JP5394907B2 - 走行装置 - Google Patents
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Description
具体的には、クローラロボットのホイール内に、減速比の小さい減速器と連設された高速用モータ、及び減速比の大きい減速器と連設された低速用モータとを備え、当該低速用モータに減速器を介して逆入力遮断クラッチを設けた構成が開示されている(特許文献1参照)。
このような構成の逆入力遮断クラッチを備えたクローラロボットにおいて、高速走行時には、低速用モータを停止させることで逆入力遮断クラッチを遮断させ、高速用モータのみでの走行を行い、低速走行時には、低速用モータを回転駆動し逆入力遮断クラッチを接続させ低速用モータで走行するとともに高速用モータを同期運転するものである。
これにより、高トルクが必要な坂道登坂時において、逆入力遮断クラッチが遮断された場合でも、ブレーキ作動により車両の後退を確実に防止した上で、第2の駆動源による駆動力を発生させて逆入力遮断クラッチを接続させることで、十分なトルクを発揮させることができ、安定した坂道停車及び坂道発進を実現させることができる。
これにより、悪路等も走行可能であるとともに、坂道も良好に走行可能なクローラ装置を実現することができる。
図1には本発明に係る走行装置を備えたクローラロボットの概略側面図、図2には当該クローラロボット左側内部を示す概略上面図がそれぞれ示されている。
図1、2に示すクローラロボット1は、悪路等も良好に走行可能なクローラ走行装置付きの無人車両であり、操縦者の遠隔操作に応じて動作するものである。
左右両クローラ走行装置8は、車体前部及び後部に位置して回転可能に支持されたホイール10、12(第1のホイール、第2のホイール)が設けられており、当該ホイール10、12を囲むようにして無端状のクローラベルト14(履帯)が架け渡されている。当該各ホイール10、12の回転に応じてクローラベルト14が回転することで、クローラロボット1が走行する。
詳しくは、図2に示すように、高速走行用駆動ユニット16は、高速用モータ20(第1の回転駆動源)に高速用減速器22が接続され、当該高速用減速器22の出力軸24がブレーキ26(ブレーキ手段)を介してホイール10に接続されている。当該ブレーキ26は出力軸24の回転を抑止する電磁ブレーキであり、当該出力軸24の回転を抑止させることで、ホイール10を介してクローラベルト14による走行を停止させるものである。
クローラロボット1には、各種演算処理等を行うクローラ制御装置40(走行制御手段)が設けられている。
当該クローラ制御装置40は、上記通信装置6と接続されており、遠隔操縦装置4からの走行指令を受信する。また、クローラ制御装置40は、高速走行用駆動ユニット16及び高トルク走行用駆動ユニット18と接続されており、受信した走行指令に応じてこれら各駆動ユニット16、18を制御する。具体的には、走行指令としては、走行速度に関する指令や操舵方向に関する指令が含まれており、クローラ制御装置40は、当該指令内容に応じて高速用モータ20や高トルク用モータ28に回転速度指令値を送り、ブレーキ26を作動させる際にはブレーキ指令を送ることで、クローラロボット1の所望の走行を実現する。また、クローラ制御装置40は、各モータ20、28の駆動状態を監視するため、各モータ20、28が出力する実際の回転速度値情報を取得する。
さらに、クローラ制御装置40には、計時を行うタイマ44が接続されている。
以下、このように構成されたクローラ制御装置40の走行制御について説明する。
これにより、逆入力遮断クラッチ32が接続されて高トルク用モータ28による高トルク走行が行われ、高速用モータ20は高トルク用モータ28との同期運転により当該高トルク走行の負荷を軽減する。
以下、本発明に係る走行装置のクローラ制御装置40において実行される坂道走行制御について説明する。
図4を参照すると、本発明に係る走行装置の坂道走行制御ルーチンを示すフローチャートが示されており、以下当該フローチャートに沿って説明する。
続くステップS2において、取得した車両傾斜角が予め設定された所定角A(例えば20deg)以上であるか否かを判別する。当該判別結果が偽(No)である場合、即ち車両傾斜角が所定角A未満であり、平地等の勾配の緩い走行路である場合には当該ルーチンをリターンする。一方、当該判別結果が真(Yes)である場合、即ち車両傾斜角が所定角A以上の比較的急勾配の坂道を走行している場合には、ステップS3に進む。
これは、高速走行用駆動ユニット16が高トルク走行用駆動ユニット18との同期運転を行っているか否かによって判定する。坂道走行で高トルク走行を行っている場合、上述したように高速用モータ20は同期運転を行っているが、クローラロボット1を停止させる走行指令が送られると、各モータ20、28の回転速度が0となる。高トルク用モータ28の回転速度が0になれば、逆入力遮断クラッチ32は遮断される。つまり、逆入力遮断クラッチ32が遮断された時点で、クローラベルト14に対して高速用モータ20のみが接続された状態となり、高速用モータ20のみの回転となることから上記式(1)は成立しなくなる。
同期運転割合η=(高トルク用モータ回転速度×高トルク用減速比)/(高速用モータ回転速度×高速用減速比)・・・(2)
当該同期運転割合ηが所定値αから所定値βの所定範囲にあるとき、即ちα<|η|<βが成立するとき、減速器22、30による減速を加味した高トルク用モータ28と高速用モータ20の回転速度が近く、同期運転中であり、逆入力遮断クラッチ32が接続状態であると判断できる。一方、同期運転割合ηが所定範囲外となれば、同期運転が成立せず、逆入力遮断クラッチ32が遮断されたと判断できる。なお、当該ステップS3と上記ステップS2の判定を行う順序は逆にしても構わない。
そして、ステップS5においてタイマ44を駆動し、続くステップS6においてタイマ44の計時時間が所定期間B(例えば3秒)経過したか否かを判別する。当該判別結果が偽(No)である間は、当該ステップS6の判定を繰り返し、真(Yes)となったとき、即ち所定期間B経過したときには、ステップS7に進む。当該所定期間Bはクローラロボット1が停止するのに十分な期間に設定されており、当該期間は遠隔操縦装置4からの走行指令の受付が停止されている。つまり、ここでクローラロボット1を確実に停止させる。
以上のように、クローラ制御装置40は、坂道での停車時に逆入力遮断クラッチ32が遮断状態となった場合、ブレーキ26を作動させ確実にクローラロボット1を停止させ、クローラロボット1の後退を確実に防止する。そして、発進時には、逆入力遮断クラッチ32が接続状態になったことを確認した後に、ブレーキ26を解除することで、高トルク用モータ28による十分なトルクで発進することができる。
以上で本発明に係る走行装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
また、上記実施形態は車体前部及び後部のホイール10、12それぞれに駆動ユニット16、18を設け、いずれか一方を駆動ホイールとしてクローラベルトを回転させる構成であるが、例えば、高速走行用駆動ユニット及び高トルク走行用駆動ユニットを共通のホイールに接続し、当該ホイールを駆動ホイールとしてクローラベルトを回転させる構成のクローラ走行装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、ブレーキは電磁ブレーキであり、出力軸24の回転を直接抑止するものであるが、ブレーキ手段はこれに限られるものではなく、例えばクローラベルトの回転を停止する可動式のくさび機構であっても構わない。
4 遠隔操縦装置
8 クローラ走行装置
10 ホイール(第1のホイール)
12 ホイール(第2のホイール)
14 クローラベルト(履帯)
16 高速走行用駆動ユニット
18 高トルク走行用駆動ユニット
20 高速用モータ(第1の回転駆動源)
22 高速用減速器
26 ブレーキ(ブレーキ手段)
28 高トルク用モータ(第2の回転駆動源)
30 高トルク用減速器
32 逆入力遮断クラッチ
40 クローラ制御装置(走行制御手段)
42 車両傾斜センサ(勾配検出手段)
44 タイマ
Claims (3)
- 第1の回転駆動源及び該第1の回転駆動源よりも高いトルクを出力する第2の回転駆動源の少なくともいずれか一方により回転体を駆動して走行する走行装置において、
前記第2の回転駆動源と前記回転体との間に設けられ、前記第2の回転駆動源に接続された入力軸と前記回転体に接続された出力軸とを有し、前記第2の回転駆動源からの駆動力が前記入力軸に伝達されると前記第2の回転駆動源から前記入力軸及び出力軸を介して前記回転体へと駆動力を伝達する接続状態となり、前記第2の回転駆動源停止時と、前記回転体から前記出力軸及び前記入力軸を介して前記第2の回転駆動源へ駆動力が伝達された時に、前記第2の回転駆動源と前記回転体との間の駆動力を遮断する遮断状態となる逆入力遮断クラッチと、
前記回転体の回転を停止させるブレーキ手段と、
走行路の勾配を検出する勾配検出手段と、
前記勾配検出手段により検出された勾配が所定のしきい値以上であるときに、前記逆入力遮断クラッチが遮断状態となった場合には、前記ブレーキ手段により前記回転体の回転を停止させるとともに、前記第2の回転駆動源による駆動力を発生させて前記逆入力遮断クラッチを接続させるよう制御する走行制御手段と、
を備えることを特徴とする走行装置。 - 前記走行制御手段は、前記勾配検出手段により検出された勾配が所定のしきい値以上であって、前記逆入力遮断クラッチが遮断状態となったことで、前記ブレーキ手段により前記回転体の回転を停止させるとともに、前記第2の回転駆動源の駆動力を発生させて前記逆入力遮断クラッチを接続させる際、前記逆入力遮断クラッチが接続されるまでは、前記第1の回転駆動源の駆動を禁止することを特徴とする請求項1記載の走行装置。
- 前記回転体は、第1のホイール及び第2のホイールに架け渡された無端状の履帯からなり、
前記第1の回転駆動源は前記第1のホイールに接続され、
前記第2の回転駆動源は前記逆入力遮断クラッチを介して前記第2のホイールと接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の走行装置。
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