JP5397791B2 - 車両 - Google Patents

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本発明は、車両に係り、例えば、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に関する。
倒立振り子の姿勢制御を利用した車両(以下、単に倒立振り子車両という)が注目されている。倒立振り子車両では、センサ部で筐体の動作状態を検出しながら、制御部が回転体の動作を制御して搬送装置を静止若しくは移動させるようにしている。
このような倒立振り子車両において、出没可能な補助輪を配置した技術として特許文献1、2記載技術が提案されている。
特許文献1では、搭乗者の乗車および降車の際に、補助輪を出して接地させることで、車両の姿勢を安定化させ、搭乗者の乗車、降車を容易にすることについて記載されている。また、姿勢制御が困難な状況に陥ったときにも、補助輪を出すことで車両の姿勢を保つことについて記載されている。
一方、特許文献2では、動作異常時に補助輪を突出させ、車体を安定した状態に保持することについて記載されている。
特開2004−74814 特開2004−217170
しかし、上記特許文献記載技術は、いずれも車両を傾斜させた状態で安定的に車両を停止させるものではない。すなわち、引用文献記載技術は、車両の水平状態で補助輪を接地させる技術であり、乗車、降車の際には既に水平状態であるため、乗車及び降車の際の制御については特に記載されていない。
これに対して、車両を傾斜させた状態で安定的に車両を停止させる車両の場合には、乗車してから発進するために車両をどのように起立させるか、また、降車する際に車両をどのように傾斜させて停止させるかは、乗車、降車の際の乗り心地を左右する要素となる。
そこで本出願人は、傾斜状態で停止している倒立振り子車両を起立させる起立制御、及び、倒立振り子車両を傾斜状態で停車させるまでの降車制御について、特願2007−22492で提案している。
しかし、傾斜状態で停止している車体を起立させたり、倒立状態の車両を停止するために傾斜させたりすると、駆動トルクの反作用で車輪が回転し、車両が前進あるいは後退することになる。
すなわち、車両の移動を伴わずに起立、傾斜を制御することができなかった。
そこで、本発明は車両を移動させることなく乗降停止のための傾斜を行うことが可能な、倒立振り子車両を提供することを目的とする。
(1)請求項1記載の発明では、車体の傾斜状態と駆動輪の回転状態に応じて前記駆動輪のトルクを制御することで、搭乗部及び車体を含む車両本体を倒立状態に保持して走行する車両であって、一部が接地することで前記車両本体の傾斜角を制限する制限機構と、前記車体に対して、前記搭乗部を車両の前後方向に移動させる搭乗部移動機構と、前記車体に対して、車両の前後方向に移動可能に配置されたバランサと、前記搭乗部移動機構により前記搭乗部を後方に移動させながら、前記制限機構の一部が接地した乗降停止の状態まで前記車両本体を傾斜させる乗降停止制御手段と、前記乗降停止制御手段による車両本体の傾斜に際して発生する、車両本体の重心の移動を補償するように前記バランサの移動制御を行うバランサ制御手段と、を具備したことを特徴とする車両を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記乗降停止制御手段は、前記乗降停止の後、前記搭乗部を前方に移動させることを特徴とする請求項1に記載の車両を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記乗降停止制御手段は、前記乗降停止のための傾斜開始からの経過時間に応じた前記搭乗部の搭乗部目標位置と前記車体の車体傾斜角目標値を決定し、前記搭乗部目標位置に応じて前記搭乗部の移動状態をフィードバック制御し、前記車体傾斜角目標値に応じて前記車体の傾斜状態をフィードバック制御する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記乗降停止制御手段は、車体傾斜角速度が所定の閾値以下である場合に、乗降停止の状態と判断する、ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、前記搭乗部に作用する荷重を取得する荷重取得手段を備え、前記取得した荷重に応じて前記搭乗部目標位置を決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の車両を提供する。
(6)請求項6記載の発明では、前記荷重取得手段は、前記搭乗部の搭載荷重を計測する荷重計による計測値、又は、前記搭乗部の移動状態、前記車体の傾斜状態、前記駆動輪の回転状態のうち少なくとも1つを用いた状態オブザーバによる推定値を、前記搭乗部に作用する荷重とする、ことを特徴とする請求項5に記載の車両。
(7)請求項7記載の発明では、前記バランサ制御手段は、車輪回転角、車体傾斜角、前記搭乗部位置のうち少なくとも1つのフィードバック制御を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両を提供する。
本発明では、車両本体の重心が前記駆動輪の接地点を通る鉛直線上に位置するように、搭乗部を後方に移動させながら車両本体を乗降停止のための傾斜を行うので、車両の移動を伴うことなく乗降停止のための傾斜を行うことができる。
本実施形態による起立制御と乗降停止制御における車両の状態を表した説明図である。 本実施形態における車両について、前方に向かって走行している状態の外観構成を例示した図である。 第1実施形態、第4実施形態における制御システムの構成図である。 起立・乗降停止制御のメインフローを表したフローチャートである。 第1実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。 起立制御におけるシート位置目標値λS *と、車体傾斜角目標値θ1 *の時間変化を表した説明図である。 第1実施形態における乗降停止制御の処理内容を表したフローチャートである。 乗降停止制御におけるシート位置目標値λS *と、車体傾斜角目標値θ1 *の時間変化を表した説明図である。 第2実施形態における制御システムの構成図である。 バランサ移動機構の各構成例を表した図である。 第2実施形態における車両姿勢制御系の力学モデル図である。 第2実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。 第2実施形態における乗降停止制御の処理内容を表したフローチャートである。 第3実施形態における制御システムの構成図である。 第3実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。 第3実施形態における乗降停止制御の処理内容を表したフローチャートである。 第4実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。 第4実施形態における乗降停止制御の処理内容を表したフローチャートである。
以下、本発明の車両における好適な実施の形態について、図1から図18を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
倒立車両では、車両を直立させた状態よりも傾斜させた状態のほうが乗車、降車を行い易い場合がある。例えば、地面から比較的高い位置に搭乗部がある倒立車両の場合、車両の直立状態では搭乗者が乗車することが困難であるため、傾斜状態とすることが好ましい。また、両を傾斜させることで、その重心が低くなり、乗車、降車時における車両の安定性が高くなる。
本実施形態の車両では、傾斜状態をさらに安定させるために、車体に固定された構造体としてストッパ(制限機構)を配置し、駆動輪の接地点とストッパの接地点から等距離の位置に車両本体(駆動輪と駆動モータを除き、搭乗者、ストッパ、車体等)の重心を移動させることで、傾斜状態の車両を安定的に停止させる。
本明細書において、ストッパの前方端部が接地し、車体が傾斜して停止している状態を乗降停止という。
乗降停止状態では、車両本体の重心が駆動輪の接地点の鉛直線上よりも前方に存在する。このため、車両をゆっくり起立させたり、傾斜させたりする場合に、起立や傾斜を制御するためのトルクを車体に作用させると、その反作用で車輪が回転してしまい、車両が前後に移動してしまう。
そこで、本実施形態では、搭乗部を前後に移動させることにより、車両本体が傾いた状態でも、その重心が駆動輪接地点の鉛直線上にある状態をつくり、その重心が移動しないように、車体傾斜角と搭乗部位置とを制御することで、車両を移動させることなく(車輪を回転させることなく)起立、傾斜を実現する。
図1は、本実施形態による起立制御((a)〜(c))と乗降停止制御((d)〜(f))における車両の状態を表したものである。
本実施形態では、図1(a)、(f)に示されるように、乗降停止状態において搭乗部(シート)13を前方に移動させておく。この状態において車両本体の重心Pは、駆動輪12の接地点S1とストッパ17の接地点S2との間に位置している。
このように、搭乗部13の高さを低く前方に動かすことで、乗り降りが容易になる。
この乗降停止状態において、搭乗者が搭乗した後に起立指令が出されると、図1(a)の矢印A1で示されるように、重心Pが接地点S1を通る鉛直線V上に位置するまで搭乗部13を後方に移動する。
搭乗部13の後方移動開始から重心Pが鉛直線V上に移動するまでの間は、接地点S1とS2の両者が接地しており、且つ、両接地点S1、S2間上に重心Pが位置しているため、車両本体の傾斜角は変化することはない。
重心Pが鉛直線V上に移動したら、図1(b)に示されるように、重心Pが鉛直線V上から移動しないように、搭乗部13を矢印A2で示すように前方に移動させながら、矢印B1で示されるように車両本体を起立させる。図1(c)は起立制御が完了した状態を表している。
ここで、搭乗部13の前方移動による重心移動量と車両本体の起立による重心移動量とが互いに相殺するように両者を移動させることで、重心Pの移動をなくしている。
一方、乗降停止制御の場合、図1(d)に示されるように、重心Pが鉛直線V上に存在する状態から、重心Pが鉛直線V上から移動しないように、搭乗部13を矢印A3で示すように後方に移動させながら、矢印B2で示されるように車両本体を前方に傾斜させる。
そして、ストッパ17の先端部が接地点2で接地すると、車両は倒立状態から脱して安定的に停止する。その後、車両を乗降停止の初期状態とするため、搭乗部13を前方に移動することで、座面部を下げて降車を容易にする。図1(f)は乗降停止制御が完了した状態を表している。
本実施形態により、次のような効果を得ることができる。
(a)乗降停止状態では、ストッパの前方端部が接地し、駆動輪とストッパ接地点の間に車両本体の重心が存在するので、車両を安定的に停止させることができ、搭乗者の乗車及び降車を容易にすることができる。
(b)車両が移動することなく、ゆっくりと起立及び傾斜を行うことができるので、起立完了まで、及び乗降停止までの搭乗者への不快感をなくすことができる。
(c)起立、乗降停止を車両の移動なしで行うことができるので、乗車、降車の際に、前方に広いスペースを確保する必要が無い。
(2)実施形態の詳細
図2は、本実施形態における車両について、乗員が乗車して前方に走行している状態の外観構成を例示したものである。
図2に示されるように、車両は、同軸上に配置された2つの駆動輪11a、11bを備えている。
両駆動輪11a、11bは、それぞれ駆動モータ12a、12bで駆動されるようになっている。
駆動輪11a、11b(両駆動輪11aと11bを指す場合には駆動輪11という。以下他の構成も同様)及び駆動モータ12の上部には、重量体である荷物や乗員等が搭乗する搭乗部13(シート)が配置されている。
搭乗部13は、運転者が座る座面部131、背もたれ部132、及びヘッドレスト133で構成されている。
搭乗部13は、搭乗部移動機構として機能する移動機構(図示しない)を介して支持部材14により支持されている。支持部材14は駆動モータ12が収納されている駆動モータ筐体に固定されている。
移動機構としては、例えばリニアガイド装置のような低抵抗の線形移動機構を用い、搭乗部駆動モータの駆動トルクにより搭乗部13と、支持部材14との相対的な位置を変更するようになっている。
リニアガイド装置は、支持部材14に固定された案内レールと、搭乗部駆動モータに固定されたスライダと、転動体を備えている。
案内レールには、その左右側面部に2本の軌道溝が長手方向に沿って直線状に形成されている。
スライダの幅方向に沿う断面はコ字状に形成されており、その対向する二つの側面部内側には、2本の軌道溝が、案内レールの軌道溝と各々対向するように形成されている。
転動体は、前述した軌道溝の間に組み込まれて、案内レールとスライダとの相対的直線運動に伴って軌道溝内を転動するようになっている。
なお、スライダには、軌道溝の両端をつなぐ戻し通路が形成されており、転動体は軌道溝と戻し通路を循環するようになっている。
リニアガイド装置には、リニアガイド装置の動きを締結するブレーキ(クラッチ)が配設されている。搭乗部の動作が不要であるときには、このブレーキにより、案内レールにスライダを固定することで、案内レールが固定されている支持部材14と、スライダが固定されている搭乗部13との相対的位置を保持する。そして、動作が必要であるときには、このブレーキを解除し、支持部材14側の基準位置と搭乗部13側の基準位置との距離が所定値となるように制御する。
搭乗部13の脇には入力装置30が配置されている。この入力装置30は、運転者の操作により、車両の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の指示を行うと共に、本実施形態における起立指示や乗降停止指示を行うためのものである。
本実施形態における入力装置30は、座面部131に固定されているが、有線又は無線で接続されたリモコンにより構成するようにしてもよい。また、肘掛けを設けその上部に入力装置30を配置するようにしてもよい。
また、本実施形態の車両には、入力装置30が配置されているが、予め決められた走行指令データに従って自動走行する車両の場合には、入力装置30に代えて走行指令データ取得部が配設される。走行指令データ取得部は、例えば、半導体メモリ等の各種記憶媒体から走行指令データを取得する読み取り手段、または/及び、無線通信により外部から走行指令データを取得する通信制御手段で構成してもよい。
なお、図1において、搭乗部13には人が搭乗している場合について示しているが、必ずしも人が運転する車両には限定されず、荷物だけを乗せて外部からのリモコン操作等により走行や停止をさせる場合、荷物だけを乗せて走行指令データに従って走行や停止をさせる場合、更には何も搭乗していない状態で走行や停止をする場合であってもよい。
この場合の起立指示や降車指示は、走行指令データと同様に、リモコン操作等により行われる。
本実施形態において、入力装置30の操作により入力される操作信号に応じて加減速等の制御が行われる。
搭乗部13と駆動輪11との間には制御ユニット16が配置されている。
本実施形態において制御ユニット16は、支持部材14に取り付けられている。
なお、制御ユニット16は、搭乗部13の座面部131の下面に取り付けるようにしてもよい。この場合、制御ユニットは移動機構によって搭乗部13と共に前後に移動する。
支持部材14には、乗降停止状態で、一部が接地することで前記車体の傾斜角を制限する制限機構として機能する、1対のストッパ17が固定されている。
1対のストッパ17は、駆動輪12を挟むように配置されているが、駆動輪12a、12bの間に配置するようにしてもよい。
ストッパ17は、固定される支持部材14の位置から車両の前後方向に延在した湾曲形状をしており、前方端部P1及び後方端部P2が地面に接地することで、車体の傾斜を制限するようになっている。
ストッパ17は、駆動輪11の回転軸から前方端部P1までの距離と後方端部P2までの距離が同じで、車体の直立状態(車体の傾斜角がゼロの状態)において地面から前方端部P1までの高さと、後方端部P2までの高さは同じである。
本実施形態では、前方端部P1が接地した状態において乗降停止するが、この際の車体傾斜角は、15度に設定されている。この乗降停止時の傾斜角は、車両の最大加速時の車体傾斜角よりも大きければ任意の角度に設定可能である。
また後方端部P2の接地時における傾斜角も、車両の最大減速時の車体傾斜角よりも大きければ、任意の角度に設定可能である。本実施形態では、この傾斜角度も同じ15度に設定してるが、要求する加速度、減速度に合わせて、両者を異なる値に設定してもよい。
駆動輪11の回転軸からストッパ17の前方端部P1までの距離は、前方端部P1が接地した状態において、乗員搭乗時の車両重心、及び、想定される体重、体型を有する乗員搭乗時の車両重心が、ともに駆動輪11の接地点から前方端部P1までの領域(2点間の鉛直上方)に位置するように設計されている。
本実施形態において、車両を構成する各部のうち、駆動輪11と駆動モータ12を除く部分を車両本体という。車両本体には、搭乗部13、ストッパ17、操縦装置30、制御ユニット16、移動機構等で構成される。車両本体は、移動機構により車両前後方向に移動する搭乗部13と、搭乗部13以外の部分からなる車体から構成される。
本実施形態の車両は、その他の装置としてバッテリを備えている。バッテリは、駆動モータ12、搭乗部駆動モータ、制御ECU20等に駆動用及び演算用の電力を供給する。
図3は、第1実施形態における制御システムの構成を表したものである。
制御システムは、起立制御手段及び乗降停止制御手段として機能する制御ECU(電子制御装置)20、操縦装置31、起動・降車スイッチ32、角度計(角速度計)41、駆動輪回転角度計51、駆動輪アクチュエータ52(駆動モータ12)、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71、シート駆動アクチュエータ72(搭乗部駆動モータ)、その他の装置を備えている。
制御ECU20は、主制御ECU21、駆動輪制御ECU22を備えており、駆動輪制御、車体制御(倒立制御)等により、車両の走行、姿勢制御等の各種制御を行う。また、制御ECU20は、シート制御ECU23を備えており、本実施形態における搭乗部13の移動による起立・乗降停止制御を行うようになっている。
制御ECU20は、本実施形態における起立・乗降停止制御プログラム等の各種プログラムやデータが格納されたROM、作業領域として使用されるRAM、外部記憶装置、インターフェイス部等を備えたコンピュータシステムで構成されている。
主制御ECU21には、駆動輪回転角度計51、角度計(角速度計)41、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71、及び、入力装置30として操縦装置31、起動・降車スイッチ32が接続されている。
操縦装置31は、搭乗者の操作に基づく走行指令を主制御ECU21に供給する。操縦装置31は、ジョイスティックを備えている。ジョイスティックは直立した状態を中立位置とし、前後方向に傾斜させることで加減速を指示し、左右に傾斜させることで左右方向の旋回曲率を指示する。傾斜角度に応じて、要求加減速度、旋回曲率が大きくなる。
起動・降車スイッチ32は、搭乗後の起動指示、及び降車指示(乗降停止状態への移行指示)を、搭乗者が車両に対して行うためのスイッチである。
起動・降車スイッチ32には、起動指示スイッチと、降車指示スイッチが配置されている。
主制御ECU21は、角度計41と共に車体制御システム40として機能し、倒立車両の姿勢制御として、車体傾斜状態に基づき、駆動輪12の反トルクで車体の姿勢制御を行う。
主制御ECU21は、駆動輪制御ECU22、駆動輪回転角度計50、駆動輪アクチュエータ52と共に駆動輪制御システム50として機能する。
駆動輪回転角度計51は主制御ECU21に駆動輪11の回転角を供給し、主制御ECU21は駆動輪制御ECU22に駆動トルク指令値を供給し、駆動輪制御ECU22は駆動輪アクチュエータ52に駆動トルク指令値に相当する駆動電圧を供給する。
駆動輪アクチュエータ52は、指令値に従って、両駆動輪11a、11bを各々独立して制御するようになっている。
また、主制御ECU21は、シート制御ECU24、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71、シート駆動アクチュエータ72と共にシート制御システム70として機能する。
シート駆動モータ回転角度計71は主制御ECU21にシート駆動モータの回転角、あるいは、シート位置を供給し、主制御ECU21はシート制御ECU24に駆動推力指令値を供給し、シート制御ECU24はシート駆動アクチュエータ72に駆動推力指令値に相当する駆動電圧を供給する。
シート駆動アクチュエータ72は、指令値に従って、移動機構(リニアガイド装置)に沿う方向に搭乗部13を位置制御するようになっている。
主制御ECU21は、駆動輪トルク決定手段として機能する。
また、主制御ECU21は、起立制御手段、乗降停止制御手段として機能する。
以上の通り構成された車両における、起立・乗降停止制御について次に説明する。
図4は、起立・乗降停止制御のメインフローを表したフローチャートである。
この図4に示した起立・乗降停止制御のメインフローは、後述する起立制御、乗降停止制御についての第1実施形態から第4実施形態に共通である。
初めに、主制御ECU21は、起動、降車指示スイッチの信号を取得する(ステップ1)。
次に、主制御ECU21は、車体が倒立状態にあるか否かを判断する(ステップ2)。この判別は、たとえば車体傾斜角の計測値を使って行う。
車体が倒立状態になく(ステップ2;N)、かつ、起動指示スイッチがON(ステップ3;Y)の場合、主制御ECU21は、後述する起立制御処理を実行し(ステップ4)、その後メインルーチンにリターンする。
起立制御処理後のメインルーチンでは、通常の姿勢(倒立)制御および走行制御が実行される。
一方、車体が倒立状態であり(ステップ2;Y)、かつ、降車指示スイッチがON(ステップ5;Y)の場合、主制御ECU21は、車両が倒立状態で停止しているか否かについて判断する(ステップ6)。
ここで主制御ECU21は、倒立状態で停止しているか否かの判別条件として、左右各々の駆動輪11の回転速度(絶対値)が共に所定の閾値以下である場合に「停止」とみなす。
例えば、停止するために減速中である場合のように、まだ倒立状態で停止していない場合(ステップ6;N)、主制御ECU21は、メインルーチンにリターンし、停止と判断(ステップ6;Y)するまで倒立姿勢制御を継続する。
主制御ECU21は、倒立状態で停止していると判断した場合(ステップ6;Y)、後述する乗降停止制御を実行し(ステップ7)、その後メインルーチンにリターンする。
乗降停止制御後のメインルーチンでは、車両の停止状態になるので、その後の起立制御指令やイグニッションキーのオフ(電源オフ指令)の監視など、対応する処理への移行を行う。
なお、本実施形態では、車体が倒立状態になく、起動指示スイッチがONの場合に起立制御を行うが、荷重センサなどを搭乗部13の座面部131に配設し、起立制御の指令供給と搭乗者の着座検知を条件に起立制御を開始するようにしてもよい。例えば、起立指令が与えられたとしても着座を検知できない場合には、起立制御を開始しない。また、搭乗者の起動指示スイッチの操作がなくても、着座の検知のみを条件に起立制御を開始するようにしてもよい。
また、車体が倒立停止状態にあり、降車指示スイッチがONである場合に乗降停止制御を行うが、主制御ECU21が何らかの異常を検出し、車両の姿勢制御を続行することが困難と判断した場合に、強制的に乗降停止制御に移行させるようにしてもよい。
次に、第1実施形態における起立制御(ステップ4;図4)の内容について説明する。
図5は、第1実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。
なお、以下の説明において、搭乗部13をシートと表現する。
主制御ECU21は、センサから車体傾斜と車輪回転の状態量を取得する(ステップ11)。すなわち主制御ECU21は、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71から回転角(シート位置λS)を取得し、角度計(角速度計)41から車体傾斜角θ1(角速度)を取得する。
ついで主制御ECU21は、ステップ11で取得した各状態量に基づいて、シート位置目標値λS *を決定する(ステップ12)。
すなわち、主制御ECU21は、次の数式1、数式2により、シート位置の目標値λS *を決定する。
(数式1)
r<1のとき,λS *=λS,init(1−r)+λS,nr,
r≧1のとき,λS *=λS,n
数式1において、制御開始からの時間tを所定の時間T1で無次元化した値(r=t/T1)を表している。
また、λS,initは本制御開始時のシート位置(シートの初期位置)を表す。
λS,nは後述の数式2で表されるシートの重心補正位置である。重心補正位置は、搭乗者やシートを含む車両本体の重心Pが、駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線V上に位置している状態(図1(b)参照)におけるシート(搭乗部13)の位置である。
1は、シート後方移動時間を表し、予め設定された値が使用される。
本実施形態では、図6(a)に示されるように、シート後方移動時間T1の間に、シートの初期位置λS,initから、重心補正位置λS,nまで直線的に変化するように、シート目標位置λS *が決定される。
但し、図6(a)の点線で示すように、初期位置λS,initから移動開始の際と、重心補正位置λS,nまでの移動完了前の変化量が、両者間の変化量よりも小さくなるように、シート目標位置λS *を設定するようにしてもよい。これにより、シート移動の加減速に伴う搭乗者へのショックを軽減することができる。
シートの重心補正位置λS,nは、次の数式2により設定する。この数式2において、θ1,initは、車体の初期傾斜角(本制御開始時の値)である。
また、l1は車両本体の車軸からの重心距離で、msは搭乗部質量、m1は車両本体の質量(搭乗部を含む)である。
(数式2)
λS,n=−l1(m1/ms)tanθ1,init
次に主制御ECU21は、シート駆動アクチュエータ72によるシートの駆動推力指令値SSを決定する(ステップ13)。すなわち、主制御ECU21は、決定したシート目標位置λS *を使用して、次の数式3により、シートの駆動推力指令値SSを決定する。
ここで、{x}は、xの時間微分を表し、例えば、{λS}はλSの時間微分を表す。また、以下の説明においても同様の表記を用いることとする。
(数式3)
S=SS,f−KS7(λS−λS *)−KS8({λS}−{λS *})
数式3において、λSは、シート駆動モータ回転角度計71で検出される現在のシート位置である。この値λSがステップ11で決定したシート位置目標値λS *と一致するように、フィードバック制御される。
S7、KS8は、フィードバックゲインであり、例えば、極配置法によって、あらかじめ設定された値が使用される。
S,fは、対乾性摩擦用のフィードフォワードトルクを表し、設定値を与えるが、その正負は移動方向に合わせて変化させる(後方移動の場合は、負の値)。なお、SS,fの代わりに、シート位置偏差(λS−λS *)の積分ゲインを与えるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、数式3を使用するが、第1項と第3項はより精度を高めるための項であり省いてもよい。例えばSS=−KS7(λS−λS *)で与えるようにしてもよい。
次に主制御ECU21は、シート制御システム70に決定した駆動推力指令値SSを与える(ステップ14)。すなわち、主制御ECU21は、決定したシートの駆動推力指令値SSをシート制御ECU24に供給し、シート制御ECU24は、駆動推力指令値SSに対応した駆動電圧をシート駆動アクチュエータ72に供給する。
これにより、シート(搭乗部13)は、シート目標位置λS *に向けて後方に移動する。
次に主制御ECU21は、移動させたシートが重心補正位置に到達したか否かを判断する(ステップ15)。ここで、重心補正位置は、図1(b)に示されるように、車両本体の重心Pが駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線上にあるときのシート位置をいう。
シートが重心補正位置に到達したと判断すると(ステップ15;Y)、主制御ECU21は、ステップ21以降の処理に移行し、車体の起立を開始する。
一方、シートが重心補正位置に到達していない場合(ステップ15;N)、主制御ECU21は、車両本体が起き上がり始めているか否かを判断する(ステップ16)。車両本体が起き上がり始めているか否かの判断は、例えば、車体傾斜角の初期値からの変化量が所定の閾値以上である場合に「起き上がり」と判断する。
このように、数式2に従って設定したシートの重心補正位置λS,nにシートが到達する前(ステップ15;N)に車両本体が起き上がり始めたか否かを判断するのは、数式2から求めた計算値としての重心補正位置λS,nに対して、パラメータ誤差や外乱により、車体が起き上がり始めてしまう場合があるためである。例えば、実際の搭乗者重量が想定値と大きく異なっているために車両本体の重心が想定した位置からずれている場合や、風力等の外乱を受けたために起き上がる場合などが該当する。
このように、車両本体の起き上がりを検出した場合(ステップ16;Y)、主制御ECU21は、実際の車両本体の重心Pが駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線V上に到達している(図1(b)参照)とみなし、即時にシートの後方移動を中止して、ステップ21移行の車体起立へ移行する。
シートが重心補正位置λS,nに到達していず(ステップ15;N)、車体も起き上がり始めていない場合(ステップ16;N)、主制御ECU21は、ステップ11に戻り、シートを重心補正位置に移動させる動作を繰り返す。
以上のステップ11からステップ16までの処理が、乗降停止状態(図1(a))で起立制御指令が出されてから、シート(搭乗部13)を後方に移動させて、車両本体の重心Pが駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線V上に到達(図1(b))するまでの処理である。
車両本体の重心Pが駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線V上に到達した後(ステップ15;Y、16;Y)、主制御ECU21は、ステップ21からステップ25により、車両本体を起立させる。ステップ21からステップ25迄の処理が、車両本体の重心Pが重心補正位置(鉛直線V上の位置)に移動してから(図1(b))、車体の起立が完了するまで(図1(c))の処理である。この間の処理では、車両本体の重心位置P及び車両の位置を動かさないように制御される。
まず主制御ECU21は、センサから各状態量を取得する(ステップ21)。すなわち主制御ECU21は、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71から回転角(シート位置λS)を、角度計(角速度計)41から車体傾斜角θ1(角速度)を、駆動輪回転角度計51から駆動輪回転角θWを、それぞれ取得する。
次に主制御ECU21は、シート位置と車体傾斜角の目標値λS *、θ1 *を決定する(ステップ22)。すなわち、主制御ECU21は、数式4によりシート位置の目標値λS *を決定すると共に、その目標値λS *を使用して、数式5により車体傾斜角の目標値θ1 *を決定する。
(数式4)
r<1のとき,λS *=λS,init2(1−r),
r≧1のとき,λS *=0 (r≧1)
(数式5)
θ1 *=−tan-1(mSλS */m11
数式4において、rは本制御ループ(ステップ21〜ステップ25)開始からの時間tを所定の時間T2で無次元化した値(r=t/T2)を表している。またλS,init2は、同開始時のシート位置(シートの初期位置)を表す。
λS,nは上述したシートの重心補正位置を表す。
2はシート前方移動時間を表し、予め設定された値が使用される。本実施形態では、図6(b)に示されるように、シート前方移動時間T2の間に、シートの初期位置λS,init2から、λS *=0のシート基準位置(車両倒立時に車両本体の重心Pが駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線上にあるようなシートの位置)まで直線的に変化するように、シート目標位置λS *が決定される。また、図6(c)に示されるように、シート前方移動時間T2の間に、車体傾斜角の目標値θ1 *から、θ1 *=0の直立姿勢まで、数式5で示される曲線に沿って変化するように、車体傾斜目標値θ1 *が決定される。
但し、図6(b)、(c)の点線で示すように、初期位置から移動開始の際と、移動完了前の変化量が、両者間の変化量よりも小さくなるように、シート目標位置λS *、車体傾斜目標位置θ1 *を設定するようにしてもよい。これにより、シート移動および車体起立の加減速に伴う搭乗者へのショックを軽減することができる。
次に主制御ECU21は、各アクチュエータの指令値SS、τWを決定する(ステップ23)。すなわち主制御ECU21は、決定したシート位置と車体傾斜角の目標値λS *、θ1 *から、数式6によりシートの駆動推力指令値SSを、数式7により駆動輪のトルク指令値τWをそれぞれ決定する。
(数式6)
S=SS,f−KS7(λS−λS *)−KS8({λS}−{λS *})
(数式7)
τW=−KW2{θW}+KW3(θ1−θ1 *)+KW4({θ1}−{θ1 *})
数式7において、KW2、KW3、KW4、KS7、KS8はフィードバックゲインであり、例えば、極配置法によって、予め設定した値を使用する。
なお、数式7に従うフィードバック制御において、シートの位置および速度を考慮するようにしてもよい。
また、数式6において、対乾性摩擦用のフィードフォワードトルクSS,fの代わりに、積分ゲインを与えるようにしてもよい。
次に主制御ECU21は、各制御システムに指令値SS、τWを与える(ステップ24)。すなわち主制御ECU21は、シート制御ECU24、駆動輪制御ECU22に、決定した指令値SS、τWをそれぞれ供給する。
これにより、駆動輪制御ECU22は、指令値τWに対応する駆動電圧を駆動輪アクチュエータ52に供給することで、駆動輪11に駆動トルクτWを与える。また、シート制御ECU24は、指令値SSに対応した駆動電圧をシート駆動アクチュエータ72に供給することで、シート(搭乗部13)を前方に移動させる。
そして、駆動輪11からの駆動トルクτWによって、車両本体は徐々に傾斜角θを小さくしながら起立し、起立による重心移動量は、シートの前方移動により打ち消される。このため、車両が前後に移動することなく、起立動作が行われる。
次に主制御ECU21は、起立が完了し倒立状態となっているか否かの判断をする(ステップ25)。主制御ECU21は、例えば、車体傾斜角(絶対値)が所定の閾値以下である場合に「倒立(=起立完了)」と判断する。
車両本体が倒立状態に至っていない場合(ステップ25;N)、主制御ECU21は、ステップ21に戻り、起立制御を続行する。
一方、起立状態に至っている場合(ステップ25;Y)、主制御ECU21は、本実施形態による起立制御処理を終了する。主制御ECU21は、以後、倒立状態における車両の姿勢(倒立)制御と走行制御を実行する。
次に、第1実施形態における乗降停止制御(ステップ7;図4)の内容について説明する。
図7は、第1実施形態における乗降停止制御の処理内容を表したフローチャートである。
図7に示した乗降停止制御において、ステップ31からステップ36までの処理が、倒立状態(図1(d))から、車両本体の重心Pを移動させることなく、また車両を前後に移動させることなく、ストッパ前方端部S2を接地させる処理、すなわち、乗降停止状態(図1(f))までの処理である。
また、ステップ41からステップ45までの処理が、乗降停止状態で搭乗者の降車を補助するために、シートを最前方位置(乗降補助位置)に移動させる処理である。
主制御ECU21は、センサから各状態量を取得する(ステップ31)。すなわち主制御ECU21は、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71から回転角(シート位置λS)を、角度計(角速度計)41から車体傾斜角θ1(角速度)を、駆動輪回転角度計51から駆動輪回転角θWを、それぞれ取得する。
次に主制御ECU21は、シート位置の目標値λS *と車体傾斜角の目標値θ1 *を決定する(ステップ32)。すなわち主制御ECU21は、次の数式8、数式9によりシート位置の目標値λS *を決定する。また、決定したシート位置の目標値λS *を使用して、数式10により車体傾斜角の目標値θ1 *を決定する。
(数式8)
λS *=λS,n
(数式9)
λS,n=−l1(m1/ms)tanθ1,F
(数式10)
θ1 *=−tan-1(mS{λS *}/m11
数式8において、rは本制御ループ(ステップ31〜ステップ36)開始からの時間tを所定の時間T2で無次元化した値(r=t/T2)を表す。T2はシート後方移動時間を表し、予め設定された値が使用される。
λS,nはシートの重心補正位置であり、数式9により算出する。重心補正位置は、車体接地時(乗降停止状態)において、車両本体の重心Pが駆動輪の接地点S1を通る鉛直線V上にあるときのシート(搭乗部13)の位置である。
数式9において、θ1,Fは、ストッパ前方端部S2が接地した状態、すなわち、乗降停止状態における車両本体の傾斜角(車体接地傾斜角)で、あらかじめ設定した値を使用する。但し、図5に示される起立制御の際に、車体が起立する直前の値(乗降停止状態における値)を記憶しておき、該値を使用するようにしてもよい。
数式8、数式9により、シート後方移動時間T2に対して、図8(a)、(b)の実線で表されるようなシート位置の目標値λS *と車体傾斜角の目標値θ1 *が設定されるが、点線で示すような動作を設定することにより、シート移動および車体傾斜の加減速に伴う搭乗者へのショックを軽減するようにしてもよい。
次に主制御ECU21は、各アクチュエータの指令値SS、τWを決定する(ステップ33)。すなわち主制御ECU21は、数式8〜数式10で決定したシート位置と車体傾斜角の目標値λS *、θ1 *から、数式11によりシートの駆動推力指令値SSを、数式12により駆動輪のトルク指令値τWを、それぞれ決定する。
(数式11)
S=SS,f−KS7(λS−λS *)−KS8({λS}−{λS *})
(数式12)
τW=−KW2{θW}+KW3(θ1−θ1 *)+KW4({θ1}−{θ1 *})
数式12において、KW2、KW3、KW4、KS7、KS8はフィードバックゲインであり、例えば、極配置法によって、予め設定した値を使用する。
なお、数式12のフィードバック制御において、シートの位置および速度を考慮するようにしてもよい。
また、数式11において、対乾性摩擦用のフィードフォワードトルクSS,fの代わりに、積分ゲインを与えるようにしてもよい。
次に主制御ECU21は、各制御システムに指令値SS、τWを与える(ステップ34)。すなわち主制御ECU21は、シート制御ECU24、駆動輪制御ECU22に、決定した指令値SS、τWをそれぞれ供給する。
これにより、駆動輪制御ECU22は、指令値τWに対応する駆動電圧を駆動輪アクチュエータ52に供給することで、駆動輪11に駆動トルクτWを与える。また、シート制御ECU24は、指令値SSに対応した駆動電圧をシート駆動アクチュエータ72に供給することで、シート(搭乗部13)を後方に移動させる。
そして、駆動輪11からの駆動トルクτWによって、車両本体は徐々に傾斜角θを大きくしながら傾斜し、車両本体傾斜による重心移動量は、シートの後方移動により打ち消される。このため、車両が前後に移動することなく、前方傾斜の動作が行われる。
次に主制御ECU21は、シートが重心補正位置、すなわち、車体接地状態(乗降停止状態)における車両本体の重心Pが駆動輪の接地点S1を通る鉛直線V上にあるときのシート位置に到達したか否かを判断する(ステップ35)。
シートが重心補正位置に到達していなければ(ステップ15;N)、主制御ECU21は、ステップ31に戻ってシートの後方移動と車両本体の前傾を続ける。
シートが重心補正位置に到達すると(ステップ35;Y)、更に主制御ECU21は、実際に車両本体が接地しているか否か、すなわち、ストッパ17の前方端部S2が接地しているか否かを判断する(ステップ36)。主制御ECU21は、例えば、車体傾斜角が所定の閾値以上である場合に「接地(=傾斜完了)」と判断する。
車両本体が接地していない場合(ステップ36;N)には、シートは計算上の重心補正位置に移動しているが、起立制御時と同様にパラメータ誤差や外乱等が原因で、車両本体の重心Pは実際には重心補正位置に到達していないことが想定されるため、主制御ECU21は、ステップ31に戻って、引き続きシートの後方移動と車両本体の前傾を行う。
以上のステップ31からステップ36のループによる倒立状態から乗降停止状態に到るまでの処理が完了すると、主制御ECU21は、ステップ41からステップ45のループによる、降車補助の処理を行う。
まず主制御ECU21は、シート駆動モータ回転角度計(位置センサ)71から、現在のシート位置(回転角)λSを取得する(ステップ41)。
次に主制御ECU21は、シート位置の目標値λS *を、次の数式13から決定する(ステップ42)。
(数式13)
r<1のとき,λS *=λS,init1(1−r)+λS,endr,
r≧1のとき,λS *=λS,end
数式13において、rはシート移動開始からの時間tを所定の時間T1で無次元化した値(r=t/T1)を表している。
また、λS,init1は同開始時のシート位置(シートの初期位置)を表す。
λS,endは後述する数式14で算出されるシートの乗降補助位置である。乗降補助位置は、搭乗者が乗り降りを行う時のシートの設定位置であり、本実施形態では、駆動輪接地点S1とストッパ接地点S2(図1参照)から等距離の点に車両本体の重心Pが位置するようなシート位置に設定されている。
なお、本実施形態の乗降補助位置は、搭乗者乗降時の車体安定性を最優先させたシート位置として上述の位置を設定しているが、搭乗者の乗り降りの行い易さを重視して、乗降補助位置(シート位置)をより前方(ストッパ接地点S2側)に移動させるようにしてもよい。また、搭乗から起立まで、あるいは、傾斜から降車までの時間を短くするために、乗降補助位置をより後方(駆動輪接地点S1側)とすることで、シート移動量を少なくしてもよい。
1は、シート前方移動時間を表し、予め設定された値が使用される。
本実施形態では、図8(c)に示されるように、シート前方移動時間T1の間に、シートの初期位置λS,init1から、乗降補助位置λS,endまで直線的に変化するように、シート目標位置λS *が決定される。
但し、図8(c)の点線で示すように、初期位置λS,init1から移動開始直後と、乗降補助位置λS,endまでの移動完了直前での変化量が、両者間での変化量よりも小さくなるように、シート目標位置λS *を設定するようにしてもよい。これにより、シート移動の加減速に伴う搭乗者へのショックを軽減することができる。
シートの乗降補助位置λS,endは、次の数式14から算出する。
この数式14において、dは車両本体の中心面(車両本体の重心と駆動輪の車軸を通る平面)からストッパ17の前方端部S2までの距離であり、Mは車両全重量、θ1,init1は車体傾斜角である。
また、l1は車両本体の車軸からの重心距離で、msは搭乗部質量、m1は車両本体の質量(搭乗部を含む)である。
(数式14)
λS,end=(d/2)(M/mS)−l1(m1/mS)tanθ1,init1
次に主制御ECU21は、シート駆動アクチュエータ72によるシートの駆動推力指令値SSを決定する(ステップ43)。すなわち、主制御ECU21は、決定したシート目標位置λS *を使用して、次の数式15により、シートの駆動推力指令値SSを決定する。
数式15において、KS7、KS8は、フィードバックゲインであり、例えば、極配置法によって、あらかじめ設定された値が使用される。
S,fは、対乾性摩擦用のフィードフォワードトルクを表し、設定値を与えるが、その正負は移動方向に合わせて変化させる(後方移動の場合は、負の値)。なお、SS,fの代わりに、積分ゲインを与えるようにしてもよい。
(数式15)
S=SS,f−KS7(λS−λS *)−KS8({λS}−{λS *})
次に主制御ECU21は、シート制御システム70に決定した推力指令値SSを与える(ステップ44)。すなわち、主制御ECU21は、決定したシートの駆動推力指令値SSをシート制御ECU24に供給し、シート制御ECU24は、駆動推力指令値SSに対応した駆動電圧をシート駆動アクチュエータ72に供給する。
これにより、シート(搭乗部13)は、シート目標位置λS *に向けて前方に移動する。
次に主制御ECU21は、移動させたシートが乗降補助位置に到達したか否かを判断し(ステップ45)、到達していなければ(ステップ45;N)、主制御ECU21は、ステップ41にもどり、シートの前方移動を継続する。
一方、シートが乗降補助位置に到達したと判断すると(ステップ45;Y)、主制御ECU21は、シートの移動を終了し、乗降停止制御を終了する。
なお、本実施形態では、シートが乗降補助位置に到達した場合にシート移動を終了するが、更に、搭乗者が降車スイッチをOFFに切り換えた場合にもシート移動を終了するようにしていもよい。
次に第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では、車両の前後方向に移動可能なバランサ(重量体)を配置し、第1実施形態で説明した起立制御における車両本体を起立させる処理(ステップ21〜25)、及び、乗降停止制御における車両本体を傾斜させる処理(ステップ31〜36)において、パラメータの誤差や外乱などの影響で、車両本体の傾斜とシートの移動でうまくバランスが保てず、車両が動いてしまうときに、その影響の一部をバランサで補償する。すなわち、バランサを車両本体の微妙なバランス調整に用いる。
本実施形態では、車両本体の総重量と比較して、重量の小さいバランサを想定している。バランサとしては、例えば、(a)直線移動型、(b)回転振子型、(c)回転倒立振子型の各種が使用可能である。
ここで、バランサとは、搭乗部を含まない車両本体質量の一部であり、車体に取り付けられたアクチュエータによって、車体中心軸(車体の重心と車体回転中心を通る直線)と車輪回転中心軸に垂直な方向へ自由に動かすことができる部分、と定義する。
図9は、第2実施形態における車両の制御ユニットの構成を表したものである。図3に示した第1実施形態における制御ユニットと同様である部分には同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
図9に示されるように、第2実施形態における制御システムは、バランサ制御ECU23、バランサ駆動モータ回転角度計61、バランサ駆動アクチュエータ(モータ)62を更に備えており、主制御ECU21はこれら各部と共にバランサ制御システム60として機能するようになっている。
バランサ駆動モータ回転角度計(位置センサ)61は、バランサ位置に相当するモータ回転角を主制御ECU21に供給し、主制御ECU21は、駆動推力指令値をバランサ制御ECU23に供給し、バランサ制御ECU23は、駆動推力指令値に相当する駆動電圧をバランサ駆動アクチュエータ62に供給する。
他の構成については、図3で説明した第1実施形態と同様である。
図10は、バランサ134を任意の位置に移動させるバランサ移動機構について、その構成例を表したものである。
このバランサ移動機構は、重量体移動手段として機能し、車両本体の一部を構成する。バランサ移動機構は、重量体であるバランサ134を前後方向に動かすことによって車両本体の重心を移動させる。
バランサ134は、搭乗部13と駆動輪11との間に配置されている。このバランサ134は、バランサ駆動アクチュエータ62によって前後方向(車体中心軸と車輪回転中心軸に垂直な方向)に移動可能であるように構成されている。
本実施形態である図10(a)のバランサ移動機構は、スライダ型アクチュエータ135によって、スライダ上でバランサ134を直線移動させる。
図10(b)、(c)に示すバランサ移動機構は、回転移動型バランサを用いた機構である。支持軸136の一端にはバランサ134が配設され、支持軸136の他端部には、バランサ支持軸回転モータ137、138のロータが固定されている。
そして、バランサ支持軸モータ137、138によって、支持軸136を半径とする円周軌道上でバランサ134を移動させる。
図10(b)のバランサ移動機構では、バランサ支持軸回転モータ137が座面部131の下部に配設され、円周軌道上の下側でバランサ134が移動する。
図10(c)のバランサ移動機構では、バランサ支持軸回転モータ138が駆動輪11と同軸上に配設され、円周軌道上の上側でバランサ134が移動する。
なお、他のバランサ移動機構の例として、伸縮型のアクチュエータによりバランサ134を移動させるようにしてもよい。
例えば、2本の伸縮型アクチュエータのそれぞれ一端を車両の前方と後方に固定し、他端をそれぞれバランサ134に固定し、両伸縮型アクチュエータの一方を伸ばし、他方を縮めることで、バランサ134を直線移動させてもよい。
図11は、本実施形態のバランサを含む車両姿勢制御系の力学モデルを図示したものである。この力学モデルにおけるバランサを除いた他の部分については、他の実施形態にも適用可能である。
図11におけるバランサ134は、車軸及び車両中心軸に垂直な方向に移動する図10(a)の場合を例示している。
この図11における各記号は次の通りである。
(a)状態量
θW:タイヤの回転角[rad]
θ1:本体の傾斜角(鉛直軸基準)[rad]
λ2:バランサの位置(車体中心軸基準)[m]
λS:シートの位置(車体中心軸基準)[m]
(b)入力
τW:駆動モータトルク(2輪合計)[Nm]
B:バランサ駆動推力[N]
S:シート駆動力[N]
(c)パラメータ
W:タイヤの質量[kg]
W:タイヤの半径[m]
W:タイヤの慣性モーメント(車軸周り)[kgm2
1:本体の質量(乗員を含む)[kg]
1:本体の重心距離(車軸から)[m]
1:本体の慣性モーメント(重心周り)[kgm2
2:バランサの質量[kg]
2:バランサの基準重心距離(車軸から)[m]
2:バランサの慣性モーメント(重心周り)[kgm2
S:搭乗部質量[kg]
なお、バランサの位置λ2は、車両前方を正とする(車体傾斜角θ1の正方向と同じ)。
このように構成された第2実施形態における車両の起立制御及び乗降停止制御について、次に説明する。
図12は、第2実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。
なお、以下説明する各実施形態における構成図、フローチャートの説明では、第1実施形態と同様の部分について同一の符号、ステップ番号を付し、同一部分については適宜その説明を省略することとする。
第2実施形態における起立制御において、主制御ECU21は、第1実施形態と同様に、乗降停止状態(図1(a))で起立制御指令が出されてから、シート(搭乗部13)を後方に移動させて、車両本体の重心Pを駆動輪11の接地点S1を通る鉛直線V上(図1(b))まで移動させる(ステップ11〜ステップ16)。
車両本体の重心Pが駆動輪設定点S1上に移動すると、主制御ECU21は、各センサからシート位置λS、車体傾斜角θ1、駆動輪回転角θWを取得し(ステップ21)、更に、バランサ駆動モータ回転角度計(位置センサ)61から回転角(バランサ位置λ2)を取得する(ステップ22)。
次に主制御ECU21は、数式4によりシート位置の目標値λS *、を決定すると共に、決定した目標値λS *を使用して、数式5により車体傾斜角の目標値θ1 *をそれぞれ決定する(ステップ22)。なお、バランサの目標値は基準位置、すなわち、λB *=0である。
そして主制御ECU21は、決定したシート位置と車体傾斜角の目標値λS *、θ1 *から、数式6によりシートの駆動推力指令値SSを、数式7により駆動輪の駆動トルク指令値τWをそれぞれ決定する(ステップ23)。
次に主制御ECU21は、次の数式16により、バランサの駆動推力指令値SBを決定する(ステップ232)。
(数式16)
B=−KB1θW−KB2{θW}−KB5λ2−KB6{λ2
数式16において、KB1、KB2は車両の移動(駆動輪の回転)を抑制するフィードバックゲインで、KB5、KB6はバランサ自身の位置を制御するフィードバックゲインである。各フィードバックゲインは、例えば、極配置法によって、あらかじめ設定しておく。
数式16では、駆動輪11の回転角θWに対してフィードバックゲインKB1を与えることで、駆動輪回転速度の定常偏差(一定速度での車両の移動)を減少させ、車両の移動量を抑えるようにしている。
次に主制御ECU21は、シート制御ECU24、駆動輪制御ECU22に決定した指令値SS、τWを供給し(ステップ24)、更に、バランサ制御ECU23に数式16で決定した指令値SBを供給する(ステップ242)。
これにより、駆動輪制御ECU22は、指令値τWに対応する駆動電圧を駆動輪アクチュエータ52に供給することで車両本体を起き上がらせ、シート制御ECU24は、指令値SSに対応した駆動電圧をシート駆動アクチュエータ72に供給することで、シート(搭乗部13)を前方に移動する。
そしてバランサ制御ECU23は、指令値SBに対応する駆動電圧でバランサ駆動アクチュエータ62を駆動することでバランサを移動させ、車両本体の起立とシートの前方移動に伴う重心移動量の偏差を打ち消し、車両が前後に移動することを抑える。
次に主制御ECU21は、起立が完了しているか否を判断(ステップ25)し、完了していなければ(ステップ25;N)、ステップ21に戻って起立制御を続行し、起立状態に至っていれば(ステップ25;Y)、本実施形態による起立制御処理を終了する。
次に第2実施形態における乗降停止制御の処理について図13のフローチャートを参照して説明する。
主制御ECU21は、各センサから、シート位置λS、車体傾斜角θ1、駆動輪回転角θWを取得し(ステップ31)、さらに、バランサ駆動モータ回転角度計61からバランサ位置λ2を取得する(ステップ312)。
そして主制御ECU21は、数式8、数式9によりシート位置の目標値λS *を決定し、数式10により車体傾斜角の目標値θ1 *を決定する(ステップ32)。
バランサの目標位置は、起立制御と同様に基準位置(λB *=0)である。
次に主制御ECU21は、数式8〜数式10で決定したシート位置と車体傾斜角の目標値λS *、θ1 *から、数式11によりシートの駆動推力指令値SSを決定し、数式12により駆動輪のトルク指令値τWを、それぞれ決定する(ステップ33)。
また主制御ECU21は、第2実施形態の起立制御で説明した数式16を使用して、バランサの駆動推力指令値SBを決定する(ステップ332)。
次に主制御ECU21は、決定した指令値SS、τWをシート制御ECU24、駆動輪制御ECU22に、それぞれ供給し(ステップ34)、更に、バランサ制御ECUに数式16で決定した指令値SBを供給する(ステップ342)。
これにより、駆動輪制御ECU22は、指令値τWに対応する駆動電圧を駆動輪アクチュエータ52に供給することで車両本体を傾斜させ、シート制御ECU24は、指令値SSに対応した駆動電圧をシート駆動アクチュエータ72に供給することで、シート(搭乗部13)を後方に移動する。
そしてバランサ制御ECU23は、指令値SBに対応する駆動電圧でバランサ駆動アクチュエータ62を駆動することでバランサを移動させ、起立時と同様に、車両本体の傾斜とシートの後方移動に伴う重心移動量の偏差を打ち消し、車両が前後に移動することを抑える。
次に主制御ECU21は、シートが重心補正位置に到達したか否か、及び車体が接地しているか否かについて判断する(ステップ35、ステップ36)。シートが重心補正位置に到達してい場合(ステップ35;N)、あるいは、車体が接地していない場合(ステップ36;N)、主制御ECU21は、ステップ31に戻ってシートの後方移動と車両本体の前傾を続行する。
一方、シートが重心補正位置に到達し(ステップ35;Y)、車体が接地している場合(ステップ36;Y)、第1実施形態と同様に、ステップ41からステップ45のループによる、降車補助の処理を行う。
なお、第2実施形態では、外乱等に対する車両本体の微妙なバランス調整にバランサを使用するが、シート移動による車両重心移動の補助として利用してもよい。例えば、起立制御の初めにシートを乗降補助位置から後方へ移動させるとき(ステップ11〜16)に、バランサも後方へ移動させることにより、重心移動に必要なシート移動量を減らすことができ、起立までの所要時間を短くすることができる。
また、後述する乗降停止制御において、シートを重心補正位置から前方へ移動させるとき(ステップ41〜45)に、バランサを後方に移動させることにより、車両本体の重心Pを駆動輪接地点S1とストッパ接地点S2の中間位置に保持した状態で、降車補助位置をより前方に移すことができ、搭乗者にとって乗車や降車が楽になる。
次に第3実施形態について説明する。
この第3実施形態では、搭乗部13(搭乗者およびシート)の質量を計測し、その計測値に応じて、制御パラメータを補正することで、起立制御、乗降停止制御をより安定的に行うものである。
図14は、第3実施形態における車両の制御システムの構成を表したものである。図3に示した第1実施形態における制御システムと同様である部分には同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
図14に示されるように、第3実施形態における制御システムは、シート制御システム70の一部としてシート荷重計73を備えており、搭乗部荷重(垂直荷重)WSを検出して、主制御ECU21に供給する。
なお第3実施形態では、搭乗部質量を荷重計を使って評価しているが、簡易なシステムにより段階的に質量を評価するような離散的な測定方法を用いて評価してもよい。また、搭乗者自身が質量(体重)を入力するようにし、その入力値を使用するようにしてもよい。
このように構成された第3実施形態における起立制御及び乗降停止制御について、次に説明する。なお、第1実施形態における起立制御、乗降停止制御と同様の処理には同一のステップ番号を付し、適宜その説明を省略する。
図15は、第3実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。
主制御ECU21は、シート荷重計73から、シートに作用する垂直荷重(搭乗部荷重WS)を取得し(ステップ101)、搭乗部質量mSを次の数式17により決定する(ステップ102)。
(数式17)
S=mS,0+WS/gcosθ1
数式17において、mS,0は搭乗部質量の非変動分(搭乗者の有無に依らない質量;シートなど)、WSはステップ101で取得した搭乗部荷重(垂直力)、gは重力加速度、θ1は車体傾斜角である。
ここで、搭乗部質量mSは、シート制御システムによって動かすことが可能な部分の質量であり、搭乗者だけでなく、荷物などを積載した場合にはその積載物の質量を含む。
なお、本実施形態では、垂直荷重(座面に垂直な成分)を計測する荷重計を使用しているが、水平成分も計測できる荷重計を用いてもよい。この場合、車体傾斜角θ1の値を用いることなく、搭乗部質量mSを決定することができる。
なお、数式17で求まる搭乗部質量mSに対して、ローパスフィルタをかけて、高周波成分を取り除くようにしてもよい。これにより、ノイズに起因する車体やシートの振動を無くすことができる。
車両本体の質量m1についても、搭乗部質量の標準値(想定に基づき、あらかじめ設定した値)との差を加えておく。
また、初期(本制御ループ開始時)において、車体傾斜角θ1には、設計値、あるいは、前回の乗降停止制御終了時に記憶した値を使用する。
本実施形態では、搭乗部質量変動の影響を、車体重量m1においてのみ考慮しているが、車体の重心距離l1についても、搭乗部質量変動の影響を考慮して補正するようにしてもよい。
また、本実施形態では、搭乗部質量変動が直接影響するパラメータのみを修正しているが、たとえば、フィードバックゲインについても、その影響を考慮して、修正してもよい。
例えば、数式3、数式6、数式11、数式15におけるフィードバックゲインKS7について、次の数式18に従って修正するようにしてもよい。
数式18において、記号[x]はxの標準値を表す。
(数式18)
S7=(mS/[mS])[KS7]
数式17により搭乗部質量mSを決定すると、主制御ECU21は、ステップ11からステップ16までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、数式1で用いる重心補正位置λS,nを決定する数式2において、ステップ102で決定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
車両本体の重心Pが駆動輪の接地点S1を通る鉛直線上に移動すると、主制御ECU21は、ステップ101、102と同様に、シート荷重計73から、シートに作用する垂直荷重(搭乗部荷重WS)を取得し(ステップ201)、搭乗部質量mSを上記数式17により決定する(ステップ202)。
数式17により搭乗部質量mSを決定すると、主制御ECU21は、ステップ21からステップ25までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、車体傾斜角目標値θ1 *を決定する数式5において、ステップ202で決定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
次に第3実施形態における乗降停止制御について、図16を参照しながら説明する。
主制御ECU21は、起立制御におけるステップ101、102と同様に、シート荷重計73から、シートに作用する垂直荷重(搭乗部荷重WS)を取得し(ステップ301)、搭乗部質量mSを上記数式17により決定する(ステップ302)。
搭乗部質量mSを決定すると、主制御ECU21は、ステップ31からステップ36までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、数式8で用いる重心補正位置λS,nの決定式(数式9)、および数式10の車体傾斜角目標値θ1 *の決定式において、ステップ302で決定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
ステップ301からステップ36のループによる倒立状態から乗降停止状態に到るまでの処理が完了すると、主制御ECU21は、ステップ301、302と同様に、シート荷重計73から、シートに作用する垂直荷重(搭乗部荷重WS)を取得し(ステップ401)、搭乗部質量mSを上記数式17により決定する(ステップ402)。
数式17により搭乗部質量mSを決定すると、主制御ECU21は、ステップ41からステップ45までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、数式13で用いる乗降補助位置λS,endの決定式(数式14)において、ステップ402で決定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
なお、本実施形態では、図15、図16で説明した起立制御、乗降停止制御の途中で搭乗部質量が変化した場合に対応するために、制御ループ内で毎回搭乗部荷重を取得する場合について説明したが、制御ループ開始前に、1度だけ荷重を計測するようにしてもよい。この場合、制御中の質量変化には対応できないが、制御の安定性を向上させることができる。
次に第4実施形態について説明する。
第3実施形態では、搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値をシート荷重計73による実測値から数式17で算出する場合について説明したが、第4実施形態では、搭乗部の質量を推定し、その推定値に応じて制御パラメータを補正するものである。搭乗部質量は、例えば状態オブザーバにより推定する。
第4実施形態における制御システムは、図3に示した第1実施形態と同一である。
図17は、第4実施形態における起立制御の処理内容を表したフローチャートである。
主制御ECU21は、最初に搭乗部質量を推定する(ステップ103)。すなわち、主制御ECU21は、シート移動の状態から、次の数式19のシート移動モデルにより、搭乗部質量mSを推定する。
数式19において、SS,f0は乾性摩擦で、あらかじめ設定した値を使用する。
また、gは重力加速度、CSはシート移動に対する粘性摩擦係数を表す。
なお、本制御ループ(ステップ101〜ステップ16)開始時には、オブザーバの初期値として搭乗部質量に予め定めた標準値を与える。
(数式19)
S=(−SS±SS,f0+CS{λS})/gsinθ1
数式19では、例えば、一定のシート移動速度{λS}において、シート移動に要する推力SSが大きいほど、大きな搭乗部質量mSが推定される。
なお、数式19によるシート移動モデルでは、慣性を考慮しておらず、また、乾性摩擦も重量に依存しない一定値としているが、それらを厳密に考慮した、より詳細なモデルを用いて搭乗部質量mSを推定してもよい。
数式19によって求まる搭乗部質量mSに対して、ローパスフィルタをかけて、高周波成分を取り除くようにしてもよい。これにより、オブザーバを安定化させると共に、ノイズに起因する車体やシートの振動を無くすことができる。
数式19により搭乗部質量mSを推定すると、主制御ECU21は、ステップ11からステップ16までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、数式1で用いる重心補正位置λS,nを決定する数式2において、ステップ103で推定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
車両本体の重心Pが駆動輪の接地点S1を通る鉛直線上に移動すると、主制御ECU21は、再び搭乗部質量mSを決定する(ステップ203)。すなわち主制御ECU21は、車体傾斜の状態(θ1)から、数式20の車体傾斜モデルにより、搭乗部質量mSを推定する。
数式20において、mCは車体重量の非変動分で、[m1]−[mS]で表される。記号[x]はxの標準値を表す。
なお、本制御ループ(ステップ203〜ステップ25)開放時には、オブザーバの初期値として搭乗部質量に、予め定めた標準値を与える。
(数式20)
S=((τW/g)−mC1sinθ1)/(l1sinθ1+λScosθ1
数式20では、例えば、一定の車体傾斜角θ1およびシート位置λSにおいて、車体起立に要するトルクτWが大きいほど、大きな搭乗部質量mSが推定される。
なお、数式20による車体傾斜モデルでは、慣性や摩擦を考慮していないが、これらを厳密に考慮した、より詳細なモデルを用いて搭乗部質量mSを推定してもよい。また、駆動輪の回転など、別の力学系から推定してもよい。
数式20によって求まる搭乗部質量mSに対して、ローパスフィルタをかけて、高周波成分を取り除くようにしてもよい。これにより、オブザーバを安定化させると共に、ノイズに起因する車体やシートの振動を抑制することができる。
数式20により搭乗部質量mSを推定すると、主制御ECU21は、ステップ21からステップ26までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、車体傾斜角目標値θ1 *を決定する数式5において、ステップ203で推定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
図18は、第4実施形態における乗降停止制御の処理内容を表したフローチャートである。
主制御ECU21は、最初に搭乗部質量を推定する(ステップ303)。この推定には、第4実施形態の起立制御で説明した数式20の車体傾斜モデルを使用する。
次いで、主制御ECU21は、ステップ31からステップ36までの処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、数式8で用いる重心補正位置λS,nの決定式(数式9)、および、数式10の車体傾斜角目標値θ1 *の決定式において、ステップ303で推定した搭乗部質量mS(および、車体質量m1)の値を用いる。
ステップ303からステップ36のループによる倒立状態から乗降停止状態に到るまでの処理が完了すると、主制御ECU21は、搭乗部質量mSを決定する(ステップ403)。この推定には、第4実施形態の起立制御で説明した数式19のシート移動モデルを使用する。
次いで主制御ECU21は、ステップ41からステップ45迄の処理を第1実施形態と同様に行う。
但し、数式13で用いる乗降補助位置λS,endの決定式(数式14)において、ステップ403で推定した搭乗部質量mSを使用する。
以上説明した第4実施形態の起立制御、乗降停止制御では、制御ループと同じループ内(同じ周期)で搭乗部質量mSの推定を行っているが、別のループ(周期)で推定を行ってもよい。たとえば、計算量が多い場合には、推定計算の周期を大きくしてもよい。
なお、第4実施形態では、力学的モデルに基づくオブザーバによって、搭乗部質量mSを推定しているが、より簡単な方法を用いてもよい。たとえば、数式19の代わりに、シートを動かすのに最低減必要な推力とそのときの搭乗部質量mSの関係を計測した結果を、あらかじめマップとして記憶しておき、それを用いて推定を行ってもよい。
以上説明した第3実施形態、第4実施形態では、第1実施形態における搭乗部質量mSを計測、推定によりそれぞれ決定するが、第2実施形態において、第3実施形態、第4実施形態で決定、推定した搭乗部質量mSを使用するようにしてもよい。
また上述の各実施形態において、車両の乗降停止の状態での車両本体の傾斜方向は前方としているが、例えば、搭乗部に背もたれが無く座面部だけの場合や、座面部も無く後方から乗車するように構成されている車両の場合には、後方に傾斜させてもよい。
また車両として次の構成を採用するようにしてもよい。
(1)構成1
車体の傾斜状態と駆動輪の回転状態に応じて前記駆動輪のトルクを制御することで、搭乗部及び車体を含む車両本体を倒立状態に保持して走行する車両であって、停止時において一部が接地することで前記車両本体の傾斜角を制限する制限機構と、前記車体に対して、前記搭乗部を車両の前後方向に移動させる搭乗部移動機構と、前記車体に対して、車両の前後方向に移動可能に配置されたバランサと、前記搭乗部移動機構により前記搭乗部を前方に移動させながら前記車両本体を起立させる起立制御手段と、前記起立制御手段による車両本体の起立に際して発生する、車両本体の重心の移動に基づき前記バランサの移動制御を行うバランサ制御手段と、を具備したことを特徴とする車両を提供する。
(2)構成2
前記起立制御手段は、前記制限機構により車体の傾斜角が制限された状態で、前記車両本体の重心が前記駆動輪の接地点を通る鉛直線上に位置するまで前記搭乗部を移動させた後に、前記車両本体の起立を開始し、前記バランサ制御手段は、前記車両本体の起立を開始した後にバランサの移動制御を開始する、ことを特徴とする構成1に記載の車両を提供する。
(3)構成3
前記起立制御手段は、前記車両本体の重心が前記駆動輪の接地点を通る鉛直線上に位置するまで前記搭乗部が移動したか否かを、前記車両本体の傾斜角の変化により判定することを特徴とする構成2に記載の車両を提供する。
(4)構成4
前記起立制御手段は、起立開始からの経過時間に応じた前記搭乗部の搭乗部目標位置と前記車体の車体傾斜角目標値を決定し、前記搭乗部目標位置に応じて前記搭乗部の移動状態をフィードバック制御し、前記車体傾斜角目標値に応じて前記車体の傾斜状態をフィードバック制御する、ことを特徴とする構成1、構成2、又は構成3に記載の車両を提供する。
(5)構成5
前記起立制御手段は、起立開始時と起立完了時の起立速度が、起立途中の起立速度よりも小さくなるように前記搭乗部目標位置と前記車体傾斜角目標値を決定する、ことを特徴とする構成4に記載の車両を提供する。
(6)構成6
前記搭乗部に作用する荷重を取得する荷重取得手段を備え、前記取得した荷重に応じて前記搭乗部目標位置を決定する、ことを特徴とする構成4に記載の車両を提供する。
(7)構成7
前記荷重取得手段は、前記搭乗部の搭載荷重を計測する荷重計による計測値、又は、前記搭乗部の移動状態、前記車体の傾斜状態、前記駆動輪の回転状態のうち少なくとも1つを用いた状態オブザーバによる推定値を、前記搭乗部に作用する荷重とする、ことを特徴とする構成6に記載の車両。
(8)構成8
前記バランサ制御手段は、車輪回転角、車体傾斜角、前記搭乗部位置のうち少なくとも1つのフィードバック制御を含む、ことを特徴とする構成1に記載の車両を提供する。
11 駆動輪
12 駆動モータ
13 搭乗部
14 支持部材
131 座面部
132 背もたれ部
133 ヘッドレスト
16 制御ユニット
17 ストッパ
20 制御ECU
21 主制御ECU
22 駆動輪制御ECU
23 バランサ制御ECU
24 シート制御ECU
30 入力装置
31 操縦装置
32 起動・降車スイッチ
40 車体制御システム
41 角度計
50 駆動輪制御システム
51 駆動輪回転角度計
52 駆動輪アクチュエータ
60 バランサ制御システム
61 バランサ駆動モータ回転角度計
62 バランサ駆動アクチュエータ(モータ)
70 シート制御システム
71 シート駆動モータ回転角度計
72 シート駆動アクチュエータ
73 シート荷重計
134 バランサ
135 スライダ型アクチュエータ
136 支持軸
137、138 バランサ支持軸モータ

Claims (7)

  1. 車体の傾斜状態と駆動輪の回転状態に応じて前記駆動輪のトルクを制御することで、搭乗部及び車体を含む車両本体を倒立状態に保持して走行する車両であって、
    一部が接地することで前記車両本体の傾斜角を制限する制限機構と、
    前記車体に対して、前記搭乗部を車両の前後方向に移動させる搭乗部移動機構と、
    前記車体に対して、車両の前後方向に移動可能に配置されたバランサと、
    前記搭乗部移動機構により前記搭乗部を後方に移動させながら、前記制限機構の一部が接地した乗降停止の状態まで前記車両本体を傾斜させる乗降停止制御手段と、
    前記乗降停止制御手段による車両本体の傾斜に際して発生する、車両本体の重心の移動を補償するように前記バランサの移動制御を行うバランサ制御手段と、
    を具備したことを特徴とする車両。
  2. 前記乗降停止制御手段は、前記乗降停止の後、前記搭乗部を前方に移動させることを特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 前記乗降停止制御手段は、前記乗降停止のための傾斜開始からの経過時間に応じた前記搭乗部の搭乗部目標位置と前記車体の車体傾斜角目標値を決定し、
    前記搭乗部目標位置に応じて前記搭乗部の移動状態をフィードバック制御し、前記車体傾斜角目標値に応じて前記車体の傾斜状態をフィードバック制御する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両。
  4. 前記乗降停止制御手段は、車体傾斜角速度が所定の閾値以下である場合に、乗降停止の状態と判断する、ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両。
  5. 前記搭乗部に作用する荷重を取得する荷重取得手段を備え、
    前記取得した荷重に応じて前記搭乗部目標位置を決定する、ことを特徴とする請求項3に記載の車両。
  6. 前記荷重取得手段は、前記搭乗部の搭載荷重を計測する荷重計による計測値、又は、前記搭乗部の移動状態、前記車体の傾斜状態、前記駆動輪の回転状態のうち少なくとも1つを用いた状態オブザーバによる推定値を、前記搭乗部に作用する荷重とする、ことを特徴とする請求項5に記載の車両。
  7. 前記バランサ制御手段は、車輪回転角、車体傾斜角、前記搭乗部位置のうち少なくとも1つのフィードバック制御を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
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