本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面にもとづいて説明する。図1は、本発明を適用したスロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの内部構造図である。図3は、前面扉を示す背面図である。図4は、スロットマシンの構成を示すブロック図である。図5は、演出ユニットが取り付けられた筐体上部を示す構造図である。尚、以下においては、スロットマシンの正面図である図1の左側を左側、右側を右側、上側を上側、下側を下側、手前側を前面側、奥側を背面側として説明する。
まず、本実施例のスロットマシン1の概略を説明すると、図1〜図3に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する箱状に形成された筐体1a(図2参照)と、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1b(図3参照)と、から構成されている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rそれぞれの外周面には、例えば「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」(図示略)、「チェリー」、「オレンジ」(図示略)、「ブドウ」(図示略)、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられるリールモータ32L,32C,32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L,2C,2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L,2C,2Rの内側には、図2に示すように、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)と、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55(図4参照)と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するレギュラーボーナス(以下、RBと略称する)では2、RB以外の遊技状態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20、後述するRB中である旨を点灯により報知するRB中LED19が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、該MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L,22C,22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの背面には、図3に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のビッグボーナス(以下、BBと略称する)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有する投入メダルセレクタ131、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)を備えるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。尚、これらスイッチの前面には開閉扉が設けられており、各スイッチが被覆されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数としてRBでは2が定められ、RB以外の遊技状態では3が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では10枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、前面扉1bにおける透視窓3の上方位置には、箱状の演出ユニット200が配設されており(図6、図7参照)、この演出ユニット200の前面中央位置には、演出手段の一例としての液晶表示器51が設けられるとともに、その左右側には、後述するスピーカ153L,153Rから出力される音が放音される透音部154L,154R等が配設されている。
このように構成された演出ユニット200は、液晶表示器51や透音部154L,154Rを前面に向けた姿勢で前面扉1bの背面上部に取り付けられ(図5参照)、前面扉1bを閉鎖した状態において、リールユニット2の上方に形成された空間内に配置される。なお、演出ユニット200の詳細な構造については後述することとする。
また、前面扉1bにおける透視窓3の下方位置には、図1、図18及び図19に示すように、透明な合成樹脂材により正面視横長長方形状に形成された下部パネル120と、該下部パネル120の背面に組み付けられ、透明な合成樹脂材により正面視横長長方形状に形成されたベースパネル560と、当該スロットマシン1の機種名やタイトル等が透光性インクにより印刷されたタイトルシート590と、ベースパネル560の背面側に配置され、非透光性を有する合成樹脂材により形成された反射パネル600と、複数のパネル用LED63が列設された帯状のパネル用LED基板580と、から構成される下部パネルユニット550が設けられている。なお、下部パネルユニット550の詳細な構造は後述することとする。
また、透視窓3の右側方位置には、役物としてのフィギュア401(図20参照)が収納された役物収納装置400が設けられている。なお、役物収納装置400の詳細な構造は後述することとする。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101及び各種中継基板が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90それぞれに別個に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、RB中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
なお、本実施例では、遊技制御基板40と演出制御基板90とが演出中継基板80を介して接続されていたが、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されていてもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された複数の演出効果LED52、スピーカ53L,53R、スピーカ153L,153R、演出に用いられる演出スイッチ54(図1参照)、リールLED55、後述する演出ユニット200に設けられる液晶表示器51、スピーカ153L,153Rの透音部154L,154Rを照明するスピーカLED60L,60R、スピーカ枠LED61L,61R、役物収納装置400を照明する役物LED62a〜62c、タイトルシート590を照明するパネル用LED63等が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、演出効果LED52、スピーカ53L,53R、スピーカ153L,153R、リールLED55、液晶表示器51、スピーカLED60L,60R、スピーカ枠LED61L,61R、役物LED62a〜62c、パネル用LED63等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55、スピーカLED60L,60R、スピーカ枠LED61L,61R、役物LED62a〜62c、パネル用LED63の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53L,53R、スピーカ153L,153Rからの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に直接または中継基板を介して接続された演出スイッチ54等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、図示しない役物等の駆動を行うモータ駆動回路99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
なお、本実施例では、特に詳細な図示はしないが、遊技制御基板40と各種遊技用電子部品(例えばリールモータ32L,32C,32R)とを中継する遊技用中継基板や、演出制御基板90と各種演出用電子部品(例えばパネル用LED63等)とを中継する演出用中継基板がそれぞれ別個に設けられているが、例えば前記遊技用中継基板および前記演出用中継基板双方を1つの中継基板にて共用するようにしてもよく、このようにすることで、配線等を所定箇所にまとめて配線することができるようになる。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、内部当選フラグ、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。RTワークは、現在の遊技状態がリプレイタイム(以下、RTと略称する)(0)〜(4)のいずれかである場合にその旨を示すRTフラグ、RT残りゲーム数が格納されるワークである。停止相ワークは、リールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L,32C,32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメインCPU41aは、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる6種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及びRTワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、RTワーク及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化3は、BB終了時に行う初期化であり、初期化3では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化4では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化5は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化5では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1、初期化2を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち設定が確定した後に行うようにしても良い。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
前述のようにリールを滑らかに回転開始させるためには、リールモータの回転開始時にロータの正確な停止位置を特定しておく必要があるが、従来のように設定変更に伴ってリールモータの停止相を示すデータを含むRAM41cのデータを初期化してしまうと、設定変更後、ロータの正確な停止位置を特定することが不可能であり、最初にリールモータを回転させる場合には、急激にロータの永久磁石が励磁相に吸引されてしまい、回転の開始時にリールが振動してしまうため、リールの回転態様が見苦しくなってしまうとともに、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうという問題がある。
これに対して本実施例では、リールモータ32L,32C,32Rの停止時における停止相を示すデータがRAM41cに割り当てられた停止相ワークに設定されることで、ロータの正確な停止位置を特定可能とする。そして起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、RAM41cが初期化されるが、停止相ワークは初期化されないようになっており、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータが維持されるようになっている。このため、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合にも、これらのロータの正確な停止位置を特定することが可能となり、このような状況であってもリールを滑らかに回転開始させることが可能となる。これにより設定変更後、最初にリールを回転させる際にリールが振動してしまうことがなく、遊技者から設定変更されたことが見抜かれてしまうことを防止できる。
また、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合においては、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、起動時において設定変更モードへ移行させる際の操作方法によって、停止相ワークを初期化させるか否かを選択できるようになっている。これにより、停止相ワークも含めてRAM41cを初期化することが可能となるため、ステッピングモータの励磁相を記憶するために割り当てられた停止相ワークを利用して不正プログラムなどが常駐してしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、設定キースイッチ37のみがONの状態で起動し、設定変更モードへ移行させる場合において、RAM41cが初期化されるが、この際、停止相ワークを初期化しないことにより、設定変更後の遊技状態においても停止相ワークに格納されたリールモータ32L,32C,32Rの停止相を示すデータを維持することで、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合にも、これらの停止相を特定することができるようになっているが、設定値の変更に伴ってRAM41cのデータがクリアされる場合にも、特定の初期励磁相を停止相ワークに設定し、停止相ワークに設定したデータが示す励磁相を、設定変更後、ゲームが開始可能となる前に励磁することで、設定変更後、最初にリールモータ32L,32C,32Rを回転させる場合に、これらの停止相を特定することができるようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、遊技状態としてRB、RT(0)〜(4)があり、RBでは規定数の賭数として2が定められ、RB以外の遊技状態では規定数の賭数として3が定められており、RTでは賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、RB以外の遊技状態では、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス(1)(2)が、再遊技役としてリプレイ(1)、リプレイ(2)が、小役としてブドウ、スイカ、チェリー、10枚役(1)〜(3)、2枚役(1)〜(4)、1枚役(1)〜(4)が定められている。
ブドウは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では5枚のメダルが払い出される。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、RBでは5枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では4枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄は左リールの上段または下段のいずれかに必ず停止するように制御されるようになっており、入賞ラインL1、L3の入賞ラインまたは入賞ラインL2、L4の入賞ラインにチェリー組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるため、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では8枚のメダルが払い出されることとなる。
10枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−黒7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−白7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−オレンジ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
2枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−プラム−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−スイカ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−チェリー−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。
1枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−プラム−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−スイカ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−チェリー−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ベル−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイ(2)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)(2)のいずれかが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
尚、本実施例では、RT(2)(3)においてリプレイ(2)は、必ずBB(1)(2)のいずれかと当選するため、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなくRT(4)へ移行する構成を採用した場合には、RT(2)(3)においてリプレイ(2)の組合せが入賞ラインに揃うことはない。
BB(1)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、BB(2)は、RT(0)〜(4)において入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。尚、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなくRT(4)へ移行する構成を採用した場合には、BB(1)(2)は、RT(4)においてのみ入賞可能となる。
BB(1)(2)のいずれかが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行する。RBは、小役、特にブドウの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が348枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
(演出ユニット)
次に、演出ユニット200の詳細な構造について説明する。図6は、(a)は演出ユニットを斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、(b)は斜め後方から見た状態を示す斜視図である。図7は、演出ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。図8は、内部ユニットの構成を示す分解斜視図である。図9は、内部ユニットを斜め後方からみた状態を示す斜視図である。図10は、内部ユニットを示す正面図である。図11は、内部ユニットを示す平面図である。図12は、内部ユニットを示す背面図である。図13は、音導部材の内部構造を示す横断面図である。図14は、図13のA−A断面図である。図15は、遊技者と演出ユニットとの配置関係を示す図である。
なお、以下の説明においては、前面扉1bの背面に取り付けられた演出ユニット200をスロットマシン1の正面から見た場合を規準として上下左右方向を説明することとする。
(筐体)
図6および図7に示すように、演出ユニット200の筐体200aは、非透光性の合成樹脂板からなる上板201、下板202、左側板203、右側板204と、背面に演出制御基板ケース800(図5参照)が取り付けられる背板206とにより、前面が開口する箱状に構成されている。
背板206の背面には、パネル中継基板804が取り付けられているとともに、演出制御基板ケース800を係止するための弾性係止爪206eおよび複数の取付溝206a〜206dが形成されている。上板201の上面には前面扉1bへ取り付けるための上取付金具209aが固定されている。また、下板202には、前面扉1bへ取り付けるための下取付金具209b(図5参照)が固定されている。
筐体200a内には、音を出力するスピーカ153L,153Rと、画像を表示可能な液晶表示器51と、発光可能なスピーカLED60L,60R及びスピーカ枠LED61L,61Rと、が一体に組み付けられたスピーカユニット220が前面開口から組み付けられている。
図8に示すように、スピーカユニット220は、横長長方形をなす板状部材にて形成され、筐体200aの前面開口を閉塞するように組み付けられるベース板221と、ベース部材221の背面左右側に取り付けられ、スピーカ153L,153Rが取り付けられてなる音導部材222L,222R(音導管)と、スピーカLED60L,60Rが前面に配設されたスピーカLED基板223L,223Rと、ベース板221の前面に取り付けられる液晶表示器51と、液晶表示器51をベース板221の前面に取り付けるための取付枠224と、スピーカ枠LED61L,61Rが前面に配設されたスピーカ枠LED基板225L,225Rと、スピーカ枠LED61L,61Rの光を拡散させるレンズカバー226L,226Rと、透音部154L,154Rを構成するパンチングメタルからなるスピーカカバー227L,227Rと、これらスピーカ枠LED基板225L,225R、レンズカバー226L,226R、スピーカカバー227L,227Rを取付枠224に取り付けるための前取付枠228と、スピーカカバー227L,227Rの前面を装飾するスピーカカバー装飾枠229L,229Rと、前取付枠228の前面を装飾する装飾枠230と、から主に構成されている。
ベース板221の左右側には、スピーカ153L,153Rから出力される音を前方に導くための縦長の開口221L,221Rが形成されており、これら開口221L,221Rの間に液晶表示器51を配設できるようになっている。
取付枠224は、液晶表示器51の表示画面の周囲を覆うための横長略長方形状の画面装飾枠部224aと、ベース板221の開口221L,221Rに対応する形状に形成された左右の筒状部224b,224cと、画面装飾枠部224aと左右の筒状部224b,224cとをそれぞれ連結するとともに、スピーカ枠LED基板225L,225Rが配置される基板配置部224dと、から構成されている。また、筒状部224b,224cは、後述する音導管の一部を構成する。
装飾枠230は、中央に液晶表示器51の表示画面の周囲を装飾する横長略長方形状の画面装飾枠部230aが形成されるとともに、その左右側には、取付枠224の筒状部224b,224cの前面開口を前面に臨ませる透音孔231b,231cが形成されている。透音孔231b,231cは、その背面に配設されるスピーカカバー装飾枠229L,229Rとスピーカカバー227L,227Rとにより透音可能に閉塞されており、針金等の異物を容易に進入できないようになっている。
そして、図9〜図12に示すように、ベース板221に音導部材222L,222Rと取付枠224とが取り付けられることにより、音導部材222L,222Rと筒状部224b,224cとが連通され、前後方向に延びる音導管が形成されるようになっている。
ここで、音導部材222L,222Rの詳細な構造を、図9〜図14にもとづいて説明する。なお、音導部材222L,222Rは左右対称形状であるだけで基本的な構造は同一であるため、図13及び図14においては、右側の音導部材222Rについてのみ説明し、左側の音導部材222Lの説明は省略することとする。
音導部材222L,222Rは、前後方向に延設される縦長の第1筒状部240と、第1筒状部240の周壁240dの内側に形成された連通口240cから内側斜め後方に向けて延設される角筒状の第2筒状部241と、からなり、透光性を有する合成樹脂材により形成されている。つまり、音導部材222L,222Rは略二股状に形成されている。
第1筒状部240の前端開口240aの周囲には、ベース板221に取り付けるためのフランジ部242が形成されており、該フランジ部242を図示しないネジにてベース板221に取り付けることで、前端開口240aがベース板221の開口221L,221Rに臨むようになっている。
また、特に図13及び図14に示すように、第1筒状部240は、開口221L,221Rの背面から後方に向けて直線状に形成されており、その後端開口240bには、スピーカLED基板223L,223RがスピーカLED60L,60Rを前方に臨ませるように取り付けられている。つまり、スピーカLED60L,60Rは、透音部154L,154Rの背面に対向する対向位置に配設されている。
第1筒状部240の内部には、透光性を有する合成樹脂材にて形成されたレンズ板243が、後端開口240bと連通口240cとの間を隙間なく仕切るように、第2筒状部241の軸心方向に沿うように、右端から左端にかけて後方に傾斜して配設されている。また、レンズ板243は、背面のスピーカLED60L,60Rからの光を拡散して前方に放射する光拡散機能を有している。なお、レンズ板243には音を透過させる孔等は形成されていないため、後端開口240bからの音漏れはない。
また、レンズ板243の背面の上下位置には、後端開口240bに向けて延設される仕切板244a,244bが水平に配設され、レンズ板243が補強されているとともに、スピーカLED基板223L,223Rの前面に複数配設されたスピーカLED60L,60Rが上段、中段、下段の3つの領域に仕切られている。
このように構成されたスピーカユニット220にあっては、図15に示すように、スピーカLED60L,60Rから前向きに出射された光は、後端開口240bから第1筒状部240内に入射された後、レンズ板243を透過する際に若干拡散され、前方の透音部154L,154Rから出射される。つまり、第1筒状部240及び筒状部224b,224cは、スピーカLED60L,60Rからの光を透音部154L,154Rに導光する導光路を構成している。
また、スピーカ153L,153Rから出力された音は、後端開口241aから第2筒状部241内に誘導され、連通口240cを介して第1筒状部240内に合流してレンズ板243により前向きに誘導された後、第1筒状部240を介して前方に導かれ、透音部154L,154Rから透音される。つまり、第2筒状部241は第1筒状部240内に音を誘導する音導入路を構成している。
このように、第1筒状部240の前部及び筒状部224b,224cは、導光路だけでなく音導路の一部を構成している。言い換えると、音導管としての音導部材222L,222Rは、透音部154L,154Rの背面と対向しない非対向位置に配置されるスピーカ153L,153Rから出力される音を透音部154L,154Rに導く音導路部(筒状部224b,224c、第1筒状部240のレンズ板243より前の部分、第2筒状部241により構成される平面視略への字形状(屈曲状)の音導路部)を有するとともに、音導路部の一部(筒状部224b,224c及び第1筒状部240のレンズ板243より前の部分)は、透音部154L,154Rの背面と対向する対向位置に配置されるスピーカLED60L,60Rからの光を透音部154L,154Rに導く導光路部の一部を構成する。
なお、本実施例の透音部154L,154Rは、パンチングメタルからなるスピーカカバー227L,227Rにて構成されているが、音及び光を透過(透音、透光)可能に構成されていれば、例えばネット状の部材等、他の素材にて構成されていてもよい。
また、スピーカユニット220が内蔵された演出ユニット200は、図5に示すように、取付部としての上取付金具209a及び下取付金具209bを介して前面扉1bに取り付けられる。取り付けた状態において、液晶表示器51の上端が前方に向けて若干傾倒するようになっていることで、遊技者が画面を見やすいようになっているとともに、透音部154L,154Rが若干下向きになって音が遊技者側に透過されるようになっている。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、図15に示すように、透音部154L,154Rの背面との対向位置に光導入部である後端開口240bが設けられ、音導部材222L,222Rにおける透音部154L,154Rと後端開口240bとの間の周壁240d、つまり、透音部154L,154Rの背面と対向しない非対向位置に音導入部としての連通口240cが設けられていることで、スピーカLED60L,60Rの光により透音部154L,154Rが背面側から装飾されるとともに、スピーカ153L,153Rからの音が透音部154L,154Rから透過される。
そして、スピーカ153L,153RとスピーカLED60L,60Rとが前後方向に重畳して配置されることがないので、スピーカLED60L,60Rからの光がスピーカ153L,153Rにより遮られたり、スピーカ153L,153Rからの音がスピーカLED60L,60Rにより遮られることがない。よって、スピーカLED60L,60Rをスピーカ153L,153Rにより制限されることなく自由に配置することができるため、装飾効果が向上する。
また、透音部154L,154Rに対してスピーカLED60L,60Rが所定距離離間した位置に配置されていることで、第1筒状部240の内周面が光により効果的に照明されるので、奥行き感を持たせることができる。
また、本実施例では、前後方向を向く第1筒状部240に対し、第2筒状部241が斜め後方に向けて延設され、スピーカ153L,153Rが斜め前方に向けて出音可能に設けられていることで、音量や音質を極力減衰させることなく透過させることができる。
さらに、図15に示すように、透音部154L,154Rを通してスピーカ153L,153Rが見えにくくなるので、針金等の不正器具等がスピーカ153L,153Rのコーン等を通してスロットマシン1の内部に容易に進入されることが抑制されるとともに、外観体裁が損なわれることを防止できる。
特に本実施例では、図5に示すように、演出ユニット200の背面側に遊技の制御を行う遊技制御手段としてのメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40が配設されているが、スピーカ153L,153Rのコーンを通して針金等を進入させても、内向きに屈曲されてしまうのでその背面側の遊技制御基板40に対してアプローチさせにくくなる。よって、不正行為が行い難くなるので、透音部154L,154Rを大型化してスピーカLED60L,60Rにより効果的に装飾することが可能となる。
より具体的には、透音部154L,154Rの背面に対向するようにスピーカLED60L,60Rが配設されることで、光を反射させたりすることなく、透音部154L,154Rを背面側から発光させることができる一方、スピーカ153L,153Rは第1筒状部240の周壁240dに設けられることで、透音部154L,154RとスピーカLED60L,60Rとの間に重畳して配置されて光を遮ることがないので、スピーカ153L,153Rに干渉されることなく、スピーカLED60L,60Rを自由に配置することが可能となる。
また、第2筒状部241は、第1筒状部240の周壁240dから演出手段としての液晶表示器51側に延設形成され、スピーカ153L,153Rは液晶表示器51の背面側に配置されていることで、液晶表示器51の背面側のスペースをスピーカ153L,153Rの配置スペースとして有効利用できるとともに、スピーカ153L,153Rを液晶表示器51により体裁よく隠蔽することができる。
さらに、透音部154L,154Rは液晶表示器51を挟んで左右側に配設されており、左右のスピーカ153L,153Rは液晶表示器51の背面側に配置されているため、2つのスピーカ153L,153Rを体裁よく隠蔽することができる。
なお、本実施例では、左右のスピーカ153L,153Rは演出手段の一例である液晶表示器51の左右側に配設されていたが、演出手段は液晶表示器51に限定されるものではなく、機械的構造物等であってもよい。また、スピーカは演出手段の左右側だけでなく、上下側に配置されていてもよい。
また、図15に示すように、透音部154L,154Rが中央の液晶表示器51を挟んで左右側に配設されることで、遊技者から左右側の透音部154L,154Rの内部を見たときに、スピーカLED60L,60Rが真正面に位置することがないので、指向性の高いLEDからの直接光により目を傷めることがないばかりか、視界(図中点線で囲まれた領域)からスピーカ153L,153Rが完全に除外されることになるため、外観体裁が向上する。さらに、第1筒状部240の内部には光拡散部材としてのレンズ板243が設けられていることにより光が拡散されるので、遊技者が光源を直視して目を傷めることが回避される。
また、レンズ板243は、光導入部としての後端開口240bと音導入部としての連通口240cとを仕切るように、かつ、スピーカ153L,153Rからの音を透音部154L,154Rに向けて誘導可能に設けられていることで、スピーカ153L,153Rからの音を漏れなく透音部154L,154Rに向けて誘導することができる。
また、図5に示すように、スピーカ153L,153R、スピーカLED60L,60R及び音導部材222L,222Rを含む演出用部材が収納される箱状の演出ユニット200は、取付部としての上取付金具209a及び下取付金具209bを介して前面扉1bに取り付けることができる。よって、演出ユニット200を介してこれら複数の演出用部材をスロットマシン1にまとめて取り付けることができるばかりか、箱状の演出ユニット200自体がスピーカ153L,153Rのエンクロージャとして機能するため、音質が向上する。
また、本実施例では、音導部材222L,222Rは、透音部154L,154Rから背面側に向けて直線状に延設され、導音口としての連通口240cが周面の一部に形成されるとともに、光導入部としての導光口である後端開口240bが後端面に形成されていることで、光導入部や音導入部を容易に形成することができる。
また、本実施例では、音導部材222L,222Rは第1筒状部240と第2筒状部241とから二股状に形成されていたが、例えば第1筒状部240の周壁240dに連通口240cを形成し、該連通口240cに直接スピーカ153L,153Rを臨ませるように設けてもよい。つまり、このような場合、スピーカ153L,153Rの例えばコーンの周囲を覆う筒状の部材等が第1筒状部240の周壁240dに直接接続されることになり、本発明の音導入管を構成する。
また、本実施例では、連通口240cは第1筒状部240の周壁240dの内側に形成されていたが、周壁240dの上面、下面、外面等に形成されていてもよい。
また、本実施例では、後端開口240bと連通口240cとの間にレンズ板243が設けられていたが、特に設けなくてもよい。さらに、レンズ板243は、必ずしも後端開口240bと連通口240cとの間に配置されている必要はなく、例えば複数の透音孔を形成することにより音を透過可能に形成されていれば、連通口240cよりも前方に配置されていてもよい。
次に、本発明の変形例としての音導部材222L,222Rについて、図16及び図17にもとづいて説明する。図16は、本発明の変形例1としての音導部材を示す断面図である。図17は、本発明の変形例2としての音導部材を示す断面図である。
前記実施例では、透音部154L,154Rが左右方向に平行に配置されているとともに、第1筒状部240が前後方向に向けて配設されていたが、第1筒状部240は、透音部154L,154Rに対して直交する方向に向けて配設されていればよく、例えば図16の音導部材250に示すように、透音部154L,154Rが前面扉1bの前面に、斜め内側に傾斜して配置されている場合、透音部154L,154Rに対して直交する方向、つまり前後方向に対して斜め方向に延設されていてもよい。
また、前記実施例では、音導部材222L,222Rは、第1筒状部240と第1筒状部240の周壁240dから分岐された第2筒状部241とから構成されていたが、例えば図17に示すように、平面視略L字形に屈曲された1本の音導管260にて構成されていてもよく、この場合、音導管260の周壁における透音部154Rの背面に対向する対向位置に、光導入部としての透光壁部261が形成されていれば、前記実施例の音導部材222L,222Rや変形例1の音導部材250と同様の作用・効果を奏する。
また、変形例2の音導管260は平面視略L字形に形成されているが、透音部154Rの背面との対向位置にスピーカが配置されないように構成されていれば、屈曲部は直角でなくてもよい。また、所定角度で屈曲するものだけでなく、所定曲率にて湾曲する湾曲形状をなしていてもよい。
次に、下部パネルユニット550の構造について、図18及び図19にもとづいて説明する。図18は、下部パネルユニットの構成を示す分解斜視図である。図19は、下部パネルユニットを示す縦断面図である。
下部パネル120は、横長帯状に形成される前壁部120aと、前壁部120aの周縁から背面側に延設される上壁部120b、左右の側壁部120c,120d、下壁部120eと、から背面側に開口する箱状に形成されている。前壁部120aは、上下方向に向けて平坦状をなすとともに、左右方向の中央に向けて前方に湾曲するように形成されている。
上壁部120bの左右側には、前面扉1bのパネル取付凹部510に形成される係止穴562a,562bに挿通して背面側にて係止される係止爪571cが上面に形成された弾性係止片571a,571bが背面側に向けて突設されている。また、これら左右一対の弾性係止片571a,571bの内側には、ベースパネル560が係合される係合孔573cが形成された弾性係合片573a,573bが背面側に向けて突設されている。下壁部120eの下面には、パネル取付凹部510の下部に形成される係止穴563a〜563cに係止される係止片572a〜572cが、長手方向に向けて所定間隔おきに下方に向けて垂下されている。
ベースパネル560は、上下方向に向けて平坦状をなすとともに、左右方向の中央に向けて前方に湾曲する横長帯状に形成される前壁部560aと、前壁部560aの上縁から背面側に延設される上壁部560b、下縁から背面側に延設される下壁部560cと、から背面側に開口する箱状に形成されている。また、前壁部560aの前面には、タイトルシート590が粘着材等により貼着される。
上壁部560bにおける弾性係合片573a,573bに対応する位置には、係合孔573cに係合される係合凸部561a,561bが上向きに突設されている。よって、図19に示すように前壁部560aの前面にタイトルシート590を貼着した状態で下部パネル120の背面に嵌合することで、係合孔573cに係合凸部561a,561bが係合されて下部パネル120に一体に組み付けられる。これにより、タイトルシート590が前後のパネル120,560により挟持され位置決めされるとともに保護される。
反射パネル600は、上方に向けて前方に湾曲する正面視横長帯状に形成される前壁部600aと、前壁部600aの上縁から背面側に延設される上壁部600bと、左右側辺から背面側に延設される左右の側壁部600c,600dと、下縁から前面側に延設される下壁部600eと、から形成されている。下壁部600eの上面には、パネル用LED63により上方に向けて照射可能となるようにパネル用LED基板580が上向き姿勢で長手方向に沿って配設されている。
前壁部600aの背面には、パネル取付凹部510に取り付けるための取付ネジ(図示略)が取り付けられるネジ穴(図示略)が複数形成されており、前面扉1bの背面側から挿通される複数の取付ネジ(図示略)によりパネル取付凹部510の前面に取り付けられる。
図19に示すように、前壁部600aの前面(反射面)は、上記したように上方に向けて前方に湾曲する湾曲面状に形成されており、下端から上下方向の略中央位置までの下方領域に相当する下反射面600fと、該中央位置よりも上方の上方領域に相当する上反射面600gと、に区画されており、図19中拡大図に示すように、下反射面600fは鏡面仕上げとされ、上反射面600gは粗面仕上げとされている。
そして、パネル取付凹部510の前面に反射パネル600を組み付けた状態で、ベースパネル560およびタイトルシート590が組み付けられた下部パネル120を取り付ける場合、下部パネル120の係止片572a〜572cを係止穴563a〜563cに係止させ、その状態で下部パネル120の上部をパネル取付凹部510側に向けて押し込むことで、左右一対の係止爪571cが係止穴562a,562bそれぞれに係止され、これにより下部パネル120及びベースパネル560がパネル取付凹部510の前面に取り付けられる。
このように下部パネル120及びベースパネル560がパネル取付凹部510の前面に取り付けられた状態では、ベースパネル560の背面と反射パネル600の下反射面600f,上反射面600gとの間に所定の空間が形成される。そして、ベースパネル560の背面と反射パネル600の下反射面600f,上反射面600gとの離間幅は、上方に向けて漸次短寸となっている。つまり、ベースパネル560の背面に対し、反射パネル600は、下反射面600f,上反射面600gの上部がパネル用LED63の上方を覆うように前側に傾倒する傾倒姿勢で配設される。
ここで、パネル用LED63によるパネルの発光状況について説明すると、図19に示すように、パネル用LED63からの光は、図中矢印で示されるように上方に向けて照射されるようになっている。そして、上方に向けて照射された光は、下反射面600f及び上反射面600gに到達することにより前方に向けて反射され、ベースパネル560の前壁部560a透過してタイトルシート590を背面側から照射する。
パネル用LED63からの照射光は指向性が強いため、例えばタイトルシート590の背面側に、LEDを前方、つまりタイトルシート590に向けて照射可能に配設した場合、光拡散パネル等を通して照射したとしても、タイトルシート590から極力遠ざけないとタイトルシート590全域を略均一に照射することができない。よって、本実施例では、パネル用LED63を下反射面600fの下部から上方に向けて照射可能に配設し、下反射面600f及び上反射面600gに反射させた間接光にてタイトルシート590を照明している。
具体的には、パネル用LED63が点灯されると、上反射面600gに比べてパネル用LED63に近い下反射面600fでは、照射光が強いため反射部分が点状に発光するが、ベースパネル560の背面までの距離が長いことで、該ベースパネル560に到達するまでに反射光が徐々に弱まる。よって、下部パネル120の前面側、つまり遊技者側から見た場合でも、点状に発光することなく、下部パネル120における下反射面600fに対応する領域全体が均一に発光して見える。
また、下反射面600fに比べてパネル用LED63から遠い上反射面600gでは、照射光が弱まっているとともに、粗面により反射光が拡散されることで、反射部分は点状に発光されにくい。よって、下部パネル120の前面側、つまり遊技者側から見た場合でも、点状に発光することなく、下部パネル120における下反射面600fに対応する領域全体が均一に発光して見える。
また、下反射面600fと上反射面600gとでパネル用LED63からの距離が異なるので反射光の強さが異なるものの、下反射面600fの方が上反射面600gよりもベースパネル560までの距離が遠いため、遊技者側から見た場合において下部パネル120の上半部が下半部よりも暗くなるなど、光源からの距離の違いにより明るさが不均一になることが防止される。
このように、タイトルシート590の表示領域全域を略均等に発光させるために指向性の強いLEDを光源として用いる場合でも、LEDをタイトルシート590の表示領域に対して略平行に照射可能に設け、該照射光を傾倒して設けられる反射面に反射させて反射光によりタイトルシート590を照明することで、表示領域全域を略均等に照明することができる。
尚、本実施例では、パネル用LED基板580は反射パネル600の下端に反射面に沿うように配設されていたが、反射面は、光源であるパネル用LED63の側方位置から遠ざかるにつれて反射方向に向けて傾倒するように配設されていれば、光源であるパネル用LED63は上部または左右側部に設けられていてもよい。
また、反射面である下反射面600fおよび上反射面600gは湾曲面にて形成されていたが、平坦面にて形成されていてもよい。
次に、透視窓3の右側に設けられた役物収納装置400について、図20〜図23にもとづいて説明する。図20は、役物収納装置の内部構造を示す分解斜視図である。図21は、役物収納装置の縦断面図である。図22は、(a)は図21のB−B断面図、(b)は(a)の拡大図、(c)は図21のC部拡大図である。図23は、LEDの配置状況を示す図である。なお、図21において、後述するフィギュア401、役物設置部材405、取付部材405aの図示は省略している。
図20に示すように、役物収納装置400は、透光性を有する合成樹脂材にて縦長に形成されたベース部材402と、透光性を有する合成樹脂材にて形成され、ベース部材402の前面を被覆するケースカバー403と、非透光性の合成樹脂材からなりベース部材402の前面に固定される役物設置部材405と、ベース部材402と役物設置部材405との間に配設され、複数の役物LED62aが背面に配設された役物LED基板404aおよび複数の役物LED62bが背面に配設された役物LED基板404bと、役物設置部材405の前面側に固定される取付部材405aに配設され、複数の役物LED62cが上向きに配設された役物LED基板404cと、フィギュア401と、から主に構成されている。
図20及び図21に示すように、ベース部材402は、底板402aと、該底板402aの周縁から前向きに立設される周壁402bとから前面が開放する箱状に形成されている。底板402aにおける役物LED62aに対応する位置には貫通孔410が複数箇所に形成されているとともに、底板402aにおける役物LED62bに対応する位置には貫通孔411が複数箇所に形成されている。なお、貫通孔410,411の一部は、役物設置部材405の取付穴の一部を兼用している箇所もある。
底板402aの前面に役物LED基板404a,404bを取り付けた状態において、役物LED62a,62bは、図21中拡大図に示すように、対応する貫通孔410,411内に配置される。各役物LED62a,62bは、底板402aの背面から突出しないように配置されるとともに、特に図22(b)に示すように、基板に対して略平行に光を照射可能に設けられているため、照射光は各貫通孔410,411の開口端面に入射されるようになっている。
また、図22(a)(b)に示すように、底板402a外面と周壁402b外面との間の角部は面取り加工が施され、側方に向けて上方に傾斜する反射面402dが形成されている。よって、貫通孔410,411の開口端面から入射されて底板402a内部を誘導された光は反射面402dにより上方に向けて反射されるようになっている。
また、周壁402bの前端は、図20中拡大図に示すように、側面視三角形状をなす凹凸状の前端面402cが長手方向にわたり形成されている。よって、反射面402dにて上向きに反射された光が、前端面402cから多方向に向けて出射されるようになっている。
前端面402cは、上記したように周壁402bの長手方向に向けて凹凸状に形成されていることで、前端面402cから出射された光の一部は、前端面402c上に配置されるケースカバー403の後端面403aから内部に入射されるとともに(図22(b)参照)、一部は後端面403aとの間の隙間から外部に出射されるので、役物収納装置400を前面側から見たときに、周壁402bに沿うように環状に発光するようになる。
ケースカバー403は、図22に示すように、縦断面略逆U字形に形成されており、ベース部材402の前面を被覆した状態において、後端面403aがベース部材402の前端面402c上に当接するようになっているとともに、後端面403aから突設されたガイド壁403bが周壁402bの外面に配置されて後端面403aと前端面402cとの隙間を外側から覆うようになっている。
図23に示すように、このように構成された役物収納装置400にあっては、各貫通孔410,411内に配置された複数の役物LED62a,62bは、周壁402bに向けて光を略均等に照射可能に配置されている。よって、役物LED62a,62bから出射された光は、各貫通孔410,411の開口端面から底板402内部に入射されて底板402内部を誘導された後、反射面402d(図22(b)参照)にて上向きに反射されて前端面402cから出射される。
特に図22(a)に示すように、周壁402bはフィギュア401の側方位置に配置されていることで、フィギュア401が周囲からの光により照らされることになる。よって、図1に示すように、役物収納装置400がスロットマシン1の前面所定箇所に取り付けられた状態において、遊技店の室内光がケースカバー403を透してフィギュア401に到達されにくい状況である場合でも、フィギュア401の視認性が向上する。
さらに、フィギュア401の背面側に配置された役物LED62a,62bからの光を前面側のフィギュア401に向けて直接照射することでフィギュア401を照らすのではなく、背面側に配置した役物LED62a,62bからの光をベース部材402内部に入射し、間接光により周壁402b全体を発光させる構造が採用されていることで、遊技者側からフィギュア401を見る場合に逆光になってフィギュア401が暗くなり見づらくなることがない。
また、フィギュア401を前方から照らすことも考えられるが、その場合はフィギュア401の前面側に役物LED62a,62bを配設する必要があり、見栄えが悪くなるが、役物収納装置400にあっては、役物LED62a,62bは役物設置部材405により隠蔽されるので、フィギュア401の外観が損なわれることがない。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明の遊技機の一例として、遊技用価値としてメダル(遊技媒体)やクレジット等を用いて遊技を行うスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値としてパチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行う遊技機、例えば、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払い出しを行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンであってもよいし、パチンコ遊技機や雀球遊技機等にも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技者所有の遊技用価値としてのメダルの一部(前記実施例では50枚まで)をクレジットとして記憶可能であり、メダルまたはクレジットを用いることで遊技(ゲーム)を行うことができるようになっていたが、例えば貸出要求に応じて貸し出された価値や入賞に応じて付与された価値を全てクレジットとして記憶し、該クレジットのみの使用で遊技を行うことが可能な遊技機であってもよく、この場合、遊技用価値とはクレジットにあたる。
また、本発明は、所定の遊技を行うことが可能な遊技機であればよく、例えば入賞や大当り等の発生など遊技を行うことにより成立する所定条件の成立にもとづいて有価価値を付与する遊技機にも適用可能である。
また、有価価値とは、遊技を行うための遊技用価値としてのメダルや遊技球等の遊技媒体であってもよいし、賭数の設定をクレジットのみを使用して行う完全クレジット式であればクレジットを付与するものであればよい。