JP5399697B2 - 無機含有有機膜の製造方法及び無機含有有機膜 - Google Patents
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Description
Mr=(Mg/Ms)×100
(判定法)
アースした金属板に対し、水平方向に配置した金属ノズル(内径:0.4mm)から曳糸性を判断するゾル溶液(固形分濃度:20〜50wt%)を吐出する(吐出畳:0.5〜1.0g/hr)と共に、ノズルに電圧を印加(電界強度:1〜3kV/cm、極性:プラス印加又はマイナス印加)し、ノズルの先端にゾル溶液の固化を生じさせることなく、1分間以上、連続して紡糸し、金属坂上にゲル繊維を集積させる。
この集積したゲル繊維の走査電子顕微鏡写真を撮り、観察し、液滴がなく、ゲル繊維の平均繊維径(50点の算術平均値)が5μm以下、アスペクト比が100以上のゲル繊維を製造できる条件が存在する場合、そのゾル溶液は「曳糸性あり」と判断する。これに対して、前記条件(すなわち、濃度、押出量、電界強度、及び/又は極性)を変え、いかに組み合わせても、液滴がある場合、オイル状で一定した繊維形態でない場合、平均繊維径が5μmを超える場合、あるいは、アスペクト比が100未満の場合(例えば、粒子状)で、前記ゲル繊維を製造できる条件が存在しない場合、その溶液は「曳糸性なし」と判断する。
Wr=(Ws/Wp)×100
(1)無機系曳糸性ゾル溶液の調製;
テトラエトキシシラン(TEOS)、エタノール、水及び塩酸を、1:5:2:0.0025のモル比で混合して、曳糸性シリカゾル溶液を調製した。より具体的には、テトラエトキシシラン1モルに対して、2.5モル量のエタノールを混合し、攪拌させながら、その中に、水2モル量、塩酸0.0025モル量及び2.5モル量のエタノールからなる混合液をゆっくりと滴下し、出発原料とした。この出発原料は冷却水を循環させながら、設定温度100℃、攪拌条件300rpmで15時間反応させた後、酸化ケイ素の固形分濃度が44wt%となるまで濃縮し、ゾル溶液とした。そして、濃縮後のゾル溶液を温度60℃で数時間保持し、増粘させ、曳糸性シリカゾル溶液(重量平均分子量:12000)を得た。この曳糸性シリカゾル溶液の粘度は0.32Pa・sであった。
ポリアクリロニトリル(Mn=24万、Mw=48万)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、10wt%濃度の溶解液とした後、ポリアクリロニトリル質量に対する酸化ケイ素の固形分量が1wt%となるように、前記(1)で調製した曳糸性シリカゾル溶液を添加し、塗工液とした。この塗工液の粘度は0.9Pa・sであった。
基材としてガラス板を用意した。
シリカ原料として、テトラエトキシシラン(TEOS):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)を9:1のモル比で混合したものを使用し、前記シリカ原料、エタノール、水及び塩酸を、1:5:2:0.0025のモル比で混合して、曳糸性シリカゾル溶液(重量平均分子量:15000、粘度:1.6Pa・s)を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の無機含有有機膜(厚さ:27μm)を得た。なお、塗工液の粘度は0.9Pa・sであった。
(1)無機系曳糸性ゾル溶液の調製;
テトラエトキシシラン(TEOS)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ブタノール、水及び塩酸を、0.5:0.5:10:2:0.0025のモル比で混合して、曳糸性シリカ・ジルコニウム混合ゾル溶液を調製した。より具体的には、テトラエトキシシラン0.5モルとジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)0.5モルの混合溶液に対して、5モル量のブタノールを混合し、攪拌させながら、その中に、水2モル量、塩酸0.0025モル量及び5モル量のブタノールからなる混合液をゆっくりと滴下し、出発原料とした。この出発原料は冷却水を循環させながら、設定温度100℃、攪拌条件300rpmで15時間反応させた後、酸化ケイ素と酸化ジルコニウムの固形分濃度の合計が50wt%となるまで濃縮し、ゾル溶液とした。そして、濃縮後のゾル溶液を温度60℃で数時間保持し、増粘させ、曳糸性シリカ・ジルコニウムゾル溶液(粘度:2.5Pa・s)を得た。
ポリアクリロニトリル(Mn=24万、Mw=48万)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、10wt%濃度の溶解液とした後、ポリアクリロニトリル質量に対する酸化ケイ素と酸化ジルコニウムの固形分濃度の合計が1mass%となるように、前記(1)で調製した曳糸性シリカ・ジルコニウムゾル溶液を添加し、塗工液とした。この塗工液の粘度は0.9Pa・sであった。
実施例1と同様の手順により、本発明の無機含有有機膜(厚さ:23μm)を得た。
ポリアクリロニトリル(Mn=24万、Mw=48万)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、10wt%濃度の塗工液(粘度:0.9Pa・s)を調製した。
テトラエトキシシラン(TEOS)、エタノール、水及びアンモニアを、1:5:2:0.0025のモル比で混合して、非曳糸性シリカゾル溶液を調製した。より具体的には、テトラエトキシシラン1モルに対して、2.5モル量のエタノールを混合し、攪拌させながら、その中に、水2モル量、アンモニア0.0025モル量及び2.5モル量のエタノールからなる混合液をゆっくりと滴下し、出発原料とした。この出発原料は冷却水を循環させながら、設定温度100℃、攪拌条件300rpmで15時間反応させた後、酸化ケイ素の固形分濃度が44%となるまで濃縮し、非曳糸性シリカゾル溶液(重量平均分子量:3800)を得た。この非曳糸性シリカゾル溶液の粘度は0.013Pa・sであった。
実施例1〜3及び比較例1〜2の膜の引張り強さを、インストロン型引張試験機(テンシロン、TM−111−100、オリエンテック社製)を用いてそれぞれ測定した。つまり、各膜から、たて40mm、よこ10mmに切断した長方形状試料を採取し、この試料を前記引張試験機の20mm離れて位置するチャック間に固定し、50mm/分の定速で引張り、試料が破断に至るまでの最大張力(引張強さ)を測定した。その後、この引張強さを各膜の厚さで割り、単位厚さあたりの引張り強さを算出した。
S={(Lb−L0)/L0}×100={(Lb−20)/20}×100
ここで、Lbは破断時の試料の長さ(単位:mm)、L0は測定前の試料の長さ、つまりチャック間距離(単位:mm)をそれぞれ意味する。
Claims (5)
- (1)無機系曳糸性ゾル溶液を調製する工程、
(2)前記無機系曳糸性ゾル溶液と、前記無機系曳糸性ゾル溶液を溶解可能な溶媒と、前記溶媒に溶解可能な有機ポリマーとを混合して、塗工液を調製する工程、
(3)前記塗工液を基材に塗布し、形態を固定した後に基材をとり除いて、無機系ゲルと有機ポリマーとからなる無機含有有機膜を形成する工程、
を含む無機含有有機膜の製造方法。 - 無機系曳糸性ゾル溶液の重量平均分子量が10000以上であることを特徴とする、請求項1記載の無機含有有機膜の製造方法。
- 無機系曳糸性ゾル溶液が、有機置換基を有する金属アルコキシドを含む原料から調製されたものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の無機含有有機膜の製造方法。
- 無機系曳糸性ゾル溶液の固形分量が有機ポリマー重量に対して10wt%以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無機含有有機膜の製造方法。
- 請求項1〜請求項4に記載の製造方法により製造された無機含有有機膜。
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