JP5389491B2 - 高純度炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、石灰石を原料とする炭酸カルシウムの製造において、ストロンチウムの含有量を低下させることによって純度を高めた炭酸カルシウムの製造方法に関する。
近年、高純度炭酸カルシウムは、フッ化カルシウム硝子等の光学部品原料や、セラミックコンデンサ等の電子材料、LED等の蛍光体材料、人工骨等の生体材料として注目されている。このような用途に使用される炭酸カルシウムは、従来使用されているものよりも、高純度品が求められている。
従来の炭酸カルシウムの精製方法としては、石灰石を水溶性の塩類とし、この溶液のpH調整を行い、不純物を水酸化物として除去して純粋なカルシウム塩溶液を得、この溶液に、炭酸ガスを吹き込むか、炭酸イオンを含む溶液を加えて炭酸化し、炭酸カルシウムを得る方法が一般に行われている。この方法によって、たいていの不純物は除去することができるが、不純物のうちストロンチウムは、カルシウムと同族元素であり性質が似ているため、前記の方法でストロンチウムを除去するのは困難であった。
従来の高純度炭酸カルシウムの製造方法としては、生石灰を消化させて消石灰スラリーとし、これをろ過してストロンチウムの少なくとも一部を水相に溶出させ、固形分を硝酸アンモニウム又は塩酸アンモニウムの水溶液に溶解し、不純物を除去した後、ろ液に炭酸ガスを吹き込んで炭酸化する方法(特許文献1)がある。また、カルシウム塩の水溶液を炭酸化する際、CO2/Caのモル比を0.2〜0.9の条件として反応させる方法(特許文献2)がある。また、水酸化カルシウム濃度が0.5重量%以下の希薄水溶液と、1容量%以下に希釈した二酸化炭素とを40〜90℃の温度で反応させる方法(特許文献3)など、多数の方法が提案されている。
しかしながら、いずれの方法も、その効果が不十分であり、炭酸カルシウムの純度を十分に向上させるには工程を繰り返す必要があるため、製造コストが高くなるなど、工業レベルで製造することは困難であった。
特開昭62-36021号公報 特開昭63-156012号公報 特開2005-206456号公報
本発明の目的は、ストロンチウム含有量の少ない、高純度炭酸カルシウムを低コストで製造する方法を提供することにある。
本発明者は、原料である石灰石として、従来合成原料としてはほとんど使用されることの無かった結晶質石灰石を用いることにより、極めて高純度の炭酸カルシウムを、容易かつ安価に製造できることを見出した。
本発明は、結晶質石灰石を焼成した生石灰を水に接触させて消石灰スラリーを生成させる工程、
消石灰スラリー中の不純物を含む水相と消石灰を分離する工程、
分離した消石灰を塩化アンモニウム及び/又は硝酸アンモニウムの水溶液に溶解し、沈殿を除去する工程、
上記沈殿を除去して得られたろ液に炭酸塩又は炭酸ガスを接触させ、炭酸カルシウムを析出させる工程
を含むことを特徴とする高純度炭酸カルシウムの製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法を用いれば、不純物、特にストロンチウムの含有量が低下し、高い純度の炭酸カルシウムを、低コストで製造することができる。これにより、光学部品原料、電子材料、蛍光体材料、生体材料の分野に、安価な高純度炭酸カルシウムを提供できるようになる。
本発明においては、原料の石灰石として、結晶質石灰石を使用する。結晶質石灰石は、変成作用や火成岩による熱変成作用を受け、再結晶したものであり、大きな結晶径を有するものである。この点により、結晶質石灰石は、合成原料として通常使用される、変成作用や再結晶を経ていない緻密質、微晶質、ないし非晶質と称される石灰石と区別される。
石灰石の結晶の大きさ(結晶径)については、結晶の大きさ別の呼称がWentworthによって提唱されており、結晶径が62.5μm以上の顕晶質と、それ未満の緻密質又は微小質とに分類されている。本発明で使用する結晶質石灰石は、この結晶径62.5μm以上の顕晶質石灰石に相当するものであり、好ましくは結晶径が0.25mm以上、より好ましくは0.5mm以上であるものが使用される。
本発明で用いる石灰石は、結晶質石灰石を工業用石灰焼成炉等で焼成することにより製造することができる。工業用石灰焼成炉としては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、コマ式炉、ロータリーキルン、外熱キルン等が用いられる。中でも、軟焼石灰石が製造しやすい、ロータリーキルン、外熱キルン等が好ましい石灰焼成炉として選定できる。
焼成は、できるだけ短時間で、かつ脱炭酸の生じる低い温度で行うことが好ましい。この観点より、焼成条件としては、反応温度は800〜1200℃、特に900〜1100℃、原料の焼成炉内の滞留時間は10分〜2時間、特に15分〜20分とすることが好ましい。
次に、得られた生石灰を水(消化水と洗浄水)に接触させて消石灰スラリーを製造するが、本工程で使用する水は、高温度であるほど、ストロンチウムがろ液に溶けやすくなることから、30℃以上、更には50℃以上、特に60〜100℃の水を使用するのが好ましい。
生成した消石灰スラリーにおける不純物を含む水相と消石灰とを分離する工程は、遠心分離機、吸引ろ過器、加圧ろ過器等を用いて行うことができる。この工程により、ストロンチウム等の不純物の少なくとも一部が、水相として除去される。
次に、分離した消石灰を塩化アンモニウム及び/又は硝酸アンモニウムの水溶液に溶解し、生じる沈殿を除去する。上記水溶液の濃度としては特に限定されないが、1〜20重量%の範囲内が好ましく、またその使用量は、溶解させる消石灰のカルシウムに対し、塩化アンモニウム及び/又は硝酸アンモニウムが1.0〜2.5当量となる範囲が好ましい。沈殿の除去は、遠心分離機、吸引ろ過器、加圧ろ過器等を用いて行うことができる。この工程により、残存するストロンチウム等の不純物を除去することができる。
上記沈殿を除去して得られたろ液に炭酸塩又は炭酸ガスを接触させることで消石灰を炭酸化し、炭酸カルシウムを析出させる。炭酸塩としては、一般的な原料として、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等があるが、中でも、不純物として金属を含まない炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が好ましい。
炭酸化により生成した高純度炭酸カルシウムは、分離後、乾燥する。乾燥した炭酸カルシウムは、必要に応じ、粉砕し、粒度を調整する。
以下に、実施例を挙げて、さらに具体的に説明する。
実施例1
結晶の大きさが1mm以上の結晶質石灰石を、箱型電気炉により1000℃で3時間焼成し、30gの生石灰を得た。この生石灰を70℃のお湯300mLに投入し、消石灰スラリーを調製した。得られた消石灰スラリーは、遠心分離し、ろ液と消石灰を分離した後、再度、消石灰に70℃のお湯300mLを添加して洗浄した。
次に消石灰を13.5重量%塩化アンモニウム水溶液425mLに溶解し、不溶分をろ過した。最後に、生成した塩化カルシウム溶液に、6重量%炭酸アンモニウム水溶液700mLを添加して炭酸化を行った。
生成した炭酸カルシウムは、ろ過分離後、105℃で2時間乾燥し、高純度炭酸カルシウムを得た。原料石灰石の分析はXRDビート法、生成した炭酸カルシウムの分析は、ICP-MASSで行った。分析結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同じ原料を、ロータリーキルン(反応温度1050℃、滞留時間1時間)で焼成し、得られた生石灰を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、高純度炭酸カルシウムを得た。分析結果を表1に示す。
実施例3
消石灰を、13.5重量%塩化アンモニウム水溶液425mLに代えて13.5重量%硝酸アンモニウム水溶液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、高純度炭酸カルシウムを得た。分析結果を表1に示す。
比較例1
結晶の大きさが4μm以下の緻密質石灰石を使用する以外は、実施例1と同様の方法により、炭酸カルシウムを得た。分析結果を表1に示す。
Figure 0005389491

Claims (3)

  1. 結晶径が62.5μm以上である結晶質石灰石を焼成した生石灰を水に接触させて消石灰スラリーを生成させる工程、
    消石灰スラリー中の不純物を含む水相と消石灰を分離する工程、
    分離した消石灰を塩化アンモニウム及び/又は硝酸アンモニウムの水溶液に溶解し、沈殿を除去する工程、
    上記沈殿を除去して得られたろ液に炭酸塩又は炭酸ガスを接触させ、炭酸カルシウムを析出させる工程
    を含むことを特徴とする高純度炭酸カルシウムの製造方法。
  2. 原料として用いる結晶質石灰石の結晶径が0.25mm以上である請求項1記載の高純度炭酸カルシウムの製造方法。
  3. 結晶質石灰石の焼成をロータリーキルン又は外熱キルンにより行うものである請求項1又は2記載の高純度炭酸カルシウムの製造方法。
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