JP5400737B2 - 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、複数色の半導体層を備えた太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関する。
近年、化石燃料に代わるクリーンエネルギーの発電装置として太陽電池が注目され、シリコン(Si)系太陽電池、および色素増感型太陽電池の開発が進められている。
とりわけ色素増感型太陽電池は、安価で量産しやすく、かつ色や形状の自由度が高いため、複数の色素を半導体層に吸着させることで発電時に表示機能を持たせたり、太陽電池にデザイン性を付加したりすることにより、一層用途を拡大する開発がなされている。従来より、かかる色素増感型太陽電池に用いられる半導体層への複数の色素の吸着方法としては、例えば下記特許文献1、2に記載された方法が提案されている。
とりわけ色素増感型太陽電池は、安価で量産しやすく、かつ色や形状の自由度が高いため、複数の色素を半導体層に吸着させることで発電時に表示機能を持たせたり、太陽電池にデザイン性を付加したりすることにより、一層用途を拡大する開発がなされている。従来より、かかる色素増感型太陽電池に用いられる半導体層への複数の色素の吸着方法としては、例えば下記特許文献1、2に記載された方法が提案されている。
特許文献1に記載された色素増感型太陽電池においては、各色素を一つずつTiO2膜に吸着させる方法により複数の色素の吸着がなされている。すなわち、まず、一の色素を吸着させたい部分のみを開口させたマスクでTiO2膜(半導体層)を覆い、該一の色素を含んだ溶液中に一定時間(約3時間)浸漬した後、TiO2膜を取り出し、エタノールで洗浄し、マスクを剥離する。次に、他の色素をTiO2膜の所定の箇所に吸着させるためのマスクでTiO2膜を覆い、上記と同様の作業を繰り返す。このような作業を繰り返すことにより、複数の色素を順次TiO2膜に吸着させている。
また、特許文献2に記載された色素増感型太陽電池は、図4(A)に示すように、複数の色素保持部101、102、103を有し、該色素保持部101、102、103内に色素溶液を保持させるトレイ状の器具104を用いて色素吸着がなされている。
すなわち、同図(B)に示すように、色素溶液S1、S2、S3を色素保持部101、102、103内に保持させた器具104の上縁部(色素保持部の開口端縁)104aに、透明電極105を当接させ、器具104と透明電極105とを接着剤106によって接着して貼り合せ固定する。そして、同図(C)に示すように、密閉された器具104の上下を反転させ、器具104の色素保持部101、102、103内の色素溶液S1、S2、S3を半導体層107、107・・側に流し、該半導体層107、107・・を色素溶液S1、S2、S3でそれぞれ満たす。この状態を維持して、半導体層107、107・・に、それぞれ色素を吸着させ、同図(D)に示すように、器具104を取り外して半導体層107の着色を完了する。
しかし、上記特許文献1の色素の吸着方法によれば、異なる色素を一つずつ順に時間を掛けて吸着させるとともに、各色素の吸着毎に洗浄等の作業が必要となり、極めて作業効率が悪いという問題があった。
また、異なる色素を吸着させる度にマスクを取り替える必要があるため、作業が煩雑である上、TiO2膜に色素を吸着させる箇所を正確に位置決めしてマスクで覆う必要があるため、複雑な模様等を示したい場合、的確な着色が困難であるという問題があった。
また、異なる色素を吸着させる度にマスクを取り替える必要があるため、作業が煩雑である上、TiO2膜に色素を吸着させる箇所を正確に位置決めしてマスクで覆う必要があるため、複雑な模様等を示したい場合、的確な着色が困難であるという問題があった。
また、上記特許文献2の色素の吸着方法によれば、色素吸着に用いられる器具104によって吸着される色素S1、S2、S3の種類、形状、寸法が画一的に固定されてしまうため、半導体層107に吸着させる色素の種類、形状、寸法のパターンに応じて逐一異なる器具が必要となり、多色の色素増感型太陽電池の製作コストが嵩むという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供している。
請求項1の発明は、複数色の増感色素を吸着させた半導体層を透明電極上に積層させた積層体と、前記透明電極に対向配置させる対向電極とを備えた太陽電池モジュールにおいて、前記積層体は、該積層体を前記半導体層及び前記透明電極の積層方向に切断して形成された複数の分割片を備えて構成されるとともに、前記各分割片の透明電極同士が導電材料により電気的に接続され、前記少なくとも一の分割片の半導体層の増感色素は、他の分割片の半導体層の増感色素と異なることを特徴とする。
本発明では、積層体を積層方向に切断した分割片を備え、各分割片の透明電極同士を導電材料により電気的に接続した構成とされているため、異なる形状、色彩の分割片を簡便かつ自由に組み合わせることができる。
請求項1の発明は、複数色の増感色素を吸着させた半導体層を透明電極上に積層させた積層体と、前記透明電極に対向配置させる対向電極とを備えた太陽電池モジュールにおいて、前記積層体は、該積層体を前記半導体層及び前記透明電極の積層方向に切断して形成された複数の分割片を備えて構成されるとともに、前記各分割片の透明電極同士が導電材料により電気的に接続され、前記少なくとも一の分割片の半導体層の増感色素は、他の分割片の半導体層の増感色素と異なることを特徴とする。
本発明では、積層体を積層方向に切断した分割片を備え、各分割片の透明電極同士を導電材料により電気的に接続した構成とされているため、異なる形状、色彩の分割片を簡便かつ自由に組み合わせることができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記分割片の半導体層には、前記対向電極方向に前記透明電極を露出させる露出部が形成されていることを特徴とする。
本発明では、露出部に導電材料を塗布することで、透明電極と容易に電気的接続を取ることができる。
本発明では、露出部に導電材料を塗布することで、透明電極と容易に電気的接続を取ることができる。
請求項3の発明は、互いに異なる増感色素を吸着させた半導体層を透明電極上に積層させた複数のシート状の積層体を製作する工程と、前記各積層体を前記半導体層及び前記透明電極の積層方向に切断して任意の形状の分割片を形成する工程と、前記分割片を、これを支持する支持基材に積層して貼着する工程と、前記各分割片の前記透明電極同士を導電材料により電気的に接続する工程とを有していることを特徴とする。
本発明では、シート状の積層体に予め色素を吸着させるため、色素を積層体に容易に吸着させることができ、色素が吸着された積層体を切断し、切断された任意の分割片を支持基材に貼着して導電材料により分割片間の透明電極同士を電気的に接続すればよいため、簡単に異なる色彩からなる太陽電池モジュールを製作することができる。
本発明では、シート状の積層体に予め色素を吸着させるため、色素を積層体に容易に吸着させることができ、色素が吸着された積層体を切断し、切断された任意の分割片を支持基材に貼着して導電材料により分割片間の透明電極同士を電気的に接続すればよいため、簡単に異なる色彩からなる太陽電池モジュールを製作することができる。
請求項4の発明は、請求項3に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、前記分割片の外周部近傍を研磨して、前記透明電極を前記対向電極方向に露出させる工程を有することを特徴とする。
本発明では、分割片の外周部に、透明電極を対向電極方向に露出させる露出部が形成されるため、分割片の外周部に導電材料を塗布するだけで、容易に電気的接触を得ることができる。
本発明では、分割片の外周部に、透明電極を対向電極方向に露出させる露出部が形成されるため、分割片の外周部に導電材料を塗布するだけで、容易に電気的接触を得ることができる。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、前記半導体層の前記透明電極上への形成時に、該半導体層に該透明電極を前記対向電極方向に露出させる部位を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明では、露出部に導電材料を塗布することで、透明電極と容易に接続を取ることができる。
本発明では、露出部に導電材料を塗布することで、透明電極と容易に接続を取ることができる。
請求項6の発明は、請求項3から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、前記分割片を、平面視略正方形の小片状に切断し、該分割片をマトリクス配置することを特徴とする。
本発明では、分割片をマトリクス配置することにより、任意の文字又は模様を容易に形成することができる。
本発明では、分割片をマトリクス配置することにより、任意の文字又は模様を容易に形成することができる。
本発明に係る太陽電池モジュールおよびその製造方法によれば、上記した解決手段によって以下の効果を奏する。
すなわち、所望の色素を吸着させた半導体層を透明電極に積層させた複数のシート状の積層体を製作し、所望の色彩を有する積層体を前記積層方向に任意の形状、大きさに切断した分割片を支持基材に積層して貼着すればよいため、所望のデザインを有する複数色からなる太陽電池モジュールを簡便、的確、かつ作業効率よく製作することができるという効果を奏する。
すなわち、所望の色素を吸着させた半導体層を透明電極に積層させた複数のシート状の積層体を製作し、所望の色彩を有する積層体を前記積層方向に任意の形状、大きさに切断した分割片を支持基材に積層して貼着すればよいため、所望のデザインを有する複数色からなる太陽電池モジュールを簡便、的確、かつ作業効率よく製作することができるという効果を奏する。
また、複数のシート状の積層体にそれぞれ異なる一の色素を吸着させた各積層体を切断して使用すればよいため、製造コストを抑えて複数の色彩を有する太陽電池モジュールを作成することができるという効果を奏する。
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態として示した太陽電池モジュールを図2に示すA−A線で矢視した断面図である。
図1は、本発明の第1の実施形態として示した太陽電池モジュールを図2に示すA−A線で矢視した断面図である。
図1に示すように、太陽電池モジュール1は、支持基材2と、フィルム3上に透明電極4及び半導体層5を積層させた分割片6a、6b・・と、導電材料7、対向電極8、電解液9、および対向基材10を備えて構成されている。
支持基材2は、分割片6a、6bを貼着させてこれを支持する基台となるものであり、透明ガラス板、又はPET、アクリル、ポリカーボネート等の透明の樹脂材料により硬質の平板状、又は可撓性のあるフィルム状に形成されている。
分割片6a、6bは、フィルム3上に透明電極4及び半導体層5を積層させたシート状の積層体(不図示)を、透明電極4および半導体層5の積層方向に切断して、図2に示すように、略三角形の小片状に形成したものであり、透明の接着剤(不図示)を用いて気泡が入らないように支持基材2上に貼着されている。
図1、図2に示すように、分割片6a、6bの半導体層5には、対向電極8方向に透明電極4を露出させる溝(露出部)11、11が互いに平行に形成されている。
分割片6a、6b・・の外周部pには、透明電極4を対向電極8方向に露出させる段差部(露出部)Yが形成されており、導電材料7が接続できるようになっている。
支持基材2に貼着されている分割片6a、6b・・は、それぞれ互いに異なる色素を吸着させた半導体層5を備えたものであり、これらの分割片6a、6b・・の組み合わせ及び配置によって太陽電池モジュール1の外観がデザイン性及び表示性を有するものになっている。
分割片6a、6b・・の外周部pには、透明電極4を対向電極8方向に露出させる段差部(露出部)Yが形成されており、導電材料7が接続できるようになっている。
支持基材2に貼着されている分割片6a、6b・・は、それぞれ互いに異なる色素を吸着させた半導体層5を備えたものであり、これらの分割片6a、6b・・の組み合わせ及び配置によって太陽電池モジュール1の外観がデザイン性及び表示性を有するものになっている。
フィルム3は、透明電極4を蒸着させるものであり、PET、アクリル、PEN、ポリイミド等の透明の樹脂材料により形成されている。
透明電極4は、酸化スズ(ITO)、酸化亜鉛等の透明導電膜によりフィルム3の上面に形成されている。
半導体層5は、金属酸化物からなる半導体により構成され、電子を後述する増感色素から受け取り輸送する機能を有する。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、等が用いられる。
半導体層5には、増感色素が担持されている。増感色素は、有機色素または金属錯体色素で構成されている。有機色素として、例えば、クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、チオフェン系、等の各種有機色素を用いることができ、本実施形態においては、クマリン系色素が用いられている。金属錯体色素として、例えば、ルテニウム錯体等、が好適に用いられる。
導電材料7には、銀、ニッケル、金、銅、アルミ、等が用いられている。
この導電材料7の上面は、絶縁材料12によって被覆され、対向電極8と短絡しないようになっている。
この導電材料7の上面は、絶縁材料12によって被覆され、対向電極8と短絡しないようになっている。
対向電極8は、いわゆる第1電極をなす透明電極4、4・・に対する第2電極をなし、半導体層5と間隙を隔てて透明電極4、4・・と対向するように配置されている。
この対向電極8には、例えば、プラチナ、ポリアニリン、PEDOT、カーボン等が用いられ、スパッタリングや印刷により対向基材10に製膜されている。
この対向電極8には、例えば、プラチナ、ポリアニリン、PEDOT、カーボン等が用いられ、スパッタリングや印刷により対向基材10に製膜されている。
更に、対向電極8の外方側には、例えば、PET、アクリル、PEN、ポリイミド等の樹脂材料からなり、該対向電極8を積層させる基台となる対向基材10が配置されている。
次に、上記構成の太陽電池モジュール1の製作方法を、実施例を示して説明する。
まず、フィルム3の基材として、厚みが200μmの PENフィルムを用い、該PENフィルム上に透明電極4となる酸化スズ(ITO)をシートの抵抗が10Ωになるようスパッタリングし透明電極4を形成する。
透明電極4上に低温焼成が可能な酸化チタン含有ペーストを塗布し、焼結して半導体層5を形成する。この際、例えば、1cmピッチで、0.2mm幅の溝11を設けてスクリーン印刷し、酸化チタン層(半導体層5)間において透明電極4が対向電極8方向に露出するようにする。
まず、フィルム3の基材として、厚みが200μmの PENフィルムを用い、該PENフィルム上に透明電極4となる酸化スズ(ITO)をシートの抵抗が10Ωになるようスパッタリングし透明電極4を形成する。
透明電極4上に低温焼成が可能な酸化チタン含有ペーストを塗布し、焼結して半導体層5を形成する。この際、例えば、1cmピッチで、0.2mm幅の溝11を設けてスクリーン印刷し、酸化チタン層(半導体層5)間において透明電極4が対向電極8方向に露出するようにする。
半導体層5を形成した後、増感色素を溶剤に溶かした増感色素溶液に半導体層5を浸漬し、該半導体層5に増感色素を吸着させてシート状の積層体を製作する。
なお、半導体層5に増感色素を吸着させる方法は、上記に限定されず、増感色素溶液中に半導体層5を移動させながら連続的に投入・浸漬・引き上げを行う方法なども採用される。
このようにして、複数の色素を互いに異なる積層体の半導体層5に吸着させ、予めシート状の積層体を複数得ておく。
このようにして、複数の色素を互いに異なる積層体の半導体層5に吸着させ、予めシート状の積層体を複数得ておく。
次に、上記のようにして得られた複数の互いに異なる色素を吸着した積層体を、それぞれ透明電極4と半導体層5の積層方向に打ち抜き等の方法によって切断し、例えば一辺が5cmの平面視三角形の分割片6a、6b・・を形成する。この際、より確実に電気的接触を得るため、分割片6a、6bの外周部p、p・・は、研磨等することにより透明電極4を上方(対向電極8方向)に向けて露出させてもよい。
分割片6a、6b・・を、ガラス基板の支持基材2上にUV硬化接着材を用いて交互に貼り付け、紫外線照射することで硬化させる。この際、UV硬化接着材には、例えば積水化学製フォトレック樹脂を好適に用いることができる。
そして、上記のようにして貼着させた分割片6a、6b・・の略正三角形のすべての外縁に一部がフィルム3にかかるようにAgペースト(導電材料7)をディスペンサにて塗布する。
そして、上記のようにして貼着させた分割片6a、6b・・の略正三角形のすべての外縁に一部がフィルム3にかかるようにAgペースト(導電材料7)をディスペンサにて塗布する。
対向基材10には、ガラス基板を用い、該基板10上にプラチナ(Pt)をスパッタリングして対向電極8を形成させる。
その上で、対向基材10を支持基材2に対向させ、導電材料7にスペーサを兼ねた絶縁樹脂12を塗布し、対向基材10と支持基材2とを張り合わせる。
貼り合わせに際しては、真空中でゲル電解液9を分割片6a、6b・・上に配置した後に両基材2、10を張り合わせ、熱圧着することで、これら基材2、10の接合と電解液9の浸透を同時に行う。以上により、異なる色の分割片6a、6bが交互に並んだ太陽電池モジュール1が完成する。
その上で、対向基材10を支持基材2に対向させ、導電材料7にスペーサを兼ねた絶縁樹脂12を塗布し、対向基材10と支持基材2とを張り合わせる。
貼り合わせに際しては、真空中でゲル電解液9を分割片6a、6b・・上に配置した後に両基材2、10を張り合わせ、熱圧着することで、これら基材2、10の接合と電解液9の浸透を同時に行う。以上により、異なる色の分割片6a、6bが交互に並んだ太陽電池モジュール1が完成する。
上述のようにして形成された太陽電池モジュール1によれば、異なる色彩に着色されたシート状の積層体を選択し、該積層体を任意の形状に切断し、切断された分割片6a、6bを支持基材2に貼着し、かつ対向電極を張り合わせすることで、所望のデザインを有する複数色の太陽電池モジュール1を簡便、的確、かつ効率的に製作し得るという効果を奏する。
また、それぞれ異なる一の色素を吸着させた複数のシート状の積層体を切断して使用すればよいため、着色のために特殊な器具等を必要とせず、複数の色彩を有する太陽電池モジュール1を、製造コストを抑えて作成することができるという効果を奏する。
また、分割片6a、6bの外周部pに、透明電極4を対向電極8方向に露出させる段差部Yが形成されているため、分割片6a、6bの外周部pに導電材料7を塗布するだけで、容易に電気的接触を得ることができるという効果を奏する。
また、半導体層5に、透明電極4を対向電極8方向に露出させる溝11が複数形成されているため、導電材料7を塗布可能とする部位を増加させることができ、透明電極4の直流電流抵抗を低減することができるという効果を奏する。
また更に、溝11が段差部Yに連通して形成されていることにより、該段差部Yの露出面が増加するため、導電材料7の塗布が可能な面積をより確実に確保することができ、直流電流抵抗を低減することができることとなる。
なお、本実施形態において、段差部Y以外の露出部は、溝形状に形成されているが、半導体層5にドット状の貫通孔を形成して透明電極4を対向電極8に向けて露出させたり、半導体層5をメッシュ状にして透明電極4を露出し、導電部材7を透明電極4に接続できるようにしたものであってもよい。
また、本実施形態においては、半導体層5において溝11を設けた構成としたが、溝11を設けない構成としたものであってもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態においては、一辺の寸法が略同一の平面視略矩形に形成され、異なる色彩を有する分割片20a、20bをマトリクス状に配置し、文字表示機能又はデザイン性を付与する構成とされている。
具体的には、図3に示すように、分割片20aには、文字の表示に用いられる一の色素を吸着させた積層体を略矩形に切断したものを用い、この分割片20a、20a・・を配列して「S」「E」「K」「I」「Z」「U」「I」の文字を表示させている。また、分割片20bには、分割片20aの色素と異なる他の色素を吸着させた積層体を略矩形に切断したものを用い、この分割片20b、20b・・を前記文字表示の周辺に配列して、背景を表示するとともに、分割片20aによる文字表示を浮き立たせている。
本実施形態の太陽電池モジュールにおいても、前述した第1の実施形態による太陽電池モジュール1と同様の効果を奏するとともに、分割片20a、20bが同一寸法の略矩形に形成されているため、文字や図柄の表示が行いやすいという効果を奏する。
上記の実施形態において、分割片20a、20bは、平面視略矩形に形成され、これらをマトリクス状に配置し表示機能又はデザイン性を付与する構成とされているが、分割片20a、20bは、任意の形状に形成され、支持基材2に貼着されたものであってもよい。具体的には、例えば文字を表示させたい場合、分割片20aを文字の形状に切断するとともに、他の色素をもって形成された分割片20bを分割片20aの形状をくり抜いた形状の一の小片とし、分割片20bに分割片20aを嵌合させたものとしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、二色からなる太陽電池モジュールを例示しているが、本発明によれば、3色以上の色素を吸着させた太陽電池モジュールであっても容易に製作することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、二色からなる太陽電池モジュールを例示しているが、本発明によれば、3色以上の色素を吸着させた太陽電池モジュールであっても容易に製作することができる。
1 太陽電池モジュール
2 支持基材
3 フィルム
4 透明電極
5 半導体層
6a、6b 分割片
7 導電材料
8 対向電極
9 電解液
10 対向基材
11 溝(露出部)
12 絶縁材料
20a、20b 分割片
Y 段差部(露出部)
2 支持基材
3 フィルム
4 透明電極
5 半導体層
6a、6b 分割片
7 導電材料
8 対向電極
9 電解液
10 対向基材
11 溝(露出部)
12 絶縁材料
20a、20b 分割片
Y 段差部(露出部)
Claims (6)
- 複数色の増感色素を吸着させた半導体層を透明電極上に積層させた積層体と、前記透明電極に対向配置させる対向電極とを備えた太陽電池モジュールにおいて、
前記積層体は、該積層体を前記半導体層及び前記透明電極の積層方向に切断して形成された複数の分割片を備えて構成されるとともに、前記各分割片の透明電極同士が導電材料により電気的に接続され、
前記少なくとも一の分割片の半導体層の増感色素は、他の分割片の半導体層の増感色素と異なることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記分割片の半導体層には、前記対向電極方向に前記透明電極を露出させる露出部が形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 互いに異なる増感色素を吸着させた半導体層を透明電極上に積層させた複数のシート状の積層体を製作する工程と、
前記各積層体を前記半導体層及び前記透明電極の積層方向に切断して任意の形状の分割片を形成する工程と、
前記分割片を、これを支持する支持基材に積層して貼着する工程と、
前記各分割片の前記透明電極同士を導電材料により電気的に接続する工程とを有していることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 請求項3に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記分割片の外周部近傍を研磨して、前記透明電極を前記対向電極方向に露出させる工程を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 請求項3又は4に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記半導体層の前記透明電極上への形成時に、該半導体層に該透明電極を前記対向電極方向に露出させる部位を形成する工程を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。 - 請求項3から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法において、
前記分割片を、平面視略正方形の小片状に切断し、該分割片をマトリクス配置することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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JP2010215547A JP5400737B2 (ja) | 2010-09-27 | 2010-09-27 | 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 |
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