JP5393675B2 - スローウェーブ伝送線路 - Google Patents

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Description

本発明は、情報端末等の無線通信装置にて使用する伝送線路に関し、特に、小型・低損失な特性を有する伝送線路に関するものである。
近年、ミリ波帯を用いた無線通信への期待が高まっている。ミリ波帯の無線通信技術を民生用途に使用するためには、小型・低コスト化が必要である。従来、ミリ波帯のRF回路の製造に、GaAsのような高価な材料を用いたプロセスが適用されていた。
ところで、ミリ波帯のRF(Radio Frequency)回路の製造に、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)プロセスを適用できれば、ミリ波帯のRF回路の製造コストを抑えることができる。しかしながら、増幅器等の回路をミリ波帯で構成する場合、整合回路などの回路を分布定数回路で設計すると、トランジスタなどのアクティブ素子に対して、伝送線路などのパッシブ回路の面積が大きくなる。その結果、回路を小型化することが困難であった。
一般に、伝送線路を小型化する技術として、スローウェーブ構成が知られている。
例えば、伝送線路の信号線及びグランド線に対して垂直なストリップラインをダミーグランド(Dummy Ground)として用い、グランド線と同電位のストリップラインとを、信号線に近づける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、上述の伝送線路の構成を示した図である。信号線14及びグランド線16a、16bに垂直なストリップライン(Strip Lines)30をダミーグランドとして用いている。この構成により、グランド線と同電位のダミーグランドを信号線に近づけて伝送線路のキャパシタンスを増加させることができる。また、この構成では、ストリップラインが信号線と直交することで電流が流れないため、グランド線16a、16bと信号線14とから構成される伝送線路のインダクタンス(Inductance)Lを減少させることがない。したがって、伝送線路中の波長を短くし、小型化することが可能となる。
日本国特開2007−306290号公報
しかしながら、上述の従来の伝送線路の構成では、ダミーグランドとして用いているストリップライン幅とストリップライン間隔が1:1の割合で配置されているので、伝送線路の特性インピーダンスが低くなる。上述の伝送線路の構成を、例えば、MMIC(Micro wave Monolithic Integrated Circuit)の入出力ポートに用いられるような、50Ωインピーダンスが必要な箇所に適用すると、損失が非常に大きくなるという課題がある。
本発明の目的は、伝送線路において、波長短縮を図ると同時に、小型でありながら低損失なスローウェーブ伝送線路(Slow Wave Transmission Line)を提供することである。
本発明のスローウェーブ伝送線路は、第1のインピーダンス線路と、前記第1のインピーダンス線路の線路長よりも長い線路長を有する第2のインピーダンス線路を含み、前記第1のインピーダンス線路のインピーダンスよりも高いインピーダンスを有する前記第2のインピーダンス線路とを繰り返し配置することで形成される信号線と、グランド線と、前記グランド線に接続し、前記信号線と交差するストリップラインと、を有する。
上記構成によれば、伝送線路を低損失かつ小型化することができ、半導体集積回路を安価でかつ性能を上げることができる。
また、上記スローウェーブ伝送線路において、前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、かつ、前記第1のインピーダンス線路は、前記複数の導電層のうち、最上位導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、前記最上位導電層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、前記最上位導電層の一つ下の導電層に形成された、前記ストリップラインを形成するエアブリッジと、前記グランドと前記エアブリッジとを接続するビアと、を有する。
上記構成によれば、CMOSプロセス等の半導体プロセスで製造される半導体基板上に製造される伝送線路のインピーダンスを低インピーダンス化することができ、スローウェーブ伝送線路の波長短縮効果を増大させ、伝送線路を小型化することができる。
また、上記スローウェーブ伝送線路において、前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、かつ、前記第1のインピーダンス線路は、前記複数の導電層のうち、最上位導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、前記最上位導電層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、前記複数の導電層のうち、少なくとも一つの導電層で形成され、前記信号線路の一部を形成する補助信号線路であって、前記信号線路の下部に形成される前記補助信号線路と、前記補助信号線路を形成する導電層の一つ下の導電層に形成され、前記ストリップラインを形成するエアブリッジと、前記グランドと前記エアブリッジとを接続するビアと、前記信号線路と前記補助信号線路とを接続する短絡ビアと、を有する。
上記構成によれば、CMOSプロセス等の半導体プロセスで製造される半導体基板上に製造される伝送線路のインピーダンスを、さらに低インピーダンス化させることができ、スローウェーブ伝送線路の波長短縮効果をさらに増大させ、伝送線路をさらに小型化することができる。
また、上記スローウェーブ伝送線路において、前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、かつ、前記第2のインピーダンス線路は、前記複数の導電層のうち、最上位導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、最下位メタル層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、を有する。
上記構成によれば、CMOSプロセス等の半導体プロセスで製造される半導体基板上に製造される伝送線路のインピーダンスを、高インピーダンス化させることができ、スローウェーブ伝送線路の波長短縮効果を増大させ、伝送線路を小型化することができる。
また、上記スローウェーブ伝送線路において、前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、かつ、前記第2のインピーダンス線路は、前記複数の導電層のうち、最上位導電層より下層の導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、前記複数の導電層のうち、最下位導電層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、を有する。
上記構成によれば、CMOSプロセス等の半導体プロセスで製造される半導体基板上に製造される伝送線路のインピーダンスを、さらに高インピーダンス化させることができ、スローウェーブ伝送線路の波長短縮効果をさらに増大させ、伝送線路をさらに小型化することができる。
上記スローウェーブ伝送路は、前記第1のインピーダンス線路を形成する信号線路内にスリットを設けた構成を有する。
上記構成によれば、低インピーダンス線路(第1のインピーダンス線路)の線路幅をCMOSプロセスルールに縛られることなく設定できるため、低インピーダンス線路のインピーダンス値の自由度が増え、スローウェーブ伝送線路としての更なる小型化が可能となる。
上記スローウェーブ伝送線路では、前記スローウェーブ伝送線路を分岐又は合成する2分岐回路において、前記スローウェーブ伝送線路と当該2分岐回路のインピーダンスを合わせるように調整する機能を有するインピーダンス調整素子を設ける。
上記構成によれば、分岐部でのインピーダンスずれによる損失を抑えることができ、スローウェーブ伝送線路を用いた小型・低損失な回路を構成することができる。
上記スローウェーブ伝送線路では、前記スローウェーブ伝送線路を折り曲げた構成において、折り曲げ部の内側と外側の位相回転量を調整できる位相調整素子を付加する。
上記構成によれば、折り曲げ部における内側と外側の位相回転量を調整することができるため、低損失にスローウェーブ伝送線路を折り曲げることができる。
また、スローウェーブ伝送線路を用いて半導体集積回路を製造すれば、半導体集積回路を小型、安価に生産することが可能となる。
本発明のスローウェーブ伝送線路によれば、第1のインピーダンス線路と、第1のインピーダンス線路のインピーダンスよりも高いインピーダンスである第2のインピーダンス線路とを、交互に配置することで波長短縮効果を有するスローウェーブ伝送線路構成とすることができ、さらに第2のインピーダンス線路と第1のインピーダンス線路の線路長の比を調整することで、トータルのインピーダンスをほぼ50Ωにして低損失化することができるため、小型でありながら低損失な伝送線路を形成することができる。
本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路の概略構成を示す(a)斜視図、及び(b)上面図 本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路の原理を示す概念図 本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路の特性の一例を示す図 本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路の特性の一例を示す図 本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路を形成する低インピーダンス線路構造の断面図(a)及び高インピーダンス線路構造の断面図(b)であり、(a)は図1(b)のVa−Va線に沿った断面図であり、(b)は図1(b)のVb−Vb線に沿った断面図 本発明の実施の形態2に係るスローウェーブ伝送線路を形成する低インピーダンス線路構造の断面図(a)及び高インピーダンス線路構造の断面図(b) 本発明の実施の形態3に係るスローウェーブ伝送線路を形成する低インピーダンス線路構造の断面図(a)及び高インピーダンス線路構造の断面図(b) 従来の伝送線路の概略構成図 実施の形態4に係るスローウェーブ伝送線路を上面から見た概略構造図 実施の形態5に係るスローウェーブ伝送線路を上面から見た概略構造図 90度ベンド構造を適用した実施の形態5に係るスローウェーブ伝送線路 図10において、実施の形態5に係るスローウェーブ伝送線路の信号線路103aをT分岐状に接続した図 実施の形態6に係るスローウェーブ伝送線路を上面から見た概略構造図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施の形態では、複数の導電層、絶縁層、半導体層等の堆積し、エッチングを所望のパターンで行うCMOSプロセスを想定しているが、本発明はこれに限るものでなく、種々の半導体プロセスにも適用可能である。
また、本発明の実施の形態においては、伝送線路(Transmission Line)をコプレナ線路(Coplanar Line)として説明し、その構成としては、少なくとも複数の導電層、絶縁層で構成される。なお、導電層としては、メタル層以外にも、ポリシリコンあるいは種々の導電膜も適用可能である。また、メタル層の材質も、アルミニウムあるいは銅などの種々の金属を用いることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路100の概略構造図である。図1(a)は斜視図であり、図1(b)は上面図である。
図1(b)に示すように、スローウェーブ伝送線路100は、低インピーダンス線路102(本発明でいう、第1のインピーダンス線路)と、低インピーダンス線路102に接続される高インピーダンス線路103(本発明でいう、第2のインピーダンス線路)で構成されている。
図1(a)に示すように、低インピーダンス線路102は、信号線路102a、グランド102b、エアブリッジ102cで構成されている。エアブリッジ102cは、低インピーダンス線路102の下部に位置する。また、高インピーダンス線路103は、信号線路103a、グランド103bで構成されている。ビア102dは、低インピーダンス線路102のグランド102bとエアブリッジ102cとを接続する。
低インピーダンス線路102において、信号線路102aとグランド102bは、コプレナ線路を形成する。エアブリッジ102cは、後述するように、コプレナ線路の両側のグランド102bを同電位に揃えるために用いられるが、特許文献1、図8で説明でしたダミーグランドを構成するストリップラインとしての役割も果たす。
すなわち、このような構成によって、グランド102bと同電位の、エアブリッジ102cを構成するストリップラインを信号線路102aに近づけることができ、伝送線路のキャパシタンスを増加することができる。また、エアブリッジ102cのストリップラインは信号線路102aと直交しているので電流は流れず、信号線路102aとグランド102bとから構成されるインダクタンスを減少させることがない。
高インピーダンス線路103において、後述するように、信号線路103aとグランド103bは、エアブリッジ102cを経て、垂直方向に離れた状態で配置されている。このような構成により、所定のインピーダンスが確保される。
図1に示す本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路100の動作を、以下に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路100の概念図である。図2に示すように、本発明の実施の形態1に係るスローウェーブ伝送線路100の信号線路は、低インピーダンス線路102の信号線路102aと、低インピーダンス線路102の信号線路102aに接続される高インピーダンス線路103の信号線路103aとを、交互に繰り返し配置する。
ここで、低インピーダンス線路102の信号線路102a (線路長 L2)と高インピーダンス線路103の信号線路103a(線路長 L1)との繰り返し構造の1周期長をL(=L1+L2)とすると、低インピーダンス線路102の線路長L2より、高インピーダンス線路103の線路長L1の方が長くなるように設定する。以下、このように線路長を設定する理由を、低インピーダンス線路の線路長L2と高インピーダンス線路の線路長L1とを、1:1の割合で繰り返す構成で、信号線路を形成した場合と比較しながら説明する。
一般に、CMOSプロセスを用いて伝送線路を形成するときは、表皮効果あるいは導体損を考慮して、メタルの厚さが最も厚い最上位層を用いて伝送線路を形成する。
最上位層のメタルを用いて伝送線路を形成する場合、例えば信号線路幅を広くし、または、信号線路に対してグランドの距離を近づけることで、10Ω程度の低インピーダンス線路を実現することができる。一方、高インピーダンス線路は、低インピーダンス線路に比べて、信号線路幅を狭くする必要がある。しかし、信号線路幅を小さくする際には、信号線路形成プロセスの制約等が存在し、信号線路幅の極小化には限界があるため、実際には、90Ω程度の高インピーダンス線路しか実現困難である。
そして、図2のように、低インピーダンス線路(インピーダンス Zl、線路長 L2)と高インピーダンス線路 (インピーダンスZh、線路長 L1)を、線路長L2と線路長L1との比を1:1の割合で、信号線路の繰り返し構造を形成する。一般的な例のように、高インピーダンス線路のインピーダンスZhが90Ω、低インピーダンス線路のインピーダンスZlが10Ωの場合、信号線路全体でのインピーダンスは、√(Zl×Zh)=30Ω程度となり、50Ω線路としては使用困難である。このように、従来の方法では、信号線路の高インピーダンス化には、一定の限界があった。
しかしながら、本実施の形態1によれば、低インピーダンス線路102の線路長L2と高インピーダンス線路103の線路長L1との比を変化させることで、信号線路全体(上記信号線路の繰り返し構造の1周期分)のインピーダンスを調整することができる。
例えば、上述の場合と同じように、高インピーダンス線路103のインピーダンスZhが90Ω、低インピーダンス線路102のインピーダンスZlが10Ωの場合であっても、高インピーダンス線路103の線路長L1を、低インピーダンス線路102の線路長L2より、長く設定することにより、信号線路全体のインピーダンスを50Ωに近づけることができ、50Ω線路として使用することが可能となる(図2参照)。
図3に、高インピーダンス線路の信号線路の線路長L1と低インピーダンス線路の信号線路の線路長L2との比に対する、信号線路の損失(縦軸左)及び信号線路全体(上記信号線路の繰り返し構造の1周期分)のインピーダンス(縦軸右)を、シミュレーションした結果を示す。ここでは、高インピーダンス線路の信号線路の線路長L1と低インピーダンス線路の信号線路の線路長L2との比を、「Duty cycle=L1/(L1+L2)」(横軸)とし、信号線路の損失は、1波長当たりに換算する。
図3に示す実線Aは、本実施の形態1のDuty cycleに対する信号線線路の損失を示しており、実線Bは、本実施の形態1のDuty cycleに対する信号線路全体のインピーダンスを示す。また、図3に示す実線Cは、通常の50Ω線路のDuty cycleに対する信号線路の損失を示しており、その損失は2.1dB/λで一定である。
図3の実線B及び実線Cより、Duty cycleを0.8程度とすると、伝送線路全体のインピーダンスをほぼ50Ωにでき、かつ、線路損失もほぼ2.1dB/λと、通常の50Ω線路の場合と同程度に損失を抑えることができることがわかる。したがって、Duty cycleを適切に設定すれば、線路損失を、通常の50Ω線路とほぼ同程度に抑えることができる。
また、図4に、高インピーダンス線路の信号線路の線路長L1と低インピーダンス線路の信号線路の線路長L2との比に対する波長短縮効果(縦軸)を、シミュレーションした結果を示す。
図3と同様に、図4では、高インピーダンス線路の信号線路の線路長L1と低インピーダンス線路の信号線路の線路長L2との比を、「Duty cycle=L1/(L1+L2)」(横軸)とする。また、図4の波長短縮率(縦軸)は、通常の50Ω線路の波長λ0と比較したときの波長短縮率(λ/λ0)を示す。図4に示すように、Duty cycleを0.8に設定した場合、波長短縮効果を0.68程度にできる。
図3及び図4に示すシミュレーションの結果に基づき、本実施の形態1では、信号線路全体の線路インピーダンスが、ほぼ50Ωとなるように、Duty cycleを設定する。これにより、通常の50Ω線路のDuty cycleに対する損失とほぼ同じ損失でありながら、波長を約32%短縮できることがわかる。したがって、本実施の形態1では、小型でありながら低損失な50Ω伝送線路を達成することができる。
次に、実施の形態1において、CMOSプロセスにおける低インピーダンス線路2と高インピーダンス線路3の構成例について、図5を参照しながら説明する。
図5(a)に、実施の形態1における低インピーダンス線路2の断面図、図5(b)に実施の形態1における高インピーダンス線路3の断面図をそれぞれ示す。
図5に示すように、低インピーダンス線路102の信号線路102a、及びグランド102bは、それぞれCMOSプロセスの最上位層(Mn層)のメタルを使用して形成する。さらに、エアブリッジ102cは、信号線路102aと垂直となるよう、最下層(M1層)から最上位層より1層低いMn−1層までを使用して形成する。そして、グランド102bとエアブリッジ102cを、ビア102dを用いて接続する。
通常、エアブリッジ102cは、コプレナ線路(Coplanar Line)の両側のグランド102bを同電位に揃えるために用いられる。また、エアブリッジ102cは、信号線路102aへの影響を最小限とするために、最下位層(図5(a)ではM1)に配置されるのが一般的である。しかしながら、本実施の形態1では、エアブリッジ102cをM1層からMn−1層を用いて形成して、エアブリッジ102cと信号線路間の容量を大きくしている。結果として低インピーダンス線路102を構成することが可能となる。
また、信号線路102aとグランド102bの間隔G2は、例えばCMOSプロセスで規定される最小ギャップまで狭めることでより低インピーダンス化することができる。
一方、高インピーダンス線路103では、信号線路103aをMn層に配置し、グランド103bはM1層に配置する。このとき、信号線路103aの幅W1は、CMOSプロセスで規定される最小線路幅まで狭くし、さらに信号線路103aとグランド103bの間隔G1は可能な限り広くすることで高インピーダンス化することができる。
ここで、通常、コプレナ線路のグランド103bには電流が生じる。そのため、線路の低損失化のためには、コプレナ線路のグランド103bは、信号線路103aと同じMn層に配置するのが一般的である。しかしながら、波長短縮効果をより高めるためには、高インピーダンス線路103のインピーダンスを可能な限り高くすることが有効となる。
本実施の形態1の構成においては、波長短縮効果をより高めるために、コプレナ線路のグランド103bをM1層に配置することで信号線路103aとの距離を大きくした構成としているが、図3の特性結果により、損失においても通常の50Ω線路とほぼ同等の損失が得られていることから、コプレナ線路のグランド103bをM1層に配置しても損失の劣化は見られていない。
これは、高インピーダンス線路103において、グランド103bがほぼ寄与しておらず、信号線路103aのみによるインダクタとして動作しているためである。そのため、グランド103bは高インピーダンス線路103の構成要素としては不要となるが、高インピーダンス線路103の前後の低インピーダンス線路102の各グランド102bを接続するためには必要となる。
次に、低インピーダンス線路102及び高インピーダンス線路103の寸法について説明する。
CMOSプロセスにはメタルデンシティルールと呼ばれる規則があり、CMOSチップ上において各層のメタルの占める割合を規定する規則である。このルールは、半導体チップにおけるメタルの偏った配置を禁じるルールである。具体的には、このルールは、チップ内において決められた値(ミニマムデンシティ)より低いメタル密度を禁止する。同様に、マキシマムデンシティも定めている。そして、メタル密度は、このマキシマムデンシティを超えて配置されることも禁じられている。
例えば、Aミクロン四方においてメタルの占める面積をB%以上C%以下のように規定している。そこで、メタルの面積が足りない場合は、ダミーメタルを配置することによってルールを満足させなければならない。しかしながら、一般的にダミーメタルは伝送線路の特性を劣化させるため、ダミーメタルのない伝送線路が望ましい。
ここで、低インピーダンス線路102のエアブリッジ102cの長さがL2、幅がW2であるとすると、各層におけるエアブリッジ102cの面積はそれぞれ(L2×W2)となる。低インピーダンス線路102の前後には高インピーダンス線路103が配置されており、高インピーダンス線路103の下部にはエアブリッジは存在しない。
よって、本実施の形態1において、スローウェーブ伝送線路100の繰り返し構造の1周期分では、長さL,幅Wの中に、メタル面積が(L2×W)存在することとなる。そのため、低インピーダンス線路102の下部に配置されたエアブリッジ102cの面積(L2×W)がデンシティルールを満足していれば、ダミーメタルを配置する必要がなく、伝送線路の特性を劣化させることがない。すなわち、Aミクロン四方において、次の(式1)を満たすように低インピーダンス線路102及び高インピーダンス線路103の線路長を設定すれば良い。
Figure 0005393675
本実施の形態1によれば、CMOSプロセスで作成される半導体基板上に、低インピーダンス線路102と高インピーダンス線路103とを繰り返し配置したスローウェーブ伝送線路100の構成において、高インピーダンス線路103の線路長L1を低インピーダンス線路102の線路長L2よりも長くし、トータルのインピーダンスをほぼ50Ωとする。これにより、低損失かつ波長短縮効果を有するスローウェーブ伝送線路を実現できる。
さらに、低インピーダンス線路102の構成として信号線路102aとグランド102bを最上位層で形成すると共に、信号線路102aを構成する層の、より下の複数の層を用いてエアブリッジ102cを形成し、高インピーダンス線路103の構成として信号線路103aを最上位層で形成すると共にグランド103bを最下層で形成する。これにより、CMOSプロセスで作成される半導体基板上で、低インピーダンス線路102と高インピーダンス線路103とを構成することが可能となる。
さらに、低インピーダンス線路102の線路長L2と高インピーダンス線路103の線路長L1との比を、CMOSプロセスのデンシティルールを満足するように、上述の(式1)に基づき設定する。これにより、ダミーメタルを配置する必要が無くなり、伝送特性を劣化させずにスローウェーブ伝送線路100を構成することが可能となる。
さらに、本実施の形態1で示したスローウェーブ伝送線路を有する半導体集積回路を構成する。これにより、整合回路などを集中定数化が困難なミリ波帯等における、パッシブ回路の小型化を図ることができ、結果として半導体集積回路を小型化することが可能となる。
なお、本実施の形態1では、エアブリッジ102cをM1層からMn−1層まで配置する構成としたが、エアブリッジ102cをMk層(K≧2)からMn−1層までに配置する構成としても良い。但し、高インピーダンス線路103のグランド103bはMk層に配置する必要がある。高インピーダンス線路103のグランド103bが、各低インピーダンス線路102のグランド102bを接続する役割を持っているためである。
(実施の形態2)
図6は、本願発明の実施の形態2に係るスローウェーブ伝送線路200の構造を示す図であり、図6(a)は低インピーダンス線路の断面図、図6(b)は高インピーダンス線路の断面図をそれぞれ示す。図6において、実施の形態1と同じ構成を有する部分については、その説明を省略する。
図6において、補助信号線路204は、低インピーダンス線路202(本発明でいう、第1のインピーダンス線路)の信号線路202aの下部に配置されている。短絡ビア205は、低インピーダンス線路202の信号線路202aと補助信号線路204とを接続する。高インピーダンス線路(本発明でいう、第2のインピーダンス線路)については、実施の形態1と同様の構成であり、その説明を省略する。
以上のような構成において、その動作を説明する。低インピーダンス線路202の信号線路202a下部に補助信号線路204を形成し、信号線路202aと補助信号線路204を短絡ビア205で接続する場合に、補助信号線路204をM2層からMn−1層まで配置する。これにより、M2層からMn層までを信号線路として使用することになる。このとき、エアブリッジ202cはM1層に存在するため、エアブリッジ202cと信号線路間の容量値は、M2層に配置された補助信号線路204とエアブリッジ202c間の容量値で決まることとなる。なお、グランド202bは、エアブリッジ202cが信号線路202aに対して垂直となるように、Mn−1層からM2層のメタル層及びビア202dを介してエアブリッジ202cと接続される。
通常、CMOSプロセスにおいて、トップメタルはメタル厚が厚い分、Mn層とMn−1層の間隔も大きくなっているが、各層のメタル間隔は最下層に近いほど小さくなるので、信号線路が最下層に近いほど、エアブリッジとの間の容量値を大きく取ることができる。
ここで、本実施の形態2では、上述のように、最下層に近いM2層まで補助信号線路204を配置しているので、エアブリッジ202cと信号線路間の容量値を、本実施の形態1よりも大きくすることができ、その結果、本実施の形態1よりもより低インピーダンス化が可能となる。
以上のように、本実施の形態2では、本実施の形態1と同様、信号線路全体の線路インピーダンスがほぼ50Ωとなるように、Duty cycleを設定すると、通常の50Ω線路のDuty cycleに対する損失とほぼ同じ損失でありながら、波長短縮効果を得ることができる。さらに、本実施の形態2によれば、補助信号線路204を低インピーダンス線路202の信号線路202a下部に配置し、信号線路202aと補助信号線路204を短絡ビアで接続する構成とすることで、スローウェーブ伝送線路200を構成する低インピーダンス線路202を低インピーダンス化することができ、図4に示す通常の50Ω線路の波長λ0と比較した場合の実施の形態1の波長短縮効果よりも、大きな波長短縮効果を得ることができる。
また、本実施の形態2では、本実施の形態1と同様に、CMOSプロセスのデンシティルールを満足するように、具体的には、上述の(数式1)に基づき低インピーダンス線路202の線路長L2と高インピーダンス線路203の線路長L1の比を設定する。これにより、ダミーメタルを配置する必要が無くなり、伝送特性を劣化させずにスローウェーブ伝送線路200を構成することが可能となる。
さらに、本実施の形態2で示したスローウェーブ伝送線路を有する半導体集積回路を構成する。これにより、整合回路などを集中定数化が困難なミリ波帯等における、パッシブ回路の小型化を図ることができ、結果として半導体集積回路を小型化することが可能となる。
なお、本実施の形態2においては、補助信号線路204をM2層からMn−1層まで配置する構成について言及したが、これに限らず、例えばMm層からMn−1層(Mは2以上)を用いて構成されておれば良く、それに伴ってエアブリッジ202cをM1層からMm−1層を用いて形成するような構成としても良い。
また、本実施の形態2においては、補助信号線路204と信号線路202aを短絡ビアで接続する構成について説明したが、短絡ビアを用いず、各層の補助信号線路204が信号線路202aと接続しない構成としても、各層の補助信号線路間の容量がつくため、波長短縮効果を見込むことは可能である。
(実施の形態3)
図7は実施の形態3に係るスローウェーブ伝送線路300の構造を示す図であり、図7(a)は低インピーダンス線路の断面図、図7(b)は高インピーダンス線路の断面図をそれぞれ示す。図7において、実施の形態2と同じ構成を有する部分については説明を省略する。
図7において、低インピーダンス線路302(本発明でいう、第1のインピーダンス線路)は、Mn層に形成された信号線路302aと、Mn層に形成されたグランド302b、及びM1層に形成されたエアブリッジ302cで構成される。グランド302bとエアブリッジ302cは、Mn−1層からM2層のメタル層及びビア302dを介して接続される。なお、グランド302bは、エアブリッジ302cが信号線路302aに対して垂直となるように、Mn−1層からM2層のメタル層及びビア302dを介してエアブリッジ302cと接続される。また、高インピーダンス線路303(本発明でいう、第2のインピーダンス線路)は、Mn−1層に形成された信号線路306及びM1層に形成されたグランド303bで構成されている。
以上のような構成で、その動作を説明する。通常、CMOSプロセスにおいては下位層の方が線路幅を狭くすることができる。そのため高インピーダンス線路303の信号線路306を、下位層のMn−1層に配置して、線路幅W1をより細くすると、信号線路の高インピーダンス化が可能である。このとき、低インピーダンス線路302は、信号線路302aと補助信号線路304とを、短絡ビア305を用いて、接続した構成としておく必要がある。
以上のように、本実施の形態3では、本実施の形態1と同様、信号線路全体の線路インピーダンスが、ほぼ50Ωとなるように、Duty cycleを設定する。これにより、通常の50Ω線路のDuty cycleに対する損失とほぼ同じ損失でありながら、波長短縮効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態3によれば、高インピーダンス線路303の信号線路306は、Mn−1層を用いて形成する。これにより、高インピーダンス線路303のインピーダンスをより高くすることができ、図4に示す通常の50Ω線路の波長λ0と比較した場合の実施の形態1の波長短縮効果よりも大きな波長短縮効果を得ることできる。
また、本実施の形態3では、本実施の形態1と同様に、CMOSプロセスのデンシティルールを満足するように、具体的には、上述の(数式1)に基づき、低インピーダンス線路302の線路長L2と高インピーダンス線路303の線路長L1の比を設定する。これにより、ダミーメタルを配置する必要が無くなり、伝送特性を劣化させずにスローウェーブ伝送線路300を構成することが可能となる。
さらに、本実施の形態3で示したスローウェーブ伝送線路を有する半導体集積回路を構成する。これにより、整合回路などを集中定数化が困難なミリ波帯等における、パッシブ回路の小型化を図ることができ、結果として半導体集積回路を小型化することが可能となる。
なお、本実施の形態3においては、Mn−1層に信号線路306を配置する構成について言及したが、これに限らず、M1層からMn−1層のどの層を用いても良い。
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4に係るスローウェーブ伝送線路400を上面から見た概略構造図である。図9において、402eは信号線路102a内に設けたスリットであり、Mn層に構成されている。その他の構成については実施の形態1と同じ構成であるため説明を省略する。
以上のような構成で、以下その動作を説明する。一般に、低インピーダンス線路102のインピーダンスを低くするためには信号線路102aの幅を広げることで対応できるが、CMOSではプロセスルールにより一定以上の幅の線路を作成することが困難である。そのため、低インピーダンス線路102のインピーダンス下限はCMOSのプロセスによって決定されてしまう。
しかしながら、図9に示すように、低インピーダンス線路102を構成する信号線路102aの内部にスリット402eを設けることによって低インピーダンス線路102の信号線路102aの幅がCMOSのプロセスルールに縛られることなく、自在に設計することが可能となる。なお、スリット402eは信号線路102aに対して縦・横方向共に中心に配置することで信号線路102aの端を流れる電流にもほとんど影響を及ぼすことないため、低損失な線路を実現できる。
以上のように、本実施の形態によれば、低インピーダンス線路102の信号線路102a内にスリット402eを設ける構成とすることで、低インピーダンス線路102のインピーダンスをCMOSプロセスに縛られることなく自由に選択することができ、結果として波長短縮効果を寄り大きくすることが可能となる。
なお、本実施の形態においては、Mn層における信号線路102a内にスリット402eを設ける構成について説明したが、実施の形態2に示すような補助信号線路204についても同様の構成が取れることは言うまでもない。
(実施の形態5)
図10は実施の形態5に係るスローウェーブ伝送線路500を上面から見た概略構造図である。図10において、507は伝送線路を分配する2分岐回路である。その他の構成は実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
以上のような構成で、以下その動作を説明する。通常、伝送線路を用いた整合回路を形成する場合、T分岐などを用いた分岐回路が必要となるが、伝送線路にスローウェーブ伝送線路500を用いる場合、単純な分岐回路の構成を取ることが難しい。そのため、図10に示すように2分岐回路507を用いることで3方向のスローウェーブ伝送線路500を無理なく接続することができる。
ここで、本実施の形態のスローウェーブ伝送線路500の特性インピーダンスは低インピーダンス線路102のインピーダンスと高インピーダンス線路103のインピーダンスで決定され、例えば、スローウェーブ伝送線路100としてのインピーダンスがZ0である場合、2分岐回路507のそれぞれのポートのインピーダンスもZ0となるように設計することでインピーダンスの不連続をなくすことができ、低損失な分岐回路を構成することができる。なお、2分岐回路507内においてグランドが不連続となる箇所にエアブリッジ508を追加することによって両サイドのグランド電位を合わせることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、スローウェーブ伝送線路500を用いて分配回路を構成する際に、スローウェーブ伝送線路500のインピーダンスZ0と同じポートインピーダンスを持つ2分岐回路507を用いることによって、低損失に分配回路を構成することができ、小型・低損失な半導体集積回路を構成することが可能となる。
なお、本実施の形態では、2分岐回路の場合について説明したが、2分岐回路以外にも例えば、図11に示すような90度ベンド構造にも適用可能である。
また、図12に示すように、各スローウェーブ伝送線路500の信号線路103aをT分岐状に接続させ、そのときのインピーダンスを調整できるようにインピーダンス調整素子509を付加する形としても良い。このとき、インピーダンス調整素子509としては、各スローウェーブ伝送線路500に対して、それぞれ左右対称となるように配置することが望ましい。
(実施の形態6)
図13は実施の形態6に係るスローウェーブ伝送線路600を上面から見た概略構造図である。図13において、610はベンド部における内側と外側の位相差を調整するための位相調整素子である。
以上のような構成で、以下その動作を説明する。CMOS上で回路面積を小さくするために、伝送線路を折り曲げることが一般的に行われるが、線路を折り曲げる際には、折り曲げ部の内側と外側で電気長が異なるため、両側の位相の回転量が異なり、結果として左右のバランスが崩れて損失が大きくなる。
そこで、図13に示すように、折り曲げ部における外側に位相調整素子610を付加することで、折り曲げ部の外側の位相回転量を調整し、折り曲げ部の内側の位相回転量と合わせるようにすることで、折り曲げ部の影響を小さくすることが可能となる。ここで、位相調整素子610は、Mn層とMn−1層で構成されており、信号線路103aまでの距離を変えることによって、折り曲げ部の外側の位相回転量を調整している。
以上のように、本実施の形態によれば、スローウェーブ伝送線路600を用いて線路を折り曲げる際に、折り曲げ部の外側に位相調整素子610を付加することによって、低損失に線路を折り曲げることができ、小型・低損失な半導体集積回路を構成することが可能となる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2008年7月15日出願の日本特許出願(特願2008−183708)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明に係るスローウェーブ伝送線路は、波長短縮効果を有しながら低損失な伝送線路を実現できるという有利な効果を奏し、ミリ波帯のような高周波帯におけるCMOSプロセス等を用いた半導体集積回路における伝送線路として有用である。
100、200、300 スローウェーブ伝送線路
102 低インピーダンス線路
102a、202a、302a 信号線路
306 信号線路
102b、202b グランド
103b、203b、303b グランド
102c、202c、302c エアブリッジ
102d、202d、302d ビア
103 高インピーダンス線路
103a、203a 信号線路
104、204、304 補助信号線路
205、305 短絡ビア

Claims (9)

  1. 第1のインピーダンス線路と、前記第1のインピーダンス線路の線路長よりも長い線路長を有する第2のインピーダンス線路を含み、前記第1のインピーダンス線路のインピーダンスよりも高いインピーダンスを有する前記第2のインピーダンス線路とを繰り返し配置することで形成される信号線と、
    グランド線と、
    前記グランド線に接続し、前記信号線と交差するストリップラインと、を有するスローウェーブ伝送線路。
  2. 前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、
    前記第1のインピーダンス線路は、
    前記複数の導電層のうち最上位導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、
    前記最上位導電層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、
    前記最上位導電層の一つ下の導電層に形成された、前記ストリップラインを形成するエアブリッジと、
    前記グランドと前記エアブリッジとを接続するビアと、を有する請求項1に記載のスローウェーブ伝送線路。
  3. 前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、
    前記第1のインピーダンス線路は、
    前記複数の導電層のうち最上位導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、
    前記最上位導電層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、
    前記複数の導電層のうち少なくとも一つの導電層で形成され、前記信号線路の一部を形成する補助信号線路であって、前記信号線路の下部に形成される前記補助信号線路と、
    前記補助信号線路を形成する導電層の一つ下の導電層に形成され、前記ストリップラインを形成するエアブリッジと、
    前記グランドと前記エアブリッジとを接続するビアと、
    前記信号線路と前記補助信号線路とを接続する短絡ビアと、を有する請求項1に記載のスローウェーブ伝送線路。
  4. 前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、
    前記第2のインピーダンス線路は、
    前記複数の導電層のうち最上位導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、
    最下位メタル層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、を有する請求項1から3のいずれか1項に記載のスローウェーブ伝送線路。
  5. 前記信号線、前記グランド線、及び前記ストリップラインは、半導体基板上に形成された複数の導電層及び絶縁層から構成され、
    前記第2のインピーダンス線路は、
    前記複数の導電層のうち最上位導電層より下層の導電層に形成され、前記信号線の一部を形成する信号線路と、
    前記複数の導電層のうち最下位導電層に形成され、前記グランド線の一部を形成するグランドと、を有する請求項1から3のいずれか1項に記載のスローウェーブ伝送線路。
  6. 前記第1のインピーダンス線路を形成する信号線路内にスリットを設けた構成を有する請求項1に記載のスローウェーブ伝送線路。
  7. 前記スローウェーブ伝送路を分岐又は合成する2分岐回路において、前記スローウェーブ伝送路と当該2分岐回路のインピーダンスを合わせるように調整する機能を有するインピーダンス調整素子を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスローウェーブ伝送線路。
  8. 前記スローウェーブ伝送線路を折り曲げた構成において、折り曲げ部の内側と外側の位相回転量を調整できる位相調整素子を付加したことを特徴とする請求項1に記載のスローウェーブ伝送線路。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のスローウェーブ伝送線路を用いることを特徴とする半導体集積回路。
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