JP5400567B2 - 半導体スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体スイッチに関する。
携帯電話機の高周波回路部においては、送信回路および受信回路が高周波信号用スイッチ回路を介して共通のアンテナに選択的に接続されるようになっている。従来、このような高周波信号用スイッチ回路のスイッチ素子には、化合物半導体を用いたHEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)が用いられてきたが、近年、低コスト、小型化の要求から、シリコン基板上に形成されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)に置き換えることが検討されている。
ただし、通常のシリコン基板上に形成されたMOSFETでは、ソースあるいはドレイン電極とシリコン基板との間の寄生容量が大きい。また、シリコンは半導体であることから、高周波信号の電力損失が大きいといった問題がある。そこで、高周波信号用スイッチ回路をSOI(Silicon On Insulator)基板上に形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
MOSFETの高周波スイッチに、例えば携帯電話機で要求されるような高周波特性(例えば挿入損失、オン歪・オフ歪)を実現するためには、適正なゲート電位を内部で生成する必要がある。
特表2009−27487号公報
しかし、このような電圧生成回路においては、レイアウト面積の制約から電流供給能力が制限される。そのため、電源投入時に電圧生成回路の負荷に電流供給能力以上の貫通電流が生じると、電圧生成回路が所望の電位に到達できないという誤動作の可能性がある。
本発明は、レイアウト面積を増大させずに電圧生成回路の誤動作を回避した半導体スイッチを提供する。
本発明の一態様によれば、電源入力部に供給される電源電圧よりも高電位な第1の電位と負の第2の電位とを生成する電圧生成回路と、前記電圧生成回路の出力に接続され、前記第1の電位が供給される高電位入力部と、前記第2の電位が供給される低電位入力部と、入力信号が入力される信号入力部と、ハイレベルが入力されると前記第1の電位を出力し、ローレベルが入力されるとそのままローレベルとして出力する第1のレベルシフト回路と、前記第1のレベルシフト回路の出力のハイレベルが入力されるとそのままハイレベルとして出力し、前記第1のレベルシフト回路の出力のローレベルが入力されると前記第2の電位を出力する第2のレベルシフト回路と、を有し、前記入力信号のハイレベルを前記第1の電位に変換し、前記入力信号のローレベルを前記第2の電位に変換して出力する駆動回路と、前記駆動回路の出力により端子間の接続を切り替えるスイッチ部と、前記電源入力部に電源電圧が供給された後の第1の期間は前記高電位入力部を前記電源入力部に接続し、前記第1の期間の経過後は前記高電位入力部を前記電源入力部から切り離すように制御する電源制御回路と、を備えたことを特徴とする半導体スイッチが提供される。
本発明によれば、レイアウト面積を増大させずに電圧生成回路の誤動作を回避した半導体スイッチが提供される。
本発明の実施形態に係る半導体スイッチの構成を例示するブロック図である。 図1に表した半導体スイッチ1のスイッチ部2の構成を例示する回路図である。 図1に表した半導体スイッチ1のデコーダ回路5および駆動回路4の構成を例示する回路図である。 レベルシフト回路の構成を例示する回路図である。 図1に表した半導体スイッチ1の電圧生成回路7の構成を例示する回路図である。 図1に表した半導体スイッチ1の電源制御回路6の構成を例示する回路図である。 電圧生成回路の出力電位の時間変化を表すグラフ図である。 レベルシフト回路のシミュレーションに用いる電圧生成回路の出力電位の時間変化を表すグラフ図である。 貫通電流の時間変化を表すグラフ図である。 第1のレベルシフト回路の出力OUT1A、OUT1Bの時間変化を表すグラフ図である。 第2のレベルシフト回路の出力OUT2A、OUT2Bの時間変化を表すグラフ図である。 PMOS P21のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。 PMOS P22のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。 NMOS N23のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。 NMOS N24のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。 レベルシフト回路の他の構成を例示する回路図である。 電圧生成回路の出力電位の軌跡を例示する模式図である。 電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。 電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。 図19に表した電源制御回路6bのパワーオンリセット回路35の構成を例示する回路図である。 図19に表した電源制御回路6bのパワーオンリセット回路35の動作を表す模式図である。 電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。 電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。 電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体スイッチの構成を例示するブロック図である。
図1に表したように、半導体スイッチ1は、スイッチ部2、駆動回路4、デコーダ回路5、電源制御回路6、電圧生成回路7、及び電源端子8(電源入力部)を備える。そして、これらを同一基板に形成して、1チップ化した構造を備える。例えば、SOI基板に形成する。
マルチモード・マルチバンド無線機器などには、例えばSP8T(Single-Pole 8-Throw)のような多ポートのスイッチ部が用いられる。
半導体スイッチ1は、マルチモード・マルチバンド無線機器などに用いることのできる多ポートの半導体スイッチである。
スイッチ部2は、端子間の接続を切り替える。図1においては、スイッチ部2は、SP8Tであり、アンテナ端子ANTと、8つの高周波端子RF1〜RF8との間の接続を切り替える。なお、スイッチ部2は、例えばMOSFETにより構成することができる。
図2は、図1に表した半導体スイッチ1のスイッチ部2の構成を例示する回路図である。
図2に表したように、アンテナ端子ANTと、各高周波端子RF1〜RF8との間には、スイッチ回路10a〜10hがそれぞれ接続されている。
スイッチ回路10a〜10hのそれぞれは、n段(nは自然数)のスルーFET(Field Effect Transistor)、m段(mは自然数)のシャントFET、及び高周波漏洩防止用の抵抗を有する。
アンテナ端子ANTと高周波端子RF1との間には、スイッチ回路10aのスルーFET T11、T12、・・・、T1nが直列に接続されている。高周波端子RF1と接地との間には、スイッチ回路10aのシャントFET S11、S12、・・・、S1mが直列に接続されている。
高周波端子RF1に接続されたスイッチ回路10aのスルーFET T11、T12、・・・、T1nのゲートは、それぞれ高周波漏洩防止用の抵抗RT11、RT12、・・・、RT1nを介して、制御端子Con1aと接続されている。制御端子Con1aは、駆動回路4と接続されている。抵抗RT11、RT12、・・・、RT1nは、それぞれ高周波信号が駆動回路4に漏洩しない程度の高い抵抗値を有する。
高周波端子RF1に接続されたスイッチ回路10aのシャントFET S11、S12、・・・、S1mのゲートは、それぞれ、高周波漏洩防止用の抵抗RS11、RS12、・・・、RS1mを介して、制御端子Con1bと接続されている。制御端子Con1bは、駆動回路4と接続されている。抵抗RS11、RS12、・・・、RS1mは、それぞれ高周波信号が駆動回路4に漏洩しない程度の高い抵抗値を有する。
アンテナ端子ANTと各高周波端子RF2〜RF8との間には、同様にスイッチ回路10b〜10hのスルーFETがそれぞれ接続されている。各高周波端子RF2〜RF8と接地との間には、スイッチ回路10b〜10hのシャントFETがそれぞれ接続されている。
各高周波端子RF2〜RF8に接続されたスイッチ回路10b〜10hのスルーFETのゲートは、高周波漏洩防止用の抵抗を介して、制御端子Con2a〜Con8aと接続されている。制御端子Con2a〜Con8aは、それぞれ駆動回路4と接続されている。
各高周波端子RF2〜RF8に接続されたスイッチ回路10b〜10hのシャントFETのゲートは、高周波漏洩防止用の抵抗を介して、制御端子Con2b〜Con8bと接続されている。制御端子Con2b〜Con8bは、それぞれ駆動回路4と接続されている。
例えば、高周波端子RF1とアンテナ端子ANTとの間を導通するためには、高周波端子RF1とアンテナ端子ANTとの間のn段直列接続スルーFET T11〜T1nをオンとし、高周波端子RF1と接地との間のm段直列接続シャントFET S11〜S1mをオフとする。同時に他の各高周波端子RF2〜RF8とアンテナ端子ANTとの間のスルーFETをすべてオフとし、他の各高周波端子RF2〜RF8と接地との間のシャントFETをすべてオンとすればよい。
すなわち、上記の場合、制御端子Con1aにはオン電位Von、制御端子Con2b〜Con8bにはオン電位Von、制御端子Con1bにはオフ電位Voff、制御端子Con2a〜Con8aにはオフ電位Voffの電位が与えられる。オン電位Vonは、各FETが導通状態となりそのオン抵抗が十分小さい値になるゲート電位であり、オフ電位Voffは各FETが遮断状態となり高周波信号が重畳しても遮断状態を十分維持できるゲート電位である。各FETの閾値電圧Vthは例えば0Vである。
オン電位Vonが所望の電位(例えば3.5V)よりも低いと導通状態のFETのオン抵抗が高くなり、挿入損失が劣化すると共に、導通状態のFETで発生する歪(オン歪)が増大する。また、オフ電位Voffが所望の電位(例えば−1.5V)よりも高いと、最大許容入力電力が下がると共に、規定入力時に遮断状態のFETで発生する歪(オフ歪)が増大する。
ただし、オン電位Vonが高すぎたり、オフ電位Voffが低すぎるとFETの耐圧を超えてしまうので、オン電位Vonおよびオフ電位Voffには最適な範囲がある。
スイッチ部2の各FETのゲート電位を制御する制御信号は、図1に表した制御回路部3で生成される。
制御回路部3は、端子INに入力される端子切替信号をデコードするデコーダ回路5、スイッチ部2を駆動するための駆動回路4、電圧生成回路7などから構成されている。
図3は、図1に表した半導体スイッチ1のデコーダ回路5および駆動回路4の構成を例示する回路図である。
図3に表したように、端子切替信号は、デコーダ回路5aによりデコードされ、反転・非反転信号生成回路5bを介して、駆動回路4を制御する。なお、半導体スイッチ1においては、SP8Tのスイッチ部2を備えている。そのため、デコーダ回路5aは、3ビットの端子切替信号をデコードしている。
駆動回路4は、8つのレベルシフト回路20a〜20hが並置された構成である。駆動回路4は、高電位端子9(高電位入力部)、低電位端子9a(低電位入力部)を有する。高電位端子9には、電源端子8に供給される電源電圧Vddよりも高い第1の電位Vpが供給される。低電位端子9aには、負の第2の電位Vnが供給される。
なお、レベルシフト回路20a〜20hは差動回路であるため、デコーダ回路5aと駆動回路4との間に、反転・非反転信号生成回路5bが設けられている。また、他の回路部、例えば駆動回路4の前段のデコーダ回路5aなどには電位Vdd1の電源が供給される。ここで、電位Vdd1は、例えば1.8Vであり、図示しないレギュレータにより供給される。また、電位Vdd1は電源電圧Vddと同じでもよい。
図4は、レベルシフト回路の構成を例示する回路図である。
図4においては、駆動回路4を構成するレベルシフト回路20の回路図を表わしている。
駆動回路4は、レベルシフト回路20と同一構成のレベルシフト回路20a〜20hにより構成される。
レベルシフト回路20は、第1のレベルシフト回路21と第2のレベルシフト回路22とを有する。第1のレベルシフト回路21は、一対のNチャンネル型MOSFET(以下、NMOS)N11、N12と、一対のPチャンネル型MOSFET(以下、PMOS)P11、P12とを有する。第2のレベルシフト回路22は、一対のPMOS P21、P22と、一対のNMOS N23、N24とを有する。
NMOS N11、N12のソースは、それぞれ接地に接続されている。NMOS N11、N12のゲートはそれぞれ入力端子INA、INB(信号入力部)を介して図示されない前段のデコーダ回路に接続されている。
NMOS N11、N12のドレインは、それぞれPMOS P11、P12のドレインと接続されている。PMOS P11、P12のそれぞれのソースには、高電位端子9を介して、電圧生成回路7から第1の電位Vpが供給される。PMOS P11のゲートは、PMOS P12のドレインと接続され、これらは第1のレベルシフト回路21の差動出力の一方のラインOUT1Bに接続されている。PMOS P12のゲートは、PMOS P11のドレインと接続され、これらは第1のレベルシフト回路21の差動出力の他方のラインOUT1Aに接続されている。
上記ラインOUT1A、OUT1Bはそれぞれ第2のレベルシフト回路22のPMOS P21、P22のゲートに接続される。ラインOUT1A、OUT1Bを介して第1のレベルシフト回路21の出力は、第2のレベルシフト回路22へ入力される。PMOS P21、P22のそれぞれのソースには、高電位端子9を介して、電圧生成回路7から第1の電位Vpが供給される。
PMOS P21のドレインは、NMOS N23のドレインと接続され、これらの接続ノードは出力端子OUT2Aに接続されている。PMOS P22のドレインはNMOS N24のドレインと接続され、これらの接続ノードは出力端子OUT2Bに接続されている。出力端子OUT2A、OUT2Bを介して前述したオン電位Von、オフ電位Voffが、図2に表したスイッチ部2のスルーFET、シャントFETのゲートに供給される。
第1のレベルシフト回路21の差動入力INA、INBの入力レベルは例えばハイレベルが1.8V、ローレベルが0Vであり、図示されない前段のデコーダ回路から供給される。高電位端子9には、第1の電位Vpとして、例えば3.5Vが供給される。
例えば、INAにハイレベル(1.8V)、INBにローレベル(0V)が入力すると、ラインOUT1Aの電位はローレベル(0V)になり、ラインOUT1Bの電位は、第1の電位Vpと等しい3.5Vになる。すなわち、第1のレベルシフト回路21における出力振幅は0〜Vpの3.5V程度となる。
第2のレベルシフト回路22は、第1のレベルシフト回路21の出力信号を入力とする。高電位端子9には、第1のレベルシフト回路21と同様第1の電位Vpとして、例えば3.5Vが供給され、低電位端子9aには、負の第2の電位Vnとして、例えば−1.5Vが供給される。
例えば、ラインOUT1Aがローレベル(0V)、ラインOUT1Bがハイレベル(3.5V)とすると、出力端子OUT2Aの電位は、第1の電位Vpと等しい3.5Vになり、出力端子OUT2Bの電位は、第2の電位Vnと等しい−1.5Vになる。したがって、オン電位Vonとして3.5Vを、オフ電位Voffとして−1.5Vを、図2に示すスイッチ部2のスルーFET、シャントFETのゲートに供給することができ、スイッチ部2が駆動される。
すなわち、第1のレベルシフト回路21は、入力のハイレベルがVdd1、ローレベルが0Vである差動入力信号を、ハイレベルが第1の電位Vp、ローレベルが0V(接地電位)の差動信号として出力する。すなわち、ハイレベルの電位を第1の電位Vpに変換する。また第2のレベルシフト回路22は、その出力レベルをハイレベルが第1の電位Vp、ローレベルが第2の電位Vnの差動信号として出力する。すなわちローレベルの電位を第2の電位Vnに変換する。
従って、レベルシフト回路20は、入力のハイレベルがVdd1、ローレベルが0Vである差動入力信号を、ハイレベルが第1の電位Vp、ローレベルが第2の電位Vnの差動信号として出力する。すなわち、入力されたハイレベル及びローレベルの電位をそれぞれ第1の電位Vp、第2の電位Vnに変換する。
図5は、図1に表した半導体スイッチ1の電圧生成回路7の構成を例示する回路図である。
図5に表したように、電圧生成回路7は、発振回路11、チャージポンプ回路12a、12b、ローパスフィルタ13a、13b、内部レギュレータ14を有する。
発振回路11は、奇数段のインバータで構成されたリングオシレータであり、相補クロックCK、CK−を出力する。
チャージポンプ回路12aは、直列接続した複数のダイオードと、各ダイオード間に一端が接続された複数の容量とを有する。直列接続した複数のダイオードのアノード側は、接地に接続され、カソード側は、ローパスフィルタ13aに接続されている。各容量の他端は、発振回路11の出力である相補クロックCK、CK−に交互に接続されている。
チャージポンプ回路12bは、直列接続した複数のダイオードと、各ダイオード間に一端が接続された複数の容量とを有する。直列接続した複数のダイオードのカソード側は、接地に接続され、アノード側は、ローパスフィルタ13bに接続されている。各容量の他端は、発振回路11の出力である相補クロックCK、CK−に交互に接続されている。チャージポンプ回路12bは、ダイオードの向きと数がチャージポンプ回路12aと異なる。
相補クロックCK、CK−による電荷の蓄積、移動によりチャージポンプ回路12a、12bにそれぞれ正の電圧、負の電圧が生成される。
ローパスフィルタ13a、13bは、それぞれ抵抗と容量で構成される。チャージポンプ回路12a、12bの出力を平滑化してそれぞれ高電位端子9、低電位端子9aに出力する。
高電位端子9に接続されたローパスフィルタ13aの出力側の容量Cpの端子電圧が第1の電位Vpとなる。
また、低電位端子9aに接続されたローパスフィルタ13bの出力側の容量Cnの端子電圧が、第2の電位Vnとなる。
なお、図示しないが、高電位端子9、低電位端子9aには、電位を一定にする回路としてクランプ回路またはレギュレータがそれぞれ設けられている。
また、発振回路11に供給される電源の電位Vdd2は、電源電圧Vddよりも低電位であり、例えば2.4Vである。図5に表したように、内部レギュレータ14から電位Vdd2の電源が供給される。なお、内部レギュレータ14を介さずに、電源端子8から電圧Vddを供給してもよい。
図6は、図1に表した半導体スイッチ1の電源制御回路6の構成を例示する回路図である。
図6に表したように、電源制御回路6は、接続回路31とパルス発生回路32とを有する。
パルス発生回路32は、電源投入時すなわち電源端子8に電源電圧が供給された後の第1の期間T1はハイレベルのパルスを発生する回路である。電源投入時からの第1の期間T1は、ハイレベルを出力し、第1の期間の経過後は、ローレベルを出力する。
ここで、第1の期間T1とは、第2のトランジスタP1を介して、電源端子8からローパスフィルタ13aの出力側の容量Cpが、電源電圧Vddに充電されるのに要する期間(例えば5μs)である。
パルス発生回路32の出力は、接続回路31に入力される。
接続回路31は、高電位端子9と電源端子8とを接続し、また接続を切り離す回路である。接続回路31は、第1のトランジスタN1、第2のトランジスタP1、第1の抵抗R1を有する。
パルス発生回路32の出力は、第1のトランジスタN1のゲートに入力される。第1のトランジスタN1のソースは接地され、第1のトランジスタN1のドレインは、第1の抵抗R1を介して高電位端子9に接続されている。また、第1のトランジスタN1のドレインは、第2のトランジスタP1のゲートに接続される。第2のトランジスタP1のソースは高電位端子9に接続され、そのドレインは電源端子8に接続されている。
パルス発生回路32から、ハイレベルが出力されている第1の期間T1は、第1のトランジスタN1は、オン状態となる。そのため第2のトランジスタP1がオン状態となり、高電位端子9は、電源端子8に接続される。また、パルス発生回路32の出力がローレベルの場合は、第1のトランジスタN1、第2のトランジスタP1がオフ状態となり、高電位端子9と電源端子8との接続は切り離される。
このように、電源制御回路6は、第1の期間T1は、電圧生成回路7の出力(高電位端子9)を電源端子8に接続し、第1の期間T1の経過後は電圧生成回路7の出力(高電位端子9)を電源端子8から切り離すように制御する回路である。
なお、パルス発生回路に供給される電源の電位Vdd1は、例えば1.8Vであり、図示しないレギュレータにより供給される。また、電位Vdd1は電源電圧Vddと同じでもよい。
また、図6においては、第2のトランジスタP1のドレインは電源端子8に接続されている。しかし、電源端子8に接続され、電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する図5に表した内部レギュレータ14の出力に接続してもよい。
すなわち、電源制御回路6は、第1の期間T1は、電圧生成回路7の出力(高電位端子9)を電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する内部レギュレータ14の出力に接続する。そして、第1の期間T1の経過後は電圧生成回路7の出力(高電位端子9)から内部レギュレータ14の出力を切り離すように制御する構成としてもよい。
図7は、電圧生成回路の出力電位の時間変化を表すグラフ図である。
図7においては、時間t=0で電源を投入してからの、第1及び第2の電位Vp、Vnの時間変化を、無負荷の場合について表している。なお、電源端子8に供給される電源電圧Vdd=2.4Vとしている。また、第1の電位Vpにおいて、電源制御回路6が有る場合とない場合とをそれぞれ実線、破線で表している。
電源が投入された後の第1の期間T1は、電圧生成回路7の出力、すなわち第1の電位Vpは、電源端子8に供給される電源電圧Vddに維持され、その後、第1の電位Vpの所望値V(ここでは3.5V)まで昇圧される。破線に表したように、比較例として電源制御回路6がない場合は、第1の電位Vpは0Vから昇圧が開始されることになる。また、第2の電位Vnは0Vから所望値V(ここでは−1.5V)に漸近する。
CMOSプロセスを用いる利点は、このような制御回路部3を高集積、低消費電力で実現でき、かつ、スイッチ部2と混載できる可能性を有していることである。
しかし、内蔵可能な発振回路およびチャージポンプ回路のレイアウト面積には限りがあるため、チャージポンプ回路の電流供給能力は必ずしも大きくない。
図1に表した半導体スイッチ1においては、チャージポンプ回路12a、12bの負荷は、上記のレベルシフト回路20を有する駆動回路4となる。
このレベルシフト回路20が、チャージポンプ回路12a、12bに負荷として接続された場合、高電位端子9から低電位端子9aに貫通電流が生じることがある。
すなわち、電源投入後の第1の電位Vpおよび第2の電位Vnが、所望の電位V、Vにそれぞれ到達するまでの間に、第2のレベルシフト回路22において高電位端子9から低電位端子9aに貫通電流が生じることがある。チャージポンプ回路12a、12bの電流供給能力がその貫通電流よりも十分大きければ問題ないが、小さいと第1の電位Vpおよび第2の電位Vnが所望の電位に到達できないという誤動作が生じる危険性がある。
本発明の実施形態に係る半導体スイッチ1の構成は、以下に説明するシミュレーション結果により新たに見いだされたレベルシフト回路の貫通電流という現象に基づいて構築されたものである。
図4に表したレベルシフト回路20の動作について、図8〜図15に表したシミュレーション結果を用いて説明する。
図8は、レベルシフト回路のシミュレーションに用いる電圧生成回路の出力電位の時間変化を表すグラフ図である。図9は、貫通電流の時間変化を表すグラフ図である。図10は、第1のレベルシフト回路の出力OUT1A、OUT1Bの時間変化を表すグラフ図である。図11は、第2のレベルシフト回路の出力OUT2A、OUT2Bの時間変化を表すグラフ図である。
レベルシフト回路20の入力端子INAにハイレベル(1.8V)が、入力端子INBにローレベル(0V)が印加されている。図9においては、レベルシフト回路20の高電位端子9に第1の電位Vp、低電位端子9aに第2の電位Vnとして、図8に表された波形で印加された場合の、貫通電流を表している。また、図10、図11においては、各ノードの電位を表しいる。
なお、NMOSの閾値電圧は0.6V、PMOSの閾値電圧は−0.6Vである。
図12〜図15は各FETのゲート・ソース間電圧Vgsとドレイン・ソース間電圧Vdsの波形を示している。
図12は、PMOS P21のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。図13は、PMOS P22のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。図14は、NMOS N23のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。図15は、NMOS N24のゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsの時間変化を表すグラフ図である。
図12と図14に着目する。図12においては、PMOS P21のゲート・ソース間電圧Vgsとドレイン・ソース間電圧Vdsを表している。PMOS P21において、ゲート・ソース間電圧Vgsが−0.6Vに達した後はオン状態を維持する。
一方、図14においては、NMOS N23のゲート・ソース間電圧Vgsとドレイン・ソース間電圧Vdsを表している。
図14に図示される区間Aにおいてはゲート・ソース間電圧Vgsが0.6Vを超えており、NMOS N23はオン状態になる。すなわち、区間AにおいてはPMOS P21とNMOS N23の両方がオン状態となり、図9が示すように、区間Aにおいて、高電位端子9から低電位端子9aに貫通電流が生じることになる。その貫通電流は数百マイクロアンペア程度であり、第1の電位Vp、第2の電位Vnを生成するチャージポンプにそれ以上の電流供給能力がないと、貫通電流によって第1の電位Vp、第2の電位Vnがクランプされてしまうことになる。スイッチICに内蔵可能なチャージポンプの電源供給能力は高々数十マイクロアンペアであり、第1の電位Vp、第2の電位Vnが所望の値V、Vに達しないという起動エラーが生じることになる。
上記のように、貫通電流は、2段構成のレベルシフト回路で生じる可能性がある。
図16は、レベルシフト回路の他の構成を例示する回路図である。
図16に表したように、レベルシフト回路23は、各FETの電極間に印加する電圧を抑制するため、以下に説明するようなカスコード接続を用いた構成になっている。
PMOS P11〜P14及びNMOS N11、N12により初段のレベルシフト回路21aが構成されている。
初段のレベルシフト回路21aの差動入力端子INA、INBの入力レベルは、例えばハイレベルが1.8V、ローレベルが0Vであり、図示されない前段のデコーダ回路から供給される。高電位端子9には第1の電位Vp、例えば3.5Vが供給される。
PMOS P13、P14はカスコード接続段であり、そのゲートにはバイアス電位Vb1が供給される。Vb1を例えば1Vに設定することにより、各FETの端子間に印加される電圧は分圧される。PMOSのゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsは2.8Vを超えず、NMOSのゲート・ソース間電圧Vgs、ドレイン・ソース間電圧Vdsは3.5Vを超えることはない。
第1のレベルシフト回路21aの差動出力はPMOS P11とP13との接続点、およびPMOS P12とP14との接続点であり、それら出力のハイレベルは第1の電位Vpと等しく3.5V、ローレベルは1.2V程度となる。すなわち、第1のレベルシフト回路21aの出力振幅は2.3V程度となる。
また、PMOS P21〜P24及びNMOS N21〜N24により第2のレベルシフト回路22aが構成されている。第2のレベルシフト回路22aは、第1のレベルシフト回路21aの出力信号を入力とする。高電位端子9の第1の電位Vpには、第1のレベルシフト回路21aと同様に、例えば3.5Vが、低電位端子9aの第2の電位Vnには、例えば−1.5Vが供給される。
PMOS P23、P24及びNMOS N21、N22はカスコード接続段であり、それぞれのゲートには前記バイアス電位Vb1及びバイアス電位Vb2が供給される。バイアス電位Vb2を例えば1.8Vに設定することにより、PMOSのゲート・ソース間電圧Vgs及びドレイン・ソース間電圧Vdsは2.8Vを超えず、NMOSのゲート・ソース間電圧Vgs及びドレイン・ソース間電圧Vdsは3.5Vを超えることない。そして、ハイレベルが3.5V、 ローレベルが−1.5Vの出力振幅を生成することが出来る。
すなわち、微細プロセスゆえにNMOSの耐圧が3.5V、PMOSの耐圧が2.8Vと低くても、出力振幅が5Vの制御信号を生成することができる。
なお、NMOS N31、N32、ダイオードD11、D12は出力が立ち下がるとき、第2の電位Vnに放電する前に、まず、接地に放電するための回路である。この回路により、立下り波形を高速にすることが出来る。
図17は、電圧生成回路の出力電位の軌跡を例示する模式図である。
図17においては、図16に表したレベルシフト回路23で生じる貫通電流発生領域(図中実線Xで囲んだ部分)および電源投入時の電圧生成回路の出力電位の軌跡を模式的に表している。すなわち、縦軸に第1の電位Vpを、横軸に第2の電位Vnをとり、電源投入後の点(Vn、Vp)の軌跡を表している。なお、実線Pは電源制御回路6がある場合を、実線Qは電源制御回路6がない場合である。
なお、貫通電流発生領域Xを貫通電流が発生する第1及び第2の電位Vp、Vnの組合せの点(Vn、Vp)として模式的に表している。
電源制御回路6が無い場合、点(Vn、Vp)の軌跡は、電源投入時の点Qから所望の電位の点P(V、V)へ行く途中の点Qにおいて貫通電流発生領域Xに衝突してしまう。従って、チャージポンプ回路12a、12bの電流供給能力が十分ないと貫通電流によって途中の点Qの第1及び第2の電位Vp、Vnにトラップされ、所望の電位V、Vに到達することが出来ない。
一方、電源制御回路6を有する場合は、電源投入時の点P(0、Vdd)から所望の電位の点P(V、V)へ移動する。点(Vn、Vp)の軌跡が貫通電流発生領域Xに衝突することはなく、電源投入時に生じ得る誤動作を回避できる。
なお、図17においては、レベルシフト回路23を用いる場合を例に説明したが、図4に表したレベルシフト回路20を用いた場合についても同様の動作となる。すなわち、電源制御回路6を有する場合は、貫通電流発生領域に衝突することはなく、電源投入時に生じ得る誤動作を回避できる。
このように、半導体スイッチ1によれば、レイアウト面積を増大させずに電圧生成回路の誤動作を回避した半導体スイッチを提供することができる。
なお、本実施例においては、SP8Tのスイッチの構成を例示したが、同様にSPnT、mPnT(m、nは2以上の自然数)などの多ポートのスイッチを構成することができる。
図18は、電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
図18に表したように、電源制御回路6aは、接続回路31とパルス発生回路32aとを有する。すなわち、電源制御回路6aは、図6に表した電源制御回路6のパルス発生回路32を、パルス発生回路32aに置き換えた構成である。
パルス発生回路32aは、RC時定数回路33、インバータ34を有する。
RC時定数回路33は、電源端子8と接地との間に接続された抵抗と容量とからなる。RC時定数回路33の容量の端子電圧は、インバータ34に入力され、インバータ34の出力は、接続回路31に入力される。
電源端子8に電圧Vddの電源が投入されると、RC時定数回路33の容量の端子電圧はある時定数を持って0VからVddに上昇する。この時定数は、RC時定数回路33の容量及び抵抗値により決まる。容量の端子電圧がインバータ34の論理閾値電圧に達する時間は、第1の期間T1となるように設定されている。
なお、上記のとおり第1の期間T1とは、電源端子8に供給される電源により、第2のトランジスタP1を介して、ローパスフィルタ13aの出力側の容量Cpが、電源電圧Vddに充電されるのに要する時間(例えば5μs)である。
電源投入後の第1の期間T1までは、インバータ34の出力はハイレベルである。接続回路31の第1のトランジスタN1はオン状態で、第2のトランジスタP1はオン状態を維持する。従って、電源が投入された後の第1の期間T1は、高電位端子9は、電源端子8に接続され、第1の電位Vpは、電源電圧Vddとなる。
第1の期間T1経過後は、RC時定数回路33の容量の端子電圧は、インバータ34の論理閾値電圧よりも高くなる。インバータ34の出力はローレベルとなり、接続回路31の第1のトランジスタN1はオフ状態、第2のトランジスタP1はオフ状態となる。高電位端子9と電源端子8との接続は解除され、第1の電位Vpは、所望の電位Vに上昇する。
なお、インバータ34に供給される電源の電位Vdd1は、例えば1.8Vである。また、電位Vdd1は、電源電圧Vddと同じでもよい。
また、図18においては、第2のトランジスタP1のドレインは電源端子8に接続されている。しかし、電源端子8に接続され、電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する図5に表した内部レギュレータ14の出力に接続してもよい。
ところで、電源端子8に電圧Vddの電源が投入された後、一旦、電源を遮断した際、しばらくの間は、RC時定数回路33の容量の端子電圧は、インバータ34の論理閾値よりも高い電位を維持している。従って、この期間に電源が再投入されてしまうと、高電位端子9と電源端子8とは接続されないまま、チャージポンプ回路12a、12bが動作を開始してしまい、誤動作の危険性がある。
図19は、電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
図19に表したように、電源制御回路6bは、接続回路31、パルス発生回路32bを有する。すなわち、電源制御回路6bは、図18に表した電源制御回路6aのパルス発生回路32aを、パルス発生回路32bに置き換えた構成である。
パルス発生回路32bは、RC時定数回路33、インバータ34、パワーオンリセット回路35、NMOS N2を有する。すなわち、パルス発生回路32bは、図18に表したパルス発生回路32aに、パワーオンリセット回路35、NMOS N2を追加した構成である。
パワーオンリセット回路35は、電源投入時に一定時間ハイレベルとなるRESET信号を出力してパルス発生回路32bを初期化する回路である。
図20は、図19に表した電源制御回路6bのパワーオンリセット回路35の構成を例示する回路図である。
図20に表したように、パワーオンリセット回路35は、3段構成のインバータ、PMOS P2、RC時定数回路36などを有する。
パワーオンリセット回路35に供給される電源は電位Vdd1で、ここで、RC時定数回路36の時定数は、図19に表したRC時定数回路33より小さく設定されている。RC時定数回路36の容量の端子電圧は、抵抗を介して3段構成のインバータに入力される。インバータの出力が、RESET信号となる。
図21は、図19に表した電源制御回路6bのパワーオンリセット回路35の動作を表す模式図である。
図21(a)は、パワーオンリセット回路35に供給される電源の電位Vdd1を、図21(b)は、パワーオンリセット回路35の出力信号RESETを、それぞれ模式的に表している。
図21(a)に表したように、電源投入時、パワーオンリセット回路35には、時間t=0で、電位Vdd1の電源が供給される。
電源が印加されると、RC時定数回路36の容量の端子電圧は、ある時定数を持って0VからVdd1に上昇する。容量の端子電圧が3段構成のインバータの論理閾値電圧に達するまでは、3段構成のインバータはハイレベルを出力する。
出力信号RESETは、ハイレベルであり、3段構成のインバータの電源の電位Vdd1に追随する。
容量の端子電圧が、論理閾値を越えると、3段構成のインバータは、ローレベルを出力する。従って、出力信号RESETは、ローレベルとなる。
図21(b)に表したように、出力信号RESETは、ハイレベルのパルスを発生する。このパルス幅は、RC時定数回路36の時定数により決まり、第1の期間T1よりも短く設定されている。
なお、PMOS P2は、3段構成のインバータの初段の入出力間に接続され、ノイズなどによる誤動作を防止する。
再度図20に戻ると、パワーオンリセット回路35の出力信号RESETは、NMOS N2のゲートに入力される。
電源投入直後、RC時定数回路33の出力と接地間に設けられたNMOS N2がオン状態となる。従って、電源投入直後は、確実にRC時定数回路33の出力はローレベルとなる。
パワーオンリセット回路35を設けることにより、電源再投入時にもパルス発生回路32bは初期化され確実に高電位端子9は電源端子8と接続される。これにより、電圧生成回路7の誤動作を回避することができる。
なお、図19においては、第2のトランジスタP1のドレインは電源端子8に接続されている。しかし、電源端子8に接続され、電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する図5に表した内部レギュレータ14の出力に接続してもよい。
図22は、電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
図22に表したように、電源制御回路6cは、接続回路31とパルス発生回路32cとを有する。すなわち、電源制御回路6cは、図18に表した電源制御回路6aのパルス発生回路32aを、パルス発生回路32cに置き換えた構成である。
パルス発生回路32cは、インバータ34、チャージポンプ回路12c、クランプ回路37を有する。すなわち、パルス発生回路32cは、図18に表したパルス発生回路32aのRC時定数回路33を、チャージポンプ回路12c、クランプ回路37に置き換えた構成である。
電源投入時、チャージポンプ回路12cの出力は、0Vからクランプ回路37でクランプされる電位まで上昇する。チャージポンプ回路12cの出力の電位がインバータ34の論理閾値に達するまでの時間は、第1の期間T1となるように設定される。
なお、図22においては、第2のトランジスタP1のドレインは電源端子8に接続されている。しかし、電源端子8に接続され、電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する図5に表した内部レギュレータ14の出力に接続してもよい。
ところで、図22に表した電源制御回路6cにおいても、図18に表した電源制御回路6aと同様に、電源再投入時に誤動作の危険性がある。
図23は、電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
図23に表したように、電源制御回路6dは、接続回路31とパルス発生回路32dを有する。すなわち、電源制御回路6dは、図22に表した電源制御回路6cのパルス発生にパワーオンリセット回路35を追加した構成である。
パワーオンリセット回路35を設けることにより、電源再投入時にもパルス発生回路32dを初期化して確実に高電位端子9は電源端子8と接続される。これにより、電圧生成回路7の誤動作を回避することができる。
なお、図23においては、第2のトランジスタP1のドレインは電源端子8に接続されている。しかし、電源端子8に接続され、電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する図5に表した内部レギュレータ14の出力に接続してもよい。
図24は、電源制御回路の他の構成を例示する回路図である。
図24に表したように、電源制御回路6eは、接続回路31、パルス発生回路32eを有する。すなわち、電源制御回路6eは、図6に表した電源制御回路6のパルス発生回路32をパルス発生回路32eに置き換えた構成である。
パルス発生回路32eは、発振回路11の出力である相補クロックCK、CK−を入力して、第1の期間T1だけハイレベルのパルスを出力する回路である。例えば、タイマまたはカウンタにより構成することができる。なお、パルス発生回路32eは、電源投入直後に出力を強制的に0Vにするリセット機能(初期化機能)を有しており、電源制御回路6b、および6dと同様の効果が得られる。
なお、図24においては、第2のトランジスタP1のドレインは電源端子8に接続されている。しかし、電源端子8に接続され、電源電圧Vddよりも低電位Vdd2を生成する図5に表した内部レギュレータ14の出力に接続してもよい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
1 半導体スイッチ
2 スイッチ部
3 制御回路部
4 駆動回路
5、5a デコーダ回路
5b 反転・非反転信号生成回路
6、6a〜6e 電源制御回路
7 電圧生成回路
8 電源端子
9 高電位端子
9a 低電位端子
10a〜10h スイッチ回路
11 発振回路
12a〜12c チャージポンプ回路
13a、13b ローパスフィルタ
14 内部レギュレータ
20、20a〜20h、23 レベルシフト回路
21、21a 第1のレベルシフト回路
22、22a 第2のレベルシフト回路
31 接続回路
32、32a〜32e パルス発生回路
33、36 RC時定数回路
34 インバータ
35 パワーオンリセット回路
37 クランプ回路
ANT アンテナ端子
Cp、Cn 容量
D11、D12 ダイオード
N1 第1のトランジスタ
N2、N11,N12、N21〜N24、N31、N32 Nチャンネル型MOSFET(NMOS)
P1 第2のトランジスタ
P2、P11、P12、P21〜P24 Pチャンネル型MOSFET(PMOS)
R1 第1の抵抗
RS11〜RS1m、RT11〜RT1n 抵抗
RF1〜RF8 高周波端子
S11〜S1m シャントFET
T11〜T1n スルーFET

Claims (5)

  1. 電源入力部に供給される電源電圧から第1の電位と負の第2の電位とを生成する電圧生成回路と、
    前記電圧生成回路の出力に接続され、前記第1の電位が供給される高電位入力部と、前記第2の電位が供給される低電位入力部と、入力信号が入力される信号入力部と、ハイレベルが入力されると前記第1の電位を出力し、ローレベルが入力されるとそのままローレベルとして出力する第1のレベルシフト回路と、前記第1のレベルシフト回路の出力のハイレベルが入力されるとそのままハイレベルとして出力し、前記第1のレベルシフト回路の出力のローレベルが入力されると前記第2の電位を出力する第2のレベルシフト回路と、を有し、前記入力信号のハイレベルを前記第1の電位に変換し、前記入力信号のローレベルを前記第2の電位に変換して出力する駆動回路と、
    前記駆動回路の出力により端子間の接続を切り替えるスイッチ部と、
    前記電源入力部に電源電圧が供給された後の第1の期間は前記高電位入力部を前記電源入力部に接続し、前記第1の期間の経過後は前記高電位入力部を前記電源入力部から切り離すように制御する電源制御回路と、
    を備えたことを特徴とする半導体スイッチ。
  2. 前記電源入力部に接続され、前記電源電圧よりも低電位となる電圧を生成する内部レギュレータをさらに備え、
    前記電源制御回路は、前記第1の期間においては前記高電位入力部を前記内部レギュレータの出力に接続し、前記第1の期間の経過後は前記高電位入力部を前記内部レギュレータの出力から切り離すように制御することを特徴とする請求項1記載の半導体スイッチ。
  3. 前記電源制御回路は、
    ソースが前記高電位入力部に接続され、ドレインが前記電源入力部に接続された第1のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタのゲートと前記高電位入力部との間に接続された第1の抵抗と、
    ドレインが前記第1のトランジスタのゲートに接続され、ソースが接地に接続された第2のトランジスタと、
    前記第2のトランジスタのゲートに接続され、前記第1の期間はハイレベルを出力し、前記第1の期間の経過後はローレベルを出力するパルス発生回路と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体スイッチ。
  4. 前記電圧生成回路の出力の電流供給能力は、前記第1の期間において前記駆動回路を介して前記高電位入力部から前記低電位入力部へ流れる貫通電流よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体スイッチ。
  5. 前記パルス発生回路は、前記電源入力部に電源電圧が供給されたときに、前記パルス発生回路を初期化するパワーオンリセット回路をさらに有することを特徴とする請求項3記載の半導体スイッチ。
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