以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現する場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る監視制御システムSYS−Aの構成を示すシステム構成図である。図1に示す監視制御システムSYS−Aは、電力系統を監視し制御するシステムである。図1に示すように、監視制御システムSYS−Aは、監視制御装置10、フロントエンドプロセッサ15a,15b(以下、FEPという。)、ゲートウェイ31,41,51(以下、GWという。)、TC61,71(TC:テレコントロールユニット、遠方監視制御装置)、フィールドゲートウェイ62,72(以下、FGWという。)、中継機器55、電力ネットワークモデルデータベース91(以下、電力NWモデルDBという。)、手順・件名データベース92(以下、手順・件名DBという。)、データウェアハウス93、DX連携94、及び外部システム100を備えている。なお、監視制御システムSYS−Aは、変電所等における制御対象設備である複数の変電所機器63,64,73,74や、配電機器81、配電塔設備82、IT開閉器83、回線選択84(22kv回線選択)を含む構成であると定義してもよい。
電力系統は、データセンター1で監視制御される。図2は、図1に示すデータセンター1の配置を示す図である。図2に示す例では、データセンター1として3つのデータセンター1A,1B,1Cが3箇所に設けられている。なお、図1にはデータセンター1Aだけを示している。データセンター1Aは、通常時に電力系統を監視制御するメインのデータセンターである。第1サブデータセンター1B及び第2サブデータセンター1Cは、データセンター1Aの監視制御装置10において故障などの異常が発生したときに電力系統の監視制御を継続して実行するためのバックアップ用の緊急時データセンターである。3つのデータセンター1A,1B,1Cは、それぞれ、異なる場所(地理的に離れた場所)に設けられる(後述する図13のサーバ拠点300,310,320を参照)。本実施形態では、3つのデータセンター1A,1B,1Cをデータセンター1と総称することがある。
監視制御装置10、リアルタイムサービスバス14、FEP15a,15b、オペレーションサービスバス110、及びシステム運用サービスバス111は、データセンター1A,1B,1Cにそれぞれ設置される。すなわち、いずれのデータセンター1A,1B,1Cにも同じ構成の監視制御装置、リアルタイムサービスバス、FEP、オペレーションサービスバス、及びシステム運用サービスバスが設けられる。本実施形態では、電力NWモデルDB91、手順・件名DB92、データウェアハウス93、DX連携94、及び外部システム100は、データセンター1Aにだけ設けられている。
データセンター1Aの監視制御装置10に異常が発生した場合、第1サブデータセンター1Bがメインのデータセンターとなり、第1サブデータセンター1Bの監視制御装置が電力系統を監視制御する。また、データセンター1A及び第1サブデータセンター1Bの監視制御装置に異常が発生した場合、第2サブデータセンター1Cがメインのデータセンターとなり、第2サブデータセンター1Cの監視制御装置が電力系統を監視制御する。本実施形態では、2つのサブデータセンター1B,1Cを設けているので、第1サブデータセンター1Bの監視制御装置等のテストを行っているときに第2サブデータセンター1Cの監視制御装置等でデータセンター1Aの監視制御装置10のバックアップを行うことができる。同様に、第2サブデータセンター1Cの監視制御装置等のテストを行っているときに第1サブデータセンター1Bの監視制御装置等でデータセンター1Aの監視制御装置10のバックアップを行うことができる。また、本実施形態では、監視制御装置から変電所や配電設備の機器への情報は、メインのデータセンターの監視制御装置から送られ、変電所や配電設備の機器から監視制御装置への情報は、すべてのデータセンター(メイン及びサブのデータセンター)の監視制御装置に送られる。
監視制御装置10は、電力系統を監視制御するための装置である。図1に示すように、監視制御装置10は、リアルタイムサービスバス14、オペレーションサービスバス110、及びシステム運用サービスバス111と接続されている。また、図1に示すように、監視制御装置10は、系統監視制御サブシステム11、及び配電監視制御サブシステム12、統合ネットワーク設備管理サブシステム13(以下、統合NW設備管理サブシステムという。)で構成されている。現行の監視制御システムは、各々異なる場所に設置された、系統制御、配電制御及び設備状態監視等の複数のシステムの集合体であるが、本実施形態の監視制御システムSYS−Aでは、各サブシステム11,12,13が統合されたシステムとして動作する。
系統監視制御サブシステム11、配電監視制御サブシステム12及び統合NW設備管理サブシステム13は、電力系統の監視制御を実行するために目的別に構成されたサブシステムである。系統監視制御サブシステム11、配電監視制御サブシステム12及び統合NW設備管理サブシステム13は、1台又は複数台のサーバで構成されている。また、図1には示していないが、系統監視制御サブシステム11、配電監視制御サブシステム12及び統合NW設備管理サブシステム13は、それぞれ、情報を管理するデータベースを備えている。なお、各サブシステム11,12,13共通のデータベースを設けてもよい。
系統監視制御サブシステム11は、電力系統の中の送電系統(例えば6万6千V以上の系統)における送電用変電所60の変電所機器63,64(例えば、変圧器、遮断器、保護リレー)などを監視し制御するサブシステムである。この系統監視制御サブシステム11は、監視制御機能(Supervisory Control And Data Acquisition:SCADA)、エネルギー管理システム機能(Energy Management System :EMS)、その他の機能、及び電力ネットワークモデル(電力NWモデル)管理機能を備えた統合的な監視制御システムとして構成される。これらの機能は、それぞれ、例えば以下に示す機能を備える。
(ア)SCADAとして備える機能;
系統監視制御サブシステム11は、SCADAとして、「データ送受信」、「コミュニケーション装置(GW31に相当する装置)からのデータ取得」、「設定に応じた情報の自動取得と取得情報に基づいた自動制御」、「遠隔エラー検知」、「時刻同期」、「コントロールセンター(シンクライアント)からのアクセス」、「各種データ処理(アナログ/デジタルデータ、計算済みデータ、トポロジー、マニュアルデータ、外部からの登録データ等)」、「複数イベントのシーケンス管理」、「各種装置類の監視制御(アイソレーター、アーススイッチ、ブレーカー、ボルトアンペア無効電力(VAR)コントロール、タップチェンジコントロール、セットポイントコントロール等)」、「各種監視情報の蓄積及び復旧(回路ブレーカー状態、リアルタイムスナップショット、定期的なスナップショット、イベントデータ、障害情報、履歴、メッセージログ等)」などの機能を備える。
(イ)EMSとして備える機能;
系統監視制御サブシステム11は、EMSとして、「状態評価(電圧等のリアルタイム測定とそれに基づいた状態予測・評価。オペレーターの指示に基づいた各種状態の評価。)」、「経路計算」、「コンティンジェンシー分析(様々な仮定条件を基に最も安定した運用プランを導出するための機能。計画停電等に用いる。)」、「電圧を安定させるための分析」、「短絡計算」、「電力最適化とセキュリティ分析、コンティンジェンシーディスパッチ(潮流・電圧等の様々な測定値を基に、最適化目標を実現するための案を提示する 。また最適化するにあたっての制約条件(コンティンジェンシー)を分析する。制約条件を回避するための最も効果的な改善策を決定する。)」、「電圧スケジューラー(系統制御のロス(無効電力)を最小化するための最適なデバイス設定を支援する。)」などの機能を備える。
(ウ)その他の機能;
系統監視制御サブシステム11は、その他の機能として、「スイッチ分析」、「スイッチシーケンス指示管理」、「障害箇所検知及びサービス復旧」、「計画停電管理」、「計画外停電管理」、「予測機能(機能短期、中期、長期)」、「各種分析、レポーティング(法定帳票、パフォーマンスや品質分析のためのレポート等)」などの機能を備える。
(エ)電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能;
系統監視制御サブシステム11は、電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能として、「系統監視制御モデル管理」の機能を備える。
配電監視制御サブシステム12は、電力系統の中の配電系統(例えば2万2千Vや6千Vの系統)における配電用変電所70の変電所機器73,74(例えば、変圧器、遮断器、保護リレー)や配電線の開閉設備などを監視し制御するシステムである。この配電監視制御サブシステム12は、監視制御機能(SCADA)、配電管理システム機能(Distribution Management System:DMS)、その他の機能、及び電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能を備えた統合的な監視制御システムとして構成される。これらの機能は、それぞれ、例えば以下に示す機能を備える。
(ア)SCADAとして備える機能;
配電監視制御サブシステム12は、SCADAとして、「データ送受信」、「コミュニケーション装置(ゲートウェイ41に相当する装置)からのデータ取得」、「設定に応じた情報の自動取得と取得情報に基づいた自動制御」、「遠隔エラー検知」、「時刻同期」、「コントロールセンター(シンクライアント)からのアクセス」、「各種データ処理(アナログ/デジタルデータ、計算済みデータ、トポロジー、マニュアルデータ、外部からの登録データ等)」、「複数イベントのシーケンス管理」、「各種装置類の監視制御(アイソレーター、アーススイッチ、ブレーカー、ボルトアンペア無効電力(VAR)コントロール、タップチェンジコントロール、セットポイントコントロール等)」、「各種監視情報の蓄積及び復旧(回路ブレーカー状態、リアルタイムスナップショット、定期的なスナップショット、イベントデータ、障害情報、履歴、メッセージログ等)」などの機能を備える。
(イ)DMSとして備える機能;
配電監視制御サブシステム12は、DMSとして、「障害箇所検知及びサービス復旧」、「スイッチ分析」、「スイッチシークエンス指示管理」、「ボルトアンペア無効電力(VAR)最適化」、「アンバランスロードフロー」、「短絡分析機能」、「電力最適化(潮流・電圧等の様々な測定値を基に、最適化目標を実現するための案を提示する 。)」、「電圧スケジューラー(配電制御のロス(無効電力)を最小化するための最適なデバイス設定を支援する。)」などの機能を備える。
(ウ)その他の機能;
配電監視制御サブシステム12は、その他の機能として、「計画停電管理機能」、「計画外停電管理機能」などの機能を備える。
(エ)電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能;
配電監視制御サブシステム12は、電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能として、「配電監視制御モデル管理」の機能を備える。
統合NW設備管理サブシステム13は、送配電系統(送電系統、配電系統)の変電所設備(変電所機器63,64,73,74)の状態を監視し、保守業務を支援するシステムである。この統合NW設備管理サブシステム13は、系統監視制御・配電監視制御の両方にまたがる設備機器、IT機器の構成を定義し、電力ネットワークモデル管理機能を備えたサブシステムとして構成される。
監視制御システムSYS−Aの電力ネットワークモデルを統合NW設備管理サブシステム13で一元管理することで、「電力ネットワークモデルの一貫性の保持」、「電力ネットワークモデル管理のワークフロー化による手作業の軽減」、「電力ネットワークモデル変更の際の分析スピードの向上」、「CIMベースで電力ネットワークモデルを一元化することにより、将来的な外部システム100の連携コストを低減」、「電力ネットワークモデル分析能力の向上」という効果を得ることができる。統合NW設備管理サブシステム13における「電力ネットワークモデル管理機能」は、それぞれ、例えば以下に示す機能を備える。
(ア)電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能;
統合NW設備管理サブシステム13は、電力ネットワークモデル(CIMモデル)管理機能として、「CIMモデル構築に必要な既存データの収集機能」、「CIMモデル管理機能(編集・検証・更新機能、モデルの状態管理機能、リポジトリ機能、サブシステムで派生するCIMモデルの管理、履歴管理機能(セキュリティ機能))」、「系統監視制御サブシステム11及び配電監視制御サブシステム12及び外部システム100とのCIMモデル連携機能(モデルインポート・エクスポート時のバリデーションチェック、フォーマット(様式)管理、ワークフロー、モデルの整合性管理)」、「各種分析に必要なデータの提供機能」などの機能を備える。
系統監視制御サブシステム11、配電監視制御サブシステム12及び統合NW設備管理サブシステム13は、それぞれ、情報を伝送するリアルタイムサービスバス14に接続されている。FEP15a,15bは、データセンター1内に配置され、リアルタイムサービスバス14及びWAN20(Wide Area Network;広域通信網)に接続されている。FEP15a,15bは、各サブシステム11,12,13とコミュニケーション装置(GW31,41)との間における情報の集約及び送受信を行う。なお、FEP15a、15bは、上述した各種プロトコルに対応できること、ハードウェアはメンテナンス性を向上させるためにコンポーネント化されていること、信頼性を担保するために構成部品が冗長化されていること、監視制御システムSYS−Aの各種セキュリティ基準に基づいたセキュリティ対策機能を備えていること、時刻同期機能があること、などが要求される。
データセンター1内(各サブシステム11,12,13のサーバ間)は、国際標準に準拠した通信プロトコル(規約、データフォーマット)であるICCP(The Inter-Control Center Communications Protocol(ICCP又はIEC60870−6/TASE.2という。))及びIEC60870−5−104、IEC61850、IEC61970、IEC61968、IEC62351に従って情報の通信が行われる。具体的には、FEP15aとFEP15b間はICCPに従って情報の通信が行われ、リアルタイムサービスバス14ではIEC60870−5−104、IEC61850、IEC61970、IEC61968、IEC62351に従って情報の通信が行われる。
GW31,41は制御所30,40単位に設置される。図1に示す例では、制御所30にGW31が設置され、制御所40にGW41が設置されている。GW31,41は、それぞれ、WAN20に接続される。また、GW31,41は、変電所60,70に設置されているTC61,71だけ接続され(図3に示す第1接続例を参照)、又は、TC61,71及びFGW62,72の両方が接続される(図4に示す第2接続例を参照)。すなわち、FGW62,72が直接FEP15a,15bに接続されてもよく、FGW62,72がGW31,41を経由してFEP15a,15bに接続されてもよい。
図3は、図1に示すGW31,41及びFGW62,72の第1接続例を示すブロック図である。図3に示す第1接続例では、制御所30,40に設置されたGW31,41は、それぞれ、国際標準に準拠した通信プロトコルであるIEC60870−5−104やIEC61850の通信回線150でWAN20に接続されている。また、GW31,41は、それぞれ、国際標準に準拠していない通信プロトコルであるHDLC(High Level Data Link Control)やCDT(Cyclic Data Transfer)の通信回線160でTC61,71に接続されている。また、FGW62,72は、それぞれ、国際標準に準拠した通信プロトコルであるIEC60870−5−104やIEC61850の通信回線170でWAN20に接続されている。
図4は、図1に示すGW31,41及びFGW62,72の第2接続例を示すブロック図である。図4に示す第2接続例では、制御所30,40に設置されたGW31,41は、それぞれ、国際標準に準拠した通信プロトコルであるIEC60870−5−104やIEC61850の通信回線150でWAN20に接続されている。また、GW31,41は、それぞれ、国際標準に準拠していない通信プロトコルであるHDLCやCDTの通信回線160でTC61,71に接続されている。また、FGW62,72は、それぞれ、国際標準に準拠した通信プロトコルであるIEC61850の通信回線180でGW31,41に接続されている。
図1の説明に戻り、GW31,41は、TC61,71(又は/及びFGW62,72)から送信される各種情報を受信し、受信した情報のプロトコル変換を行った上で監視制御装置10側に送信する。また、GW31,41は、監視制御装置10側から送信された情報を受信し、受信した情報のプロトコル変換を行った上でTC61,71(又は/及びFGW62,72)に送信する。なお、図1では、2つの制御所30,40だけを示しているが、実際には複数個所の制御所(例えば50箇所程度の制御所)が設けられ、各制御所にGWが設置される。
送電用変電所60には、TC61、FGW62及び変電所機器63,64が設けられている。送電用変電所60は例えば1200箇所ほど設けられている。TC61は、図3に示す通信回線160で制御所30のGW31と接続され、配線で変電所機器63と接続されている。図3及び図4に示すように、変電所機器63は複数の機器(図3及び図4に示す変電所機器63−1〜63−n)がTC61に接続されている。TC61は、変電所機器63からの情報を収集し、収集した情報を通信回線160で伝送可能な情報(HDLCやCDTの情報)に変換してGW31に送信する。また、TC61は、GW31からの通信回線160で伝送可能な情報(HDLCやCDTの情報)を変電所機器63に対応した情報に変換して変電所機器63に送信する。
FGW62は、図3に示す第1接続例では通信回線170でWAN20(つまりFEP15a,15bのいずれか)と接続され、又は図4に示す第2接続例では通信回線180で制御所30のGW31に接続されている。また、FGW62は、配線で変電所機器64と接続されている。図3及び図4に示すように、変電所機器64は複数の機器(図3及び図4に示す変電所機器64−1〜64−n)がFGW62に接続されている。FGW62は、変電所機器64からの情報を収集し、収集した情報を通信回線170又は180で伝送可能な情報(IEC61850の情報)に変換してWAN20又はGW31に送信する。また、FGW62は、GW31からの通信回線170又は180で伝送可能な情報(IEC61850の情報)を変電所機器64に対応した情報に変換して変電所機器64に送信する。なお、FGW62は、変電所機器64との間で通信プロトコル(IEC61850)の情報を送受信する場合は、WAN20又はGW31との間の情報の送受信に際して情報の変換を行う必要はない。FGW62は、SAS(Substation Automation System)やRTU(Remote Terminal Units)で構成される。
変電所機器63,64は、変電所60の構内に設けられた機器(設備)であって、変圧器や遮断器、保護リレーなどの機器を含む。変電所機器63,64の情報としては、変圧器や遮断器のオン・オフ情報などがある。
配電用変電所70においても、送電用変電所60と同様に、TC71、FGW72及び変電所機器73,74が設けられている。配電用変電所70は例えば1500箇所ほど設けられている。TC71は、図3に示す通信回線160で制御所30のGW31と接続され、配線で変電所機器73と接続されている。図3及び図4に示すように、変電所機器73は複数の機器(図3及び図4に示す変電所機器73−1〜73−n)がTC71に接続されている。TC71は、変電所機器73からの情報を収集し、収集した情報を通信回線160で伝送可能な情報(HDLCやCDTの情報)に変換してGW31に送信する。また、TC71は、GW31からの通信回線160で伝送可能な情報(HDLCやCDTの情報)を変電所機器73に対応した情報に変換して変電所機器73に送信する。
FGW72は、図3に示す第1接続例では通信回線170でWAN20(つまりFEP15a,15bのいずれか)と接続され、又は図4に示す第2接続例では通信回線180で制御所30のGW31に接続されている。また、FGW72は、配線で変電所機器74と接続されている。図3及び図4に示すように、変電所機器74は複数の機器(図3及び図4に示す変電所機器74−1〜74−n)がFGW72に接続されている。FGW72は、変電所機器74からの情報を収集し、収集した情報を通信回線170又は180で伝送可能な情報(IEC61850の情報)に変換してWAN20又はGW31に送信する。また、FGW72は、GW31からの通信回線170又は180で伝送可能な情報(IEC61850の情報)を変電所機器74に対応した情報に変換して変電所機器74に送信する。なお、FGW72は、変電所機器74との間で通信プロトコル(IEC61850)の情報を送受信する場合は、WAN20又はGW31との間の情報の送受信に際して情報の変換を行う必要はない。FGW72は、SAS(Substation Automation System)やRTU(Remote Terminal Units)で構成される。
変電所機器73,74も、変電所70の構内に設けられた機器(設備)であって、変圧器や遮断器、保護リレーなどの機器を含む。変電所機器73,74の情報としては、変圧器や遮断器のオン・オフ情報などがある。
本実施形態では、GW31,41、TC61,71、及びFGW62,72は「中継装置」を構成する。図3に示す第1接続例の場合は、GW31,41及びTC61,71が「第1中継部」を構成し、FGW62,72が「第2中継部」を構成する。また、FGW62,72が「ゲートウェイ」を構成する。図4に示す第2接続例の場合は、GW31,41及びTC61,71が「第1中継部」を構成し、GW31,41及びFGW62,72が「第2中継部」を構成する。すなわち、GW31,41は、「第1中継部」と「第2中継部」で兼用される。また、GW31,41が第2中継部における「第1ゲートウェイ」を構成し、FGW62,72が第2中継部における「第2ゲートウェイ」を構成する。
なお、図1には示していないが、変電所機器(例えば、配電用変電所70のTC71以外に接続される機器、屋外分散変電所の機器)は、TCやFGWではなく、インターフェイスを介してGW31,41に接続されるものもある。この場合、インターフェイスは、変電所機器からの屋外分散方式の通信プロトコルの情報を通信回線(LAN:Local Area Network)でGW31,41に送信する。そして、GW31,41は、インターフェイスからの情報についてプロトコル変換を行い、プロトコル変換後の情報をWAN20を介してFEP15a,15bのいずれかに送信する。なお、インターフェイスは、通信回線でWAN20と直接接続されてもよい。この場合、インターフェイスは、変電所機器からの屋外分散方式の通信プロトコルの情報をWAN20(FEP15a,15bのずれか)に送信する。FEP15a,15bのいずれかは、配電機器81からの屋外分散方式の通信プロトコルの情報を国際標準のプロトコルの情報に変換し、変換後の情報を監視制御装置10に送信する。
現行の監視制御システムにおいては、変電所60,70における既存の設備であるTC61,71で情報を送受信が行われているが、順次、TC61,71を国際標準の設備であるFGW62,72に置き換えられる。なお、現在、例えば数千のTC61,71が設けられている。
なお、TC61,71及びFGW62,72は、上述した各種プロトコルに対応できること、ハードウェアは信頼性を担保するために構成部品が冗長化されていること、複数のTCや変電所機器の接続に十分なポートが確保されていること、停電後、自動的に復旧(起動・構成制御に基づいた初期状態への復帰)できること、復旧時にサーバ側へエラー情報を伝達できること、構成管理は、データセンター1からの遠隔操作及びポート経由の直接操作の両方で可能であること、遠隔操作、直接操作のためのツールが提供されること、停電時にデータと時刻を保持するためのバッテリーを保持すること、監視制御システムの各種セキュリティ基準に基づいたセキュリティ対策機能を備えていること、自身、接続されているTC、及び変電所機器遮の動作を監視し、故障を検知し、エラー情報を保管できること、サーバ(監視制御装置10)側へエラー情報を伝達できること、時刻同期機能があること、などが要求される。
監視制御システムSYS−Aにおける監視対象の機器(設備)としては、上述した送電用変電所60の変電所機器63,64及び配電用変電所70の変電所機器73,74のほかに、配電機器81、配電塔機器82、IT開閉器83、及び22kV回線選択84がある。これら配電機器81、配電塔機器82、IT開閉器83及び22kV回線選択84を配電設備80という。配電設備80に関しては、専用の制御回線等で既に接続されており、国際標準の通信網への統一が困難である。
図1に示すように、配電機器81及び配電塔設備82は中継所に設けられた中継機器55に接続されている。中継機器55は、HDLCの通信回線で制御所50に設けられたGW51に接続されている。中継機器55は、配電機器81及び配電塔設備82からの情報をHDLCの通信プロトコルの情報に変換し、変換後の情報を制御所50に設けられたGW51に送信する。GW51は、中継機器55から送信された情報をWAN20を介してFEP15a,15bのいずれかに送信する。FEP15a,15bのいずれかは、GW51からのHDLCの通信プロトコルの情報を国際標準のプロトコルの情報に変換し、変換後の情報を監視制御装置10に送信する。
また、図1に示すように、IT開閉器83はセンサを内蔵した自動開閉器である。このIT開閉器83は、例えばSC−Dの通信プロトコルの通信回線でGW51に接続されている。IT開閉器83は開閉状態を示す情報をGW51に送信し、GW51はIT開閉器83からの情報をWAN20を介してFEP15a,15bのいずれかに送信する。また、22kV回線選択84は、22kV回線を選択する変圧器(22kV回線選択式変圧器)である。この22kV回線選択84は、例えば回線選択式の通信プロトコルの通信回線でGW51に接続されている。22kV回線選択84は選択状態を示す情報をGW51に送信し、GW51は22kV回線選択84からの情報をWAN20を介してFEP15a,15bのいずれかに送信する。
図1に示すように、WAN20は、各データセンター1A,1B,1Cに設けられたオペレーションサービスバス110及びシステム運用サービスバス111に接続されている。オペレーションサービスバス110及びシステム運用サービスバス111においては、例えばIEC61970、IEC61968、IEC62235などの通信プロトコルで情報の通信が行われる。
オペレーションサービスバス110は、系統監視制御サブシステム11、配電監視制御サブシステム12及び統合NW設備管理サブシステム13と接続され、各サブシステム11,12,13間における情報の送受信を行う。また、各サブシステム11,12,13は、リアルタイムサービスバス14及びFEP15a,15bを介さずに、オペレーションサービスバス110及びWAN20を介してGW31,41,51(変電所60,70や配電設備80の機器)と情報の送受信を行うことができる。
システム運用サービスバス111は、電力NWモデルDB91、手順・件名DB92及びデータウェアハウス93と接続されている。電力NWモデルDB91は、電力NWモデルを記憶するデータベースである。手順・件名DB92は、変電所や配電線の開閉設備等の操作手順と件名とを対応つけて記憶するデータベースである。データウェアハウス93は、各種データを記憶する装置である。監視制御装置10の各サブシステム11,12,13は、システム運用サービスバス111を介して電力NWモデルDB91、手順・件名DB92及びデータウェアハウス93の情報を受け取ることができる。また、データ格納部(電力NWモデルDB91、手順・件名DB92及びデータウェアハウス93)は、送電用変電所60、配電用変電所70及び配電設備80の機器の情報をWAN20及びシステム運用サービスバス111を介して取得し格納することができる。
また、リアルタイムサービスバス14及びシステム運用サービスバス111は、それぞれ外部システム100に接続されている。外部システム100は、アプリケーション間連携101,102、エンタープライズサービスバス103、及びツール104を備えている。アプリケーション間連携101は、リアルタイムサービスバス14とエンタープライズサービスバス103に接続され、各サブシステム11,12,13のアプリケーションとツール104のアプリケーションとの間を連携する。これにより、各サブシステム11,12,13とツール104との間で情報のやり取りが可能となる。また、アプリケーション間連携102は、システム運用サービスバス111とエンタープライズサービスバス103に接続され、ツール104のアプリケーションとデータ格納部(電力NWモデルDB91、手順・件名DB92及びデータウェアハウス93)のアプリケーションとの間を連携する。これにより、ツール104とデータ格納部との間で情報のやり取りが可能となる。
ツール104は、監視制御装置10で取り扱われる情報やデータ格納部91,92,93に格納されている情報を用いて、情報の保存・管理、電力ネットワークモデルの設計、情報の分析、プランニング(計画)、マーケットオペレーション、アセットマネジメントなどを行う。ツール104は、リアルタイムサービスバス14、アプリケーション間連携101及びエンタープライズサービスバス103を介して監視制御装置10にて保存されている情報を取得することができる。また、ツール104は、システム運用サービスバス111、アプリケーション間連携102及びエンタープライズサービスバス103を介してデータ格納部91,92,93に格納されている情報を取得することができる。エンタープライズサービスバス103においては、IEC61970、IEC61968、IEC62235の通信プロトコルで情報の通信が行われる。
また、図1に示すように、監視制御装置10は、システム運用サービスバス111、DX連携94及びDX−GW装置105を介して、国際標準に準拠していない通信回線である不図示のDX網(DX:Data Exchanger)上に存在する外部システム(外部システム100とは異なる外部システム)と連携している。DX網は、給電所及び制御所に設置された各外部システム間で情報を送受信するための非インターネットプロトコル伝送網である。DX連携94は、システム運用サービスバス111及びDX−GW装置105と接続されている。DX−GW装置105は、DX網における非国際標準の通信プロトコルの情報とIP通信プロトコルの情報とを変換する。
なお、図1に示していないが、監視制御システムSYS−Aのユーザ(利用者)が監視及び制御業務として実行させる系統制御用シンクライアント及び配電制御用シンクライアント及び統合NW設備管理用シンクライアントが設けられている。シンクライアントは、監視制御システムSYS−Aにおける監視制御業務処理を実行させ、略全ての処理をサーバ(監視制御装置10)に集中させて実行させる。系統制御用シンクライアント及び配電制御用シンクライアント及び統合NW設備管理用シンクライアントは、ICA(Independent Client Architecture)、PC Over IP、RDP(Remote Desktop Protocol)のいずれかの通信プロトコルに従って監視制御システムSYS−A(すなわち監視制御装置10のサーバ)と情報の通信を実行可能に構成されている。
次に、監視制御システムSYS−Aのアプリケーション構成について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係る監視制御システムSYS−Aのアプリケーション構成を示す図である。図5に示す監視制御システムSYS−Aは、アプリケーションとして、系統監視制御201、配電監視制御202、総合NW設備管理203、ユーザインターフェイス(ユーザIF)210、外部システム連携220、フロントエンドプロセッサ(FEP)230、及びゲートウェイ240を備えている。
系統監視制御201は、系統監視制御サブシステム11を構成するためのアプリケーションであり、送電系統の制御業務及び送電系統の制御対象設備(変電所機器63,64)の保全業務に必要な機能を提供する。系統監視制御201の機能としては、監視制御機能(SCADA)、エネルギー管理システム機能(EMS)、その他機能、電力NWモデル管理機能に分けられる。
図6は、系統監視制御201のアプリケーションを示す図である。図6に示すように、系統監視制御201の監視制御機能のアプリケーションは、監視、操作手順表作成・確認、制御(手動・自動)、検知・通報、停止計画管理、電力最適化、系統図表管理、系統監視制御アプリ構成管理、訓練シミュレータ、CC用記録統計、CIMモデル、系統盤表示機能、多目的表示機能、及び電話機能という機能構成を含む。
監視;
・アプリケーションは、送電系統制御対象のフィールドデバイスから送信される各種データ(設備情報/計測情報)を取込、状変・事故の検出、停電監視、事故設備判定を行うために必要な情報をリアルタイムで編集し、ユーザに表示する。
・このアプリケーションは、潮流・電圧・電流・設備異常・水位・流量等の各監視を行うための情報を、リアルタイムで編集し、ユーザに表示する。
・ユーザの指示に基づき、表示内容やビューを切り替える。
・このアプリケーションは、状変・事故等の情報を、ユーザの指示に基づきもしくは自動で保管する。
操作手順表作成・確認;
・このアプリケーションは、ユーザが送電系統操作機能に関する操作手順表(系統運用操作手順)を作成・更新、申請・承認、保管、出力するための機能を提供する。
・このアプリケーションは、承認された操作手順表に基づかない直接制御について、制御実績に基づき、操作手順表(制御記録)を自動生成し、保管する。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、操作手順表テンプレートを作成・更新・保管する。また、保管された操作手順表テンプレートを基に、個別手順表を作成することができる。
制御(手動・自動);
・ユーザは、当該アプリケーションにて送電系統の制御を行う。操作手順表に基づいた制御、及び直接制御(個別操作)の両方がある。
・アプリケーションは、監視情報を基に一部の自動制御を行う。
検知・通報;
・監視アプリケーションでの送電系統事故の検知を受け、このアプリケーションは、事故関係情報を編集し、ユーザへ表示する。統合NW設備管理サブシステム13:事故記録管理へ事故情報を連携する。
・ユーザは、このアプリケーションにて警報装置を用い、関係各所への通報(音声通報)を行う。
・ユーザは、このアプリケーションにて、保全依頼を作成し、保全担当者へ通知する。
・ユーザは、このアプリケーションにて、停電事故情報を作成し、関係各所(イントラネット等)へ通知する。
停止計画管理;
・ユーザは、当該アプリケーションにて、外部システムである作業停止調整システムで作成した停止計画を登録・編集・保管・出力する。
・アプリケーションは、ユーザの指示に基づき、停止計画を関係各所に通知する。
・アプリケーションは、停止計画の実績を保管する。
電力最適化;
・このアプリケーションは、監視情報を基に、ユーザの指示に基づきもしくは自動で、電力最適化のための各種運用計算(潮流計算・電圧計算・短絡計算、最適系統構成計算、発電所使用水量計算等)を行う。
系統図表管理;
・このアプリケーションは、送電系統監視制御業務に必要な各種図表データ(系統総括図・主要系統図・単線結線図・部分系統図・電力潮流図・水系統括図等)を管理する。
・統合NW設備管理サブシステム13が内部にて若しくは外部システムより取得・蓄積しているネットワーク設備情報及び地図情報を基に、手動若しくは自動で図表データを作成・編集する。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、系統図表を照会・出力する。
系統監視制御アプリ構成管理;
・このアプリケーションは、系統監視制御サブシステムが正しく動作していることを監視する。
・このアプリケーションは、系統監視制御サブシステムの各種オプション設定(運転モード切替、ネットワーク切替、指令台に対するエリア別制御可否設定等)を管理する。
訓練シミュレータ;
・ユーザは、系統制御用シンクライアントより当該アプリケーションが提供する訓練環境を用いて、各種監視制御のシミュレーション訓練を行う。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、訓練センターシステム(外部システム)用のデータを収集・出力する。
CC用記録統計;
・CC用ユーザは、当該アプリケーションにて、監視情報を基に、送電系統監視制御に必要な各種記録・グラフ(定型帳票)の作成・出力を行う。記録統計;
CIMモデル;
・このアプリケーションでは、統合NW設備管理サブシステム13:CIMモデル管理アプリケーションで管理されているCIMモデルを基に、系統監視制御サブシステム11に必要なCIMモデルを派生・管理する。
系統盤表示機能;
・系統盤に設備情報・計測情報および監視結果を表示し、主要な電力系統の状態を監視する。
多目的表示機能;
・プロジェクタ画面を使用し、防災端末情報(雷観測・台風情報・降雪情報など)や、指令台画面など様々な映像を表示する。
電話機能;
・系統運用業務を行う上で、制御所・特別高圧電力の需要家など大勢の相手と複数回電話をする必要があるため、電話の発着信を簡易化した電話装置を用いる。主な機能は、監視モニターからのアナログ・デジタル・CB回線発信、および応答・復旧・保留・録音・転送・割り込み・一斉・起呼者表示・自動メッセージ応答等の機能を有する。
また、図6に示すように、エネルギー管理システム機能のアプリケーションは、状態予測、給電分析、発電余力分析、コンティンジェンシー分析、電圧安定分析、短絡解析、電力最適化等という機能構成を含む。
状態予測;
・リアルタイムでの測定、発電予測、負荷予測、設定電圧等、電力網の安定運用に必要な各種情報を提供する。
給電分析;
・系統ネットワークにおける電力潮流に関する分析機能である。様々な条件仮説を検証し、ネットワークを安定運用するための条件を見出す。
発電余力分析;
・系統ネットワークにおける電力潮流に関する分析機能である。様々な条件仮説を検証し、ネットワークを安定運用するための条件を見出す。
コンティンジェンシー分析;
・特定のコンティンジェンシー下のネットワーク信頼度の測定を支援する機能である。定常状態の電力潮流ソリューションをシミュレートし、圏外の状態の場合はオペレータにネットワークをチェックさせる。当該機能は、分析中の予定停止時にもできなくてはならない。
電圧安定分析;
・オペレータが電圧安定に関する問題を識別し、電圧を安定させるための諸条件の効果を精査する支援を行う。
短絡解析;
・現行運用条件やネットワークトポロジーで回路遮断器定格を超えてしまう可能性のある潜在的に問題のある潮流を分析することで、電力ネットワーク上で障害が発生している潮流を識別する機能である。遮断器の能力や保護設定の確認も行う必要がある。遮断器オペレーションと連携することで、オペレータが確実に短絡容量上限を超える可能性のある遮断器をクローズできるようにする。
電力最適化とセキュリティ分析、コンティンジェンシーディスパッチ;
・システムオペレーションを強化するための機能であり、最適化目標を達成するために制御に関するオプションを提示する機能である。
・コンティンジェンシーを制約条件として考慮し、妥当かつ予防的な制御ストラテジーの立案を支援する機能である。
・有効電力オペレーション制約違反を抑制するために、発電から再給電に至る最も効果的かつ低コストな是正措置を決定するための機能である。
また、図6に示すように、その他機能のアプリケーションは、スイッチ分析、故障個所の復旧、停電管理、予測(短期/中期/長期)、グリッドパフォーマンスレポートという機能構成を含む。
スイッチ分析;
・負荷断、システム不安定等の潜在的なリスクがある場合のオペレータへの適切な警告
・オペレータによるスイッチングシーケンス指令の作成、および内部承認プロセス。
故障個所の復旧;
・故障個所の切り離しおよび復旧機能について以下の3つのモードをサポートする。
・閉ループモード:正常な箇所へサービスを切り替えるために、スイッチングオーダーを生成する。このスイッチングオーダーはSCADAを介して自動的に実行される。
・アドバイザリーモード:正常な箇所へサービスを切り替えるために、スイッチングオーダーを生成する。このスイッチングオーダーはオペレータ画面に表示され承認されることによって実行される。
・スタディモード:手動で調整・保存された対応方法をオペレータによって起動され、オペレータ指定の運用条件下でスイッチングオーダーを生成する。
停電管理;
・停電お問い合わせ管理:停電お問い合わせシステムは、需要家に停電の詳細や復旧見込みについて情報提供する。
・停電分析:停電箇所、停電種別、影響を受けている(受けるおそれのある)顧客数、および通知が必要な顧客に関する分析が可能である。
・スイッチング分析自動スイッチングに関するオプションを複数表示することができる。また、オペレータによる分析結果の確認およびそれに基づいたスイッチングオペレーションの実行を可能とする。オペレータが分析結果を承認し、アクションプランを選択した場合、スイッチングシーケンスを生成、修正できる。
予測(短期/中期/長期);
・気象データ、気象予測、消費データ、電力損計算、その他補足情報を用い、需要予測を行う。
グリッドパフォーマンスレポート;
・API等を用いた商業的および技術的データの取得機能である。
・系統監視制御システム/配電監視制御システムで実行された処理とSCADAのデータを統合したレポート作成機能である。
・規則に沿った標準レポートテンプレート。
また、図6に示すように、電力NWモデル管理機能のアプリケーションは、電力NWモデル送受信という機能構成を含む。
電力NWモデル送受信;
・このアプリケーションでは、統合NW設備管理サブシステム13の電力NWモデル管理アプリケーションで管理されている電力NWモデルを基に、系統監視制御サブシステム11に必要な電力NWモデルを派生・管理する。
図5の説明に戻り、配電監視制御202は、配電監視制御サブシステム12を構成するためのアプリケーションであり、配電系統の制御業務及び配電系統の制御対象設備(変電所機器73,74)の保全業務に必要な機能を提供する。配電監視制御202の機能としては、監視制御機能(SCADA)、配電管理システム(DMS)、その他機能、電力NWモデル管理機能に分けられる。
図7は、配電監視制御202のアプリケーションを示す図である。図7に示すように、配電監視制御202の監視制御機能のアプリケーションは、監視、操作手順表作成・確認、制御(手動・自動)、検知・通報、停止計画管理、電力最適化(運用計画)、配電図表管理、配電監視制御アプリ構成管理、訓練シミュレータ、CC用記録統計、CIMモデル、系統盤表示機能、多目的表示機能、及び電話機能という機能構成を含む。
監視;
・このアプリケーションは、配電系統制御対象のフィールドデバイスから送信される各種データ(設備情報/計測情報)を取込、状変・事故の検出、停電監視、事故設備判定を行うために必要な情報をリアルタイムで編集し、ユーザに表示する。
・このアプリケーションは、潮流・電圧・電流・設備異常等の各監視を行うための情報を、リアルタイムで編集し、ユーザに表示する。
・ユーザの指示に基づき、各種スケルトン、街路図、系統図、一覧表等の表示内容やビューを切り替える。
・このアプリケーションは、状変・事故等の情報を、ユーザの指示に基づきもしくは自動で保管する。
・状変・事故時、各種操作に基づく、記録、印字、音声、警報を実施する。
・機器・線路等の状態管理・更新を実施する。
・各種フィールドデバイス毎のフォーマットに対応した処理を実施する。
・オンライン状態とは別に試験系状態で監視を実施する。
・他のシステムと連携し送受信を実施する。
操作手順表作成・確認;
・このアプリケーションは、ユーザが配電系統操作機能に関する操作手順表(変電所操作手順、配電線機器操作、各種確認手順)を作成・更新、申請・承認、保管、出力するための機能を提供する。
・このアプリケーションは、登録された停止計画(配電線作業停止計画、計画停電、変電所作業停止計画)に基づき、操作手順表を自動生成し、保管する。
・ユーザは、操作手順表個別作成、修正も可能である。
・手順表は、他のシステムへ事前に送付、または他のシステムから事前に受信し、実行可否を判断する。
・このアプリケーションは、検知された事故情報に基づき、復旧手順表を自動生成し、表示・保管する。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、操作手順表テンプレートを作成・更新・保管する。また、保管された操作手順表テンプレートを基に、個別手順表を作成できる。
制御(手動・自動);
・ユーザは、当該アプリケーションにて配電系統の制御を行う。操作手順表に基づいた制御、及び直接制御(個別操作)の両方がある。
・アプリケーションは、監視情報を基に一部の自動制御を行う。自動化の範囲はシステム機能一覧に基づき判断する。
・配電機器について請定値・設定値の遠方設定を実施する。
・制御に伴う各種状態管理・更新を実施する。
・各種フィールドデバイス毎のフォーマットに対応した処理を実施する。
・オンライン状態とは別に試験系状態で制御を実施する。
検知・通報;
・監視アプリケーションでの配電系統事故の検知を受け、当該アプリケーションは、事故関係情報を編集し、ユーザへ表示する。統合NW設備管理サブシステム13:事故記録管理へ事故情報を連携する。
・ユーザは、当該アプリケーションにて警報装置を用い、関係各所への通報(音声・警報通報)を行う。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、保全依頼を作成し、保全担当者へ通知する。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、もしくは当該アプリケーションが定期的に、停電事故情報を作成し、関係各所(停電情報提供システム等)へ通知する。
停止計画管理
・ユーザは、当該アプリケーションにて、停止計画(配電線作業停止計画、計画停電、変電所作業停止計画)を登録・編集・保管・出力する。
・このアプリケーションは、ユーザの指示に基づき、停止計画を関係各所に通知する。
・このアプリケーションは、停止計画の実績を保管する。
電力最適化;
・このアプリケーションは、監視情報を基に、ユーザの指示に基づきもしくは自動で、電力最適化のための各種運用計算(電圧計算・電流計算、事故時復旧時計算、負荷モデル等)を行う。
・配電用変電所電圧タップ、配電線電圧調整機器(SVR)、センサ内蔵開閉器、線路インピーダンス等を使用し、系統が適正電圧となるように計算し、自動制御を実施する。
配電図表管理;
・このアプリケーションは、配電系統監視制御業務に必要な各種図表データ(総監盤、変電所スケルトン、配電線スケルトン、街路図、22kV系統図、22kV回線選択式変圧器結線図等、および各種表示図面)を管理する。
・統合NW設備管理サブシステムが内部にてもしくは外部システムより取得・蓄積しているNW設備情報及び地図情報を基に、手動もしくは自動でメンテナンスにて作成された図表データを管理する。
・当該アプリケーションは、設備、計測値、線路の状態をリアルタイムに反映し、表示する。
・ユーザは、関係図表を使用し、監視・制御・手順作成等に使用する。
配電監視制御アプリ構成管理;
・このアプリケーションは、配電監視制御サブシステム12が正しく動作していることを監視する。
・このアプリケーションは、配電監視制御サブシステム12の各種オプション設定(運転モード切替、操作卓に対するエリア別制御可否設定等、変電所運用項目設定、自動復旧設定等)を管理する。
訓練シミュレータ;
・ユーザは、配電制御用シンクライアントより当該アプリケーションが提供する訓練環境を用いて、各種監視制御、事故復旧、手順書作成、メンテナンスのシミュレーションを行う。
・事故シナリオ等のシナリオ(訓練環境・データ設定、模擬訓練、訓練結果データ照会)を自動・手動にて作成できる。
CC用記録統計;
・ユーザは、当該アプリケーションにて、監視情報、制御取得情報を基に、配電系統監視制御に必要な各種状態・記録・グラフ(定型帳票)の作成・参照・出力を行う。
・制御オペレータ以外にも各種状態・記録・グラフ等の情報提供を行う。
・他のシステムと連携し送受信を実施する。
事故捜査図面自動作成;
・このアプリケーションは、配電線のメンテナンス内容から自動的に事故捜査図を生成する。
・ユーザは、自動生成された事故捜査図を照会・更新・出力する。
電力NWモデル;
・このアプリケーションでは、統合NW設備管理サブシステム13のCIMモデル管理アプリケーションで管理されている電力NWモデルを基に、配電監視制御サブシステム12に必要なメンテナンスを実施する。
・他のシステムと連携し送受信を実施する。
また、図7に示すように、配電管理システム機能のアプリケーションは、状態予測、電圧安定度解析、電力潮流の最適化、不均衡電流の検出、電圧スケジューラ、短絡解析という機能構成を含む。
状態予測;
・リアルタイムでの測定、負荷予測等の電力網の安定運用に必要な各種情報を提供する。
電圧安定度解析;
・ユーザが監視制御において電圧適正に関して問題を意識し、電圧適正を保つための諸条件が認識できるように支援を行う。
電力潮流の最適化;
・ユーザが監視制御において潮流方向が認識できるように支援を行う。
不均衡電流の検出;
・ユーザが監視制御において不均衡電流が認識できるように支援を行う。
電圧スケジューラ;
・ユーザが監視制御において適正電圧超過、分岐等での過負荷発生が認識できるように支援を行う。
短絡解析;
・ユーザが監視制御において現行運用条件により遮断器、開閉器の短絡容量を超える可能性が認識できるように支援を行う。
また、図7に示すように、その他機能のアプリケーションは、故障個所の検知と復旧、停電管理、予測、各種指標・レポーティングという機能構成を含む。
故障個所の検知と復旧;
・故障個所の検知と特定、健全停電区間の自動復旧を行う。
停電管理;
・予定作業停止計画を管理する。
・事故停電の管理をする。
予測;
・気象データ、気象予測、その他の補足情報を用い、1時間毎、1日毎、1週間毎、1カ月毎の短期、中期、長期の需要予測を行い、監視制御を支援する。
各種指標・レポーティング;
・API等を用いた技術的データを作成する。
・規則に沿った標準レポートを作成する。
また、図7に示すように、電力NWモデル管理機能のアプリケーションは、電力NWモデル送受信という機能構成を含む。
電力NWモデル送受信;
・このアプリケーションでは、統合NW設備管理サブシステム13の電力NWモデル管理アプリケーションで管理されている電力NWモデルについて、配電監視制御サブシステム12において必要な情報の送受信を実施する。
図5に示す監視制御システムは系統監視制御201と配電監視制御202という2つのサブシステムを備えているが、アプリケーション構成は可能な限り共通となっている。すなわち、図6及び図7に示すように、監視、操作手順表作成・確認、制御(手動・自動)、検知・通報、停止計画管理、電力最適化、系統図表・配電図表管理、系統・配電監視制御アプリ構成管理、訓練シミュレータ、CC用記録統計、電力NWモデルの機能は、共通化されている。これにより、機能の重複開発が防止され、開発コストを抑制することができる。
図5の説明に戻り、統合NW設備管理203は、統合NW設備管理サブシステム13を構成するためのアプリケーションであり、送電系統・配電系統及びこれらの制御対象設備(変電所機器63,64,73,74)の管理業務に必要なシステム機能を提供する。統合NWモデル設備管理203の機能としては、電力NW機器管理機能、電力NWモデル管理機能、その他機能に分けられる。
図8は、統合ネットワーク設備管理203のアプリケーションを示す図である。図8に示すように、電力NW機器管理機能のアプリケーションは、電力NW設備状況データ収集、電力NW設備状況データ照会、構成・設定管理、セキュリティ管理(機器・ユーザ)という機能構成を含む。
電力NW設備状況データ収集;
・このアプリケーションは、監視制御システムが管理対象としている電力ネットワーク上のフィールドデバイスから送信される各種データ(詳細データ)を収集・管理する。
・このアプリケーションは、収集・管理した各種データを複合的に分析し、電力ネットワーク上のフィールドデバイスの異常を検知し、ユーザに通知する。(ヘルスチェック機能)
電力NW設備状況データ照会;
・ユーザは、電力NW設備状況データ収集アプリケーションが収集した電力NW設備状況データを照会する。
構成・設定管理;
・ユーザは、当該アプリケーションにて、監視制御システムが管理対象としている電力ネットワーク上の設備(フィールドデバイスを含む)の構成(インベントリーリスト)と個々の設定を管理する。(モード、オプション、閾値等の設定。有効期間の設定。及び設定変更に伴う影響分析)
セキュリティ管理(機器・ユーザ);
・このアプリケーションは、電力ネットワーク上の設備のセキュリティ(遠隔制御/直接制御の可否等)を設定・管理する。
・このアプリケーションは、ユーザの認証および権限を設定・管理する。また、認証情報(パスワード等)を管理する。
・このアプリケーションは、監視制御システム内に蓄積される文書(ファイル)を管理する。
・このアプリケーションは、監視制御システムおよび監視制御システムが使用しているネットワーク上のセキュリティを管理する。(不正検知、マルウェア対策等)
図8に示すように、電力NWモデル管理機能のアプリケーションは、構成検証、事故記録管理、管理用記録統計、図表管理、電力NWモデル管理という機能構成を含む。
構成検証;
・ユーザは、当該アプリケーションにて、構成・設定管理アプリケーションでデータメンテナンスを行った結果について、対向試験を行う。
・対向試験には、1)システム内でクローズする「内部試験」、2)データ連系を行う送信先システム・装置などの各システム相互間で、監視制御情報、運用情報などの模擬情報を送受信しながら実施する「外部試験」、の2種類がある。
事故記録管理;
・このアプリケーションは、系統監視制御および配電監視制御の検知・通報アプリケーションからの情報を基に、送電系統、配電系統事故の記録を管理する。
・速報性の高い事故通報は、系統監視制御および配電監視制御の検知・通報アプリケーションから行う。ユーザは、当該アプリケーションにて、詳細な事故記録を編集・蓄積し、照会可能とする。また、関連外部システムへ通知する。
管理用記録統計;
・ユーザは、当該アプリケーションにて、管理業務に必要な各種記録・グラフ(定型帳票)の作成・出力を行う。
図表管理;
・このアプリケーションは、管理業務に必要な各種図表データ(各種スケルトン、系統図、充電部確認図等)を管理する。
・このアプリケーションは、NW設備情報および地図情報を外部システム(配電情報管理システム等)より取得し、管理する。
・ユーザは、当該アプリケーションにて、各種図表を照会・出力する。
電力NWモデル管理;
・このアプリケーションは、監視制御システム全体の電力NWモデル(CIMモデル)データを管理する。系統監視制御サブシステム11および配電監視制御サブシステム12で個別管理される電力NWモデルの親として統括する。
また、図8に示すように、その他機能のアプリケーションは、保全データ管理、保全手順書作成・確認、業務系システム連携という機能構成を含む。
保全データ管理;
・このアプリケーションは、機器毎の保全作業の履歴情報を管理する。ユーザは、当該アプリケーションにて、定期保全作業結果を作成・更新、保管、出力する。
保全手順書作成・確認;
・このアプリケーションは、ユーザが、定期保全作業の手順書(現地手順表)を作成・更新、申請・承認、保管、出力するための機能を提供する。
業務系システム連携;
・電力会社の業務系システムで管理している、変電所の設備情報や停止件名の情報について、監視制御系のアプリケーションと連携し、登録情報の照会、入力データへの反映、出力等を行う。
なお、監視制御システムでは、IEC61970、IEC61968で規定されているCIM(Common Information Model:共通情報モデル)に基づき電力NWモデルを管理する。統合NW設備管理サブシステム13が監視制御システム全体の電力NWモデル管理を担う。系統監視制御サブシステム11と配電監視制御サブシステム12は、統合NW設備管理サブシステム13と連携しつつ、それぞれが監視制御対象とする電力NWモデルを管理する。
統合NW設備管理サブシステム13が統合的な電力NWモデルの管理を行うことで、電力NWモデルの管理負荷を軽減することができる。例えば、システム(SCADA/DMS/OMS/EMS、プランニングツール、防護分析ツール等)で個別にモデルの複製と検証を行う手間を軽減することができる。また、一貫した電力NWモデルを保持することで、トポロジーデータの正確性と信頼性を担保することができる。また、電力NWモデル管理のワークフロー化による手作業の軽減を図ることができる。また、電力NWモデルの変更の際の分析スピードを向上させることができる。また、CIMベースで電力NWモデルを一元化することにより、将来的な外部システム連携コストを低減することができる。さらに、電力網のスイッチ状態の履歴照会による電力NWモデル分析能力の向上を図ることができる。
図5の説明に戻り、ユーザインターフェイス210は、監視制御システムSYS−Aとユーザとの間で情報のやりとりをするためのインターフェイスである。監視制御システムSYS−Aは、認証時にユーザの権限セットに基づき、ユーザロールに合致したメニューを提供する。また、監視制御システムSYS−Aは、ユーザ個別の権限により、照会・利用できるメニューやシステム機能に制限する。ユーザの権限セットは、統合NW設備管理サブシステム13のセキュリティ管理(機器・ユーザ)アプリケーションにて管理する。
ユーザインターフェイス210には、系統制御向けメニュー、配電制御向けメニュー、及びその他役割別(ロール別)メニューが設けられている。例えば、ユーザロール別メニューとして、「系統監視制御コントロールセンター用メニュー(指令台用メニュー)」、「配電監視制御コントロールセンター用メニュー(操作卓用メニュー)」、「保全センター用メニュー」、「系統監視制御設備データメンテナンス用メニュー」、「配電完成制御設備データメンテナンス用メニュー」、「システム管理者用メニュー」、「訓練用メニュー」を設けてよい。ユーザインターフェイス210は、監視制御システムSYS−Aで可能な限り共通とする。
外部システム連携220は、監視制御システムSYS−Aが外部システム100と連携するためのアプリケーションである。上述したように、監視制御システムSYS−Aと外部システム100との連携は、IEC61970/61968/62235を採用したリアルタイムサービスバス14又はシステム運用サービスバス111を介して行われる。外部システム100側がこれらのプロトコルに対応できない場合は、個別のゲートウェイ(GW)機能を構築する。また、DX網上にある既存の外部システムと監視制御システムSYS−Aとの連携は、DX連携のHTIF方式IF(UDP/IP)を介して行う。
DX連携機能;
既設の監視制御システムとDX網を介して、HTIF方式IFにて情報連携する。
ICCP情報連携機能;
ICCPを通じて連携が可能な外部システムと情報連携する。
フロントエンドプロセッサ230(コミュニケーション装置連携)は、監視制御システムSYS−Aとコミュニケーション装置側との連携、監視制御システムSYS−Aとコントロールセンター(CC)との間の連携、及びサブシステム間の連携を担う。フロントエンドプロセッサ230は、図1に示すフロントエンドプロセッサ15a,15b(FEP)に相当する。フロントエンドプロセッサ230は、以下の機能を有する。
データ送受信機能;
コミュニケーション装置(ゲートウェイ:なお、フィールドゲートウェイを含んでもよい。)との間で送受信されるデータを集約・配信する。
サーバ拠点間連携(データセンター間連携)機能;
サーバ拠点間(データセンター間)、サブシステム間の情報連携を行う。通信プロトコルはIEC61970もしくはIEC61968もしくはICCP(Inter Control Center Protocol)を用いる。例えば、給電所の系統制御機能のバックアップを配下の制御所オペレータが持つ場合、制御所オペレーターは配電監視制御側202より系統監視制御201側に当データセンター間連携機能を用いて対象コミュニケーション装置の制御権を要求し獲得する。
フォーマット変換;
コミュニケーション装置(GW31,41)からの情報を、国際標準の伝送プロトコル(IEC61970/IEC61968)へ変換する。また、各サブシステム11,12,13からの制御情報を対象となるコミュニケーション装置向けに、所定の伝送プロトコルに変換して送信する。
ゲートウェイ(コミュニケーション装置)240は図1に示すGW31,41に相当する。コミュニケーション装置240は、接続されているTCからの情報を収集し、フロントエンドプロセッサ(コミュニケーション装置連携)230を通じてサーバ側(系統監視制御201、配電監視制御202、統合NW設備管理203)に送信する。また、ゲートウェイ240は、サーバ側からの制御情報に基づき、配下のTCに情報を伝達する(制御する)。ゲートウェイ240の主要機能を以下に示す。
伝送集約機能;
複数のTCからの情報伝送を集約および変換し、監視制御システムSYS−A(監視制御装置10)へ伝送を行う。
データ送受信;
・接続されているTCからの情報を監視制御システムSYS−A(監視制御装置10)へ送信する。
・監視制御システムSYS−A(監視制御装置10)側からの制御情報に基づき、接続されているTCへ制御情報を送信する。
伝送フォーマット変換;
接続されているTCからの情報を、国際標準の伝送プロトコルへ変換する。また、サーバ拠点(データセンター)側からの制御情報を対象となるTC向けに、TCの伝送プロトコルに変換して送信する。
コミュニケーション装置構成制御;
・コミュニケーション装置の構成制御を行う。
・コミュニケーション装置が異常もしくは故障時に自動的に健全側への切替を実施する。
コミュニケーション装置故障管理;
コミュニケーション装置が故障した場合に、上位の監視制御システム(監視制御装置10)へ異常通報を行う。
再送要求管理;
監視制御システム(監視制御装置10)に正常に情報が伝送されなかった場合に再送する。
フィールドデバイスルート管理;
・TCから2ルートで伝送されてくる場合においては、コミュニケーション装置側にてルート管理を行う。
・コミュニケーション装置側からTCへ制御情報を送信する場合において、TCが2ルート受信の場合は両ルートへ送信する。
フィールドデバイス構成制御;
・コミュニケーション装置および接続されているTCの構成制御を管理する。
・サーバ側からの構成制御情報に基づき、構成を更新する。
フィールドデバイス故障管理;
コミュニケーション装置および接続されているTCの故障情報を監視制御システム(監視制御装置10)に通知する。
保守支援;
保守要員が、保守ツールを用いコミュニケーション装置を直接操作する際に必要な機能を提供する。例えば、保守に必要な情報(伝送データ、設備情報/計測情報)の表示、選択による遠隔制御の無効化などである。
その他;
セキュリティ機能、時刻同期機能なども設けられる。
なお、図5においては、フィールドゲートウェイ(図1のFGW62,72)のアプリケーションを示していない。しかし、フィールドゲートウェイは、接続されている遮断器・保護リレーなどの変電所機器からの情報を収集し、フロントエンドプロセッサやゲートウェイを通じてサーバ側(系統監視制御・配電監視制御・統合NW設備管理)に送信する機能、サーバ側からの制御情報に基づき、配下の変電所機器に情報を伝達する(制御する)機能を備えている。フィールドゲートウェイのことを変電所コミュニケーション装置ともいう。フィールドゲートウェイ(変電所コミュニケーション装置)は以下のアプリケーションを備える。
データ送受信機能;
・接続されている遮断器・保護リレーなどの変電所機器からの情報を収集し、定期的に指定されたフォーマット(プロトコルはIEC60870−5−104/IEC61850)でサーバ側へ送信する。
・サーバ側からの制御情報に基づき、接続されている遮断器・保護リレーなどの変電所機器へ制御情報を伝達する。
フォーマット変換;
・接続されている遮断器・保護リレーなどの変電所機器からの情報を、指定されたフォーマットへ変換する。また、サーバ側からの情報を対象となる遮断器・保護リレーなどの変電所機器向けにフォーマット変換する。
フィールドデバイス故障管理;
・接続されている遮断器・保護リレーなどの変電所機器の動作を監視し、故障を検知し、エラー情報を保管する。また、サーバ側へエラー情報を伝達する。
保守支援;
・保守要員が保守ツールを用いて変電所コミュニケーション装置を直接操作する際に必要な機能を提供する。
次に、監視制御システムSYS−Aの通信網上で送受信される情報について説明する。監視制御システムSYS−Aの通信網上で送受信される情報として、監視制御情報、運用情報及びその他の情報がある。監視制御情報は、変電所60,70の構内の機器63,64,73,74や配電線の設備の状況を取得し、それらの設備を制御するための情報であり、系統監視情報と制御情報がある。
系統監視情報は、変電所60,70内で計測されるTM情報、変電所60,70内の変電所機器63,64,73,74の状態(例えば故障、状態変化など)を監視するためのSV情報などがある。制御情報には、変電機器制御情報(監視制御装置10と変電所60,70との間で遠方制御可能な開閉器の入切情報や保護リレーの使用/ロックの情報など)、配電機器監視制御情報(統合NW設備管理サブシステム13から対象の遠方監視制御可能な開閉器の入切情報など)、変電機器状態設定情報(監視制御装置10から対象の変電所60,70に対して状態設定を行うための情報)、変電機器状態要求情報(監視制御装置10から対象の変電所50に対して監視情報や状態設定の状況を要求するための情報)などを含む。
運用情報は、サブシステム11,12,13間で連系するための情報などである。その他の情報は、監視制御情報及び運用情報以外の情報であって、システム起動時のイニシャル処理の情報や、情報送信元への受信確認情報などである。
次に、監視制御システムSYS−A内の通信網上で送受信される国際標準の通信プロトコルに準拠した情報のフォーマット構成について説明する。図9は、データフォーマット構成の一例を示す図である。図9に示すように、情報は、伝送ヘッダ部、データ部、認証部及びFCS(Frame Check Sequence)で構成される。伝送ヘッダ部の構成は、国際標準の通信プロトコルに準拠する。データ部のデータは最大1266バイトである。認証部には認証用データが格納される。FCSはフレームのエラーを検出するためのデータである。
次に、システム側と変電所60,70側との間の情報の伝送制御手順について説明する。図10は、システム側(監視制御装置10)と変電所60,70側との間の情報の伝送制御手順を示すシーケンス図である。図10に示す処理において、監視制御装置10のサブシステムは、制御対象の選択を指令する制御情報(選択指令)を変電所60,70側に送信すると(ステップS1)、GW31,41又はFGW62,72は、制御情報を正常に受信した場合は、制御情報の受信を確認したことを示す受信確認情報(Ok−Ack)をサブシステムに返信する(ステップS2)。なお、GW31,41は、受信した制御情報をTC61,71に送信し、TC61,71は、GW31,41からの制御情報を変電所機器63,73に送信する。また、FGW62,72は、受信した制御情報を変電所機器64,74に送信する。
GW31,41は、TC61,71から制御対象の選択完了を指令する制御情報(選択完了)を受信すると、制御情報(選択指令)を送信したサブシステムに制御情報(選択完了)を送信する。また、FGW62,72は、自身が制御対象の選択を完了した後に、その旨を指令する制御情報(選択完了)をサブシステムに送信する(ステップS3)。サブシステムは、制御情報を正常に受信した場合は、制御情報の受信を確認したことを示す受信確認情報(Ok−Ack)をGW31,41又はFGW62,72に返信する(ステップS4)。
GW31,41又はFGW62,72は、変電所機器63,64,73,74から送信される系統監視情報(SV情報)を受信すると、その系統監視情報(SV情報)を対象のサブシステムに送信する(ステップS5)。また、GW31,41又はFGW62,72は、変電所機器63,64,73,74から送信される系統監視情報(TM情報)を受信すると、その系統監視情報(TM情報)を対象のサブシステムに送信する(ステップS6)。なお、サブシステムは、系統監視情報を受信した場合は、受信確認情報を返信しない。
なお、GW31,41又はFGW62,72及び各サブシステムは、制御情報を正常に受信できなかった場合は、受信確認情報を送信しない。この場合、GW31,41又はFGW62,72及び各サブシステムは、制御情報を送信してから所定時間経過しても受信確認情報を受信しない場合は、再度、制御情報を送信する。
次に、GW31,41及びTC61,71の動作について説明する。図11は、GW31,41及びTC61,71が実行する処理を示すフローチャートである。なお、図11に示す処理は、変電所60,70側からシステム側に系統監視情報が送信される場合の処理である。まず、TC61,71は、例えば定期的に変電所機器63,73から系統監視情報を収集する(ステップS11)。次に、TC61,71は、収集した系統監視情報を通信回線160(TC回線)に伝送可能な情報(CDT又はHDLCの伝送フォーマット形式の情報)に変換する(ステップS12)。このとき、TC61,71がCDTに対応する装置であればCDTの伝送フォーマット形式に変換し、TC61,71がHDLCに対応する装置であればHDLCの伝送フォーマット形式に変換する。そして、TC61,71は、変換した系統監視情報を通信回線160を介してGW31,41に送信する(ステップS13)。
GW31,41は、TC61,72から送信されたCDT又はHDLCの伝送フォーマット形式の系統監視情報を受信すると、受信した系統監視情報を国際標準の通信プロトコルの伝送フォーマット形式の情報に変換する(ステップS14)。そして、GW31,41は、変換した系統監視情報をWAN20を介して対象のFEP15a,15b(つまりサブシステム)に送信する(ステップS15)。
なお、システム側から変電所60,70側に制御情報が送信される場合は、図11に示す情報変換処理と逆の処理が行われる。つまり、GW31,41が国際標準の通信プロトコルのデータ形式の制御情報をCDTまたはHDLCの伝送フォーマット形式の情報に変換し、TC61,71が通信回線160(TC回線)のデータ形式(CDT又はHDLCの伝送フォーマット形式)の制御情報を変電所機器63、73の制御用の情報に変換する。
次に、FGW62,72の動作について説明する。図12は、FGW62,72が実行する処理を示すフローチャートである。なお、図12に示す処理は、変電所60,70側からシステム側に系統監視情報が送信される場合の処理である。まず、FGW62,72は、例えば定期的に変電所機器64,74から系統監視情報を収集する(ステップS21)。次に、FGW62,72は、収集した系統監視情報を国際標準の通信プロトコルの伝送フォーマット形式の情報に変換する(ステップS22)。そして、FGW62,72は、データ変換した系統監視情報を通信回線170又は180(図3及び図4参照)を介してFEP15a,15b(つまりGW31,41又はWAN20)に送信する(ステップS23)。
なお、システム側から変電所60,70側に制御情報が送信される場合は、図12に示す情報変換処理と逆の処理が行われる。すなわち、FGW62,72が国際標準の通信プロトコルの伝送フォーマット形式の制御情報を変電所機器64,74の制御用の情報に変換する。
次に、監視制御システムSYS−Aのネットワーク構成について説明する。図13は、本発明の第1実施形態に係る監視制御システムSYS−Aのネットワーク構成を示す図である。図13に示すように、監視制御システムSYS−Aのネットワーク構成は、二重化された電力制御用IP網(広域IP網)400,410で構成されている。電力制御用IP網400,410は、3箇所のサーバ拠点300,310,320と、店所給電所330と、複数の制御所340,350とを結ぶIP網であって、例えばリング状の光ファイバ回線で構築されている。
サーバ拠点300は図1及び図2のデータセンター1Aに相当し、サーバ拠点310は図2の第1サブデータセンターに相当し、サーバ拠点320は図2の第2サブデータセンターに相当する。また、サーバ301は図1のデータセンター1Aに設けられた監視制御装置10を構成するサーバに相当し、サーバ311は図2の第1サブデータセンター1Bに設けられた監視制御装置を構成するサーバに相当し、サーバ321は図2の第2サブデータセンター1Cに設けられた監視制御装置を構成するサーバに相当する。また、制御所340は図1の制御所30に相当し、制御所350は図1の制御所40に相当する。また、ゲートウェイ(GW)343は図1の制御所30に設けられたGW31に相当し、ゲートウェイ(GW)353は図1の制御所40に設けられたGW41に相当する。なお、図1では、GW31は送電用変電所60のTC61等に接続され、GW41は配電用変電所70のTC71等に接続されているが、図13のGW343は送電用変電所の伝送装置361及び配電用変電所の伝送装置362に接続され、図13のGW353は送電用変電所の伝送装置371及び配電用変電所の伝送装置372に接続されている。
電力制御用IP網400,410における第1光回線400(リング状の外側の光ファイバ回線)上において、サーバ拠点300にルータ302aが設けられ、サーバ拠点310に312aが設けられ、サーバ拠点320にルータ322aが設けられ、それらのルータ302a,312a,322aとサーバ301、311,321がそれぞれ接続されている。また、電力制御用IP網400,410における第2光回線410(リング状の内側の光ファイバ回線)上において、サーバ拠点300にルータ302bが設けられ、サーバ拠点310にルータ312bが設けられ、サーバ拠点320にルータ322bが設けられ、それらのルータ302b,312b,322bとサーバ301,311,321がそれぞれ接続されている。
このように、各サーバ拠点300,310間は、回線障害及び作業による回線停止を考慮し、冗長化を図ったネットワークとされている。なお、監視制御システムSYS−Aに必要なサーバ301,311,321は、それぞれ、1系のサーバと2系のサーバを設けて冗長化(二重化)した構成でもよい。
第1光回線400上において、店所給電所330にルータ331aが設けられ、制御所340に341aが設けられ、制御所350にルータ351aが設けられている。それらのルータ331a,341a,351aは、それぞれ、シンクライアント332a、342a,352aと接続されている。また、制御所340,350のルータ341a,351aは、それぞれ、GW343,353とそれぞれ接続されている。また、第2光回線410上において、店所給電所330にルータ331bが設けられ、制御所340に341bが設けられ、制御所350にルータ351bが設けられている。それらのルータ331b,341b,351bは、それぞれ、シンクライアント332b、342b,352bと接続されている。また、制御所340,350のルータ341b,351bは、それぞれ、GW343,353とそれぞれ接続されている。
GW343は送電用変電所の伝送装置361及び配電用変電所の伝送装置362に接続されている。GW353は送電用変電所の伝送装置371及び配電用変電所の伝送装置372に接続されている。伝送装置361,362,371,372は、TCやFGWに相当する措置である。制御所340,350と送電用変電所及び配電用変電所との間は、既存の通信網を活用し構成する。
なお、図13には示していないが、非常災害時に必要最低限となる情報は、マイクロ波無線回線を用いたバックアップルートで伝送される。
以上に説明したように、本実施形態では、変電所60,70に設けられた複数の変電所機器63,64,73,74を監視制御する監視制御装置10と、複数の変電所機器63,64,73,74と監視制御装置10との間で送受信される情報を中継する中継装置31,41,61,71,62,72と、を備え、中継装置31,41,61,71,62,72は、複数の変電所機器63,73と監視制御装置10との間において、国際標準の通信プロトコルに準拠していない情報と国際標準の通信プロトコルに準拠した情報とを相互に変換して中継する第1中継部31,41,61,71と、複数の変電所機器64,74と監視制御装置10との間において、国際標準の通信プロトコルに準拠した情報を中継する第2中継部31,41,62,72と、を有する。このような構成によれば、国際標準に準拠した設備(変電所機器63,73)と国際標準に準拠していない設備(変電所機器64,74)とを併存した状態で運用することができる。従って、システム構成の変化に柔軟かつ迅速に対応可能な拡張性を持たせること、及び他のアプリケーションとの相互運用性と互換性を確保することが可能となる。また、監視制御装置10は、変電所60,70の設備における国際標準に準拠した設備と国際標準に準拠していない設備とを区別することなく、同じ国際標準に準拠した通信方式で通信することができる。従って、監視制御装置10は通信プロトコルごとの伝送フォーマット形式や伝送手順などを認識する必要がなくなり、監視制御が簡略化されるとともに、システムの開発コストを抑制することができる。
また、本実施形態では、第2中継部31,41,62,72は、複数の変電所機器64,74からの情報を収集して監視制御装置10に送信し、監視制御装置10からの情報を複数の変電所機器64,74に送信するゲートウェイ62,72を含む構成(図3参照)とされている。このような構成によれば、ゲートウェイ62,72(つまりFGW)が直接、監視制御装置10(つまりFEP15a、15b)と接続されているので、既存のシステム構成(GW31,41及びTC61,71)を変更することなく、国際標準に準拠したシステム構成(FGW62,72)を追加することができる。
また、本実施形態では、第2中継部31,41,62,72は、監視制御装置10からの情報を送信し、複数の変電所機器64,74側からの情報を監視制御装置10に送信する第1ゲートウェイ31,41と、第1ゲートウェイ31,41からの情報を複数の変電所機器64,74に送信し、複数の変電所機器64,74からの情報を収集して第1ゲートウェイ31,41に送信する第2ゲートウェイ62,72と、を含み、第1ゲートウェイ31,41は、第1中継部における情報の中継を兼用する(図4参照)。このような構成によれば、第2ゲートウェイ62,72(つまりFGW)が近くの第1ゲートウェイ31,41を介して監視制御装置10(つまりFEP15a、15b)と接続されているので、通信回線の敷設が容易となり、システム構成を確実に実現することができる。
<第2実施形態>
上記した第1実施形態では、監視制御装置10はデータセンター1A,1B,1Cに設けられていた。これに対し、第2実施形態では、監視制御装置はデータセンター1A,1B,1Cだけでなく、制御所にも設けている。
図14は、本発明の第2実施形態に係る監視制御システムSYS−Bの構成を示すシステム構成図である。図14に示す監視制御システムSYS−Bは、制御所30にGW35が設けられ、制御所40にGW45が設けられている。GW35,45は、上記第1実施形態におけるGW31,41と同じ構成である。GW35,45には、それぞれ、監視制御装置36,46が内蔵されている。監視制御装置36,46は、上記第1実施形態における監視制御装置10と同じ構成である。すなわち、監視制御装置36,46は、系統監視制御サブシステム、配電監視制御サブシステム及び統合NW設備管理サブシステムを備えている。なお、図14において、図1に示した構成と同一構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。また、図14では、制御所50のGW51や配電設備80、オペレーションサービスバス110、システム運用サービスバス111、外部システム100を省略している。
監視制御装置36,46は、GW35,45を通過する情報、すなわち、監視制御装置10と変電所60,70の設備(61〜64、71〜74)との間でやり取りされる情報を受信してデータベース(図示せず)に格納する。これにより、制御所30,40のオペレータは、監視制御装置10において故障などの異常が発生した時に、制御所30,40が管轄する監視制御装置36,46を用いて監視制御システムSYS−Bの運用を継続することができる。なお、上記の第2実施形態では、制御所30,40に設けられたGW35,45の端末内に監視制御装置36,46の機能を持たせていたが、制御所30,40に設けられた監視制御装置内にGWの機能を持たせてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態では、上記した第1及び第2実施形態に示す監視制御システムSYS−A,SYS−Bと異なる構成の監視制御システムを示す。
図15及び図16は、本発明の第3実施形態に係る監視制御システムの構成を示すシステム構成図である。第3実施形態の監視制御システムは、発電及び配電設備501、変電所/配電自動化装置502、フィールドデバイス503、メータリングサブネット504、及びその他のコントロールセンター505を備えている。これらの装置は、国際標準に準拠した通信網であるユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500(MPLS/IP)に接続されている。ユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500は、図1及び図14のWANに相当する。
発電及び配電設備501は、図1及び図14におけるTC61,71の配下の変電所機器63,73に相当する。変電所/配電自動化装置502も、図1及び図14におけるTC61,71の配下の変電所機器63,73に相当する。フィールドデバイス503は、図1及び図14におけるFGW62,72の配下の変電所機器64,74に相当する。メータリングサブネット504は、各需要家における電力量に関する情報を送信する部分である。各需要家において、電力をデジタルで計測する電力量計内に通信機能を持たせたもの(スマートメータ(登録商標))が設けられている。メータリングサブネット504は、電力量計からの電力量に関する情報をユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500を介してDER最適化543やAMI NMS554に送信する。その他のコントロールセンター505は、需要家、他の電力会社などのコントロールセンターである。
また、監視制御システムは、コントロールセンターオペレーション541を備えている。コントロールセンターオペレーション541は、ICCPゲートウェイ521、SCADAゲートウェイ522、IEC61850ゲートウェイ523、SCADA542、DER最適化543、エネルギー管理システム(EMS)544、及びDMS/OMS545を備えている。ICCPゲートウェイ521、SCADAゲートウェイ522、IEC61850ゲートウェイ523、SCADA542、エネルギー管理システム(EMS)544、及びDMS/OMS545は、リアルタイムリアルタイムサービスバスバス550に接続され、これらの装置はリアルタイムサービスバス550を介して情報の送受信を行う。
ICCPゲートウェイ521は、IEC60870−6−TASE−2の通信プロトコルの通信回線でユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500に接続されている。SCADAゲートウェイ522は、DNP3/IEC60870−5−104/OPCの通信プロトコルの通信回線でユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500に接続されている。IEC61850ゲートウェイ524は、IEC61850の通信プロトコルの通信回線でユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500に接続されている。ICCPゲートウェイ521、SCADAゲートウェイ522、及びIEC61850ゲートウェイ523は、図1及び図14におけるGW31,41に相当する。SCADA542は図1及び図14における監視制御装置10の系統監視制御サブシステム11及び配電監視制御サブシステム12が有するSCADA機能に相当する。リアルタイムサービスバス550は図1及び図14におけるリアルタイムサービスバス14に相当する。なお、図15ではFEP15a,15bに相当する構成は示していない。
DER最適化543(DER; Distributed Energy Resource)は、分散型エネルギー資源の電力需給の最適化を行う部分である。DER最適化543は、メータリングサブネット504からの電力量に関する情報を受信し、受信した電力量に関する情報を用いて、需要予測を行う。そして、DER最適化543は、需要予測に基づいて、分散型エネルギー資源の電力需給が最適となるように発電及び配電施設501や変電所/配電自動化装置502の制御を行う。EMS544は、系統監視制御サブシステム11が有するEMS機能に相当する。DMS/OMS545は、配電監視制御サブシステム12が有するDMS機能及びOMS機能(OMS; Outage Management System;停電管理システム)に相当する。DER最適化543、EMS544及びDMS/OMS545は、オペレーションサービスバス600及びシステム運用サービスバス610に接続されている。オペレーションサービスバス600は図1のオペレーションサービスバス110に相当し、システム運用サービスバス610は図1のシステム運用サービスバス111に相当する。
また、監視制御システムは、ネットワーク設備管理551を備えている。ネットワーク設備管理551は、図1及び図14における統合NW設備管理サブシステム13に相当する。ただし、図15に示すネットワーク設備管理551は、監視制御装置10とは異なる装置として配置されている。ネットワーク設備管理551は、61850SCLゲートウェイ525、SNMPゲートウェイ526、専用ゲートウェイ527、CNMS552、機器/構成管理553、及びAMI NMS554を有している。61850SCLゲートウェイ525、SNMPゲートウェイ526、専用ゲートウェイ527は、ユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500に接続されている。CNMS552及び機器/構成管理553は、61850SCLゲートウェイ525、SNMPゲートウェイ526、専用ゲートウェイ527と接続されている。
CNMS552は、ネットワークを管理するネットワーク管理システムである。機器/構成管理553は、統合NW設備管理サブシステム13が有する構成・設定管理機能に相当する。AMI NMS554(AMI; Advanced Metering Infrastructure、NMS; Network Management System)は、ユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500、及びシステム運用サービスバス610に接続され、メータリングサブネット504からの電力量に関する情報をユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500を通じて受信し、受信した電力量に関する情報をシステム運用サービスバス610を通じてAMI581に送信する。
ユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500とオペレーションサービスバス600及びシステム運用サービスバス610とは、デバイス専用ゲートウェイ524を介して接続されている。例えば、フィールドデバイス503の配下のセンサなどのデバイスの情報は、コントロールセンターオペレーション541やネットワーク設備管理551を介さずに、直接、デバイス専用ゲートウェイ524を介してデータウェアハウス567に格納することができる。
ユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500とオペレーションサービスバス600及びシステム運用サービスバス610とは、ビデオゲートウェイ528を介して接続されている。変電所の中に設けられた監視カメラ(例えば、フィールドデバイス503の配下の監視カメラ)の画像情報は、ビデオゲートウェイ528を介してデータウェアハウス567に格納し又は所定の端末で監視することができる。ユーティリティ・コミュニケーション・ネットワーク500とオペレーションサービスバス600及びシステム運用サービスバス610とは、FTPゲートウェイ529を介して接続されている。変電所には設定情報を書き込み可能な設定装置(例えば何アンペアで動作させるなどの設定を行う装置)が設けられ、その設定装置に対する設定情報は、FTPゲートウェイ529(FTP; ファイル・トランスファー・プロトコル)を介して所定の端末から設定装置に送信することができる。
監視制御システムは、エンジニアリングとプランニング561を備えている。エンジニアリングとプランニング561は、図1における外部システム100のツール104に相当する。エンジニアリングとプランニング561は、ネットワークプランニング562、ビジュアライゼーション563(可視化)、パフォーマンス分析564、実績データ565、保護及び故障調査566、データウェアハウス567を有している。
監視制御システムは、参照情報571を有している。参照情報571は、図1及び図14における監視制御装置10が備えるデータベースに相当する。参照情報571は、電力供給網、トポロジー、インピーダンス、定格、CIMモデルなどの情報を記憶する。
監視制御システムは、システム運用サービスバス610に接続されたAMI581、OMS582及びマーケットオペレーション583を備えている。AMI581は、メータリングサブネット504からの電力量に関する情報を収集し、収集した情報を管理する。
リアルタイムサービスバス550とエンタープライズサービスバス601とは、アプリケーション間のメッセージの連携を行うためのアプリケーション間連携701を介して接続されている。システム運用サービスバス610とエンタープライズサービスバス601とは、アプリケーション間のメッセージの連携を行うためのアプリケーション間連携702を介して接続されている。アプリケーション間連携701,702は、例えばミドルウェアで構成される。アプリケーション間連携701,702は、それぞれ、図1のアプリケーション間連携101,102に相当する。また、人的リソースマネジメント602、アセットマネジメント603、地理情報システム604、顧客情報システム611、カスタマーポータル612及び自動音声応答613がエンタープライズサービスバス601に接続されている。人的リソースマネジメント602、アセットマネジメント603、地理情報システム604、顧客情報システム611、カスタマーポータル612及び自動音声応答613は、図1における外部システム100のツール104に相当する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更又は改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態を適宜組み合わせて適用することも可能である。
例えば、データセンターは3箇所に限定されず、1箇所であっても、2個所や4箇所以上(例えば10箇所)であってもよい。この場合も、データセンターのそれぞれに監視制御装置が設けられ、それらの監視制御装置に所定の機能が割り当てられる。また、監視制御装置10は、データセンターではなく給電所などに設けられてもよい。
また、図1等に示すシステム構成では、GW31,41は制御所30,40に配置していた。しかし、そのような構成に限定されず、GWの設置スケジュールやコスト、及び災害対策等を考慮し、最適な設置場所(制御所、変電所、その他)に設置してもよい。
また、図9に示した情報のフォーマット構成や図10に示した伝送手順も一例であって、他のフォーマット構成や伝送手順であってもよい。また、図1等においてGWは制御所に1つだけ設けられている構成を示していたが、GWが制御所に複数設けられている構成でもよい。