐体10の操作面の一端に設けられた図示しない軸部と、下部筐体10の裏面の一端に設けられた図示しない軸受け部とが回転自在に係合され、上部筐体20は下部筐体10に対して角度±180°の回転自由度を有して面結合されている。上部筐体20の内部には、入力手段24及び表示手段29が収容される。上部筐体内において、入力手段24と表示手段29との間には、図示しない振動伝達機構50が設けられる。
下部筐体10には、複数の押しボタンスイッチ12から成る操作パネル18が設けられる。押しボタンスイッチ12は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。下部筐体10において、操作パネル面の下方には、通話用のマイクロフォン13が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。
また、下部筐体10の下端部には、モジュール型のアンテナ16が取り付けられ、その上端内部側面には、大音響用のスピーカー36aが設けられ、着信メロディ等を放音するようになされる。下部筐体10には、バッテリー16や回路基板17等が設けられ、下部筐体10の裏面にはカメラ34が取り付けられている。
上述の下部筐体10に対して、回転レンジ機構11によって可動自在に係合された上部筐体20には、その表面の上方に通話用のスピーカー36bが取り付けられ、受話器として機能するようになされる。上部筐体20のスピーカー取り付け面の下方には、触覚機能付きの入力装置90が設けられる。入力装置90は、入力手段24、表示手段29及び図示しない振動伝達機構50から構成される。
表示手段29にはアイコンが表示される。入力手段24は検出手段を構成し、表示手段29に表示されたアイコンに接触した操作者の指の接触位置を検出するように動作する。振動伝達機構50は、入力手段24から得られる位置情報に基づいて表示手段29を振動するように動作する。入力装置90には第1の実施例で説明したものが使用される(図1〜図3参照)。
次に、触覚入力機能付きの携帯電話機100の内部構成例及び感触フィードバック入力方法について説明をする。図9は、触覚入力機能付き携帯電話機100の内部構成例を示すブロック図である。
図9に示す携帯電話機100は、下部筐体10の回路基板17に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図8に示した各部及び手段と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機100は、制御手段15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、入力手段24、アクチュエータ25a〜25d、表示手段29、電源ユニット33、カメラ34及び記憶手段35を有している。
入力手段24は検出手段の一例を構成し、アイコンの選択接触位置を検出して位置検出情報を出力するようになされる。位置検出情報には位置情報及び入力量(力)が含まれる。位置情報はアイコン接触時の位置検出信号S1により得られ、入力量(力)は同アイコン接触時の入力検出信号S2から得られる。入力手段24は、図1では静電容量方式の入力デバイスを説明したが、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良く、例えば、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置情報と力情報を制御手段15に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。上述の入力手段24は操作者30の指30aを介して少なくとも位置検出信号S1および入力量(押圧力)となる入力検出信号S2が入力される。
制御手段15は、A/Dドライバ31、CPU32、画像処理部26及びアクチュエータ駆動回路37を有している。A/Dドライバ31には、入力手段24からの位置検出信号S1および入力検出信号S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置情報D1または入力検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
この例でA/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32には記憶手段35が接続されている。記憶手段35には、振動波形データDaが格納される。振動波形データDaは、上部筐体20に取り付けられたアクチュエータ25a、25b、25c、25d等に所望の周波数fxの電圧を印加すると共に、当該周波数fxを可変して最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを求める工程と、最適な周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせる工程とを経て作成されたものである。
この例では、最適な振動波形パターンの周波数をAとし、周波数Aの振動波形パターンを含む前後の振動波形パターンの周波数変動幅を±α(C=2α)としたとき、周波数範囲A±αの振動波形データDaが記憶手段35に格納される。振動波形データDaには、複数の具体的な振動波形パターン及び具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。振動波形パターンは、表示手段29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる。アルゴリズムは、アプリケーション毎に準備される。
CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。上述の記憶手段35には振動波形データDaの他に、当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶手段35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの入力データD1〜D3を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶手段35、アクチュエータ駆動部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部2へ送信データを転送するように制御する。
CPU32には、アクチュエータ駆動部37が接続される。このアクチュエータ駆動回路37には、振動手段の一例となるアクチュエータ25a、25b、25c、25dが接続され、振動制御信号Sa、Sb、Sc、Sdに基づいて表示画面(入力操作面)を振動するようになされる。
この例でCPU32は、アクチュエータ駆動回路37に振動波形データDaを供給して当該アクチュエータ25aを触覚制御する。この例でCPU32は、入力手段24から出力される位置検出情報に基づいて表示手段29の表示制御及びアクチュエータ25a〜25dの出力制御をする。例えば、CPU32は、入力手段24から得られる位置検出信号S1及び入力検出信号S2に基づいて記憶手段35から振動波形データDaを読み出し、アクチュエータ25a〜25dに振動制御信号Sa〜Sdを供給し、表示データD4に対応した振動モードを発生するように制御する。CPU32は、表示画面中のアイコンを奥行き方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示手段29の表示制御を実行する。
アクチュエータ駆動回路37は、CPU32からの振動波形データDaに基づいて振動制御信号Sa〜Sdを発生する。振動制御信号Sa〜Sdは、正弦波形からなる単波を組み合わせた合成波形(W1,W2,W3・・・)を有している。アクチュエータ駆動回路37は、例えば、予め設定された最適な触覚が得られる周波数の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲内の振動波形パターンを組み合わせた振動制御信号Saをアクチュエータ25aに供給する。同様にして、振動制御信号Sbをアクチュエータ25bに供給し、振動制御信号Scをアクチュエータ25cに供給し、振動制御信号Sdをアクチュエータ25dに各々供給する。
アクチュエータ25a〜25dは、予め準備された複数の表示画面の内容及び当該表示画面中のアイコン毎に異なった触覚を与える複数の振動パターンを発生する。このようにすると、各種アイコンを選択するたびに違った振動モードを触感でき、操作者に対して表示内容や、その種類等を振動パターンの種類によって知らしめることができる。
CPU32にはアクチュエータ駆動部37の他に画像処理部26が接続され、アイコンを3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示手段29に供給するようになされる。
操作者(ユーザ)30は指30aに振動を受けて触感としてCPU32からの機能毎の振動を感じる。また表示手段29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36a、36b等からの放音は、操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示手段29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図9に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には大音響用及び受話器を構成するスピーカー36a、36bが接続される。スピーカー36aは、着呼時、着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sinを入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。この映像&音声処理部44にはスピーカー36a、36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン13が接続され、操作者の声を集音して音声信号Soutを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。電源ユニット33は、バッテリー14を有しており、制御手段15、操作パネル18、受信部21、送信部22、入力手段24、アクチュエータ25a〜25d、表示手段29、カメラ34及び記憶手段35にDC電源を供給するようになされる。
このように、触覚入力機能付きの携帯電話機100によれば、表示手段29と操作者の視覚からみて、奥行き方向以外の2次元において、操作者がタッチしたアイコンの位置情報を直接入力することができ、かつ、操作者のスライド入力操作に応じて、表示手段29が振動する構成とすることができる。
図10は、アクチュエータ25a〜25dによって与えられるスライド入力操作時の最適な触覚波形例を示す図である。
この例では、アイコンが表示画面の奥から手前に近づくに従って、表示画面を低周波数かつ小振幅の振動から、高周波数かつ大振幅の振動を発生するようにアクチュエータ25a〜25dを出力制御する。例えば、CPU32は、アイコンが表示画面の奥から手前に近づくに従って、表示画面を周波数50Hz乃至100Hz程度であって、振幅5μm乃至20μm程度の小さい振動から、周波数180Hz乃至500Hz程度であって、振幅15μm乃至50μm程度の大きな振動を発生するようにアクチュエータ25a〜25dを出力制御する。
図10に示す触覚波形は、単波Ia+Ib+Ic+Id+Ieから構成される。この触覚波形によれば、波形要素の単波Iaは、周波数fxが50[Hz]で、振幅Ampが10[μm]で、振動回数Bが1[回]である。単波Ibは、fxが100[Hz]で、Ampが20[μm]で、Bが2[回]である。単波Icは、fxが200[Hz]で、Ampが30[μm]で、Bが4[回]である。単波Idは、fxが400[Hz]で、Ampが40[μm]で、Bが8[回]である。単波Ieは、fxが500[Hz]で、Ampが50[μm]で、Bが10[回]である。この例では、スライド入力操作時の触覚波形に関して、本発明方式の(1)式による周波数範囲A±αを導入するようにした。つまり、振動伝達機構50の組み立てバラツキを周波数変動させた振動制御信号Sa等をアクチュエータ25a等に供給することでカバーするようになされる。
図11は、図10に示した触覚波形を周波数変動させるための振動波形データDaの内容例を示す表図である。
図10に示した触覚波形において、波形要素の単波Iaに関しては、周波数fxが50[Hz]で、振幅Ampが10[μm]で、振動回数Bが1[回]であり、従来方式と同じ値となる。単波Ibは、周波数範囲A±α=100±20[Hz]を導入すると、周波数Aが100[Hz]で、振動回数Bが2[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。周波数fxは、先述の(1)式に、周波数A、回数B及び周波数バラツキ幅Cを代入して演算される。
従って、周波数A=100[Hz]については、(1)式により、fxが80[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]及びfxが120[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]を各々成す振動波形データDaが予め作成されて、記憶手段35に格納される。
単波Icは、周波数範囲A±α=200±20[Hz]を導入すると、周波数Aが200[Hz]で、振動回数Bが4[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。
従って、周波数A=200[Hz]については、(1)式により、
fxが180.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが193.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが220.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]及び
fxが224.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]を各々成す振動波形データDaが予め作成されて、記憶手段35に格納される。
単波Idは、周波数範囲A±α=400±20[Hz]を導入すると、周波数Aが400[Hz]で、振動回数Bが8[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。
従って、周波数A=400[Hz]については、(1)式により、
fxが380.0[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]、
fxが385.7[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]、
fxが391.4[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]、
fxが397.1[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]、
fxが402.8[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]、
fxが408.5[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]、
fxが414.3[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]及び
fxが420.0[Hz]でAmpが40[μm]で回数=1[回]を各々成す振動波形データDaが予め作成されて、記憶手段35に格納される。
単波Ieは、周波数範囲A±α=500±20[Hz]を導入すると、周波数Aが500[Hz]で、振動回数Bが10[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。
従って、周波数A=500[Hz]については、(1)式により、
fxが480.0[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが484.4[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが488.8[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが493.3[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが497.7[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが502.2[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが506.6[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが511.1[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]、
fxが515.5[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]及び
fxが520.0[Hz]でAmpが50[μm]で回数=1[回]を各々成す振動波形データDaが予め作成されて記憶手段35に格納される。
続いて、触覚入力機能付きの携帯電話機100における入力動作例について説明をする。この例では、表示画面に表示されたアイコンに接触して画面入力操作をする場合を前提とする。図8に示した表示手段29にはアイコン選択表示画面が表示される。ここで、操作者は、表示手段29に表示されたアイコンの1つに入力手段24を介して接触する。入力手段24は、アイコンに接触した操作者の指30aの接触位置を検出し、位置検出信号S1及び入力検出信号S2をA/Dドライバ31に出力する。
A/Dドライバ31は、入力手段24から位置検出信号S1及び入力検出信号S2を入力し、位置検出信号S1および入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルの位置検出情報に変換する。この際の情報変換は、カーソリングとアイコン選択の機能を区別するためである。位置検出情報はCPU32に出力される。位置検出情報にはアイコンの選択接触位置を示す位置情報及び操作者30の指30aの押圧力を示す入力量(力)が含まれる。
A/Dドライバ31は、この位置検出情報を演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、そのカーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置情報D1または入力検出情報D2をCPU32に供給する。CPU32は、位置情報D1または入力検出情報D2に基づいて記憶手段35から振動波形データDaを読み出してアクチュエータ駆動回路37に出力する。
このとき、図1に示した触覚機能付き入力装置90の振動伝達機構50では、入力手段24から得られる位置検出情報に基づいて表示手段29を振動するようになされる。アクチュエータ駆動回路37では、CPU32から読み出された振動波形データDaを加工してアナログの振動制御信号Sa〜Sdを発生する。
アクチュエータ25aへ供給される振動制御信号Sa、アクチュエータ25bへ供給される振動制御信号Sb、アクチュエータ25cへ供給される振動制御信号Sc、アクチュエータ25dへ供給される振動制御信号Sd等は、図11に示したように、予め設定された最適な触覚が得られる周波数A(100,200,400,500)[Hz]の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲A±α=(100±20,200±20,400±20,500±20)[Hz]内の振動波形パターンを組み合わせものである。この例で、アクチュエータ駆動回路37で発生させる振動波形パターンの成分の中に、すなわち、最適な周波数Aの前後に±20Hzの周波数成分を連続で含ませることができる。
これを制御条件にして、アクチュエータ駆動回路37は、アクチュエータ25aを振動制御信号Saに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25bを振動制御信号Sbに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25cを振動制御信号Scに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25dを振動制御信号Sdに基づいて各々触覚制御をする。
アクチュエータ25aは、アクチュエータ駆動回路37による触覚制御に基づいて最適な周波数A(100,200,400,500)[Hz]の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲A±α=(100±20,200±20,400±20,500±20)[Hz]内の振動波形パターンを含む振動制御信号Saにより、表示手段29を収容した上部筐体20を振動するようになる。同様にして、他のアクチュエータ25b〜25dも振動制御信号Sb〜Sdにより、上部筐体20を振動するようになる。
操作者は、触覚を得てアイコンから指30aを放す。その結果、アイコンの接触状態停止が検出され、入力が確定される。その後、CPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合であって、他の処理モードが設定されている場合は、通信処理等の他の処理モードを実行する。
例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの入力データD1〜D3を受けて所定の指令データDを映像&音声処理部44に供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部2へ送信データを転送するように制御する。CPU32は操作パネル18から、相手方の電話番号を手動入力するようになされる。
また、図8に示した下部筐体10に設けられたマイクロフォン13を通して操作者(ユーザ)の声が集音され、その音声信号Soutが映像&音声処理部44に出力される。映像&音声処理部44では、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
また、映像&音声処理部44にCPU32を介して接続された送信部22では、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
更に、相手方からの無線電波は、基地局等からアンテナ共用器23を通して受信される。受信部21では、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。CPU32は、映像&音声処理部44を制御して、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44に接続されたスピーカー36bは、音声信号Sinを入力して相手方の話声等を拡大するようになされる。これにより、アイコン選択表示画面に表示された1つのアイコンの選択し、このアイコン選択に基づいて相手方に電話番号を発信したり、相手方を通話できるようになる。
このように、本発明に係る第2の実施例としての触覚入力機能付きの携帯電話機100によれば、本発明に係る触覚機能付き入力装置90が応用されるので、表示画面に表示されたアイコンに接触して画面入力操作をする場合に、アクチュエータ25aは、アクチュエータ駆動回路37による触覚制御に基づいて最適な周波数A(100,200,400,500)[Hz]の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲A±α=(100±20,200±20,400±20,500±20)[Hz]内の振動波形パターンを含む振動制御信号Saにより、表示手段29を収容した上部筐体20を振動するようになる。同様にして、他のアクチュエータ25b〜25dも振動制御信号Sb〜Sdにより、上部筐体20を振動するようになる。
従って、「表示手段上をなぞる又は押下する」といった、表示画面に表示されたアイコンに接触した操作者の指30aに対して最適な触覚を付与することができる。これにより、上部筐体20に対するアクチュエータ25a等の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、最適な触覚を伴った画面入力操作をできるようになる。しかも、周波数範囲A±αの一意の振動(触覚)波形パターンで対応できるため、均一な触覚を得ることができる。これに加えて、表示手段29の3次元的な表示及びその表示動作に同期した触覚を与えることができる。これにより、触覚機能付きの入力装置90を応用した携帯電話機100の量産における触覚品質の安定化を図ることができる。
この他に、従来方式に比べて、触覚機能入力機能付きの携帯電話機100の製造設備の高精度化や組み立て後の微調整等が大幅に低減される。本発明方式では、振動波形データDaを簡単に作成することができるので、この種の携帯電話機100を安く、かつ、早く作製できるようになる。しかも、汎用携帯電話機において、ユーザが振動(触覚)波形を自由にカスタマイズ(ダウンロードしたり、各種入力機能に好みの触覚を選択する)することができ、環境を考慮した場合、これらの携帯電話機100の振動波形パターンを共通化することで、振動波形パターンを提供するサービス内容が簡素化でき、サービスコストの削減及びサービス・ロス・タイムの短縮が可能となる。
図12は本発明に係る第3の実施例としての触覚機能付きデジタルカメラ200の構成例を示す斜視図である。
この実施例では、触覚入力機能を備えたデジタルカメラ200を構成し、入力操作面にスライド接触した操作者の指に対して最適な触覚を付与できるようにすると共に、筐体に対するアクチュエータ25a等の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、最適な触覚を伴ったスライド入力操作できるようにした。この例でも、振動(触覚)波形の成分の中で、同一の周波数Aの波形を複数回繰り返すような部分に対して、周波数Aの±20[Hz]程度の“誤差範囲内の周波数成分を組み合わせ発生させるようにした。
図12に示すデジタルカメラ200は、電子機器の一例であり、本発明に係る触覚機能付き入力装置90を応用したものである。このデジタルカメラ200は、カメラ本体60を有している。カメラ本体60は筺体62から構成される。筺体62は、略箱型の前面ケース61A及び後面ケース61Bの開口部を互いに略方形状のゴムなどからなる衝撃吸収材63を間に挟んだ状態で突き合わせて組み立てられる。
筺体62を構成する上面板には、触覚機能付きの入力装置90を構成する入力検出手段64が設けられる。入力検出手段64は、例えば、図4に示したパネル構造を有する。入力検出手段64は入力検出面を有しており、スライド入力モード時に操作される。スライド入力モードとは、再生/早送りモード、ズームアウトモード、ズームインモード、ボリューム調整モード等のモード切換時に、その入力検出面上を摺動するように接触入力する操作をいう。この例では、スライド入力モードの他に、他の処理モードが準備される。他の処理モードには、シャッタボタン操作、消去ボタン操作、電源ボタン操作、標準モード又はスナップモードの切り替え操作等が含まれる。入力検出手段64には、長方形状の静電入力シートが使用される。
また、前面ケース61Aの内面であって、入力検出手段64の長手方向に沿って、振動手段を構成するアクチュエータ25a及び25bが所定の間隔を空けて設けられ、所望の振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。同様にして、後面ケース61Bの内面であって、入力検出手段64の長手方向に沿って、アクチュエータ25c及び25dが所定の間隔を空けて設けられ、所望の振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。この例で、アクチュエータ25aとアクチュエータ25cとが対向し、アクチュエータ25bとアクチュエータ25dとが対向するように配置される。これは振動を強めるためである。
この他に前面ケース61Aには、図12に示すレンズ66が取り付けられ、ズーム機能を有して被写体撮影時に結像するようになされる。また、前面ケース61Aの右隅には、外部インターフェース用端子39が設けられ、外部機器と接続し、情報をやりとりできるようになされている。
図13は、カメラ本体60の背面の構成例を示す斜視図である。図13に示す後面ケース61Bには表示手段29が設けられ、入力検出手段64によって入力された情報に基づく表示画面を表示するようになされる。表示手段29はモニタ機能の他にファインダー等の機能を果たすようになされる。表示手段29には、640画素×480画素程度の解像度を有する液晶表示ディスプレイ(LCD)が使用される。
図14Aは、カメラ本体60を底面から見た断面図である。図14Aに示すカメラ本体60を底面から見ると、筐体62の内部には、レンズ66や表示手段29の他に基板実装部品27やバッテリー28等が内装されている。図14Bは、カメラ本体60を上面から見た断面図である。図14Bに示すカメラ本体60を上面から見ると、筐体62の内部には、入力検出手段64及びアクチュエータ65a〜25fが実装されている。
図14Bに示す入力検出手段64は、静電容量入力シートによって構成される。1枚の静電容量入力シートは、略矩形状のシートで構成され、上述の各モードボタンの複数機能は、1枚の静電容量入力シートの複数の所定部位を押圧することで各機能動作が行われる。
この例で入力検出手段64の左右の下方には、前面ケース61Aおよび後面ケース61Bの内面に設けられたアクチュエータ25a〜25dの他に、振動伝達機構50を構成するアクチュエータ25e及び25fが設けられ、所望の振動パターンに基づいて、例えば、操作方向に振動が移動するように、入力検出面を振動するようになされる。各々のアクチュエータ25a〜25fは、圧電シートあるいは圧電素子から構成される。
次に、本発明の触覚機能付きの入力装置、デジタルカメラ200及びデジタルカメラ200における感触フィードバック入力方法について説明をする。図15は、デジタルカメラ200の内部構成例を示すブロック図であり、図12〜図14に示した筐体内の基板実装部品27等から構成される各機能の要部のブロックを示している。図15で図13との対応する部分には同一符号を付している。
図15に示すデジタルカメラ200は、表示手段29、A/Dドライバ31、CPU32、電源ユニット33、カメラ34、記憶手段35、スピーカー36、振動手段40及び入力検出手段64を備えている。入力検出手段64は、図13等に示したような入力検出面を有しており、操作体としての操作者の指30aの接触位置及び当該操作者の指30aのスライド(動速)度を検出するようになされる。この入力検出手段64に関して、図13では静電容量シートとしての静電容量方式の入力デバイスを説明したが、これに限られることはなく、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良い。
例えば、入力検出手段64は、抵抗膜方式、表面波弾性方式(AW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良い。好ましくは、位置情報と力情報をCPU32に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。上述の入力検出手段64は、操作者の指30aを介して少なくとも位置情報S1および入力量となる力情報S2(押圧力)が入力される。
表示手段29は、入力検出手段64によって入力された情報に基づく表示画面を表示するようになされる。表示手段29はモニタ機能の他にファインダー等の機能を果たすようになされる。例えば、表示手段29はCPU32からの制御情報(指令D)に基づいてズームイン、ズームアウト、再生/早送りモード、ボリューム(Vol)調整モード等のアイコンを表示するようになされる。
入力検出手段64にはA/Dドライバ31が接続され、入力検出手段64から出力される位置情報S1および入力量S2を入力してアナログ・デジタル変換をするようになされる。例えば、A/Dドライバ31は、カーソリングと選択機能とを区別するために位置情報S1および入力量S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。これと共に、A/Dドライバ31は、演算を行ってカーソリング入力か選択情報かを検出し、カーソリングか選択かのフラグからなるデータD3あるいは位置情報D1または入力量D2をCPU32に供給する。これらの演算はCPU32内で行ってもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続され、A/Dドライバ31からの入力信号を受けて指令Dを電源ユニット33、カメラ部34、記憶手段35、表示手段29、スピーカー36、アクチュエータ駆動部37のデバイスに供給する。
例えば、CPU32は、同一振動モード内において、操作者30のスライド速度をパラメータにして、アクチュエータ駆動回路37で発生させる正弦波形を加工する機能(アルゴリズム)を有している。CPU32は入力検出手段64によって検出されたスライド速度に基づく振動パターンを演算するようになされる。この例でCPU32は、操作者の指30aが入力検出面に接触した位置から遠ざかるに従って、入力検出面を低周波数かつ小振幅の振動から、高周波数かつ大振幅の振動を発生するような振動パターンを演算する。振動パターンは、例えば、記憶手段35から読み出した振動波形データDaに基づいてCPU32により演算される。
また、CPU32は制御手段を構成し、摺動速度に基づいて入力情報を可変制御するようになされる。例えば、CPU32は、標準の摺動速度により操作者の指が摺動された場合の入力情報量よりも、早く摺動された場合の入力情報量を多く設定するような制御を実行する。
振動手段40は、アクチュエータ駆動回路37及びアクチュエータ25a〜25fから構成され、CPU32によって演算された振動パターンに基づいて操作方向に振動が移動するように入力検出面を振動する。上述のCPU32には、アクチュエータ駆動回路37が接続され、CPU32からの指令Dに従って、振動制御信号Sa〜Sfを発生し、複数のアクチュエータ25a、25b、25c、25d、26e、26fに振動制御信号Sa〜Sfを供給するようになされる。振動制御信号Sa〜Sfは、例えば、正弦波形からなる出力波形W1〜W3・・・を有している。6個のアクチュエータ25a〜25fを駆動するためである。
また、CPU32にはカメラ34が接続され、指令Dに基づいて上述したレンズ66を通じて被写体を撮影するようになされる。カメラ34には、図示しない撮像装置(CCD装置)が使用され、被写体撮影により得られた撮影データを出力するようになされる。
記憶手段35には、振動波形データDaが格納される。記憶手段35は、振動波形データDaの他に、CPU32からの指令Dに基づいて撮影データを格納したり、その撮影データを読み出すようになされる。図12に示した外部インターフェース端子39は、プリンタ等の外部機器へCPU32からの指令Dを出力して図示しないプリンタモードを実行するようになされる。スピーカー36はCPU32からの指令Dに基づいてアイコン確認音や、機器取り扱いアナウンス音等を放音するようになされる。
電源ユニット33は先に説明したバッテリー28に接続され、表示手段29、A/Dドライバ31、CPU32、カメラ34、記憶手段35、振動手段40及び入力検出手段64に電源を供給するようになされる。
このようにデジタルカメラ200を構成すると、操作者の指30aの摺動速度又は摺動操作時間に対応した、操作者毎に異なる振動パターン(振幅と周波数と振動回数)を有する複数種類の振動を発生させることができる。操作者30は指30aに振動を受けて触感としてCPU32からの機能毎の振動を感じる。また表示手段29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36からの放音は操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。
図16〜図23は、他の触覚波形を周波数変動させるための振動波形データDaの内容例を示す表図である。
この実施例では、デジタルカメラ200で採用する触覚波形において、波形要素の単波Iaに関して、周波数Aが50[Hz]で、振幅Ampが5[μm]で、振動回数Bが10[回]であり、波形要素の単波Ibに関して、周波数Aが100[Hz]で、振幅Ampが10[μm]で、振動回数Bが20[回]であり、波形要素の単波Icに関して、周波数Aが200[Hz]で、振幅Ampが20[μm]で、振動回数Bが40[回]であり、波形要素の単波Idに関して、周波数Aが400[Hz]で、振幅Ampが30[μm]で、振動回数Bが80[回]である場合を例に挙げる。
本発明方式で周波数fxは、先述の(1)式に、周波数A、回数B及び周波数バラツキ幅Cを代入して演算される。波形要素の単波Iaは、周波数範囲A±α=50±20[Hz]を導入すると、周波数Aが50[Hz]で、振動回数がB=10[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。従って、周波数A=50[Hz]については、(1)式により、
周波数fxが30[Hz]で振幅Ampが5[μm]で回数=1[回]、
fxが34.4[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが38.9[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが43.3[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが47.8[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが52.2[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが56.7[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが61.1[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]、
fxが65.6[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]及び
fxが70.0[Hz]でAmpが5[μm]で回数=1[回]を各々成す振動波形データDaが予め作成され、記憶手段35に格納される(図16参照)。
また、波形要素の単波Ibは、周波数範囲A±α=100±20[Hz]を導入すると、周波数Aが100[Hz]で、振動回数Bが20[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。従って、周波数A=100[Hz]については、(1)式により、
周波数fxが80[Hz]で振幅Ampが10[μm]で回数=1[回]、
fxが82.1[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが84.2[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが86.3[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが88.4[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが90.5[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが92.6[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが94.7[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが96.8[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが98.9[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが101.1[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが103.2[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが105.3[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが107.4[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが109.5[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが111.6[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが113.7[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが115.8[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]、
fxが117.9[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]及び
fxが120.0[Hz]でAmpが10[μm]で回数=1[回]を形成する振動波形データDaが予め作成され、記憶手段35に格納される(図17参照)。
更に、波形要素の単波Icは、周波数範囲A±α=200±20[Hz]を導入すると、周波数Aが200[Hz]で、振動回数Bが40[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。従って、周波数A=200[Hz]については、(1)式により、
周波数fxが180[Hz]で振幅Ampが20[μm]で回数=1[回]、
fxが181.0[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが182.1[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが183.1[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが184.1[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが185.1[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが186.2[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが187.2[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが188.2[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが189.2[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが190.3[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが191.3[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが192.3[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが193.3[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが194.4[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが195.4[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが196.4[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが197.4[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが198.5[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが199.5[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが200.5[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが201.5[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが202.6[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが203.6[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが204.6[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが205.6[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが206.7[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが207.7[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが208.7[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが209.7[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが210.8[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが211.8[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが212.8[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが213.8[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが214.9[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが215.9[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが216.9[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが217.9[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]、
fxが219.0[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]及び
fxが220.0[Hz]でAmpが20[μm]で回数=1[回]を形成する振動波形データDaが予め作成され、記憶手段35に格納される(図18及び図19参照)。
更に、波形要素の単波Idは、周波数範囲A±α=400±20[Hz]を導入すると、周波数Aが400[Hz]で、振動回数Bが80[回]で、周波数バラツキ幅Cが40[Hz]である。従って、周波数A=400[Hz]については、(1)式により、
周波数fxが380[Hz]で振幅Ampが30[μm]で回数=1[回]、
fxが380.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが381.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが381.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが382.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが382.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが383.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが383.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが384.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが384.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが385.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが385.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが386.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが386.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが387.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが387.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが388.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが388.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが389.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが389.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが390.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが390.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが391.1[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが391.6[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが392.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが392.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが393.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが393.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが394.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが394.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが395.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが395.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが396.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが396.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが397.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが397.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが398.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが398.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが399.2[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが399.7[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが400.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが400.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが401.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが401.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが402.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが402.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが403.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが403.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが404.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが404.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが405.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが405.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが406.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが406.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが407.3[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが407.8[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが408.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが408.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが409.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが409.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが410.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが410.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが411.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが411.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが412.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが412.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが413.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが413.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが414.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが414.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが415.4[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが415.9[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが416.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが417.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが417.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが418.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが418.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが419.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]、
fxが419.5[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]及び
fxが420.0[Hz]でAmpが30[μm]で回数=1[回]を各々成す振動波形データDaが予め作成され、記憶手段35に格納される(図20乃至図23参照)。
続いて、触覚入力機能付きのデジタルカメラ200における入力動作例について説明をする。この例では、操作者が指30aを使って入力操作面をスライドさせながら、カメラ本体60からの触覚を得る場合を例に挙げる。図24は、入力検出手段64における操作例を示す斜視図であり、操作者の指30aの部分を拡大した図である。
この例で、図24に示す入力検出手段64は入力操作面PRを有しており、この入力操作面PRに操作者の指30aを一定の力で接触した状態で、例えば、図中、左斜め下部から右斜め上部に向けて所定の速度でスライドする(なぞる)ように操作される。入力操作面PRは、図中、波線で囲んだ領域であって、入力検出手段64を投影する筐体上面を含むものとする。
これらを入力操作条件にして、操作者は、入力検出手段64の入力操作面PRを図中、左斜め下部から右斜め上部に向けて所定の速度でスライドする(なぞる)ように操作される。入力検出手段64は、入力操作面PRをスライドした操作者の指30aの接触位置及び移動速度を検出し、位置検出信号S1及び入力検出信号S2をA/Dドライバ31に出力する。
A/Dドライバ31は、入力検出手段64から位置検出信号S1及び入力検出信号S2を入力し、位置検出信号S1および入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルの位置検出情報に変換する。この際の情報変換は、カーソリングとアイコン選択の機能を区別するためである。位置検出情報はCPU32に出力される。位置検出情報にはアイコンの選択接触位置を示す位置情報及び操作者30の指30aの押圧力を示す入力量(力)が含まれる。
A/Dドライバ31は、この位置検出情報を演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、そのカーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置情報D1または入力検出情報D2をCPU32に供給する。CPU32は、位置情報D1または入力検出情報D2に基づいて記憶手段35から振動波形データDaを読み出してアクチュエータ駆動回路37に出力する。
このとき、触覚機能付き入力装置90の振動伝達機構50では、入力検出手段64から得られる位置検出情報に基づいて表示手段29を振動するようになされる。アクチュエータ駆動回路37では、CPU32から読み出された振動波形データDaを加工してアナログの振動制御信号Sa〜Sdを発生する。
アクチュエータ25aへ供給される振動制御信号Sa、アクチュエータ25bへ供給される振動制御信号Sb、アクチュエータ25cへ供給される振動制御信号Sc、アクチュエータ25dへ供給される振動制御信号Sd等は、図17〜図24に示したように、予め設定された最適な触覚が得られる周波数A(50,100,200,400)[Hz]の振動波形パターンを基準にして当該振動波形パターンを含む前後の周波数範囲A±α=(50±20,100±20,200±20,400±20)[Hz]内の振動波形パターンを組み合わせものである。
これを制御条件にして、アクチュエータ駆動回路37は、アクチュエータ25aを振動制御信号Saに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25bを振動制御信号Sbに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25cを振動制御信号Scに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25dを振動制御信号Sdに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25eを振動制御信号Seに基づいて触覚制御をし、アクチュエータ25fを振動制御信号Sfに基づいて各々触覚制御をする。
アクチュエータ25aは、アクチュエータ駆動回路37による触覚制御に基づいて最適な周波数A(50,100,200,400)[Hz]の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲A±α=(50±20,100±20,200±20,400±20)[Hz]内の振動波形パターンを含む振動制御信号Saにより、入力検出手段64を取り付けた筐体60を振動するようになる。同様にして、他のアクチュエータ25b〜25fも振動制御信号Sb〜Sfにより、筐体60を振動するようになる。
操作者は、触覚を得て入力検出手段64から指30aを放す。CPU32は、操作者の指30aの入力操作面PRへのスライド接触位置及び移動速度に基づいて、入力のモードを判別する。この判別結果で再生/早送りモード、ズームインモード、ズームアウトモード又はボリューム調整モードに移行する。これらのモードを実行した後、CPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合であって、他の処理モードが設定されている場合は、他の処理モードを実行する。他の処理モードでは、シャッタボタン操作、消去ボタン操作、電源ボタン操作、標準モード又はスナップモードの切り替え操作等が実行される。
このように、本発明に係る第3の実施例としての触覚入力機能付きのデジタルカメラ200によれば、本発明に係る触覚機能付き入力装置90が応用されるので、入力検出手段64の入力操作面PRにスライド接触して入力操作をする場合に、アクチュエータ25aは、アクチュエータ駆動回路37による触覚制御に基づいて最適な周波数A(50,100,200,400)[Hz]の振動波形パターンを基準にした前後の周波数範囲A±α=(50±20,100±20,200±20,400±20)[Hz]内の振動波形パターンを含む振動制御信号Saにより、入力検出手段64が取り付けられた筐体60を振動するようになる。同様にして、他のアクチュエータ25b〜25fも振動制御信号Sb〜Sfにより、筐体60を振動するようになる。
従って、「入力操作面上をなぞる又は押下する」といった、入力検出手段64の入力操作面PRにスライド接触した操作者の指30aに対して最適な触覚を付与することができる。これにより、筐体60に対するアクチュエータ25a等の組み立てに依存して、その周波数特性がばらついた場合であっても、最適な触覚を伴ったスライド入力操作をできるようになる。
しかも、周波数範囲A±αの一意の振動(触覚)波形パターンで対応できるため、均一な触覚を得ることができる。これに加えて、入力検出手段64の入力操作面PRにおける移動速度に応じた触覚を与えることができる。これにより、触覚機能付きの入力装置90を応用したデジタルカメラ200の量産における触覚品質の安定化を図ることができる。
この他に、従来方式に比べて、触覚機能入力機能付きのデジタルカメラ200の製造設備の高精度化や組み立て後の微調整等が大幅に低減される。本発明方式では、振動波形データDaを簡単に作成することができるので、この種のデジタルカメラ200を安く、かつ、早く作製できるようになる。しかも、汎用デジタルカメラ200において、ユーザが振動(触覚)波形を自由にカスタマイズ(ダウンロードしたり、各種入力機能に好みの触覚を選択する)できるようにし、更に、環境を考慮して、これらのデジタルカメラ200の振動波形パターンを共通化することで、振動波形パターンを提供するサービス内容が簡素化でき、サービスコストの削減及びサービス・ロス・タイムの短縮が可能となる。
上述の実施例では電子機器に関して携帯電話機100及びデジタルカメラ200の場合について説明したが、触覚機能付きの入力装置90は、ノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、電子手帳、ゲーム機、電子書籍等の情報携帯端末装置の場合にも適用できる。第1の実施例と第2の実施例とを組み合わせも、また、別々に実施するようにしてもよい。
この発明は予め準備された入力項目選択用の表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力したり、入力操作面をスライドして情報を入力する情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して極めて好適である。
本発明に係る第1の実施例としての振動伝達機構50を応用した触覚機能付き入力装置90の構成例を示す組み立て斜視図である。
振動伝達機構50の構成例を示す拡大斜視図である。
振動伝達機構50における制御系の構成例を示すブロック図である。
(A)〜(D)は、固体I(又はII)の振動伝達比較時のパネル構造例を示す図である。
固体I及びIIの周波数特性例を示す図である。
(A)〜(D)は、従来方式に係る固体I及びIIの周波数特性例を示す図である。
(A)〜(D)は、本発明方式に係る固体I’及びIIの周波数特性例を示す図である。
本発明に係る第2の実施例としての触覚入力機能付き携帯電話機100の構成例を示す斜視図である。
触覚入力機能付き携帯電話機100の内部構成例を示すブロック図である。
アクチュエータ25a〜25dによって与えられるスライド入力操作時の最適な触覚波形例を示す図である。
図10に示した触覚波形を周波数変動させるための振動波形データDaの内容例を示す表図である。
本発明に係る第3の実施例としての触覚機能付きデジタルカメラ200の構成例を示す斜視図である。
カメラ本体60の背面の構成例を示す斜視図である。
A及びBは、カメラ本体60を底面及び上面から見た構成例を各々示す断面図である。
デジタルカメラ200の内部構成例を示すブロック図である。
周波数範囲50±20[Hz]の振動波形データDaの内容例を示す表図である。
周波数範囲100±20[Hz]の振動波形データDaの内容例を示す表図である。
周波数範囲200±20[Hz]の振動波形データDaの内容例(その1)を示す表図である。
周波数範囲200±20[Hz]の振動波形データDaの内容例(その2)を示す表図である。
周波数範囲400±20[Hz]の振動波形データDaの内容例(その1)を示す表図である。
周波数範囲400±20[Hz]の振動波形データDaの内容例(その2)を示す表図である。
周波数範囲400±20[Hz]の振動波形データDaの内容例(その3)を示す表図である。
周波数範囲400±20[Hz]の振動波形データDaの内容例(その4)を示す表図である。
入力検出手段64における操作例を示す斜視図である。
操作体が固体(構造体)から受ける触覚の評価例を示す立体評価表図である。
従来例に係る固体の振幅Amp対周波数fxの関係例を示す図である。
符号の説明
10・・・下部筐体、11・・・回転レンジ機構、15・・・制御手段、20・・・上部筐体、21・・・受信部、22・・・送信部、24・・・入力手段、25a〜25f・・・アクチュエータ(振動手段)、29・・・表示手段、32・・・CPU(制御手段)、35・・・記憶手段、40・・・振動手段、50・・・振動伝達機構、60・・・カメラ本体、64・・・入力検出手段、90・・・触覚機能付きの入力装置、100・・・携帯電話機(電子機器)、200・・・デジタルカメラ(電子機器)