JP5388946B2 - メタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法 - Google Patents

メタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタライズド窒化アルミニウム基板の新規な製造方法に関する。詳しくは、ポストファイア法によるメタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法において、形成されるメタライズ層の信頼性を向上させ、その後にメッキ処理を行なう際、かかる処理を高い歩留りで実施することが可能なメタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法を提供するものである。
従来、メタライズドセラミック基板の製造方法としては、コファイア法(co−firing、同時焼成法)とポストファイア法(post firing、逐次焼成法)とが知られている。上記コファイア法は、グリーンシートと呼ばれる未焼成のセラミック基板前駆体上に、タングステン粉末等の導電物質と有機バインダーとを含む導電ペースト層を形成することによってメタライズドセラミック基板前駆体を作製し、これを焼成して、セラミックの焼結によるセラミック基板の形成と同時に、該導電ペースト層の導電物質を焼結せしめてメタライズ層(導電層)を形成する方法である。
また、ポストファイア法は、セラミック焼結体基板上に導電ペースト層を形成することによってメタライズドセラミック基板前駆体を作製し、これを焼成して、該導電ペースト層の導電物質を焼結せしめてメタライズ層を形成する方法である(特許文献1参照)。
上記のように、ポストファイア法による配線形成の場合、一般に、セラミック焼結体基板上に直接導電ペーストを塗布・乾燥した後に焼成することによって、配線パターンが形成される。
上記ポストファイア法は、配線の焼き付け(焼成)に際して、導電ペースト層は厚み方向には収縮するが、平面方向の収縮は殆ど起こらないため、コファイア法で見られたような、位置によりパターン形状が変わるという問題は起こらないというメリットを有する。
しかしながら、ポストファイア法による配線形成の場合、メタライズ層の表面にめっき層を形成した後の加熱試験において、メタライズ層中や窒化アルミニウム焼結体基板とメタライズ層との界面に膨れ不良が発生し易いという問題が生じていた。
かかる問題に対して、高融点金属粉末と、窒化アルミニウム粉末、及び窒化アルミニウムの焼結助剤を含有する組成物からなる導電ペースト層で構成される配線パターンを表面に有する窒化アルミニウム焼結体基板からなるメタライズドセラミック基板前駆体(中間材料基板)を準備し、次いで、メタライズドセラミック基板前駆体の導電ペースト層の焼成を行なうことで、メタライズ層が緻密化したメタライズド基板が得られることが報告されている(特許文献3参照)。
しかしながらメタライズ層に、焼結助剤が存在すると、焼結中にメタライズ層上に焼結助剤の偏析が起り易くなり、これによりめっき層とメタライズ層との間に助剤が存在し、めっき層の不均一化や外観不良等を招くという問題が新たに生じる。また、この方法によって得られるメタライズド基板は、メタライズ層が緻密化する一方、緻密化によるメタライズ層の収縮により、反りの発生が懸念される。
特開平8−239286号公報 特開2006−196854号公報 特WO2006−051881号公報
本発明は、上述した従来技術の問題を解決することを目的とするものである。即ち、本発明は、ポストファイア法によるメタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法において、メッキ処理後の加熱試験におけるメタライズ層中や窒化アルミニウム焼結体基板とメタライズ層との界面に生ずる膨れ不良を防止し、高い歩留りでめっき処理品を得ることが可能であり、しかも、反りの少ない、メタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達するため鋭意検討を行った。その結果、前記ポストファイア法に使用する導電ペースト層の組成として、窒化アルミニウム粉末を特定量以上存在させることによって、得られるメタライズ層の緻密化と導電ペーストの焼成による収縮防止を達成し、上記メタライズ層の緻密化によりめっき液の浸入を防止でき、また、上記導電ペーストの収縮防止効果により、得られるメタライズド窒化アルミニウム基板の反りを防止できること、更に、その際、導電ペーストに助剤を存在させないことにより、形成されるメタライズ層におけるめっき層の不均一化や外観不良等を防止することができること、更にまた、窒化アルミニウム焼結体基板上に焼結助剤を含有する窒化アルミニウムペースト層を介することで、前記焼結助剤を存在させないことによる導電ペースト層と窒化アルミニウム基板との密着性の低下を効果的に防止することができ、これにより、窒化アルミニウム焼結体基板とメタライズ層との界面における膨れを防止でき、高い歩留りでメッキ処理品を製造することができるメタライズド窒化アルミニウム基板を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、窒化アルミニウム焼結体基板上に、焼結助剤を含有する窒化アルミニウムペースト層を介して、焼結助剤を含有せずかつタングステン100重量部に対して窒化アルミニウムを6〜20重量部含有する導電ペースト層を形成して、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を得る工程(A)と、前記工程によって得られたメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を焼成する工程(B)と、を含むメタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、緻密で、且つ、窒化アルミニウム焼結体基板に高度に密着したメタライズ層を有するメタライズド窒化アルミニウム基板を、反りの発生を抑えながら製造することが可能であり、その結果、メタライズ層上にめっき層を形成した後の加熱試験における膨れ不良の発生を抑制し、高い歩留まりで、めっき製品を得ることができる。また、メタライズ層表面の助剤の偏析がなく、均一で外観の良好なめっき層を強固に形成することができる。
本発明で製造されるメタライズド窒化アルミニウム基板の断面を示す概略図 実施例1で得られたメタライズド窒化アルミニウム基板の断面構造を示すSEM写真 本発明におけるメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体の代表的な形態を示す平面図及び部分拡大図 メタライズド窒化アルミニウム基板の反り量を測定する装置の平面図 メタライズド窒化アルミニウム基板の反り量を測定する装置のA−A’断面図
本発明のメタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法は、図1に示すように、窒化アルミニウム焼結体基板上1に、焼結助剤を含有する窒化アルミニウムペースト層2を介して、焼結助剤を含有せずかつタングステン100重量%に対して窒化アルミニウムを7重量%〜15重量%含有する導電ペースト層3を形成して、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を得る工程(A)と、前記工程によって得られたメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を焼成する工程(B)、とを含むことを特徴としている。
(窒化アルミニウム焼結体基板)
本発明において、窒化アルミニウム焼結体基板としては、窒化アルミニウム焼結体からなる基板であれば特に限定されないが、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導度は高い方が好ましく、例えば、熱伝導率が170W/m・K以上のものを使用するのが好適である。また、上記窒化アルミニウム焼結体基板の形状や大きさは、目的とする用途に応じて適宜設定すればよい。
上記窒化アルミニウム焼結体基板は、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤及び有機バインダーを含有する組成物をグリーン体に成形し、これを脱脂、焼成して焼結体を得る方法や、焼結助剤を使用せず、窒化アルミニウム粉末或いは顆粒体をホットプレス法により焼結体を得る方法など、公知の製造方法によって製造することができる。
また、上記窒化アルミニウム焼結体基板は、メタライズ処理される表面を研磨しておくことが好ましい。例えば、かかる窒化アルミニウム焼結体基板の表面を研磨し、表面粗さを平均粗さ(Ra)で0.5μm以下、好ましくは、0.1μm以下とすることが後述する窒化アルミニウムペースト層を介して導電ペースト層を形成後、これを焼成して得られるメタライズ層の密着性をより向上するために好ましい。
(工程(A))
本発明のメタライズド窒化アルミニウム焼結基板の製造方法では、窒化アルミニウム焼結体基板上に、焼結助剤を含有する窒化アルミニウムペースト層を介してと導電ペースト層を形成して、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を準備する(工程(A))。
工程(A)における窒化アルミニウムペースト層の形成は、原料基板上に窒化アルミニウムペーストを塗布し、必要に応じて乾燥することで行われる。
本発明において、上記窒化アルミニウムペーストは、焼結助剤を含有することが必要である。即ち、焼結助剤を含有することにより、窒化アルミニウム焼結体基板と焼結助剤を含有しない導電ペーストによって形成されるメタライズ層との接合を後述する焼成によって強固に行なうことができる。
上記窒化アルミニウムペーストの組成は、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤、有機バインダー及び有機溶媒を基本組成とし、その他、必要に応じて、分散剤、可塑剤等の公知の成分を更に含有してもよい。
本発明において、窒化アルミニウムペーストに含まれる窒化アルミニウム粉末としては、粒径や比表面積等、特に制限なく、また、直接窒化法、還元窒化法など、公知の製造方法によって得られた窒化アルミニウム粉末が使用可能である。一般に、平均粒径0.5〜3μm、比表面積1〜10m/gの窒化アルミニウム粉末が好適である。
また、焼結助剤としては、窒化アルミニウム粉末の焼結において使用される公知の焼結助剤が特に制限なく使用できる。例えば、酸化イットリウム等の希土類元素酸化物、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物などが挙げられる。
更に、窒化アルミニウムペーストに含まれる有機バインダーとしては、公知のものが特に制限なく使用可能である。たとえばポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル基含有樹脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹脂、ポリエチレンオキサイド等の含酸素樹脂などを一種または二種以上混合して使用することができる。この中でもアクリル系樹脂やセルロース系樹脂は、溶媒に溶けやすく、タングステンペースト等の導電性ペーストに含まれる溶媒を吸収し易いため好適である。
更にまた、窒化アルミニウムペーストに含まれる有機溶媒としては、公知のものが特に制限なく使用可能である。たとえば、トルエン、酢酸エチル、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールなどを使用することができる。
前記窒化アルミニウムペーストに分散剤を使用する場合、該分散剤としては公知のものが特に制限なく使用可能である。たとえば、リン酸エステル系、ポリカルボン酸系などの分散剤を使用することができる。
また、窒化アルミニウムペーストに可塑剤を使用する場合、該可塑剤としては公知のものが特に制限なく使用可能である。例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチルなどを使用することができる。
本発明において、窒化アルミニウムペーストにおける原料成分の配合割合については特に限定されないが、窒化アルミニウム粉末100重量部に対して焼結助剤0.1〜15重量部、有機バインダー6〜20重量部、有機溶媒30〜60重量部、可塑剤0〜10重量部、及び分散剤0〜5重量部が好適である。
窒化アルミニウムペーストの調製方法は各種成分を混合し、均一組成のペーストを得ることができる方法であれば特に限定されず、例えば三本ロールミル、プラネタリミキサー等公知の混練方法が採用できる。
本発明の製造方法では、このようにして調製された窒化アルミニウムペーストを原料基板の表面の少なくとも導電ペースト層が形成される個所に塗布する。
窒化アルミニウムペーストの塗布は、たとえばスクリーン印刷やカレンダー印刷、パッド印刷などの公知の手法により行うことができる。かかる塗布により形成される窒化アルミニウムペースト層の厚みは、1〜20μmが好適である。
本発明において、窒化アルミニウムペースト層の形成後、導電ペースト層を形成する前に形成された窒化アルミニウムペースト層を乾燥しておくことが好ましい。窒化アルミニウムペースト層に含まれる溶媒を蒸発させて除去することで、窒化アルミニウムペースト上に塗布される導電ペーストに含まれる溶媒をより吸収しやすくなり、導電ペースト層を精度よく形成することができる。
工程(A)における導電ペースト層の形成は、前記のようにして形成した窒化アルミニウムペースト層上に、導電ペーストを所定のパターンに塗布し、必要に応じて乾燥することで行われる。
本発明で使用する導電ペーストとしては、焼結助剤が含まれていてはならない。焼結助剤が含まれていると、焼成中にメタライズ層上に焼結助剤の偏析が起こるため、めっき層の不均一化や外観不良が発生する。
また、導電ペーストに含まれるタングステン粉末としては、粒径や比表面積等、特に制限なく使用可能である。一般には、平均粒径1〜5μm、比表面積0.1〜5m/gのタングステン粉末が一般に使用される。
本発明において、前記導電ペーストには、前記の窒化アルミニウムペーストにおいて例示した窒化アルミニウム粉末が何ら制限無く使用される。
上記導電ペーストの組成は、タングステン粉末、窒化アルミニウム粉末、有機バインダー及び有機溶媒を基本組成とし、その他、必要に応じて、分散剤、可塑剤等の公知の成分を更に含有してもよい。
上記導電ペーストの組成において、窒化アルミニウム粉末の含有量は、タングステン100重量%に対して6重量%〜20重量%、好ましくは、6〜12重量%含有することが重要である。即ち、上記導電ペーストに6重量%以上窒化アルミニウム粉末を含有することにより、メタライズ層の緻密化及び、前記窒化アルミニウム層とメタライズ層との間に十分な密着強度を得ることが可能となる。また導電ペーストにおいて、窒化アルミニウム粉末の含有量が20重量%を超えた場合、メタライズ層の電気抵抗が大きく増加し、導電層としての機能が低下する。
本発明において、前記導電ペーストに含まれる有機バインダーとしては、公知のものが特に制限なく使用可能である。たとえば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル基含有樹脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹脂、ポリエチレンオキサイド等の含酸素樹脂などを一種または二種以上混合して使用することができる。
また、導電ペーストに含まれる有機溶媒としては、公知のものが特に制限なく使用可能である。たとえば、トルエン、酢酸エチル、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールなどを使用することができ、セラミックペーストの樹脂を溶解しやすい溶媒を選択することがより好ましい。尚、セラミックペーストと導電ペーストは、同種の有機バインダー、有機溶媒を選択する方が有機バインダーと有機溶媒とのなじみが良くなるためより好ましい。
本発明において、導電ペーストに分散剤を使用する場合、該分散剤は、公知のものが特に制限なく使用可能である。たとえば、リン酸エステル系、ポリカルボン酸系などの分散剤を使用することができる。
また、導電ペーストに可塑剤を使用する場合、該可塑剤としては、公知のものが特に制限なく使用可能である。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチルなどを使用することができる。
本発明において、導電ペーストに配合される、前記窒化アルミニウム粉末以外の成分の配合割合は、特に限定されないが、窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、有機バインダー5〜10重量部、有機溶媒10〜50重量部、可塑剤0〜5重量部、及び分散剤0〜5重量部が好適である。
前記導電ペーストの調製方法は各種成分を混合し、均一組成のペーストを得ることができる方法であれば特に限定されず、例えば三本ロールミル、プラネタリミキサー等公知の混練方法が採用できる。
本発明において、導電ペーストの塗布は、たとえばスクリーン印刷やカレンダー印刷、パッド印刷などの公知の手法により行うことができる。形成される導電ペースト層の厚さは、特に限定されないが、一般的には1〜100μm、好ましくは5〜30μm程度である。導電ペースト層が薄すぎると、焼成中に下層の窒化アルミニウム層に含まれる焼結助剤がメタライズ層上に偏析する可能性がある。導電ペースト層が厚すぎると、不必要な量の導電ペーストを使用することになり不経済であるし、厚みが不均一になったり焼成後にひずみが発生したりする可能性がある。
(工程(B))
本発明の製造方法では、上記工程(A)により準備されたメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を焼成する(工程(B))ことで本発明における製造物であるメタライズド窒化アルミニウム基板が得られる。
尚、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を焼成する前には、導電ペースト層及び窒化アルミニウムペースト層について脱脂を行っても何ら差し支えはない。
かかる脱脂は、酸素や空気などの酸化性ガス、あるいは水素などの還元性ガス、アルゴンや窒素などの不活性ガス、二酸化炭素およびこれらの混合ガスあるいは水蒸気を混合した加湿ガス雰囲気中でメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を熱処理することにより行われる。また、熱処理条件は、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体に含まれる有機成分の種類や量に応じて温度:100℃〜1200℃、保持時間:1分〜1000分の範囲から適宜選択すればよい。
脱脂処理に引き続き行なわれる焼成は、1600〜1900℃、好ましくは、1700〜1850℃の温度で、30分以上、好ましくは、2〜10時間の時間焼成すればよい。この焼成の際の雰囲気としては、窒素ガス等の非酸化性ガスの雰囲気下で、常圧で行えばよい。
上記焼成により、窒化アルミニウム焼結体基板に、導電ペーストが強固に密着し、前記問題を回使用したメタライズド窒化アルミニウム基板が得られる。
因みに、図2は、後述する実施例1において得られたメタライズド窒化アルミニウム焼結体基板と導電層との接合部分を含む領域の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)写真により示すものである。図2に示されるように、本発明の製造方法で得られたメタライズド窒化アルミニウム基板においては、焼結メタライズ層は、タングステンの焼結体からなる連続相中に窒化アルミニウム焼結体相が分散した構造を有するとともに、当該焼結メタライズ層と前記窒化アルミニウム焼結体基板との接合界面近傍(例えば界面から±1μm以内の領域)では、前記窒化アルミニウム焼結体基板を構成する窒化アルミニウムと前記連続相に分散する窒化アルミニウムとが一体化していることが分かる。すなわち、接合界面では高融点金属相と窒化アルミニウム層とが相互に入り込んだ構造となっていることが分かる。このため、化学的な接合に加えて所謂アンカー効果による強固な物理的接合が起こるため高い接合力が得られるものと考えられる。
このように、本発明の製造方法によれば、基板の変形が起こらないというポストファイア法の利点を保持したまま、コファイア法と同等の接合強度を得ることができる。このため、本発明の製造方法により多数個取り用の基板を製造した場合には、メタライズ層の接合強度が高く、パターン配列公差が極めて小さい多数個取り用基板を効率的に製造することができる。
(後処理)
本発明において、工程(B)終了後は、基板を冷却して取り出し、必要に応じて、メタライズ層上にNi、Ni−P、Ni−B、Pd−P、Au、Ag、Cu等からなる導電層を形成してもよい。このような導電層の形成方法としては、電解メッキ法や、無電解メッキ法のメッキ法が一般的であり、本発明の効果が最も発揮されるが、その他、蒸着法等の薄膜メタライズ法なども採用できる。このような導電層を形成することにより半田付けやワイヤーボンディングが容易に行なえるようになる。
図3に示すように多数個取り用基板においては、配線パターンユニットの境界に沿って切断することにより、表面に1つの配線パターンユニットを有するメタライズド窒化アルミニウム基板チップを製造するのであるが、このときの切断はダイヤモンドを含む切断用のブレードを用いて直線的に切断するのが一般的である。このため、多数個取り用基板が多くの配線パターンユニットを有し、しかもパターン配列公差が大きい場合には、切断時に一部のパターンを傷つけてしまい歩留まりが低下してしまう。上記の多数個取り用基板は、パターン配列公差が小さいばかりでなくメタライズ層の接合強度も高いので、このような多数個取り用基板を使用した場合には、メタライズの信頼性の高いチップを高い歩留まりで製造することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例において、膨れの発生率は、前記図3に示すように、14×10mmチップの複数個取り用の配線パターンが形成されたメタライズド窒化アルミニウム焼結体基板のメタライズ層上にNi/Pd/Auからなる無電解メッキ処理を施した後に、配線パターンユニットの境界に沿って切断して、温度80℃、湿度90%の高温高湿条件下で七日間保管した後に、300℃で1分間加熱試験を行った際の、100チップあたりの膨れの発生個数の割合(%)にて評価した。
また、反りは、前記多数個取り用基板を配線パターンユニットの境界に沿って切断した後、1つのチップを水平な台に設置し、図4(平面図)及び図5(図4のA−A’断面図)に示すようにチップの4点を裏面から真空引きし、その際に流れる空気の流量を測定し、100チップあたりの平均流量によって評価した。
実施例1
平均粒径1.5μmの窒化アルミニウム粉末100重量部、平均粒径0.5μmの酸化イットリウム粉末5重量部とエチルセルロース9重量部、テルピネオール40重量部を混練し25℃における粘度を3500ポイズに調整した窒化アルミニウムペーストを作成し、次いで、該ペーストを、酸化イットリウムを5重量部含有する窒化アルミニウム焼結体基板(50mm□)の表面を研磨し(研磨後の基板の厚み0.3mm)、表面粗さをRaで0.03μmとした基板上に厚み10μmでスクリーン印刷した。
次いで、平均粒径2μmのタングステン100重量部、平均粒径1.5μmの窒化アルミニウム粉末7重量部、リン酸エステル1重量部、エチルセルロース2重量部、テルピネオール10重量部、を混練し25℃における粘度を1000Pに調整した導電ペーストを作製した。その後、この導電ペーストを用いてスクリーン印刷法にて、窒化アルミニウムペースト層上に図3に示すような配線パターンユニットが縦横夫々10個ずつ格子状に配置されたパターンを形成し、その後60℃で10分乾燥することによりメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を得た。尚、乾燥後のパターンの厚さは10μmであった。
上記のようにして得られた基板を、大気中、200℃にて1時間脱脂後、窒素ガス中、1800℃にて8時間焼成を行ない、メタライズド窒化アルミニウム基板を得た。
得られたメタライズド窒化アルミニウム基板の25℃での電気抵抗率は、4端子法にて幅1.5mm、長さ3.5mmの領域の抵抗とメタライズ膜厚より測定したところ、その値は7.65×10−2Ωであった。また、該メタライズド窒化アルミニウム基板の膨れの発生率の調査を行なった。
得られたメタライズド窒化アルミニウム基板について、100チップあたりの膨れの発生割合、及び基板の反りについて評価を行った。その結果を表1に示した。
また、得られたメタライズド窒化アルミニウム基板について、前記膨れ発生率の試験において、メタライズ層上にNi/Pd/Auからなる無電解メッキ処理を施した後のめっき面の表面状態を観察した結果、極めて平滑であった。
実施例2
導電ペーストに含まれるタングステン粉末、窒化アルミニウム粉末の量を、タングステン粉末100質量部、窒化アルミニウム粉末8.5質量部、とした他は実施例1と同様にしてメタライズド窒化アルミニウム基板を製造し、得られた基板について実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1に示した。
また、得られたメタライズド窒化アルミニウム基板について、前記膨れ発生率の試験において、メタライズ層上にNi/Pd/Auからなる無電解メッキ処理を施した後のめっき面の表面状態を観察した結果、極めて平滑であった。
実施例3
導電ペーストに含まれるタングステン粉末、窒化アルミニウム粉末の量を、タングステン粉末100質量部、窒化アルミニウム粉末10質量部、とした他は実施例1と同様にしてメタライズド窒化アルミニウム基板を製造し、得られた基板について実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1に示した。
また、得られたメタライズド窒化アルミニウム基板について、前記膨れ発生率の試験において、メタライズ層上にNi/Pd/Auからなる無電解メッキ処理を施した後のめっき面の表面状態を観察した結果、極めて平滑であった。
実施例4
導電ペーストに含まれるタングステン粉末、窒化アルミニウム粉末の量を、タングステン粉末100質量部、窒化アルミニウム粉末15質量部、とした他は実施例1と同様にしてメタライズド窒化アルミニウム基板を製造し、得られた基板について実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1に示した。
比較例1
導電ペーストに含まれるタングステン粉末、窒化アルミニウム粉末の量を、タングステン粉末100質量部、窒化アルミニウム粉末0質量部、とした他は実施例1と同様にしてメタライズド窒化アルミニウム基板を製造し、得られた基板について実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1に示した。
比較例2
導電ペーストに含まれるタングステン粉末、窒化アルミニウム粉末の量を、タングステン粉末100質量部、窒化アルミニウム粉末5質量部、とした他は実施例1と同様にしてメタライズド窒化アルミニウム基板を製造し、得られた基板について実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1に示した。
Figure 0005388946
1 窒化アルミニウム焼結体基板
2 窒化アルミニウムペースト層
3 導電ペースト層
4 W
5 AlN
6 Y
7a 測定点
7b 測定点
7c 測定点
7d 測定点
8 水平台
9 測定機

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウム焼結体基板上に、焼結助剤を含有する窒化アルミニウムペースト層を介して、焼結助剤を含有せずかつタングステン100重量部に対して窒化アルミニウムを6〜20重量部含有する導電ペースト層を形成して、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を得る工程(A)と、前記工程によって得られたメタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を焼成する工程(B)とを含むメタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法。
  2. 前記焼成工程において、メタライズド窒化アルミニウム基板前駆体を1700℃〜1900℃の温度に30分以上保持することにより焼成を行なうことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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