JP5401709B2 - 半導体装置の接合装置及び接合方法 - Google Patents

半導体装置の接合装置及び接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の半導体装置が絶縁性接着剤を介して基板に接着され、各半導体装置のバンプが基板端子部にフリップチップ接合される半導体装置の接合装置及び接合方法に関する。
図12(A)において、配線パターンが形成された配線基板51の基板端子部51aに、絶縁性接着剤52(例えばNCF(Non Conductive Film),NCP(Non Conductive Paste))を塗布若しくは貼付けして、半導体装置53(フリップチップ)を接着する。この状態では、半導体装置53の金属バンプ54(はんだバンプ、金パンプ等)と基板端子部51aとは電気的に接続されていない。
この配線基板51を例えば下型55に載置して上型56との間でクランプしながら金属バンプ54の融点温度まで加熱加圧することにより半導体装置53と基板端子部51aが電気的に接続すると共に絶縁性接着剤52が硬化してアンダーフィルが行なわれる。
尚、配線基板ではないが、半導体素子を1個ずつリードフレームに仮圧着した後で一括して本熱圧着する実装装置はすでに提案されている(特許文献1参照)
特開2000−100837号公報
熱膨張係数の大きな配線基板51に対して、半導体装置53を一括でフリップチップ接続する場合、リフロー炉等に搬入して金属バンプ54の融点温度(例えばはんだ融点若しくは接着剤の硬化温度)まで昇温すると、図12(B)に示すように熱膨張により配線基板51に伸びが発生してしまう。この状態で半導体装置53を基板に圧着しようとすると金属バンプ54と基板端子部51aとの間に位置ずれを生じて接合不良を起こすおそれがある。
また、配線基板51及び半導体装置53を金型によりクランプして加熱加圧する場合には、上型56に設けられたヒータによる熱が配線基板51及び半導体装置53を通じて下型55側に吸熱されて半導体装置53及び配線基板51を加熱する際の熱容量が大きくなるため、金属バンプ54の融点温度(例えばはんだ融点若しくは接着剤の硬化温度)まで昇温するまでの加熱時間が長くなり、はんだによって電気的に接続される前に接着剤52の硬化が進んで接続不良を起こすおそれもある。
更には、加熱時間が長くなると、接着剤52によっては予め混入した微細な空気が加熱により膨張したり発泡したりして、半導体装置53の接着性を妨げる場合も想定される。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、基板の昇温を効率的に行なうことで半導体装置をフリップチップ接続する際の位置ずれや接続不良の発生を低減した半導体装置の接合装置及び接合方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、複数の半導体装置が絶縁性接着剤を介して基板に接着され、各半導体装置のバンプが基板端子部にフリップチップ接合される半導体装置の接合装置であって、前記半導体装置が接着された前記基板が載置される基板保持プレートを備え、該基板保持プレートが支持ロッド若しくは支持部材を用いて熱抵抗が大きくなるようにフローティング支持される基板支持手段と、熱源を内蔵し前記基板が前記基板支持手段に支持されたままクランプ面を押し当てることにより加熱加圧可能な加熱加圧手段と、を具備し、前記加熱加圧手段は、前記基板保持プレートに載置されてフローティング支持された前記基板にクランプ面を近接させて輻射熱により前記基板及び半導体装置を予備加熱し、当該基板が基板支持手段に支持されままクランプ面を前記半導体装置に押し当てて前記絶縁性接着剤を硬化させると共に半導体装置のバンプを基板端子部と接合させることを特徴とする。
前記基板周縁部を挟み込むチャックが設けられた基板保持プレートがクランプ面より離間するように支持されていることを特徴とする。
前記基板保持プレートには、平面視の外形が半導体装置の外形よりも小さい支持部が突設されていることを特徴とする。
前記基板保持プレートには、基板の半導体装置の実装面とは反対面を吸着保持する基板吸着機構が設けられていることを特徴とする。
前記加熱加圧手段の基板当接面にはリリースフィルムが吸着保持されていることを特徴とする。
前記加熱加圧手段と基板支持手段との間で密閉された密閉空間内に前記基板が収容されかつ減圧空間若しくは加圧空間が形成された状態で前記半導体装置及び基板が加熱加圧されることを特徴とする。
前記加熱加圧手段は熱源を内蔵した第1の金型であり、前記基板支持手段は基板保持プレートをフローティング支持する第2の金型であり、前記第1の金型と第2の金型とをストッパブロックが突き当たる高さまで型閉じすることにより、前記基板保持プレートに保持された基板に実装された半導体装置が前記第1の金型のクランプ面に押し当てられ基板保持プレートが第2の金型のクランプ面にクランプされたまま加熱加圧されることを特徴とする。
また、基板の基板端子部に絶縁性接着剤を介して接着された複数の半導体装置を当該基板にフリップチップ接合する半導体装置の接合方法であって、前記半導体装置が接着された前記基板が基板保持プレートに載置され、該基板保持プレートを支持ロッド若しくは支持部材を用いて基板支持手段のクランプ面とは離間させて熱抵抗が大きくなるようにフローティング支持する工程と、熱源を内蔵した加熱加圧手段のクランプ面を前記基板保持プレートに載置されてフローティング支持された前記基板に近接させて輻射熱により前記基板及び半導体装置を所定温度まで予備加熱する予備加熱工程と、前記加熱加圧手段のクランプ面を前記半導体装置に押し当てたままバンプ溶融温度まで昇温させて、前記絶縁性接着剤を硬化させると共に前記バンプを基板端子部と接合させる接合工程と、を含むことを特徴とする。
また、前記予備加熱工程前に、前記基板支持手段と加熱加圧手段により密閉空間を形成して当該密閉空間に前記基板を密閉空間に収容する工程と、前記密閉空間の空気を吸引して減圧空間を形成する工程若しくは前記密閉空間に圧縮空気を送り込んで加圧空間を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の接合装置及び接合方法を用いれば、半導体装置及び基板を予備加熱して昇温させた後で半導体装置を一括して基板に接合するようにしたので、バンプと基板端子部との位置ずれは生じ難くなる。
また、半導体装置が接着された配線基板をクランプ面とは離間させて基板支持手段により支持することにより、基板の熱容量を下げて短時間で昇温させることができるので、絶縁性接着剤が早期に硬化することによる接続不良の発生を低減することができる。
また、接着剤の特性によっては、減圧空間を形成しながら加熱加圧したり、加圧空間を形成したりしながら加熱加圧することにより、絶縁性接着剤のボイドの影響を抑えて半導体装置の接着性を維持することができる。
実施例1に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例1に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例1に係る接合工程による効果の説明図である。 実施例2に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例2に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例3に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例3に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例4に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例4に係る接合装置の接合工程の断面図である。 実施例5に係る接合装置の接合工程の断面図である。 接合装置のレイアウト構成を示す平面図である。 従来の接合装置及びその課題を説明する断面図である。
以下、本発明に係る半導体装置の接合装置及び接合方法の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。
[実施例1]
半導体装置の接合装置の一例について図1及び図2を参照しながら接合方法と共に説明する。
図1(A)において、配線パターンが形成された配線基板1(以下、単に「基板1」という)の基板端子部1aには、熱硬化性樹脂である絶縁性接着剤2(例えばNCF(Non Conductive Film),NCP(Non Conductive Paste))等を介して複数の半導体装置(例えば半導体チップ)3が接着されている。なお、半導体装置3が接着される基板1は、有機基板のみならずセラミックス基板のような無機基板等の他の種類の基板でもよく、リードフレームや半導体ウェハなどでもよい。基板1には公知のフリップチップボンダー(図示せず)を用いて半導体装置3が複数行複数列に整列(配列)して接着されている。
基板1は、チャック4aにより基板周縁部が挟み込まれて基板保持プレート4に保持されている。基板保持プレート4は基板1を歪みなくフラットに保持すべくその下面が複数の支持ロッド5により支持されている。各支持ロッド5は、同図に示すように、半導体装置3が偏って支持(加圧)されるのを防ぐために複数の半導体装置3の直下を避けて配置されている。各支持ロッド5は下型6(基板支持手段)に設けられたコイルばね7を介して、上端が下型クランプ面6aより離間した状態でフローティング支持されている。また、各支持ロッド5は、基板保持プレート4と上型8との間隔を均一にするため、通常状態で同じ突出長とするように構成されると共に基板保持プレート4が自重によって撓んで高さが不均一にならないように均等な間隔で配置されている。また、下型6は図示しない型閉じ機構により昇降動作が可能になっている。尚、セラミックス基板のように剛性が高く撓みが少ない基板1を用いた場合には、基板保持プレート4を省略して基板1が直接支持ロッド5に支持されるようにしてもよい。
これにより、後述する上型8に設けられた熱源(ヒータ13)により加熱する際に、基板1直下の熱抵抗を増加させて熱が逃げ難くすることができる。換言すれば、基板1に接触させた部材の熱容量を下げて基板1を短時間で昇温させることができるので、絶縁性接着剤2が早期に硬化することによる接続不良の発生を低減することができる。
具体的には、図3(A)に示すように、基板1の温度Tを素早く短時間で昇温させることができることにより、絶縁性接着剤2の粘度ηnが低くなるタイミングとバンプ3aが溶融して粘度ηbが低くなるタイミングとを合わせることができる。尚、熱硬化性樹脂である絶縁性接着剤2は所定の熱量が加えられた時点で粘度ηnが最も下がりその前後(同図で粘度ηnが破線を下回る範囲)で溶融したバンプ3aの接合が行える程度に粘度が下がった状態となる。これにより、バンプ3aによって基板1と半導体装置3とを確実に電気的に接続することが可能となる。尚、図3(B)に示すように、基板1の温度Tを短時間で昇温させることができることができない場合、粘度ηnの低くなるタイミングが粘度ηbの低くなるタイミングよりも早くなってタイミングを合わせることができないため、バンプ3aの電気的接続が確実に行われないおそれがある。
図1(A)に示すように、上型8(加熱加圧手段)は、上型ベース9に上型ブロック10がコイルばね11を介して吊下げ支持されている。コイルばね11のばね力はコイルばね7のばね力より大きいものとする。尚、コイルばね11は省略されていてもよい。上型ブロック10には、半導体装置3の対向位置にクーラ12が、半導体装置3以外の基板1に対向する位置にヒータ13(熱源)が交互に設けられている。上型ブロック10は、半導体装置3が近接すると輻射熱により基板1及び各半導体装置3を予備加熱し、当該半導体装置3が押し当てられるとバンプ3a(はんだバンプ,金バンプなどの金属バンプ等)を基板端子部1aとフリップチップ接合(以下、単に「接合」という)させる。
クーラ12は、例えばバンプ3aが溶融した状態で型開きすると基板端子部1a接合不良を起こすおそれがあることから、バンプ3aと基板端子1aの接合部を十分冷やして硬化(固化)させた状態で型開きを行なうために設けられる。冷却効率を考慮すると、下型6には、基板端子部1aに対向する位置にクーラ6bが設けられていてもよい。半導体装置3の接合工程を繰り返すうちに下型6の温度が上がりすぎると絶縁性接着剤2の硬化が促進されてしまうからである。また、金型全体の加熱及び冷却を素早く行なうことができるため、スループットを向上させることができる。
なお、クーラ12を省いて上型8を加熱専用として下型6を冷却専用としてもよい。さらに、下型6にもヒータを設けて、下型6及び上型8の両方から加熱する構成としてもよい。この場合でも、基板保持プレート4が支持ロッド5でフローティング支持されるため、上型8のみならず下型6からの熱が基板1に伝わるのを効果的に防止し、基板1の載置から加圧までの間における絶縁性接着剤2の硬化を遅らせることが可能となっている。
また、上型ブロック10の半導体装置3のクランプ面(当接面)10aにはリリースフィルム14が吸着保持されている。リリースフィルム14は、ヒータ13の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するもの、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEPフィルム、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。
上記リリースフィルム14を用いることで、半導体装置3の基板1からの高さのばらつきを吸収できるうえに、絶縁性接着剤2が加熱溶融した際に該接着剤2が半導体装置3の上面に這い上がって半導体装置3の上面及びクランプ面10aが汚れるのを防ぐことができる。
次に、半導体装置の接合工程について説明する。ここで接合工程とは、基板1に載置(絶縁性接着剤2を介して接着される場合も含む)された半導体装置3を電気的に接続させる工程をいう。
先ず、図示しない公知のフリップチップボンダーにおいて、図1(A)に示すように複数の半導体装置3を基板端子部1aにバンプ3aを位置合わせした状態で絶縁性接着剤2を介して基板1に接着する。なお、半導体装置3が正確な位置に位置決めされて搬送中にずれが発生しないのであれば、必ずしも接着されている必要はない。さらに、正確な位置に位置決めされるのであれば、絶縁性接着剤2を基板1の全面に塗布し半導体装置3を接着するような方法で配置してもよい。
続いて、図1(A)において、この基板1を、ヒータ13によって上型8を加熱し型開き状態にある下型6の支持ロッド5に支持された基板保持プレート4に搬入し、基板周縁部をチャック4aにより挟み込んで保持させる。この場合、1つの基板1を基板保持プレート4の中央に配置してもよいし、複数の基板1を基板保持プレート4上に対称に配置してもよい。基板保持プレート4は支持ロッド5により下型クランプ面よりフローティング支持されている。また、上型ブロック10のクランプ面10aには、予めリリースフィルム14を吸着保持させておく。尚、基板1の搬入後からヒータ13による加熱を開始してもよい。
次に、図1(B)において下型6を上動させて、リリースフィルム14を吸着保持した上型ブロック10のクランプ面10aに半導体装置3を近接させ、ヒータ13により加熱されたクランプ面10aの輻射熱により基板保持プレート4上の基板1及び各半導体装置3を所定温度まで予備加熱して熱膨張(線膨張)させる。この所定温度は、バンプ3aの溶融温度よりも数十℃程度(例えば10〜30℃)低い温度に設定するのが好ましい。一例として、バンプ3aがはんだバンプの場合には溶融温度260℃より20℃程度低い240℃程度まで加熱し、金バンプである場合には、溶融温度180℃より20℃程度低い160℃まで加熱する。
このように、基板保持プレート4上の基板1を加熱することで、例えば冷却された下型6のブロック上で基板1を加熱する場合と比較して絶縁性接着剤2及びバンプ3aを基板1と同様に素早く加熱することが可能となる。また、クランプ前に基板1を十分に熱膨張させることが可能となる。これに対して、例えば加熱された下型6のブロック上で基板1を加熱加圧(圧着)する場合には、バンプ3aの溶融前に絶縁性接着剤2が硬化してしまうおそれがあるが、上述のような素早い加熱によってこのような問題も起こることがない。
次いで、図2(A)において、予備加熱によって基板1を熱膨張させた後、下型6を更に上昇させて上型ブロック10のクランプ面10aに半導体装置3を押し当て、そのままバンプ3aの溶融温度まで昇温させて加熱加圧する。これにより、バンプ3aが溶融して基板端子部1aと電気的に接続される。
このとき、基板1及び半導体装置3は、下型6に設けられたコイルばね7の押圧力により上型ブロック10と基板保持プレート4との間でクランプされている。
更に下型6を上昇させると図2(B)に示すように、支持ロッド5がコイルばね7を縮めるように下型6内に押し戻されて基板保持プレート4が下型6の下型クランプ面6aに突き当たるまで移動させることで加熱加圧を続ける。このとき、基板1及び半導体装置3は、上型8に設けられたコイルばね11の押圧力により上型ブロック10と基板保持プレート4との間でクランプされている。なお、下型6の上昇位置を図2(A)の状態で停止させて、そのまま加熱加圧してもよい。
これにより、基板1を十分に熱膨張させてから絶縁性接着剤2を硬化させると共に金属バンプ3aを基板端子部1aに電気的に接続させるため、基板1と半導体装置3とを確実に接合させることができる。このとき、半導体装置3及び基板1に接触させた部材の熱容量が小さく効率的に予備加熱して基板1に伸びを発生させた状態でクランプし半導体装置3の金属バンプ3aと基板端子部1aとを接合するため、位置ずれが生ずることなく接合することができる。また、基板1をフローティング支持して熱容量を下げて短時間で昇温させることができるので、長時間加熱により絶縁性接着剤2が早期に硬化して接続不良が発生するのを低減することができる。
続いて、図2(B)の状態において、ヒータ13による加熱を停止すると共にクーラ6b,12による冷却を開始しバンプ3aと基板端子部1aの接合部を冷却硬化させる。次いで、下型6を下降させて型開きし、基板1を搬出して図示しない収納部に収納してこの半導体装置3の接合工程が終了する。この場合、型開き時にバンプ3aに対して引っ張り力が作用したとしても基板端子部1aとの電気的接続は確実に維持されるので、接続信頼性が損なわれることがなく好ましい。
[実施例2]
次に半導体装置の接合装置及び接合方法の他例について説明する。
本実施例では、基板保持プレート4の構造及びその上に載置する基板1の上下方向の向きが異なるように反転している点を除いて、その他の接合装置の概略構成及び接合方法の手順は実施例1と同様であるので同一部材については同一番号を付して説明を援用するものとし、以下では異なる構成を中心に説明する。
図4(A)において、基板保持プレート4には、平面視の外形が半導体装置3の外形よりも若干小さい程度の支持部4bが突設されている。このため、基板保持プレート4には、支持部4bどうしの間には凹溝4cが形成される。また、半導体装置3の周縁部が支持部4bに支持されていないものの幅が狭いため加圧によって変形するようなことはない。支持部4bは、半導体装置3の配列と同程度の間隔で設けられている。基板1を基板保持プレート4上に搬入する際には、半導体装置3と支持部4bとの中心を合わせて各支持部4bに各半導体装置3が支持されるように基板1が載置される。また、基板保持プレート4には、基板1と熱膨張係数の近い材質を用いることが好ましい。例えば、基板1がセラミックス基板のときには、基板保持プレート4にはセラミックスやセラミックスに近い熱膨張係数の材質を用いることが望ましい。
図4(B)に示すように、予備加熱の際には、基板1の裏面を上型ブロック10のクランプ面10aに近接させ、基板1の裏面からクランプ面10aの輻射熱により基板1、絶縁性接着剤2、半導体装置3及び基板保持プレート4を加熱する。これにより、熱膨張係数が同等な基板1と基板保持プレート4とがそれぞれ同程度ずつ熱膨張した状態となる。したがって、基板1の熱膨張による基板端子部1aの位置の移動に半導体装置3を追従させることができるため、基板1に対する半導体装置3のずれが確実に防止される。
続いて、基板クランプ時には、図5(A)に示すように、上型ブロック10のクランプ面10aに基板1の裏面を押し当てることで更に昇温される。この場合、熱膨張係数が同等な基板1と基板保持プレート4とを用いているため、例えばクランプ後の基板1の熱膨張が大きくなったとしても、基板保持プレート4上に載置された半導体装置3を基板1に対してずらすことなくクランプしながら加熱加圧することが可能となっている。同様に、図5(B)に示すように、下型クランプ面6aを基板保持プレート4に突き当ててより大きな力でクランプした状態であっても、同様に半導体装置3を基板1に対してずらすことなくクランプしながら加熱加圧することができる。これにより、半導体装置3を下に向けて基板保持プレート4上に載置する場合でも、バンプ3aと基板端子部1aとを確実に電気的に接続することができる。
このとき、加熱されて溶融した絶縁性接着剤2が基板1と半導体装置3との間から流下することが考えられる。例えば、支持部4bの突設されていないフラットな基板保持プレート4であれば、流出した絶縁性接着剤2が基板保持プレート4まで達すると半導体装置3と基板保持プレート4との隙間に毛細管現象により侵入することで、半導体装置3の上面にフラッシュばりが発生したり、基板保持プレート4が汚れて逐一クリーニングが必要になったりする不具合が生じるおそれがある。
これに対して、支持部4bがプレート面(凹溝4c)より高さが高く半導体装置3よりも外形が小さいため、半導体装置3の側面の下端は基板保持プレート4から離間した状態となる。この場合、流出した絶縁性接着剤2は半導体装置3の側面の下端において表面張力によって留められる。したがって、絶縁性接着剤2が半導体装置3と基板保持プレート4との隙間に侵入せず半導体装置3の側面に留めてフィレットとすることができ、流出した絶縁性接着剤2による上述のような不具合を防止することができる。また、流出した余剰な絶縁性接着剤2が半導体装置3の側面に集められるため、フィレットの成形幅を小さくすることができ、半導体装置3の実装密度の向上が可能となる。さらに、半導体ウェハのように表面の汚れが問題になる基板1を用いるときには余剰な絶縁性接着剤2の流出による表面の汚れを確実に防止することができるため、一層有効である。
なお、汚れなどの防止のためにリリースフィルム14を半導体装置3と支持部4bとの間に挟むように、基板1の載置前に基板保持プレート4上に供給してもよい。この場合、基板保持プレート4には、フラットな基板保持プレート4を用いることができる。また、エアで加圧しながら絶縁性接着剤2の流出を防ぐことができ、或いは絶縁性接着剤2の流出が生じない場合には、リリースフィルム14を用いずにフラットな基板保持プレート4を用いることができるのは勿論である。
また、クランプしながら加熱加圧しても半導体装置3を基板1に対してずれることがないため、基板1の搬入後に予備加熱による所定温度までの加熱を待たずに加熱加圧を開始することができ、スループットを向上させることができる。
[実施例3]
次に半導体装置の接合装置及び接合方法の他例について図6及び図7を参照して説明する。
本実施例は加熱加圧手段と基板支持手段との間で密閉された密閉空間内に基板1が収容され、減圧空間若しくは加圧空間が形成された状態で半導体装置3が加熱加圧されるようになっている。以下、具体的に説明する。
図6(A)に示すように、基板保持プレート15には、エア吸引路15aやプレート面に連通する複数の吸引孔15bが設けられている。エア吸引路15aには、下型ブロック19に設けられた基板吸着機構16のエアチューブ16aと連通している。エアチューブ16aの一部には可撓性を有する伸縮自在な螺旋状チューブ16bが設けられている。螺旋状チューブ16bは、基板保持プレート15が上型8により押し戻された際にエアチューブ16aの余剰分を吸収するようになっている。基板吸着機構16は、図示しない吸引ポンプに接続されている。基板1は、半導体装置3の接着面とは反対面を吸引孔15bに吸引されて基板保持プレート4に吸着保持される。
下型17は、下型ベース18に下型ブロック19が支持されており、下型ブロック19には支持ロッド5がコイルばね7を介してフローティング支持されている。また、下型ブロック19の周囲には可動クランパ20がコイルばね21を介して下型ベース18に支持されている。また、下型ブロック19及び下型ベース18には、エア通路22が形成されている。
可動クランパ20と下型ブロック19の側面にはシール材23a(例えばOリング)が設けられており、可動クランパ20のクランプ面(上端面)20aにもシール材23b(例えばOリング)が設けられている。上型ブロック10のクランプ面10aにはリリースフィルム14が吸着保持されている。図6(B)に示すように、下型17を上昇させた際に、可動クランパ20のクランプ面20aが上型ブロック10のクランプ面10aにリリースフィルム14を介して当接すると、上型8と下型17との間に密閉空間K(図6(b)参照)が形成されるようになっている。
また、図6(A)に示すように、基板保持プレート15は、クランプ前の通常状態で基板1の載置時に半導体装置3の上面が可動クランパ20のクランプ面よりも低くなる位置に支持ロッド5で支持されている。このため、密閉空間Kの形成時点では上型ブロック10のクランプ面10aと半導体装置3とが離間した状態となり、密閉空間Kでの予備加熱が可能となっている。図示しないコンプレッサによりエア通路22を通してエアを吸引若しくは圧縮空気を送り込むことで、密閉空間Kに減圧空間若しくは加圧空間を形成できるようになっている。なお、同図では、上述実施例とは異なりクーラ6b,12を省いた構成となっているが、クーラ6b,12を設ける構成としてもよい。
次に、半導体装置の接合工程について説明する。
図6(A)において、ヒータ13によって上型ブロック10を加熱し上型ブロック10のクランプ面10aにリリースフィルム14を吸着保持した状態で、基板1を、基板保持プレート15上に搬入する。この際に、基板1を、型開き状態にある下型17の支持ロッド5に支持された基板保持プレート15上に載置し、基板吸着機構16により吸引孔15bよりエア吸引されたプレート面に吸着保持させる。これにより、基板1が当初から歪んでいたり偏って加熱されることで歪みが生じたとしても、基板1を基板保持プレート15に確実に張り付けることができ、ばたついたり傾いたりすることなくフラットに吸着することができる。このため、基板1全面に亘ってクランプ面10aに平行に保つことができ、加熱及び加圧を均一に行なうことができる。
次に、図6(B)において下型17を上動させて、可動クランパ20を上型ブロック10に当接させ密閉空間Kを形成し、エア通路22を通じてエア吸引することにより密閉空間Kを減圧する。この際に、リリースフィルム14を吸着保持した上型ブロック10のクランプ面10aに半導体装置3を近接させ、密閉空間Kで輻射熱により基板1及び半導体装置3を所定温度まで予備加熱する。
次いで、図7(A)において、下型17を更に上昇させて上型ブロック10のクランプ面10aに半導体装置3を押し当て、そのままバンプ3aの溶融温度まで昇温させ密閉空間Kで加熱加圧する。
このとき、基板1は、下型6に設けられたコイルばね7の押圧力により上型ブロック10と基板保持プレート4との間でクランプされている。また、可動クランパ20は、上型ブロック10に当接したままコイルばね21が縮むように押し戻される。
更に下型17を上昇させ、図7(B)に示すように、支持ロッド5がコイルばね7を縮めるように下型ブロック19内に押し戻されて基板保持プレート15が下型ブロック19の下型クランプ面19aに突き当たるまで移動させることで加熱加圧を続ける。このとき、基板1は、上型ブロック10と基板保持プレート4との間でクランプされる。
この際に、減圧空間で加熱加圧が行なわれるため、絶縁性接着剤2にボイドが含まれていたとしても、これを絶縁性接着剤2外に排出してより高品質にアンダーフィルすることが可能となる。また、上述の実施例と同様に、基板1を予め熱膨張(線膨張)させてからクランプするため基板1の熱膨張による位置ずれが防止できると共に、基板1をフローティング支持して短時間で昇温させることができるので、上述のような接続不良が発生するのを低減することができる。続いて、図7(B)の状態において、密閉空間Kの減圧を解除すると共に型閉じとは逆に動作させて型開きする。次いで、基板吸着機構16による吸着保持を解除し、基板1を搬出して収納しこの半導体装置3の接合工程が終了する。
このような構成によって、絶縁性接着剤2の特性によっては、減圧空間を形成しながら加熱することにより、ボイドの影響を抑えて半導体装置3の接着性を維持することができる。
また、密閉空間Kに加圧空間を形成し、当該加圧空間で予備加熱及び加熱加圧することで絶縁性接着剤2を加圧しながら硬化させることもできる。この場合、絶縁性接着剤2にボイドが含まれていたとしても、ボイドを圧縮して微小化させることで、高品質にアンダーフィルすることが可能となる。また、密閉空間Kを加圧空間と減圧空間とに切り替えるように制御しながら予備加熱及び加熱加圧することもできる。
[実施例4]
次に半導体装置の接合装置及び接合方法の他例について図8及び図9を参照して説明する。
本実施例は加熱加圧手段と基板支持手段との間で密閉された密閉空間K内に基板1が収容され、減圧空間若しくは加圧空間が形成された状態で半導体装置3が加熱加圧されるようになっている点は実施例3と同様である。また、下型ブロック19の周囲には可動クランパ20がコイルばね21を介して下型ベース18に支持されている点は実施例3と同様である。さらに、基板保持プレート4は下型17に設けられた支持ロッド5によりコイルばね7を介してフローティング支持されている点も実施例1と同様である。
但し、半導体装置3毎に密閉空間Kが仕切られると共に個別のキャビティ駒で加熱加圧可能になっている点が異なっている。以下、具体的に説明する。
図8(A)において、上型24は、上型ブロック25の下端には上型凹部25aが形成されている。この上型凹部25aには、クランパ27が吊下げ支持されている。クランパ27は、その上端に取り付けられたガイドロッド27aがコイルばね26aにより上型ブロック25に吊り下げ支持されている。ガイドロッド27aは、上型ブロック25に設けられたガイド孔25bに案内されて吊り下げられている。このクランパ27は支持ロッド5の上方に配置され、支持ロッド5と共に基板1をクランプ可能に設けられている。また、クランパ27は、半導体装置3の配列に対応して平面視形状が格子状の仕切り壁27bが設けられている。これにより、仕切り壁27は、支持ロッド5と共に基板1の外周及び半導体装置3の間をクランプする。また、密閉空間Kはクランパ27の仕切り壁27bに仕切られることにより半導体装置3を個別に収容可能なキャビティ孔27cに仕切られている。各キャビティ孔27c内に配置されたキャビティ駒28は、その上端に取り付けられたガイドロッド28aがコイルばね26bにより上型ブロック25に吊り下げ支持されている。ガイドロッド28aは、上型ブロック25に設けられたガイド孔25cに案内されて吊り下げられている。
キャビティ駒28は、毛細管現象による絶縁性接着剤2の侵入防止のため、各半導体装置3の平面視の外形よりも小さな押圧面を有し、キャビティ駒28は上型ブロック25に設けられたヒータ(図示せず)から加熱されている。また、キャビティ駒28は、図8(A)に示すようにクランプ前の通常状態において、押圧面がクランパ27の下端面(クランプ面)よりも所定の高さだけ高い位置となるように支持されている。この場合、この所定の高さとしては、絶縁性接着剤2の厚み及び半導体装置3の厚みを足し合わせた高さよりも大きく設定される。また、コイルばね26a,26bは、コイルばね7よりばね力が大きいものが用いられる。このため、下型クランプ面6aとクランパ27とで基板1をクランプするまでは、半導体装置3とキャビティ駒28の押圧面とが離間した状態となって予備加熱することが可能となる。
また、キャビティ駒28は、上型ブロック25に鉛直に設けられたガイド孔25cにガイドロッド28aが案内されて、押圧面をクランパ27のクランプ面と平行に保ちながら移動可能に構成されている。これにより、各キャビティ駒28が対応する各半導体装置3を基板1に均一な圧力で押圧することができ、各半導体装置3のそれぞれについて全面において均一な高さに接合可能となっている。
また、上型ブロック25の上型凹部25aの側壁には図示しないコンプレッサ等に接続されたエア通路25dが設けられている。また、クランパ27と上型凹部25aとの間には密閉空間Kを形成するためのシール材29(例えばOリング)が設けられている。このため、図8(B)に示すようなクランプ時には、基板1と上型凹部25aとクランパ27とシール材29とによって密閉空間Kが形成されて、減圧可能となっている。
また、基板保持プレート4には基板1の外縁部に対応する位置に位置決めピン4dが突設されている。基板1に設けられた基板孔(貫通孔)1dに位置決めピン4dを貫通させて基板1が位置決められて基板保持プレート4に保持される。この場合、基板1に設けられた基板孔1dは、基板1の中心を通過する線分に沿って長孔に複数形成されているのが好ましい。これにより、基板1を基板保持プレート4上の同じ位置に確実に載置することができ、キャビティ駒28の押圧面に対して半導体装置3を適切な位置に位置決めすることが可能となっている。一方、クランパ27の下端面には位置決めピン4dの先端が嵌り込む位置決め穴27dが設けられている。図8(B)に示すように型閉じした際に、位置決めピン4dが位置決め穴27dに嵌まり込んで、基板1がクランパ27にクランプされるようになっている。
次に、半導体装置の接合工程について説明する。
図8(A)において、複数の半導体装置3が基板端子部1aに絶縁性接着剤2を介して接着されている基板1を、型開き状態にある下型17の支持ロッド5に支持された基板保持プレート4に搬入し、位置決めピン4dに基板孔1dを貫通させて保持させる。基板保持プレート4は支持ロッド5により下型クランプ面よりフローティング支持されている。
次に、下型17を上動させて、図8(B)に示すようにクランパ27を基板1に当接させて密閉空間Kを形成し、エア通路25dを通じてエア吸引することにより減圧空間を形成する。この際に、半導体装置3はクランパ27の各キャビティ駒28の押圧面に近接し、図示しないヒータに加熱された押圧面からの輻射熱により基板1及び各半導体装置3を減圧空間で所定温度まで予備加熱して基板1を熱膨張させる。また、下型17の上動にともなって、可動クランパ20の押圧面に設けられたシール材23bが上型ブロック25に押し当てられる。
なお、位置決めピン4dが位置決め穴27dに嵌まり込んでクランプされるが、クランプ力はコイルばね7の押圧力だけであるため、基板1は熱膨張可能な状態となっている。この場合、基板孔1dが基板1の中心を通過する線分に沿って長孔に形成されていれば、基板1が熱膨張しても位置決めピン4dによってその変形を制限されてストレスがかかることはない。
次いで、下型17を更に上昇させて、図9(A)に示すように、支持ロッド5がコイルばね7を縮めるように下型ブロック19内に押し戻し、可動クランパ20が上型ブロック25にOリング23bを介して突き当たるまで移動させる。この際に、キャビティ駒28の押圧面をクランパ27のクランプ面と平行に保ちながら移動させることができるために、押圧面との距離を半導体装置3の全面に亘って均一にすることができ、各半導体装置3の全面を均一に加熱することができる。このため、絶縁性接着剤2の硬化を均一に進めることができると共にバンプ3aを均一に昇温することができる。
続いて、図9(B)に示すように、下型17を更に上昇させて、キャビティ駒28の押圧面に半導体装置3を押し当て加熱加圧することで、バンプ3aの溶融温度まで昇温させる。この場合、クランパ27及びキャビティ駒28は下型17の上昇に伴い、基板1を介して下型17に押圧されることで、コイルばね26a,26bが縮むように押し戻される。この際には、コイルばね26a,26bの押圧力によってクランプされることにより、基板1は熱膨張してもばたつくことなく、また、半導体装置3はそれぞれが全面で均一な高さになるようにクランプされた状態で加熱加圧されるため、絶縁性接着剤2による接合を確実に行なうことができる。
以上のように、上記キャビティ駒28により半導体装置3に個別に押し当てることで、半導体装置3の基板1からの高さにばらつきが生じても、コイルばね26bにより高さのばらつきを吸収して各半導体装置3を確実に接合することができる。
なお、コイルばね26b以外でクランパ27及びキャビティ駒28を押圧する構成を採用してもよい。例えば、空気バネやその他の弾性部材を用いることもできる。また、弾性部材に替えて、油圧シリンダーやモータなどの駆動機構により下型6の昇降動作に連動して昇降動作可能な構成としてもよい。
また、図8(B)に示す密閉空間Kを加圧空間にするときには、上型8のエア流路25d及び下型6のエア通路22の各々を通して圧縮空気を送り込み、基板1を上下方向からエアで加圧する。これにより、基板1を撓ませることなくキャビティ孔27c内を加圧空間として予備加熱及び加熱加圧を行うことができる。
さらに、本実施例でリリースフィルム14を用いる場合には、クランパ27のクランプ面においてキャビティ孔27c間を連通すると共にキャビティ孔27cから外側に連通する連通溝27e(図8(A)の破線参照)を設ける。これにより、上型24のクランプ面にリリースフィルム14を吸着保持していても、連通溝27eを介してエアを逃がすことができるため、下型17に設けるエア通路22(図6(A)参照)を通じて減圧または加圧することができる。なお、エア加圧する際には、上型24のエア通路25dから圧縮空気を送り込み、リリースフィルム14を上からもエアで加圧する必要がある。上述したように密閉空間Kがキャビティ孔27cに仕切られた構成においても、リリースフィルム14を用いながら減圧空間または加圧空間で加熱加圧を行うことができる。
[実施例5]
次に半導体装置の接合装置及び接合方法の他例について図10を参照して説明する。実施例1と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。
本実施例は、上型8(第1の金型)のヒータ13を内蔵した上型ブロック10の上型クランプ面10aと下型6(第2の金型)の下型クランプ面6aにストッパブロック30,31が各々設けられている。このストッパブロック30,31の高さは、加熱加圧後の半導体装置3と絶縁性接着剤2とを含む基板1の厚みと基板保持プレート4の厚みとの和と同じになるように構成されている。
図10(A)に示すように、複数の半導体装置3が基板端子部1aに絶縁性接着剤2を介して接着されている基板1を、型開き状態にある下型6の支持ロッド5に支持された基板保持プレート4に搬入し、基板周縁部をチャック4aにより挟み込んで保持させる。
次に、図10(A)において下型6を上動させて、半導体装置3を上型ブロック10のクランプ面10aに近接させ、輻射熱により基板1及び各半導体装置3を所定温度まで予備加熱した後、下型6を更に上昇させて図10(B)に示すように上型ブロック10のクランプ面10aに半導体装置3を押し当てたままバンプ3aの溶融温度まで昇温させる。
上型8と下型6とはストッパブロック30,31が突き当たる高さまで型閉じすることにより、基板保持プレート4に保持された基板1に実装された半導体装置3が上型ブロック10に押し当てられて基板保持プレート4との間でクランプしたまま加熱加圧される。
このように、金型の高さ位置規制により加熱加圧することで、半導体装置3の均一な接合を実現することができる。この場合、ストッパブロック30,31の厚みを調整することでクランプ時の間隔を容易に調整することができるため、接合対象となる基板1等の厚みが変更されたとしても簡易な構成の変更で対応ができる。尚、ストッパブロック30,31は、上型8と下型6の双方に設ける必要はなく、いずれか一方のみに設けられていてもよい。また、ストッパブロック30,31の突出長を可変とする機構を設けて基板1等の厚みの変更に対応することもできる。さらに、ストッパブロック30,31は上型8及び下型6を組み付けている上下のプラテン(図示せず)に設けてもよい。この場合、ヒータ13からの熱が伝わり難くなるため、上型8及び下型6から離れるもののストッパブロック30,31の長さが温度によって変化することがない点では好ましい。
上述した各実施例では、下型が昇降するように説明したが、上型が昇降するようにしてもよいし、両者が昇降可能になっていてもよい。
図11は接合装置のレイアウト構成を示す平面図であり、上述の実施例1〜5のような構成を有する接合装置として実現可能である。同図では、上述した実施例とは異なり、基板として配線パターンが形成された半導体ウェハ上に半導体装置が実装された基板を基板保持プレート4に載置してプレス金型を有するプレス部P(圧着部)へ移送するローダー32、半導体装置が圧着された基板を取り出して収納するアンローダー33が移動レール34を共用して移動可能に設けられている。
基板供給部Sでは半導体装置3が未実装である基板(半導体ウェハ)1に、半導体ウェハがダイシングされた半導体チップを半導体装置3としてボンディングして接着する。この場合、ボンディングは真空中で行なうことにより、絶縁性接着剤2にボイドが含まれることがないため好ましい。ローダー32は、半導体装置3が接着された基板1を基板供給部Sから受け取りプレート供給ステージTに待機する基板保持プレート4に載置し、基板1が載置された基板保持プレート4を持ち直してプレス部Pへ移送する。プレス部Pでは、上述した実施例1乃至5のような構成で半導体装置3の基板1との接合が行われる。ローダー32は、加熱加圧の完了した基板保持プレート4をプレス部Pより取り出しステージUに載置し、アンローダー33は取り出しステージUから基板1を受け取って基板収納部35へ収納する。取り出しステージUに取り出された基板保持プレート4は、ローダー32により再度プレート供給ステージTへ戻されて冷却される。
本実施例では、プレート供給ステージTが複数設けられると共に複数の基板保持プレート4をプレス部Pの外部で冷却して再利用する構成を採用している。これにより、冷却された基板保持プレート4に基板1を載置してからプレス部Pに搬入することで、基板1に加熱加圧を行う前に絶縁性接着剤2の硬化が進んでしまうことがなく、急速に加熱することが可能となっている。また、基板保持プレート4を交互に使用できるため、一方の基板保持プレート4を用いて接合を行っている間に、他方の基板保持プレート4を冷却し基板1を載置してすることができるため、冷却や載置の動作のために待ち時間が生じず生産効率を向上させることができる。なお、半導体装置3が接着された基板1を装置外から供給してもよいのは勿論である。
以上のように、半導体装置の接合装置及び接合方法について例示して詳細に説明してきたが、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、半導体装置3の直下を避けて支持ロッド5を配置する構成例について説明したが本発明はこれに限定されず、コイルばね7でフローティング支持された支持ロッド5を半導体装置3の配置個数設け、支持ロッド5が半導体装置3の直下で基板保持プレート4を支持する構成としてもよい。これにより、各コイルばね7の出力を調整することで半導体装置3の加圧力を変更することができる。例えば、各コイルばね7の出力を同程度になるように変更することで半導体装置3の加圧力を均一に変更することができる。また、下型6の内部に支持ロッド5を立設したロッド支持プレートを設けた構成としてもよい。この場合、ロッド支持プレートをコイルばね7で支持することにより支持ロッド5の突出長を均一にすることができる。
また、上型8と下型6の構成が逆になるように構成してもよい。例えば、上型の下面に基板1を保持可能な基板保持プレート4を吊り下げるように設けると共に、下型にヒータを設けて加熱加圧することもできる。この場合、予備加熱を行なうまで基板保持プレート4と下型ヒータとの間に仕切り板を配置して輻射熱を遮断し、基板1が加熱されてしまうのを防止するのが好ましい。尚、上述の各実施例においても仕切り板を配置して輻射熱を遮断する構成を採用することができる。また、基板保持プレート4にペルチェ素子を内蔵することによって加圧されるまで冷却した状態を維持する構成を採用することもできる。この場合、輻射熱によって絶縁性接着剤2が先に加熱されて硬化してしまう問題をより確実に防止することができる。また、基板保持プレート4を省略して基板1を支持ロッド5で支持するときには、支持面積を増加させるため支持ロッド5の先端に鍔部を設けて支持するようにしてもよい。
また、実施例3乃至実施例5においても実施例2のように基板1の上下方向の向きを逆にして載置して加熱加圧する構成を採用することができる。また、基板1の保持及び位置決めの手段として、チャック、吸着保持、及び、位置決めピンを他の実施例の構成においてもそれぞれを採用してもよい。また、実施例1以外の全ての実施例において、基板保持プレート4,15を下型クランプ面6aに突き当てる前にコイルばね7による押圧力によってクランプした状態で加熱加圧を完了させる構成としてもよい。また、有機基板のように熱膨張が大きな基板1では型閉めを停止して予備加熱を行うのが好ましいが、半導体ウェハのように熱膨張が小さい基板1の場合には、予備加熱を短くすることができるため、型閉めを停止する必要がない場合もある。
また、基板支持手段として支持ロッド5を用いる構成について説明したが、基板1を載置する部材の熱抵抗を大きくして基板1の昇温を効率的に行なえるのであれば他の構成を採用することもできる。例えば、下型クランプ面6aに格子状の溝を形成し、この溝に挿入可能な格子状の支持部材を用いて基板保持プレート4,15を支持する構成としてもよい。この場合、支持部材が半導体装置3の直下を避けて半導体装置3間を支持してもよく、半導体装置3の直下を支持してもよい。この構成によれば、基板1をより均一な高さで支持することができる。
基板保持プレート4,15をコイルばね7で支持する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、空気バネやその他の弾性部材を用いることもできる。また、弾性部材を省略してもよく、油圧シリンダーやモータなどの駆動機構により下型6の昇降動作に連動して昇降動作可能な構成としてもよい。例えば、予備加熱時には基板保持プレート4,15を下型クランプ面6aと上型クランプ面10aとに対してそれぞれ所定の距離を維持しつつ、加熱加圧時には上型クランプ面10aと基板保持プレート4,15との距離が一定(クランプした厚み相当)になるように制御するといった一連の制御を行なうことでより精密な圧力制御を行なうことができ、より高品質なアンダーフィルを行なうことも可能となる。
1 基板
1a 基板端子部
1d 基板孔
2 絶縁性接着剤
3 半導体装置
3a バンプ
4,15 基板保持プレート
4a チャック
4b 支持部
4c 凹溝
4d 位置決めピン
5 支持ロッド
6,17 下型
6a,19a 下型クランプ面
6b,12 クーラ
7,11,21,26a,26b コイルばね
8,24 上型
9 上型ベース
10,25 上型ブロック
10a 上型クランプ面
13 ヒータ
14 リリースフィルム
16 基板吸着機構
16a エアチューブ
16b 螺旋状チューブ
18 下型ベース
19 下型ブロック
20 可動クランパ
22,25d エア通路
23a,23b,29 シール材
25a 上型凹部
25b,25c ガイド孔
27 クランパ
27a,28a ガイドロッド
27b 仕切り壁
27c キャビティ孔
27d 位置決め穴
27e 連通溝
28 キャビティ駒
30,31 ストッパブロック
32 ローダー
33 アンローダー
34 移動レール
35 基板収納部
K 密閉空間
P プレス部
S 基板供給部
T プレート供給ステージ
U 取り出しステージ

Claims (9)

  1. 複数の半導体装置が絶縁性接着剤を介して基板に接着され、各半導体装置のバンプが基板端子部にフリップチップ接合される半導体装置の接合装置であって、
    前記半導体装置が接着された前記基板が載置される基板保持プレートを備え、該基板保持プレートが支持ロッド若しくは支持部材を用いて熱抵抗が大きくなるようにフローティング支持される基板支持手段と、
    熱源を内蔵し前記基板が前記基板支持手段に支持されたままクランプ面を押し当てることにより加熱加圧可能な加熱加圧手段と、を具備し、
    前記加熱加圧手段は、前記基板保持プレートに載置されてフローティング支持された前記基板にクランプ面を近接させて輻射熱により前記基板及び半導体装置を予備加熱し、当該基板が基板支持手段に支持されままクランプ面を前記半導体装置に押し当てて前記絶縁性接着剤を硬化させると共に半導体装置のバンプを基板端子部と接合させることを特徴とする半導体装置の接合装置。
  2. 前記基板周縁部を挟み込むチャックが設けられた前記基板保持プレートがクランプ面より離間するように支持されている請求項1記載の半導体装置の接合装置。
  3. 前記基板保持プレートには、平面視の外形が半導体装置の外形よりも小さい支持部が突設されている請求項1記載の半導体装置の接合装置。
  4. 前記基板保持プレートには、前記基板の半導体装置の実装面とは反対面を吸着保持する基板吸着機構が設けられている請求項1記載の半導体装置の接合装置。
  5. 前記加熱加圧手段の基板当接面にはリリースフィルムが吸着保持されている請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体装置の接合装置。
  6. 前記加熱加圧手段と基板支持手段との間で密閉された密閉空間内に前記基板が収容されかつ減圧空間若しくは加圧空間が形成された状態で前記半導体装置及び基板が加熱加圧される請求項1乃至5のいずれか1項記載の半導体装置の接合装置。
  7. 前記加熱加圧手段は熱源を内蔵した第1の金型であり、前記基板支持手段は基板保持プレートをフローティング支持する第2の金型であり、前記第1の金型と第2の金型とをストッパブロックが突き当たる高さまで型閉じすることにより、前記基板保持プレートに保持された基板に実装された半導体装置が前記第1の金型のクランプ面に押し当てられ基板保持プレートが第2の金型のクランプ面にクランプされたまま加熱加圧される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の接合装置。
  8. 基板の基板端子部に絶縁性接着剤を介して接着された複数の半導体装置を当該基板にフリップチップ接合する半導体装置の接合方法であって、
    前記半導体装置が接着された前記基板が基板保持プレートに載置され、該基板保持プレートを支持ロッド若しくは支持部材を用いて基板支持手段のクランプ面とは離間させて熱抵抗が大きくなるようにフローティング支持する工程と、
    熱源を内蔵した加熱加圧手段のクランプ面を前記基板保持プレートに載置されてフローティング支持された前記基板に近接させて輻射熱により前記基板及び半導体装置を所定温度まで予備加熱する予備加熱工程と、
    前記加熱加圧手段のクランプ面を前記半導体装置に押し当てたままバンプ溶融温度まで昇温させて、前記絶縁性接着剤を硬化させると共に前記バンプを基板端子部と接合させる接合工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の接合方法。
  9. 前記予備加熱工程前に、
    前記基板支持手段と加熱加圧手段により密閉空間を形成して当該密閉空間に前記基板を密閉空間に収容する工程と、
    前記密閉空間の空気を吸引して減圧空間を形成する工程若しくは前記密閉空間に圧縮空気を送り込んで加圧空間を形成する工程を含む請求項8記載の半導体装置の接合方法。
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