JP5398349B2 - 樹脂被覆金属粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、金属粒子の樹脂被覆物の製造方法に関する。より詳しくは、チオール化合物を用い金属粒子表面を処理し、さらに単量体との重合を行なうことにより樹脂層により被覆された樹脂被覆金属粒子の製造方法に関する。
近年、核となる粒子(以下「核粒子」という)の表面を樹脂層で被覆してカプセル化した粒子、いわゆる樹脂被覆粒子は、例えば、顔料、接着剤、トナー、化粧料などの用途に用いられている。近年、このポリマー被覆粒子を、ポリマーで被覆された金属粒子や金属メッキ粒子、異方導電性粒子、ボンド磁石用磁性粒子、液晶表示装置用スペーサー粒子、放熱材料用充填粒子などとして、光学材料や電子材料に関連する分野で利用する試みが盛んに行われている。金属粒子の表面を樹脂層で被覆してなる樹脂被覆金属粒子は、樹脂層の被覆によってもたらされる絶縁性や帯電性等の特性を利用し、例えば、電子写真法による電極パターン形成に用いられる銅等の金属トナーや、導電性接着剤に用いる導電性フィラーなどとして用いられており、光学材料関連分野や電子材料関連分野の用途における需要が高まっている。
従来、粒子の表面を樹脂層で被覆して樹脂被覆粒子を得る方法としては、例えば、マイクロハイブリダイゼーション法やマイクロカプセル化法が知られているが、生産性が良く物性調整の容易な製造方法として懸濁重合法が注目を集めている。懸濁重合法は、微粒子をモノマー溶液に懸濁させ、液滴を重合することにより、微粒子の表面をポリマー層で被覆してなるポリマー被覆複合微粒子を製造する方法である。特許文献1では、金属粒子表面へ重合性基を導入し、懸濁重合を行なうことによりポリマー被覆銅粉が得られている。しかしながら、懸濁重合法では水や界面活性剤を使用するため、銅塩の生成や該塩による樹脂被覆金属粒子は外観が変色、さらには水との接触による金属の酸化が問題となる場合があった。
特開2006−22384号
上記従来技術では溶媒として水の使用が必須であり、さらに界面活性剤の添加が必要であるため、金属粒子が界面活性剤との塩形成による変質や水との接触により酸化される場合がある。そこで、本発明が解決しようとする課題は、金属粒子を核とし金属が酸化や変質することなく、重合体を被覆する樹脂被覆金属粒子および粉砕物の製造方法を提供する。
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った。第1の課題である金属粒子の界面活性剤による変質および水との接触による酸化を防止するため、各種界面活性剤を検討したが、金属粒子の変質を改善することは難しく、実用可能な樹脂被覆金属粒子の合成は困難であることが判明した。続いて水が実質的に存在しない条件として有機溶媒下で重合反応を行なった結果、全体が固化してしまい粉砕困難な硬化物が得られることが判明した。さらに検討を行った結果、多官能重合性単量体および特定の非重合性化合物存在下で重合反応を行なうことにより、酸化され難く、かつ粉砕容易な樹脂被覆金属粒子が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、樹脂被覆金属粒子の製造方法であって、
工程(A):金属粒子を多官能チオール化合物で表面処理する工程、
工程(B):該多官能チオール化合物で表面処理した金属粒子をチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体とを反応させ該金属粒子表面に重合性二重結合を導入する工程、
工程(C):多官能チオール化合物とチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体とを反応させて多官能重合性単量体を生成させる工程、
工程(D):多官能重合性単量体を添加する工程、
工程(E):常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化合物を添加する工程、のうち
工程(A)、(B)、(C)、(E)または、工程(A)、(B)、(D)、(E)を必須とする樹脂被覆金属粒子の製造方法である。
本発明の製造方法を用いることにより、金属粒子が酸化されることなく、任意の組成、量の樹脂で被覆された樹脂被覆金属粒子を製造することができる。また該製造方法によって得られる樹脂被覆金属粒子は粉砕が容易であり、生産性に優れる。また任意の単量体、組成、量の樹脂を用いることが可能なため、各種用途に応じ様々な表面特性を有する樹脂被覆金属粒子を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。なお本発明の樹脂被覆金属粒子は場合によっては金属と樹脂の組成物とも解釈できるが、本発明では樹脂被覆金属粒子組成物についても用語を統一し樹脂被覆金属粒子と称する。
すなわち、本発明は、樹脂被覆金属粒子の製造方法であって、
工程(A):金属粒子を多官能チオール化合物で表面処理する工程、
工程(B):該多官能チオール化合物で表面処理した金属粒子をチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体とを反応させ該金属粒子表面に重合性二重結合を導入する工程、
工程(C):多官能チオール化合物とチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体とを反応させて多官能重合性単量体を生成させる工程、
工程(D):多官能重合性単量体を添加する工程、
工程(E):常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化合物を添加する工程、のうち
工程(A)、(B)、(C)、(E)、または、工程(A)、(B)、(D)、(E)を必須とする樹脂被覆金属粒子の製造方法である。
好ましくは
工程(F):有機溶媒中で単官能重合性単量体の存在下に重合する工程
を有する樹脂被覆金属粒子の製造方法である。
好ましくは前記工程(E)の常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化合物が、炭素数8〜32の直鎖または分岐または環構造でも良い炭化水素化合物、または炭素数8〜32の直鎖または分岐または環構造でも良い炭化水素化合物の一部の水素原子がフッ素、カルボン酸、アルコール、エステル、エーテルまたはアミド、シリル、チタニルで置換された化合物であり、その添加量が、金属粒子に対して0.001質量%以上2質量%以下である樹脂被覆金属粒子の製造方法である。
好ましくは不活性ガス雰囲気下、反応溶媒として有機溶媒を使用する。
好ましくは金属粒子が、該金属の酸化物の298Kにおける標準生成エネルギー(−ΔG)が60000cal/mol−O2以上の易酸化性金属の粒子である。
[工程(A)]
本発明の工程(A)は金属粒子を多官能チオール化合物で表面処理する工程である。本発明の金属粒子は、銅より易酸化性の金属、すなわち、「金属データハンドブック改定3版」社団法人日本金属学会編、丸善 発行H12.10.10.中p.96記載の図a.酸化物の標準生成エネルギー温度図およびp.86−95記載の表のΔHとSの値より求めた該金属の酸化物の298Kにおける標準生成エネルギー(−ΔG)が、60000cal/mol−O2より大きい金属を含む粒子が好ましい。また、このような易酸化性の金属を表面に有する複合粒子: 易酸化性金属と金属酸化物からなる粒子、金属酸化物粒子表面の少なくとも一部が易酸化性金属で覆われたもの、有機粒子や無機粒子の表面が易酸化性金属で覆われたものも好ましい実施形態である。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
たとえば、コバルト、銅、鉄、亜鉛、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、アンチモンおよびタングステン等の卑金属、あるいは、貴金属と卑金属との合金などの粒子や各種樹脂粒子、無機粒子および金属酸化物粒子等の表面に、上記易酸化性金属によるメッキを施した粒子(いわゆる、金属メッキ粒子)などが挙げられる。
これらの中で特に好ましくは、銅または鉄の単独粒子、または銅または鉄を5質量%以上含む合金粒子である。
前記金属粒子の粒子径は、得られる樹脂被覆金属粒子の用途を考慮して適宜設定すればよい。本発明においては、例えば、0.01μm〜1000μm、好ましくは0.1μm〜1000μm、より好ましくは0.5μm〜500μm、最も好ましくは、1μm〜300μmの粒子径を有する金属粒子である。
前記多官能チオール系化合物は、チオール基を2以上有する化合物であり、好ましくはトリアジンジチオール化合物、および下記一般式(1)で示す化合物:
Figure 0005398349
(ここで、R1はn価の有機基、R2は二価の有機基、mは0または1、nは2〜8の整数を表す。)
かかる多官能ポリチオール化合物の具体例としては、エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン等のアルキレンジチオール類;1,3−シクロペンチレンジチオール、1,4−シクロヘキシレンジチオール等のシクロアルキレンジチオール類;ベンゼン−1,3−ジチオール、ベンゼン−1,4−ジチオール等のアリーレンジチオール類;p−キシレン−α、α’−ジチオール等のアリールアルキレンジチオール類;メタントリチオール、1,2,3−プロパントリチオール等のアルキルトリチオール類;1,3,5−ベンゼントリチオール等のアレーントリチオール類;ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、等のテトラチオール類、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート等のヘキサチオール類;トリペンタエリスリトールオクタキスチオグリコレート等のオクタチオール類、等が挙げられる。
また、昭和電工(株)より販売されているカレンズMTの商品名で販売されているジチオール(BD)やトリチオール(NR1)やテトラチオール(PE1)等も使用できる。
トリアジンチオール化合物としては、トリアジン骨格を有し分子内にチオール基を2個以上有する化合物であれば、限定されないが、例えば、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(トリアジントリチオール)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムや、下記一般式(2)
Figure 0005398349
(式(2)中、Rは、チオール基、アニリノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジラウリルアミノ基、オレイルアミノ基、フェニルアミノ基、またはステアリルアミノ基を表し、M1およびM2は、それぞれ独立して、水素原子、Li、Na、K、1/2Mg、または1/2Caを表す。)で表される化合物である。
これらトリアジンチオール化合物は、具体的には、例えば、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(トリアジントリチオール)、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン)が挙げられる。
これらの中でも特に、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(トリアジントリチオール)、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が好ましい。多官能チオール化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記金属粒子を多官能チオール化合物で表面処理する際の処理方法としては、例えば、多官能チオール化合物を溶剤に溶解もしくは分散させ、その中に金属粒子を加えて常温下または温度調整下で攪拌するといった方法等を採用することができる。前記金属粒子を多官能チオール化合物で表面処理する条件には、多官能チオールの種類や分子量、金属粒子の種類や粒子径および該金属と多官能チオール化合物との反応速度により、適宜調整可能である。多官能チオール化合物の使用割合は、金属粒子との合計質量に対して0.1〜20質量%となるようにすることが好ましい。好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。多官能チオール化合物が20質量%より多い場合には未反応の多官能チオール化合物が多く残存し、後述の工程(C)や工程(D)にて調整のための洗浄等が必要となる場合がある。一方、0.1質量%より少ない場合には、チオール基の導入量が不充分となったり、後述の工程(C)を十分に実施できない場合がある。
[工程(B)]
本発明の工程(B)は多官能チオール化合物で表面処理した金属粒子をチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体(以下単に「反応性単量体」と称する場合がある)とを反応させ該金属粒子表面に重合性二重結合を導入する工程である。この重合性反応基導入金属粒子は、多官能チオール処理金属粒子が有するチオール基に前記反応性単量体が反応することで金属粒子に多官能チオール化合物由来の構造を介して前記反応性単量体が付加し、その表面に重合性反応基を導入することができる。
前記チオール化合物と反応し得る官能基はチオール基と反応する官能基であればよく、具体的にはエポキシ基、アリル基、ビニルエーテル基、イソシアナート基等が挙げられる。これらの中でもエポキシ基が特に好ましく用いられる。
前記重合性反応基はラジカル重合で用いることができる反応基は、好ましくはエチレン性不飽和基が用いられる。特に好ましくはアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイン酸由来の不飽和基、芳香族ビニル基、シアン化ビニル基、最も好ましくはアクリロイル基、メタクリロイル基である。
反応性単量体としては異種重合性単量体や多官能アリル化合物を用いることができる。具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、多官能アリル化合物、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)、メタクリル酸2−ビニロキシエチル(VEM)、アクリル酸2−ビニロキシブチル(VBA)、メタクリル酸2−ビニロキシブチル(VBM)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEM)、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルが好ましく用いられる。より好ましくはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルアセテート、アリル(メタ)アクリレート、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)、メタクリル酸2−ビニロキシエチル(VEM)、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEM)であり、最も好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレートである。反応性単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
工程(B)の反応条件はチオール基とチオール化合物と反応し得る官能基が反応するよう設定され、溶媒としては、工程(A)で用いた有機溶媒をそのまま用いることもできる。また工程(A)の反応液に同種、および/または別種の有機溶媒をさらに添加しても良い。反応温度は、室温から溶媒の沸点までの範囲内で適宜設定することが可能であり、室温から110℃、好ましくは、室温から80℃である。最も好ましくは、40℃から80℃である。
[工程(C)]
本発明の工程(C)は多官能チオール化合物とチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体(以下単に「反応性単量体」と称する場合がある)とを反応させて多官能重合性単量体を生成させる工程である。多官能チオール化合物は前記工程(A)で例示した多官能チオール化合物を用いることができる。好ましくは前記工程(A)で未反応の多官能チオール化合物を洗浄等を行なわず、そのまま用いることができ、残存している多官能チオール化合物が不十分である場合には、同種および/または別種の多官能チオール化合物を追加添加することもできる。
多官能チオール化合物およびチオール基と反応し得る反応性単量体を反応させる際には、それぞれの使用割合は、特に限定されない。多官能チオール化合物の使用量は、多官能チオール化合物のチオール当量に対し1/2当量以上が好ましく、さらに好ましくは、1当量以上である。反応条件は工程(B)と同様の範囲が好ましい。
工程(C)に用いる反応性単量体は工程(B)で用いた反応性単量体を用いることができ、好ましくは前記工程(B)で未反応の反応性単量体を洗浄等を行なわず、そのまま用いることができ、同種および/または別種の反応性単量体を追加添加することもできる。
多官能チオール系化合物と反応し得る反応性単量体が、多官能チオール化合物と反応せずに残ったものを重合後に被覆樹脂成分とする場合(工程(C)を採用した場合)には、多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体は、多官能チオール化合物の当量に対して、過剰量の仕込みをしても良い。また、工程(A)(B)(C)を同時に行ない多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体との反応後にさらに任意の単量体を加えて重合することにより、共重合樹脂被覆金属粒子組成物とすることもできる。この場合も、重合組成により任意に多官能チオール化合物および多官能チオール化合物と反応し得る有機化合物を使用できるが、多官能チオール化合物は、金属表面との反応分と、金属と反応していない多官能チオール化合物と多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体とが反応して必要量の多官能性単量体を形成するためのそれぞれの化合物の使用量が必要となる。
この必要最少量は、使用する金属粒子の種類、粒子径(総表面積)によって、大きく異なるが、適時反応液のサンプリングを行い、GPCによって、多官能チオール化合物、多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体、多官能チオール化合物と多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体とが反応して生成された多官能性単量体のピークを検知することによって、それぞれの化合物の残存量、生成量をモニターすることができる。多官能チオール化合物とチオール化合物と反応し得る反応性単量体とが反応して生成された多官能性単量体は、分子量数百に現れてくる。これらは、多官能チオール化合物1分子に多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体が2分子ないし、2分子以上付加している必要があるが、このような化合物は上記条件により生成する。
例えば、多官能チオール化合物としてトリメルカプトトリアジン(TMT)0.2gをメタノール20gに溶解し、多官能チオール化合物と反応し得る反応性単量体としてグリシジルメタクリレート(GMA)を使用してメタノール中で室温から60℃で反応させたときのGPCチャートによると、初めはTMTとGMAの2つのプラス側の鋭いピークがあるが、30〜90分後には、明瞭に、さらに分子量数百程度の高分子量側に新しい鋭いピークが現れ、これをLC−MASSで観測したところ、その示す分子量により、TMTにGMA2分子付加したものの分子量のものと、TMTにGMA3分子付加したものの混合物であることが確認できた。また、このピークは、重合時に消失して行くことからも重合性のあるものであることが確認でき、多官能性単量体であることが確認できた。

[工程(D)]
本発明では多官能重合性単量体を添加することも可能である。多官能重合性単量体は、好ましくは疎水性や官能基含有の多官能(メタ)アクリレート類やその他の多官能重合性単量体を用いることができる。工程(C)を有さない条件の場合には工程(D)は必須となる。つまり本発明では多官能重合性単量体が必須であり、後述の工程(E)の非重合性化合物との併用により本発明の効果の1つである易粉砕性が達成できる。
すなわち、工程(D)の多官能重合性単量体の具体例としては、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタンー1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレート、等の2官能(メタ)アクリレート化合物;ジビニルベンゼン;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンポリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物、などの(メタ)アクリル酸系誘導体; が挙げられる。これらの多官能重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの多官能重合性単量体のうち、多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物が好適である。多官能重合性単量体の添加量は、金属粒子、多官能チオール化合物および反応性単量体との合計量に対して、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.005〜3質量%である。もっとも好ましくは、0.01〜2質量%である。

[工程(E)]
本発明では常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化合物を添加する工程を必須工程として有する。本発明は工程(C)または工程(D)の多官能重合性単量体と工程(E)の非重合性化合物の組合せに最大の特徴を有する。すなわち多官能重合性単量体と分子量100以上1000以下の非重合性化合物を用いた場合にのみ、良好な粉砕性を有する樹脂被覆金属粒子が得られる。多官能重合性単量体は架橋成分として機能し、場合によっては金属粒子間の架橋をも促進するにもかかわらず、分子量100以上1000以下の非重合性化合物の添加により良好な粉砕性能を有し、単独粒子または任意の凝集粒子が得られることは従来技術には見られない特徴である。
本発明での常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化合物の添加量は、金属粉に対して0.001質量%以上2質量%以下、好ましくは0.005質量%以上1質量%以下である。
このような化合物としては、炭素数8〜32の直鎖または分岐または環構造でも良い炭化水素基またはその水素の少なくとも一部がフッ素で置換されている基を有する酸、アルコール、エステル、エーテルまたはアミド、油脂類、鉱物油;炭素数8〜32以上の直鎖または分岐または環構造でも良い炭化水素基またはその水素の少なくとも一部がフッ素で置換されている基を有する各種カップリング剤(シラン系、チタネート系)等;HLB6以上の疎水性の非イオン性界面活性剤、シリコーン油等がある。
具体的には、ステアリン酸、ラウリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、油剤(やし脂肪酸メチル等)、マシン油等の鉱油類、疎水性基を有する各種カップリング剤(シラン系、チタネート系、ジルコアルミネート系)や疎水性有機溶媒に溶解するHLB値が0〜9、好ましくは0〜6の界面活性剤である。
これら疎水性の低分子量化合物は、重合生成物の器壁や攪拌翼への付着の防止や重合生成物同士の乾燥後の強固な固化を防止する優れた効果を有し、乾燥後の生成物の粉砕時に最大の効果を有する。つまり、この添加剤が無い場合には、樹脂被覆であっても、乾燥により生成物は相互に強固に固着してしまい、粉砕不可能となることが多い。強力な粉砕を行えば細粒子化は可能であると考えられるが、この場合は、金属粒子と樹脂との間で剥離が起こり、一度樹脂で覆われた金属表面が再度露出するおそれがあり、好ましくない。この添加剤は、重合後の樹脂被覆金属粒子間に挟まることによって、樹脂被覆金属粒子同士の相互作用を減少させ、さらさらと砂のように保つとともに、乾燥による強固な固着を阻止し、比較的弱い力による粉砕で容易に細粒化できることになるものと考えられる。
[工程(A)〜(E)]
本発明では上記工程中、工程(A)、(B)、(C)、(E)または、工程(A)、(B)、(D)、(E)を必須とする樹脂被覆金属粒子の製造方法である。各工程は逐次に行ったり、別々に行ったり、すべて同時に行うこともでき、順番についても適宜変更することが可能である。本発明は不活性ガス雰囲気下で反応を行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気で反応を行なうことにより、金属と空気中の酸素や水との接触を避け、原料金属粒子の表面の酸化を防止することが可能となる。また各工程は有機溶媒を用いて行うことが可能である。使用可能な有機溶媒としては、メタノールおよび/または疎水性の炭化水素系溶媒が挙げられる。
[工程(F)]
本発明では重合工程で使用する単官能重合性単量体としては、ビニル系重合体と共重合可能なものである限り、特に限定されるものではなく、疎水性単官能重合性単量体、極性官能基含有単官能重合性単量体がある。また、極性官能基単官能重合性単量体のなかでも最終的に得られる樹脂被覆金属粒子に反応性基を含有させたい場合には、反応性基含有単官能重合性単量体を使用してもよい。また、これらは、必要により自由に組み合わせて使用することができる。
このうち、疎水性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロメチルスチレンなどのスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどの各種フッ素化(メタ)アクリレート、等の1官能(メタ)アクリレート化合物;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸エステル系単量体;フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどのフマル酸エステル系単量体;などが挙げられる。
これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
極性基官能基含有単官能単量体としては、アクリロニトリル;酢酸ビニル、メチルビニルメチルケトン、ビニルエチルエステル、ビニルエチルケトン、酢酸アリル;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート;4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、などの1,3−ジオキソラン系単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン;N−ビニルピロリドン;(メタ)アクリルアミド;などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
さらに、これら極性基含有単官能性単量体のなかでも、最終的に得られた樹脂被覆金属粒子に反応性を付与する反応性基を有する単官能性重合性単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アリルクロライド、ビニルクロリドなどの重合性化合物、アクリルアミド、アリルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルアルコール、アリルイソシアネート、N−ビニルホルムアミド;などが挙げられる。
これらの単官能性重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの重合性単量体のうち、(メタ)アクリル系エステル化合物が好適である。
これら単官能重合性単量体の使用量は、金属粒子の合計量に対して、好ましくは1〜200質量%、より好ましくは1〜100質量%である。もっとも好ましくは、1〜50質量%である。重合性単量体の配合量が200質量%を超えると、生成後の粉体に金属粒子が含まれていない粒子も生成するため好ましくない。適正な使用量については、金属被覆粒子の粒子径やその用途によって適宜調整する必要がある。
単官能重合性単量体を用いる場合には使用単官能性重合性単量体の重合後の線状生成ポリマーが常温で溶解しない有機溶媒が全溶媒の少なくとも40質量%以上含む有機溶媒であれば、特に限定はされない。好ましくは全溶媒の質量の40質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは、50質量%以上100質量%以下である。最も好ましくは、80質量%以上100質量%以下である。
このうち、該有機溶媒としては、代表的にはメタノールおよび/または疎水性の炭化水素系溶媒が挙げられるが、ほかにヘキサン、シクロペンタン、ペンタン、イソペンタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミニルサクワレン、石油エーテル、テルペン、ケロシン等の炭化水素類などをあげることができる。また、重合後の線状生成ポリマーが常温で溶解しない有機溶媒以外の溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;等が使用可能である。これら、各工程において使用する溶媒中の水分については、出来るだけ含有しないことが好ましい。これらの有機溶媒は、必要に応じて、不活性ガスにより溶存酸素量を減らすとともに、さらに脱水剤を用いて脱水したものを使用するのがより望ましい。洗浄時の溶媒についても同様である。特にメタノールやエタノールの場合には、若干の水が含まれている場合があるが、必要により脱水剤等を使用して脱水してもよい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、最終的に乾燥による溶媒除去を考えた場合は、高沸点の溶媒の使用は避けることが好ましい。前記溶媒中の前記単官能重合性単量体の濃度は、80重量%以下が好ましく、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。濃度が高すぎると全体の凝集や、反応容器器壁や攪拌翼への著しい付着を生じたりする場合がある。また、重合性単量体濃度は、5重量%以上であることがこのましく、さらに好ましくは、10重量%以上である。重合性単量体濃度が低いと、重合性が低下したり、重合の完了に時間が掛かり好ましくない。
重合性単量体は、重合反応を開始するまでに一括添加する方法で溶媒中に存在させておいてもよいし、重合反応を行いながら連続添加や分割添加等の逐次添加する方法で溶媒中に存在させるようにしてもよいが、一括添加する方法を採用することが、相対的に高いモノマー濃度での開始による高分子量化と架橋効率の向上および、重合率を高めることができる等の点で好ましい。重合開始剤も初期に溶媒中に一括添加する方法で用いることがより好ましい。重合開始剤については、残存モノマーの低減のための重合後期での追加添加ということも可能である。
前記重合を行う際の反応温度は、限定はされないが、例えば、40〜90℃とすることが好ましく、より好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは50〜70℃である。特に溶媒の全部または殆どがメタノールである場合には、メタノールの沸点である約64℃により近づいた温度となり、溶媒を還流しながらの重合となってもよい。また、反応時間も、限定はされないが、例えば、1〜24時間とすることが好ましく、より好ましくは3〜12時間、さらに好ましくは3〜8時間である。なお、前記重合は、撹拌下で行うようにすることが好ましい。
本発明では重合開始剤の添加により、重合反応を行なうことが好ましい。好ましく用いられる重合開始剤は例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセテートペルオキシド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、スクシン酸ペルオキシド、m−トルオイルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシソブチレート、t−ブチルペルオキシマレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルペルオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルペルオキシド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの有機過酸化物系開始剤;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]などのアゾ系開始剤;などが挙げられる。これらの熱重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの熱重合開始剤のうち、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ベンゾイルペルオキシドなどの金属石鹸および/またはアミン化合物などの触媒作用により効率的にラジカルを発生させることができる化合物や2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好適である。

[洗浄工程・粉砕工程]
上記工程(E)または(F)での重合後に溶媒中に細かく析出した状態の樹脂被覆金属粒子の凝集体が得られる。これを攪拌しながら室温まで冷却した後、静置後上澄み液をデカンテーションなどにより過剰の溶媒およびそこに溶解している残存モノマー等を除去することができる。必要に応じてさらに新たに適宜任意の有機溶媒を加えて攪拌・静置後に、同様に上澄み液をデカンテーションなどにより過剰の溶媒を再度除去し、さらに洗浄しても良い。また、重合後、冷却も兼ねて新たに有機溶媒を加えながら室温まで攪拌・冷却し冷却した後、静置後上澄み液をデカンテーションなどにより過剰の溶媒およびそこに溶解している残存モノマー等を除去することもできる。
このようにして溶媒除去後に得られたものを容器に移し、不活性ガス流下、または減圧下に乾燥することにより、樹脂被覆金属粒子凝集体の乾燥物が得られる。本乾燥物は、原料金属粒子の大きさを下回らない範囲で任意のサイズに粉砕することができる。粉砕工程は手作業、コーヒーミル、ヘンシェルミキサー、フラッシュミル等の比較的穏やかな粉砕機等で粉砕した後、篩い分けすることで任意のサイズの樹脂被覆金属粒子を得ることができる。また、乾燥と穏やかな粉砕を同時に行うものとして、ナウターミキサーの使用も可能である。

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。各種化合物の追跡、物性の測定方法は、以下の通りである。
<GPC測定方法>
各工程におけるチオール基含有化合物、チオールと反応する基を有する反応性単量体、およびそれらの反応性生物、モノマーの消長は、反応液をサンプリングし、各化合物の量を下記ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法(標準ポリスチレン換算)により測定した。
移動相:THF、温度:40℃、流速:0.3mL/min;
カラム:TSK−gel SuperHM−H 2本、 TSK−gel SuperH2000 1本(いずれも東ソー株式会社製);
計測機器:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)。
<粒子の状態および表面の観察>
Laser顕微鏡(キーエンス社製、VK−9700)および超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した。
<有機物付着量および耐酸化性の測定>
有機物付着量および耐酸化性の測定は、下記方法により測定した。
計測機器:Bruker社製TG−DTA2000SA
測定雰囲気:空気:窒素が1:5の混合気体、300ml/分気流下
測定温度:常温から400℃まで10℃/分で昇温後、400℃で20分保持
樹脂被覆粒子では一旦重量が減少した後重量が増加し始める。このチャートにおいて、150℃から重量が極小になった時の重量減少量を樹脂被覆量とした。また、重量増加が始めるまでの時間および温度により耐酸化性の評価を行なった。本評価において、重量増加は金属の酸化に起因するため、重量増加の開始までの時間が長い場合に耐酸化性が高いと評価できる。
〔実施例1〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメタノール20gに溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.2gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)6gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
この反応溶液中には、GPCにより、GMAに帰属されるピークとTMTに帰属されるピークおよび、TMTに一つ以上のGMAが付加したものの混合物に帰属されるピークが観測された。なお、TMTのGMA付加反応物はGMAが3分子付加した化合物、すなわち3官能の重合性モノマーが主成分であった。
前記反応液中にやし脂肪酸メチル(エキセパールMC:花王社製)0.25gと、メタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ(目開き:300μm)上に展開し、スパチュラにて押し砕くことにより粉砕した。さらに100μm、45μm、25μmの順に順次同様の粉砕を行い、45/25μカット粉と25μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来た。
上記粉体について樹脂付着量を測定した結果、それぞれ9.4wt%、9.1wt%であった。また、25μ以下の粉末について、耐酸化性を測定した結果、原料銅粉末より耐酸化性が11分向上し、41分(310℃)に観測された。
また、両粒子のレーザー顕微鏡観測やSEM撮影を行ったところ、両方とも大きさの揃った凝集粒子であった。45/25μカットの粉末について、レーザー顕微鏡観測後にろ紙上で軽く擦ったところ、さらに凝集粒子は簡単に解れ、単独粒子と原料粒子数10個が凝集した程度の凝集粒子の混合物が得られた。本評価により粉砕条件の選択により、任意の大きさの凝集粒子ないし単独粒子の樹脂被覆金属粒子が容易に得られることが判明した。
〔実施例2〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメチルエチルケトン20gとテトラヒドロフラン10gの混合溶媒に溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)2.0gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)20gおよびメタノール38.5gを加え、超音波浴槽でさらに120分加温攪拌・超音波処理を行った。
前記反応液中にメタノール4gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.4gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。重合開始から270分後にテトラヒドロフラン3gに溶解させたステアリン酸0.25gを添加した。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ上に展開し、実施例1と同様にスパチュラにて押し砕くことにより粉砕し、25μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来、該樹脂被覆銅粉は原料銅粉と略同一な赤銅色であった。
上記粉体について樹脂付着量は13.0wt%、耐酸化性は、原料銅粉末より耐酸化性が14分向上し、44分(400℃)に観測された。
〔実施例3〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメタノール60gに溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.6gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)12.5gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
前記反応液中にベンジルメタクリレート12.5gと、メタノール5gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.5gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流した。反応開始60分後にメタノール15g、120分後にメタノール20gを添加し、300分重合反応を行なった。重合終了後、テトラヒドロフラン3gに溶解させたステアリルアルコール0.5gを添加攪拌した。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ上に展開し、実施例1と同様にスパチュラにて押し砕くことにより粉砕し、25μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来、該樹脂被覆銅粉は原料銅粉と略同一な赤銅色であった。
上記粉体について樹脂付着量は30.1wt%、耐酸化性は、原料銅粉末より耐酸化性が17.5分向上し、47.5分(420℃)に観測された。
〔実施例4〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、メタノール20gに溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.2g、およびグリシジルメタクリレート(GMA)6gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。
前記反応液中にn−パラフィン0.25gと、メタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ上に展開し、実施例1と同様にスパチュラにて押し砕くことにより粉砕し、25μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来、該樹脂被覆銅粉は原料銅粉と略同一な赤銅色であった。
上記粉体について樹脂付着量は9.3wt%、耐酸化性は、原料銅粉末より耐酸化性が11分向上し、41分(390℃)に観測された。
〔実施例5〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメタノール20gに溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.1gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)6gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
窒素気流下で反応液を遠心分離装置にて5000rpm、5分間遠心分離精製を行った。上澄み液を除いた後にメタノール20gを添加攪拌し、再度同条件で遠心分離精製を行なった。
精製した反応液にメタノール20g、グリセリンジメタクリレート(共栄社化学)0.5g、グリジシルメタクリレート0.16g、ベンジルメタクリレート6.0g、2−パーフロロヘキシルエタノール0.25g、およびメタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ上に展開し、実施例1と同様にスパチュラにて押し砕くことにより粉砕し、25μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来、該樹脂被覆銅粉は原料銅粉と略同一な赤銅色であった。
上記粉体について樹脂付着量は8.6wt%、耐酸化性は、原料銅粉末より耐酸化性が10.5分向上し、40.5分(385℃)に観測された。
Figure 0005398349
〔実施例6〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1400Y、平均粒子径:5.5μm)50g、メタノール18gとエタノール2gの混合溶媒に溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.8gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)10gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
Figure 0005398349
前記反応液中にステアリン酸0.25gと、メタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去した。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ(目開き:300μm)上に展開し、スパチュラにて押し砕くことにより粉砕した。さらに150μm、100μmの順に順次同様の粉砕を行い、100μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来、該樹脂被覆銅粉は原料銅粉と略同一な赤銅色であった。
上記粉体について樹脂付着量は12.6wt%、耐酸化性は、原料銅粉末より耐酸化性が19分向上し、53分(410℃)に観測された。
〔実施例7〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1400Y、平均粒子径:5.5μm)50g、メタノール18gとエタノール2gの混合溶媒に溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.8gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)10gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
窒素気流下で反応液を静置し、上澄み液を除いた。メタノール30gを添加攪拌し、静置後上澄み液を除く作業を2回繰り返すことにより、精製を行なった。
精製した反応液にメタノール20g、グリセリンジメタクリレート(共栄社化学)0.1g、グリジシルメタクリレート5.0g、1,2−(ビス(トリメトキシシリル)デカン0.1g、およびメタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去した。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ上に展開し、実施例6と同様にスパチュラにて押し砕くことにより粉砕し、100μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来、該樹脂被覆銅粉は原料銅粉と略同一な赤銅色であった。
上記粉体について樹脂付着量は4.0wt%、耐酸化性は、原料銅粉末より耐酸化性が6分向上し、40分(380℃)に観測された。
〔実施例8〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、鉄粒子(和光純薬製、粒子径:150μm以下)50g、メタノール18gとエタノール2gの混合溶媒に溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.4gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)1.0gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
前記反応液中にシクロヘキシルメタクリレート3.0g、1,2−(ビス(トリメトキシシリル)デカン0.1gと、メタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.06gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去した。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ(目開き:300μm)上に展開し、スパチュラにて押し砕くことにより粉砕した。さらに200μmで同様の粉砕を行い、200μ以下の粒体を得た。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来た。
上記粉体について樹脂付着量は6.2wt%、耐酸化性は、原料鉄粉末より耐酸化性が9分向上し、38分(330℃)に観測された。
〔比較例1〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメタノール20gとテトラヒドロフラン10gの混合溶媒に溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.2gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)6gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
前記反応液中にメタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。該乾燥物は非常に硬く固化しており手作業での粉砕はできなかった。端部を削り取り、乳鉢にて粉砕し25μmの粉末を得た。樹脂付着量を測定した結果12.1wt%であり、耐酸化性は40.5分(370℃)に観測された。
〔比較例2〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメタノール20gに溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.1gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)6gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
窒素気流下で反応液を遠心分離装置にて5000rpm、5分間遠心分離精製を行った。上澄み液を除いた後にメタノール20gを添加攪拌し、再度同条件で遠心分離精製を行なった。
精製した反応液にやし脂肪酸メチル(エキセパールMC:花王社製)0.25gと、メタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で300分溶媒を還流させた。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。窒素雰囲気下樹脂被覆銅粉乾燥物をメッシュ(目開き:300μm)上に展開し、スパチュラにて押し砕くことにより粉砕した。粉砕は手作業で容易に行なうことが出来た。該粉砕物をステンレスふるい(オープニング25μ)で分級し、25μ以下の粒体を得た。
樹脂付着量は1.4wt%、耐酸化性は32分(270℃)に観測され、原料銅粉との差異は認められなかった。
〔比較例3〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.18μm)50g、およびメタノール20gに溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.1gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)6gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
窒素気流下で反応液を遠心分離装置にて5000rpm、5分間遠心分離精製を行った。上澄み液を除いた後にメタノール20gを添加攪拌し、再度同条件で遠心分離精製を行なった。
精製した反応液にメタノール20g、グリジシルメタクリレート0.16g、ベンジルメタクリレート6.0g、やし脂肪酸メチル(エキセパールMC:花王社製)0.25g、およびメタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。得られた乾燥物は硬く、スパチュラでは押し砕くことができなかったため、乳鉢により粉砕した。該粉砕物をステンレスふるい(オープニング25μ)で分級し、25μ以下の粒体を得た。
樹脂付着量は1.2wt%、耐酸化性は27.5分(230℃)に観測され、原料銅粉との差異は認められなかった。
〔比較例4〕
窒素シールされたグローブボックス中で、100mLの丸底セパラブルフラスコに、鉄粒子(和光純薬製、粒子径:150μm以下)50g、メタノール18gとエタノール2gの混合溶媒に溶解させた2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)0.4gを仕込み、仮の蓋をして取り出し、すばやく撹拌羽根を備えた4口フラスコのフタを設置し、冷却管を取り付け、10mL/Minの流量の窒素ガスを流しながら、フラスコを50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、内容物に対して90分加温攪拌・超音波処理を行った。その後、グリシジルメタクリレート(GMA)1.0gを加え、超音波浴槽でさらに90分加温攪拌・超音波処理を行った。
窒素気流下で反応液を静置し、上澄み液を除いた。メタノール30gを添加攪拌し、静置後上澄み液を除く作業を2回繰り返すことにより、精製を行なった。
前記反応液中にシクロヘキシルメタクリレート3.0g、1,2−(ビス(トリメトキシシリル)デカン0.1gと、メタノール2gに溶解させた重合開始剤(V65:和光純薬製)0.12gを添加し、68℃の温浴で溶媒を還流させながら重合を300分行った。
窒素ガス気流下、反応液を400rpmで攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。該乾燥物は非常に硬く固化しており手作業での粉砕はできなかった。端部を削り取り、樹脂付着量を測定した結果0.7wt%であり、耐酸化性は26分(220℃)に観測され、原料鉄粉との差異は認められなかった。
〔比較例5〕
撹拌羽根を備えた100mLの丸底セパラブルフラスコに、エタノール30g、銅粒子(三井金属社製、製品名:1100Y、平均粒子径:1.0μm)120g、および2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン12gを仕込み、50℃の超音波浴槽(ヤマト科学(株)製、製品名:BRANSONIC5510)に入れ、2時間超音波処理を行った。該分散処理後、フラスコ内の内容物の全量を遠心沈降管に入れ、3,000Gで15分間遠心分離し、上澄み液と沈降物(トリアジンチオール化合物で表面処理された銅粒子)とに分けて回収した。次いで、得られた沈降物をメチルエチルケトン100gに再分散させ、3,000Gで15分間遠心分離し、上澄み液は捨てて沈降物のみを回収した。この再分散、遠心分離および沈降物のみの回収の操作をさらに2回繰り返し得られた沈降物を100℃の乾燥機内で5時間乾燥し、トリアジンチオール化合物で表面処理された銅粒子を得た。
次に、得られたトリアジンチオール化合物で表面処理された銅粒子の全量と、メチルエチルケトン30gと、グリシジルメタクリレート15gとを仕込み、フラスコを50℃の前記超音波浴槽に入れ、内容物に対し2時間超音波処理を行った。該分散処理後、フラスコ内の内容物の全量を遠心沈降管に入れ、3,000Gで15分間遠心分離し、上澄み液と沈降物とに分けて回収した。次いで、得られた沈降物をメチルエチルケトン100gに再分散させ、3,000Gで15分間遠心分離し、上澄み液は捨てて沈降物のみを回収した。この再分散、遠心分離および沈降物のみの回収の操作をさらに2回繰り返し得られた沈降物を100℃の乾燥機内で5時間乾燥し、表面に重合性反応基を有する銅粒子を得た。
次に、得られた銅粒子50gおよび0.7%アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、製品名:ハイテノールN−08)水溶液28gを仕込み、フラスコを50℃の前記超音波浴槽に入れ、内容物に対し1.5時間超音波処理を行った。該処理後、フラスコ内の内容物を撹拌しながら、グリジシルメタクリレート2gを添加し、内容物を昇温して70℃に達した時点で10%過硫酸アンモニウム水溶液6gを添加し、重合反応を開始させた。同温度を保持したまま、重合開始後10分経過毎にグリジシルメタクリレート2gを一括添加し(計9回)、重合反応を進行させた(合計のグリジシルメタクリレートは20g)。グリジシルメタクリレートの全量の添加終了後、さらに同温度で1.5時間保持した。
窒素ガス気流下、反応液を攪拌しながら常温の水浴で反応器を冷却した。ここにメタノール20gを添加攪拌し、静置・沈降後上澄み液を除去することを3回繰り返すことにより、生成物の洗浄を行った。生成物をステンレス製のバットに拡げて常温で一夜減圧乾燥を行い、塊状の樹脂被覆銅粉の乾燥物を得た。該乾燥物は非常に硬く固化しており手作業での粉砕はできなかった。
Figure 0005398349
Figure 0005398349

Claims (5)

  1. 樹脂被覆金属粒子の製造方法であって、
    工程(A):金属粒子を多官能チオール化合物で表面処理する工程、
    工程(B):該多官能チオール化合物で表面処理した金属粒子をチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体とを反応させ該金属粒子表面に重合性二重結合を導入する工程、
    工程(C):多官能チオール化合物とチオール化合物と反応し得る官能基と重合性反応基を有する反応性単量体とを反応させて多官能重合性単量体を生成させる工程、
    (ただし、工程(C)の多官能チオールは、前記工程(A)における多官能チオールと同一である。また、工程(C)の反応性単量体は、前記工程(B)における反応性単量体と同一である。)
    工程(D):多官能重合性単量体を添加する工程、
    工程(E):常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化合物を添加する工程、のうち
    工程(A)、(B)、(C)、(E)、または、工程(A)、(B)、(D)、(E)を必須とする樹脂被覆金属粒子の製造方法。
  2. 工程(F):有機溶媒中で単官能重合性単量体の存在下に重合する工程
    を有する請求項1記載の樹脂被覆金属粒子の製造方法。
  3. 工程(E)の常温で固体または液状である分子量100以上1000以下の非重合性化
    合物が、炭素数8〜32の直鎖または分岐または環構造でも良い炭化水素化合物、または
    炭素数8〜32の直鎖または分岐または環構造でも良い炭化水素化合物の一部の水素原子
    がフッ素、カルボン酸、アルコール、エステル、エーテルまたはアミド、シリル、チタニ
    ルで置換された化合物であり、その添加量が、金属粒子に対して0.001質量%以上2
    質量%以下である請求項1または2記載の樹脂被覆金属粒子の製造方法。
  4. 全工程において不活性ガス雰囲気下、反応溶媒として有機溶媒を使用する請求項1から
    3何れかに記載の樹脂被覆金属粒子の製造方法。
  5. 金属粒子が、該金属の酸化物の298Kにおける標準生成エネルギー(−ΔG)が60
    000cal/mol−O2以上の易酸化性金属の粒子であることを特徴とする請求項1
    から4何れかに記載の樹脂被覆金属粒子粉末状組成物の製造方法。
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