JP5400567B2 - 半導体スイッチ - Google Patents
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Description
本発明は、レイアウト面積を増大させずに電圧生成回路の誤動作を回避した半導体スイッチを提供する。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1に表したように、半導体スイッチ1は、スイッチ部2、駆動回路4、デコーダ回路5、電源制御回路6、電圧生成回路7、及び電源端子8(電源入力部)を備える。そして、これらを同一基板に形成して、1チップ化した構造を備える。例えば、SOI基板に形成する。
半導体スイッチ1は、マルチモード・マルチバンド無線機器などに用いることのできる多ポートの半導体スイッチである。
図2に表したように、アンテナ端子ANTと、各高周波端子RF1〜RF8との間には、スイッチ回路10a〜10hがそれぞれ接続されている。
スイッチ回路10a〜10hのそれぞれは、n段(nは自然数)のスルーFET(Field Effect Transistor)、m段(mは自然数)のシャントFET、及び高周波漏洩防止用の抵抗を有する。
ただし、オン電位Vonが高すぎたり、オフ電位Voffが低すぎるとFETの耐圧を超えてしまうので、オン電位Vonおよびオフ電位Voffには最適な範囲がある。
制御回路部3は、端子INに入力される端子切替信号をデコードするデコーダ回路5、スイッチ部2を駆動するための駆動回路4、電圧生成回路7などから構成されている。
図3に表したように、端子切替信号は、デコーダ回路5aによりデコードされ、反転・非反転信号生成回路5bを介して、駆動回路4を制御する。なお、半導体スイッチ1においては、SP8Tのスイッチ部2を備えている。そのため、デコーダ回路5aは、3ビットの端子切替信号をデコードしている。
図4においては、駆動回路4を構成するレベルシフト回路20の回路図を表わしている。
駆動回路4は、レベルシフト回路20と同一構成のレベルシフト回路20a〜20hにより構成される。
図5に表したように、電圧生成回路7は、発振回路11、チャージポンプ回路12a、12b、ローパスフィルタ13a、13b、内部レギュレータ14を有する。
チャージポンプ回路12aは、直列接続した複数のダイオードと、各ダイオード間に一端が接続された複数の容量とを有する。直列接続した複数のダイオードのアノード側は、接地に接続され、カソード側は、ローパスフィルタ13aに接続されている。各容量の他端は、発振回路11の出力である相補クロックCK、CK−に交互に接続されている。
ローパスフィルタ13a、13bは、それぞれ抵抗と容量で構成される。チャージポンプ回路12a、12bの出力を平滑化してそれぞれ高電位端子9、低電位端子9aに出力する。
また、低電位端子9aに接続されたローパスフィルタ13bの出力側の容量Cnの端子電圧が、第2の電位Vnとなる。
また、発振回路11に供給される電源の電位Vdd2は、電源電圧Vddよりも低電位であり、例えば2.4Vである。図5に表したように、内部レギュレータ14から電位Vdd2の電源が供給される。なお、内部レギュレータ14を介さずに、電源端子8から電圧Vddを供給してもよい。
図6に表したように、電源制御回路6は、接続回路31とパルス発生回路32とを有する。
接続回路31は、高電位端子9と電源端子8とを接続し、また接続を切り離す回路である。接続回路31は、第1のトランジスタN1、第2のトランジスタP1、第1の抵抗R1を有する。
なお、パルス発生回路に供給される電源の電位Vdd1は、例えば1.8Vであり、図示しないレギュレータにより供給される。また、電位Vdd1は電源電圧Vddと同じでもよい。
すなわち、電源制御回路6は、第1の期間T1は、電圧生成回路7の出力(高電位端子9)を電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する内部レギュレータ14の出力に接続する。そして、第1の期間T1の経過後は電圧生成回路7の出力(高電位端子9)から内部レギュレータ14の出力を切り離すように制御する構成としてもよい。
図7においては、時間t=0で電源を投入してからの、第1及び第2の電位Vp、Vnの時間変化を、無負荷の場合について表している。なお、電源端子8に供給される電源電圧Vdd=2.4Vとしている。また、第1の電位Vpにおいて、電源制御回路6が有る場合とない場合とをそれぞれ実線、破線で表している。
しかし、内蔵可能な発振回路およびチャージポンプ回路のレイアウト面積には限りがあるため、チャージポンプ回路の電流供給能力は必ずしも大きくない。
このレベルシフト回路20が、チャージポンプ回路12a、12bに負荷として接続された場合、高電位端子9から低電位端子9aに貫通電流が生じることがある。
図8は、レベルシフト回路のシミュレーションに用いる電圧生成回路の出力電位の時間変化を表すグラフ図である。図9は、貫通電流の時間変化を表すグラフ図である。図10は、第1のレベルシフト回路の出力OUT1A、OUT1Bの時間変化を表すグラフ図である。図11は、第2のレベルシフト回路の出力OUT2A、OUT2Bの時間変化を表すグラフ図である。
なお、NMOSの閾値電圧は0.6V、PMOSの閾値電圧は−0.6Vである。
図12は、PMOS P21のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。図13は、PMOS P22のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。図14は、NMOS N23のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。図15は、NMOS N24のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。
一方、図14においては、NMOS N23のゲート・ソース間電圧Vgsとドレイン・ソース間電圧Vdsを表している。
図16は、レベルシフト回路の他の構成を例示する回路図である。
図16に表したように、レベルシフト回路23は、各FETの電極間に印加する電圧を抑制するため、以下に説明するようなカスコード接続を用いた構成になっている。
初段のレベルシフト回路21aの差動入力端子INA、INBの入力レベルは、例えばハイレベルが1.8V、ローレベルが0Vであり、図示されない前段のデコーダ回路から供給される。高電位端子9には第1の電位Vp、例えば3.5Vが供給される。
なお、NMOS N31、N32、ダイオードD11、D12は出力が立ち下がるとき、第2の電位Vnに放電する前に、まず、接地に放電するための回路である。この回路により、立下り波形を高速にすることが出来る。
図17においては、図16に表したレベルシフト回路23で生じる貫通電流発生領域(図中実線Xで囲んだ部分)および電源投入時の電圧生成回路の出力電位の軌跡を模式的に表している。すなわち、縦軸に第1の電位Vpを、横軸に第2の電位Vnをとり、電源投入後の点(Vn、Vp)の軌跡を表している。なお、実線P0P1は電源制御回路6がある場合を、実線Q0Q1は電源制御回路6がない場合である。
なお、貫通電流発生領域Xを貫通電流が発生する第1及び第2の電位Vp、Vnの組合せの点(Vn、Vp)として模式的に表している。
なお、本実施例においては、SP8Tのスイッチの構成を例示したが、同様にSPnT、mPnT(m、nは2以上の自然数)などの多ポートのスイッチを構成することができる。
図18に表したように、電源制御回路6aは、接続回路31とパルス発生回路32aとを有する。すなわち、電源制御回路6aは、図6に表した電源制御回路6のパルス発生回路32を、パルス発生回路32aに置き換えた構成である。
RC時定数回路33は、電源端子8と接地との間に接続された抵抗と容量とからなる。RC時定数回路33の容量の端子電圧は、インバータ34に入力され、インバータ34の出力は、接続回路31に入力される。
図19に表したように、電源制御回路6bは、接続回路31、パルス発生回路32bを有する。すなわち、電源制御回路6bは、図18に表した電源制御回路6aのパルス発生回路32aを、パルス発生回路32bに置き換えた構成である。
図20は、図19に表した電源制御回路6bのパワーオンリセット回路35の構成を例示する回路図である。
パワーオンリセット回路35に供給される電源は電位Vdd1で、ここで、RC時定数回路36の時定数は、図19に表したRC時定数回路33より小さく設定されている。RC時定数回路36の容量の端子電圧は、抵抗を介して3段構成のインバータに入力される。インバータの出力が、RESET信号となる。
図21(a)は、パワーオンリセット回路35に供給される電源の電位Vdd1を、図21(b)は、パワーオンリセット回路35の出力信号RESETを、それぞれ模式的に表している。
電源が印加されると、RC時定数回路36の容量の端子電圧は、ある時定数を持って0VからVdd1に上昇する。容量の端子電圧が3段構成のインバータの論理閾値電圧に達するまでは、3段構成のインバータはハイレベルを出力する。
容量の端子電圧が、論理閾値を越えると、3段構成のインバータは、ローレベルを出力する。従って、出力信号RESETは、ローレベルとなる。
再度図20に戻ると、パワーオンリセット回路35の出力信号RESETは、NMOS N2のゲートに入力される。
パワーオンリセット回路35を設けることにより、電源再投入時にもパルス発生回路32bは初期化され確実に高電位端子9は電源端子8と接続される。これにより、電圧生成回路7の誤動作を回避することができる。
図22に表したように、電源制御回路6cは、接続回路31とパルス発生回路32cとを有する。すなわち、電源制御回路6cは、図18に表した電源制御回路6aのパルス発生回路32aを、パルス発生回路32cに置き換えた構成である。
図23は、電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
図23に表したように、電源制御回路6dは、接続回路31とパルス発生回路32dを有する。すなわち、電源制御回路6dは、図22に表した電源制御回路6cのパルス発生にパワーオンリセット回路35を追加した構成である。
図24に表したように、電源制御回路6eは、接続回路31、パルス発生回路32eを有する。すなわち、電源制御回路6eは、図6に表した電源制御回路6のパルス発生回路32をパルス発生回路32eに置き換えた構成である。
2 スイッチ部
3 制御回路部
4 駆動回路
5、5a デコーダ回路
5b 反転・非反転信号生成回路
6、6a〜6e 電源制御回路
7 電圧生成回路
8 電源端子
9 高電位端子
9a 低電位端子
10a〜10h スイッチ回路
11 発振回路
12a〜12c チャージポンプ回路
13a、13b ローパスフィルタ
14 内部レギュレータ
20、20a〜20h、23 レベルシフト回路
21、21a 第1のレベルシフト回路
22、22a 第2のレベルシフト回路
31 接続回路
32、32a〜32e パルス発生回路
33、36 RC時定数回路
34 インバータ
35 パワーオンリセット回路
37 クランプ回路
ANT アンテナ端子
Cp、Cn 容量
D11、D12 ダイオード
N1 第1のトランジスタ
N2、N11,N12、N21〜N24、N31、N32 Nチャンネル型MOSFET(NMOS)
P1 第2のトランジスタ
P2、P11、P12、P21〜P24 Pチャンネル型MOSFET(PMOS)
R1 第1の抵抗
RS11〜RS1m、RT11〜RT1n 抵抗
RF1〜RF8 高周波端子
S11〜S1m シャントFET
T11〜T1n スルーFET
Claims (5)
- 電源入力部に供給される電源電圧から第1の電位と負の第2の電位とを生成する電圧生成回路と、
前記電圧生成回路の出力に接続され、前記第1の電位が供給される高電位入力部と、前記第2の電位が供給される低電位入力部と、入力信号が入力される信号入力部と、ハイレベルが入力されると前記第1の電位を出力し、ローレベルが入力されるとそのままローレベルとして出力する第1のレベルシフト回路と、前記第1のレベルシフト回路の出力のハイレベルが入力されるとそのままハイレベルとして出力し、前記第1のレベルシフト回路の出力のローレベルが入力されると前記第2の電位を出力する第2のレベルシフト回路と、を有し、前記入力信号のハイレベルを前記第1の電位に変換し、前記入力信号のローレベルを前記第2の電位に変換して出力する駆動回路と、
前記駆動回路の出力により端子間の接続を切り替えるスイッチ部と、
前記電源入力部に電源電圧が供給された後の第1の期間は前記高電位入力部を前記電源入力部に接続し、前記第1の期間の経過後は前記高電位入力部を前記電源入力部から切り離すように制御する電源制御回路と、
を備えたことを特徴とする半導体スイッチ。 - 前記電源入力部に接続され、前記電源電圧よりも低電位となる電圧を生成する内部レギュレータをさらに備え、
前記電源制御回路は、前記第1の期間においては前記高電位入力部を前記内部レギュレータの出力に接続し、前記第1の期間の経過後は前記高電位入力部を前記内部レギュレータの出力から切り離すように制御することを特徴とする請求項1記載の半導体スイッチ。 - 前記電源制御回路は、
ソースが前記高電位入力部に接続され、ドレインが前記電源入力部に接続された第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタのゲートと前記高電位入力部との間に接続された第1の抵抗と、
ドレインが前記第1のトランジスタのゲートに接続され、ソースが接地に接続された第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのゲートに接続され、前記第1の期間はハイレベルを出力し、前記第1の期間の経過後はローレベルを出力するパルス発生回路と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体スイッチ。 - 前記電圧生成回路の出力の電流供給能力は、前記第1の期間において前記駆動回路を介して前記高電位入力部から前記低電位入力部へ流れる貫通電流よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体スイッチ。
- 前記パルス発生回路は、前記電源入力部に電源電圧が供給されたときに、前記パルス発生回路を初期化するパワーオンリセット回路をさらに有することを特徴とする請求項3記載の半導体スイッチ。
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