JP5397002B2 - 可変フライホイールの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトに係脱自在な可変フライホイールを制御するための制御装置に関するものである。
一般に、車両のエンジンのクランクシャフトには、トルク変動の吸収のためにフライホイール(重量マス、イナーシャウェイトとも呼ばれる)が取り付けられている。
そのフライホイールは、エンジンの低回転時では、いわゆる「はずみ車」の機能を果たし、スムーズなエンジン回転に寄与するが、中高速域になるとアクセルレスポンスを低下させたり、エンジンブレーキの効きを悪くするなどの原因になる。
そこで、従来、フライホイールのマス(質量)の一部を補助マスとして別機構化し、クランクシャフトに係脱可能なバリアブルマス(可変マス)とした可変フライホイールが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような可変フライホイールは、基本的にはエンジン回転数がアイドリング回転数から所定回転数までの範囲では可変フライホイールをクランクシャフトに固定し、所定回転数以上では、可変フライホイール(可変マス)をクランクシャフトから切り離してエンジン負荷を下げて燃費削減やエンジン性能向上を図るようにしている。
このような制御の一例を図7に基づき説明する。
図7に示すように、まず、エンジンが始動されると、ステップS101で可変フライホイールがクランクシャフトに固定される。次に、ステップS102でエンジン回転数が規定値以上か否か判断され、以上でない場合は再びスタートに戻る。
ここで、一般には、規定値はアイドリング回転数よりも高く設定されるので、以上のステップS101およびステップS102により、アイドリング運転中は可変フライホイールがクランクシャフトに固定されることになる。
他方、ステップS102でエンジン回転数が規定値を超えると判断された場合、ステップS103で可変フライホイールがクランクシャフトから切り離され非固定となる。
特開2004−293726号公報
しかしながら、従来の可変フライホイール制御ではエンジンのアイドリング運転中は、常に可変フライホイールをクランクシャフトに固定するため、小排気量、高過給のディーゼルエンジンなどの発進性向上のために可変フライホイールを重く設定する場合に、アイドリング運転時の燃費が悪化するという問題があった。
すなわち、アイドリング運転時には、エンジン回転数をアイドリング回転数に一致させるアイドル制御(ISC制御)が行われるが、可変フライホイールによりクランクシャフトの慣性モーメントが増加していると、その増加分だけISC制御による燃料噴射量が増加して、燃費が悪化してしまう。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、アイドリング運転時の燃費を向上させることができる可変フライホイールの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、車両に搭載されたエンジンのクランクシャフトに固定されたドライブプレートと、上記クランクシャフトに回転可能に取り付けられ重り部を有するドリブンプレートと、上記ドライブプレートと上記ドリブンプレートとを接続するためのフライホイールクラッチとを備えた可変フライホイールを制御するための制御装置において、上記車両の停車時における上記エンジンのアイドリング運転中に、所定の発進操作がなされるまでの間は上記フライホイールクラッチを切断しておき、上記所定の発進操作がなされたときに上記フライホイールクラッチを接続する制御手段を備えた可変フライホイールの制御装置であって、上記フライホイールクラッチは、上記ドライブプレートに取り付けられ、上記ドライブプレートと独立して軸方向に移動可能な摩擦部材と、上記ドライブプレートの外周部に設けられ、上記摩擦部材を軸方向に移動可能に支持する複数のガイドピンと、上記摩擦部材の外周部を上記ドリブンプレートに係合させるときに作動油が供給される作動室とを備えるものである。
好ましくは、上記作動室は、上記摩擦部材を上記ドリブンプレートに係合させるときに供給側ラインから作動油が供給されると共に、上記ドリブンプレートから上記摩擦部材を分離させるときに上記作動油が排出側ラインに排出されるものであり、上記供給側ラインおよび上記排出側ラインと上記作動室との間に、上記制御手段からの制御信号が入力されていないときに上記作動室を上記排出側ラインに連通し、入力されたときに上記作動室を上記供給側ラインに連通するように構成された方向制御弁が設けられたものである。
好ましくは、上記車両は、変速機と、その変速機と上記エンジンとを接続するための変速クラッチとを備え、上記制御手段は、上記変速クラッチが切断されたときに上記所定の発進操作がなされたと判断するものである。
上記車両は、変速機と、その変速機と上記エンジンとを接続するための変速クラッチとを備え、上記制御手段は、上記車両の変速機がニュートラルから発進段へギアインされたときに上記所定の発進操作がなされたと判断するものでもよい。
本発明によれば、アイドリング運転時の燃費を向上させることができるという優れた効果を発揮するものである。
図1は、本発明に係る一実施形態による可変フライホイールの制御装置が対象とするエンジンの概略構成図である。 図2は、本実施形態の可変フライホイールの概略構成図であり、フライホイールクラッチが切断された状態を示す。 図3は、本実施形態の可変フライホイールの概略構成図であり、フライホイールクラッチが接続された状態を示す。 図4は、本実施形態の制御手段および方向制御弁の構成図であり、フライホイールクラッチが切断された状態を示す。 図5は、本実施形態の方向制御弁の構成図であり、フライホイールクラッチが接続された状態を示す。 図6は、本実施形態の制御装置によるフローチャートの一例である。 図7は、従来の可変フライホイールの制御を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態に係る可変フライホイールの制御装置(以下、制御装置という)は、例えば、FR型の車両などに搭載されたエンジンのクランクシャフトに取り付けられた可変フライホイールを対象とする。
図1に基づき、エンジンの概略構造を説明する。
本実施形態の車両は、マニュアルにより変速およびクラッチ操作が行われる所謂MT車であり、図1に示すように車両には、エンジン2と、変速クラッチ11と、変速機12とが搭載される。
エンジン2は、エンジンブロック13に回転自在に支持されたクランクシャフト3を有し、そのクランクシャフト3の端部には可変フライホイール8と固定フライホイール14とが設けられる。
固定フライホイール14は、クランクシャフト3と一体的に回転するものでありクランクシャフト3の端面に固定される。その固定フライホイール14は、クランクシャフト3に同心的な円板状に形成され、その外周部に重り(マス)をなす環状の肉厚部15が形成される。その肉厚部15の外周には、図示しないスタータモータに歯合可能なリングギア16が設けられる。
変速クラッチ11は、エンジン2のクランクシャフト3からの動力を変速機12の入力軸16に伝達または遮断するためのものである。図1の変速クラッチ11において、21はクラッチディスク、22はダイヤフラムスプリング、23はレリーズフォーク、24はクラッチカバー、25はプレッシャープレートである。
この変速クラッチ11では、クラッチペダルが踏み込まれると、レリーズフォーク23によりクラッチディスク21が固定フライホイール14から切り離されて、変速クラッチ11が切断される。他方、クラッチペダルが戻されると、ダイヤフラムスプリング22の付勢力によりプレッシャープレート25がクラッチディスク21を固定フライホイール14に押し付けて、変速クラッチ11が接続される。この変速クラッチ11には、変速クラッチ11の断接状態(切断、接続)を検出するためのクラッチセンサ71(図4参照)が設けられる。
図2および図3に示すように、可変フライホイール8は、クランクシャフト3の慣性モーメントを増減させるべく、クランクシャフト3に重り部5を係脱させるものである。具体的には、可変フライホイール8は、クランクシャフト3に回転可能に取り付けられ重り部5を有するドリブンプレート6と、クランクシャフト3に固定されたドライブプレート4と、それらドライブプレート4とドリブンプレート6とを接続するためのフライホイールクラッチ(以下、可変FWクラッチという)7とを備える。
ドライブプレート4は、クランクシャフト3に同心的なリング板状に形成される。そのドライブプレート4には、可変FWクラッチ7の後述する摩擦部材31が取り付けられる。図例では、ドライブプレート4の外周部に、摩擦部材31を軸方向に移動可能に支持するための複数のガイドピン32が設けられる。それらガイドピン32は、周方向に間隔を隔てて配置され、各ガイドピン32はドライブプレート4から径方向外側に延びると共に軸方向に屈曲した断面L字状に形成される。
ドリブンプレート6は、ドライブプレート4と軸方向に並べて配置される。ドリブンプレート6は、クランクシャフト3に同心的、かつドライブプレート4よりも大径のリング板状に形成される。ドリブンプレート6の内周端がベアリング33を介してクランクシャフト3に回転可能に取り付けられ、外周部に重り部5をなす環状の肉厚部が形成される。また、ドリブンプレート6の側面には、可変FWクラッチ7の後述する作動室34を形成するためのカバー35が取り付けられる。
そのカバー35は、ドリブンプレート6との間にドライブプレート4を挟むように、それらドライブプレート4およびドリブンプレート6と軸方向に並べて配置される。カバー35は、クランクシャフト3と同心的なほぼ円板形状に、かつ外周端がドライブプレート4を囲うようにドリブンプレート6側に屈曲され断面L字状に形成される。そのカバー35は、外周端がドリブンプレート6に接合され、内周端がベアリング36を介してドライブプレート4に回転自在に取り付けられる。
可変FWクラッチ7は、ドライブプレート4に軸方向に移動可能に取り付けられた摩擦部材31と、摩擦部材31をドリブンプレート6に向けて付勢するための作動室(以下、オン側作動室という)34と、摩擦部材31をドリブンプレート6から離間する向きに付勢するためのオフ側作動室37とを備える。詳しくは後述するが、オン側作動室34から作動油が排出されると共にオフ側作動室37に作動油が供給されると摩擦部材31がドリブンプレート6から切断され(図2参照)、オン側作動室34に作動油が供給されると共にオフ側作動室37から作動油が排出されると摩擦部材31がドリブンプレート6に接続される(図3参照)。
摩擦部材31は、クランクシャフト3と同心的なリング板状に形成される。それら摩擦部材31とドリブンプレート6との各外周部には、互いに対向する摩擦面39、40が各々形成される。これら摩擦面39、40が係合することでドリブンプレート6がドライブプレート4(クランクシャフト3)と一体的に回転する。
オン側作動室34は、カバー35と摩擦部材31とにより、それらの部材31、35の間に区画形成される。オン側作動室34は、オン側ライン41を介して後述する油圧方向制御弁38に接続される。図例のオン側ライン41は、オン側作動室34からカバー35を支持するベアリング36内を通りクランクシャフト3に開口形成されたAポート42を経て油圧方向制御弁38に至る。
オフ側作動室37は、摩擦部材31とドリブンプレート6とにより、それらの部材6、31の間に区画形成される。オフ側作動室37は、オフ側ライン43を介して油圧方向制御弁38に接続される。図例のオフ側ライン43は、オフ側作動室37からドリブンプレート6を支持するベアリング33を通りクランクシャフト3に開口形成されたBポート44を経て油圧方向制御弁38に至る。
このオフ側作動室37と上述のオン側作動室34とは、摩擦部材31の外周端とカバー35と間の隙間により互いに連通する。
これらオン側作動室34およびオフ側作動室37と、供給側ライン56および排出側ライン57との間に、オン側作動室34とオフ側作動室37への作動油の供給、排出を切り替えるための方向制御弁(以下、油圧方向制御弁という)38が設けられる。
図4および図5に示すように、油圧方向制御弁38は、4つのポートを有する電磁切換弁であり、各ポートが、Aポート42に連通するオン側ライン41、Bポート44に連通するオフ側ライン43、エンジン2により駆動されるオイルポンプ58に連通する供給側ライン56、エンジン2のオイルパン59に連通する排出側ライン57に各々接続される。例えば、作動油としてエンジン2の潤滑オイルが共用される。また、供給側ライン56の作動油がオイルポンプ58により圧送され、排出側ライン57の作動油がオイルパン59に戻されるようになっている。
本実施形態の油圧方向制御弁38は、後述する可変FWコントローラ9からの制御信号が入力されていないときにオン側ライン41(オン側作動室34)を排出側ライン57に連通し、入力されたときにオン側ライン41(オン側作動室34)を供給側ライン56に連通するように構成される。
より具体的には、油圧方向制御弁38は、4つのポートでの作動油の流入、流出方向(油圧回路)を切り換えるための弁体61と、その弁体61を付勢するリターンスプリング62と、そのリターンスプリング62の付勢力に抗して弁体61を駆動するソレノイド63とを備える。
弁体61は、オン側ライン41を排出側ライン57に連通させると共にオフ側ライン43を供給側ライン56に連通させる切離位置(図4参照)と、オン側ライン41を供給側ライン56に連通させると共にオフ側ライン43を排出側ライン57に連通させる連結位置(図5参照)との2つのポジションで切り換えられる。リターンスプリング62は、弁体61が切離位置に位置するように弁体61を付勢し、ソレノイド63は、可変FWコントローラ9から電流が入力されたときに弁体61が連結位置に位置するように弁体61を駆動する。
以上のように構成された可変フライホイール8が、本実施形態の制御装置1により制御される。その制御装置1は、エンジン回転数に基づいて可変フライホイール8の可変FWクラッチ7を制御する可変FWコントローラ9を備える。本実施形態の可変FWコントローラ9は、エンジン2を制御するためのエンジンコントロールモジュール(以下、ECMという)70の一部をなす。
その可変FWコントローラ9は、基本的には、エンジン回転数が所定の規定値以下のときに可変FWクラッチ7を接続し、規定値を超えたときに切断する。規定値は、車両やエンジン2の特性によって設定され、後述する目標アイドル回転数よりも高く設定される。
ここで、本実施形態の可変FWコントローラ9は、エンジン2が通常アイドリング運転されている間は、可変フライホイール8をクランクシャフト3から切り離しておくことでアイドリング運転時の燃費を削減し、車両発進の際に変速機12のギヤインのために変速クラッチ11が切断されたときに同時に可変フライホイール8をクランクシャフト3に固定することで車両の発進性を確保する。
図4に示すように、可変FWコントローラ9にエンジン回転数を入力し、その可変FWコントローラ9からの出力を油圧方向制御弁38に入力する。また、この可変FWコントローラ9は、非常に少ないI/Oで制御できるため、通常はECM70やTCMの機能の一部として配置するが一般的である。
より具体的には、可変FWコントローラ9は、車両の停車時におけるエンジン2のアイドリング運転中に、エンジン回転数が規定値以下となっている場合であっても所定の発進操作がなされるまでの間は可変FWクラッチ7を切断し、所定の発進操作がなされたときに可変FWクラッチ7を接続する制御手段をなす。また、所定の発進操作が変速クラッチ11の切断であり、可変FWコントローラ9は変速クラッチ11が切断されたときに所定の発進操作なされたと判断する。可変FWコントローラ9は、エンジン回転数が目標アイドル回転数以下のときに、車両の停車時におけるアイドリング運転中であると判断する。
可変FWコントローラ9は、変速クラッチ11の接続、切断状態を検出するためのクラッチセンサ71と、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数センサ72とに通信可能に接続され、可変FWコントローラ9には、それらセンサ71、72からの検出値が各々入力される。
可変FWコントローラ9は、油圧方向制御弁38に通信可能に接続され、その油圧方向制御弁38に流路(ポジション)を切り換えるための制御信号を入力する。図例の可変FWコントローラ9は、ソレノイド63の駆動回路をなしておりソレノイド63への通電、非通電を切り換える。
また、ECM70は、上述した可変FWコントローラ9としての機能の他に、エンジン2のアイドリング運転を行うための機能を有する。
ECM70は、例えばアクセルペダルが踏まれていない車両の停車時など所定のアイドリング運転条件が成立したときに、エンジン2をアイドリング運転すべくISC(アイドルスピードコントロール)制御を行う。
そのISC制御は、エンジン回転数を所定の目標アイドル回転数に一致させるための制御であり、例えば、ECM70は、エンジン回転数と所定の目標アイドル回転数との偏差に基づいて、エンジン2に設けられたインジェクタの燃料噴射量をフィードバック制御する。
次に、本実施形態の制御装置1による作用を説明する。
まず、エンジン2の始動からアイドリング運転中までの作用について説明する。
エンジン2が始動されると、ECM70によるISC制御が開始され、そのISC制御により、エンジン回転数は目標アイドル回転数まで上昇して、その目標アイドル回転数に維持される。
本実施形態では、このエンジン2が始動されてからアイドリング運転が行われている間(ISC制御の実行中)、可変FWコントローラ9は、可変フライホイール8のドリブンプレート6(重り部5)をクランクシャフト3から切り離す。
これにより、クランクシャフト3の慣性モーメントは、ドリブンプレート6が固定される場合に比べて小さくなり、そのドリブンプレート6の分だけアイドリング運転中の燃料噴射量が低減される。
次に、車両の発進時の作用について説明する。
本実施形態の車両はMT車であるので、アイドリング運転中は、変速機12がニュートラル、変速クラッチ11が接続された状態となっている。
このアイドリング運転が行われている状態から車両を発進させる際には、一連の発進操作として、変速クラッチ11の切断、変速機12の発進段へのギアイン、変速クラッチ11の再接続が順に行われる。
本実施形態の可変FWコントローラ9は、これら発進操作のうちの変速クラッチ11の切断がなされたときに、変速クラッチ11の切断と同時に可変フライホイール8のドリブンプレート6をクランクシャフト3に固定する。
このドリブンプレート6がクランクシャフト3に固定される際に、そのドリブンプレート6の分だけクランクシャフト3は慣性モーメントが大きくなり、その慣性モーメントの増加に応じてエンジン2のISC制御により燃料噴射量が増加される。
これにより、変速クラッチ11の再接続前(すなわち車両の発進前)には、ドリブンプレート6がクランクシャフト3と共に目標アイドル回転数で回転し、可変フライホイール8にエネルギーが貯蓄された状態となる。
その後、変速クラッチ11が再接続される際や車両発進後の低速走行時には、固定フライホイール14のエネルギーと共に可変フライホイール8のエネルギーによって、エンジン2のトルク変動などが吸収される。これにより、車両が発進するときの発進性や静音性が向上する。
また、本実施形態の油圧方向制御弁38は、可変FWコントローラ9からの入力がないときに切離位置に位置するように構成されているので、エンジン2の始動時に油圧方向制御弁38に通電しなくとも、弁体61の回路は可変フライホイール8がオフ側となるようにオープンとなりオン側ライン41が排出側ライン57に連通される。そのため、エンジン2の始動時にオイルポンプ58の起動に伴う可変フライホイール8の負荷が発生しないため、スタータモータへの負荷が発生しない。
次に、図6に基づき、本実施形態の制御装置1による制御フローの一例を説明する。図6のフローチャートによるアイドリング制御は、可変FWコントローラ9によりエンジン2の始動時に所定サイクルで実行される。
まず、ステップS1では、可変FWコントローラ9は、エンジン2がアイドリング運転中か否かを判断する。具体的には、可変FWコントローラ9は、エンジン回転数センサ72により検出されたエンジン回転数が目標アイドル回転数と一致するか否か判断し、一致する場合にステップS2に進む。
ステップS2では、可変FWコントローラ9は、車両が発進直前か否か判断する。具体的には、可変FWコントローラ9は、クラッチセンサ71により検出された変速クラッチ11の状態が切断か否かを判断し、切断である場合には車両発進直前と判断してステップS3に進む。
ステップS3では、可変FWコントローラ9は、油圧方向制御弁38のソレノイド63に通電して、可変フライホイール8のドリブンプレート6(重り部5)をクランクシャフト3に連結する。
ステップS3の後、可変FWコントローラ9は、上述したエンジン回転数が規定値以下のときにソレノイド63を通電(ドリブンプレート6を連結)、規定値を超えるときに非通電(ドリブンプレート6を切離)とする制御(基本制御)に移行する。その基本制御への移行後は、様々な可変フライホイール8の制御が考えられる。例えば、可変FWコントローラ9は、エンジン2が停止するまで基本制御を実行してもよく、あるいは車両が停止したときに、または基本制御の実行中にエンジン回転数が目標アイドル回転数未満となったときに再び図6のアイドリング制御に移行してもよい。
他方、ステップS1で、エンジン回転数が目標アイドル回転数と一致しない場合は、再びスタートに戻る。例えば、エンジン2の始動直後などエンジン回転数が目標アイドル回転数未満の場合は、再びステップS1をループすることになる。
また、ステップS2で、変速クラッチ11が切断状態でない場合、可変FWコントローラ9は再びスタートに戻る。例えば、発進操作がなされずにアイドリング運転が継続される間は、ステップS1とステップS2とをループすることになる。なお、以上のループ中は、ソレノイド63への通電がストップされる。
以上のように、本実施形態によれば、通常アイドリング時の可変フライホイール8による燃費悪化やエンジン2の始動時のスタータモータの負担を増加させることなく、可変フライホイール8による発進性向上や回転上昇時の燃費削減を行うことができる。
また、変速クラッチ11の切断と同時に可変FWクラッチ7を接続するようにしたので、例えば、可変FWクラッチ7の接続を、変速クラッチ11の再接続時にアクセルペダルが踏み込まれたときに行う場合に比べて、可変FWクラッチ7を接続作動させるための時間(車両発進までの時間)を長く十分に確保することができる。
また、油圧方向制御弁38を、その弁体61がリターンスプリング62により切離位置に付勢されるように構成したので、アイドリング運転中のバッテリー負荷を低減することができる。すなわち、例えばリターンスプリング62が弁体61を連結位置に付勢する場合や、リターンスプリング62の代わりに他のソレノイドにより弁体61を切離位置に駆動する場合には、可変FWクラッチ7を切断するためにエンジン始動直後からソレノイドへの通電が必要なる。これに対して、本実施形態ではソレノイドに通電することなく、可変FWクラッチ7を切断することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、上述の実施形態では、可変FWコントローラ9は変速クラッチ11が切断されたときに所定の発進操作がなされたと判断したが、これに限定されない。例えば、可変FWコントローラ9は、車両の変速機12がニュートラルから発進段へギアインされたときに所定の発進操作がなされたと判断することも考えられる。
上述の実施形態では、変速クラッチ11の切断を、クラッチセンサ71の出力を基に判断したが、これに限定されない。例えば、クラッチペダルが所定の切断位置まで踏み込まれたときに変速クラッチ11が切断されたと判断してもよく、この場合、可変FWコントローラ9に、クラッチペダルの踏み込み量を検出するためのクラッチペダルセンサが接続することが好ましい。
対象とする車両はMT車に限定されず、AT車や、変速クラッチ11と変速機12とを自動制御するためのアクチュエータおよび制御手段(TMC)を有する所謂AMT車などでもよい。例えば、AMT車の場合には、TMCが、変速クラッチ11のアクチュエータに切断信号を出力したときに、所定の発進操作がなされたと判断してもよい。
上述の実施形態では、車両の停車時におけるエンジン2のアイドリング運転中か否かを、エンジン回転数に基づいて判断したがこれに限定されない。例えば、エンジン運転中に車速センサにより検出された車速が実質的に0のときに、車両の停車時におけるエンジン2のアイドリング運転中であると判断するものでもよい。
可変FWクラッチは、上述の実施形態に限定されない。例えば、オフ側作動室を省略すると共に摩擦部材31をドリブンプレート6から離間させる側に付勢する付勢手段(スプリングなど)を設けることも考えられる。また、可変FWクラッチとして、乾式クラッチ、電磁クラッチ、粘性流体クラッチなど用いることも考えられる。
1 制御装置
2 エンジン
3 クランクシャフト
4 ドライブプレート
5 肉厚部(重り部)
6 ドリブンプレート
7 可変FWクラッチ(フライホイールクラッチ)
8 可変フライホイール
9 可変FWコントローラ(制御手段)

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたエンジンのクランクシャフトに固定されたドライブプレートと、上記クランクシャフトに回転可能に取り付けられ重り部を有するドリブンプレートと、上記ドライブプレートと上記ドリブンプレートとを接続するためのフライホイールクラッチとを備えた可変フライホイールを制御するための制御装置において、
    上記車両の停車時における上記エンジンのアイドリング運転中に、所定の発進操作がなされるまでの間は上記フライホイールクラッチを切断しておき、上記所定の発進操作がなされたときに上記フライホイールクラッチを接続する制御手段を備えた可変フライホイールの制御装置であって、
    上記フライホイールクラッチは、上記ドライブプレートに取り付けられ、上記ドライブプレートと独立して軸方向に移動可能な摩擦部材と、上記ドライブプレートの外周部に設けられ、上記摩擦部材を軸方向に移動可能に支持する複数のガイドピンと、上記摩擦部材の外周部を上記ドリブンプレートに係合させるときに作動油が供給される作動室とを備えることを特徴とする可変フライホイールの制御装置。
  2. 上記作動室は、上記摩擦部材を上記ドリブンプレートに係合させるときに供給側ラインから作動油が供給されると共に、上記ドリブンプレートから上記摩擦部材を分離させるときに上記作動油が排出側ラインに排出されるものであり、
    上記供給側ラインおよび上記排出側ラインと上記作動室との間に、上記制御手段からの制御信号が入力されていないときに上記作動室を上記排出側ラインに連通し、入力されたときに上記作動室を上記供給側ラインに連通するように構成された方向制御弁が設けられた請求項1に記載の可変フライホイールの制御装置。
  3. 上記車両は、変速機と、その変速機と上記エンジンとを接続するための変速クラッチとを備え、
    上記制御手段は、上記変速クラッチが切断されたときに上記所定の発進操作がなされたと判断する請求項1または2に記載の可変フライホイールの制御装置。
  4. 上記車両は、変速機と、その変速機と上記エンジンとを接続するための変速クラッチとを備え、
    上記制御手段は、上記車両の変速機がニュートラルから発進段へギアインされたときに上記所定の発進操作がなされたと判断する請求項1または2に記載の可変フライホイールの制御装置。
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