JP4463496B2 - 静電保持装置及びそれを用いた静電ピンセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、静電気吸引力を用いて薄板などの保持対象物を非接触の状態で保持する静電保持装置及びそれを用いた静電ピンセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、対象物を保持する保持装置としては真空チャックが一般に用いられているが薄板を対象とする場合には真空チャックでは周辺が撓む欠点がある。これに対して,静電チャックなどの静電保持装置によれば,電極面全体の静電力により対象物を保持することができるので、薄板をハンドリング(保持)しても周辺が撓むことがない(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
このような静電保持装置として、例えば、図11及び図13に示すようなものが知られている。
【0004】
ここで、図11に示す接触型の静電保持装置1100においては、符号101は電極(静電電極)を取り付けるベース部材であり、電極要素103aと電極要素103bとからなる電極要素群(電極)103が絶縁材102に覆われてベース部材101に固定されている。
【0005】
これらの電極103は制御部1105に接続され、この制御部1105はスイッチSWに接続されている。この制御部は、スイッチSWのオン(on)、オフ(off)操作により、図12に示すように、オン時には一定の電圧(例えば、電極要素103aには+Vボルト、電極要素103bには−Vボルト)を出力し、オフ時には、これらの電圧は遮断される。これにより、スイッチSWがオン時に電極面103とハンドリング対象物104との間に静電気吸引力が誘起されてハンドリング対象物104が静電気吸引力で絶縁材102の保持面に吸引されて保持され、スイッチSWをオフ時には、これらの静電気吸引力は解消される。これにより、導体、半導体又は高抵抗体などのハンドリング対象物を静電気吸引力により吸引して、静電チャックとして機能される。
【0006】
また、図13に示す浮上型の静電保持装置1200では、電極面103は絶縁材102により包まれ、ベース板101に固定されている。電極面103と導体、半導体又は高抵抗体などのハンドリング対象物104間のギャップ(離間距離)を実時間でフィードバックするように変位センサ206が設けられている。
【0007】
変位センサ206は貫通穴207を通ってハンドリング対象物104と電極面間のギャップを測定し、コントローラ1205にフィードバックする。コントローラ1205は、測定されたギャップに基づいて印加電圧を制御し、ギャップを前もって指定した所定値に維持する。例えば、図14に示すように、ギャップがターゲットギャップより大きい場合(ギャップ>ターゲット)は、所定の直流電圧を印加して、静電気吸引力を誘起してハンドリング対象物を吸引してギャップを小さくする。一方、ギャップがターゲットギャップより小さい場合(ギャップ<ターゲット)は、各電極の印加される電圧を遮断して(0Vとし)、ハンドリング対象物への吸引力を無くして自重でハンドリング対象物を下げギャップを大きくする。これを繰り返すことにより、所定のギャップにハンドリング対象物を保持することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−257751号公報
【特許文献2】
特開平9−322564号公報
【特許文献3】
特開平10−66367号公報
【特許文献4】
特開2001−9766号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11及び図13に示す静電チャックでは、作業に伴って静電気吸引力(以下、単に吸引力という場合がある。)の低下が観察される。そして、この吸引力の低下は、使い方によって差が生じる。
【0010】
例えば、静電チャックを自動機に取り付けて作業する場合には、吸引力の低下は顕著ではないが、この静電チャックを手作業でハンドリングする場合には吸引力の低下が顕著に観察される。吸引力が低下すると、絶縁材で被覆された複数の電極からなる電極群を保持面として、該電極群へ所定の電圧を印加して保持対象物を静電力により非接触的に浮上させて保持する静電保持装置においては必要なハンドリングを行うことができない。それ故、手作業でハンドリングを行っても十分な静電気吸引力を発生できる静電保持装置の提供が望まれる。
【0011】
そこで、この発明は、絶縁材で被覆された複数の電極からなる電極群を保持面として、該電極群へ所定の電圧を印加して保持対象物を静電力により非接触的に浮上させて保持する静電保持装置において、浮上ハンドリング操作性の低下のない静電保持装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、この発明は、手作業によって使用しても、浮上ハンドリング操作性の低下のない静電ピンセットを提供することを他の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意研究の結果、手作業で静電保持装置を使用した場合の吸引力の低下の原因は、ハンドリング対象物が近くにない状態で静電保持装置のスイッチをオンとした状態で放置することが多いことに関連することをつきとめた。
【0014】
例えば、絶縁材102として体積抵抗が1015Ω・cmである材料を用いて試作された静電保持装置1100では、ハンドリング対象物104が近距離(1mm以下)にある状態では吸引力の低下は顕著ではないが、ハンドリング対象物104が存在しない状態で3分間程度の間電圧を印加しつづけると、次に電圧を印加してもハンドリング対象物104に対する吸引力が働かなくなった。また、この吸引力は時間の経過とともに回復するが、その回復には数時間を要することが確認された。
【0015】
そこで、本発明者等は、この理由を電極表面を被覆している絶縁材102の内部分極によるものと推定した。
【0016】
すなわち、絶縁材は絶縁目的を満たすために抵抗値の高い材料が用いられている。ここで、絶縁材の内部分極は、一般には、電子分極、原子分極、双極子分極及び空間電荷分極等から構成されている。これらの中で、電子分極及び原子分極はそれぞれ電子振動及び原子振動の早さに相当するので、外部電界を遮断すると(印加電圧を遮断すると)、瞬時的に内部分極は消滅するので実質的な影響はない。しかしながら、双極子分極や空間電荷分極では、内部分極の生起や進行には強い外部電界が必要であると共に、一度内部分極が生起して進行した場合、その内部分極が消滅するまでに要する緩和時間は数時間程度と長くなる。
【0017】
そこで、従来の静電保持装置の絶縁材にもこの双極子分極や空間電荷分極が生起、進行してこの内部分極が影響しているのではないかと推定した。すなわち、絶縁材の内部分極の存在している状態では、電圧を印加してハンドリング対象物を吸引しようとしても、電界が乱れているのでハンドリング対象物に対する静電吸引力が弱まる。この静電吸引力の弱まる程度は、絶縁材内の双極子分極及び空間電荷分極の存在度合いに左右されるが、この双極子分極及び空間電荷分極の進行度合いは、絶縁材の構成成分、外部電界(印加電圧と電極形状)に依存する他その印加時間に依存する。
【0018】
このような双極子分極や空間電荷分極は、逆方向の外部電界の無い状態では、内部分極の消滅には数時間程度の長い緩和時間を要するが、分極方向とは逆方向の外部電界を印加することにより、瞬時に解消又は緩和できる。
【0019】
そこで、本発明者等は、このような吸引力の低下した静電保持装置に対して、同一電極群に対して、同一電極群に先に印加していた印加電圧とは逆極性の電圧を印加したところ、吸引力が直ぐに回復することをつきとめ本発明に到達した。
【0020】
すなわち本発明は、絶縁材で被覆された複数の電極からなる電極群を保持面として、該電極群へ所定の電圧を印加して保持対象物を静電力により吸引するとともに、前記保持面と前記保持対象物との間の離間距離を実時間でフィードバックする変位センサを備え、変位センサに基づいて印加電圧を制御し、前記離間距離を所定範囲に維持させることにより前記保持対象物を前記保持面と離間させて非接触的に浮上させて保持する静電保持装置の改良である。
【0022】
第1の発明は、前記離間距離が所定範囲よりも大きい場合には、前記電極群へ所定の電圧を印加するとともに、前記離間距離が所定の範囲よりも小さい場合には、前記電極群への所定の電圧の印加を遮断するとともに、前記電極群への印加電圧を遮断から印加に切り替える度に同一電極群には前回の印加電圧とは逆極性の電圧を印加する印加電圧切り替え手段として機能する印加電圧制御部を備えていることを特徴とする静電保持装置である。
【0023】
第2の発明は、浮上ハンドリング時に前記電極群に印加する電圧とは逆極性の電圧を発生させる逆極性電圧発生手段として機能する印加電圧制御手段を備え、浮上ハンドリング時に3分間以上同一電極群に同一極性の電圧を印加しつづけた場合に前記逆極性電圧発生手段により発生した逆極性電圧を前記電極群に印加可能に構成されていることを特徴とする静電保持装置である。
【0025】
このような静電保持装置によれば、保持面の静電力により保持対象物を非接触的(静電浮上)に保持することができる。
【0027】
また、第1の発明のように、電極群への印加電圧を遮断から印加に切り替える度に同一電極群には前回の印加電圧とは逆極性の電圧を印加する印加電圧切り替え手段として機能する印加電圧制御部を用いれば、同一電極群には前回の印加電圧とは逆極性の電圧が印加されるので、絶縁材内に内部分極が進行されていても、その内部分極が瞬時に消滅又は緩和されて、吸引力を直ぐに回復させることができる。
【0028】
また、第2の発明のように、浮上ハンドリング時に前記電極群に印加する電圧とは逆極性の電圧を発生させる逆極性電圧発生手段として機能する印加電圧制御手段を備え、浮上ハンドリング時に3分間以上同一電極群に同一極性の電圧を印加しつづけた場合に前記逆極性電圧発生手段により発生した逆極性電圧を前記電極群に印加可能に構成されているものを用いれば、絶縁材内の内部分極に起因した静電吸引力の低下があった場合、逆極性電圧発生手段により発生した逆極性電圧を電極群に積極的に印加することにより、その内部分極が瞬時に消滅又は緩和されて、吸引力を直ぐに回復させることができる。
【0030】
以上のような静電保持装置は、半導体ウエハーなどの各種の薄膜を把持する把持手段としたり、また、長時間にわたって安定に保持できるので、半導体ウエハーへ露光する際の半導体ウエハーを保持するステージ(保持台)としての有用性が期待される。また、半導体ウエハーなど薄膜の搬送装置としての応用も期待される。
【0031】
また、以上のような静電保持装置は、ハンドリング対象物が保持面近傍に存在しない状態で不用意に電極面に電圧を印加させやすい静電ピンセットなどを含めて手作業により静電保持装置を取り扱う場合に特に有効に利用される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の参考例としての実施の形態に係る接触支持型の静電保持装置につき図面に基づき説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態に係る接触支持型の静電保持装置の概念を説明する概念図であり、静電保持装置を電極面に対して直交する中心を通る断面により切断した場合の断面図が示されている。
【0034】
図1において符号100は接触型の静電保持装置であり、ベース部材101の一面には絶縁材102が形成されている。この絶縁材102に周囲を被覆されて電極群103が形成されている。この電極群103は、二つの電極要素群103a,103bから構成されている。ここでは、絶縁材102は、電極要素群103aと電極要素群103bとの間、電極群103とハンドリング対象物104間を絶縁するために、高い絶縁抵抗を有する材料が用いられている。
【0035】
また、このとき発生する静電気吸引力は、ハンドリング対象物104と電極群103の表面との距離(絶縁材の厚みd)の2乗に反比例するので、十分な静電気吸引力を誘起するには、絶縁材102の厚みdは絶縁耐圧を満たす限りなるべく薄く形成することが重要であり、一般的には100μm程度である。
【0036】
電極群103には、図2に示すように、スイッチSWと連動して電極群への印加電圧を遮断から印加に切り替える度に、同一電極には前回の印加電圧とは逆極性の電圧を印加するコントローラ105(印加電圧切り替え手段として機能する印加電圧制御部)が接続されている。
【0037】
次にこのような静電保持装置100を用いたハンドリング対象物104のロード及びアンロードについて説明する。
【0038】
例えば、保持面としての絶縁材102に保持対象物としてのハンドリング対象物104を接触させた状態で、スイッチSWを切断(オフ:off)状態から印加(オン:on)状態とする。このときの時刻(time)をt1とすると、図2に示すように、時刻t1では、コントローラ105の出力1(output1)から正の電圧である+V1ボルトが電極要素群103aに印加され、また、出力2(output2)から出力1とは逆極性の負の電圧−V1ボルトが電極要素群103bに出力される。これにより、電極群103の表面とハンドリング対象物104との間に静電気が誘起されて、導体、半導体、高抵抗体などのハンドリング対象物104が静電気吸引力により絶縁材102に吸引されて支持することができる(ロード)。
【0039】
次に、時刻t2においてスイッチSWをオフ(off)とすると、各出力1及び出力2からの出力がゼロボルトとなり、絶縁材102の表面での静電気吸引力が消滅してハンドリング対象物104の保持を解消することができる(アンロード)。
【0040】
次に、時刻t3にて不用意に(又は誤って)ハンドリング対象物104が近くに無い状態で長時間スイッチSWをオンとしてしまう。すると、ハンドリング対象物104が無い状態で電極103に所定の電圧を印加し続けることになる。このようにハンドリング対象物104が無い状態で例えば、3分間以上電極に所定の電圧を印加し続けると、電極群103の表面の絶縁材102にはそれぞれの極性に応じた内部分極が時間の経過と共に進行される。すなわち、電極要素群103a近傍の絶縁材102には出力1(output1)の負の電圧に基づく内部分極が進行され、電極要素群103b近傍の絶縁材102には出力2(output2)の正の電圧に基づく内部分極が進行される。この結果、保持面としての絶縁材102には進行した内部分極に起因して、その後にハンドリング対象物104を接触しても出力1及び出力2に基づく静電気吸引力が弱くなりハンドリング対象物104を吸着保持することができなくなる。
【0041】
そこで、t4にて一度スイッチSWを切断し、ハンドリング対象物104を接触させた状態でt5にて再びスイッチSWをオンとする。本発明の実施の形態1で使用されるコントローラ105では、スイッチSWがオンされる毎に、同一電極には前回のオン状態で印加された印加電圧と逆極性の電圧が印加されるように設定されているので、時刻t5では、出力1(output1)からは前回のオン時とは逆極性の正の電圧である+V1ボルトが電極要素群103aに印加され、また、出力2(output2)から前回のオン時とは逆極性の負の電圧−V1ボルトが電極要素群103bに出力される。これにより、電極群103の表面の絶縁材102に進行された内部分極を打ち消す電圧が印加されることにより、内部分極は瞬時に消滅される。なお、この発明では、逆極性の電圧を印加する目的は内部分極を瞬時に消滅させることであるので、極性が異なれば、V1とVの絶対値は必ずしも等しくなくてもよい。
【0042】
これにより、時刻t5で印加された電圧により、電極群103の表面とハンドリング対象物104との間に静電気が正常に誘起されて、導体、半導体、高抵抗体などのハンドリング対象物104が再び静電気吸引力により絶縁材102に吸引されて支持することができる(ロード)。
【0043】
すなわち、本発明で用いるコントローラ105は、スイッチSWのオン(on)、オフ(off)に応じて、スイッチSWがオンされた場合には、前回のスイッチSWがオフとされる前の各電極要素群103aと電極要素群103bに印加されていた電圧と逆極性の電圧が印加されるように制御されていることにより、絶縁材102内に緩和時間の長い双極子分極や空間電荷分極が生起されて進行されていたとしても、瞬時にこれらの内部分極を消滅して、ハンドリング対象物104の保持を可能とする。
【0044】
これにより、従来の静電保持装置では、ハンドリング対象物104が無い状態で不用意にスイッチSWをオンとすることにより保持面としての絶縁材102中に不用意に内部分極を発生してハンドリング対象物への保持能力が低下するが、この発明の静電保持装置100では、スイッチSWをもう一度入れ直すことにより絶縁材102中の内部分極が瞬時に消滅されて常に所望の静電気吸引力を維持させることができる。
【0045】
なお、このようなハンドリング対象物104が無い状態で不用意にスイッチSWをオンとする操作は、装置のメンテナンスや装置の調整時に起こりやすい。一度内部分極が生起すると、静電吸引力が極端に低下するが、この発明の実施の形態に係る装置では、スイッチSWを入れ直すだけで、内部分極が解消されて、実用的な静電吸引力を直ぐに回復できるという、実用的に有意義な効果を奏することができる。
【0046】
【変形例1】
以下に本発明の実施の形態に係る静電保持装置の変形例として、非接触型(浮上型)の静電保持装置につき図面に基づき説明する。発明の実施の形態と実質的に同一乃至は均等な部位部材は同一番号を付して説明する。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態の変形例に係る非接触支持型の静電保持装置の概念を説明する概念図であり、静電保持装置を電極面に対して直交する中心を通る断面により切断した場合の断面図が示されている。
【0048】
変形例1に係る静電保持装置200によれば、電極面103は絶縁材102により包まれ、ベース板101に固定されている。電極面103と導体、半導体又は高抵抗体などのハンドリング対象物104間のギャップ(離間距離)を実時間でフィードバックするように変位センサ206が設けられている。変位センサ206は貫通穴207を通ってハンドリング対象物104と電極面間のギャップを測定し、コントローラ205にギャップが所定値より大きいか小さいかのシグナル情報(sigunal)Aをオン情報(on)又はオフ情報(off)としてフィードバックする。
【0049】
ここで、この変形例に係るコントローラ205は本発明に従う印加電圧切り替え手段として機能する印加電圧制御部であり、このシグナル情報Aに基づいて、図4に示すように、ギャップがターゲットギャップより大きい場合(ギャップ>ターゲット)は、シグナル(signal)Aからのオン(on)情報を入力してコントローラ205からの出力1,2に所定の印加電圧を出力し、ギャップがターゲットギャップより小さい場合(ギャップ<ターゲット)は、シグナル(signal)Aからのオフ(off)情報を入力してコントローラ205からの出力1,2を遮断する。また、このオン情報が入力される毎に、出力1(又は出力2)から出力される印加電圧の正負が逆転している。
【0050】
例えば、時刻t0にてハンドリング対象物104が保持するに十分に近い状態でメインスイッチがオンとされて、コントローラ205を含む静電保持装置200が作動されたとする。
【0051】
ハンドリング対象物104は、自重により落下するので、時刻t1にてギャップが大きくなりターゲットギャップよりも大きくなる。
【0052】
ここで、時刻t1では、ターゲットギャップよりも大きくなった旨のシグナル情報Aがオン情報としてコントローラ205に入力される。
【0053】
コントローラ205は出力1には所定の正の電圧+V1ボルトを出力し、出力2には、出力1とは逆極性の負の電圧−V1ボルトを出力し、ハンドリング対象物104と電極面103との間で静電気吸引力を誘起してハンドリング対象物104を吸引してギャップが小さくなるように誘導される。
【0054】
次に、時刻t2でギャップがターゲットギャップより小さくなるが、その場合は、シグナルAはオフ(off)情報を出力し、この出力情報はコントローラ205に入力される。コントローラ205は、この入力されたオフ情報に基づいて各電極の印加される電圧を遮断して(0Vとし)、ハンドリング対象物104と電極面103との静電吸引力を無くして自重でハンドリング対象物104を下げギャップが大きくなるように誘導する。
【0055】
次に、時刻t3でギャップが再びターゲットギャップより大きくなるが、その場合は、シグナルAはオン情報を出力し、この出力情報はコントローラ205に入力される。コントローラ205は、この入力されたオン情報に基づいて各電極に所定の電圧を印加する。ここでは、時刻t1にて印加された前回の各電極群103a、103bに印加された電圧とは逆極性の電圧が印加される。すなわち、出力1には所定の負の電圧−V2ボルトが出力され、出力2には前回の印加電圧とは逆極性の正の電圧+V2ボルトが出力される。
【0056】
ここで、各出力1,2から出力される電圧は、前回に印加された電圧とは逆極性であればよく、V1とV2の絶対値は同一であってもよく、また異なっていてもよい。すなわち、例えば、出力1には出力される電圧は負であれば、先に印加された電圧+V1ボルトとは絶対値が等しい、−V1ボルトであってもよい。
【0057】
これにより、ハンドリング対象物104と電極面103との間で静電気吸引力を誘起してハンドリング対象物104を吸引してギャップが小さくなるように誘導される。また、絶縁材102に内部分極がある場合には各電極103には逆極性の電圧が印加されるので、内部分極は緩和又は消滅させることができる。
【0058】
次に、時刻t4でギャップがターゲットギャップより小さくなるが、その場合は、シグナルAはオフ(off)情報を出力し、この出力情報はコントローラ205に入力される。コントローラ205は、この入力されたオフ情報に基づいて各電極の印加される電圧を遮断して(0Vとし)、ハンドリング対象物104と電極面103との静電吸引力を無くして自重でハンドリング対象物104を下げギャップが大きくなるように誘導する。
【0059】
次に、時刻t5でギャップが再びターゲットギャップより大きくなるが、その場合は、シグナルAはオン情報を出力し、この出力情報はコントローラ205に入力される。コントローラ205は、この入力されたオン情報に基づいて時刻t3にて印加された前回の各電極要素群103a、103bに印加された電圧とは逆極性の電圧が印加される。これにより、ハンドリング対象物104と電極面103との間で静電気吸引力を誘起してハンドリング対象物104を吸引してギャップが小さくなるように誘導される。また、絶縁材102に内部分極がある場合には各電極103には逆極性の電圧が印加されるので、内部分極は緩和又は消滅させることができる。
【0060】
次に、時刻t6でギャップがターゲットギャップより小さくなるが、その場合は、シグナルAはオフ(off)情報を出力し、この出力情報はコントローラ205に入力され、この入力されたオフ情報に基づいてハンドリング対象物104はギャップが大きくなるように誘導される。
【0061】
以下同様に、時刻t7でギャップが再びターゲットギャップより大きくなるので、シグナルAのオン情報に基づいて、時刻t5にて印加された前回の各電極群103a、103bに印加された電圧とは逆極性の電圧が印加されてハンドリング対象物104はギャップが小さくなるように誘導される。
【0062】
以上のような静電保持装置200によれば、コントローラ205から出力される電圧は、印加電圧が遮断から印加に切り替える度に同一電極には前回の印加電圧とは異なる極性(逆極性)の電圧が印加されるので、絶縁材102内の内部分極が進行されないか、または、内部分極があった場合にも内部分極は緩和又は消滅させることができる。
【0063】
【変形例2】
以下に本発明の実施の形態に係る静電保持装置の変形例として、接触型の静電保持装置につき図面に基づき説明する。発明の実施の形態と実質的に同一乃至は均等な部位部材は同一番号を付して説明する。
【0064】
図5は、本発明の実施の形態の変形例に係る静電保持装置の概念を説明する概念図であり、静電保持装置を電極面に対して直交する中心を通る断面により切断した場合の断面図が示されている。
【0065】
この変形例2に係る静電保持装置300では、図1に係る静電保持装置100のスイッチSW及びコントローラ105とからなる印加電圧制御部に変えて、二つのスイッチSW1及びSW2とコントローラ305からなる逆極性電圧発生手段としても機能する印加電圧制御部が用いられている。
【0066】
このような印加電圧制御部によれば、スイッチSW1及びSW2のオン(on)、オフ(off)操作により、出力1(output1)および出力2(output2)に図6に示すような印加電圧を出力することができる。
【0067】
このような静電保持装置300によれば、スイッチSW1をオン、オフすることにより、出力1及び出力2から互いに逆極性の印加電圧を出力させることができ、これにより、スイッチSW1がオン状態(時刻t1−t2及び時刻t3−t4間)では、電極要素群103aには、正の印加電圧+V1ボルトを印加させ、電極要素群103bには負の印加電圧−V1ボルトを印加させることができ、これにより、電極面103とハンドリング対象物104との間に静電気吸引力を働かせてハンドリング対象物104を保持面に保持させることができる。また、スイッチSW1をオフ(時刻t2又はt4)とすることにより、出力1及び出力2の印加電圧を遮断させて、静電気吸引力を消去させて保持力を解消させてハンドリング対象物をロードさせたり、アンロードさせたりするハンドリング操作を行うことができる。以下、このスイッチSW1によりロード、アンロードしている状態をハンドリング操作時と略称して説明する。
【0068】
また、スイッチSW1がオフ状態(時刻t4−t7)のときに、スイッチSW2をオン(時刻t5)とすることにより、出力1からハンドリング操作時とは異なる極性の負の電圧−V2ボルトを出力し、出力2からハンドリング操作時とは異なる極性の正の電圧+V2ボルトを出力させることができる。これにより、この変形例2に係る印加電圧制御部は、ハンドリング時に電極103に印加する電圧とは逆極性の電圧を発生させる逆極性電圧発生手段としても機能する。
【0069】
以上のような静電保持装置300によれば、ハンドリング操作時に同一電極要素群103a又は103bに同一極性の電圧が印加されることにより絶縁材102に内部分極が発生して静電保持力が弱くなった場合にスイッチSW2をオンとすることにより、静電保持力を回復させることができる。
【0070】
すなわち、この変形例2に係る逆極性電圧発生手段によりスイッチSW1がオフ状態でスイッチSW2をオンとすれば、各電極103にはハンドリング操作時とは異なる極性の電圧が印加される。これにより、静電保持力を弱める原因となる絶縁材102内の内部分極が消滅又は緩和されて、静電保持装置の静電気吸引力を回復させることができる。
【0071】
【変形例3】
以下に本発明の実施の形態に係る静電保持装置の変形例として、非接触型(浮上型)の静電保持装置につき図面に基づき説明する。変形例2と実質的に同一乃至は均等な部位部材は同一番号を付して説明する。
【0072】
図7は、本発明の実施の形態の変形例に係る非接触型の静電保持装置400の概念を説明する概念図であり、静電保持装置を電極面に対して直交する中心を通る断面により切断した場合の断面図が示されている。
【0073】
この変形例3に係る静電保持装置400では、図3に係る静電保持装置200のコントローラ205からなる印加電圧制御部に加えて、スイッチSW2の制御信号によっても印加電圧を制御可能なコントローラ405が印加電圧切り替え手段として機能する印加電圧制御部として用いられている。
【0074】
このような印加電圧制御部によれば、シグナルAのオン(on)、オフ(off)情報及びスイッチSW2の情報により、出力1(output1)および出力2(output2)に図8に示すような印加電圧を出力することができる。
【0075】
すなわち、このような静電保持装置400によれば、シグナルAのオン、オフ情報に基づいて出力1及び出力2から互いに逆極性の印加電圧を出力する。すなわち、スイッチSW2がオフの状態で、例えば、時刻t1でシグナルAのオン情報を入力したコントローラ405は、出力1からは正の電圧+V1を出力し、出力2からは負の電圧−V1を出力し静電吸引力を働かせてギャップを小さくさせる。また、時刻t2でシグナルAのオフ情報が入力されることにより、印加電圧を遮断(出力1及び出力2ともに0ボルト)させることにより、ハンドリング対象物104を自重で落下させてギャップを大きくする。
【0076】
また、時刻t3でシグナルAのオン情報を入力したコントローラ405は、出力1からは正の電圧+V1を出力し、出力2からは負の電圧−V1を出力し、また、時刻t4でシグナルAのオフ情報が入力されることにより、印加電圧を遮断(出力1及び出力2ともに0ボルト)させる。
【0077】
ついで、スイッチSW2がオンの状態で、例えば、時刻t5でシグナルAのオン情報を入力したコントローラ405は、出力1からは負の電圧−V2を出力し、出力2からは正の電圧+V2を出力し静電吸引力を働かせてギャップを小さくさせる。
【0078】
時刻t6でシグナルAのオフ情報が入力されることにより、印加電圧を遮断(出力1及び出力2ともに0ボルト)させることにより、ハンドリング対象物104を自重で落下させてギャップを大きくする。
【0079】
また、時刻t7でシグナルAのオン情報を入力したコントローラ405は、出力1からは再び正の電圧+V1を出力し、出力2からは負の電圧−V1を出力し、また、時刻t8でシグナルAのオフ情報が入力されることにより、印加電圧を遮断(出力1及び出力2ともに0ボルト)させる。
【0080】
このような制御を繰り返すことにより、所定のギャップにハンドリング対象物を保持することができる。
【0081】
ここで、この変形例3に係る静電保持装置400では、スイッチSW2がオン状態の時刻t5−t6の間に出力される印加電圧は、時刻t1−t4の間に印加された電圧と極性が逆転されていることにより、時刻t1−t4の間に絶縁材102内に内部分極が生起されて進行されていても時刻t5−t6の逆極性の電圧の印加により内部分極は緩和され又は消去される。
【0082】
このように、ハンドリング操作時に同一電極要素群103a又は103bに同一極性の電圧を印加させて絶縁材102に内部分極が発生して静電保持力が弱くなった場合には、スイッチSW2をオンとすることにより、各電極103に逆極性の電圧を印加させることにより内部分極を消滅又は緩和させて静電保持装置の静電気吸引力を回復させることができる。
【0083】
なお、ここでは、スイッチSW2の操作により同一電極に印加される電圧の極性を変更するように制御していたが、その制御の形式及び制御のタイミングは自由である。例えば、スイッチSW2の操作によらずに、ハンドリング操作時間の一定時間が経過する毎に印加電圧の正負を逆転して印加させて制御してもよい。
【0084】
【変形例4及び5】
以下に本発明の実施の形態の変形例4及び5を図面に基づき説明する。実施の形態1及び変形例1と同一乃至は均等な部位部材は同一番号を付して説明する。
【0085】
ここで、図9及び図10は、本発明の実施の形態の変形例に係る静電保持装置の概念を説明する概念図であり、静電保持装置を電極面に対して直交する中心を通る断面により切断した場合の断面図が示されている。ここで、図9は接触支持型の静電保持装置を示し、図10は非接触支持型(浮上型)の静電保持装置を示している。
(接触型の静電保持装置)
図9において符号500は接触型の静電保持装置であり、ベース部材101の一面には絶縁材102が形成されている。この絶縁材102に周囲を被覆されて電極103が形成されている。この電極103は、二つの電極要素群103a,103bから構成されている。各電極103(電極要素群103a,103b)には、図9に示すような波形の印加電圧を発生させるコントローラ505が接続されている。
【0086】
すなわち、このコントローラ505には、電極要素群103aと電極要素群103bとに正、負の互いに逆極性の電圧を印加すると共に、同一電極要素には正負の逆極性の電圧を交互に印加(交番電場を印加)している。
【0087】
このようなコントローラ505を備えれば、印加電圧を逆極性に変換することによって、ハンドリング対象物104の表面に逆極性の電荷が瞬時的に誘導されて、絶縁材102の内部に内部分極が生起することがなく、常に一定の静電吸引力を得ることができる。
【0088】
この印加電圧の変換周波数はとくには制限されずに、例えば、数百Hz以下である。なお、交番電場の波形は、図に示すような矩形波が好ましい。
(浮上型の静電保持装置)
図10に示す本発明の変形例5に係る静電保持装置600では、同一電極要素には正極と負極の電圧を常に交互に印加するコントローラ605が用いられている。
【0089】
このようなコントローラ605を用いることにより、ハンドリング対象物104とのギャップ(距離)を広げたいときは、印加電圧を遮断し、自重でハンドリング対象物104を下ろすが、ギャップを狭めたいときは、図10に示すように、極性の異なる2電圧を交互に印加するようにすると、絶縁材102内に内部分極を起こすことなく、静電気吸引力の連続した降下を妨げ、安定した浮上支持を実現することができる。
【0090】
以上の実施の形態及び変形例にて説明した静電保持装置を用いれば、把持手段を用いずに対象物を保持したり保持を解除することが自由にできるので、薄膜部材のハンドリング装置、静電浮上システムなどへの利用が期待され、電子ビーム加工や露光装置での位置決め用の各種ステージとして、精密機械や部品の防振など、また、ハードディスクなどの静電浮上装置としても利用が期待される。
【0091】
また、浮上型の静電保持装置を用いれば、把持手段を用いずに対象物が浮上した状態で対象物を保持したり保持を解除することが自由にできるので、半導体ウエハーなどの薄膜のハンドリング装置、静電搬送装置、各種浮上システムなどへの利用が期待される。また、このような浮上型の静電保持装置によれば、摩耗や発塵などの無い各種の静電チャックへの応用が期待される。
【0092】
また、以上の静電保持装置によれば、ハンドリング対象物が近くに無い状態で、スイッチをオンとしても、絶縁材内に発生した内部分極を消滅又は緩和できたり、又は内部分極を生起させないので、常に安定した静電保持力を得ることができる。これにより、本発明の静電保持装置を、例えば、静電ピンセットなどの手作業でハンドリングを行う装置に適用することにより、本発明の有効な効果を奏させることができる。
【0093】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、絶縁材で被覆された複数の電極からなる電極群を保持面として、該電極群へ所定の電圧を印加して保持対象物を静電力により非接触的に浮上させて保持する静電保持装置において、浮上ハンドリング操作性の低下のない静電保持装置を提供することができる。また、この静電保持装置は、手作業によって使用しても、浮上ハンドリング操作性の低下がないので、静電ピンセットなどとして利用することができる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例としての実施の形態に係る接触型の静電保持装置の一例を断面により説明する図である。
【図2】図1の静電保持装置の電極に印加される電圧の波形を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る浮上型の静電保持装置の一例を断面により説明する図である。
【図4】図3の静電保持装置の電極に印加される電圧の波形を説明する図である。
【図5】本発明の参考例としての実施の形態に係る接触型の静電保持装置の一例を断面により説明する図である。
【図6】図5の静電保持装置の電極に印加される電圧の波形を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る浮上型の静電保持装置の一例を断面により説明する図である。
【図8】図7の静電保持装置の電極に印加される電圧の波形を説明する図である。
【図9】本発明の参考例としての実施の形態に係る接触型の静電保持装置の一例を断面により説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る浮上型の静電保持装置の一例を断面により説明する図である。
【図11】従来の静電チャックを説明する図である。
【図12】図11の静電チャックの電極に印加される電圧の波形を説明する図である。
【図13】従来の浮上型の静電チャックを説明する図である。
【図14】図13の静電チャックの電極に印加される電圧の波形を説明する図である。
Claims (4)
- 絶縁材で被覆された複数の電極からなる電極群を保持面として、該電極群へ所定の電圧を印加して保持対象物を静電力により吸引するとともに、前記保持面と前記保持対象物との間の離間距離を実時間でフィードバックする変位センサを備え、変位センサに基づいて印加電圧を制御し、前記離間距離を所定範囲に維持させることにより前記保持対象物を前記保持面と離間させて非接触的に浮上させて保持する静電保持装置において、
前記離間距離が所定範囲よりも大きい場合には前記電極群へ所定の電圧を印加し、前記離間距離が所定の範囲よりも小さい場合には前記電極群への所定の電圧の印加を遮断するとともに、
前記電極群への印加電圧を遮断から印加に切り替える度に同一電極群には前回の印加電圧とは逆極性の電圧を印加する印加電圧切り替え手段として機能する印加電圧制御部を備えていることを特徴とする静電保持装置。 - 絶縁材で被覆された複数の電極からなる電極群を保持面として、該電極群へ所定の電圧を印加して保持対象物を静電力により吸引するとともに、前記保持面と前記保持対象物との間の離間距離を実時間でフィードバックする変位センサを備え、変位センサに基づいて印加電圧を制御し、前記離間距離を所定範囲に維持させることにより前記保持対象物を前記保持面と離間させて非接触的に浮上させて保持する静電保持装置において、
浮上ハンドリング時に前記電極群に印加する電圧とは逆極性の電圧を発生させる逆極性電圧発生手段として機能する印加電圧制御手段を備え、浮上ハンドリング時に3分間以上同一電極群に同一極性の電圧を印加しつづけた場合に前記逆極性電圧発生手段により発生した逆極性電圧を前記電極群に印加可能に構成されていることを特徴とする静電保持装置。 - 前記電極群は、互いに印加される電圧の極性が異なる電極要素A及び電極要素Bを有するとともに、前記電極要素A及び電極要素Bとの間には絶縁材料が介在され、
前記同一電極要素には、正負の逆極性の電圧が交互に印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の静電保持装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の静電保持装置を用い、前記保持面をピンセット吸引部とする静電ピンセット。
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