JP5400502B2 - ビット接続具の接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、インパクトドライバーや電動ドリルドライバー等の電動回転工具に装着されている横断面6角形状のドライバービットの先端部に着脱自在に装着することができるビット接続具であって、その先端部には更にドリルビット等の他の所望のビットを接続することが出来るものに関し、より詳しくは、このビット接続具を上記ドライバービットに接続するための接続構造に関するものである。
本発明に係るビット接続具(ドリル付き)は、既に知られているように、インパクトドライバー等の電動回転工具によるネジの締め付け作業に先立って、予め下穴を開ける際に、電動回転工具に装着されたプラスドライバービットの先端に接続して下穴を開けることができるものである。
これによりプラスドライバービットをドリルビットに交換する手間を要せず、プラスドライバービットを装着したままの状態で下穴開け作業を簡単に行うことができ、下穴開けが終わると、この接続具を外してすぐにネジの締め付け作業を行えるものである。
従来のビット接続具としては、本願出願人が提案した下記特許文献1に記載の「ビット接続具」を挙げることが出来る。
図7は、このビット接続具を電動ドライバーのドライバービットに接続する直前の状態を示す説明図である。
このビット接続具60は、筒状本体部61とその根元部側に外嵌された操作筒体65とからなり、その先端にはドリルビット70が固定されている。
そして、このビット接続具60は、電動ドライバー71の電動回転工具に装着された横断面6角形状のプラスドライバービット50の先端部に着脱自在に取り付け出来るものである。
即ち、その内部には、1又は2以上のストッパー用ボール(鋼球)が配備され、その鋼球の半径方向への移動により、上記ドライバービット50への挿入、固定ができる。つまり、その鋼球が半径方向外側に位置したときに、ドライバービット50へ挿入し又は離脱することができ、そのストッパーボールが半径方向の中心側に位置したときに、ドライバービット50の先端外周面に形成された環状溝53と適合して、ドライバービットからの離脱が阻止され、固定されるのである。
図8乃至図11が上記従来のビット接続具の接続構造を図示している。
図8は、図7で図示したビット接続具の一部断面を示し、その(A)がドライバービットへの挿入前の状態を示す説明図であり、その(B)がドライバービットへの挿入可能状態を示す説明図である。
これらの図から解る通り、ビット接続具60は、筒状本体部61とその根本部側に外嵌された操作筒体65とからなり、その先端部には、ドリルビット70が小ネジ72により固定され、操作筒体65の先端側内部にはコイルスプリング68が配備され、その根元部側内壁面には、環状凹部66が形成され、これに対応して筒状本体部61には半径方向に貫通孔64が設けられ、この貫通孔64内には、図示省略しているが、ストッパー用ボール(鋼球)が配備されている。ストッパーリング69は、筒状本体部61の根元部が操作筒体65の根元部側の外部への飛び出しを防止するためのものである。
この図8(A)に図示した状態において、筒状本体部61の鋼球の貫通孔64の位置と操作筒体65の環状凹部66との位置がずれているために、鋼球は筒状本体部61のビット受容孔内壁面から中心方向に突出することとなるために、ドライバービット50はビット受容孔内には進入することができない。
他方、図8(B)に図示した状態においては、操作筒体65が根元部側方向に移動しているために、操作筒体65の環状凹部66と筒状本体部61の貫通孔64との位置が合致して、その内部の鋼球が環状凹部66内に移行できる状態となり、ドライバービット50は、筒状本体部61のビット受容孔内に進入することができる状態となる。
図9は、横断面6角形状のプラスドライバービット50の先端部がビット接続具60の筒状本体部(下記特許文献では「固定筒体」)61のビット受容孔62内に進入し、その先端部がストッパー用ボール(鋼球)63に衝突してその進入が阻止されている状態を図示する説明図である。
図10は、プラスドライバービット50の先端部が鋼球63に衝突した状態で、ビット接続具60の操作筒体65が根元部側に移動し、操作筒体65の内周面に形成されている環状凹部66内に鋼球63が移動して、鋼球63によるプラスドライバービット50の進入阻止が解除され、ビット50は、更にビット受容孔62内に進入した状態を示す説明図である。
図11は、プラスドライバービット50が更にビット受容孔62内に進入することにより、鋼球63が今度はプラスドライバービット50の外周に設けられている環状溝53に適合することにより、筒状本体部61が元の位置に復帰して(つまり、操作筒体65が相対的に先端側に移行して)、ビット50が鋼球63により固定された状態を示す説明図である。この状態で、プラスドライバービット50にビット接続具60が固定され、装着されるのである。
即ち、上記ビット接続具60においては、プラスドライバービット50の先端部が進入するビット受容孔62内の半径方向に貫通孔64が設けられ、その貫通孔64内にストッパー用ボール(鋼球)63が配備されて、その貫通孔64内で半径方向に移動でき、その貫通孔64から半径方向の外側又は内側に出没できるように構成されているものである。
貫通孔64内から内側方向に鋼球63が突出した状態で、プラスドライバービット50の挿入が阻止され、貫通孔64と環状凹部66の位置が合致すると、鋼球63は貫通孔64から外側に突出してプラスドライバービット50の進入が可能となる。
そしてプラスドライバービット50に設けられた環状溝53と貫通孔64との位置が合致すると、鋼球63は、貫通孔64から内側に突出して筒状本体部61が元の位置に復帰し、ビット接続具60がプラスドライバービット50の先端部に装着されるのである。
筒状本体部61の根元部外周には操作筒体65がその長手方向に往復移動可能に外嵌され、筒状本体部61と操作筒体65との間にはコイルバネ68が配備されているために、筒状本体部61は操作筒体65の根元部側に常に付勢されている。
操作筒体65の根元部側内面適宜位置には環状凹部66が形成されており、操作筒体65を筒状本体部61の根本側に移動させ、操作筒体65の環状凹部66が筒状本体部61の貫通孔64の位置と合致すると、ストッパー用ボール63は、貫通孔64の半径方向外側に移動して、ビット受容孔62内部でプラスドライバービット50の先端部の挿入を可能にするのである。
以上の構成からなる従来のビット接続具におけるドライバービットへの装着動作についてまとめると次のようになる。
まず、電動回転工具に装着されているドライバービットの先端に上記従来のビット接続具を取り付けるときは、操作筒体65を手の指で保持して、ドライバービット50の先端側から根本側に向けて力を付加して、ビット50先端部をビット受容孔62内に挿入し、ビット先端がストッパー用ボール63に当接した状態で、操作筒体65を更にビット根元部側に移行し、操作筒体65内壁面に設けられた環状凹部66にストッパー用ボール63が適合することにより、ビット先端はさらに挿入され、その後ビット先端に形成された環状溝53にストッパー用ボール63が適合することにより、コイルバネ68の付勢力により操作筒体65内で筒状本体部61が根本部側に復帰してビットの接続が完了する。
つまり、このビット接続具は、根元部側方向へのワンストローク動作で、ビット先端部に装着固定される。
他方、上記ビットへの接続状態から、この接続具を離脱させるときは、図11の状態から図10の状態へ、即ち、ストッパー用ボール63が操作筒体65の内壁面にある環状凹部66に適合させるために、一度操作筒体65をビットの根元部側方向に移行させなければならない。そしてストッパー用ボール63が操作筒体65の内壁面に形成された環状凹部66内に適合することにより、ドライバービット50の先端部をビット接続具60のビット受容孔62から抜き出せる状態として、このままの状態でビット接続具60をビット先端方向に移行させて、これを抜き取ることができるのである。
つまり、このビット接続具を、ビットから抜脱するときは、一度根元部側に移行させ、次に先端側に引き抜く動作によって、ビットから抜脱させるのである。即ち根元側方向へのストロークと先端側方向へのストロークの2つの動作、つまりツーストローク動作を要するのである。
特開2003−266324号公報
上記した通り、従来のビット接続具においては、このビット接続具をビット先端から抜脱する際に、2つの動作、即ち操作筒体を一度ビット根元部側方向へ移行を行い、そのままの状態を維持して、次の第2動作としての先端側方向への引き抜き動作を行うというように、正反対方向への2つの動作、つまりツーストロークを要していたのである。
そこで、本発明においては、この抜脱時のツーストロークを、1つの動作で、つまり1方向へのワンストロークで実現させることを第一の課題とする。
そして、その動作も極めて滑らかな動作により、装着する動作においてもまた離脱する動作においても可能にすることが本発明の課題である。
更に、本発明においては、装着動作と抜脱動作のいずれの動作も1ストロークで行えるようにするのであるが、抜脱動作のワンストロークにおいて、その抜脱動作に必要となる力を、装着時よりも大きなものとして、ビット接続具の先端側への少しの力が加わったとしても、誤ってビット接続具が抜け落ちてしまわないようにすることも本発明の課題である。
上記課題を解決するために、本発明は、インパクトドライバーや電動ドリルドライバー等の電動回転工具に装着された横断面6角形状のドライバービットの先端部に着脱自在に取り付けることができるビット接続具であって、このビット接続具は、筒状本体部とその根元部外周に外嵌された操作筒体とからなり、筒状本体部の根元部には前記ドライバービットを挿入できる横断面6角形状のビット受容孔が設けられ、その先端部にはドリルビットやドライバービット等の所望のビットを装着することができ、操作筒体は、前記筒状本体部の根元部外周でその長手方向に往復移動でき、その内周面には環状凹部が形成され、筒状本体部にはその半径方向で上記ビット受容孔に通じる少なくとも1つの貫通孔が形成され、この貫通孔内にはストッパー用ボールが配備され、その半径方向に出没することができ、筒状本体部の根元部のビット受容孔に前記ドライバービットの先端部を挿入させると共に、操作筒体を根元部側に移動させることによって、筒状本体部の貫通孔内に配備された上記ストッパー用ボールが操作筒体内面の環状凹部内に移動することにより、前記ドライバービットの進入阻止が解除されて、当該ビットをビット受容孔内に挿入させることができ、挿入後は操作筒体が相対的に先端部側に移行することによりストッパー用ボールが貫通孔内でビット受容孔中心側に移動してビット受容孔壁面から突出することにより、前記ドライバービットに設けられている環状溝部内に適合して、当該ビットに固定されるビット接続具の接続構造において、操作筒体内周面に2つの環状凹部を形成し、且つ操作筒体内周面と筒状本体部外周面との間で、操作筒体の基端部側と先端部側の両側にコイルスプリング等の弾性部材を介在させ、操作筒体を基端部側に移行させると、操作筒体内周面の先端側の環状凹部と筒状本体部の貫通孔とが合致して、ストッパー用ボールが操作筒体の先端側の環状凹部側に移動して前記ドライバービットが進入でき、このドライバービットの進入後、ドライバービットの環状溝部にストッパー用ボールが移行することにより、操作筒体の先端側の弾性部材の付勢力により操作筒体が前方に移行してドライバービットが固定され、逆に、操作筒体を先端側に移行させると、操作筒体内周面の基端側の環状凹部が筒状本体部の貫通孔と合致して、ストッパー用ボールが操作筒体の基端側の環状凹部側に移動して前記ドライバービットが筒状本体部のビット受容孔から抜脱できることを特徴とするビット接続具の接続構造である。
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、操作筒体内の基端側に位置する弾性部材の付勢力を、操作筒体内の先端側に位置する弾性部材の付勢力よりも大きくしたことを特徴とするビット接続具の接続構造である。
本発明の第1のものにおいては、従来のビット接続具と異なり、コイルバネ等の弾性部材を操作筒体の先端部側と基端部側の両側に設け、また環状凹部もその操作筒体の内周面に2つ形成したことにより、操作筒体を基端部側に移行させると、操作筒体内周面の先端側の環状凹部と筒状本体部の貫通孔とが合致して、ストッパー用ボールが操作筒体の先端側の環状凹部側に移動して前記ドライバービットが進入でき、このドライバービットの進入後、ドライバービットの環状溝にストッパー用ボールが移行することにより、操作筒体の先端側の弾性部材の付勢力により操作筒体が相対的に前方に移行してドライバービットが固定され、逆に、操作筒体を先端側に移行させると、操作筒体内周面の基端側の環状凹部が筒状本体部の貫通孔と合致して、ストッパー用ボールが操作筒体の基端側の環状凹部側に移動して前記ドライバービットが筒状本体部のビット受容孔から抜脱できることとなるのである。
これによって、電動回転工具のドライバービットの先端に装着するときは、操作筒体を手の指で把持し、ビットの根元部側方向に、ビットの先端を筒状本体部のビット受容孔内に挿入させる動作のみで、即ちワンストロークで装着固定することができる。
他方、ドライバービット先端からこの接続具を離脱させるときは、同様に、操作筒体を手の指で把持して、ドライバービット先端部側方向に力を加えて引き抜く動作のみで、つまり先端部側への一方向へのワンストローク動作のみで簡単にビット接続具をドライバービット先端から抜脱することが可能となるのである。
本発明の第2のものにおいては、上記第1の発明と全く同一の機能と作用効果を発揮するものであるが、操作筒体内の基端側に位置する弾性部材の付勢力を、操作筒体内の先端側に位置する弾性部材の付勢力よりも大きくすることにより、本発明に係るビット接続具をドライバービットに装着するときよりも、このドライバービットからビット接続具を抜脱するときの方が大きな力を要することとなる。
即ち、装着するときは小さい力で装着でき、抜脱するときは、装着するときよりもより大きな力を要するように構成した。
このように抜脱時の力を大きくすることにより、誤ってビット接続具が抜脱されないという効果を発揮し、ビット接続具に何らかの離脱方向への衝撃力が加わったとしても安易にビット接続具がドライバービットから離脱又は分離しないという効果を付加することができることとなるのである。
本発明のビット接続具に係る一実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されたドライバービットに装着される初期状態を図示している。 上記実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されたドライバービットの先端がビット接続具のビット受容孔内に図1の状態から更に進入した状態を図示している。 上記実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されたドライバービットにこのビット接続具が装着完了された状態を図示している。 上記実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されたドライバービットからこのビット接続具を抜脱する初期状態を図示している。 上記実施形態の一部中央縦断面説明図であって、ドライバービットからビット接続具が抜脱できる状態を図示している。 本発明のビット接続具に係る他の実施形態の一部中央縦断面説明図であって、基端部側の弾性部材として異なる実施形態を示している。 従来のビット接続具を電動ドライバーのドライバービットに接続する直前の状態を示す説明図である。 従来のビット接続具の断面を示し、その(A)がドライバービットへの装着前の状態を示す説明図、その(B)がドライバービット装着可能状態を示す説明図である。 従来のビット接続具をドライバービットへ装着する初めの状態を図示する断面説明図である。 従来のビット接続具をドライバービットへ装着する中間の状態を図示する断面説明図である。 従来のビット接続具をドライバービットへ装着完了した状態を図示する断面説明図である。
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のビット接続具に係る一実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されているドライバービットに装着される初期状態を図示している。
本発明に係るビット接続具10は、筒状本体部11と、この筒状本体部11の基端部側の外周に外嵌された操作筒体15とから成る。
本発明において、ビット接続具の基端部側というのは、電動回転工具のドライバービットが挿入される側(図中右側)を意味し、その逆の先端部側というのは、このビット接続具にドリルビット等が固定される側(図中左側)を意味する(以下同じである。)。
筒状本体部11の先端部には、図示省略しているが、ドリルビットが小ネジにより固定されている。ドリルビットが固定されると、本発明のビット接続具は、下穴ギリの機能を発揮するものとなる。
操作筒体15の内周面と筒状本体部11の外周面の間で、操作筒体15内の先端部側と基端部側の両側に、コイルスプリング18、19がそれぞれ内設されている。
この実施形態では、先端部側のコイルスプリング18の付勢力よりも、基端部側のコイルスプリング19の付勢力をより大きく設定している。
この実施形態では、同じ素材を採用して、スプリングの線条材の外径の異なるものを使用した。即ち、先端部側のコイルスプリング18の外径を約0.6mm、基端部側のコイルスプリング19の外径を1.0mm〜1.2mm程度とした。
これにより操作筒体15を筒状本体部11に対して相対的に先端側に移行する際の力の方が、基端側に移行する際の力よりも大きくした。これについては後に更に詳説するが、この接続ドリル10をドライバービットから抜脱する際の力を装着する際の力よりもより大きく設定しているのである。
更に、操作筒体15の内周面には、相互に所定の間隔を設けて、2つの環状凹部16、17を形成している。
他方、筒状本体部11の壁面には、鋼球から成るストッパー用ボール13が配備される貫通孔14が設けられている。
この貫通孔14内で上記ストッパー用ボール13が半径方向の外側又は内側に出没できるように構成している。
更に、この貫通孔14は、接続ドリル10の不使用時又はドライバービットへの装着時において、操作筒体15の2つの環状凹部16、17の間に位置するように設定している。
操作筒体15の内周面で、その基端部側のコイルスプリング19の基端側には、Cリングから成るストッパーリング20を内設して、前記コイルスプリング19が外部に飛び出さないように構成している。
以下、図1乃至図3を利用して、本発明に係るビット接続具10が電動回転工具のドライバービットに装着、固定される手順について説明する。
図1において、操作筒体15を指で把持して、ビット接続具10のビット受容孔12にドライバービット50の先端部を挿入させる。
ドライバービット50の先端部が、筒状本体部11の貫通孔14内に配備されているストッパー用ボール13に突き当たり、衝突する。
更に操作筒体15を基端側に向けて力を加えると、先端側に位置するコイルスプリング18の付勢力を受けるが、この付勢力に対抗して力を更に加えることにより、操作筒体15は筒状本体部11に対して相対的に基端側に移行する。
これにより、操作筒体15の内周面に設けられた先端側の環状凹部16が筒状本体部11の貫通孔14とその位置が合致する。この状態が図2である。
図2は、本発明のビット接続具に係る一実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されているドライバービットの先端がビット接続具のビット受容孔内に更に進入した状態を図示している。
この図の状態において、ドライバービット50の先端側の最大外径の部分がストッパー用ボール13を外側に押し上げ、貫通孔14内で半径方向外側に突出した状態となっており、即ち、このストッパー用ボール13が操作筒体15の環状凹部16と適合している状態である。
この状態において、ドライバービット50は、筒状本体部11のビット受容孔12内に自由に進入できる状態となるのである。
この際、操作筒体15の先端部側のコイルスプリング18は、収縮した状態となっている。
更に、ドライバービット50を本発明に係るビット接続具10のビット受容孔12内に進入させると図3の状態となる。
図3は、本発明のビット接続具に係る一実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されているドライバービットにこのビット接続具が装着完了された状態を図示している。
ドライバービット50が図2の状態から更に筒状本体部11のビット受容孔12内に挿入されると、ドライバービット50の環状溝部53の位置が筒状本体部11の貫通孔14の位置に合致する。
この合致した位置で、ストッパー用ボール13は、貫通孔14内で半径方向内側に移行して、ドライバービット50の環状溝部53と適合するのである。
ストッパー用ボール13が環状溝部53と適合すると、ストッパー用ボール13は貫通孔14内で内側に突出して、外側には突出しないために、操作筒体15は、その先端側のコイルスプリング16の付勢力の作用により、筒状本体部11に対して前方に移行して、ストッパー用ボール13の内側方向への突出が固定される。
これにより、ビット接続具10は、ドライバービット50への装着、固定が完了する。この状態で、ビット接続具10は、ドライバービット50から抜け落ちることがないのである。
以上で本発明に係るビット接続具10のドライバービット50への装着過程の説明が完了する。
次に、ビット接続具10をドライバービット50から抜脱する過程について、図3乃至図5を利用して説明する
図3の状態は、ビット接続具10がドライバービット50に装着完了している状態である。
この状態からビット接続具10をドライバービット50から抜脱するのであるが、操作筒体15を手の指で把持して、この操作筒体15に先端側方向への力を加えるのである。
すると、ストッパー用ボール13がドライバービット50の環状溝部53の前方部位に当接し、引っ掛かった状態となる。
この状態で、弾性部材としての基端側のコイルスプリング17の付勢力が作用し、操作筒体15への先端側方向への負荷に抵抗している状態となっているのである。
この状態を図4が図示している。
即ち、図4は、本発明のビット接続具に係る一実施形態の一部中央縦断面説明図であって、電動回転工具に装着されているドライバービットからこのビット接続具を抜脱する初期状態を図示したものである。
この図4の状態から、更に操作筒体15に先端側方向への力を加えて行くと図5の状態となる。
図5は、本発明のビット接続具に係る一実施形態の一部中央縦断面説明図であって、ドライバービットからビット接続具が抜脱できる状態を図示している。
即ち、この図5においては、操作筒体15への先端側への負荷を加えて、つまり基端部側のコイルスプリング17の付勢力に対抗して力を加えることにより、このコイルスプリング19が収縮して、基端側の環状凹部17が筒状本体部11の貫通孔14の位置と合致した状態となるのである。
環状凹部17と貫通孔14の位置が合致すると、貫通孔14内のストッパー用ボール13が半径方向外側に移行して、環状凹部17内に進入し、ストッパー用ボール13が筒状本体部11のビット受容孔12の内壁面から引っ込んで、ドライバービット50の環状溝部53へのロックが解除された状態となり、ドライバービット50から本発明に係るビット接続具10が抜脱できる状態となるのである。
この際に、前記した通り、コイルスプリング19の付勢力を先端部側のコイルスプリング18の付勢力よりも相当に大きく設定しているために、その抜脱する際の力は、前記装着する際の力よりも感覚的に倍の力を要するように設定している。
このように、基端部側のコイルスプリング19の付勢力を大きく設定したことにより、誤ってビット接続具がドライバービットから分離或いは離脱しないような工夫をしている。
特に、回転使用中にビット接続具が離脱するような事態が発生すると大変に危険なこととなるため、或いは、高所での作業中にこのビット接続具が離脱して、落下すると大変に危険となるために、このような危険性を本発明においては、そのコイルスプリング19の付勢力の強化により解決を図ったものである。
図6は、本発明のビット接続具に係る他の実施形態の一部中央縦断面説明図であって、基端部側の弾性部材としてその異なる実施形態を示している。
この図に示した基端部側に位置する弾性部材としてのコイルスプリング19cは、ラッパ形状を有しているものである。
即ち、コイルスプリング19cは、その外径が先端側よりも基端側を大きくして、その全体形状がラッパ形状のものを使用している。
この形態のコイルスプリング19cを使用することにより、先の第1実施形態で使用したCリングから成るストッパー部材を使用する必要がなくなる。
また、この実施形態から解る通り、基端側の環状凹部17は、図中右側の壁面がないものであってもよい。
即ち、環状凹部17の横断面形状は、下方開口のコ字形状でなくてもよいのである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り設計変更が可能である。
本発明に係るビット接続具は、上記実施形態では電動回転工具に装着されたドライバービットに装着できるものとして説明したが、そのビットの横断面が6角形形状のものでその先端部に環状溝があれば、どのような形態のビットにも接続固定することができる。
また、本発明に係るビット接続具の先端側には、上記実施形態においてはドリルビットを小ネジで固定したものを例示したが、この先端側には、マイナスドライバービットを装着固定することも自由である。その装着固定方法も小ネジによるばかりでなく、従来のワンタッチ固定式の構造をも採用することができる。
つまり、本発明に係るビット接続具の先端側に固定するビットは、どのようなものでもよく、またその固定方法も自由である。
本発明に係るビット接続具の外形形状及びサイズ等は、適宜必要に応じて設計することができる。
電動回転工具に装着されたドライバービットが進入するビット受容孔に形成された貫通孔は、少なくとも1個形成されていればよいが、その周方向に2個以上形成しても良い。
操作筒体の内周面に形成した環状凹部の長手方向の幅や、2つの環状凹部の間隔等も適宜設定することができる。
またその断面形状も種々設計変更可能である。即ち、ストッパー用ボールが適合し得る窪みであれば、その断面形状は自由である。
先端部側及び基端部側に設けたコイルスプリングの強度も、勿論、同一のものとして実施することもできるが、基端部側の付勢力を大きくした方が、不用意な抜脱を防止するために、望ましいものとなる。
基端部側に内設したコイルスプリングは、図6において説明した通り、そのコイル外径を先端側よりも基端側を大きくして、ラッパ形状のものを使用することも自由である。
このラッパ形状のコイルスプリングを使用することにより、ストッパー部材としてのCリングを使用せずに実施することもできる。
以上、本発明においては、操作筒体内に2つの弾性部材を設備し且つ2つの環状凹部を設けることにより、その装着時及び抜脱時の何れのときも、それぞれワンストロークで装着及び抜脱が可能となる、極めて画期的なビット接続具を提供することができたものである。
10 ビット接続具
11 筒状本体部
12 ビット受容孔
13 ストッパー用ボール
14 貫通孔
15 操作筒体
16、17 環状凹部
18、19、19c コイルスプリング
50 ドライバービット
53 環状溝部

Claims (2)

  1. インパクトドライバーや電動ドリルドライバー等の電動回転工具に装着された横断面6角形状のドライバービットの先端部に着脱自在に取り付けることができるビット接続具であって、
    このビット接続具は、筒状本体部(11)とその根元部外周に外嵌された操作筒体(15)とからなり、
    筒状本体部(11)の根元部には前記ドライバービットを挿入できる横断面6角形状のビット受容孔(12)が設けられ、その先端部にはドリルビットやドライバービット等の所望のビットを装着することができ、
    操作筒体(15)は、前記筒状本体部(11)の根元部外周でその長手方向に往復移動でき、その内周面には環状凹部が形成され、
    筒状本体部(11)にはその半径方向で上記ビット受容孔(12)に通じる少なくとも1つの貫通孔(14)が形成され、
    この貫通孔(14)内にはストッパー用ボール(13)が配備され、その半径方向に出没することができ、
    筒状本体部(11)の根元部のビット受容孔(12)に前記ドライバービットの先端部を挿入させると共に、操作筒体(15)を根元部側に移動させることによって、筒状本体部(11)の貫通孔(14)内に配備された上記ストッパー用ボール(13)が操作筒体(15)内面の環状凹部内に移動することにより、前記ドライバービットの進入阻止が解除されて、当該ビットをビット受容孔(12)内に挿入させることができ、
    挿入後は操作筒体(15)が相対的に先端部側に移行することによりストッパー用ボール(13)が貫通孔(14)内でビット受容孔(12)中心側に移動してビット受容孔(12)壁面から突出することにより、前記ドライバービットに設けられている環状溝部(53)内に適合して、当該ビットに固定されるビット接続具の接続構造において、
    操作筒体(15)内周面に2つの環状凹部(16, 17)を形成し、且つ操作筒体(15)内周面と筒状本体部(11)外周面との間で、操作筒体(15)の基端部側と先端部側の両側にコイルスプリングの弾性部材(18, 19)を介在させ、
    操作筒体(15)の先端部側の弾性部材(18)の付勢力に抗して操作筒体(15)を基端部側に移行させると、操作筒体(15)内周面の先端側の環状凹部(16)と筒状本体部(11)の貫通孔(14)とが合致して、ストッパー用ボール(13)が操作筒体(15)の先端側の環状凹部(16)側に移動して前記ドライバービットが進入でき、このドライバービットの進入後、ドライバービットの環状溝部(53)にストッパー用ボール(13)が移行することにより、操作筒体(15)の先端側の弾性部材(18)の付勢力により操作筒体(15)が相対的に前方に移行してドライバービットが固定され、
    逆に、操作筒体(15)の基端部側の弾性部材(19)の付勢力に抗して操作筒体(15)を先端部側に移行させると、操作筒体(15)内周面の基端側の環状凹部(17)が筒状本体部(11)の貫通孔(14)と合致して、ストッパー用ボール(13)が操作筒体(15)の基端側の環状凹部側(17)に移動して前記ドライバービットが筒状本体部(11)のビット受容孔(12)から抜脱できることを特徴とするビット接続具の接続構造。
  2. 操作筒体(15)内の基端部側に位置する弾性部材(19)の付勢力を、操作筒体(15)内の先端部側に位置する弾性部材(18)の付勢力よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のビット接続具の接続構造。
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