JP5395848B2 - 低速2サイクルガスエンジン - Google Patents

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    • F02B25/02Engines characterised by using fresh charge for scavenging cylinders using unidirectional scavenging
    • F02B25/04Engines having ports both in cylinder head and in cylinder wall near bottom of piston stroke

Description

本発明は、メタンを主成分とする天然ガス等のガス燃料を主燃料とする低速2サイクルガスエンジンに関する。
近年、環境保全の観点からクリーンなエネルギ源が求められている。この観点から、主にメタンを主成分とする天然ガス等のガス燃料をその主燃料とするガスエンジンの普及が著しい。
現行のガスエンジンは、主に機関速度が300rpm以上の中速エンジンが対象であり、かつ、4サイクルエンジンに適用されているのが一般的である。そして、このガスエンジンは、ガスと空気との予混合気を高圧縮下において何らかの方法で点火爆発させて、機関の運転を行なう。また、一台のエンジンにおいて、或る時はガスエンジン、また或る時はディーゼルエンジンとして使用できる4サイクルエンジンがあり、このようなガス燃料とディーゼル燃料の双方を使用できるエンジンをデュアルフュエルエンジンと呼ぶ場合がある。
しかしながら、その燃料の特性等から、この従来のガスエンジンを安定した状態で運転することは比較的困難であり、安定的かつ高効率な運転を行なうためには、ノッキングや失火などの異常燃焼を早期に検出し、これを回避すること等が必要とされ、4サイクルのガスエンジンに対してはこれまで様々なノッキング防止対策が採られてきた。
例えば、シリンダに取り付けられた振動センサによりノッキングを検出する装置(例えば、特許文献1参照)、ノッキングを早期に検出するための検出方法及び検出装置(例えば、特許文献2参照)、ノッキング頻度に合わせてシリンダ毎にガス噴射量を増減させる装置等がある(例えば、特許文献3参照)。
この一方、これまで機関速度が250rpm以下の低速の2サイクルエンジンについては、ガス燃料とディーゼル燃料をシリンダ上部から噴射し点火爆発させて運転するガスインジェクションディーゼルエンジンがあるが、予混合された燃料ガスを点火爆発させて運転する低速2サイクルガスエンジンは見受けられない。これは、4サイクルエンジンのように、ガス燃料と空気とを予混合させて圧縮した場合、ピストン頂部や排気弁の下部表面のホットスポットが点火源となって、ノッキングしてしまう可能性が高いと考えられるためである(例えば、特許文献4参照)。
特開平08−177603号公報 特開2005−42583号公報 特開2007−247569号公報 特開平7−97926号公報
しかしながら、近年、環境保全の観点からクリーンなエネルギ源が求められている現状から、低速の2サイクルエンジンに対しても、天然ガス等のガス燃料をその主燃料とする、予混合のガスエンジンの導入が緊急の課題となっている。
また、従来の中速の4サイクルガスエンジンは、NOxの発生が比較的少ないものの、ガスと空気の混合気がシリンダ内全体に分布するため、ピストン頂部や排気弁の下部表面に存在するホットスポットに混合気が接触して、ノッキングする可能性がある。また、シリンダの奥まった場所に入り込んだ混合気が燃焼せずに、次の排気行程で排気管へ排出されてしまう可能性もある。
この一方、ガス燃料とディーゼル燃料とをシリンダ上部から噴射してディーゼル燃料の自己着火性により燃焼させて運転する従来の2サイクルガスインジェクションディーゼルエンジンは、ノッキングの発生が少ないが、NOxの発生がディーゼルエンジン並みに多いという問題があり、また、このエンジンでは、ガスを高圧にしてシリンダ内に吹き込むため、高圧ガスを取り扱わなければならないという問題がある。
さらに、上述の従来の中速の4サイクルガスエンジンについては、ガスの予混合気の一部が燃焼室を通りすぎて、未燃焼のまま排気管へ排出されてしまい、燃費を悪化させると共に、環境を害するという問題もある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、低速の2サイクルエンジンに対して、新たに予混合のガスエンジンを導入すると同時に、ガスを高圧にしてシリンダ内に吹き込む必要がなくその取扱いが極めて容易であり、またNOxの発生が少なく、しかもノッキングの発生が少ない低速2サイクルガスエンジンを提供することを課題とする。
併せて、ガスの予混合気の一部が燃焼室を通りすぎて未燃焼のまま排気管へ排出されてしまい、燃費を悪化させ環境を害するようなことがない、低速2サイクルガスエンジンを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の低速2サイクルガスエンジンが採用する手段は、シリンダライナ内を上下に摺動するピストンと、ピストンに連結されてシリンダライナ内を上下に往復するピストン棒と、クランク室内に配設されると共に上記ピストン棒に連結されてクランク室内を上下に往復するクロスヘッドと、クロスヘッドとクランク軸とを連結してクランク軸と共働して往復運動を回転運動に変換する連接棒と、シリンダヘッドに設けられて排気を行なう排気弁と、シリンダライナの下部に設けられてシリンダライナ内に掃気を導入する掃気ポートとを備えた低速の2サイクルエンジンにおいて、
ガス燃料をシリンダライナ内噴射するガス噴射弁をシリンダライナに設け、ガス燃料をガス噴射弁からシリンダライナ内の上下方向においてガス噴射弁が設けられた位置における中心部へ噴射させて掃気ポートから導入した掃気に予混合させて燃焼運転させることにある。
本発明の低速2サイクルガスエンジンは、ガス燃料をシリンダライナ内の中心部へ噴射するガス噴射弁をシリンダライナに設け、ガス燃料をこのガス噴射弁からシリンダライナ内の中心部へ噴射させて掃気ポートから導入した掃気に予混合させて燃焼運転させるから、ガス燃料を高圧にしてシリンダ内に吹き込む必要がなく、その取扱いが極めて容易である。
また、従来のガスインジェクションエンジンのように高温高圧下で燃料噴射するのではなく、ガス燃料を掃気ポートから導入した掃気に予混合させて燃焼運転させるから、NOxの発生が少ない。また、ガス燃料をシリンダライナの中心部へ噴射させてこの予混合を行なうから、ピストン頂部や排気弁の下部表面のホットスポットが点火源となってノッキングしてしまう現象が確実に防止され、ノッキングの発生が少なくなる。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、ガス噴射弁は、シリンダライナの掃気ポートよりも上方に配設されることが望ましい。このように、ガス噴射弁を掃気ポートよりも上方に設けることにより、ガス噴射弁から噴射されたガス燃料が掃気ポート内に逆流することが確実に防止される。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、ガス噴射弁は、ピストンが下死点から上昇を開始した後、かつ排気弁が全閉となる直前の時点でガス燃料の噴射を開始することが望ましい。
このように、ガス噴射弁が、ピストンが下死点から上昇を開始した後、かつ排気弁が全閉となる直前の時点でガス燃料の噴射を開始することにより、ガス燃料と掃気との予混合が適切に行われると共に、予混合気の一部が燃焼室を通りすぎて未燃焼のまま排気管へ排出され、燃費を悪化させ環境を害するようなことが発生しない。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、ガス噴射弁は、ピストンの頂部がガス噴射弁を通過する前までに、ガス燃料の噴射を停止することが望ましい。このように、ガス噴射弁は、ピストンの頂部がガス噴射弁を通過する前までにガス燃料の噴射を停止することにより、ピストンのホットスポットにガス燃料が直接噴射されることがさらに確実に防止され、ノッキングの発生が防止されると共に、ピストン外周部のピストンリング等のような入り組んだ箇所への無用なガス燃料の噴射が防止され、次の排気行程において、未燃のガス燃料が排気弁からそのまま排気とともに排出されることが防止される。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、ガス燃料の噴射圧力は、(掃気圧力+(0.2MPa〜1.5MPa))とすることが望ましい。このように、ガス燃料の噴射圧力を(掃気圧力+(0.2MPa〜1.5MPa))とすることにより、ガス燃料が掃気に最適に予混合される。ガス燃料の圧力はこのような低圧力でよいから、従来のガスインジェクションエンジンの場合と比べて、その取扱いが極めて容易である。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、通常運転時は開弁し緊急時にガス燃料の流れを遮断する遮断弁を、通常運転時にガス噴射弁へのガス燃料の供給停止を行なう開閉弁とは別に、ガス噴射弁の上流側のガス供給路に配設することが望ましい。
このように、通常運転時は開弁し緊急時にガス燃料の流れを遮断する遮断弁を、通常運転時にガス噴射弁へのガス燃料の供給停止を行なう開閉弁とは別に、ガス噴射弁の上流側のガス供給路に配設することにより、緊急時のエンジン全体の安全性が極めて高いものとなる。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、シリンダの上部にパイロット燃料噴射弁を備え、パイロット燃料噴射弁からパイロットディーゼル燃料を噴射して着火させることが望ましい。このように、パイロット燃料噴射弁からパイロットディーゼル燃料を噴射して着火させることにより、ガス燃料と掃気との予混合気に対して確実に着火させることができる。
上記低速2サイクルガスエンジンにおいて、エンジン負荷の増加と共にこのディーゼル燃料の噴射量割合を増加させることが望ましい。
ガスエンジンでは、負荷の増加に対してそのままガス量を増加させるとノッキングが発生しやすくなる。このため、例えば高負荷になるに従い、上記パイロット燃料噴射弁から噴射するディーゼル燃料をその噴射量割合を増加させながら噴射して、これを掃気に予混合されたガス燃料と共に燃焼させることにより、ガスエンジンに多いノッキングの発生をさらに減少させることができる。
本発明の低速2サイクルガスエンジンは、シリンダライナ内を上下に摺動するピストンと、ピストンに連結されてシリンダライナ内を上下に往復するピストン棒と、クランク室内に配設されると共に、ピストン棒に連結されてクランク室内を上下に往復するクロスヘッドと、クロスヘッドとクランク軸とを連結してクランク軸と共働して往復運動を回転運動に変換する連接棒と、シリンダヘッドに設けられて排気を行なう排気弁と、シリンダライナの下部に設けられてシリンダライナ内に掃気を導入する掃気ポートとを備えた低速の2サイクルエンジンにおいて、
ガス燃料をシリンダライナ内の中心部へ噴射するガス噴射弁をシリンダライナに設け、ガス燃料をガス噴射弁からシリンダライナ内の中心部へ噴射させて掃気ポートから導入した掃気に予混合させて燃焼運転させる。
したがって、低速の2サイクルエンジンに対して新たに予混合のガスエンジンが導入されると共に、ガスを高圧にしてシリンダ内に吹き込む必要がなくその取扱いが極めて容易であり、またNOxの発生が抑制され、しかもノッキングの発生が少ないという優れた効果を奏する。
併せて、ガス噴射弁は、ピストンが下死点から上昇を開始した後、かつ排気弁が全閉となる直前の時点でガス燃料の噴射を開始するから、ガス燃料の予混合気の一部が燃焼室を通りすぎて未燃焼のまま排気管へ排出されてしまい、燃費を悪化させ環境を害するようなことがない、という優れた効果を奏する。
本発明の低速2サイクルガスエンジンを示す模試図である。 図1の低速2サイクルガスエンジンの細部を示す断面図である。 排気弁動作と排気弁通過ガス量の関係を示すグラフである。 エンジン負荷に対するガス燃料とディーゼル燃料の噴射比率を示すグラフである。
本発明に係る低速2サイクルガスエンジンの発明を実施するための形態を、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、一例としての、機関速度が250rpm以下の低速の2サイクルユニフローガスエンジンを示す。符号1は低速2サイクルガスエンジンのシリンダヘッド、2はシリンダライナ、3はシリンダライナ2の下部に周方向に複数個が配設されて掃気をシリンダライナ2内に導入する掃気ポート、4はシリンダヘッド1の上部に設けられてシリンダライナ2内の燃焼ガスを図示しない排気レシーバに排気する排気弁、5はシリンダライナ1内を上下に摺動するピストンである。一例としてのこのエンジンでは、シリンダとシリンダライナ2とが一体構造で形成されている。
符号6はピストン1の下部に連結されてシリンダライナ2内を上下に往復するピストン棒、7はクランク室8を気密にするスタフィングボックス、9はクランク室8内に配設されると共に、スタフィングボックス7を摺動自在に貫通するピストン棒6に連結されてクランク室内を上下に往復するクロスヘッド、10はクロスヘッド9とクランク軸11とを連結してクランク軸11と共働して往復運動を回転運動に変換する連接棒、12は掃気室である。
図2に示すように、主にメタンを主成分とする天然ガス等のガス燃料を主にシリンダライナ2内の中心部へ噴射するガス噴射弁20を、シリンダライナ2の中部ないし下部、かつ掃気ポート3よりも上方に、1シリンダにつき1個、又は必要により複数個を設ける。このガス噴射弁20には、通常運転時にガス噴射弁20へのガス燃料の供給停止及びその流量調節を行なう流量調節弁(開閉弁)24が一体に組み込まれている。
この流量調節弁24は、エンジンコントローラ22の電気的な指令により、ガス燃料の供給停止及び流量調節を行なう。なお、流量調節弁24のガスの供給停止と流量調節は、それぞれ別の弁体により行ってもよい。
ガス噴射弁20の上流側のガス供給路21に、通常運転時は開弁しており、緊急時にエンジンコントローラ22の指令により作動してガスの流れを遮断する遮断弁23を、上述の流量調節弁24とは別に配設する。ガス供給路21には、図示しない燃料供給源から加圧されたガス燃料が供給される。なお、上述の流量調節弁24、及び又は遮断弁23の作動制御は、必ずしも電気的な指令によるのではなく、油圧により行ってもよい。
シリンダの上部に図示しないパイロット燃料噴射弁を備え、このパイロット燃料噴射弁からパイロットディーゼル燃料を噴射して、掃気と予混合されたガス燃料が着火される仕組みである。上述のエンジンコントローラ22が、排気弁4と、このパイロット燃料噴射弁の作動を制御する。
次に、本発明の低速2サイクルガスエンジンの作動を説明する。上述の低速2サイクルユニフローガスエンジンにおいては、排気弁4から排出された燃焼ガスは、通常は図示しない排気ターボ過給機のタービンに送られ、このタービンにより圧縮機を駆動して、圧縮機に吸入した大気圧の外気を圧縮する。圧縮によって温度の上昇した空気は、図示しない空気冷却器により冷却され、温度が低下して密度の上昇した空気が上述の掃気室12に供給される。
膨張行程時に、ピストン5がシリンダ内を下降してシリンダライナ2に設けられている掃気ポート3が開口すると、予圧された空気が掃気ポート3から掃気としてシリンダライナ2内に導入される。掃気の導入により、シリンダ内から排気弁4を通して燃焼ガスが排気されると共に、シリンダ内の燃焼ガスを新規の空気と置き換える。
この一方、エンジンコントローラ22の指令により、ピストン5が下死点から上昇を開始した後、かつ排気弁4が全閉となる直前の時点で、流量調節弁24が開弁する。これにより、エンジンの負荷に応じた適切な量のガス燃料がガス噴射弁20に供給され、このガス噴射弁20がシリンダライナ2内の中心部へのガス燃料の噴射を開始する。
このように、ガス噴射弁20が、ピストン5が下死点から上昇を開始した後、かつ排気弁4が全閉となる直前の時点でガス燃料の噴射を開始することにより、ガス燃料と掃気との予混合が適切に行われると共に、予混合気の一部が燃焼室を通りすぎて未燃焼のまま排気管へ排出され、燃費を悪化させ環境を害するようなことは発生しない。
すなわち、図3に示すように、排気弁4の開弁と共に排気弁4を通して燃焼ガスが排出され、一定時間経過すると燃焼ガスの排気は完了し、その後は掃気の一部が排出される。したがって、その排出される初期の掃気に、なるべくガス燃料が含まれないようなタイミングでガス噴射弁20からのガス噴射を開始する必要がある。
また、ガス噴射弁20をシリンダライナ2の中部ないし下部に設けることにより、ガス燃料をシリンダライナ2の中心部に、より多く噴射することができる。また、ガス噴射弁20を掃気ポート3よりも上方に設けることにより、ガス噴射弁20から噴射されたガス燃料が掃気ポート3内に逆流することが確実に防止される。なお、図2に示すガス噴射弁20は一例にすぎず、このガス噴射弁20を、シリンダライナ2の図2に示す位置よりも、さらに上方に配設することもできる。
ガス燃料の噴射圧力は、(掃気圧力+(0.2MPa〜1.5MPa))とされる。このように、ガス燃料の噴射圧力を(掃気圧力+(0.2MPa〜1.5MPa))とすることにより、ガス燃料が掃気に最適に予混合される。ガス燃料の圧力はこのような低圧力でよいから、従来のガスインジェクションエンジンの場合と比べて、その取扱いが極めて容易である。
その後、ピストン5の頂部がガス噴射弁20を通過する前までに、エンジンコントローラ22の指令により流量調節弁24が閉弁され、ガス噴射弁20はシリンダライナ2内へのガス燃料の噴射を停止する。このように、ガス噴射弁20が、ピストン5の頂部がこのガス噴射弁20を通過する前までにガス燃料の噴射を停止することにより、ピストン5のホットスポットにガス燃料が直接噴射されることがさらに確実に防止され、ノッキングの発生が防止されると共に、ピストン5の外周部のピストンリング等のような入り組んだ箇所への無用なガス燃料の噴射が防止され、次の排気行程において、未燃のガス燃料が排気弁4からそのまま排気とともに排出されることが防止される。
排気弁4が閉じた後のピストン5の上昇により、シリンダ内のガス燃料と掃気との予混合気が圧縮され、ピストン5が上死点近傍に達した時期に、エンジンコントローラ22がパイロット燃料噴射弁を作動させて予混合気を着火燃焼させ、この燃焼ガスの爆発膨張力によってピストン5を押し下げる。このように、パイロット燃料噴射弁からパイロットディーゼル燃料を噴射して着火させることにより、ガス燃料と掃気との予混合気に対して確実に着火させることができる。
また、ガス噴射弁20の上流側のガス供給路21に、流量調節弁24とは別に、通常運転時は開弁し緊急時にガスの流れを遮断する遮断弁23を配設したから、必要時以外の危険なガス燃料の噴射が防止され、緊急時のエンジン全体の安全性が極めて高いものとなる。
さらに、ガスエンジンでは、一般的にエンジン負荷の増加に対してそのままガス量を増加させるとノッキングが発生しやすくなる。このため、図4に示すように、例えば高負荷になるに従い、シリンダの上部に設けた上述のパイロット燃料噴射弁からディーゼル燃料の噴射量割合を徐々に増加させながら噴射して、これを掃気に予混合されたガス燃料と共に燃焼させることにより、ノッキングの発生をさらに減少させるようにすることもできる。
このように、本発明の低速2サイクルガスエンジンによれば、ガス燃料をシリンダライナ2内の中心部へ噴射するガス噴射弁20をシリンダライナ2に設け、ガス燃料をガス噴射弁20からシリンダライナ2内の中心部へ噴射させて、掃気ポート3から導入した掃気に予混合させて燃焼運転させるから、新たに低速2サイクルエンジンにガスンジンを導入すると同時に、ガス燃料を高圧にしてシリンダ内に吹き込む必要がなく、その取扱いが極めて容易である。
また、高温高圧下で燃料噴射するのではなく、ガス燃料を掃気ポート3から導入した掃気に予混合させて燃焼運転させるから、NOxの発生が少ない。また、ガス燃料をシリンダライナ2の中心部へ噴射させてこの予混合を行なうから、ピストン5の頂部や排気弁4の下部表面のホットスポットが点火源となってノッキングしてしまう現象が確実に防止され、ノッキングの発生が少なくなる。
なお、上述の低速の2サイクルユニフローガスエンジンは、一例を述べたにすぎず、様々な変形が可能である。例えば、本発明の低速2サイクルガスエンジンを、或る時はガス燃料を、また或る時はディーゼル燃料をシリンダの上部から噴射するデュアルフュエルエンジンに対しても実施することもできる。
本発明の低速2サイクルガスエンジンは、必ずしも低速の2サイクルガスエンジンに限定して利用されるものではなく、同様の構造を有する一般の2サイクルエンジンに対して広く利用できる。
1 シリンダヘッド
2 シリンダライナ
3 掃気ポート
4 排気弁
5 ピストン
6 ピストン棒
7 スタフィングボックス
8 クランク室
9 クロスヘッド
10 連接棒
11 クランク軸
12 掃気室
20 ガス噴射弁
21 ガス供給路
22 エンジンコントローラ
23 遮断弁
24 流量調節弁(開閉弁)

Claims (8)

  1. シリンダライナ(2)内を上下に摺動するピストン(5)と、前記ピストンに連結されて前記シリンダライナ内を上下に往復するピストン棒(6)と、クランク室(8)内に配設されると共に前記ピストン棒に連結されて前記クランク室内を上下に往復するクロスヘッド(9)と、前記クロスヘッドとクランク軸(11)とを連結して前記クランク軸と共働して往復運動を回転運動に変換する連接棒(10)と、シリンダヘッド(1)に設けられて排気を行なう排気弁(4)と、前記シリンダライナの下部に設けられて前記シリンダライナ内に掃気を導入する掃気ポート(3)とを備えた低速の2サイクルエンジンにおいて、ガス燃料を前記シリンダライナ内噴射するガス噴射弁(20)を前記シリンダライナに設け、前記ガス燃料を前記ガス噴射弁から前記シリンダライナ内の上下方向において前記ガス噴射弁が設けられた位置における中心部へ噴射させて前記掃気ポートから導入した前記掃気に予混合させて燃焼運転させることを特徴とする低速2サイクルガスエンジン。
  2. 前記ガス噴射弁(20)は、前記シリンダライナ(2)の中部ないし下部に、かつ前記掃気ポート(3)よりも上方に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の低速2サイクルガスエンジン。
  3. 前記ガス噴射弁(20)は、前記ピストン(5)が下死点から上昇を開始した後かつ前記排気弁(4)が全閉となる直前の時点で前記ガス燃料の噴射を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の低速2サイクルガスエンジン。
  4. 前記ガス噴射弁(20)は、前記ピストン(5)の頂部が前記ガス噴射弁を通過する前までに前記ガス燃料の噴射を停止することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の低速2サイクルガスエンジン。
  5. 前記ガス燃料の噴射圧力は、(掃気圧力+(0.2MPa〜1.5MPa))とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の低速2サイクルガスエンジン。
  6. 緊急時に前記ガス燃料の流れを遮断する遮断弁(23)を前記ガス噴射弁(20)への前記ガス燃料の供給停止を行なう開閉弁(24)とは別に前記ガス噴射弁の上流側のガス供給路(21)に配設したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の低速2
    サイクルガスエンジン。
  7. シリンダの上部にパイロット燃料噴射弁を備え、前記パイロット燃料噴射弁からパイロットディーゼル燃料を噴射して着火させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の低速2サイクルガスエンジン。
  8. エンジン負荷の増加と共に前記ディーゼル燃料の噴射量割合を増加させることを特徴とする請求項7に記載の低速2サイクルガスエンジン。
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