以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロについて、図面を参照しながら説明する。
[機能フロー]
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るパチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段及び特別遊技停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止するように制御される。本明細書では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と称し、規定期間が190msec(最大遅延時間)である場合には、その最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときには、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
上述のようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。そして、入賞判定手段により入賞に係る図柄の組合せであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れの動作が1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロでは、上述した一連の動作の中で、液晶表示装置による映像の表示動作、各種ランプによる光の出力動作、スピーカによる音声の出力動作、プロジェクターによる画像の投影動作、或いは、これらの動作の組合せを利用して様々な演出が行われる。このような演出動作は次のようにして行われる。
まず、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値という)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種の演出内容の中から今回実行する演出内容を抽籤により決定する。
そして、演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動して対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロの構造]
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。図2は、本実施形態のパチスロ1のキャビネット10の分解斜視図であり、図3は、キャビネット10の正面図(内部構造を示す図)である。なお、図2及び図3では、説明を簡略化するため、キャビネット10の内部に搭載される各種装置のうち、本発明の特徴部分であるプロジェクターユニット100及びリールユニット3のみを示し、その他の各種装置(例えば、主制御基板、ホッパー装置、電源等)の図示を省略する。これらの省略した各種装置は、従来のパチスロと同様にして、キャビネット10の内部に配置することができる。
パチスロ1は、略箱状のキャビネット10(遊技機本体)と、キャビネット10に対して開閉可能に取り付けられたフロントドアとを備える。なお、図2及び図3では、説明を簡略化するためフロントドアの図示を省略する。
キャビネット10の内部には、3つのリール3L,3C,3R(表示列)を含むリールユニット3(変動表示装置部)と、プロジェクターユニット100(プロジェクター装置部)とが設けられる。
リールユニット3は、図2及び図3に示すように、キャビネット10の高さ方向(底板部から天井板部10aに向かう方向)において、その中央より若干上方の位置に配置される。そして、プロジェクターユニット100は、リールユニット3と天井板部10aとの間、すなわち、リールユニット3の上部に配置される。
なお、3つのリール3L,3C,3Rはリールの回転方向と直交する方向(図3に示す例では横方向)に沿って一列に配置される。以下、リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。また、各リールは、円筒状のリール本体と、リール本体の周面(周回面)に装着された透光性のシート材とを有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄がリール本体の周方向に沿って連続的に描かれる。なお、各リールは、所定の減速比を有するギアを介して対応する後述のステッピングモータ(後述の図12中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
ここで、図2及び図3では図示を省略したパチスロ1の各種装置の構成について簡単に説明する。
キャビネット10の内部には、後述の主制御回路41(図10参照)が実装された主制御基板(主基板)が設けられる。なお、主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。主制御回路41の具体的な構成については、後で詳述する。
また、キャビネット10の内部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という:後述の図10参照)が設けられる。さらに、キャビネット10の内部には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置が設けられる。
本実施形態のパチスロ1のフロントドア(不図示)には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口、ベットボタン、精算ボタン、スタートレバー、3つのストップボタン)が設けられる。
メダル投入口は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口を介して受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、該所定枚数を超えた分のメダルは、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバーは、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。3つのストップボタン17L,17C,17R(後述の図10参照)は、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、フロントドアには、メダル払出口、メダル受皿等が設けられる。なお、メダル払出口は、後述のホッパー33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。また、メダル受皿は、メダル払出口から排出されたメダルを貯める。
さらに、フロントドアには、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられる(後述の図10参照)。7セグ表示器6は、現在の遊技に投入されたメダルの枚数(投入枚数)、特典として遊技者に払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。
また、フロントドアには、例えば液晶表示装置等で構成される画像表示装置20が設けられる(後述の図10及び図11参照)。そして、画像表示装置20は、各リールの図柄表示領域(表示窓)を含む表示画面を備える。本実施形態では、図柄表示領域を含む表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、所定の演出が実行される。
なお、各リールの表示窓は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したときに、該リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できるように構成される。すなわち、各表示窓には、上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄を表示することができる。そえゆえ、本実施形態では、表示画面に、3×3の配列形態で図柄を表示することができる。そして、本実施形態では、3×3の配列形態で表示された図柄において、左リール3Lの表示窓から右リール3Rの表示窓に渡って設定された擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行うライン(以下、入賞判定ラインという)として定義する。
さらに、フロントドアには、例えばランプ(LED等)等で構成される発光装置22、例えばスピーカ等で構成される音声出力装置21等が設けられる(後述の図10及び図11参照)。発光装置22は、演出内容に対応するパターンで、光を点消灯する。また、音声出力装置21は、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
また、フロントドアの裏側部(表示画面側とは反対側の部分)の各リールの図柄表示領域(表示窓)の下方部分には、セレクタが設けられる。セレクタは、メダル投入口を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定されたメダルをホッパー33に案内する。さらに、セレクタ内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(後述の図10参照)が設けられる。
さらに、本実施形態のパチスロ1は、画像表示装置20、音声出力装置21、発光装置22、プロジェクター101等による演出動作を制御する後述の副制御回路42(後述の図10及び図11参照)が実装された副制御基板(副基板)を備える。副制御基板は、キャビネット10の内部又はフロントドアに設けられる。なお、副制御回路42の具体的な構成については、後で詳述する。
[プロジェクターユニットの構成]
次に、図4〜図7を参照しながら、プロジェクターユニット100の構成について説明する。なお、図4は、プロジェクターユニット100の分解斜視図であり、図5は、プロジェクターユニット100の外観斜視図である。また、図6は、プロジェクターユニット100の正面図であり、図7は、プロジェクターユニット100の上面透視図である。
プロジェクターユニット100は、プロジェクター101と、2枚のミラー102,103(以下、第1ミラー102及び第2ミラー103という)と、表示部材104と、これらの部材が取り付けられるベース部材105(保持部材)とを備える。
プロジェクター101は、演出時に所定の画像(映像)の投影光を射出する。本実施形態では、プロジェクター101を、例えば市販等されている小型の液晶プロジェクターで構成する。なお、プロジェクター101は、小型の液晶プロジェクターに限定されず、本実施形態のように、表示部材104及び光学系(第1ミラー102及び第2ミラー103)と一体的に構成できるような小型のプロジェクターであれば、任意のプロジェクターを用いることができる。
第1ミラー102及び第2ミラー103は、プロジェクター101から射出された投影光を表示部材104に導くための光学系である。本実施形態では、第1ミラー102及び第2ミラー103を、ともに平板状の反射体で構成する。なお、各ミラーは、板状の鏡で構成してもよいし、表面が鏡面加工された板状部材で構成してもよい。また、表面に鏡面シートを貼り付けた板状部材で各ミラーを構成してもよい。
本実施形態では、プロジェクター101から射出された画像の投影光は、第1ミラー102及び第2ミラー103により、この順で反射されて表示部材104の装飾部材104aに拡大投影される。それゆえ、第1ミラー102に投影光が到達した際の投影光のスポットサイズは、第2ミラー103に投影光が到達した際の画像の投影光のスポットサイズより小さくなるので、本実施形態では、第1ミラー102の反射面のサイズを第2ミラー103の反射面のサイズより小さくする。なお、第1ミラー102の反射面のサイズは、投影光が第1ミラー102に到達した際の投影光のスポットサイズ以上のサイズであれば、任意のサイズに設定することができる。
表示部材104は、装飾部材104aと、装飾部材104aが取り付けられる表示部材本体104bとで構成される。
装飾部材104aは、光透過性材料(本実施形態では半透明材料)で形成された略板状部材であり、その一方(遊技者と対向する側)の表面には、所定の図柄に対応する領域が外側に突出するように凸部が形成されている。すなわち、装飾部材104aの遊技者と対向する側の表面には、所定の図柄が立体構造で形成される。
表示部材本体104bは、平板部材の中央に凹部が形成された略板状の部材であり、その凹部の開口形状は円形であり、凹部の側壁形状は円筒状である。また、凹部の底部には、装飾部材104aに設けられた図柄パターンに対応するパターンで開口部が形成される。
本実施形態では、装飾部材104aを表示部材本体104bの凹部の底部に装着することにより、表示部材104が作製される。この際、装飾部材104aの凸部(所定の図柄に対応する領域)が、表示部材本体104bの凹部の底部に形成された対応する開口部に嵌め込まれる。この結果、装飾部材104aに設けられた立体的な所定の図柄が、表示部材本体104bの凹部の底部から外側に突出した状態となる(図5及び図7参照)。
ベース部材105は、上板111と、下板112と、一対の表示体取付部材113と、プロジェクター取付部材114と、6つの連結部材115と、を有する。
上板111及び下板112はともに、表面が略長方形状の板状部材である。両者の長辺長さは同じであるが、上板111の短辺長さは、下板112のそれより長くする。なお、下板112の一方(表示部材104の配置側とは反対側)の長辺部は直線状に延在した長辺部であり、他方(表示部材104の配置側)の長辺部はその中央付近から一方の角部付近の領域に渡って略U字状に辺部が折れ曲がった形状を有する。
上板111の下板112と対向する面には、第1ミラー102が嵌め込まれる第1上溝部111a、及び、第2ミラー103が嵌め込まれる第2上溝部111bが形成される。
第1上溝部111aは、上板111の一方(表示部材104の配置側とは反対側)の長辺部の一方(プロジェクター101の配置側)の角部付近に設けられる。この際、第1上溝部111aは、該一方の角部を画成する長辺部から該一方の角部を画成する短辺部に向かって直線状に延在して形成される。すなわち、第1上溝部111aは、上板111の長辺部の延在方向に対して所定の角度(本実施形態では45度程度)で傾斜した直線状の溝で構成される。
第2上溝部111bは、上板111の一方(表示部材104の配置側とは反対側)の長辺部の他方(プロジェクター101の配置側とは反対側)の角部付近に設けられる。この際、第2上溝部111bは、該他方の角部を画成する長辺部から該他方の角部を画成する短辺部に向かって直線状に延在して形成される。すなわち、第2上溝部111bは、上板111の長辺部の延在方向に対して所定の角度(本実施形態では45度程度)で傾斜した直線状の溝で構成される。
また、下板112の上板111と対向する面には、第1ミラー102が嵌め込まれる第1下溝部112a、及び、第2ミラー103が嵌め込まれる第2下溝部112bが形成される。
第1下溝部112aは、上板111の第1上溝部111aと対向する位置に形成され、その溝の形状及び延在方向は第1上溝部111aのそれらと同じである。また、第2下溝部112bは、上板111の第2上溝部111bと対向する位置に形成され、その溝の形状及び延在方向は第2上溝部111bのそれらと同じである。なお、各溝部の長辺部の延在方向に対する傾斜角度(各ミラーの取付角度)は、プロジェクター101から射出された光(投影光)が第1ミラー102及び第2ミラー103を介して表示部材104の装飾部材104aに投影されるように適宜設定される。
また、本実施形態では、上述のように、第1ミラー102の反射面のサイズを第2ミラー103の反射面のサイズより小さくする。それゆえ、第2下溝部112bは、下板112の表面に直接形成されるが、第1下溝部112aは、図4に示すように、下板112の表面に設けられた凸部102cの上面に形成される。なお、凸部102cは、第1下溝部112aと同じ方向に直線状に延在して形成される。
そして、本実施形態では、プロジェクターユニット100が組み立てられた際、第1ミラー102は、上板111の第1上溝部111aと、下板112の第1下溝部112aとの間に取り付けられ、第2ミラー103は、上板111の第2上溝部111bと、下板112の第2下溝部112bとの間に取り付けられる。なお、この際、第1下溝部112aは、上述のように、凸部102cの上面に形成されているので、第1ミラー102は、下板112の表面から凸部102cの略高さ分だけ浮いた状態で配置される(図5及び図6参照)。
また、上板111の下板112と対向する面には、一対の表示体取付部材113、及び、プロジェクター取付部材114が取り付けられる。
一対の表示体取付部材113は、上板111の他方(溝部の配置側とは反対側)の長辺部の略中央から一方(プロジェクター101の配置側とは反対側)の角部付近に渡って、取り付けられる。この際、一対の表示体取付部材113は、該他方の長辺部に沿って互いに所定間隔(装飾部材104aの図柄面の直径以上の距離)離れて配置される。
そして、表示部材104は、一対の表示体取付部材113により上板111に固定される。なお、この際、表示部材104は、その図柄面(凸状の面)と上板111の面とが直交するように取り付けられ、表示部材104の図柄面がミラーの配置側とは反対側(外側)に向くように取り付けられる。また、本実施形態では、表示部材104の図柄面の先端部が、リールユニット3より外側(遊技者の側)に突出するような位置に表示部材104が取り付けられる(後述の図9参照)。
プロジェクター取付部材114は、上板111の他方の長辺部(溝部の配置側とは反対側)の他方(表示体取付部材113の配置側とは反対側)の角部付近に設けられる。そして、プロジェクター101は、プロジェクター取付部材114により上板111の下板112と対向する面上に固定される。
この際、プロジェクター101の下面(底面)が上板111の表面(キャビネット10の天井板部10a)と対向するように、プロジェクター101が上板111に取り付けられる。すなわち、プロジェクター101は、上板111(キャビネット10の天井板部10a)に対して逆さ付けされる。
また、本実施形態では、プロジェクター101の投影光の出射口が、表示部材104の投影光の照射面と対向しないように、すなわち、プロジェクター101から射出される投影光の出射方向が、表示部材104に照射される投影光の進行方向と異なるように、プロジェクター101が上板111に取り付けられる。具体的には、プロジェクター101の投影光の出射口が、第1ミラー102と対向するように(キャビネット10の裏面側に向くように)、プロジェクター101が上板111に取り付けられる。これにより、プロジェクター101をリールユニット3の上部に設けても、投影光の光路長を延ばすことができ、必要な投影距離を確保することができる。
各連結部材115は、棒状部材で構成される。連結部材115の一方の端部は下板112の各溝部が形成されている面に取り付けられ、他方の端部は、上板111の各溝部が形成されている面に取り付けられる。この際、下板112の第1下溝部112a及び第2下溝部112bが、それぞれ上板111の第1上溝部111a及び第2上溝部111bと対向するように、下板112と上板111とが6つの連結部材115により連結される。
なお、本実施形態では、図7に示すように、6つの連結部材115の一方の端部のうち、4つの連結部材115の一方の端部は、下板112の4つの角部付近にそれぞれ取り付けられる。また、残りの2つの連結部材115のうち、一方の連結部材115の一方の端部は、略U字状に折れ曲がった長辺部の略中央の折れ曲がり部分付近に取り付けられ、他方の連結部材115の一方の端部は、溝部の配置側の長辺部において、該一方の連結部材115の一方の端部と対向する位置に取り付けられる。
[プロジェクターユニットによる画像の投影動作]
次に、図8及び図9を参照しながら、本実施形態のプロジェクターユニット100における、画像(映像)の投影動作を説明する。なお、図8及び図9は、本実施形態のプロジェクターユニット100による画像の投影動作の様子を示す図であり、図8はプロジェクターユニット100の上面透視図であり、図9はキャビネット10の高さ方向に沿う概略断面図である。
本実施形態のパチスロ1においてプロジェクター101を用いて演出を行う際には、まず、プロジェクター101から射出された所定の画像(映像)の投影光(図8及び図9中の破線矢印)は、第1ミラー102に入射される。次いで、該入射された投影光は、第1ミラー102により、第2ミラー103に向かって反射される。
次いで、第1ミラー102で反射された投影光は、第2ミラー103に入射され、該入射された投影光は、第2ミラー103により、表示部材104に向かって反射される。そして、第2ミラー103で反射された投影光は、表示部材104の装飾部材104aに照射される。これにより、装飾部材104aが、投影画像に応じて所定の色彩パターン及び/又は点滅パターンで映し出され、様々な演出が可能になる。
なお、プロジェクター101から射出された画像の投影光は、図8に示すように、拡大されながら上述した光路を介して装飾部材104aに投影される。そして、本実施形態では、装飾部材104aに照射される画像の投影光のスポットサイズが装飾部材104aの図柄面(表示部材本体104bの凹部の底面)のサイズと略同じになるように、投影光の光路長が適宜設定される。ただし、投影光の光路長は、例えば、プロジェクター101の配置位置、プロジェクター101からの投影光の出射角度、各ミラーの配置位置、表示部材104の配置位置、表示部材104の凹部の深さ等の各種条件を変更することにより適宜調整することができる。
[パチスロが備える回路の構成]
次に、図10及び図11を参照して、本実施形態におけるパチスロ1が備える主な回路の構成について説明する。図10は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図であり、図11は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
パチスロ1は、図10に示すように、主制御回路41(主制御部)、副制御回路42(副制御部)、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
(1)主制御回路
主制御回路41は、主に、回路基板上に実装されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、図10に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65及び払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、CPUからなるメインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理(後述の図12及び図13参照)の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(不図示)、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データや制御に必要な各種フラグなどを格納する格納領域(不図示)が設けられる。
メインCPU51には、図10に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続される。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口に投入されたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有するギアを介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)により計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックス検出後の回転動作で変動した図柄の個数を管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
また、本実施形態では、遊技中の滑り駒数の最大数を図柄4個分に定める。それゆえ、例えば左ストップボタン17Lが押されたときには、そのときに左リール3Lの入賞判定ライン上に位置する図柄と、その4個先までの範囲に存在する図柄が、入賞判定ライン上に停止可能な図柄となる。
なお、主制御回路41に含まれる、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
(2)副制御回路
副制御回路42は、図10及び図11に示すように、主制御回路41に接続され、主制御回路41から送信されるコマンド(所定のデータ)に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。
副制御回路42は、基本的には、図11に示すように、サブCPU71、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92及びアンプ93を有する。
サブCPU71は、CPUで構成され、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光、投影画像の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU71が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて画像表示装置20(液晶表示装置)による映像の表示を制御するための描画制御タスク、発光装置22(ランプ)による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、音声出力装置21(スピーカ)による音声の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。さらに、本実施形態では、プロジェクター101による表示部材104への画像投影の制御タスクのプログラムもプログラム記憶領域に格納される。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域、投影画像のデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図11に示すように、画像表示装置20、音声出力装置21、発光装置22、プロジェクター101等のサブデバイスが接続され、各サブデバイスの動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、サブCPU71、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成された映像は画像表示装置20(液晶表示装置)により表示される。また、サブCPU71、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音を音声出力装置21(スピーカ)により出力する。また、サブCPU71は、演出内容により指定されたランプデータに従って発光装置22(ランプ)の点灯及び消灯を行う。さらに、本実施形態では、サブCPU71は、演出内容により指定された投影画像データに従ってプロジェクター101の動作制御を行う。
[主制御回路の動作説明]
次に、図12及び図13を参照して、主制御回路41のメインCPU51が、プログラムを用いて実行する主な処理の内容について説明する。
(1)メインCPUによるパチスロの主要動作処理
まず、メインCPU51により制御されるパチスロ1の主要動作処理の手順を、図12に示すメインフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ1に電源が投入されると、メインCPU51は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この初期化処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたか等が判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
次いで、メインCPU51は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM53における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの単位遊技(1回の遊技)毎にデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ35Sやスタートスイッチ16Sの入力のチェック等が行われる。
次いで、メインCPU51は、乱数値を抽出し、該抽出した乱数値をメインRAM53に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。そして、抽出した乱数値が乱数値格納領域に格納されると、メインCPU51は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
次いで、メインCPU51は、スタートコマンド送信処理を行う(S6)。この処理では、スタートコマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信される。なお、スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU51は、リール回転開始処理を行う(S7)。この処理において、メインCPU51は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される後述の割込処理(図13参照)により、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。このとき、各リールは、その回転速度が所定速度に達するまで加速制御され、その後、該所定速度が維持されるように制御される。
次いで、メインCPU51は、リール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転が停止される。
次いで、メインCPU51は、入賞検索処理を行う(S9)。この処理では、メインCPU51は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rが全て停止した後、入賞判定ライン上に表示された図柄の組合せを検索し、該検索結果に基づいて、メダルの払出枚数等を決定する。具体的には、この処理では、入賞判定ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブル(不図示)に規定されている図柄の組合せと照合され、両者が一致する場合には、対応する表示役及び払出枚数が決定される。
次いで、メインCPU51は、表示コマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、表示コマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信される。なお、表示コマンドは、表示役やメダルの払出枚数を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU51は、メダル払出処理を行う(S11)。この処理では、S10において決定された表示役の払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われ、メダルの払い出しが行われる。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了枚数カウンタの更新処理を行う(S12)。この処理では、S10においてメダルの払出枚数として決定された値が、ボーナス終了枚数カウンタから減算される。なお、ボーナス終了枚数カウンタは、ボーナス終了の契機を管理するためのカウンタであり、例えばメインRAM53に設けられる。
次いで、メインCPU51は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。なお、ボーナス作動中フラグは、例えばメインRAM53の所定の格納領域に格納され、ボーナス作動中フラグがオン状態にあるときには、ボーナスゲームが作動中であることを意味する。
S13において、メインCPU51が、ボーナス作動中フラグがオンでないと判別したとき(S13がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS15の処理を行う。
一方、S13において、メインCPU51が、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したとき(S13がYES判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU51は、ボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かをチェックする。
S14の処理後、又は、S13がNO判定の場合、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を行う(S15)。この処理では、主に、ボーナスゲームの作動を開始するか否かがチェックされる。そして、ボーナス作動チェック処理が終了すると、メインCPU51は、処理をS2に戻し、S2以降の処理を繰り返す。
(2)メインCPUによる割込処理(1.1173msec)
次に、図13を参照して、メインCPU51により定期的に行われる割込処理について説明する。まず、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S21)。次いで、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を行う(S22)。この処理では、ストップスイッチ17S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU51は、リール制御処理を行う(S23)。この処理では、メインCPU51は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU51は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU51は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の入賞判定ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU51は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S24)。この処理では、メインCPU51は、7セグ表示器6を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU51は、レジスタの復帰処理を行う(S25)。そして、その後、メインCPU51は、割込処理を終了する。
[副制御回路の動作説明]
次に、図14〜図16を参照して、副制御回路42のサブCPU71が、プログラムを用いて実行する主な処理(タスク)の内容について説明する。
(1)主基板通信タスク
最初に、図14を参照して、サブCPU71により行われる主基板通信タスクについて説明する。
まず、サブCPU71は、主制御回路41から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S31)。次いで、サブCPU71は、コマンドを受信した場合、受信したコマンドの種別を抽出する(S32)。
次いで、サブCPU71は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S33)。S33において、サブCPU71が前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したとき(S33がNO判定の場合)、サブCPU71は、処理をS31に戻し、S31以降の処理を繰り返す。
一方、S33において、サブCPU71が前回とは異なるコマンドを受信したと判別したとき(S33がYES判定の場合)、サブCPU71は、受信したコマンドに基づいて、メッセージキューへメッセージを格納する(S34)。なお、メッセージキューとは、プロセス間で情報を交換するための機構である。そして、S34の処理後、サブCPU71は、処理をS31に戻し、S31以降の処理を繰り返す。
(2)演出登録タスク
次に、図15を参照して、サブCPU71により行われる演出登録タスクについて説明する。
まず、サブCPU71は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S41)。次いで、サブCPU71は、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(S42)。S42において、サブCPU71が、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(S42がNO判定の場合)、サブCPU71は、後述のS45の処理を行う。
一方、S42において、サブCPU71が、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(S42がYES判定の場合)、サブCPU71は、メッセージから遊技情報を複写する(S43)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM83に設けられた格納領域(不図示)に複写される。
次いで、サブCPU71は、演出内容決定処理を行う(S44)。この処理では、サブCPU71は、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等を行う。なお、演出内容決定処理の詳細については、後述の図16を参照しながら後で説明する。
S44の処理後、又は、S42がNO判定の場合、サブCPU71は、アニメーションデータの登録を行う(S45)。次いで、サブCPU71は、サウンドデータの登録を行う(S46)。次いで、サブCPU71は、ランプデータの登録を行う(S47)。次いで、サブCPU71は、投影画像データの登録を行う(S48)。なお、これらの登録処理は、S44の演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。そして、S48の処理後、サブCPU71は、処理をS41に戻し、S41以降の処理を繰り返す。
(3)演出内容決定処理
次に、図16を参照して、演出登録タスクのフローチャート(図15参照)中のS44で行う演出内容決定処理の一例について説明する。なお、演出登録タスクのフローチャートは、図16に示す例に限定されず、主制御基板31から副制御基板32に送信されるコマンドの種類等に応じて適宜変更される。
まず、サブCPU71は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S51)。
S51において、サブCPU71がスタートコマンド受信時であると判別したとき(S51がYES判定の場合)、サブCPU71は、スタートコマンド受信時処理を行う(S52)。この処理では、サブCPU71は、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定して登録する。ここで、演出番号は、今回実行する演出内容を指定するデータである。
次いで、サブCPU71は、登録されている演出番号に応じて、スタート時の演出データを登録する(S53)。なお、演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ、ランプデータ及び投影画像データを指定するデータである。それゆえ、演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。その後、サブCPU71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図15参照)のS45に移す。
一方、S51において、サブCPU71がスタートコマンド受信時でないと判別したとき(S51がNO判定の場合)、サブCPU71は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S54)。
S54において、サブCPU71がリール停止コマンド受信時であると判別したとき(S54がYES判定の場合)、サブCPU71は、登録されている演出番号及び作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録する(S55)。その後、サブCPU71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図15参照)のS45に移す。
一方、S54において、サブCPU71がリール停止コマンド受信時でないと判別したとき(S54がNO判定の場合)、サブCPU71は、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S56)。
S56において、サブCPU71が表示コマンド受信時であると判別したとき(S56がYES判定の場合)、サブCPU71は、登録されている演出番号及び表示役に応じて、表示時の演出データを登録する(S57)。その後、サブCPU71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図15参照)のS45に移す。
一方、S56において、サブCPU71が表示コマンド受信時でないと判別したとき(S56がNO判定の場合)、サブCPU71は、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S58)。
S58において、サブCPU71がボーナス開始コマンド受信時であると判別したとき(S58がYES判定の場合)、サブCPU71は、ボーナス開始用の演出データを登録する(S59)。その後、サブCPU71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図15参照)のS45に移す。
一方、S58において、サブCPU71がボーナス開始コマンド受信時でないと判別したとき(S58がNO判定の場合)、サブCPU71は、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S60)。S60において、サブCPU71がボーナス終了コマンド受信時でないと判別したとき(S60がNO判定の場合)、サブCPU71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図15参照)のS45に移す。
一方、S60において、サブCPU71がボーナス終了コマンド受信時であると判別したとき(S60がYES判定の場合)、サブCPU71は、ボーナス終了時用の演出データを登録する(S61)。その後、サブCPU71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図15参照)のS45に移す。
本実施形態のパチスロ1では、上記図12〜図16を参照して説明した各種処理手順に従って、主要動作が行われる。
[各種効果]
上述のように、本実施形態のパチスロ1は、プロジェクター101を用いた演出機能を備え、その演出機能で用いられる表示部材104(装飾部材104a)は、リールユニット3の上部に設けられる。そして、本実施形態では、表示部材104は、表示部材104に投影光を照射するプロジェクター101、及び、投影光を表示部材104に導く光学系(第1ミラー102及び第2ミラー103)と、ベース部材105により一体的に構成されている。
すなわち、本実施形態では、リールユニット3の上部に設けられた表示部材104の裏面側(遊技者側とは反対側)の空いたスペースに、表示部材104に投影光を照射するプロジェクター101と、投影光を表示部材104に導く光学系とをまとめて配置する。それゆえ、本実施形態では、パチスロ1の内部構成の大幅な設計変更を行う必要が無く、簡易な構成で、プロジェクター101を用いた斬新な演出が可能となる。
また、本実施形態では、上述のように、プロジェクター101を用いた演出機能に必要な構成部材が、プロジェクターユニット100としてワンユニット化されている。それゆえ、本実施形態では、プロジェクター101を用いた演出機能を、より簡易な構成で実現することが可能になるとともに、プロジェクターユニット100のキャビネット10への取り付けが容易になる。
さらに、本実施形態では、プロジェクター101の投影光の出射口が、表示部材104の投影光の照射面と対向しないように、すなわち、プロジェクター101から射出される投影光の出射方向が、表示部材104に照射される投影光の進行方向と異なるように、プロジェクター101が配置される。それゆえ、プロジェクター101をリールユニット3の上部に配置しても、投影光の光路長を延ばすことができ、必要な投影距離を確保することができる。
本実施形態では、プロジェクター101から射出された投影光を表示部材104に導く光学系を2枚のミラーで構成する。それゆえ、本実施形態では、光学系の構成を簡易にすることができ、低コストでプロジェクター101を用いた演出機能を設けることができる。
また、本実施形態では、第1ミラー102の反射面のサイズを第2ミラーの反射面のサイズより小さくし、第1ミラー102をベース部材105の下板112の表面から凸部112cの略高さ分だけ浮いた状態で配置する。それゆえ、第1ミラー102の下部(下板112の表面)付近で発生し得る、投影光の不要な反射(例えば乱反射等)の発生を防止することができる。さらに、本実施形態では、サイズが互いに異なる2枚のミラーを用いて光学系を構成するが、ベース部材105に予め、各ミラーの取付部(溝部)を設けているので、2枚のミラーをより簡単に取り付けることができる。
[各種変形例]
本発明に係る遊技機の構成及び動作は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形例を含むことができる。
(1)変形例1(表示部材の変形例)
プロジェクターユニット100で用いる装飾部材104aの図柄は、図5に示す例に限定されない。例えば、パチスロ1の機種や演出内容等が変更された場合には、それに対応して、装飾部材104aの図柄も適宜変更される。
図17及び図18に、上記実施形態の例とは異なる図柄が立体的に形成された装飾部材を有するプロジェクターユニットの構成例(変形例1)を示す。図17は、変形例1のプロジェクターユニット200の外観斜視図であり、図18は、変形例1における表示部材204の分解斜視図である。なお、図17に示すこの例のプロジェクターユニット200において、図5に示す上記実施形態のプロジェクターユニット100と同様の構成には同じ符号を付して示す。
図17と図5との比較から明らかなように、この例のプロジェクターユニット200では、上記実施形態のプロジェクターユニット100において、表示部材の構成を変えただけである。それゆえ、ここでは、表示部材204の構成についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
この例の表示部材204は、図18に示すように、装飾部材204aと、装飾部材204aが取り付けられる表示部材本体204bとで構成される。
装飾部材204aは、光透過性材料(本実施形態では半透明材料)で形成された略板状部材であり、その一方の表面には、所定のキャラクターの顔図柄が外側に突出するように形成されている。すなわち、装飾部材204aの表面には、所定のキャラクターの顔図柄が立体構造で形成される。
表示部材本体204bは、平板部材の中央に凹部が形成された略板状の部材であり、その凹部の開口形状は略四角形であり、凹部の側壁形状は略四角筒状である。また、凹部の底部には、装飾部材204aに設けられた顔図柄に対応する形状の開口部が形成されている。
この例においても、上記実施形態と同様に、装飾部材204aの凸部(顔図柄に対応する領域)を、表示部材本体204bの凹部の底部に形成された開口部に嵌め込むことにより、表示部材204が作製される。そして、この結果、図17に示すように、装飾部材204aに設けられた立体的な所定の顔図柄が、表示部材本体204bの凹部の底部から外側に突出した状態となる。
この例で示したように、本発明のプロジェクターユニットでは、例えば、パチスロ1の機種や演出内容等が変更されても、表示部材を、対応する図柄が立体的に形成された表示部材に取り換えるだけで、そのような変更に対して簡単に対応することができる。それゆえ、本発明のプロジェクターユニットでは、より低コストでプロジェクターユニットを構成することができる。
(2)変形例2(光学系の変形例)
上記実施形態のプロジェクターユニット100では、プロジェクター101から射出された投影光を表示部材104の装飾部材104aに導くための光学系を2枚のミラーで構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。必要とする投影光の拡大率、すなわち、投影光の光路長に応じて、光学系を1枚のミラー、又は、3枚以上のミラーで構成してもよい。
また、本実施形態では、反射面のサイズが互いに異なる2枚のミラーを用いて光学系を構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、2枚のミラーの反射面のサイズが互いに同じであってもよい。この場合、光学系をより低コストで構成することができる。
また、本実施形態では、平板状のミラーを用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、必要とする投影光の拡大率や演出図柄等に応じて、ミラーの表面を凸面としてもよい。
さらに、本実施形態では、光学系をミラーで構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、プロジェクター101から射出された投影光を表示部材104に導き、所定の拡大率で投影光を表示部材104に照射できる構成であれば、光学系を任意に構成することができる。例えば、光学系を、例えばレンズ、プリズム、光導波路等の各種光学部材を用いて構成してもよいし、これらの光学部材とミラーとを適宜組み合わせて光学系を構成してもよい。なお、低コスト及び構成の簡易性の観点では、上記実施形態のように、光学系をミラーで構成することが好ましい。
(3)変形例3(プロジェクターの配置構成及び接続構成の変形例)
上記実施形態では、プロジェクター101の下面(底面)がキャビネット10の天井板部10aと対向するようにプロジェクター101を上板111に取り付ける例、すなわち、プロジェクター101を逆さ付けする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、プロジェクター101の上面がキャビネット10の天井板部10aと対向するようにプロジェクター101を上板111に取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、プロジェクター101の投影光の出射口(プロジェクター101からの投影光の出射方向)が、プロジェクター101の表示部材104側とは反対側に向くように、プロジェクター101を配置する例を説明した。すなわち、上記実施形態では、プロジェクター101から射出される投影光の出射方向が、表示部材104に照射される投影光の進行方向と反対方向となるように、プロジェクター101を配置する例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、プロジェクター101からの投影光の出射方向は、例えば、必要とする投影光の光路長(拡大率)、光学系の構成等に応じて任意に設定することができる。
例えば、光学系を1枚のミラーで構成可能である場合には、プロジェクター101からの投影光の出射方向は、キャビネット10の正面側から裏面側に向かう方向に対して所定角度で傾斜していてもよい。また、例えば、表示部材104の裏面側に十分な空きスペースがある場合や、光出射面側が凸状であるレンズ(拡大レンズ)で光学系を構成した場合には、プロジェクター101の投影光の出射口が表示部材104の照射面と対向するようにプロジェクター101が配置されていてもよい。この場合には、プロジェクター101からの投影光の出射方向は、表示部材104に照射される投影光の進行方向と同じになる。
さらに、上記実施形態では、プロジェクター101をサブCPU71に直接、電気的に接続する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、投影画像データに基づいてプロジェクター101の制御が可能な中継制御基板を間に介して、プロジェクター101を、サブCPU71に間接的に接続する構成にしてもよい。この場合、遊技機の機種間における、プロジェクター101(プロジェクターユニット100)の転用がより容易になる。
(4)変形例4(ベース部材の変形例)
上記実施形態では、上板111と下板112とを、棒状の連結部材115を用いて連結するベース部材105の構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、棒状の連結部材115の代わりに、板状の連結部材を用いて上板111と下板112とを連結してもよい。すなわち、ベース部材105を箱状の部材で構成してもよい。
また、例えば、ベース部材105において、下板112及び連結部材115を省略し、プロジェクター101、第1ミラー102、第2ミラー103及び表示部材104を全て上板111のみで保持するような構成にしてもよい。なお、プロジェクターユニットのハンドリング(キャビネットへの取り付けや持ち運びなど)の容易性等の観点では、上記実施形態の構成や、ベース部材105を箱状部材で構成した場合の方が優位である。
さらに、上記実施形態では、プロジェクター101、第1ミラー102、第2ミラー103及び表示部材104を、ベース部材105を用いて一体化する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ベース部材105を設けずに、プロジェクター101、第1ミラー102、第2ミラー103及び表示部材104を、例えばキャビネット10の天井板部10a等に取り付けるような構成にしてもよい。
(5)変形例5(プロジェクターユニットの配置形態の変形例)
上記実施形態では、プロジェクターユニット100をリールユニット3の上部に配置する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、プロジェクターによる演出で用いられる装飾部材がリールユニット3の上部以外の領域に設置されるような遊技機に対しても、上記実施形態のプロジェクターユニット100を適用することができ、同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、キャビネット10の正面側から見て、プロジェクターユニット100の配置スペースの形状が横長形状である例、すなわち、プロジェクターユニット100を横置き形態でキャビネット10に装着する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、キャビネット10の正面側から見て、プロジェクターユニット100の配置スペースの形状が縦長形状である場合には、上記実施形態のプロジェクターユニット100全体を90度回転させてキャビネット10に装着してもよい(縦置き形態で装着してもよい)。すなわち、本発明のように、プロジェクター101を用いた演出機能に必要な構成部材をワンユニット化することにより、プロジェクターユニット100の配置スペースの形状が変化しても比較的容易に対応することができる。
(6)変形例6(応用例)
上記実施形態では、本発明のプロジェクターユニット(プロジェクターを用いた演出手段の構成技術)をパチスロに適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明のプロジェクターユニットを、例えば「パチンコ」と呼ばれる遊技機に適用してもよい。
ここで、図19に、パチンコ300の一例を示す。なお、図19は、この例のパチンコ300の外観斜視図である。
パチンコ300は、ベースドア301と、ベースドア301に対して開閉可能に取り付けられたガラスドア302とを有する。また、パチンコ300は、ガラスドア302の下部に設けられた、例えば、皿ユニット303、演出ボタンユニット304、遊技球を発射する発射装置305等の各種装置を有する。なお、図示しないが、発射装置305により発射された遊技球が転動流下する遊技盤、及び、遊技に関する画像の表示を行う液晶表示装置等は、ガラスドア302の裏面側(遊技者側とは反対側)に設けられる。
さらに、図19に示すパチンコ300では、ガラスドア302の上部に、所定の図柄(図19に示す例では「GOD」という文字図柄)が立体的に構成された装飾部310が設けられる。このような立体的な文字図柄からなる装飾部310に対して、プロジェクターにより投影光を照射して演出を行う場合、上記実施形態で説明したプロジェクターユニット100と同様の構成のプロジェクターユニットを用いることができる。そして、この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。