以下に、本発明に係る車両走行制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る車両走行制御装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の車両走行制御装置における減速パターンを生成するためのフローチャート、図3は、実施例1の車両走行制御装置における減速パターンを表すグラフである。
本実施例の車両走行制御装置において、図1に示すように、電子制御ユニット(ECU)10には、ブレーキペダルセンサ11と、アクセルペダルセンサ12と、舵角センサ13と、G(加速度)センサ14と、ヨーレイトセンサ15と、車輪速センサ16と、白線認識センサ17と、ナビゲーションシステム18が接続されている。
ブレーキペダルセンサ11は、ドライバにより踏み込まれたブレーキペダルの踏み込み量(ブレーキペダルストロークまたは踏力)を検出するものであり、検出したブレーキペダルの踏み込み量をECU10に出力する。アクセルペダルセンサ12は、ドライバにより踏み込まれたアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するものであり、検出したアクセルペダルの踏み込み量をECU10に出力する。舵角センサ13は、ドライバにより操舵されたハンドルの操舵角を検出するものであり、検出した操舵角をECU10に出力する。
G(加速度)センサ14は、車両に作用する前後加速度と横加速度を検出するものであり、検出した各加速度をECU10に出力する。ヨーレイトセンサ15は、車両に発生しているヨーレイト(横旋回速度)を検出するものであり、検出したヨーレイトをECU10に出力する。車輪速センサ16は、車両の四輪にそれぞれ設けられ、各車輪の回転速度を検出するものであり、検出した各車輪の回転速度をECU10に出力する。ECU10は、各車輪の回転速度に基づいて車速を算出する。
白線認識センサ17は、カメラと画像処理装置を有しており、走行車線の両側にある左右の白線を検出するものであり、検出した左右の白線の位置(座標)をECU10に出力する。ECU10は、この左右の白線の位置から車両の中心を通る線(中心線)、この中心線のカーブ半径などを算出する。ナビゲーションシステム18は、車両の現在位置の検出、目的地までの経路案内などを行うシステムである。特に、このナビゲーションシステム18は、地図データベースから現在走行中の道路形状を読み出し、その道路形状情報をECU10に出力する。
また、ECU10には、スロットルアクチュエータ21、ブレーキアクチュエータ22、操舵アクチュエータ23、変速機アクチュエータ24が接続されている。
スロットルアクチュエータ21は、電子スロットル装置におけるスロットル弁を開閉すると共に、このスロットル開度を調整するものであり、ECU10は、エンジン制御信号に応じてスロットルアクチュエータ21を作動し、スロットル弁の開度を調整する。ブレーキアクチュエータ22は、ブレーキ装置に設けられるホイールシリンダへの制御油圧調整するものであり、ECU10は、ブレーキ制御信号に応じてブレーキアクチュエータ22を作動し、ホイールシリンダのブレーキ油圧を調整する。操舵アクチュエータ23は、モータによる回転駆動力を減速機構を介してステアリング機構に操舵トルクとして付与するものであり、ECU10は、操舵制御信号に応じて操舵アクチュエータ23を作動し、モータにより操舵トルクを調整する。変速機アクチュエータ24は、自動変速機(または、無段変速機)の変速操作を実行するものであり、ECU10は、変速機制御信号に応じて変速機アクチュエータ24を作動し、自動変速機の変速操作を実行する。
ところで、車両をある形状の道路に沿って自動走行させる場合、または、手動走行を支援する場合、道路形状に応じ、燃費、通過時間、安全性などを考慮して目標走行経路を設定すると共に速度パターンを設定する必要がある。この場合、目標走行経路は、車両がこれから将来走行する走行経路である。そして、この目標走行経路には、車両の位置、車速、加速度、ヨーレイトなど車両の走行に必要な多数のパラメータから構成されている。
実施例1の車両走行制御装置は、速度パターンにおいて車両の減速を行う第1減速パターンを生成する第1減速パターン生成手段と、第1減速パターンの継続期間がより長くなるように速度パターンを修正する減速パターン修正手段とを設けている。
この場合、速度パターンにおける減速領域、つまり、第1減速パターンの実行領域は、走行する車両における減速開始位置から目標停止位置までの領域であり、減速パターン修正手段は、第1減速パターンにおける減速開始位置側または目標停止位置側の減速度が大きくなるように修正する。
具体的に、減速パターン修正手段は、第1減速パターンにおける目標停止位置までの走行距離が目標停止位置までの実際の走行距離よりも長いとき、第1減速パターンにおける目標停止位置側に、第1減速パターンより減速度が大きい第2減速パターンを生成する。また、減速パターン修正手段は、第1減速パターンにおける目標停止位置までの走行距離が目標停止位置までの実際の走行距離よりも長いとき、第1減速パターンにおける減速開始位置側に、第1減速パターンより減速度が大きい第3減速パターンを生成する。
そして、この第1減速パターンは、車両における燃料カット制御(または、回生制御)を実行して車両を減速する領域としている。
なお、本実施例にて、上述した第1減速パターン生成手段、減速パターン修正手段は、ECU10が機能し、各種の処理を実行する。
実施例1の車両走行制御装置を具体的に説明すると、この実施例1の車両走行制御装置は、ナビゲーションシステム18により、地図データベースからこれから走行するコースの道路形状を読み出し、目標走行経路を設定し、この目標走行経路に応じた速度パターンを生成する。そして、ECU10は、この速度パターンに基づいてスロットルアクチュエータ21、ブレーキアクチュエータ22、操舵アクチュエータ23、変速機アクチュエータ24を制御し、車両の走行を制御する。
このとき、ナビゲーションシステム18により、目標走行経路にある信号の情報(または踏切情報)を受取り、この信号情報から走行中の車両が将来停止する位置を把握し、現在の車両の走行位置から停止位置までの減速パターン(速度パターン)を生成する。そして、ECU10は、この減速パターンに基づいて車両の走行を制御する。
本実施例では、車両は、エンジンと自動変速機を搭載しており、燃料カット制御とブレーキ制御とを組み合わせることで、低燃費減速パターンを生成する。この場合、変速位置をニュートラルとして車両の減速を行うニュートラル減速制御は、燃料カット制御による減速よりも、車両の停止距離が長くなることから、実用性に乏しい。また、燃料カット制御時における車両の運転条件は、所定エンジン回転数(例えば、1000rpm)以上で、且つ、所定車速(例えば、20km/h)以上である。更に、ナビゲーションシステム18から信号情報を受け取る位置は、例えば、信号の手前200m程度の位置が好適であり、これは、車両が信号情報を受け取ってからこの信号を通過するまでの時間が長くならないように配慮する必要があるからである。
走行中の車両における減速開始の初速度、通信の信頼度、制動予告時間などを考慮すると、車両が信号情報を受け取ってからこの信号を通過するまでの間に、燃料カット制御による減速だけでは、停止位置に停止できないことがある。このとき、本実施例では、燃流カット制御が実行されている時間(例えば、20km/h以上の減速区間)が長くなるように低燃費減速パターンを生成する。
燃流カット制御を実行する時間を長くするためには、燃流カット制御を実行する区間の車両平均速度を低くしたり、燃流カット制御を実行する区間の距離を長くすることが考えられる。本実施例では、燃流カット制御を実行する区間の車両平均速度を低くすることで、燃流カット制御を実行する区間の距離が長くなることから、車両の停止位置から現在の車両走行位置までの燃流カット制御を用いた減速パターンを暫定的に生成し、現在の車両速度に応じてブレーキ制御による減速パターンを加味し、低燃費減速パターンを生成する。そして、ECU10がこの低燃費減速パターンに基づいて車両の走行を制御する。この場合、初期のブレーキ制御による減速では、乗員の乗心地を考慮すると、減速度を0.2G程度に設定することが望ましい。
ここで、実施例1の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理について、図2のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施例1の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理において、図2に示すように、ステップS11にて、ナビゲーションシステム18から、現在、車両が走行する走路の前方にある信号の情報を受取る。ステップS12では、この信号情報に基づいて、車両が現在の速度を維持すると、青信号で通過可能であるかを判定する。ここで、車両が現在の速度を維持すると青信号で通過可能であると判定されたら、ECU10は、現在使用している定常速度走行の速度パターンを継続して使用し、車両の走行制御を実行する。
一方、ステップS12にて、車両が現在の速度を維持すると青信号で通過できないと判定されたら、ステップS13にて、減速パターンを生成する。即ち、まず、車両の現在位置と停止位置とに基づいて、減速開始位置とこの減速開始位置での目標速度を設定する。次に、減速開始位置と目標速度を起点として、燃料カット制御の実施条件を満した状態が維持されるような変速比パターン(シフトパターン)を生成すると共に、この変速比パターンに応じて走行する燃料カット走行を行った場合の速度パターンであって、減速開始位置で目標速度となる走行速度パターン、つまり、燃料カット制御を用いた減速パターンを生成する。この場合、燃料カット制御を用いた減速パターンでは、減速度Afが自動変速機のギア比により変動するため、変速比と速度に応じたマップにより求めればよく、例えば、Af=0.06G程度が望ましい。
ここで説明した燃料カット制御を用いた減速パターンの生成方法は、例えば、特開2008−074337号公報に記載されている技術であり、詳細な説明は省略する。なお、燃料カット制御を用いた減速パターンの生成方法は、この手法に限定されるものではない。
そして、ステップS14にて、ステップS13で生成した燃料カット制御を用いた減速パターンによる車両の停止位置までの走行距離をL1、車両の現在位置から停止位置までの走行距離をL2とするとき、両者の偏差(減速パターンにおける過不足距離)L3を算出する。
L3=L1−L2
ステップS15では、減速パターンにおける過不足距離L3が0以下かどうか、つまり、燃料カット制御を用いた減速パターンによる車両の停止位置までの走行距離をL1が、車両の現在位置から停止位置までの走行距離をL2以下かどうかを判定する。ここで、減速パターンによる走行距離をL1が、実際の走行距離をL2より長い(L3>0)であると判定されたら、ステップS16にて、上述した定常速度走行の速度パターンに燃料カット制御を用いた減速パターンを追加し、車両の走行制御を実行する。
一方、ステップS15にて、減速パターンによる走行距離をL1が、実際の走行距離をL2以下(L3≦0)と判定されたら、ステップS17にて、燃料カット制御時における不可速度Vf(例えば、20km/h)以下の速度パターンを、限界域速度の減速パターン(停止時減速パターンB)に変更する。この限界域速度とは、車両の性能限界ではなく、乗員の乗心地を考慮し、例えば、減速度Amaxが0.2G程度になる減速パターンである。
そして、ステップS18にて、新たに設定した減速パターンに対して、上述したステップS14の処理と同様に、この減速パターンによる車両の停止位置までの走行距離をL1、車両の現在位置から停止位置までの走行距離をL2とするとき、減速パターンにおける過不足距離L3を再算出する。
L3=L1−L2
ステップS19では、減速パターンにおける過不足距離L3が0以下かどうかを判定する。ここで、減速パターンによる走行距離をL1が、実際の走行距離をL2以下(L3≦0)と判定されたら、ステップS20にて、燃料カット制御時における不可速度Vf(例えば、20km/h)以下の速度パターンにて、L3=0となるような減速度Amaxを設定する。そして、ステップS18に戻って処理を繰り返す。
なお、この場合、下記の物理式に、距離として過不足距離L3、初速として不可速度Vf、終速として0を当てはめることで、加速度として減速度Amaxを算出することができる。
距離×加速度=初速2−終速2
一方、ステップS19にて、減速パターンによる走行距離をL1が、実際の走行距離L2より長い(L3>0)であると判定されたら、ステップS21にて、燃料カット制御を用いた減速パターンAと、減速開始位置から車両を減速度Amaxで減速した初期減速パターンCとの交点を算出する。そして、ステップS22にて、燃料カット制御を用いた減速パターンAと、停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBと、減速速開始位置から車両を減速度Amaxで減速する初期減速パターンCを用いて減速パターンを設定する。
ここで、図3のグラフを用いて上述した減速パターンについて説明する。図3に示すように、この減速パターンを表すグラフは、減速パターンの生成処理を表すものであり、横軸に時間を取っているが、0位置が車両の停止位置(赤信号)であり、s1が減速開始位置(信号情報受信位置)である。上述した減速パターンの生成処理により、まず、燃料カット制御を用いた減速パターンAが設定される。次に、燃料カット制御時における不可速度Vfに基づいて停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBが設定される。最後に、燃料カット制御を用いた減速パターンAを減速開始位置側に延長した線と、減速速開始位置から車両を減速度Amaxで減速する初期減速パターンCとの交点を求め、3つの減速パターンA,B,Cに基づいて減速速開始位置から停止位置までの減速パターンが生成される。
このように実施例1の車両走行制御装置にあっては、目標走行経路に沿って速度パターンを生成し、この速度パターンに基づいて車両の走行を制御するように構成し、速度パターンにおいて車両の減速を行う第1減速パターンを生成する第1減速パターン生成手段と、第1減速パターンの継続期間がより長くなるように速度パターンを修正する減速パターン修正手段とを設けている。
従って、停止距離が不十分であっても、第1減速パターンの継続時間がより長くなるように、できれば、最長となるように修正することで、停止距離に応じて適正な速度パターンを生成することができ、燃費の向上を可能とすることができる。
また、実施例1の車両走行制御装置では、第1減速パターンの実行領域を、走行する車両における減速開始位置から目標停止位置までの領域とし、減速パターン修正手段は、第1減速パターンにおける減速開始位置側または目標停止位置側の減速度が大きくなるように修正している。従って、第1減速パターンにおける減速開始位置側または目標停止位置側の減速度が大きくなるように修正することで、第1減速パターンをできるだけ長く確保することができ、燃費の向上に寄与することができる。
また、実施例1の車両走行制御装置では、減速パターン修正手段は、第1減速パターンにおける目標停止位置までの走行距離が目標停止位置までの実際の走行距離よりも長いとき、第1減速パターンにおける目標停止位置側に、第1減速パターンより減速度が大きい第2減速パターンを生成する。また、減速パターン修正手段は、第1減速パターンにおける目標停止位置までの走行距離が目標停止位置までの実際の走行距離よりも長いとき、第1減速パターンにおける減速開始位置側に、第1減速パターンより減速度が大きい第3減速パターンを生成する。従って、第1減速パターンの前後に減速度が大きい第2減速パターンまたは第3減速パターンを生成することで、燃費の良好な第1減速パターンをできるだけ長く確保することができる。
また、実施例1の車両走行制御装置では、第1減速パターンを、燃料カット制御または回生制御を実行して車両を減速する領域としている。従って、自動変速機や無段変速機を搭載した車両であれば、容易に燃費を低減可能な減速パターンを生成することができる。
図4は、本発明の実施例2に係る車両走行制御装置における減速パターンを生成するためのフローチャート、図5は、実施例2の車両走行制御装置における減速パターンを表すグラフである。なお、本実施例の車両走行制御装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の車両走行制御装置は、減速パターン修正手段は、車両の運転状態に応じて、減速開始位置から一定減速度となるように第1減速パターンを修正する。
実施例2の車両走行制御装置を具体的に説明すると、この実施例2の車両走行制御装置は、上述した実施例1の減速パターンの生成処理にて、乗員の違和感や不快感を考慮して減速パターンを生成するものである。即ち、実施例1の減速パターンの生成処理では、車両の減速開始位置から初期減速が発生した後、燃料カット減速が発生する減速パターンとなる。この場合、初期減速が大きく、乗員の乗心地を低下させたり、後続車両に対して不快感を与えるおそれがある。
そこで、実施例2の車両走行制御装置では、燃料カット制御を実行する領域、つまり、実施例1の減速パターンにおける燃料カット制御を用いた減速パターンA及び減速速開始位置から車両を減速度Amaxで減速する初期減速パターンCを、一定の減速度で減速する減速パターンを生成する。そして、車両の走行条件に応じて複数の減速パターンを使い分けることで、燃費重視、乗心地重視、安全重視となる車両の走行状態を選択可能としている。
ここで、実施例2の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理について、図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施例2の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理において、図4に示すように、ステップS31にて、前述した実施例1における減速パターンの生成処理方法にて、燃料カット制御を用いた減速パターンAと、停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBと、減速速開始位置から車両を減速度Amaxで減速する初期減速パターンCとからなる減速パターンP1を生成する。
続いて、ステップS32にて、減速開始位置から燃料カット制御における不可速度Vfの位置まで、減速度が一定となる減速パターンP2を生成する。この場合、まず、燃料カット制御における不可速度Vfから停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBを生成し、減速開始位置から車両速度が不可速度Vfとなる位置まで、減速度が一定となる初期減速パターンDを生成し、この初期減速パターンDと停止減速パターンBに基づいて減速パターンP2を生成する。
ステップS33では、車両の後方に後続車が存在するかどうか、後続車が存在するときには、後続車との車間距離、相対速度を検知し、また、後続車の速度を算出する。この場合、車両の後方検知レーザ装置を搭載することで、車両(自車)と後続車の有無及び後続車との距離を検出し、相対速度、後続車の速度を算出する。
ステップS34では、車両の後方に後続車が存在するかどうかを判定し、後続車が存在しないと判定されたら、ステップS35にて、ドライバによる手動走行データがあるかどうかを判定する。ここで、手動走行データがないと判定されたら、ステップS36にて、平均的なドライバの希望減速度分散値を適用し、手動走行データがあると判定されたら、ステップS37にて、手動走行時におけるドライバの減速度分散値を適用する。
そして、ステップS38にて、減速パターンP1と減速パターンP2における同一時刻に重み付け係数kを設定して融合して減速パターンP3を生成する。このとき、重み付け係数kを0(車両停止位置)から徐々(例えば、0.001単位づつ)に増加させ、減速度分散値が希望する減速度分散値に最も近い速度パターンを採用して処理を終了する。
V3t=V1t×k+V2t×(1−k)
なお、V1tは、減速パターンP1における車両速度、V2tは、減速パターンP2における車両速度、V3tは、減速パターンP1と減速パターンP2を融合した減速パターンP3における車両速度であり、tを付けることで、その時刻のときの速度を表している。
一方、ステップS34にて、車両の後方に後続車が存在すると判定されたら、ステップS39にて、車両(自車)と後続車との車間距離を後続車の車速で除算することで、後続車間時間Trを算出する。そして、ステップS40にて、重み付け係数kを設定するが、この場合、車間時間Trが短い(例えば、1秒以下)ときには、k=0とし、車間時間Trが長い(例えば、2秒以下)ときには、k=1となるように、下記数式に基づいて重み付け係数kを設定する。
k=Tr−1.0
そして、ステップS41では、ステップS38と同様に、減速パターンP1と減速パターンP2における同一時刻に重み付け係数kを設定して融合して減速パターンP3を生成し、処理を終了する。
ここで、図5のグラフを用いて上述した減速パターンについて説明する。図5に示すように、この減速パターンを表すグラフは、減速パターンの生成処理を表すものであり、横軸に時間を取っているが、0位置が車両の停止位置(赤信号)であり、s1が減速開始位置(信号情報受信位置)である。上述した減速パターンの生成処理により、まず、3つの減速パターンA,B,Cに基づいて減速速開始位置から停止位置までの減速パターンP1を生成し、続いて、停止減速パターンBと減速度が一定となる初期減速パターンDに基づいて減速パターンP2を生成する。そして、この減速パターンP1と減速パターンP2を融合することで、減速パターンP3を生成する。
この減速パターンP3における初期減速パターンDは、燃料カット制御を用いた減速パターンA1と、停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBと、減速速開始位置から車両を減速度Amaxで減速する初期減速パターンC1とからなるものである。このとき、減速パターンA1の減速度は、減速パターンAの減速度より大きく、初期減速パターンC1の減速パターンCの減速度より小さい物に設定される。
このように実施例2の車両走行制御装置にあっては、減速パターン修正手段は、車両の運転状態に応じて、減速開始位置から一定減速度となるように第1減速パターンを修正する。
従って、乗員が違和感や不快感を感じることが少なく、且つ、燃費を向上することのできる減速パターンを生成することができる。
また、実施例2の車両走行制御装置では、後続車の有無に応じて、複数の減速パターンの中から最適なものを選択し、減速度合を調整することで、後続車に対しても追突の危険性のない安全な減速パターンを生成することができる。
図6は、本発明の実施例3に係る車両走行制御装置における減速パターンを生成するためのフローチャートである。なお、本実施例の車両走行制御装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の車両走行制御装置は、ドライバにより車両の速度を調整可能な操作手段としてアクセルペダルとブレーキペダルが設けられ、現在の減速度合が第1減速パターンからずれているときには、現在の車両の速度と目標速度の偏差に応じてアクセルペダルとブレーキペダルによる操作量を変更する。
実施例3の車両走行制御装置を具体的に説明すると、この実施例3の車両走行制御装置は、実施例1、2で説明した車両の自動走行制御に対して、手動走行時における支援装置としての機能を提供するものである。即ち、実施例1、2で生成した減速パターンに従い、車両の走行時に各地点で目標速度へ減速する誘導制御を行う。この場合、低燃費走行を実現する誘導を実行するためには、減速を速やかに開始させることで、燃料カット制御による減速時間を長くすることが重要であり、車両の速度を必ずしも頑なに目標速度に追従させる必要はない。
具体的には、現在の車両の走行速度が、減速パターンから導かれる目標速度より速いときには、強い誘導を実行する。つまり、ECU10は、ドライバが踏み込んだアクセルペダルの踏込み量に対して制御量を減少させる。また、ECU10は、ドライバが踏み込んだブレーキペダルの踏込み量に対して制御量を増加させる。一方、現在の車両の走行速度が、減速パターンから導かれる目標速度より遅くときには、弱い誘導を実行する。つまり、ECU10は、ドライバが踏み込んだアクセルペダルの踏込み量に対する制御量の増減量を少なくする。また、ECU10は、ドライバが踏み込んだブレーキペダルの踏込み量に対する制御量の増減量を少なくする。これらの制御は、アクセルマップやブレーキマップを変更する制御を実行する。
ここで、実施例3の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理について、図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施例3の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理において、図6に示すように、ステップS51にて、前述した実施例1または実施例2における減速パターンの生成処理方法にて、減速パターン(P1,P1)を生成する。ステップS52にて、時間(時刻)に対する車両の速度を規定した減速パターンを、目標停止位置から減速開始位置までの距離に対しての車両の速度及び加速度を規定した減速パターンに変換する。この場合、一般的な数学の微分及び積分等により算出することができる。
続いて、ステップS53では、目標停止位置から減速開始位置までの距離に対する車両の速度及び加速度を規定した減速パターンに基づいて、車両が現在走行する位置から減速開始位置までの距離に応じた目標速度及び目標加速度を抽出する。そして、ステップS54にて、現在の車両の速度が目標速度よりも速い(速すぎる)かどうかを判定する。
ここで、現在の車両の速度が目標速度よりも速いと判定されたら、ステップS55にて、強い誘導を実行する。例えば、下記数式を用いて指示加速度を設定する。なお、k1は大きな値であって、1km/hあたり1m/s2以上に設定する。
指示加速度=目標加速度−(目標速度差−現在の車速)×k1
ステップS54にて、現在の車両の速度が目標速度よりも遅いと判定されたら、ステップS56にて、弱い誘導を実行する。例えば、下記数式を用いて指示加速度を設定する。なお、k2は小さな値であって、1km/hあたり1m/s2未満に設定する。
指示加速度=目標加速度−(目標速度差−現在の車速)×k2
また、この場合、下記数式を用いて指示加速度を設定してもよい。
指示加速度=目標加速度
即ち、k2=2に設定することと同様である。
そして、ステップS57にて、算出した指示加速度を誘導目標加速度または誘導目標減速度として、アクセルマップ及びブレーキマップ(操作量に対する誘導目標加減速度)を作成する。ステップS58では、現在走行する車両にて、ドライバによるアクセル操作量(アクセル開度)とブレーキ操作量(ブレークペダルストローク)を取得する。ステップS59では、アクセルマップ及びブレーキマップに基づいて制御するために誘導する目標加減速度を算出し、ECU10に送信する。
ステップS60では、車両が目標停止位置に到達して停止したかどうかを判定する。ここで、車両が目標停止位置に到達しておらず停止していないと判定されたら、ステップS53に戻って処理を繰り返す。一方、車両が目標停止位置に到達して停止したと判定されたら、処理を終了する。
このように実施例3の車両走行制御装置にあっては、ドライバにより車両の速度を調整可能な操作手段としてアクセルペダルとブレーキペダルが設けられ、現在の減速度合が第1減速パターンからずれているときには、現在の車両の速度と目標速度の偏差に応じてアクセルペダルとブレーキペダルによる操作量を変更している。
従って、ドライバにより手動走行時であっても、停止距離に応じて減速度が燃費や乗心地を考慮して適正、できれば、最適となるように、車両の速度を誘導することができ、車両の支援装置としての機能を付加することができる。
図7は、本発明の実施例4に係る車両走行制御装置における減速パターンを生成するためのフローチャートである。なお、本実施例の車両走行制御装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の車両走行制御装置は、走行する車両における目標停止位置を、赤表示した信号とし、車両が目標停止位置に到達する前に信号が青表示に変わるときには、速度パターンにおける減速度合を小さく修正する。
実施例4の車両走行制御装置を具体的に説明すると、この実施例4の車両走行制御装置は、上述した実施例1または実施例2の減速パターンの生成処理では、燃費や乗員の違和感や不快感を考慮して減速パターンを生成している。そのため、車両が目標停止位置に到達する前に赤信号が青信号に変わった場合、車両を再加速する必要があり、燃費が悪化してしまう。
そこで、実施例4の車両走行制御装置では、ナビゲーションシステム18から、車両が走行する走路の前方にある信号の情報を受取したとき、燃費や乗員の違和感や不快感を考慮して減速パターンを生成するが、車両が目標停止位置に到達する前に赤信号が青信号に変わることは判明したときには、最適な減速パターンを再生成する。
この場合、車両の走行状態に応じて、生成した減速パターンにおける停止減速パターンB、初期減速パターンC、減速パターンAを順に削除したり、初期減速パターンC1に変更したりする。つまり、まず、車両が目標停止位置に到達する前に赤信号が青信号に変わることは判明したときには、停止減速パターンBを削除する。それでも、車両の減速中に青信号に変わるときには、初期減速パターンCを削除する。それでも、車両の減速中に青信号に変わるときには、初期減速パターンC1に変更する。最後には、減速パターンAを削除する。
ここで、実施例4の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理について、図7のフローチャート及び図5の減速パターンのグラフを用いて詳細に説明する。
実施例4の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理において、図7及び図5に示すように、ステップS71にて、ナビゲーションシステム18から、現在、車両が走行する走路の前方にある信号の情報を受取る。ステップS72では、この信号情報に基づいて、前述した実施例1における減速パターンの生成処理方法にて、燃料カット制御を用いた減速パターンAと、停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBと、減速速開始位置から車両を減速度Amaxで減速する初期減速パターンCとからなる減速パターンP1を生成する。また、前述した実施例2における減速パターンの生成処理方法にて、燃料カット制御における不可速度Vfから停止位置まで車両を減速度Amaxで減速する停止減速パターンBと、減速開始位置から車両速度が不可速度Vfとなる位置まで減速度が一定となる初期減速パターンDとからなる減速パターンP2を生成すると共に、減速パターンP1と減速パターンP2を融合する減速パターンP3を生成する。
そして、ステップS73にて、車両が定常走行しているとき、このままで青信号を通過可能であるかどうかを判定する。つまり、現在の速度で車両が走行するとき、信号が赤に変わらずに青のままでこの信号を通過できるかどうかを判定する。ここで、車両が青信号を通過可能であると判定されたら、定常走行の速度パターンを維持して走行制御を継続する。一方、車両が青信号を通過できないと判定されたら、ステップS74にて、車両が定常走行しているとき、赤信号で停止するかどうかを判定する。
ここで、車両が赤信号で停止すると判定されたら、減速パターンP1または減速パターンP1または両者を融合する減速パターンP3を採用し、採用した減速パターンに基づいて走行制御を実行する。一方、車両が赤信号で停止しないと判定されたら、ステップS75にて、車両が燃料カット制御における不可速度Vfの位置にあるとき、青信号であるかどうかを判定する。ここで、車両が不可速度Vfの位置にあるとき、青信号でないと判定されたら、ステップS76にて、燃料カット制御時における不可速度Vf以下の速度パターンにて、減速度Amaxを修正する。なお、この処理は、実施例1におけるステップS20の処理とほぼ同様である。
一方、ステップS75にて、車両が燃料カット制御における不可速度Vfの位置にあるとき、青信号であると判定されたら、ステップS77では、減速パターンP1または減速パターンP3を採用可能であるかを判定する。ここで、減速パターンP1または減速パターンP3を採用可能であると判定されたら、ステップS78にて、初期減速パターンCの時間を短縮する。そして、ステップS79では、初期減速パターンCの時間を短縮したとき、車両が不可速度Vfの位置にあるときの時刻が、赤信号から青信号に変わる時刻と一致するかどうかを判定する。ここで、不可速度Vfの位置の時刻が赤信号から青信号に変わる時刻と一致すると判定されたら、一致する短縮時間を加味した減速パターンを採用する。一方、不可速度Vfの位置の時刻が赤信号から青信号に変わる時刻と一致しないと判定されたら、ステップS80にて、初期減速パターンCを全て削除し、全削除が完了したら、この初期減速パターンCが全て削除された減速パターンを採用する。
また、ステップS77にて、減速パターンP1または減速パターンP3を採用不可能であると判定されたら、ステップS81にて、減速パターンP2を採用、つまり、燃料カット制御の領域の減速度を小さくする。そして、ステップS82では、燃料カット制御の領域の減速度を小さくしたとき、車両が不可速度Vfの位置にあるときの時刻が、赤信号から青信号に変わる時刻と一致するかどうかを判定する。ここで、不可速度Vfの位置の時刻が赤信号から青信号に変わる時刻と一致すると判定されたら、一致する減速パターンを採用する。一方、不可速度Vfの位置の時刻が赤信号から青信号に変わる時刻と一致しないと判定されたら、ステップS83にて、減速パターンP2にて、燃料カット制御の減速度と一致するかどうかを判定する。
ここで、減速パターンP2にて、燃料カット制御の減速度と一致しないと判定されたら、ステップS81に戻り、燃料カット制御の減速度を変更する。一方、減速パターンP2にて、燃料カット制御の減速度と一致すると判定されたら、ステップS84にて、燃料カット制御における減速領域を、不可速度Vfの位置の時刻が赤信号から青信号に変わる時刻と一致するように、つまり、燃料カット区間を短縮するように減速パターンP2を修正し、修正した減速パターンを採用する。
このように実施例4の車両走行制御装置にあっては、走行する車両における目標停止位置を、赤表示した信号とし、車両が目標停止位置に到達する前に信号が青表示に変わるときには、速度パターンにおける減速度合を小さく修正している。
従って、車両が目標停止位置に到達する前に信号が赤から青に変わるときには、速度パターンにおける減速度合を小さくするため、車両が目標停止位置に到達する前に再加速することはなく、この場合であっても、良好な燃費を確保できる減速パターンを生成することができる。
図8は、本発明の実施例5に係る車両走行制御装置における減速パターンを生成するためのフローチャート、図9は、実施例5の車両走行制御装置における減速パターンを表すグラフである。なお、本実施例の車両走行制御装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の車両走行制御装置は、走行する車両における目標停止位置は、赤表示した信号であり、車両が目標停止位置に到達する前に信号が青表示に変わるときには、減速して停止してから再加速する速度パターンと、加速して定常走行する速度パターンとを生成し、燃費性を考慮して速度パターンを選択する。
実施例5の車両走行制御装置を具体的に説明すると、この実施例5の車両走行制御装置は、上述した実施例4の減速パターンの生成処理では、車両が目標停止位置に到達する前に赤信号が青信号に変わった場合、車両の減速度を小さくすることで、再加速を防止している。しかし、車両が減速中に赤信号が青信号に変わった場合、減速せずに加速することで青信号を通過した方が燃費を向上できることがある。
そこで、実施例5の車両走行制御装置では、良好な燃費となる加速(最適)を上限車速まで行い、その後に定常走行を行う速度パターンを生成する。ここで、良好な燃費となる加速とは、エンジンの熱効率の良好な運転領域を使用する加速であり、上限車速とは、道路の正減速度である。
即ち、車両が青信号で通過可能であれば、その速度及び加速度を青信号通過速度パターンとして生成する。車両が青信号に間に合わずに通過不可能であれば、加速度を徐々に上げて、青信号で通過できる速度及び加速度を青信号通過速度パターンとして生成する。この場合、実施例1、2で生成した減速パターンに、この青信号通過速度パターンを加えた複数の速度パターンの中から車両の走行状態に応じた良好な燃費となる速度パターンを選択する。
ここで、実施例5の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理について、図8のフローチャートを用いて詳細に説明する。
実施例5の車両走行制御装置における減速パターンの生成処理において、図8に示すように、ステップS101にて、前述した実施例1における減速パターンの生成処理方法にて、減速パターンP1を生成する。また、前述した実施例2における減速パターンの生成処理方法にて、減速パターンP2を生成すると共に、減速パターンP1と減速パターンP2を融合する減速パターンP3を生成する。
そして、ステップS102にて、良好な燃費となる燃費加速を上限車速まで行い、その後に定常走行を行う速度パターンを生成する。ステップS103では、車両が定常走行しているとき、このままで青信号を通過可能であるかどうかを判定する。つまり、現在の速度で車両が走行するとき、信号が赤に変わらずに青のままでこの信号を通過できるかどうかを判定する。ここで、車両が青信号を通過可能であると判定されたら、ステップS107に移行する。
一方、車両が青信号を通過不可能であると判定されたら、ステップS104にて、加速度を徐々に上げて、青信号で通過できる速度及び加速度を青信号通過速度パターンとして再生成する。そして、ステップS105にて、車両性能の限界での最大加速で車両が青信号を通過可能であるかどうかを判定する。ここで、車両性能の限界での加速で車両が青信号を通過可能であると判定されたら、ステップS103に戻り、一方、車両性能の限界での加速で車両が青信号を通過不可能であると判定されたら、ステップS106にて、減速パターンP1,P2,P3のいずれかを採用する。
ステップS107では、減速パターンP1に、赤信号停止時間のエンジンアイドル動作、青信号に変更後に上限速度まで良好な燃費となる加速を行う加速パターンを加え、低燃費速度パターンを生成する。続いて、ステップS108にて、低燃費速度パターンによる車両の走行時間(最加速後の上限速度への到達時間)と等しくなるように、ステップと102で生成した青信号通過速度パターンにて、その上限速度を一定として延長する。
ステップS109では、一般的な車両の走行燃費シミュレーションを行って、低燃費速度パターンと青信号通過速度パターンとの燃費を算出する。そして、ステップS110にて、低燃費速度パターンと青信号通過速度パターンのうち、低燃費な速度パターンを選択して処理を終了する。
ここで、図9のグラフを用いて上述した速度パターンについて説明する。図9に示すように、この減速パターンを表すグラフは、減速パターンの生成処理を表すものであり、横軸に時間を取っているが、0位置が車両の停止位置(赤信号)であり、s1が減速開始位置であり、s2が停止後の最加速位置であり、s3が上限速度到達位置である。
ここで、低燃費速度パターンは、3つの減速パターンA,B,Cからなる減速パターンP1に、赤信号で停止している停止パターンEと、青信号に変更後に上限速度まで良好な燃費となる加速を行う加速パターンFを加えたものである。一方、青信号通過速度パターンは、減速開始位置から良好な燃費となる加速で上限速度まで加速する加速パターンGと、その後に定常走行を行う速度パターンHとを融合したものである。
このように実施例5の車両走行制御装置にあっては、走行する車両における目標停止位置は、赤表示した信号であり、車両が目標停止位置に到達する前に信号が青表示に変わるときには、減速して停止してから再加速する速度パターンと、加速して定常走行する速度パターンとを生成し、燃費性を考慮して速度パターンを選択している。
従って、減速して停止してから再加速する速度パターンと、加速して定常走行する速度パターンとを生成し、低燃費である速度パターンを選択することで、車両の走行状態に応じた良好な燃費となる速度パターンを生成することができる。
なお、上述した実施例では、本発明に係る車両走行制御装置を車両の自動走行制御に適用して説明したが、自動走行制御と手動走行制御が可能なものに適用してもよい。