JP5401048B2 - 車両用シートの制御装置 - Google Patents

車両用シートの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5401048B2
JP5401048B2 JP2008098651A JP2008098651A JP5401048B2 JP 5401048 B2 JP5401048 B2 JP 5401048B2 JP 2008098651 A JP2008098651 A JP 2008098651A JP 2008098651 A JP2008098651 A JP 2008098651A JP 5401048 B2 JP5401048 B2 JP 5401048B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vector sensor
seat
force
strain
operation unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008098651A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009248735A (ja
Inventor
博文 大塚
聡 佐藤
徹 荒井
昌彦 尾沼
吏 大河内
直宏 中辻
修次 岡崎
俊秀 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Minebea Co Ltd
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Minebea Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp, Minebea Co Ltd filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2008098651A priority Critical patent/JP5401048B2/ja
Publication of JP2009248735A publication Critical patent/JP2009248735A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5401048B2 publication Critical patent/JP5401048B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、ベクトルセンサを利用することで、車両用シートの制御を行う発明に関する。
車のシートの前後位置やリクライニング位置をモータ等の動力で制御する構成が知られている。例えば特許文献1には、シートの前後位置の制御を行うスイッチと、リクライニングの位置を制御するスイッチとを設け、利用者がそれらを適宜操作することで、所望の制御が行われる技術が記載されている。
特開平02−045230号公報(第1図)
ところで、特許文献1に記載の発明では、シート(座席)の前後位置の制御とリクライニング位置の制御とを別に操作しなくてはならず、操作が不便であるという問題がある。また、ON/OFF制御のため、動作の速度制御を行うことが出来ず、速い制御とゆっくりとした制御とを両立することができないという問題もある。本発明は、これらの問題を解決し、車両用シートの動作制御において、2つの動作制御を同時に行うことが容易で、且つ、大まかな調整に適した速い動作の制御と、細かい調整に適したゆっくりとした動作の制御とを行うことができる構成を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、加えられた力の直交する第1の成分および第2の成分を検出するベクトルセンサと、独立した第1の動作および第2の動作を行う車両用シートと、前記ベクトルセンサにより前記第1の成分が検出された場合に当該第1の成分の大きさに比例した速さで前記第1の動作を前記車両用シートに行わせる制御および前記ベクトルセンサにより前記第2の成分が検出された場合に当該第2の成分の大きさに比例した速さで前記第2の動作を前記車両用シートに行わせる制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする車両用シートの制御装置である。
請求項1に記載の発明によれば、加えられた力の直交する2方向の成分を検出するベクトルセンサの性質を利用して、車両用シートの独立した2つの動作を同時に制御することができる。またベクトルセンサは、各成分の大きさを検出することができるので、押す力を加減することで、動作の速度を調整することもできる。また、ベクトルセンサは、各成分の比率を検出することができるので、一つの操作によって各動作に分配される速度制御の比重を変えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、2つの動作が、車両用シートのリクライニング動作、シートクッションの角度を調整する動作、シートクッションの前後移動動作、シートクッションの上下移動動作から選ばれた2つの動作であることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、車両用シートにおける2つの異なる動作の制御を一つの操作によって行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、ベクトルセンサが、複数の歪みゲージを用いたベクトルセンサであることを特徴とする。歪みゲージを用いたベクトルセンサは、操作部が変位せず(操作感覚としては変位しない)、また加える力の加減で動作の速度制御を行えるので、操作性を高くすることができる。また、操作部が変位しないので、高い耐久性を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、ベクトルセンサは操作部を備え、2つの動作の少なくとも一つにおいて、車両用シートの動作の方向と、操作部の操作の方向とが略一致していることを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、ベクトルセンサに加える力の方向と、シートの動作する部分の動く方向とが一致あるいは類似するので、直感的に操作を行うことができ、高い操作性を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、車両用シートの動作する部分に関する情報を表示する画像表示装置を備えることを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、ベクトルセンサを操作しての車両用シートの動作制御において、操作対象となっている設備を画像表示装置によって視覚的に容易に把握することができ、高い操作性を得ることができる。
本発明によれば、車両用シートの動作制御において、2つの動作制御を同時に行うことが容易で、且つ、大まかな調整に適した速い動作の制御と、細かい調整に適したゆっくりとした動作の制御とを行うことができる構成が提供される。
(1)第1の実施形態
(ベクトルセンサの原理)
まず、本発明に利用されるベクトルセンサの一例を説明する。このベクトルセンサは、操作部に加わる力を直交する3方向のベクトル出力に分解し、各ベクトル成分を検出する。すなわち、操作部に加えられた力の直交する3成分(XYZ成分)の方向と大きさを独立して検出する。
図1は、ベクトルセンサの外観を示す斜視図である。図1には、ベクトルセンサ101が示されている。ベクトルセンサ101は、円環形状の筐体102に板状の部材である円盤形状の起歪体103が固定され、起歪体103の中央には、円柱形状の操作部104が固定されている。起歪体103の裏面側には、図1では図示省略されている歪みゲージが貼り付けられている。歪みゲージは、貼り付けられた部材が歪んだ際に、その歪みに従って伸び縮みし、その際に生じる電気抵抗の変化を利用して、歪みの程度を計測するセンサ素子である。
図2は、ベクトルセンサの出力を処理し、ベクトル情報を得るための電気的な構成の概略を示す回路ブロック図である。図3は、起歪体103に固定された歪みゲージの配置の状態の一例を示す模式図である。図4は、X−Y平面内のベクトル成分を検出する原理を示す原理図である。図5は、Z方向のベクトル成分を検出する原理を示す原理図である。
図2には、ベクトルセンサ101と、その出力を処理するセンサ回路121が示されている。ベクトルセンサ101の起歪体103には、8個の歪みゲージX1、X2、Y1、Y2、Z1〜Z4が貼り付けられている。
図3は、図1に示す構造をZ軸方向に向かって(図の上方から)透かして見た状態が示されている。図3に示すように、歪みゲージX1とX2は、起歪体103の中心を通るX軸の線上において、起歪体103の中心から等距離の位置に配置されている。歪みゲージY1とY2は、起歪体103の中心を通るY軸の線上において、起歪体103の中心から等距離の位置に配置されている。歪みゲージZ1〜Z4は、Y軸と30度程の角度を有した方向に延長し、起歪体103の中心を通る線上に配置されている。ここで、歪みゲージZ2とZ3は、起歪体103の中心から相対的に近い等距離の位置に配置され、歪みゲージZ1とZ4は、起歪体103の中心から相対的に遠い等距離の位置に配置されている。
図3において、歪みゲージX1とX2は、図2に示すようにブリッジ回路の半分を構成し、その3本の出力配線は、端子群Aに引き出されている。歪みゲージY1とY2は、図2に示すようにブリッジ回路の半分を構成し、その3本の出力配線は、端子群Bに引き出されている。歪みゲージZ1〜Z4は、図2に示すようにブリッジ回路の半分を構成し、その3本の出力配線は、端子群Cに引き出されている。端子群A〜Cには、樹脂フィルムを利用したプリントパターン(図示省略)が接触し、このプリントパターンの延長した部分が、引き出し配線6として、外部に引き出されている。この引き出し配線6が、図2に示すセンサ回路121に接続されている。
各歪みゲージは、同じ構造を有している。具体的にいうと、ここで用いる歪ゲージは、絶縁体で構成される基板に細い金属細線パターンが、複数回折り返した形状で配置され、この金属細線パターンの両端から引き出し配線が引き出された構造を有している。この歪みゲージは、金属細線パターンの長手方向に引っ張ると、金属細線パターンが僅かに伸び、且つ、僅かに細くなるので、金属細線パターンの電気抵抗が上昇する。また、金属細線パターンの長手方向に圧縮すると、金属細線パターンが僅かに短くなり、且つ、僅かに太くなるので、金属細線パターンの電気抵抗が減少する。また、金属細線パターンの長手方向に直交する方向に引っ張ると、金属細線パターンが僅かに太くなるので、金属細線パターンの電気抵抗が減少し、金属細線パターンの長手方向に直交する方向に圧縮すると、金属細線パターンが僅かに細くなるので、金属細線パターンの電気抵抗が上昇する。本実施形態で用いる歪みゲージは、この電気抵抗の変化により、歪みゲージが受けた歪みを検出する。
図2に示すように、歪みゲージX1、X2と抵抗X3、X4は、ブリッジ回路を構成する。このブリッジ回路には、電源部126から電圧が加えられる。このブリッジ回路の等価回路が図4(A)に示されている。歪みゲージX1、X2の電気抵抗が変化し、ブリッジ回路のバランスが崩れると、図4(A)のa―c間の電圧Eacが変化し、それが図2のアンプ122によって増幅される。
同様に図2に示すように、歪みゲージY1、Y2と抵抗Y3、Y4は、ブリッジ回路を構成する。このブリッジ回路には、電源部126から電圧が加えられる。このブリッジ回路の等価回路は、図4(A)のX1、X2をY1、Y2に変更し、さらにX3、X4をY3、Y4に変更したものと同じである。この場合も歪みゲージY1、Y2の電気抵抗が変化し、ブリッジ回路のバランスが崩れると、それを反映した電圧がアンプ123により増幅される。
また図2に示すように、歪みゲージZ1〜Z4と抵抗Z5、Z6は、ブリッジ回路を構成する。このブリッジ回路には、電源部126から電圧が加えられる。このブリッジ回路の等価回路が図5(A)に示されている。歪みゲージZ1〜Z4の電気抵抗が変化し、ブリッジ回路のバランスが崩れると、図5(A)のa―c間の電圧Eacが変化し、それが図1のアンプ124によって増幅される。
アンプ122〜124の出力は、信号処理部125に入力される。信号処理部125は、CPU、ROM、RAM、入力インターフェース回路および出力インターフェース回路を備えている。CPUは、アンプ122〜124の出力、ROMに格納された動作プログラムおよび諸データに基づいた演算を行い、操作部104に加えられた力のXYZ方向のベクトル成分を算出する。ROMは、動作プログラムと演算に必要な諸データが格納されている。RAMは、CPUの演算に必要なプログラムやデータを一時的に記憶し、またCPUの演算時におけるワーキングエリアとして利用される。
信号処理部125からは、制御信号と表示信号が出力される。この例において、制御信号には、X軸方向に加えられた力の極性およびその大きさに関する出力(X軸出力)と、Y軸方向に加えられた力の極性およびその大きさに関する出力(Y軸出力)と、Z軸方向に加えられた力の極性およびその大きさに関する出力(Z軸出力)の3出力が含まれる。表示信号には、これら3信号のどれが制御信号として出力されているかに関する情報と、各成分の極性に関する情報が含まれる。
(ベクトル成分の検出原理)
以下、操作部104に加えられた力のX成分、Y成分、Z成分を検出する仕組みについて図3〜図5を参照して説明する。図4および図5には、操作部104に力が加えられた際における起歪体103の変形の状態が誇張して示されている。まず、歪みを受けていない状態でEac=0Vとなるように各歪みゲージの抵抗値と、X3、X4、Y3、Y4、Z5およびZ6の抵抗の値が設定されているものとする。
(X方向の検出)
この場合、図4(A)に示すホィートストンブリッジが形成され、ホィートストンブリッジの性質から、抵抗値で考えて「数1」が成立する。
Figure 0005401048
ここで、操作部104をX方向に倒そうとする(あるいは押そうとする)力が加わった場合を考える。この状況が図4(B)に概念的に示されている。この場合、起歪体103は、図4(B)に誇張して示すように変形する。この変形により、歪みゲージX1は、引っ張りの歪み(+Δε)を受け、歪みゲージX2は、圧縮の歪み(−Δε)を受ける。図3に示すように、歪みゲージX1とX2は、金属細線パターンの長手方向がX軸方向に一致する向きで配置されているから、X軸方向における引っ張りの歪みを受けると、電気抵抗が増加し、圧縮の歪みを受けると、電気抵抗が低下する。したがって、上述した図4(B)の状態において、歪みゲージX1は電気抵抗が増加し、歪みゲージX2は電気抵抗が低下する。この結果、上記「数1」が成立しなくなり、電圧Eacが発生する。この電圧の正負は、図4(B)のFxが+X方向であるか、−X方向であるかに対応し、この電圧の絶対値は、Fxの大きさに対応する。したがって、図2のアンプ122の出力に基づいた演算を信号処理部125において行うことで、図1の操作部103に加わった力のX軸方向のベクトル成分を得ることができる。
すなわち、信号処理部125のメモリには、予め調べておいたアンプ122の出力電圧の正負と操作部104に加わる力のX方向における正負との関係を示すテーブルデータ、およびアンプ122の出力電圧の絶対値と操作部104に加わる力のX方向における大きさとの関係を示すテーブルデータが格納されている。そして、信号処理部125内のCPUは、アンプ122の出力とこのテーブルデータに基づいて、図1の操作部103に加わった力のX軸方向のベクトル成分を算出する。この点は、YおよびZ方向においても同様である。
なお、図4(C)に示すように、操作部104にZ軸方向の力が加わった場合、歪みゲージX1とX2には、共に引っ張りの歪みを受け、同じ抵抗変化を示す。このため、「数1」の関係が維持され、電圧Eacは発生しない。また、図4(C)と逆の方向(−Z方向)の力が、操作部104に加わった場合、歪みゲージX1とX2には、共に圧縮の歪みを受け、同じ抵抗変化を示す。このため、「数1」の関係が維持され、電圧Eacは発生しない。つまり、歪みゲージX1、X2を含むブリッジ回路は、操作部104に働くZ軸方向の力を検出しない。
また、操作部103にY軸方向の力が加わった場合、起歪体103の中心を通るX軸線上に配置された歪みゲージX1とX2は、電気抵抗の変化を示さない、あるいは示したとしても同じ変化を示す。このため、歪みゲージX1、X2を含むブリッジ回路は、操作部104に働くY軸方向の力を検出しない。
(Y方向の検出)
操作部104に働くY軸方向の力の検出は、X方向の場合と同様の原理に基づき、歪みゲージY1とY2、さらに抵抗Y3とY4とで構成されるブリッジ回路のバランス電圧(図3の電圧Eacに相当する電圧)を検出することで行われる。この場合、図3に示すように、歪みゲージY1とY2は、金属細線パターンの長手方向がY軸方向に直交する向きで配置されているから、Y軸方向における引っ張りの歪みを受けると、電気抵抗が低下し、圧縮の歪みを受けると、電気抵抗が増加する。したがって、操作部104にY方向の力が加わると、上述した図4(B)の場合と同様な原理により、歪みゲージY1とY2が歪む。そして、この歪みに起因して、歪みゲージY1とY2に上述した電気抵抗の変化が発生し、それが歪みゲージY1とY2、さらに抵抗Y3とY4とで構成されるブリッジ回路のバランス電圧(図4の電圧Eacに相当する電圧)の変化として現れる。この電圧の正負は、Fyが+Y方向であるか、−Y方向であるかに対応し、この電圧の絶対値は、Fyの大きさに対応する。したがって、図2のアンプ123の出力に基づいた演算を信号処理部125において行うことで、図1の操作部103に加わった力のY軸方向のベクトル成分を得ることができる。
(Z方向の検出)
図5(A)には、歪みゲージZ1〜Z4と抵抗Z5、Z6によるブリッジ回路が示されている。なお、歪みゲージZ1〜Z4が歪みを受けていない状態において、Eac=0Vとなるように設定されている。この場合、ホィートストンブリッジの性質から、抵抗値で考えて「数2」が成立する。
Figure 0005401048
図5(B)には、操作部104に対してZ軸方向に力が加わった状態が概念的に誇張して示されている。この場合、円板形状の起歪体103の外周縁部分が筐体102に拘束された状態で、起歪体103の中央が押される。この際、起歪体103は、図示した状態で変形するが、歪みゲージZ2とZ3が配置されている部分は、力が加わる点に近く、拘束部分(起歪体103の外周縁部分)から遠いので、その部分の起歪体103は、引っ張られて伸びる。このため、歪みゲージZ2とZ3は、歪みゲージZ1〜Z4が配置された線上に沿って伸びる。一方、歪みゲージZ1とZ4が配置されている部分は、力が加わる点から遠く、拘束部分(起歪体103の外周縁部分)に近いので、その部分の起歪体103は、面に平行な方向に圧縮されて縮む。このため、歪みゲージZ1とZ4は、歪みゲージZ1〜Z4が配置された線上に沿って縮む。
すなわち、歪みゲージZ2とZ3は、歪みゲージZ1〜Z4が配置された線上に沿った引っ張り歪みを受け、歪みゲージZ1とZ4は、歪みゲージZ1〜Z4が配置された線上に沿った圧縮歪みを受ける。図3に示すように、歪みゲージZ1〜Z4は、金属細線パターンの長手方向が歪みゲージZ1〜Z4が配置された線上の方向に直交している。このため、引っ張り歪みを受ける歪みゲージZ2とZ3は、電気抵抗が減少し、圧縮歪みを受ける歪みゲージZ1とZ4は、電気抵抗が増加する。この結果、図5(A)に示すブリッジ回路において、上記「数2」の等式が成立しなくなり、図5(A)のEacに電圧が発生する。この電圧に基づき、XまたはY方向の場合と同様の演算により、操作部104に働くZ軸方向の力の向きおよび大きさを知ることができる。
なお、Z軸に直交する方向(XまたはY方向)の力が操作部104に加わった場合、図4(A)に示すブリッジ回路は、その影響を検出しない。以下、この理由を説明する。この場合、図4(C)に示すように、歪みゲージZ1とZ2は、引っ張りの歪みを受け、歪みゲージZ3とZ4は、圧縮の歪みを受ける。このため、歪みゲージZ1とZ2は、抵抗値が減少し、歪みゲージZ3とZ4は、抵抗値が増加する。この電気抵抗の減少分と増加分とは、相殺されるので、「数2」の成立条件は崩れず、図5(A)におけるEac=0Vの条件が維持される。したがって、操作部104に働くZ軸に直交する方向(XまたはY方向)の力は、図5(A)に示すブリッジ回路では検出されない。
(ベクトル成分の検出)
操作部104に加わる力が、X成分とY成分を有する場合、各成分の力の大きさが上述した原理により検出される。この際、各成分は独立して出力されるので、操作部104に加えられた力のベクトルを構成する各成分の比率を検出することができる。
(シート装置の概要)
図6は、本発明が適用される車両用シートの一例を示す概念図である。図6には、車両用のシート装置200が示されている。シート装置200は、シートクッション201とシートバック203を備えている。シートクッション201は、サイドブラケット202に後述するFrチルト動作が可能な状態で固定されている。シートバック203は、サイドブラケット203にリクライニング動作が可能な状態で固定されている。また、シートバック203の上部には、ヘッドレスト205が取り付けられている。
図6では記載が省略されているが、サイドブラケット202は、矢印21により示されるように、前後にスライド可能であり、これによりシート装置200は、前後位置の調整が可能とされている。また、シート装置200は、矢印22により示されるように、シートクッション201を含めた全体を上下に移動可能であり、これにより座面の上下位置の調整を行うリフタ動作が可能とされている。また、シート装置200は、シートクッション201の膝裏や膝に近い部分を矢印23に示すように動かすことで、シートクッションの角度を調整するFrチルト動作が可能とされている。また、シート装置200は、矢印24により示されるように、シートバック203を倒す(あるいは起こす)リクライニング動作が可能とされている。これら各種の動作の機構については後に詳述する。
(操作手段)
図6に示すように、サイドブラケット202の左側の側面には、図1に示すベクトルセンサ101と同じ構成を有する2つのベクトルセンサ101Aと101Bとが配置されている。ここで、ベクトルセンサ101Aは、リクライニング動作とFrチルト動作を操作するための操作手段であり、ベクトルセンサ101Bは、座面の上下動作と座面の前後動作を操作するための操作手段である。なお、図1および図3〜5に記載された座標軸と、図6に記載された座標軸とは対応している。
(リフタ機構)
図7(A)は、図6のシート装置200の座面を上下に移動させるリフタ機構の概略を示す概念図である。図7(A)は、図6に示すシート装置200を、Z軸正方向からの視点で見た状態(図6のシート装置200右側の状態)が示されている。
図7(A)には、シートクッション201が示されている。なお、シートバック203の記載は省略されている。シートクッション201は、サイドフレーム309に後述するFrチルト動作が可能な状態で固定されている。サイドフレーム309は、図6のサイドブラケット202の内側に固定された部材である。サイドフレーム309には、リンクリフタ支持部材310に回動自在に固定されたリンクリフタ311が、リンク軸312において回動自在な状態で係合している。また、サイドフレーム309には、リンクリフタ支持部材313に回動自在に固定されたリンクリフタ314が、リンク軸315において回動自在な状態で係合している。
リンク軸312と315には、リンク部材316の両端が回動自在な状態で係合し、リンク部材316の中間部分には、リンク部材駆動アーム317の一端が回動自在な状態で係合している。リンク部材駆動アーム317の他端は、ネジロッド326の一端に固定された係合部材322に回動自在な状態で係合している。ネジロッド326は、図示省略したスライド機構により、シート装置支持部材319にX軸方向にスライド可能で相対的に回転できない状態で支持されている。
ネジロッド326のネジ部には、ネジロッド駆動部材327の雌ネジ構造部分が噛み合っている。すなわち、ネジロッド駆動部材327は、内側にネジロッド326に噛み合う雌ネジ構造を備えた円筒部材が、ベアリングにより内側に支持された構造を有し、その外側の構造体がシート装置支持部材319に固定されている。
シート装置支持部材319には、座面上下移動用モータ225が固定され、その駆動軸324は、ギアユニット325に接続されている。ギアユニット325は、ネジロッド駆動部材327の内側円筒部材を回転させる。
リンクリフタ支持部材310および313は、シート装置支持部材319に固定されている。シート装置支持部材319は、後述するシート前後スライド機構320を介して、シート固定用フレーム321に前後移動が可能な状態で固定されている。シート固定用フレーム321は、図示省略した車両の骨格構造に固定されている。
(リフタ動作)
座面上下移動用モータ225を回転させると、ネジロッド駆動部材327の内側円筒部材が回転し、滑りネジの原理により、ネジロッド326が図のX軸正方向または負方向に移動する。例えば、座面上下移動用モータ225の回転により、ネジロッド326が図のX軸正方向に移動すると、係合部材322が図のX軸正方向に動き、リンク部材駆動アーム317のリンク部材316に係合した側が、X軸正方向に移動する。これによりリンク部材316が矢印323の方向に弧を描くように平行移動する。この際、リンク軸312および315も同様に矢印323の方向に移動し、それによりシートクッション201も同様の動きを示す。こうして、シートクッション201の座面の位置を上昇させるリフタ動作が行われる。また逆に、座面上下移動用モータ225を回転させ、係合部材322を図のX軸負方向に動かすと、上記と逆の動作となり、シートクッション201の座面の位置が下降する。以上が、座面上下移動用モータ225を駆動源としてのシートクッション201の上下位置調整の動作原理である。
(前後スライド機構)
図7(B)は、前後スライド機構の概略を示す概念図である。図7(B)には、座面前後移動用モータ218が示されている。座面前後移動用モータ218は、図示省略した車体の骨格構造に固定され、駆動シャフト332を駆動する。駆動シャフト332は、減速および軸方向を変換するギアボックス333に接続されている。ギアボックス333は、図示省略した車体の骨格構造に固定され、そこからは、出力軸となる駆動シャフト334が出ている。
駆動シャフト334は、雄ネジが形成されたネジロッドであり、スライダ335に接続されている。スライダ335には、雌ネジ構造のネジ穴が形成されており、そこに駆動シャフト334の雄ネジ構造部分が噛み合っている。スライダ335は、図7(A)に示すシート装置支持部材319に固定されている。スライダ335は、略凹型を有する長手形状を有するレール336の凹部内側に、X軸方向での摺動が可能な状態で収容されている。スライダ335とレール336とにより、図7(A)に示すスライド機構320が構成されている。なお、以上の構造は、シート装置の左右に一対配置されている。
(前後スライド動作)
座面前後移動用モータ218を回転させると、駆動シャフト332および334が回転し、滑りネジの原理により、スライダ335がレール336に対して、図のX軸方向に移動する。スライダ335は、図7(A)に示すシート装置支持部材319に固定されているので、これにより、シートクッション201がシート装置支持部材319と一緒に前後に移動する。つまり、座面前後移動用モータ218を回転させることで、シートクッション201が前後に移動する。
(リクライニング機構)
図8(A)は、リクライニング機構の概要を示す概念図である。図8(A)には、シートクッション側のサイドフレーム309に対して、シートバック側のサイドフレーム342が矢印343で示すリクライニング動作を行う構成が概念的に示されている。サイドフレーム309は、図6に示すサイドブラケット202に固定されたフレームである。サイドフレーム309には、支持部材344を介してリクライニング用モータ216が固定されている。支持部材344は、上方向に延在し、その延在部分346にギアボックス347が固定されている。
リクライニング用モータ216の駆動軸345は、ギアボックス347に接続されている。リクライニング用モータ216の駆動力は、ギアボックス347において減速され、且つ、回転方向が変換されて、駆動軸348を回転させる。駆動軸348は、取り付け部349において、サイドフレーム342に固定されている。また、図示省略した駆動軸348の他方の端部は、シートバック203(図6参照)の左側の図示省略したサイドフレームに固定されている。
(リクライニング動作)
リクライニング用モータ216を回転させると、駆動軸345および348が回転し、サイドフレーム309に対して、サイドフレーム342が符号343の方向に回動する。これにより、図6に示すシートバック203をシートクッション201に対して後に傾けるリクライニング動作、あるいはシートバックを後に傾けた状態から引き起こす動作が行われる。
(Frチルト機構)
図8(B)は、Frチルト機構の概要を示す概念図である。図8(B)には、Frチルト機構の動力源となるFrチルト用モータ207が示されている。Frチルト用モータ207は、図7(A)に示すシート装置支持部材319に固定され。その駆動軸362は、ギアユニット363に接続されている。ギアユニット363は、図7(A)のシート装置支持部材319に固定され、減速機構および駆動軸を90度曲げるギア系を内蔵している。
ギアユニット363の出力軸は、ギアユニット364に接続されている。ギアユニット364は、図7(A)のシート装置支持部材319に固定されている。ギアユニット364は、ネジロッド361のネジ部に噛み合った雌ネジ構造を備えたネジロッド駆動部材365に接続されている。すなわち、ネジロッド駆動部材365は、内側にネジロッド361に噛み合う雌ネジ構造を備えた円筒部材が、ベアリングにより内側に支持された構造を有し、その外側構造体がシート装置支持部材319(図7(A)参照)に固定され、その円筒部材がギアユニット364からの駆動力を受けて回転する構造とされている。
ネジロッド361は、図示省略したスライド機構により、シート装置支持部材319(図7(A)参照)にX軸方向にスライド可能で相対的に回転できない状態で支持されている。ネジロッド361の他端は、リンク部材366の一端側におけるリンク軸369に回動自在に係合している。このリンク軸369は、シート装置支持部材319(図7(A)参照)に固定された支持部材367の動作用スリット368にスライド可能な状態で係合している。リンク部材366の他端は、サイドフレーム371にリンク軸370において回動自在に係合している。またサイドフレーム371は、軸372を軸として、矢印373の方向に回動可能な構造とされている。
(Frチルト動作)
Frチルトモータ207を回転させると、その回転力が駆動軸362、ギアユニット363および364を介して、ネジロッド駆動部材365内側の円筒部材に伝わり、この円筒部材が回転する。これにより、ネジロッド361が図のX軸正または負の方向に移動する。例えば、ネジロッド361がX軸正の方向に移動すると、リンク軸369が動作用スリット368の内部をX軸正の方向に移動し、リンク軸370の部分が上方(Y軸正方向)に持ち上がる。これにより、サイドフレーム371が、軸372を回動中心として、矢印373に示す方向に動く。こうして、図6の符号23で示すFrチルト動作が行われる。
(電気的な構成)
以下、制御系の構成について説明する。図9は、制御系の構成の概略を示す回路ブロック図である。まず、リクライニング動作の制御系とFrチルト動作の制御系とについて説明する。図9に示すベクトルセンサ101Aは、図6に示すようにサイドブラケット202の左側側面に配置されている。ベクトルセンサ101Aは、図1に示すベクトルセンサ101と同じ構造を有し、リクライニング動作とFrチルト動作の制御に用いられる。ベクトルセンサ101Aの出力は、センサ回路121Aに入力される。センサ回路121Aは、図2に示すセンサ回路121と同じ構成を有する。すなわち、ベクトルセンサ101Aとセンサ回路121Aとの関係は、図2に関して説明したのと同じである。
センサ回路121Aからの制御信号が、制御部227に入力される。この制御信号には、ベクトルセンサ101Aの操作部(図1の符号104に相当)に加わった力のXYZ軸方向(直交する3軸方向)の成分に関する情報が含まれる。この例では、図6におけるX軸方向の成分の力に起因する起歪体(図1の符号103に相当)の歪みを、図2の歪みゲージX1およびX2に相当する歪みゲージが検出し、図6におけるY軸方向の成分の力に起因する起歪体の歪みを、図2の歪みゲージY1およびY2に相当する歪みゲージが検出するようにベクトルセンサ101Aの向きが設定されている。
制御部227は、制御信号生成回路228、リクライニング用モータ制御回路229およびFrチルト用モータ制御回路230を備えている。制御信号生成回路228から、リクライニング用モータ制御回路229およびFrチルト用モータ制御回路230に、リクライニング用モータ216およびFrチルト用モータ207を駆動するのに必要な信号が送られる。この信号に基づいて、リクライニング用モータ制御回路229は、リクライニング用モータ216に流す駆動電流を調整し、その回転方向および回転速度を制御する。また、Frチルト用モータ制御回路230は、Frチルト用モータ207に流す駆動電流を調整し、その回転方向および回転速度を制御する。
すなわち、制御信号生成回路228は、センサ回路121Aから送られてくる制御信号に含まれるベクトルセンサ101Aの操作部に加わった力のY軸方向の成分に関する情報に基づき、Frチルト用モータ制御回路230に、Frチルト用モータ207の回転方向および回転速度を決める信号を出力する。具体的には、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aに加わる力の図6のY軸方向の成分の正負の向きに応じて、Frチルト用モータ207の回転方向を決め、且つ、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度でFrチルト用モータ207を回転させる制御を指示する信号が、制御信号生成回路228において生成され、それがFrチルト用モータ制御回路230に送られる。
この信号に基づき、Frチルト用モータ制御回路230は、Frチルト用モータ207に駆動電流を流し、当該内容の動作を行わせる。例えば、Frチルト用モータ207が、DCモータであれば、そこに供給するDC電流の極性と電圧が調整される。また、Frチルト用モータ207が、パルスモータであれば、駆動するためのスイッチング電流のタイミング関係等が調整される。この制御の原理は、他のモータの制御においても同じである。
この例では、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aが図6のY軸正方向に押された場合に、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度でFrチルト用モータ207を、シートクッション201の前部が持ち上がるように回転させる制御が行われる。また逆に、ベクトルセンサ101Aの操作部が図6のY軸負方向に押された場合に、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度でFrチルト用モータ207を、シートクッション201の前部が下降するように回転させる制御が行われる。
また制御信号生成回路228は、センサ回路121Aから送られてくる制御信号に含まれるベクトルセンサ101Aの操作部104Aに加わった力のX軸方向の成分に関する情報に基づき、リクライニング用モータ制御回路229に、リクライニング用モータ216の回転方向および回転速度を決める信号を出力する。この例では、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aが図6のX軸負方向に押された場合に、シートバック203が後ろ方向(図6のX軸負方向)に倒れ、且つ、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度でリクライニング用モータ216が回転する制御が行われる。また図6のシートバック203を後ろに倒した状態において、ベクトルセンサ101Aの操作部が図6のX軸正方向に押された場合に、上記と逆の動作を行うための制御が行われる。
また、座面前後移動用モータ218および座面上下移動用モータ225の動作は、制御部231によって制御される。以下、この制御系の構成について説明する。まず、図6のサイドブラケット202の左側面には、ベクトルセンサ101Aと並んでベクトルセンサ101Bが配置されている。ベクトルセンサ101Bは、図1に示すベクトルセンサ101と同じ構造を有し、シート装置200の前後移動操作と上下移動操作を行うための操作手段として機能する。図9に示すように、ベクトルセンサ101Bの出力は、センサ回路121Bに入力される。センサ回路121Bは、図2に示すセンサ回路121と同じ構成を有する。すなわち、ベクトルセンサ101Bとセンサ回路121Bとの関係は、図2に関して説明したのと同じである。
センサ回路121Bからの制御信号が、制御部231に入力される。この制御信号には、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに加わった力のXYZ軸方向(直交する3軸方向)の成分に関する情報が含まれる。
この例では、図6におけるX軸方向の成分の力に起因する起歪体(図1の符号103に相当)の歪みを、図2の歪みゲージX1およびX2に相当する歪みゲージが検出し、図6におけるY軸方向の成分の力に起因する起歪体の歪みを、図2の歪みゲージY1およびY2に相当する歪みゲージが検出するようにベクトルセンサ101Bの向きが設定されている。
図9に戻り、制御部231は、制御信号生成回路232、座面上下移動用モータ制御回路233および座面前後移動用モータ制御回路234を備えている。制御信号生成回路232から、座面上下移動用モータ制御回路233および座面前後移動用モータ制御回路234に、座面上下移動用モータ225および座面前後移動用モータ218を駆動するのに必要な信号が送られる。この信号に基づいて、座面上下移動用モータ制御回路233は、座面上下移動用モータ225の回転を制御し、座面前後移動用モータ制御回路234は、座面前後移動用モータ218の回転を制御する。
この例では、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bが図6のX軸正方向に押された場合に、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度で、且つ、シートクッション201を図のX軸正方向(シート装置200の前方向)に動かす向きで座面前後移動用モータ218を回転させる制御が行われる。また逆にベクトルセンサ101Bの操作部が図6のX軸負方向に押された場合に、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度で、且つ、シートクッション201を図のX軸負方向(シート装置200の後方向)に動かす向きで座面前後移動用モータ218を回転させる制御が行われる。
またこの例では、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bが図6のY軸正方向に押された場合に、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度で座面上下移動用モータ225を、シートクッション201が上方向(図6のY軸正方向)に動く方向に回転させる制御が行われる。またベクトルセンサ101Bの操作部104Bが図6のY軸負方向に押された場合に、その押し具合(押す力の大きさ)に比例した回転速度で座面上下移動用モータ225を、シートクッション201が下方向(図6のY軸負方向)に動く方向に回転させる制御が行われる。
(マンマシンインターフェース系の構成)
図9に示す構成では、操作者が操作対象を直感的に把握できるように視覚情報を用いたマンマシンインターフェースが採用されている。この構成では、センサ回路121Aおよびセンサ回路121Bから出力された表示信号が、画像インターフェース装置235に送られる。この表示信号には、各ベクトルセンサが検出した各成分の出力に関する情報が含まれている。画像インターフェース装置235は、この情報に基づき、操作の対象となる部分を特定し、その箇所を視覚的に認識し易い画像を表示するための画像制御データを生成する。この画像制御データに基づき、画像表示装置236に操作対象となっている部分を認識させるための内容が表示される。
画像表示装置236としては、液晶ディスプレイやブロック表示が行われるディスプレイが採用される。また、画像表示装置236は、当該シート装置に着席した着席者が見やすい車内の位置に配置される。表示の具体的な内容としては、例えば、画面にシート装置200の概略の側面形状が表示され、その上で移動の対象となる部分が、点滅あるいはその輝度や色彩が他部と異なった表示とされ、さらに移動の向きを示す矢印を点灯させる例を挙げることができる。
(操作形態の一例)
以下、図6に示すシート装置200における操作形態の一例を説明する。ここでは、利用者がシート装置200に座った状態において、リクライニング操作、Frチルトの動作調整、着座面の上下位置調整、着座面の前後位置の調整を行う場合の一例を説明する。
(リクライニング操作の例)
利用者が図6のシート装置200に座った状態で、ベクトルセンサ101Aの操作部104A(図9参照)に触れ、指で操作部を後方向(X軸負方向)に押した場合を考える。この力は、図2の歪みゲージX1およびX2を含むブリッジ回路において検出され、Fx信号として信号処理部125で処理される。そしてセンサ回路121Aから、制御部227に対して図のX軸負方向に所定の力が加わった旨の信号が送られる。この信号を受けて、制御部227は、シートバック203が後方(Y軸負方向)に倒れる向きにリクライニング用モータ216を回転させる。また、制御部227は、押された力に応じた回転速度でリクライニング用モータ216を回転させる制御を行う。こうして、ベクトルセンサ101Aの操作部を指で後方に押すことで、シートバック203を電動で後方に倒すことができる。またこの操作の際、画像表示装置236にシートバック203が操作対象となっている旨の表示、およびシートバック203が後方に倒れる方向に動かされている旨の表示が行われる。なお、ベクトルセンサ101Aの操作部を指で前方に押すことで、これとは逆にシートバック203を電動で起こすことができる。
さらに上記の操作の際、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aを押す力を強めると、リクライニング用モータ216の回転が速くなり、シートバック203の動きを速くすることができる。また、ベクトルセンサ101Aの制御部を押す力を弱めると、リクライニング用モータ216の回転が遅くなり、シートバック203の動きを遅くすることができる。すなわち、ベクトルセンサ101Aの制御部に加える力を加減することで、シートバック203の動きの速さを調整することができる。
(Frチルト操作)
利用者がシート装置200に座った状態で、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aに触れ、指で操作部を上方向(Y軸正方向)に押した場合を考える。この力は、図2の歪みゲージY1およびY2を含むブリッジ回路において検出され、Fy信号として信号処理部125で処理される。この場合、センサ回路121Aから、制御部227に対して図のY軸正方向に所定の力が加わった旨の信号が送られる。この信号を受けて、制御部227は、シートクッション201の前縁が上方向に動くように、Frチルト用モータ207を回転させる。また、制御部227は、押された力に応じた回転速度でFrチルト用モータ207を回転させる制御を行う。こうして、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aを指で上方に押すことで、シートクッション201の前縁を持ち上げることができる。またこの操作の際、画像表示装置236にFrチルト動作が操作対象となっている旨の表示、およびFrチルト動作の方向に関する情報の表示が行われる。なお、ベクトルセンサ101Aの操作部を指で下方に押すことで、これとは逆にシートクッション201の前縁を電動で下方に下げることができる。
さらに上記の操作の際、ベクトルセンサ101Aの操作部を押す力を強めると、Frチルト用モータ207の回転が速くなり、Frチルト動作の動きを速くすることができる。また、ベクトルセンサ101Aの操作部を押す力を弱めると、Frチルト用モータ207の回転が遅くなり、Frチルト動作の動きを遅くすることができる。すなわち、ベクトルセンサ101Aの操作部に加える力を加減することで、Frチルト動作の動きの速さを調整することができる。
(リクライニング操作とFrチルト操作の複合操作)
上記の2つの操作例は、リクライニング操作とFrチルト操作とを個別に行う場合の例であるが、2つの操作を1操作で行うことができる。以下、シートバック203を後に倒しながら、同時にシートクッション201の前縁を持ち上げる操作を行う場合の例を説明する。
この場合、利用者は、ベクトルセンサ101Aの操作部104Aを斜め後上方(図6における−X方向と+Y方向とのベクトル合成した方向)に力を加える。この力のX成分は、図2の歪みゲージX1およびX2を含むブリッジ回路において検出され、Y成分は、歪みゲージY1およびY2を含むブリッジ回路において検出される。そして、各成分の大きさに応じたFx信号およびFy信号が信号処理部125に入力される。センサ回路121Aからは、各成分の強さおよび極性(正負)に関する情報を含む信号が制御部227に送られる。制御部227は、各成分の極性(正負)に応じた向き、および各成分の大きさに応じた回転速度でFrチルト用モータ207およびリクライニング用モータ216を回転させる制御を行う。
すなわち、制御部227は、ベクトルセンサ101Aの操作部の−X方向(図6参照)に加わる力成分に起因して、リクライニング用モータ216を、シートバック203が後に倒れる回転方向で、且つ、上記−X方向に加わる力成分の大きさに比例した回転速度で回転させる制御を行う。また、制御部227は、+Y方向に加わる力成分に起因して、Frチルト用モータ206を、シートクッション201の前縁が持ち上がる回転方向で、且つ、上記+Y方向に加わる力成分の大きさに比例した回転速度で回転させる制御を行う。
この結果、シートバック203が後方に倒れつつ、同時にシートクッション201の前縁が持ち上がる動作が行われる。この際、各動作は、ベクトルセンサ101Aに加えられる当該軸方向の力の大きさに比例した速さで動くので、ベクトルセンサ101Aに加える力の向きと大きさを加減することで、シートバック203の倒れ具合とシートクッション201の前縁が持ち上がり加減のバランスおよび移動速度のバランスを調整することができる。すなわち、指先から加える力の方向と力加減を調整することで、例えばシートバック203を素早く倒しつつ、シートクッション201の前縁をゆっくりと持ち上げるといった操作を、一操作によって行うことができる。
なお、この操作の際、センサ回路121Aから画像インターフェース回路235にシートバック203とヘッドレスト206とが操作の対象となっている旨を知らせる情報、および力が加えられた方向に関する情報を含む表示信号が送られる。これにより、画像表示装置236には、シートバック203とヘッドレスト206が操作の対象である旨、さらに操作により指示される当該部分の移動方向に関する視覚情報が表示される。
(座面の前後移動操作)
この場合、利用者は、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに触れ、操作部に前方向(図6のX軸正方向)または後方向(図6のX軸負方向)への力を加える。この力は、図2の歪みゲージX1およびX2を含むブリッジ回路において検出され、Fx信号として信号処理部125で処理される。図9のセンサ回路121Bは、ベクトルセンサ101Bの出力に基づき、制御部231に制御信号を送る。この制御信号を受けて、制御部231は、座面前後移動用モータ218を制御する。
以下、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに後ろ方向の力が加えられた場合の例を説明する。この場合、シートクッション201が後方(X軸負方向)に動くように座面前後移動用モータ218を回転させ、さらにその回転速度が、ベクトルセンサに加わった力に応じた値となる制御が制御部231において行われる。
なお、ベクトルセンサ101Bの操作部に前方向の力が加えられた場合は、シートクッション201が前方(X軸正方向)に動くように座面前後移動用モータ218を回転させ、さらにその回転速度が、ベクトルセンサに加わった力に応じた値となる制御が制御部231において行われる。
(座面の上下移動操作)
この場合、利用者は、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに触れ、操作部104Bに上方向(図6のY軸正方向)または下方向(図6のY軸負方向)への力を加える。この力は、図2の歪みゲージY1およびY2を含むブリッジ回路において検出され、Fy信号として信号処理部125で処理される。
以下、ベクトルセンサ101Bの操作部に上方向の力が加えられた場合の例を説明する。この場合、シートクッション201が上方(Y軸正方向)に動くように座面上下移動用モータ225を回転させ、さらにその回転速度が、ベクトルセンサに加わった力に応じた値となる制御が制御部231において行われる。
なお、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに下方向(Y軸負の方向)の力が加えられた場合は、シートクッション201が下方(Y軸負方向)に動くように座面上下移動用モータ225を回転させ、さらにその回転速度が、ベクトルセンサに加わった力に応じた値となる制御が制御部231において行われる。
(座面の前後移動と上下移動の複合操作)
この場合、利用者は、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに触れ、操作部104Bを図6のX軸およびY軸の各軸方向の成分を含む方向(例えば斜め前方向)に押す。この押した力の各成分は、図2の歪みゲージX1およびX2を含むブリッジ回路、および歪みゲージY1およびY2を含むブリッジ回路においてそれぞれ検出され、FxおよびFy信号として信号処理部125で処理される。各成分の向きと大きさに関する情報を含んだ制御信号は、図9のセンサ回路121Bから制御回路231に送られる。制御回路231は、ベクトルセンサに加わった力のX成分の極性とその大きさに基づいて、座面前後移動用モータ218の回転方向と回転速度を制御し、またベクトルセンサに加わった力のY成分の極性とその大きさに基づいて、座面上下移動用モータ225の回転方向と回転速度を制御する。
以下、具体的な例を説明する。ここでは、シートクッション201を斜め上前方に動かす場合を説明する。この場合、図6において、利用者は、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bを斜め上前方に押す。この操作が行われることで、座面上下移動用モータ225が、この押した力のY成分の大きさに応じた速さで、且つ、シートクッション201を持ち上げる方向で回転し、シートクッション201を上方に移動させる。同時に、座面前後移動用モータ218が、この押した力のX成分の大きさに応じた速さで、且つ、シートクッション201を前方に移動させる方向で回転し、シートクッション201を前方に移動させる。この結果、シートクッション201は、上昇しつつ前進する。この上昇と前進の割合は、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bを押す方向で調整することができる。また、上昇のスピードおよび前進のスピードは、ベクトルセンサ101Bの操作部104Bに加える力を加減することで調整することができる。
(実施形態の優位性)
本実施形態によれば、背もたれのリクライニング操作とFrチルト動作の操作といった2つの異なるシート装置に係る操作を、1操作によって行うことができる。また、操作対象の移動速度をベクトルセンサに加える力加減で調整することができる。また、2つの操作の重み付けをベクトルセンサに加える力の方向で調整することができる。また、ベクトルセンサに加える力の方向と、その結果生じる操作対象の移動方向とが概略一致しているので、直感的な操作を行い易い。また、操作対象および操作内容が、画像表示装置に視覚的に表示されるので、操作が行い易い。
(2)他の実施形態
以上の例では、歪みを検出するセンサ素子として、歪みを電気抵抗の変化として検出する歪みゲージを用いる場合を説明したが、他のデバイスを用いてベクトルセンサを構成することもできる。
(膜抵抗体素子を利用する場合)
第1の実施形態で説明した歪みゲージの代わりに厚膜抵抗素子を用いることができる。厚膜抵抗素子とは、適当な絶縁基板上に半導体材料や導電材料を堆積させて膜状抵抗体を形成した構造を有する。この厚膜抵抗素子を折り曲げようとすると、膜状抵抗体に圧縮歪みまたは引っ張り歪みが発生し、膜の抵抗値が変化する。以下、この原理を説明する。
図10は、厚膜抵抗素子の基本構造および動作原理を示す概念図である。図10(A)には、何ら力が加わっていない状態が示されている。図10(A)には、厚膜抵抗素子300が示されている。厚膜抵抗素子300は、可撓性を有する絶縁基板301上に半導体膜302が形成された構造を有している。半導体膜302は、例えばN型シリコン膜であり、N型不純物の濃度を調整することで適当なシート抵抗値に調整されている。
厚膜抵抗素子300を図10(B)に示すように変形させると、半導体膜302に引っ張り歪みが発生する。この際、半導体膜302は、僅かであるが伸びようとするので、(a)―(b)間の距離が僅かに長くなり、また膜厚が僅かに薄くなり、(a)―(b)間の抵抗値は増大する。
逆に、厚膜抵抗素子300を図10(C)に示すように変形させると、半導体膜302に圧縮歪みが発生する。この際、半導体膜302は、僅かであるが縮まり、また圧縮歪みを受けた部分の膜厚が僅かに厚くなるので、(a)―(b)間の抵抗値は減少する。
この抵抗値の変化は、歪みゲージの金属細線パターンの延長方向に沿って、引っ張り歪みを与えると、金属細線パターンが僅かに伸び、それにより抵抗値が増加し、逆に圧縮歪みを与えると、金属細線パターンが僅かに短くなり、抵抗値が減少する性質に対応する。つまり、厚膜抵抗素子は、図3の歪みゲージX1およびX2と同じ性質を示す。したがって、図2および図3に示す構成において、歪みゲージの代わりに膜抵抗素子を用いることができる。
(静電容量素子を利用する場合)
第1の実施形態で説明した歪みゲージの代わりに静電容量素子を用いることができる。この場合、素子の動作原理が異なるので、図2の回路は、後述する回路に変更する必要がある。
まず、静電容量素子について説明する。図11(A)には、容量検出回路410が接続された静電容量素子400が示されている。静電容量素子400は、絶縁基板401上に導電膜402、絶縁膜403および導電膜404と積層された構造を有している。導電膜402と404は、一体の電極を構成している。
静電容量素子400が引っ張り歪みまたは圧縮歪みを受けると、導電膜402と404との間に形成される静電容量が変化し、それが容量検出回路410によって検出される。すなわち、静電容量素子400を図11(B)に示すように変形させると、電極間の容量を構成する有効面積が僅かに増加し、また電極間の間隔が僅かに減少するので、容量が増加する。つまり、静電容量素子400に引っ張り歪みを与えると、容量が増加する。
一方、静電容量素子400を図11(C)に示すように変形させると、電極間の容量を構成する有効面積が僅かに減少し、また電極間の間隔が僅かに増加するので、容量が減少する。つまり、静電容量素子400に圧縮歪みを与えると、容量が減少する。
図12は、図2に対応する構成であり、上記静電容量素子を用いたベクトルセンサ500とセンサ回路501の構成の一例を示すブロック図である。ベクトルセンサ500の外観は、図1に示すベクトルセンサ101と同じであり、その構成は、図3に示す歪みゲージを静電容量素子に変更した構成を有する。
図12において、符号X1、X2、Y1、Y2、Z1〜Z4は、上述した基本構造を有する静電容量素子であり、その配置デザインや引き出し配線の引き回しは、図3に示す場合と同じである。この場合、ブリッジ回路は採用されず、各静電容量素子の容量が容量検出回路501〜507によって検出される。容量検出回路502〜507の出力は、それぞれA/Dコンバータ508〜513によってデジタル信号に変換される。
X成分検出用の静電容量素子X1およびX2の出力は、A/D変換後に比較回路514で比較され、図1の操作部104に加わったX方向の力が検出される。Y成分検出用の静電容量素子Y1およびY2の出力は、A/D変換後に比較回路515で比較され、図1の操作部104に加わったY方向の力が検出される。Z成分検出用の静電容量素子Z1〜Z4の出力は、A/D変換後に比較回路516で比較され、図1の操作部104に加わったZ方向の力が検出される。
比較回路514〜516は、それぞれが受け持つ静電容量素子の値の組み合わせと、検出する軸に加わる力の値との関係を予め調べておいたテーブルデータを記憶し、このテーブルデータに基づいて、検出する軸に加わった力の向きと大きさを算出する。例えば、図4(B)に示す力が操作部104に加えられた場合を考える。この場合、静電容量素子X1には、引っ張り応力が働き、静電容量素子X1の容量は増加する。他方で、静電容量素子X2には、圧縮応力が働き、静電両用素子X2の容量は減少する。操作部104に加わる力が逆向き(X軸負の方向)であれば、容量変化の関係は逆となる。また、図4(C)に示す力が操作部104に加えられた場合は、静電容量素子X1とX2は共に引っ張り応力が働き、両素子の容量が増加する。
したがって、2つの静電容量素子X1、X2の容量の値の組み合わせと、予め調べておいたテーブルデータとに基づいて、比較回路514は、操作部104に加わったX軸方向の力の向きと大きさを算出することができる。同様に、2つの静電容量素子Y1、Y2の容量の値の組み合わせと、予め調べておいたテーブルデータとに基づいて、比較回路515は、操作部104に加わったY軸方向の力の向きと大きさを算出することができる。さらに4つの圧電素子Z1〜Z4の容量の値の組み合わせと、予め調べておいたテーブルデータとに基づいて、比較回路516は、操作部104に加わったZ軸方向の力の向きと大きさを算出することができる。各比較回路からの信号は、信号処理部517に入力される。信号処理部517は、図2の信号処理部125と同様の制御信号および表示信号を出力する。
(圧電素子を利用する場合)
第1の実施形態で説明した歪みゲージの代わりに圧電素子(ピエゾ素子)を用いることができる。この場合、素子の動作原理が異なるので、図2の回路は、図13に示す回路に変更する必要がある。
圧電素子も図11に示す静電容量素子と同様な基本構造を備えている。ただし、一対の電極間に挟まれている材料が、圧電材料である点が図11に示す静電容量素子の場合と異なっている。また、圧電素子の場合、ACまたはDCのバイアス電圧を加え、圧縮および引っ張りの両歪みを効果的に発生電圧の変化として検出できるようにする。
図13は、図1に示すベクトルセンサ101に圧電素子を利用した場合のセンサ回路の構成の一例を示すブロック図である。ベクトルセンサ600の外観は、図1に示すベクトルセンサ101と同じであり、その構成は、図3に示す構成において、歪みゲージを圧電素子に変更したものである。
図13において、符号X1、X2、Y1、Y2、Z1〜Z4は、上述した構造を有する圧電素子であり、その配置デザインや引き出し配線の引き回しは、図3に示す場合と同じである。なおこの場合、各圧電素子には、バイアス電源612からDCまたはACのバイアス電圧が印可される。各圧電素子における発生電圧は、A/Dコンバータ602〜607によってA/D変換される。X成分検出用の圧電素子X1およびX2の出力は、A/D変換後に比較回路608で比較され、図1の操作部104に加わったX方向の力が検出される。Y成分検出用の圧電素子Y1およびY2の出力は、A/D変換後に比較回路609で比較され、図1の操作部104に加わったY方向の力が検出される。Z成分検出用の圧電素子Z1〜Z4の出力は、A/D変換後に比較回路610で比較され、図1の操作部104に加わったZ方向の力が検出される。
比較回路608〜610は、それぞれが受け持つ圧電素子の値の組み合わせと、検出する軸に加わる力の値との関係を予め調べておいたテーブルデータを記憶し、このテーブルデータに基づいて、検出する軸に加わった力の向きと大きさを算出する。例えば、図4(B)に示す力が操作部104に加えられた場合を考える。この場合、圧電素子X1には、引っ張り応力が働き、圧電材料が厚さ方向に潰されて発生電圧の絶対値は増加する。他方で、圧電素子X2には、圧縮応力が働き、圧電材料が厚さ方向で膨らむので発生電圧の絶対値は低下する。操作部104に加わる力が逆向き(X軸負の方向)であれば、発生電圧の関係は逆となる。また、図4(C)に示す力が操作部104に加えられた場合は、圧電素子X1とX2には、共に引っ張り応力が働き、両素子の発生電圧は、共に増加する。
したがって、2つの圧電素子X1、X2の発生電圧の値の組み合わせと、予め調べておいたテーブルデータとに基づいて、比較回路608は、操作部104に加わったX軸方向の力の向きと大きさを算出することができる。同様に、2つの圧電素子Y1、Y2の発生電圧の値の組み合わせと、予め調べておいたテーブルデータとに基づいて、比較回路609は、操作部104に加わったY軸方向の力の向きと大きさを算出することができる。さらに4つの圧電素子Z1〜Z4の容量の値の組み合わせと、予め調べておいたテーブルデータとに基づいて、比較回路610は、操作部104に加わったZ軸方向の力の向きと大きさを算出することができる。各比較回路からの信号は、信号処理部611に入力され、信号処理部611は、図2の信号処理部125と同様の制御信号および表示信号を出力する。
本発明は、車両用シートの動作制御に利用することができる。
ベクトルセンサの一例の概観を示す斜視図である。 ベクトルセンサとセンサ回路の電気的な構成の一例を示す回路ブロック図である。 ベクトルセンサにおける歪みゲージの配置の状態の一例を示す模式図である。 ベクトルセンサの計測原理を説明する回路図(A)、原理図(B)および(C)である。 ベクトルセンサの計測原理を説明する回路図(A)、原理図(B)および(C)である。 シートの概要の一例を説明する概念図である。 シート装置を上下させる機構の一例を示す概念図(A)とシート装置を前後にスライドさせる機構の一例を示す概念図(B)である。 リクライニング機構の一例を示す概念図(A)とFrチルト機構の一例を示す概念図(B)である。 制御系の一例を示す回路ブロック図である。 厚膜抵抗素子の基本構造および動作原理の一例を示す概念図である。 静電容量素子の基本構造および動作原理の一例を示す概念図である。 静電容量素子を用いたベクトルセンサとセンサ回路の電気的な構成の一例を示す回路ブロック図である。 圧電素子を用いたベクトルセンサとセンサ回路の電気的な構成の一例を示す回路ブロック図である。
符号の説明
101…ベクトルセンサ、102…筐体、103…起歪体、104…操作部、121…センサ回路、122…アンプ、123…アンプ、124…アンプ、125…信号処理部、126…電源部、200…シート装置、201…シートクッション、202…サイドブラケット、203…シートバック、204…リクライニング機構、205…ヘッドレスト、206…Frチルト用モータ、216…リクライニング用モータ、218…座面前後移動用モータ、225…座面上下移動用モータ。

Claims (5)

  1. 加えられた力の直交する第1の成分および第2の成分を検出するベクトルセンサと、
    独立した第1の動作および第2の動作を行う車両用シートと、
    前記ベクトルセンサにより前記第1の成分が検出された場合に当該第1の成分の大きさに比例した速さで前記第1の動作を前記車両用シートに行わせる制御および前記ベクトルセンサにより前記第2の成分が検出された場合に当該第2の成分の大きさに比例した速さで前記第2の動作を前記車両用シートに行わせる制御を行う制御手段と
    を備えることを特徴とする車両用シートの制御装置。
  2. 前記2つの動作が、前記車両用シートのリクライニング動作、シートクッションの角度を調整する動作、シートクッションの前後移動動作、シートクッションの上下移動動作から選ばれた2つの動作であることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの制御装置。
  3. 前記ベクトルセンサが、複数の歪みゲージを用いたベクトルセンサであることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートの制御装置。
  4. 前記ベクトルセンサは操作部を備え、
    前記2つの動作の少なくとも一つにおいて、前記車両用シートの動作の方向と、前記操作部の操作の方向とが略一致していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用シートの制御装置。
  5. 前記車両用シートの動作する部分に関する情報を表示する画像表示装置を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用シートの制御装置。
JP2008098651A 2008-04-04 2008-04-04 車両用シートの制御装置 Expired - Fee Related JP5401048B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008098651A JP5401048B2 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 車両用シートの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008098651A JP5401048B2 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 車両用シートの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009248735A JP2009248735A (ja) 2009-10-29
JP5401048B2 true JP5401048B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=41309836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008098651A Expired - Fee Related JP5401048B2 (ja) 2008-04-04 2008-04-04 車両用シートの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5401048B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2011052446A1 (ja) 2009-10-29 2013-03-21 日本電気株式会社 無線伝送装置及び方法、無線伝送網、及びコンピュータプログラム
JP5461281B2 (ja) * 2010-03-31 2014-04-02 ミネベア株式会社 車両用シート位置制御センサ
JP6194550B2 (ja) * 2013-04-26 2017-09-13 学校法人自治医科大学 手技シミュレータ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61268537A (ja) * 1985-05-23 1986-11-28 Ikeda Bussan Co Ltd シ−トの制御装置
JPS6217438U (ja) * 1985-07-18 1987-02-02
JPH02283534A (ja) * 1989-04-21 1990-11-21 Tachi S Co Ltd 車両用パワーシートのモータ制御装置
JP2561303Y2 (ja) * 1990-12-28 1998-01-28 アラコ株式会社 パワーシート用駆動モータの駆動装置
JP4217554B2 (ja) * 2003-07-10 2009-02-04 株式会社東海理化電機製作所 車両用座席の操作対象報知装置
JP2005063301A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Minowa Koa Inc 電子機器用操作部

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009248735A (ja) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI497480B (zh) 扭曲校正可變形顯示裝置
KR100954377B1 (ko) 촉각 센서 및 촉각 센서 응용 장치
JP4220355B2 (ja) 力覚付与型入力装置
US9983696B2 (en) Force-sensing stylus for use with electronic devices
US8248217B2 (en) Tactile display apparatus and method thereof
JP5401048B2 (ja) 車両用シートの制御装置
EP0704039B1 (en) Manual control system for camera mountings
JP2011143885A (ja) 車両用シート調整装置
JP2012168064A (ja) 外力計測装置とそれを備えるクッション体
JP6791014B2 (ja) 電動車椅子操作装置及びその車両操作方法
JP2013244886A (ja) 車両用シート
JP2007285784A (ja) 圧力分布情報検出装置及び圧力分布情報検出方法
JP2011148450A (ja) 車両用シート調整装置
JP5201120B2 (ja) 柔らかさ提示装置
JP6603345B2 (ja) 介助ロボット
JP3727642B1 (ja) 触覚センサ及び触覚センサ応用装置
JP5461281B2 (ja) 車両用シート位置制御センサ
JP3845436B2 (ja) 手術用顕微鏡装置
JP2017087880A (ja) シート制御装置及びシート制御方法
JP2012201120A (ja) 遠隔操作装置
WO2022202900A1 (ja) ユーザインターフェース装置、および荷重受け部材
JP2019111875A (ja) 車両シート制御装置
JP2024001488A (ja) ユーザインタフェース装置、制御装置、およびコンピュータプログラム
JP2022066833A (ja) シート用操作装置
JP3845423B2 (ja) 手術用顕微鏡装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131028

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees