JP5393332B2 - 等価容量型アクチュエータの駆動装置及び駆動方法 - Google Patents

等価容量型アクチュエータの駆動装置及び駆動方法 Download PDF

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本発明は、静電力を利用する静電アクチュエータや逆圧電効果を利用する圧電アクチュエータ等の駆動装置及び駆動方法に関し、特に、これらのアクチュエータの駆動制御を低コストで実現するものである。
静電アクチュエータは、従来から、静電力を利用して物体を浮上させる静電浮上装置や静電浮上搬送装置などに用いられている。これらの装置は、対象物を汚さずに非接触で保持・移送することができ、クリーンルームでのシリコンウエハやアルミディスクの保持・移送などに適している。また、静電アクチュエータは、構造が簡単で、小型化するほど重量当たりの出力向上が期待できるため、マイクロマシーン用アクチュエータとしての利用も注目されている。
また、圧電アクチュエータは、電界を加えると伸び縮みする圧電素子の性質を利用したアクチュエータであり、物体の精密位置決めなどに使用されている。圧電素子(電歪素子とも呼ばれる。)は、印加電圧に対して素早く応答し、高精度に変位する。圧電アクチュエータは、この圧電素子の高速応答、高精度変位及び高分解能の性質を利用して、半導体製造装置の微細位置制御や高速プリンタの駆動源等に使用されており、また、マイクロ・メカトロニクスのキーデバイスとしても注目されている。
静電アクチュエータや圧電アクチュエータは、電気回路的にキャパシタと等価なものとして扱うことができ、等価容量型アクチュエータと呼ばれている。
図8には、4個の電極対を備える静電アクチュエータで構成された静電浮上装置を示している。この装置は、絶縁基板から成る固定子810と、固定子810に形成された4対の電極対(電極811と812の対、電極813と814の対、電極815と816の対、電極817と818の対)と、静電力の作用で浮上する浮上体820と、浮上体820との距離(ギャップ)を検出する変位センサ830〜833と、制御電圧を発生する制御器840と、制御電圧を増幅して各電極対に与える高電圧アンプ(増幅器)870〜873とを備えている。
固定子810に向き合う浮上体820は、高電圧が印加された電極対811〜818により浮上力が与えられる。変位センサ830〜833は、浮上体820とのギャップを示す検出信号を制御器840に出力する。制御器840は、この検出信号と目標値とを比較して、浮上体820を安定浮上させるための制御電圧を作り出し、高電圧アンプ870〜873に出力する。高電圧アンプ870〜873で増幅された制御電圧は固定子810の電極対に印加され、浮上体820は安定浮上する。
また、本発明者は、先に、等価容量型アクチュエータを、高電圧増幅器を用いずに駆動する駆動装置を提案している(下記特許文献1)。
この駆動装置は、図9の等価回路に示すように、等価容量型アクチュエータ120に直列接続した可変キャパシタ130と、直列接続した等価容量型アクチュエータ120及び可変キャパシタ130の両端に一定の高電圧を印加する定電圧源110とを備えており、可変キャパシタ130の静電容量を変えることで、等価容量型アクチュエータ120への印加電圧を制御している。
この場合、定電圧源110の一定の高電圧をE、可変キャパシタ130の静電容量をCv、等価容量型アクチュエータ120の静電容量をCa、等価容量型アクチュエータ120の両端の電位差をVaとすると、Vaは、(数1)に示すように、
a={Cv/(Cv+Ca)}E (数1)
となる。そのため、可変キャパシタ130の静電容量Cvを変えることで、等価容量型アクチュエータ120の両端の電位差Vaを変えることができる。
図10は、この駆動装置を用いた静電浮上装置を示している。この装置は、固定子40に、4個の電極対(81aと81b、82aと82b、83aと83b及び84aと84b)と、浮上体820までの距離(ギャップ)を検出する変位センサ830〜833とを具備し、各電極対の一方の電極81a、82a、83a、84aと他方の電極81b、82b、83b、84bとの間に直列接続された可変キャパシタ212〜215及び定電圧源112を有し、さらに、等価容量型アクチュエータ10の状態量に応じて可変キャパシタ212〜215の静電容量を調整するコントローラ14を有している。
この装置では、変位センサ830〜833が、浮上体820とのギャップを示す検出信号をコントローラ14に出力する。コントローラ14は、この検出信号に基づき、可変キャパシタ212〜215に制御信号を出力し、可変キャパシタ212〜215は、その制御信号に応じて容量を変える。そのため、等価容量型アクチュエータ10の各電極対には、制御された電圧が印加される。
WO2006/082807 A1
しかし、従来の静電浮上装置では、一つの電極対の電圧を調整するために一つの電力増幅器、あるいは、一つの可変キャパシタが用いられているため、図8及び図10に示すように、4つの電極対を備える等価容量型アクチュエータでは、四つの電力増幅器や可変キャパシタが必要になる。
そのため、装置の大型化が避けられず、また、高コストになるという問題があった。
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、小型化及び低コスト化が可能な等価容量型アクチュエータの駆動装置及び駆動方法を提供することを目的としている。
本発明は、複数の電極対を有する等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、等価容量型アクチュエータの状態の変位を検出するセンサと、前記複数の電極対に電圧を供給する電圧供給装置と、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置から前記複数の電極対に供給される電圧を制御する制御回路と、を備え、前記電圧供給装置の台数が、単一または前記電極対の数より少ない数であり、前記電圧供給装置が、前記複数の電極対と直接、または抵抗を介して、電気接続していることを特徴とする。
この電圧供給装置は、電力増幅器または定電圧源とこれと直列に接続された可変キャパシタ(以下“可変キャパシタ+定電圧源”と略記する)から構成されている。
この装置では、電力増幅器や可変キャパシタの数を、1(または電極対の数より少ない数)とすることができるため、小型に構成でき、また、コストの低減が可能である。
また、等価容量型アクチュエータが、静電アクチュエータである場合、複数の電極対から静電力を受けて浮上する浮上対象物の相対変位を検出するセンサを設け、前記制御回路が、センサの検知情報に基づいて電圧供給装置を制御するように構成することができる。
また、本発明の等価容量型アクチュエータの駆動装置では、電極対kの電極面積をSk、電極対kと対向して浮上する浮上対象物の質量をmk、定常状態における電極対kの電極と前記浮上対象物との間隔をDkとするとき、
k/mkk 3
の値が各電極対で異なるように設定する。
こうすることで、可制御且つ可観測な制御系となる。
また、等価容量型アクチュエータが、圧電アクチュエータである場合、圧電体を挟む電極対の電極間の間隔を検出するセンサを設け、前記制御回路が、センサの検知情報に基づいて電圧供給装置を制御するように構成することができる。
また、本発明は、複数の電極対を有する等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記複数の電極対に電圧を供給する電圧供給装置の台数を、単一または前記電極対の数より少ない数に設定し、前記電圧供給装置を、前記複数の電極対と直接、または抵抗を介して、電気接続し、前記電圧供給装置から前記複数の電極対に供給される電圧を、等価容量型アクチュエータの状態の変位を検出するセンサの検知情報に基づいて制御回路で制御することを特徴とする。
また、本発明の等価容量型アクチュエータの駆動方法では、前記電圧供給装置として電力増幅器を用いる。
また、本発明の等価容量型アクチュエータの駆動方法では、前記電圧供給装置を可変キャパシタと定電圧源とで構成し、前記制御回路で前記可変キャパシタの容量を制御する。
この駆動方法では、電力増幅器や可変キャパシタの数を、1(または電極対の数より少ない数)とすることができるため、小型に構成でき、また、コストの低減が可能である。
また、本発明の等価容量型アクチュエータの駆動方法では、前記等価容量型アクチュエータとして静電アクチュエータを駆動する。
この場合、前記複数の電極対から静電力を受けて浮上する浮上対象物の相対変位を検出するセンサを設け、前記制御回路で、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置を制御する。
また、本発明の等価容量型アクチュエータの駆動方法では、前記等価容量型アクチュエータとして圧電アクチュエータを駆動する。
この場合、圧電体を挟む前記電極対の電極間の間隔を検出するセンサを設け、前記制御回路で、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置を制御する。
本発明の等価容量型アクチュエータの駆動装置及び駆動方法は、電力増幅器、あるいは可変キャパシタの数を減らすことで、小型化及び低コスト化が可能となる。
本発明の実施形態に係る静電浮上装置の構成を示す図 図1の装置の構成を模式化して示す図 図2の装置の制御機構を模式化して示す図 図1の装置において抵抗を介在させた場合の構成を模式化して示す図 単一の電極対における作用を説明する図 本発明の他の実施形態に係る静電浮上装置の構成を示す図 本発明の実施形態に係る圧電アクチュエータの構成を示す図 従来の静電浮上装置の構成を示す図 可変キャパシタを用いた等価容量型アクチュエータの駆動装置の回路図 従来の可変キャパシタを用いた静電浮上装置の構成を示す図
図1は、本発明の実施形態を示しており、本発明を適用した静電浮上装置を図示している。この装置を構成する静電アクチュエータ10は、固定子810に4個の電極対(電極811と812の対、電極813と814の対、電極815と816の対、電極817と818の対)と、浮上体820までの距離(ギャップ)を検出する変位センサ830〜833とを具備し、静電アクチュエータ10の駆動装置として、各電極対の一方の電極811、813、815、817に出力端子の片側が、各電極対の他方の電極812、814、816、818に出力端子の他方の側が接続された高電圧アンプ51と、変位センサ830〜833の検知情報に基づいて高電圧アンプ51を制御する制御回路52とを備えている。
この装置では、変位センサ830〜833が、浮上体820とのギャップを示す検出信号を制御回路52に出力し、制御回路52は、この検出信号に基づき、高電圧アンプ51の出力電圧を制御する制御信号を出力する。高電圧アンプ51は、その制御信号に従って増幅された電圧を静電アクチュエータ10の各電極対に供給する。
このように、1つの高電圧アンプ51しか持たない制御系であっても浮上体820を安定的に浮上させることが可能である。その点について以下に説明する。
まず、図5に示すように、電極対(電極61及び62)が1つの静電アクチュエータについて見ると、浮上体820に作用する静電アクチュエータの吸引力Fは、次式(数2)で表される。
F=(εS/8)(V/x)2 (数2)
ここで、
S:電極(61及び62)の面積
V:電極61と電極62との間の電位差
x:電極61、62と浮上体820との距離
ε:電極61、62と浮上体820との間の空間の誘電率
である。
また、静電アクチュエータの吸引力が質量mの浮上体820の重力に釣合っているときのFをF0、VをV0、xをDとすると、定常状態は次式(数3)により表される。
mg=F0=(εS/8)(V0/D)2 (数3)
この制御系の運動方程式は、次式(数4)で表される。
ここで、定常状態における距離Dからの変位をx、電位差V0からの変位をvで表すと、(数4)は、次式(数5)のように変形できる。
従って、この制御系の運動方程式は、次式(数6)のようになる。
ここで、制御系の状態ベクトルXを(数7)のように設定する。
また、制御系への入力uはvであるから、この系の状態方程式は、次式(数8)のように表される。
ここで、u=v、a21=εSV0 2/4mD3、b=εSV0/4mD2である。
また、この制御系では、浮上体820の変位を検出しているので、出力方程式は、次式(数9)(数10)で表される。
y(t)=Cx(t) (数9)
C=[1 0] (数10)
ところで、制御系の状態方程式が、
dx/dt=Ax(t)+Bu(t)
であり、出力方程式が、
y(t)=Cx(t)
であるとき、制御系が“可制御”(即ち、制御入力によって有限時間内にシステムの初期状態から、任意の最終状態に到達できる)であるか否かは、ベクトルxの次元をnとして、次式(数11)で表される可制御行列
c=[B|AB|A2B|・・・|An-1B] (数11)
の階数(rank Mc)を求めることにより判別可能であり、rank Mc=nであれば可制御であり、rank Mc<nであれば不可制御である。また、Mcが正方行列の場合は、その行列式(det)が非零かどうかで判定することができ、非零であれば可制御、零であれば不可制御となる。
また、制御系が“可観測”(即ち、出力を有限時間の間、観測することにより、時刻0におけるすべての状態を求めることができる)であるか否かは、次式(数12)で表される可観測行列
の階数(rank Mo)を求めることにより判別可能であり、rank Mo=nであれば可観測であり、rank Mo<nであれば不可観測である。また、Moが正方行列の場合は、その行列式が非零であれば可観測、零であれば不可観測となる。
状態方程式が(数8)で表される制御系の可制御行列MCの階数は、次式(数13)のように算出される。
従って、この制御系は可制御である。
また、出力方程式が(数9)及び(数10)で表される制御系の可観測行列MOの階数は、次式(数14)のように算出される。
従って、この制御系は、可制御、且つ、可観測である。
このように、可観測なシステムの状態は、オブザーバ(状態推定器)を用いて推定することができ、可制御なシステムは、状態フィードバックにより安定化することができる。
次に、1つの高電圧アンプ51を用いて複数の電極対に供給する電圧を増幅する制御系の可制御性及び可観測性について検証する。
図2は、この検証に用いる、電極63、64の第1の電極対と、電極65、66の第2の電極対とを備える静電アクチュエータを高電圧アンプ51で駆動する制御系を示している。
この制御系では、第1の電極対の電極63、64間の電位差V1と、第2の電極対の電極65、66間の電位差V2とが同じであり、次式(数15)の関係にある。
1=V2=Vs (数15)
また、質量m1の浮上体821に対向する第1の電極対の電極63、64面積をS1、質量m2の浮上体822に対向する第2の電極対の電極65、66面積をS2、定常状態における第1の電極対と浮上体821との距離をD1、第2の電極対と浮上体822との距離をD2とし、定常状態における距離D1からの変位をx1、距離D2からの変位をx2、Vsの定常状態における電位差V0からの変動分をvとすると、この制御系の運動方程式は、次式(数16)(数17)で表される。
また、この制御系の状態方程式は、状態ベクトルXを(数18)のように設定することで、次式(数19)により表される。なお、ここでは、第1の電極対の系に関する行列(X、x、A、B、C)を下付き文字1で表し、第2の電極対の系に関する行列を下付き文字2で表している。
ここで、a21、a43、b2、b4は、次式(数20)(数21)(数22)(数23)のとおりである。
また、この制御系の出力方程式のCは、次式(数24)で表される。
従って、この制御系の可観測行列Moは、次式(数25)となる。
従って、rank Mo=4(n)が成立し、この系は常に可観測である。
また、この制御系の可制御行列Mcは、次式(数26)となる。
従って、次式(数27)が成立する。
(数27)から、a21とa43とが等しくなければ、即ち、次式(数28)の関係を満たすならば、rank Mc=4(n)となる。
即ち、この制御系は、(数28)の条件を満たす場合に、可制御、且つ、可観測となることが分かる。
図3は、図2の場合の制御機構を模式的に示している。この機構では、浮上体821、822の位置変位を検出する変位センサ835、836を具備し、変位センサ835、836が、検出した浮上体821、822の位置変位を制御回路52に伝える。制御回路52は、この情報に基づいて高電圧アンプ51の出力電圧を制御する。
なお、ここでは、可制御性及び可観測性の証明を静電アクチュエータの電極対が2個の場合について示したが、この証明は、電極対が任意個の場合に容易に拡張可能であり、本発明は、電極対の数が2以上の任意の個数である静電アクチュエータを対象としている。
また、この“可制御、且つ、可観測”となるための条件は、高電圧アンプ51と各電極対との間に、抵抗値の異なる抵抗を介在させることで、変更可能である。
図4は、この制御系を示しており、第1の電極対の電極64と高電圧アンプ51との間に抵抗R1が接続され、第2の電極対の電極66と高電圧アンプ51との間に抵抗R2が接続されている。その他の構成は図2と変わりがない。
この制御系の高電圧アンプ51が供給する電圧の電位差をV、第1の電極対の電極63、64間の電位差をV1、第2の電極対の電極65、66間の電位差をV2とする。
第1の電極対の系に着目すると、この系の運動方程式は、次式(数29)で表される。
ここで、V01は、定常状態にある第1の電極対の電極間電位差V1を示し、v1は、電位差V01からの変位を示している。
また、電位差Vと電位差V1との間には、次式(数30)の関係がある。
ここで、C1は、第1の電極対の電極63、64で形成される静電容量である。
(数30)は、次式(数31)のように変形できる。
(数31)から次式(数32)が得られる。
(数32)は、次式(数33)のように変形できる。
ここで、C01は、定常状態における第1の電極対の電極63、64間の静電容量を示している。
(数29)及び(数33)から、状態ベクトルX1を(数34)のように設定して、第1の電極対に関する制御系の状態方程式を次式(数35)のように表すことができる。
ここで、a23、a33、b3は、次の値を有している。
第1の電極対及び第2の電極対を含む制御系の状態方程式は、次式(数39)のように表すことができる。
ここで、パラメータa及びbの上付き文字(1)は、第1の電極対に関係するパラメータであり、上付き文字(2)は、第2の電極対に関係するパラメータであることを示している。
また、この制御系の出力方程式のCは、次式(数40)で表される。
この制御系の可観測行列Moは、次式(数41)となる。
従って、(数42)の関係を満たすならばrank Mo=6(n)となる。
また、この制御系の可制御行列Mcは、次式(数43)となる。
(数43)から、次式(数44)の関係をすべて満たすならば、rank Mc=6(n)となる。
即ち、この制御系は、(数42)および(数44)の条件を満たす場合に、可制御、且つ、可観測となる。
なお、ここでは、可制御性及び可観測性の証明を静電アクチュエータの電極対が2個の場合について示したが、この証明は、電極対が任意個の場合にも容易に拡張可能である。
図6は、高電圧アンプを用いずに、一つの“可変キャパシタ+定電圧源”を用いて静電アクチュエータを駆動する駆動装置を示している。
この装置は、固定子40に4個の電極対(81aと81b、82aと82b、83aと83b及び84aと84b)を有する静電アクチュエータ10と、固定子40に固定された、浮上体820までの距離(ギャップ)を検出する変位センサ830〜833と、各電極対の一方の電極81b、82b、83b、84bに負極が電気接続する定電圧源53と、定電圧源53の正極と各電極対の他方の電極81a、82a、83a、84aとの間に介在する可変キャパシタ54と、変位センサ830〜833の検知情報に基づいて可変キャパシタ54の静電容量を調整するコントローラ55とを有している。定電圧源53は、一定の高電圧を出力する。
この制御系の可制御性及び可観測性は、高電圧アンプを備える制御系(図1)と同様であり、(数28)の条件を満たすことにより、可制御、且つ、可観測となる。また、図4のように、各電極対の電極81a、82a、83a、84aと可変キャパシタ54との間に異なる抵抗値の抵抗を接続して、可制御、且つ、可観測となるための条件を(数42)および(数44)のように変更することができる。
また、本発明は、複数の圧電アクチュエータを駆動する場合にも適用することが可能であり、図7に示すように、複数の圧電アクチュエータ91、92、93、93を一つの高電圧アンプ51や一つの“可変キャパシタ+定電圧源”を用いて安定的に駆動することができる。この場合、圧電体を挟む電極対(911と912、921と922、931と932、941と942)の電極間の間隔を検出するセンサ95、96、97、98を設け、制御回路52が、センサの検知情報に基づいて高電圧アンプ51や可変キャパシタを制御するように構成する。
なお、ここでは、高電圧アンプや可変キャパシタを一つだけ用いる場合について説明したが、それらの数は、電極対の数より少なければ、複数であっても良い。この場合でも、電極対の数と同数の高電圧アンプが用いられている従来の装置に比べて、小型化及び低コスト化を図ることができる。
本発明は、静電浮上装置や静電浮上搬送装置、マイクロマシーン用アクチュエータなどに使用されている静電アクチュエータや、半導体製造装置の微細位置制御や高速プリンタの駆動源等に使用されている圧電アクチュエータなどの小型化及び低コスト化を図るために広く利用することができる。
10 静電アクチュエータ
40 固定子
51 高電圧アンプ
52 制御回路
53 定電圧源
54 可変キャパシタ
55 コントローラ
63〜66 電極
81〜84 電極
91〜93 圧電アクチュエータ
95〜98 センサ
810 固定子
811〜818 電極
820 浮上体
821 浮上体
822 浮上体
830〜833 変位センサ
835 変位センサ
836 変位センサ
911、912、921、922、931、932、941、942 電極

Claims (15)

  1. 複数の電極対を有する等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、
    等価容量型アクチュエータの状態の変位を検出するセンサと、
    前記複数の電極対に電圧を供給する電圧供給装置と、
    前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置から前記複数の電極対に供給される電圧を制御する制御回路と、
    を備え、
    前記電圧供給装置の台数が、単一または前記電極対の数より少ない数であり、前記電圧供給装置が、前記複数の電極対と直接、または抵抗を介して、電気接続していることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  2. 請求項1に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記電圧供給装置が電力増幅器であることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  3. 請求項1に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記電圧供給装置が可変キャパシタと定電圧源とから成り、前記制御回路が、前記可変キャパシタの容量を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記等価容量型アクチュエータが静電アクチュエータであることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  5. 請求項4に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記複数の電極対から静電力を受けて浮上する浮上対象物の相対変位を検出するセンサを具備し、前記制御回路が、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  6. 請求項5に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、電極対kの電極面積をSk、電極対kと対向して浮上する浮上対象物の質量をmk、定常状態における電極対kの電極と前記浮上対象物との間隔をDkとするとき、
    Sk/mkDk3
    の値が各電極対で異なるように設定されていることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、前記等価容量型アクチュエータが圧電アクチュエータであることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  8. 請求項に記載の等価容量型アクチュエータの駆動装置であって、圧電体を挟む前記電極対の電極間の間隔を検出するセンサを具備し、前記制御回路が、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動装置。
  9. 複数の電極対を有する等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、
    前記複数の電極対に電圧を供給する電圧供給装置の台数を、単一または前記電極対の数より少ない数に設定し、
    前記電圧供給装置を、前記複数の電極対と直接、または抵抗を介して、電気接続し、
    前記電圧供給装置から前記複数の電極対に供給される電圧を、等価容量型アクチュエータの状態の変位を検出するセンサの検知情報に基づいて制御回路で制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
  10. 請求項に記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記電圧供給装置として電力増幅器を用いることを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
  11. 請求項に記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記電圧供給装置を可変キャパシタと定電圧源とで構成し、前記制御回路で前記可変キャパシタの容量を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
  12. 請求項から11のいずれかに記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記等価容量型アクチュエータとして静電アクチュエータを駆動することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
  13. 請求項12に記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記複数の電極対から静電力を受けて浮上する浮上対象物の相対変位を検出するセンサを設け、前記制御回路で、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
  14. 請求項から11のいずれかに記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、前記等価容量型アクチュエータとして圧電アクチュエータを駆動することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
  15. 請求項14に記載の等価容量型アクチュエータの駆動方法であって、圧電体を挟む前記電極対の電極間の間隔を検出するセンサを設け、前記制御回路で、前記センサの検知情報に基づいて前記電圧供給装置を制御することを特徴とする等価容量型アクチュエータの駆動方法。
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