JP5401836B2 - リチウム二次電池の電解質塩溶解用溶媒 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池の電解質塩溶解用溶媒、およびその溶媒と電解質塩を含む非水電解液、さらにはその非水電解液を用いたリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池用の非水電解液に対する要求特性は年々厳しくなってきている。そうした要求特性の1つとして、負極金属表面に形成される保護膜に金属がデンドライト状に析出し、電池のレート特性、さらにはサイクル特性が低下することがあるほか、最悪の場合、デントライトが正極上に達し短絡が起こり発火する危険性があり、これらの問題を解決することが求められている。
この問題の解決方法として、優秀な電解質塩溶解用溶媒であるエチレンカーボネートをフッ素化することにより、デンドライトの形成を抑制したり、サイクル特性の向上を図ろうとしたりしている(特許文献1〜5)。
エチレンカーボネートのフッ素化は、被膜(保護膜)形成能を高めるためにモノフルオロ化からジフルオロ化に進んできている(特許文献1〜3)。
しかし、ジフルオロエチレンカーボネートは、加水分解性が不安定で高く使用しにくく、合成・精製が困難であるにも拘わらず、被膜形成能はモノフルオロエチレンカーボネートと変わらないため、利用が進んでいない。
フッ素化は置換エチレンカーボネートについても記載されており(特許文献4〜5)、特許文献4には非常に広範囲の一般式が提案されており、その例示化合物も多数列挙されているが、実際に実施例で使用されているフッ素化エチレンカーボネートは特許文献1〜3と同様のモノフルオロエチレンカーボネートおよびジフルオロエチレンカーボネートだけである。
特許文献5には、デンドライトの形成を抑制する効果があるとして、置換基としてメチル基を有するフルオロエチレンカーボネートが記載されている。しかし、この特許文献5でも実施例で実際に使用されているフッ素化エチレンカーボネートは1−メチル−2,2−ジフルオロエチレンカーボネート1つだけである。また、フッ素化エチレンカーボネートの配合量も10体積%以上、好ましくは30体積%以上と多く配合されている。
また、過充電時などの安全性(たとえば不燃性や耐破壊性など)のさらなる向上も要請されている。
特開平7−240232号公報 特開2003−168480号公報 特開2004−319317号公報 特開2007−188873号公報 特開平8−306364号公報
本発明は、放電容量、レート特性、さらにはサイクル特性にも特異的に優れたリチウム二次電池を与え、しかも不燃性(安全性)が向上した非水電解液用溶媒、その溶媒を用いた非水電解液、さらにはリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、含フッ素エーテル(IA)、含フッ素エステル(IB)および含フッ素鎖状カーボネート(IC)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒(I)と1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)と他のカーボネート(III)を含むリチウム二次電池の電解質塩溶解用溶媒に関する。
フッ素系溶媒(I)としては、
式(IA):
Rf1ORf2
(式中、Rf1は炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rf2は炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
式(IB):
Rf3COORf4
(式中、Rf3は炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rf4は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、Rf3およびRf4の少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステル、
および
式(IC):
Rf5OCOORf6
(式中、Rf5は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rf6は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素鎖状カーボネート
よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが、安全性を高める点から好ましい。
また、他のカーボネート(III)としては、非フッ素環状カーボネート(IIIA)および非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)であることが、レート特性やサイクル特性が良好な点から好ましい。
非フッ素環状カーボネート(IIIA)としては、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートの1種または混合物であることが、サイクル特性が良好な点から好ましい。
非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびジエチルカーボネートの1種または混合物であることが、レート特性が良好な点から好ましい。
また、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)としては、粘度が低い点から1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートが好ましい。
また、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)にはtrans−体とcis−体があり、いずれも電極上への被膜形成効果による抵抗の低減化効果のほか、安全性向上効果を奏する。
(I)と(II)と(III)の合計を100体積%としたときに、フッ素系溶媒(I)が10〜60体積%、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)が30体積%以下であることが、安全性を高める点から好ましい。
また、(I)と(II)と(IIIA)と(IIIB)の合計を100体積%としたときに、(I)が10〜60体積%、(II)が0.1〜10体積%、(IIIA)が10〜50体積%、さらに好ましくは10〜40体積%、および(IIIB)が0〜79.9体積%であることが、安全性が向上し、また電池特性が良好な点から好ましい。
本発明はまた、これらの電解質塩溶解用溶媒と電解質塩を含むリチウム二次電池の非水電解液にも関する。
さらにまた本発明は、本発明の非水電解液を用いたリチウム二次電池にも関する。
本発明によれば、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)が特異的に加水分解されにくく、この1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)とフッ素系溶媒(I)、さらには非フッ素環状カーボネート(IIIA)や非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)などの他のカーボネート(III)とを併用することにより、放電容量、レート特性、さらにはサイクル特性にも特異的に優れたリチウム二次電池を与え、しかも不燃性(安全性)が向上した電解質塩溶解用溶媒、その溶媒を用いた電解液、さらにはリチウム二次電池を提供することができる。
本発明の電解質塩溶解用溶媒は、フッ素系溶媒(I)と1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)と他のカーボネート(III)とを含む。
以下各成分および配合割合について説明する。
(I)フッ素系溶媒(含フッ素エーテル(IA)、含フッ素エステル(IB)および含フッ素鎖状カーボネート(IC)よりなる群から選ばれる少なくとも1種)
フッ素系溶媒(I)を含有させることにより、電解液を難燃化する作用や、低温特性を改善する作用、さらにはレート特性の向上、耐酸化性の向上といった効果が得られる。
含フッ素エーテル(IA)としては、たとえば特開平08−037024号公報、特開平09−097627号公報、特開平11−026015号公報、特開2000−294281号公報、特開2001−052737号公報、特開平11−307123号公報などに記載された化合物が例示できる。
なかでも、式(IA):
Rf1ORf2
(式中、Rf1は炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rf2は炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテルが、他溶媒との相溶性が良好で適切な沸点を有する点から好ましい。
特にRfとしては、たとえばHCFCFCH−、HCFCFCFCH−、HCFCFCFCFCH−、CFCFCH−、CFCFHCFCH−、HCFCF(CF)CH−、CFCFCHCH−、CFCHCH−O−などの炭素数3〜6の含フッ素アルキル基が例示でき、また、Rfとしてはたとえば−CFCFH、−CFCFHCF、−CFCFCFH、−CHCHCF、−CHCFHCF、−CHCHCFCFなどの炭素数2〜6の含フッ素アルキル基が例示できる。なかでもRfは炭素数3〜4の含フッ素アルキル基であり、Rfは炭素数2〜3の含フッ素アルキル基であることが、イオン伝導性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素エーテル(IA)の具体例としては、たとえばHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCH2CFHCF3、CF3CF2CH2OCH2CFHCF3などの1種または2種以上が例示でき、なかでもHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3が、他溶媒との相溶性が良好でレート特性も良好な点から特に好ましい。
含フッ素エステル(IB)としては、式(IB):
Rf3COORf4
(式中、Rf3は炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rf4は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、Rf3およびRf4の少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステルが、難燃性が高く、かつ他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
Rfとしては、たとえばHCF−、CF−、CFCF−、HCFCFCHCF−、CFCH−、CH−、CHCH−、などが例示でき、なかでもCF−、HCF−、CF−が、レート特性が良好な点から特に好ましい。
Rf4としては、たとえば−CF3、−CF2CF3、−CH2CF3、−CH2CH2CF3、−CH(CF32、−CH2CF2CFHCF3、−CH225、−CH2CF2CF2H、−CH2CH225、−CH2CF2CF3、−CH2CF2CF2H、−CH2CF2CF2CF3などの含フッ素アルキル基、−CH3、−C25、−C37、−CH(CH3)CH3などの非フッ素アルキル基が例示でき、なかでも−CH2CF3、−CH225、−CH(CF32、−CH2CF2CF2H、−CH3、−C25が、他溶媒との相溶性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素エステル(IB)の具体例としては、
1.両方が含フッ素アルキル基であるもの:
CF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH2CF2CF3、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、HCF2C(=O)OCH2CF3、HCF2C(=O)OCH2CF2CF3、HCF2C(=O)OCF2CF2
2.Rf3が含フッ素アルキル基であるもの:
CF3C(=O)OCH3、CF3C(=O)OCH2CH3、HCF2C(=O)OCH3、HCF2C(=O)OCH2CH3、CH3CF2C(=O)OCH3、CH3CF2C(=O)OCH2CH3、CF3CF2C(=O)OCH3、CF3CF2C(=O)OCH2CH3
3.Rf4が含フッ素アルキル基であるもの:
CH3C(=O)OCH2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF2H、CH3CH2C(=O)OCH2CF3、CH3CH2C(=O)OCH2CF2CF3、CH3CH2C(=O)OCH2CF2CF2
などの1種または2種以上が例示でき、なかでも、前記2.Rf3が含フッ素アルキル基であるもの、および3.Rf4が含フッ素アルキル基であるものが好ましく、なかでも、CF3C(=O)OCH3、CF3C(=O)OCH2CH3、HCF2C(=O)OCH3、HCF2C(=O)OCH2CH3、CH3C(=O)OCH2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF3が、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素鎖状カーボネート(IC)としては、たとえば式(IC):
Rf5OCOORf6
(式中、Rf5は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rf6は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素鎖状カーボネートが、難燃性が高く、かつレート特性が良好な点から好ましい。
Rf5としては、たとえばCF3−、C25−、(CF32CH−、CF3CH2−、C25CH2−、HCF2CF2CH2−、CF2CFHCF2CH2−などが例示でき、Rf6としては、たとえばCF3−、C25−、(CF32CH−、CF3CH2−、C25CH2−、HCF2CF2CH2−、CF2CFHCF2CH2−などの含フッ素アルキル基、−CH3、−C25、−C37、−CH(CH3)CH3などの非フッ素アルキル基が例示できる。なかでもRf5としてはCF3CH2−、C25CH2−が、Rf6としてはCF3CH2−、C25CH2−、−CH3、−C25が、粘性が適切で、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素鎖状カーボネート(IC)の具体例としては、たとえばCF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH2CH3などの含フッ素鎖状カーボネートの1種または2種以上が例示でき、なかでもCF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH2CH3が、粘性が適切で、難燃性、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。また、たとえば特開平06−21992号公報、特開2000−327634号公報、特開2001−256983号公報などに記載された化合物も例示できる。
フッ素系溶媒(I)のうち、粘性が適切で、電解質塩の溶解性、レート特性が良好な点から含フッ素エーテル(IA)および含フッ素カーボネート(IC)が好ましく、特にサイクル特性が良好な点から含フッ素エーテル(IA)が好ましい。
含フッ素エーテル(IA)、含フッ素エステル(IB)および含フッ素鎖状カーボネート(IC)は単独でも、併用してもよい。併用する場合、(IA)と(IB)の組合せ、(IA)と(IC)の組合せが、低粘性、他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
フッ素系溶媒(I)は、(I)+(II)+(III)を100体積%とするとき、10〜60体積%であることが、電解液を難燃化する作用や、低温特性を改善する作用、さらにはレート特性の向上、耐酸化性の向上に優れる点から好ましい。さらに20〜60体積%、また30〜50体積%、特に30〜45体積%のときに、安全性が特に向上することから好ましい。
(II)1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート
含フッ素環状カーボネートの範疇に入るが、そのうちの1位にフッ素原子とアルキル基が置換し、2位にもフッ素原子とアルキル基が置換したエチレンカーボネートである。1位と2位のアルキル基は同じでも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピルという炭素数1〜3のアルキル基が、粘度が低い点から好ましい。
具体的には、1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート、1,2−ジエチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート、1−メチル−2−エチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートなどがあげられ、特に粘度が低い点から1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートが好ましい。
また、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)にはtrans−体とcis−体があり、いずれも電極上への被膜形成効果による抵抗の低減化効果のほか、安全性向上効果を奏する。なお、cis−体の方が酸化電位が高い。
なお、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)のcis−体およびtrans−体は新規な化合物であり、たとえばつぎの方法により製造できる。
(1)二フッ化カルボニルと式(1):
Figure 0005401836
(式中、R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれもアルキル基)で示されるジケトン化合物を塩基の存在下に溶媒中で反応させて、cis−体とtrans−体の混合物を合成し、分別蒸留によりcis−体とtrans−体を単離する。
(2)二塩素化カルボニルと式(1)のジケトン化合物とを反応させて1,2−ジアルキル−1,2−ジクロロエチレンカーボネートを合成する。得られた1,2−ジアルキル−1,2−ジクロロエチレンカーボネートは塩素原子の立体障害のためにtrans−体になり、このtrans−体にフッ素化剤(フッ化カリウムなど)やフッ素ガスを反応させてtrans−1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートを得る。
この1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)は類似の含フッ素エチレンカーボネート、たとえばモノフルオロエチレンカーボネートやジアルキルモノフルオロエチレンカーボネートなどのモノフルオロエチレンカーボネートに比して、リチウム二次電池の放電容量、レート特性、サイクル特性の向上効果、抵抗の低減化効果が奏され、また電極上への被膜形成効果による安全性向上にも優れており、また、ジフルオロエチレンカーボネートやジフルオロモノアルキルエチレンカーボネートなどの他のジフルオロエチレンカーボネートに比して、加水分解しにくく、しかもリチウム二次電池の放電容量、レート特性、サイクル特性の向上効果、抵抗の低減化効果が奏され、また電極上への被膜形成効果により安全性向上にも優れている。なかでも、cis−1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートが、リチウム二次電池の放電容量、レート特性、サイクル特性が共に大きく、また電極上への被膜形成効果も大きいため最も優れている。
1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)の配合量は、(I)+(II)+(III)を100体積%とするとき、30体積%以下が好ましい。成分(II)が多くなると放電容量が低下する傾向にある。成分(II)は比較的少ない量でその効果を発揮できる。好ましくは10体積%以下である。有効な下限値は、0.1体積%、さらには0.5体積%が好ましい。
また、1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)は特に負極に良質な被膜を形成し、その結果、抵抗を低減するものと考えられる。したがって、黒鉛などの炭素質材料を負極に用いた場合、(I)+(II)+(III)を100体積%とするとき、特に5体積%またはそれ以下が好ましい。また、合金系の材料を負極に用いた場合は、炭素質材料系よりも厚い被膜が必要なため、10体積%未満が好ましい。
(III)他のカーボネート
本発明においては、(I)と(II)に加えて、他の公知のカーボネートを配合する。他のカーボネートとしては、含フッ素鎖状カーボネート(IC)および1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)以外であれば鎖状カーボネートでも環状カーボネートでもよく、含フッ素カーボネートでも非フッ素カーボネートでもよいが、低温特性およびサイクル特性が良好な点から、非フッ素環状カーボネート(IIIA)と非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)が好ましい。
(IIIA)非フッ素環状カーボネート
非フッ素系環状カーボネート(IIIA)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートなどの1種または2種以上があげられる。なかでも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)は誘電率が高く、また電解質塩の溶解性に特に優れており、本発明の電解液に好ましい。
この非フッ素環状カーボネートは、電解質塩の溶解力に優れるほか、レート特性の向上、誘電率の向上といった特性をもつ。
また、ビニレンカーボネートやモノフルオロエチレンカーボネートも、サイクル特性の改善のために、追加(任意)成分として配合することも可能である。配合量としては、電解液全体に対して0.1〜10体積%が望ましい。
(IIIB)非フッ素鎖状カーボネート
非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)としては、たとえばCH3CH2OCOOCH2CH3(ジエチルカーボネート;DEC)、CH3CH2OCOOCH3(エチルメチルカーボネート;EMC)、CH3OCOOCH3(ジメチルカーボネート;DMC)、CH3OCOOCH2CH2CH3(メチルプロピルカーボネート)などの炭化水素系鎖状カーボネートの1種または2種以上があげられる。これらのうち粘性が低く、かつ低温特性が良好なことから、DEC、EMC、DMCが好ましい。
配合割合は、(I)+(II)+(III)を100体積%としたときに、非フッ素環状カーボネート(IIIA)が10〜40体積%、非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)が0〜79.9体積%であることが、安全性のさらなる向上、また電池特性が良好な点から好ましい。
非フッ素環状カーボネート(IIIA)の含有量が多くなりすぎると、他の成分との相溶性が低下し、特に冬季の外気温や冷凍庫の室温といった低温雰囲気下(たとえば−30〜−20℃)において、他の成分と層分離を起こしてしまうことがある。この観点から、好ましい上限は35体積%、さらには30体積%である。一方、少なすぎると溶媒全体の電解質塩の溶解性が低下し、所望の電解質濃度(0.8モル/リットル以上)が達成できない。
また非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)は粘度が低いため、低温特性の向上に効果がある。したがって、低温特性を向上させる必要がある場合には、適当量を配合すればよい。しかし、引火点が比較的低いため、電池の安全性を損なわない程度に止めておくことが望ましい。
以上の観点から、好ましい電解質塩溶解用溶媒としては、(I)+(II)+(IIIA)+(IIIB)を100体積%としたときに、フッ素系溶媒(I)、特に含フッ素エーテル(IA)が10〜60体積%、非フッ素環状カーボネート(IIIA)が10〜50体積%、非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)が0〜79.9体積%、および1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)が0.1〜10体積%のものがあげられる。
本発明の電解質塩溶解用溶媒は成分(I)、(II)および(III)のみで本発明の課題を解決できるが、電解質塩溶解用溶媒として周知の他の溶媒をさらに配合してもよい。その種類および配合量は本発明の課題の解決を損なわない範囲とする必要がある。
本発明はまた、本発明の電解質塩溶解用溶媒と電解質塩とを含むリチウム二次電池用電解液にも関する。
本発明の非水電解液に使用する電解質塩としては、たとえばLiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252などがあげられ、サイクル特性が良好な点から特にLiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252またはこれらの組合せが好ましい。
リチウムイオン二次電池としての実用的な性能を確保するためには、電解質塩の濃度を0.5モル/リットル以上、さらには0.8モル/リットル以上にすることが要求されている。上限は、通常1.5モル/リットルである。本発明の電解質塩溶解用溶媒は、電解質塩の濃度をこれらの要求を満たす範囲にする溶解能を有している。
本発明の非水電解液には、成分(I)〜(III)の体積比率を崩さず、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃剤、界面活性剤、高誘電化添加剤、サイクル特性およびレート特性改善剤、さらに安全性向上を目的とする場合は他の添加剤を配合してもよい。
難燃剤としては、従来より公知の難燃剤が使用できる。特にリン酸エステルは、不燃性(着火しない性質)を付与するために配合してもよい。配合量は、電解質塩溶解用溶媒に対して1〜10体積%で着火が防止できる。
リン酸エステルとしては、含フッ素アルキルリン酸エステル、非フッ素系アルキルリン酸エステル、アリールリン酸エステルなどがあげられるが、含フッ素アルキルリン酸エステルが電解液の不燃化に寄与する程度が高く、少量で不燃効果をあげることから好ましい。
含フッ素アルキルリン酸エステルとしては、特開平11−233141号公報に記載された含フッ素ジアルキルリン酸エステル、特開平11−283669号公報に記載された環状のアルキルリン酸エステルのほか、含フッ素トリアルキルリン酸エステルがあげられる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステルは、不燃性を与える能力が高く、また成分(I)〜(III)との相溶性も良好であることから、添加量を少なくすることができ、1〜8体積%、さらには1〜5体積%でも着火を防止することができる。
含フッ素トリアルキルリン酸エステルとしては、式:(RfO)3−P=Oにおいて、RfがCF3−、CF3CF2−、CF3CH2−、HCF2CF2−またはCF3CFHCF2−であるものが好ましく、特にリン酸トリ2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、リン酸トリ2,2,3,3−テトラフルオロプロピルが好ましい。
さらに含フッ素環状カーボネートや含フッ素ラクトン、含フッ素スルホランなども難燃剤として例示できる。難燃剤としての含フッ素環状カーボネートとしては、たとえば、
Figure 0005401836
(Rfは炭素数1〜9のエーテル結合を含んでいてもよい含フッ素アルキル基)で示される含フッ素環状カーボネート(ただし成分(II)は除く)
などがあげられる。
界面活性剤は、容量特性、レート特性の改善を図るために、配合してもよい。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよいが、含フッ素界面活性剤が、サイクル特性、レート特性が良好な点から好ましい。
たとえば、含フッ素カルボン酸塩や、含フッ素スルホン酸塩などが好ましく例示される。
含フッ素カルボン酸塩としては、たとえば、HCF226COO-Li+、C49COO-Li+、C511COO-Li+、C613COO-Li+、C715COO-Li+、C817COO-Li+、HCF226COO-NH4 +、C49COO-NH4 +、C511COO-NH4 +、C613COO-NH4 +、C715COO-NH4 +、C817COO-NH4 +、HCF226COO-NH(CH33 +、C49COO-NH(CH33 +、C511COO-NH(CH33 +、C613COO-NH(CH33 +、C715COO-NH(CH33 +、C817COO-NH(CH33 +などがあげられる。また、含フッ素スルホン酸塩としては、たとえば、C49SO3 -Li+、C613SO3 -Li+、C817SO3 -Li+、C49SO3 -NH4 +、C613SO3 -NH4 +、C817SO3 -NH4 +、C49SO3 -NH(CH33 +、C613SO3 -NH(CH33 +、C817SO3 -NH(CH33 +などがあげられる。
界面活性剤の配合量は、充放電サイクル特性を低下させずに電解液の表面張力を低下させるという点から、電解質塩溶解用溶媒全体に対して0.01〜2質量%が好ましい。
高誘電化添加剤としては、たとえばスルホラン、メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが例示できる。
過充電防止剤としては、たとえばヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジクロロアニリン、ジフルオロアニリン、トルエンなどが例示できる。
レート特性の改善には、テトラヒドロフラン、シリケート化合物などが有効である。
本発明は、本発明の非水電解液を用いたリチウム二次電池にも関する。本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、セパレータおよび本発明の電解液を備えており、特に正極に使用する正極活物質が、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがエネルギー密度が高く、高出力なリチウム二次電池となることから好ましい。
コバルト系複合酸化物としては、LiCoO2が例示され、ニッケル系複合酸化物としては、LiNiO2が例示され、マンガン系複合酸化物としては、LiMnO2が例示される。また、LiCoxNi1-x2(0<x<1)で示されるCoNiの複合酸化物や、LiCoxMn1-x2(0<x<1)で示されるCoMnの複合酸化物や、LiNixMn1-x2(0<x<1)、LiNixMn2-x4(0<x<2)で示されるNiMnの複合酸化物や、LiNi1-x-yCoxMny2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で示されるNiCoMnの複合酸化物でもよい。これらのリチウム含有複合酸化物は、Co、Ni、Mnなどの金属元素の一部が、Mg、Al、Zr、Ti、Crなどの1種以上の金属元素で置換されたものであってもよい。
また、鉄系複合酸化物としては、たとえばLiFeO2、LiFePO4が例示され、バナジウム系複合酸化物としては、たとえばV25が例示される。
正極活物質として、上記の複合酸化物のなかでも、容量を高くすることができる点から、ニッケル系複合酸化物またはコバルト系複合酸化物が好ましい。とくに小型リチウムイオン二次電池では、コバルト系複合酸化物を用いることはエネルギー密度が高い点と安全性の面から望ましい。
本発明においてとくにハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池に使用される場合は、高出力が要求されるため、正極活物質の粒子は二次粒子が主体となり、その二次粒子の平均粒子径が40μm以下で平均一次粒子径1μm以下の微粒子を0.5〜7.0体積%含有することが好ましい。
平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を含有させることにより電解液との接触面積が大きくなり電極と電解液の間でのリチウムイオンの拡散をより早くすることができ出力性能を向上させることができる。
本発明で負極に使用する負極活物質は炭素材料があげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などもあげられる。炭素材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、メソカーボンマイクロビーズ、炭素ファイバー、活性炭、ピッチ被覆黒鉛などがあげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物としては、スズやケイ素、チタンを含む金属化合物、たとえば酸化スズ、酸化ケイ素、チタン酸リチウムなどがあげられ、金属窒化物としては、Li2.6Co0.4Nなどがあげられ
本発明に使用できるセパレータはとくに制限はなく、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン2層フィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層フィルムなどがあげられるまた、Liデントライトによって起こる短絡などの安全性向上を目的として作られたセパレータ上にアラミド樹脂を塗布したフィルムあるいはポリアミドイミドおよびアルミナフィラーを含む樹脂をセパレータ上に塗布したフィルムなどもあげられる(たとえば特開2007−299612号公報、特開2007−324073号公報参照)。
また、本発明のリチウム二次電池は、ハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池、携帯電話、携帯情報端末などの小型のリチウム二次電池などとして有用である。
つぎに実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用した各化合物は以下のとおりである。
成分(I)
(IA−1):HCF2CF2CH2OCF2CF2
(IA−2):HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3
(IA−3):CF3CF2CH2OCF2CF2
(IB−1):CF3COOCH2CF2CF2
(IC−1):CF3CH2OCOOCH2CF3
成分(II)
(IIA):cis−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート
(IIB):trans−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート
(IIC):cis−1,2−ジエチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート
成分(IIIA)
(IIIA−1):エチレンカーボネート
(IIIA−2):プロピレンカーボネート
成分(IIIB)
(IIIB−1):ジメチルカーボネート
(IIIB−2):メチルエチルカーボネート
(IIIB−3):ジエチルカーボネート
成分(IV)
(IVA):ジフルオロエチレンカーボネート
電解質塩(V)
(VA):LiPF6
(VB):LiN(O2SCF32
(VC):LiN(O2SC252
(VD):LiBF4
また、NMRおよびIRの測定はつぎのように行った。
(1)NMR
装置:BRUKER製のAC−300
測定条件:
19F−NMR:282MHz(トリフルオロメチルベンゼン=−62.3ppm)
1H−MNR:300MHz(トリフルオロメチルベンゼン=7.51ppm)
(2)赤外分光分析(IR)
Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計1760Xで室温にて測定する。
合成例1(1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートの合成)
3LのSUS製オートクレーブを用いて反応を行った。反応容器内に式:
Figure 0005401836
の2,3−ブタンジオン(300g 3.48mol)、ピリジン(138g 1.74mol)、ジクロロメタン(1L)を加えて撹拌した。その後室温下で、式:
Figure 0005401836
の二フッ化カルボニルを0.1〜0.5MPaで圧入した。発熱を伴い46.2℃まで上昇することが確認できた。その後発熱、圧の低下が確認できなくなるまで加え続け、反応の経過はGCを用いて確認した。原料の2,3−ブタンジオンの消失を確認した時点で反応を終了した。反応後、系内に残存している二フッ化カルボニルをパージしたあと、つぎの後処理を行った。まず始めに反応溶液を1Lの純水を用いて数回クエンチした。その後下層の有機層を採取し1NHCl溶液1Lを用いて再度クエンチを行うことで残存ピリジンの除去を行った。クエンチ後、MgSO4で乾燥し、ろ液をエバポレーターを用いて濃縮した。このとき、式:
Figure 0005401836
のtrans−体と式:
Figure 0005401836
のcis−体が生成しており、比率はtrans−体:cis−体=76:24(mol%)であった。
この濃縮物を5段のオルダーショー(シグマアルドリッチ社製のオルダーショーカラム)を用いて精製した。
その結果、trans−体に関しては35℃(3mmHg)の留分として純度99.1%(収率60%)で、また、cis−体に関しては52℃(2mmHg)の留分として純度99.6%(収率20%)で得られた。
これらの化合物をNMRとIRで調べたところ、つぎの同定データからそれぞれ1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートのtrans−体とcis−体であることを確認した。
trans体に関して:
1H−NMR(重アセトン):1.81〜2.00(m:6H)
19F−NMR(重アセトン):−194.7〜−194.5(m:2F)
IR:1853.8cm-1
cis体に関して:
1H−NMR(重アセトン):1.81〜2.00(m:6H)
19F−NMR(重アセトン):−113.9〜−112.4(m:2F)
IR:1853.8cm-1
合成例2(1,2−ジエチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートの合成)
3LのSUS製オートクレーブを用いて反応を行った。反応容器内に式:
Figure 0005401836
の3,4−ヘキサンジオン(397g 3.48mol)、ピリジン(138g 1.74mol)、ジクロロメタン(1L)を加えて撹拌した。その後室温下で、式:
Figure 0005401836
の二フッ化カルボニルを0.1〜0.5MPaで圧入した。発熱を伴い46.2℃まで上昇することが確認できた。その後発熱、圧の低下が確認できなくなるまで加え続け、反応の経過はGCを用いて確認した。原料の3,4−ヘキサンジオンの消失を確認した時点で反応を終了した。反応後、系内に残存している二フッ化カルボニルをパージしたあと、つぎの後処理を行った。まず始めに反応溶液を1Lの純水を用いて数回クエンチした。その後下層の有機層を採取し1NHCl溶液1Lを用いて再度クエンチを行うことで残存ピリジンの除去を行った。クエンチ後、MgSO4で乾燥し、ろ液をエバポレーターを用いて濃縮した。このとき、式:
Figure 0005401836
のtrans−体と、式:
Figure 0005401836
のcis−体が生成しており、比率はtrans−体:cis−体=85:15(mol%)であった。
この濃縮物を5段のオルダーショー(シグマアルドリッチ社製のオルダーショーカラム)を用いて精製した。
その結果、trans−体に関しては50℃(3mmHg)の留分として純度99.1%(収率70%)で、また、cis−体に関しては70℃(2mmHg)の留分として純度99.6%(収率18%)で得られた。
これらの化合物をNMRとIRで調べたところ、つぎの同定データからそれぞれ1,2−ジエチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートのtrans−体とcis−体であることを確認した。
trans体に関して:
1H−NMR(重アセトン):0.91〜0.97(m:6H)、1.61〜1.85(m:4H)
19F−NMR(重アセトン):−194.7〜−194.5(m:2F)
IR:1853.8cm-1
cis体に関して:
1H−NMR(重アセトン):0.91〜0.97(m:6H)、1.61〜1.85(m:6H)
19F−NMR(重アセトン):−113.9〜−112.4(m:2F)
IR:1853.8cm-1
実施例1
成分(I)としてHCF2CF2CH2OCF2CF2H(IA−1)、成分(II)としてcis−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(IIA)、成分(IIIA)としてエチレンカーボネート(IIIA−1)、成分(IIIB)としてジメチルカーボネート(IIIB−1)を40/3/10/47体積%比となるように混合し、この電解質塩溶解用溶媒にさらに電解質塩としてLiPF6を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し本発明の非水電解液を調製した。
実施例2
成分(II)としてtrans−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(IIB)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
比較例1
成分(I)としてHCF2CF2CH2OCF2CF2H(IA−1)、成分(IIIA)としてエチレンカーボネート(IIIA−1)、成分(IIIB)としてジメチルカーボネート(IIIB−1)を(IA−1)/(IIIA−1)/(IIIB−1)=40/10/50体積%比となるように混合し、成分(II)を配合しなかったほかは実施例1と同様にして比較用の非水電解液を調製した。
これらの非水電解液について、以下の試験1を行った。
試験1(内部インピーダンスの測定)
(2極式セルの作製)
LiCoO2とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製。商品名KF−1000)を90/3/7(質量%比)で混合した正極活物質をN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラリー状としたものを正極集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により圧縮成形した後、切断し、リード体を溶接して、帯状の正極を作製した。
別途、人造黒鉛粉末(日立化成(株)製。商品名MAG−D)に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴムを固形分で6質量%となるように加え、ディスパーザーで混合してスラリー状としたものを負極集電体(厚さ10μmの銅箔)上に均一に塗布し、乾燥し、負極合剤層を形成し、その後、ローラプレス機により圧縮成形し、切断した後、乾燥し、リード体を溶接して、帯状の負極を作製した。
前記帯状の正極、負極を16mmφの大きさに切り、また、厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムを25mmφの大きさに切ってセパレータとし、これらを図1に縦断面分解模式図として示すように組み合わせて2極式セルとした。図1中の1は正極、2は負極、3はセパレータ、4は正極端子、5は負極端子である。このセルに実施例1〜2および比較例1で調製した電解液を2mlずつ入れて密封した。容量は3mAhのセルである。セパレータなどが十分に浸透した後化成処理を行い、2極式セルを作製した。
(交流インピーダンス法)
交流インピーダンスの測定は、2極式セルを1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cまで充電(SOC=100%)した。その後、周波数アナライザ(ソーラトロン社製の1260型)とポテンショ−ガルバノスタット(ソーラトロン社の1287型)を用いて電池の内部インピーダンスを測定した。測定条件は、振幅を±10mV、周波数を0.1Hz〜2kHzとした。
得られた内部インピーダンスの測定値について、内部インピーダンスの値(Ω)の実部(Re Z)をX軸に、虚部(Im Z)をY軸とするグラフにプロットし、Cole−Coleプロットを作成したところ、図2に示す形状となった。
図2の結果から、実施例1〜2の二極式セルでは比較例1の2極式セルと比較して半円部が小さいことから、抵抗が小さいということがわかる。
試験2(熱量測定)
図3の概略平面図に示すように、前記帯状の正極を40mm×72mm(10mm×10mmの正極端子付)に切り取り、また前記帯状の負極を42mm×74mm(10mm×10mmの負極端子付)に切り取り、各端子にリード体を溶接した。また、厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルムを78mm×46mmの大きさに切ってセパレータとし、セパレータを挟むように正極と負極をセットし、これらを図3に示すようにアルミニウムラミネート包装材6内に入れ、ついで包装材6中に実施例1および比較例1で調製した電解液を2mlずつ入れて密封して容量72mAhのラミネートセルを作製した。
充電放電は、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し0.2C相当の電流で3.0Vまで放電し、引き続き、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電するサイクルで行った。
充放電後、グローボックス中でラミネートセルを分解して正極を取り出し、正極および実施例1の電解液または比較例1の電解液0.5mlを熱量測定用のセルの中に入れて熱量計測定セルとした。
Setaram社製熱量計C80に熱量測定用セルをセットし、100〜250℃まで0.5℃/分で昇温して発熱量を測定した。その結果を図4に示す。
図4の結果より、実施例1と比較例1の電解液を比較した場合、実施例1の電解液の方が発熱開始温度が高く、総発熱量が減っており、安全であることが分かる。
実施例3
成分(II)としてcis−1,2−ジエチル−1,2−ジフロロエチレンカーボネート(IIC)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例4〜10
実施例1と同様にして、成分(I)、成分(II)、成分(IIIA)および成分(IIIB)として表1に示す種類と量を用いて本発明の非水電解液を調製した。
なお、得られた電解質塩溶解用溶媒はいずれも低粘度であり、電解質塩との混合は容易であった。
比較例2
成分(I)を配合せず、成分(II)としてcis−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(IIA)、成分(IIIA)としてエチレンカーボネート(IIIA−1)、成分(IIIB)としてジメチルカーボネート(IIIB−1)を(IIA)/(IIIA−1)/(IIIB−1)=3/27/70体積%比となるように混合したほかは実施例4と同様にして比較用の非水電解液を調製した。
比較例3
成分(II)に代えて1,1−ジフルオロエチレンカーボネート(IVA)を用いたほかは実施例4と同様にして比較用の非水電解液を調製した。
試験3(電池特性の測定)
以下の方法で円筒型二次電池を作製した。
試験1で作製した帯状の正極を厚さ20μmの微孔性ポリエチレンフィルム(セパレータ)を介して試験1で作製した帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回して渦巻状巻回構造の積層電極体とした。その際、正極集電材の粗面側が外周側になるようにして巻回した。その後、この電極体を外径18mmの有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極のリード体の溶接を行った。
ついで、実施例1〜10および比較例1〜3で調製した電解液を電池ケース内に注入し、電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、封口し、予備充電、エージングを行い、筒形のリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池について、つぎの要領で放電容量、レート特性、サイクル特性および過充電時の安全性を調べた。結果を表1に示す。
(放電容量)
充放電電流をCで表示した場合、1800mAを1Cとして以下の充放電測定条件で測定を行う。評価は、比較例1の放電容量の結果を100とした指数で行う。
充放電条件
充電:1.0C、4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまでを保持(CC・CV充電)
放電:1C 3.0Vcut(CC放電)
(レート特性)
充電については、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し0.2C相当の電流で3.0Vまで放電し、放電容量を求める。引き続き、1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し、2C相当の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求める。この2Cでの放電容量と、0.2Cでの放電容量との比から、つぎの計算式に代入してレート特性を求める。
レート特性(%)=2C放電容量(mAh)/0.2C放電容量(mAh)×100
(サイクル特性)
サイクル特性については、上記の充放電条件(1.0Cで4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまで充電し1C相当の電流で3.0Vまで放電する)で行う充放電サイクルを1サイクルとし、最初のサイクル後の放電容量と100サイクル後の放電容量を測定する。サイクル特性は、つぎの計算式で求められた値をサイクル維持率の値とする。
サイクル維持率(%)=100サイクル放電容量(mAh)/1サイクル放電容量(mAh)×100
(過充電試験1)
実施例および比較例の円筒型電池について、それぞれ1CmA相当の電流値で3.0Vまで放電し12Vを上限電圧として3CmA相当の電流値での過充電を行い、発火・破裂の有無を調べる。発火・破裂が発生した場合を×、発生しなかった場合を○とする。
(過充電試験2)
実施例および比較例の円筒型電池について、それぞれ1CmA相当の電流値で3.0Vまで放電した後ガラスウールで電池を巻き、12Vを上限電圧として1CmA相当の電流値での過充電を行い、発火・破裂の有無を調べる。発火・破裂が発生した場合を×、発生しなかった場合を○とする。
Figure 0005401836
表1の結果より、1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートを添加したものはこれらを加えていない比較例1よりも放電容量、レート特性、サイクル特性が向上していることが分かる。また、成分(I)を配合しなかった比較例2、さらには比較例3のジフルオロエチレンカーボネートよりも放電容量、レート特性、サイクル特性ともに効果が大きいということが分かる。また、過充電試験の結果から安全性もさらに向上することが分かる。
さらに、trans−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(実施例2)とcis−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(実施例1)では、cis−1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(実施例1)を使用した方が放電容量、レート特性、サイクル特性ともに効果が大きいということが分かる。また、過充電試験の結果から安全性もさらに向上することが分かる。
また1,2−ジエチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(実施例3)を用いても同様の効果が奏されることも分かる。
実施例11
成分(I)としてHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(IA−2)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例12
成分(I)としてCF3CF2CH2OCF2CF2H(IA−3)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例13
成分(I)としてCF3COOCH2CF2CF2H(IB−1)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例14
成分(I)としてCF3CH2OCOOCH2CF3(IC−1)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例15〜17
電解質塩としてLiPF6(VA)に代えて、LiN(O2SCF32(VB)(実施例15)、LiN(O2SC252(VC)(実施例16)またはLiBF4(VD)(実施例17)を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
実施例18〜21
成分(I)、成分(II)、成分(IIIA)および成分(IIIB)の配合割合を表2に示す量を用いたほかは実施例1と同様にして本発明の非水電解液を調製した。
これらの非水電解液について、上記試験3を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005401836
表2の結果より、1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートを用いるときは、含フッ素エーテル(IA−1)に代えて他の含フッ素エーテル(実施例11〜12)を用いても、また電解質塩を変更しても(実施例15〜17)、また含フッ素エーテルまたは1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートの配合量を変更しても(実施例18〜21)、放電容量、レート特性、サイクル特性ともに向上することが分かる。また、含フッ素エステル(実施例13)または含フッ素鎖状カーボネート(実施例14)を用いた場合、放電容量、レート特性ともに向上することが分かる。また、過充電試験の結果から安全性もさらに向上することが分かる。
試験1で作製する2極式セルの縦断面分解模式図である。 試験1で測定した内部インピーダンスをCole−Coleプロットしたグラフである。実施例1〜2の半円部が小さく、抵抗が小さいことが分かる。 試験2で作製するラミネートセルの概略平面図である。 試験2で測定した温度(℃)と発熱量(Heat Flow:mW)の関係を示すグラフである。実施例1の発熱開始温度が高いことが分かる。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 正極端子
5 負極端子
6 アルミニウムラミネート包装材

Claims (12)

  1. 含フッ素エーテル、含フッ素エステルおよび含フッ素鎖状カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒(I)と1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)と他のカーボネート(III)を含み、
    1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)の配合量は、(I)と(II)と(III)の合計を100体積%とするとき、0.1体積%以上、30体積%以下である
    リチウム二次電池の電解質塩溶解用溶媒。
  2. フッ素系溶媒(I)が、
    式(IA):
    RfORf
    (式中、Rfは炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rfは炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
    式(IB):
    RfCOORf
    (式中、Rfは炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rfは炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、RfおよびRfの少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステル、
    および
    式(IC):
    RfOCOORf
    (式中、Rfは炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rfは炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素鎖状カーボネート
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の溶媒。
  3. 他のカーボネート(III)が、非フッ素環状カーボネート(IIIA)および非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)である請求項1または2記載の溶媒。
  4. 非フッ素環状カーボネート(IIIA)が、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートの1種または混合物である請求項3記載の溶媒。
  5. 非フッ素鎖状カーボネート(IIIB)が、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびジエチルカーボネートの1種または混合物である請求項3記載の溶媒。
  6. 1,2−ジアルキル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)が、1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネートである請求項1〜5のいずれかに記載の溶媒。
  7. 1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)が、cis−体である請求項6記載の溶媒。
  8. 1,2−ジメチル−1,2−ジフルオロエチレンカーボネート(II)が、trans−体である請求項6記載の溶媒。
  9. (I)と(II)と(III)の合計を100体積%としたときに、フッ素系溶媒(I)が10〜60体積%ある請求項1〜8のいずれかに記載の溶媒。
  10. (I)と(II)と(IIIA)と(IIIB)の合計を100体積%としたときに、(I)が10〜60体積%、(II)が0.1〜10体積%、(IIIA)が10〜50体積%、および(IIIB)が0〜79.9体積%である請求項3〜9のいずれかに記載の溶媒。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電解質塩溶解用溶媒と電解質塩を含むリチウム二次電池の非水電解液。
  12. 請求項11記載の非水電解液を用いたリチウム二次電池。
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