次に、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
図1は、この発明の一実施の形態による保護装置用支援システムの構成を説明するための説明図、図2は、同保護装置用支援システムの支援装置の構成を示すブロック図、図3は、同保護装置用支援システムの携帯端末の構成を示すブロック図、図4は、同保護装置用支援システムの記憶装置の電力系統情報データベースの記憶内容の例を示す図、図5は、同記憶装置の保護装置情報データベースの記憶内容の例を示す図、図6は、同記憶装置の図面情報データベースの記憶内容の例を示す図、図7は、同記憶装置の不良部位情報データベースの記憶内容の例を示す図、図8は、同記憶装置のメーカ情報データベースの記憶内容の例を示す図、図9は、同記憶装置の試験マニュアル情報データベースの記憶内容の例を示す図、図10は、同記憶装置の維持要則類情報データベースの記憶内容の例を示す図、図11は、同記憶装置の作業手続き情報データベースの記憶内容の例を示す図、図12は、同記憶装置の故障対応結果情報データベースの記憶内容の例を示す図である。
図1に示すように、保護継電装置用支援システム(以下、保護装置用支援システムという。)1は、制御所2に設けられた通信制御装置3、指令装置4、支援装置5、及び記憶装置6と、電気所としての変電所7に配置された遠隔監視制御装置8と、電力会社の管理部署13に配置された管理部署端末14と、携帯端末15とが、通信ネットワーク16を介して接続可能とされ、さらに、変電所7において、遠隔監視制御装置8に、機器9a,9b,…と、計測器11a,11b,…と、保護継電装置(以下、保護装置という。)12a,12b,…とが接続されて概略構成されている。なお、図1においては、所定の変電所7の遠隔監視制御装置8が、通信ネットワーク16に接続される場合について、図示しているが、実際は多数の電気所の遠隔監視制御装置8が、通信ネットワーク16に接続される。また、機器9a,9b,…は、遮断器、断路器、接地開閉器等を含んでいる。
通信制御装置3は、通信ネットワーク16を介して、指令装置4及び支援装置5と、遠隔監視制御装置8との間で情報の送受信を可能とするために用いられる。
指令装置4は、制御所2の運転員によって操作され、変電所7を含む電気所に配置された遠隔監視制御装置8を制御する。指令装置4は、所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する制御部と、各種制御プログラムやデータが記憶される記憶部と、通信部と、遠隔監視制御装置8に対する制御指令が入力される入力部と、制御結果を表示する表示部とを有している。
支援装置5は、図2に示すように、所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する制御部18と、各種制御プログラムやデータが記憶される記憶部19と、所定のプロトコルに従ってデータ通信を行うための通信部21と、入力部22と、表示部23と、印刷部24と、案内情報等を音声出力する音声出力部(不図示)とを有している。
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、記憶部19に記憶された所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する。制御部18は、記憶部19に記憶された支援処理プログラムを含む制御プログラムに従って、例えば、支援処理等を実行する。支援処理は、後に詳述する状況把握処理、不良部位特定処理、第1の修理物品手配処理、第2の修理物品手配処理、復旧対応処理、復旧作業手続き処理、及び故障対応結果報告処理を含んでいる。
記憶部19は、ROM、RAMや、FD(フレキシブル・ディスク)、HD(ハード・ディスク)、CD−ROMが装着されるFDD、HDD、CD−ROMドライバ等からなっている。記憶部19は、支援処理プログラムを含む各種プログラムを記憶するプログラム記憶部と、各種情報を記憶する情報記憶部とを有している。
記憶装置6は、保護装置の故障修理のために必要な業務内容をデータベース化して記憶し、図1に示すように、電力系統情報データベース34と、保護装置情報データベース35と、図面情報データベース36と、不良部位情報データベース37と、メーカ情報データベース38と、試験マニュアル情報データベース39と、維持要則類情報データベース41と、作業手続き情報データベース42と、故障対応結果情報データベース43とを有している。
電力系統情報データベース34には、図4に示すように、保護装置名と、設置場所と、系統電圧階級と、所管系統と、系統変更制約等とが記憶されている。保護装置情報データベース35には、図5に示すように、保護装置名、設置場所、製造年月日、製造者、保護方式、装置型式、故障表示タイプ等とが記憶されている。ここで、装置型式は、ディジタル形、静止形、電磁形を含んでいる。また、保護方式は、DZ/DG、SS/SG、DCr、φCr、PCM、BP、BGF、UFを含んでいる。また、故障表示タイプは、LEDタイプ、HIUタイプ、画面レスタイプを含んでいる。
図面情報データベース36には、図6に示すように、電力系統図、単線結線図、三線結線図、展開接続図、ケーブル接続図、通信回線構成図、裏面結線図等が記憶されている。不良部位情報データベース37には、図7に示すように、メーカ名と、型式と、取扱説明書と、修理データ履歴等とが記憶されている。メーカ情報データベース38には、図8に示すように、メーカ名と、担当者と、連絡先と、事故復旧品リスト等とが記憶されている。
試験マニュアル情報データベース39には、図9に示すように、メーカ名と、型式と、試験回路と、試験手順と、試験方法等とが記憶されている。維持要則類情報データベース41には、図10に示すように、メーカ名と、型式と、点検指針と、判定基準等とが記憶されている。作業手続き情報データベース42には、図11に示すように、復旧作業に必要なリレーロック、停電要求事項等が記憶されている。故障対応結果情報データベース43には、図12に示すように、設備名、故障発生年月日、故障データ等が記憶されている。
遠隔監視制御装置8は、指令装置4からの制御指令により、機器9a,9b,…等を制御し、制御結果や計測結果等を指令装置4へ送信する。遠隔監視制御装置8は、HDLC(High Level Data Link Control Procedure)や、サイクリックによる通信方式を用いている。
管理部署端末14は、例えば、パーソナルコンピュータ等からなり、所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する制御部と、各種制御プログラムやデータが記憶される記憶部と、所定のプロトコルに従ってデータ通信を行うための通信部と、入力部と、表示部とを有している。
携帯端末15は、図3に示すように、所定の制御プログラムに従って構成各部を制御する制御部26と、各種制御プログラムやデータが記憶される記憶部27と、アンテナ28と、所定のプロトコルに従ってデータ通信を行うための無線通信部29と、各種操作キーのほかタッチパネルやライトペン等を含む入力部31と、表示部32と、案内情報等を音声出力する音声出力部(不図示)とを有している。携帯端末15は、無線通信機能を有する移動可能なパーソナルコンピュータを用いても良いし、携帯電話機等を用いても良い。また、アクセスポイント中継器が配置された変電所構内等で用いる場合、ブルートゥース等を利用した近距離無線通信によって、アクセスポイント中継器との間で、無線通信するようにしても良い。
また、通信ネットワーク16は、少なくとも制御所2と変電所7とを接続する電力会社に専用の通信網を含んでいる。通信ネットワーク16は、FTTH(Fiber To The Home)回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等を用いたネットワークを含んでも良い。また、通信ネットワーク16は、携帯端末15が無線接続するための、例えば、変電所7構内に配置されたアクセスポイント中継器を含んでいても良いし、移動通信網を含んでも良い。
次に、図13乃至図23を参照して、保護装置用支援方法について説明する。図13は、同支援装置の動作を説明するための処理手順図、図14は、同支援装置の動作を説明するための処理手順図、図15は、同支援装置の状況把握処理を説明するための処理手順図、図16は、同支援装置の動作を説明するための説明図であって、同図(a)は、臨時整定変更前の状態を示す図、同図(b)は、臨時整定変更後の状態を示す図、図17は、同支援装置の動作を説明するための説明図であって、同図(a)は、系統変更前の状態を示す図、同図(b)は、系統変更後の状態を示す図、図18は、同支援装置の不良部位特定処理を説明するための処理手順図、図19は、同支援装置の第1の修理物品手配処理を説明するための処理手順図、図20は、同支援装置の第2の修理物品手配処理を説明するための処理手順図、図21は、同支援装置の復旧対応処理を説明するための処理手順図、図22は、同支援装置の復旧作業手続き処理を説明するための処理手順図、図23は、同支援装置の故障対応結果報告処理を説明するための処理手順図である。
制御所2において、指令装置4は、例えば、変電所7の保護装置12a,12b,…等の監視情報を、遠隔監視制御装置8から定期的に受信して、表示部にそれらの状態を表示する。例えば、指令装置4がその表示部に、「○○(変)○○kV○○線リレー不良」と警報・表示すると、運転員(例えば、当直員)は、変電所7の保護装置12a(12b,12c,…)の異常を確認し、保護装置が、自動で、「使用」から「不使用」となったことを認識する。この後、運転員は、管理部署(設備主管部署)13へ、故障(トラブル)発生状況を電話連絡し、かつ、支援装置5を操作して、支援処理を開始させる。支援装置5は、所定の入力操作を受けると、保護装置12a(12b,12c,…)が「不使用」になった(上記監視情報に異常がある)と判断し、支援処理を開始する。
支援装置5の制御部18は、故障状況入力画面情報を生成し、表示部23に表示させる(ステップSA11(図13))。故障状況入力画面情報は、発生年月日、電気所名、系統電圧階級、不良保護装置名(送電線名、母線名)等を含んでいる。運転員は、入力部22から、例えば、○○年○○月○○日、○○変電所、○○kV、○○線リレー不良等と入力する。
次に、ステップSA12で、制御部18は、故障状況情報を取得し、表示部23に表示させる。さらに、制御部18は、故障状況情報を管理部署13の管理部署端末14へ通知する。管理部署端末14の制御部は、故障状況情報を表示部に表示させ、担当者による故障状況確認が可能なようにする。
次に、ステップSA13で、制御部18は、状況把握処理を実行する。次に、ステップSA14で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSA15へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSA11へ戻る。ステップSA15で、制御部18は、不良部位特定処理を実行する。
次に、ステップSA16で、制御部18は、作業結果入力画面情報を生成し、表示部23に表示させる。さらに、制御部18は、作業結果入力画面情報を、携帯端末15へ送信する。携帯端末15においては、制御部26が表示部32に作業結果入力画面情報を表示させる。作業員が、現地における不良部位特定作業の結果を、入力部31から入力すると、制御部26は、作業結果情報を、支援装置5へ送信する。例えば、不良部位が保護装置の○○送電線リレー用のA/D変換器不良であることが判明した場合には、「○○送電線リレー用のA/D変換器不良」と入力する。なお、不良部位情報を、制御所2の運転員が、現場の作業員から連絡を受けて、入力部22から入力するようしても良い。
次に、ステップSA17で、制御部18は、作業結果情報を取得する。次に、ステップSA18で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSA19へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSA16へ戻る。ステップSA19で、制御部18は、第1の修理物品手配処理を実行する。次に、ステップSA20で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSA21(図14)へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSA19へ戻る。ステップSA21で、制御部18は、第2の修理物品手配処理を実行する。
次に、ステップSA22で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSA23へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSA21へ戻る。ステップSA23で、制御部18は、復旧対応処理を実行する。次に、ステップSA24で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSA25へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSA23へ戻る。ステップSA25で、制御部18は、復旧作業手続き処理を実行する。復旧作業手続き処理の表示結果に基づいて、現地で、不良部品(例えば、A/D変換器)の交換、確認試験等の復旧作業を実施する。次に、ステップSA26で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSA27へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSA25へ戻る。ステップSA27で、制御部18は、故障対応結果報告処理を実行する。この後、処理完了釦が押下されると、支援処理を終了する。
次に、状況把握処理について述べる。支援装置5の制御部18は、ステップSB11(図15)で、系統把握処理を実行する。制御部18は、電力系統情報データベース34にアクセスして、電力系統情報を参照し、さらに、入力された故障状況情報から、バックアップリレーによる臨時整定変更や、電力系統変更の可否、緊急度(系統変更や、遠端後備保護のための臨時整定変更の緊急な必要性)等を表示部23に表示させる。表示部23には、例えば、「系統電圧階級:66kV、所管系統:○○制御所、臨時整定変更の必要性:あり、電力系統変更の必要性:○○系統から○○系統へ系統変更が必要、緊急度:すぐに、系統変更が必要、停電制約事項等:系統変更の時間帯制約あり(○○時〜○○時の時間帯は、ループアングルが15°以上となり、系統変更不可)」等と表示される。なお、音声出力部から、案内情報を音声出力するようにしても良い。
例えば、図16(a)に示すように、A変電所において、a線保護装置49が故障した場合に、図16(b)に示すように、a線保護装置49をリレーロックし、母線連絡保護装置48を臨時整定変更して、バックアップ保護とし、代替保護として使用することが可能である。これによって、無保護区間を解消しつつ、故障したa線保護装置49の修理が可能となる。こうした、故障発生した保護装置のバックアップ保護として、母線連絡保護装置を活用する場合の臨時整定変更の可否が、表示部23に表示される。なお、図16において、符号45、46は、断路器、符号47、48は、遮断器を示す。また、「×」印が付された保護装置は、故障した保護装置であることを示す。
また、図17(a)に示すように、B変電所において、保護装置62が故障した場合に、図17(b)に示すように、B変電所のb線用遮断器55を、「入」から「切」とし、C変電所のb線用遮断器56を、「切」から「入」とする。これによって、無保護区間を解消しつつ、故障した保護装置の修理が可能となる。こうした、故障発生した保護装置の設置系統状態からの系統変更の可否が、表示部23に表示される。なお、図17において、符号53〜58は、遮断器、符号59〜65は、保護装置を示す。また、「×」印が付された保護装置は、故障した保護装置であることを示す。
次に、ステップSB12で、制御部18は、保護装置情報把握処理を実行する。制御部18は、保護装置情報データベース35にアクセスし、保護装置情報を参照して、保護装置名に対応し、該当する設置場所、製造年月日、製造者、装置型式(ディジタル形、静止形、電磁形)、保護方式(DZ/DG、SS/SG、DCr、φCr、PCM、BP、BGF、UF)、保護表示タイプ(LEDタイプ、HIUタイプ、画面レスタイプ)等を、表示部23に表示させる。表示部23には、例えば、保護方式:DZ/DG、装置型式:ディジタル形と表示される。
次に、不良部位特定処理について述べる。制御部18は、ステップSC11(図18)で、図面情報データベース36や、不良部位情報データベース37にアクセスし、図面情報、不良部位情報等を参照し、製作メーカや、装置型式、保護方式等に対応した対応手順・方法情報を生成し、表示部23に送り、表示させる。さらに、制御部18は、対応手順・方法情報を携帯端末15へ送信する。携帯端末15においては、制御部26が表示部32に対応手順・方法情報を表示させる。ここで、音声出力部から、案内情報を音声出力するようにしても良い。対応手順・方法情報は、保護装置内部の不良か、主機側(ケーブルを含むCT回路側)の故障か判別するための不良部位特定作業手順のための図面情報や手順説明書情報等の情報を含んでいる。
図面情報としては、例えば、○○送電線リレー電流入力用制御ケーブルの接続端子台、及びケーブル接続状況がわかる該当端子台図面、及びケーブル接続図を含む。手順説明書情報は、装置内部でのA/D変換処理の確認をするための入力電流値とA/D変換後のデータを確認するためのディップスイッチの設定手順と、確認方法とを含む。また、装置内にデータセーブ基板が実装されている場合には、メンテナンス用パソコンの接続や、データセーブ方法が、手順説明書情報には含まれる。なお、対応手順・方法情報の表示に先立って、電気所名、系統電圧階級、不良保護装置名等に基づいて、製作メーカや、装置型式等も表示される。
次に、ステップSC12で、制御部18は、故障判定結果入力画面情報を生成し、表示部23に表示させる。さらに、制御部18は、故障判定結果入力画面情報を携帯端末15へ送信する。携帯端末15においては、制御部26が表示部32に故障判定結果入力画面情報を表示させる。例えば、該当変電所8において、作業員が、表示部32に表示された情報を利用して、不良部位を推定し、入力部31から入力すると、制御部26は、故障判定結果情報を、支援装置5へ送信する。例えば、不良部位として、「○○送電線リレー用のA/D変換器」と入力されると、この不良部位情報が送信される。なお、不良部位情報を、制御所2の運転員が、現場の作業員から連絡を受けて、入力部22から入力するようしても良い。
次に、ステップSC13で、制御部18は、例えば、携帯端末15から不良部位推定結果を取得する。次に、ステップSC14で、制御部18は、推定不良部位の取付場所や、交換方法を示す図面(装置組立図)の情報を生成し、表示部23に表示させる。さらに、制御部18は、この図面情報を携帯端末15へ送信する。携帯端末15においては、制御部26が表示部32に図面情報を表示させる。次に、ステップSC15で、制御部18は、同種の故障が過去にあったか否か判定し、ある場合には、ステップSC16へ進み、ない場合には、不良部位特定処理を終了する。ステップSC16で、制御部18は、故障対応結果情報データベース43にアクセスして、故障対応結果情報を参照し、故障(トラブル)対応手順や、試験方法等の該当故障対応に関連する情報を、表示部23に表示させ、不良部位特定処理を終了する。
次に、第1の修理物品手配処理について述べる。制御部18は、ステップSD11(図19)で、メーカ情報データベース38にアクセスして、メーカ情報を参照し、不良部位に関連する情報を、表示部23に表示させる。不良部位が、「○○送電線リレー用のA/D変換器」の場合は、対応するメーカ情報は、変換器の型式、製造メーカ名、納入価格、メーカ緊急連絡先(営業担当者名を含む)等を含んでいる。
次に、ステップSD12で、制御部18は、同種の故障が過去にあったか否か判定し、ある場合には、ステップSD13へ進み、ない場合には、ステップSD14に進む。ステップSD13で、制御部18は、故障対応結果情報データベース43にアクセスし、故障対応結果情報を参照し、過去に交換した物品の情報を、表示部23に表示させる。この物品の情報は、交換した物品の型式、製造メーカ名、納入価格等を含んでいる。
次に、ステップSD14で、制御部18は、製造メーカの工場に設置されているサーバ(不図示)にアクセスする。次に、ステップSD15で、制御部18は、製造メーカの工場側から遠隔診断が可能か否か判定し、遠隔診断可の場合は、ステップSD16へ進み、不可の場合には、第1の修理物品手配処理を終了する。ステップSD16で、制御部18は、製造メーカの緊急連絡先を表示する際に「リモートメンテナンス対象装置」であることを付加し、第1の修理物品手配処理を終了する。
次に、第2の修理物品手配処理について述べる。制御部18は、ステップSE11(図20)で、故障した保護装置に関連する情報を生成し、表示部23に表示させる。この故障した保護装置に関連する情報は、故障(トラブル)発生時の状況、及び不良部位特定結果、不良部位(例えば、A/D変換器)の型式、製造メーカ名、納入価格、当社(電力会社)の担当者名、電話番号、電子メールアドレス等を含んでいる。なお、「当社(電力会社)の担当者名、電話番号、電子メールアドレス」は、故障発生時に、支援装置5を立ち上げて、故障状況の確認を行う際にログオンした担当者の情報である。
次に、ステップSE12で、制御部18は、確定操作があったか否か判定し、確定操作があった場合には、ステップSE13へ進み、確定操作がなかった場合には、ステップSE11へ戻る。ステップSE13で、制御部18は、製造メーカにアクセスし、ステップSE14で、ステップSE11で生成した所定の情報を製造メーカへ送信し、第2の修理物品手配処理を終了する。
次に、復旧対応処理について述べる。制御部18は、ステップSF11(図21)で、試験マニュアル情報データベース39や、維持要則類情報データベース41にアクセスし、試験マニュアル情報や維持要則類情報を参照し、不良部位の交換方法や、物品交換後の確認試験に関連する情報を、表示部23に表示させる。制御部18は、例えば、A/D変換器の交換場所を装置組立図により表示部23に表示させ、A/D変換器交換後の確認試験に必要な試験機材一覧、試験回路図を、表示部23に表示させ、確認試験項目、判定基準ついて、社内の点検指針、判定基準の該当ページを、表示部23に表示させる。
次に、ステップSF12で、制御部18は、過去に同様の故障があったか否か判定し、あった場合には、ステップSF13へ進み、なかった場合には、復旧対応処理を終了する。ステップSF13で、制御部18は、故障対応結果情報データベース43にアクセスして、故障対応結果情報を参照し、同種の故障の修理手順や、試験内容等の情報を、表示部23に表示させ、復旧対応処理を終了する。
次に、復旧作業手続き処理について述べる。制御部18は、ステップSG11(図22)で、作業手続き情報データベース42にアクセスして、作業手続き情報を参照し、復旧作業に必要な情報を、表示部23に表示させる。復旧作業に必要な情報は、リレーロックの有無、停電要求事項を含む。次に、ステップSG12で、制御部18は、復旧作業に関連する帳票を作成する。帳票は、停電作業要求書や、作業確認票を含んでいる。次に、ステップSG13で、制御部18は、作成された帳票を通知し、復旧作業手続き処理を終了する。作成された帳票は、管理部署端末14を含む電気所の管理に関連する部署の端末へ通知される。帳票作成時に、過去に同種の故障(トラブル)対応実績がある場合は、故障対応結果情報データベース43にアクセスして、故障対応結果情報を参照し、故障対応結果情報に含まれる停電作業要求書や、作業確認票を再利用することができる。
次に、故障対応結果報告処理について述べる。制御部18は、ステップSH11(図23)で、復旧作業に関連する情報の入力画面を、表示部23に表示させる。復旧作業に関連する情報は、不良部位や修理結果、発生原因、懸案事項等を含んでいる。次に、入力部22からこれらの情報が入力されると、ステップSH12で、制御部18は、復旧作業に関連する情報を取得する。例えば、「不良部位:○○線リレー用A/D変換器、発生原因:経年劣化(経年24年)、懸案事項:対象保護装置が高経年装置で、メーカサポートエンド対象装置のため、更新計画に織り込む。」等と入力される。
次に、ステップSH13で、制御部18は、復旧作業に関連する情報により、故障対応結果情報データベース43を更新する。次に、ステップSH14で、制御部18は、更新内容を、管理部署端末14を含む電気所の管理に関連する部署の端末へ通知し、故障対応結果報告処理を終了する。故障対応結果情報データベース43に登録された修理情報は、設備が除却されるまで保存される。さらに、故障対応結果情報を利用して、製作メーカ、装置の経年分布、故障部位、修理対応実績等の統計や分析を作成する。分析結果は、検索したり帳票出力することが可能である。
こうして、この実施の形態の構成によれば、支援装置5が、記憶装置6の各データベースの情報を参照して、支援処理を実行するので、保護装置の故障時等の対応を、円滑、迅速かつ確実に行うために寄与することができる。特に、製作メーカや型式毎に異なる復旧物品や試験機材、試験回路、試験方法も、記憶装置6の各データベースにおいて一元管理されるので、故障対応のために必要な業務の漏れを防止し、確実に対応することができる。また、例えば、表示部23の表示内容にしたがって、作業を行うことによって、高度な専門知識を要することなく、習熟度によらず誰でも、正確にかつ円滑に保護装置の故障時等の対応を行うことができる。したがって、教育訓練に要するコストを低減することができる。また、携帯端末15や、管理部署端末14等からも、記憶装置6にアクセス可能であるので、保護装置の故障に関連する情報を共有化することができる。
以上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した実施の形態では、支援装置において、状況把握処理、不良部位特定処理、第1の修理物品手配処理、第2の修理物品手配処理、復旧対応処理、復旧作業手続き処理、及び故障対応結果報告処理等を、制御部が、対応する制御プログラムを実行することによって行う場合について述べたが、一部又は全部を専用のハードウェアを用いて行い、他の一部を対応するプログラムを実行して処理するようにしても良い。また、それぞれ別々のCPUが実行しても良いし、例えば、単一のCPUが実行しても良い。さらに、各処理を別々の情報処理装置が行うようにしても良い。
また、電力系統情報データベース、保護装置情報データベース、図面情報データベース、不良部位情報データベース、メーカ情報データベース、試験マニュアル情報データベース、維持要則類情報データベース、作業手続き情報データベース、故障対応結果情報データベースは、それぞれ、電力系統データベースサーバ等として独立させて、例えば、ネットワークを介して支援装置に接続しても良い。
また、不良部位特定処理以外の処理においても、携帯端末へ、表示情報を送信するようにしても良い。また、携帯端末が、データベースにアクセスして情報を取得したり、情報をデータベースへアップロードするようにしても良い。また、携帯端末が、支援装置の機能を有していても良い。また、支援装置と記憶装置とは一体化されていても良い。また、指令装置から出力される監視情報を、故障状況情報として、支援装置が受信して用いるようにしても良い。