JP4950379B2 - AlNメタライズ基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高集積化した半導体素子を搭載するAlNメタライズ基板およびその製造方法であって、耐熱サイクル特性に優れた高信頼性を有するAlNメタライズ基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化,高密度化および半導体部品の高出力化に伴い、半導体部品から発生する熱が増大する傾向にある。
【0003】
窒化アルミニウム(AlN)は、高い熱伝導率を有し、電気絶縁性が良く、Siとほぼ同じ熱膨張率を有するなどの優れた性質を持つ。このため、基板材料にAlN焼結体を適用して、半導体部品から発生する熱を効率良く放熱する半導体部品が実用化されている。
【0004】
AlN焼結体を半導体部品搭載用基板として実際に使用する際、AlN基板表面に導電性金属からなるメタライズ層を形成し、回路形成や電子部品の搭載部を形成する必要がある。
【0005】
メタライズ層を形成する方法の一つとして、同時焼成法(コ・ファイア法:Co−fire法)が挙げられる。同時焼成法では、一般的に、以下に示す手順により窒化アルミニウム基板上にメタライズ層が形成される。
【0006】
有機化合物よりなる結合剤を用いて成形されたAlNグリーンシートに、W,Moなどの高融点金属粉末ペーストを印刷した成形体を形成し、この成形体を加熱脱脂し、その後、非酸化性雰囲気下で焼結して、AlNメタライズ基板を製造する。
【0007】
同時焼成法では、AlN基板の焼結とメタライズ層のAlN基板への焼き付けとが一回の焼成で同時に行われる。このため、焼結によりAlN基板を形成した後、このAlN基板上に導電性金属からなる回路層を直接接合してAlN回路基板を作成する直接接合法(DBC:Direct Bonding Copper)、または、AlN基板上にろう材を介して導電性金属からなる回路層を接合する活性金属法などの方法(ポスト・ファイア法)に比べ、製造工程数が少ない。その結果、同時焼成法によりAlNメタライズ基板を製造することで、製造コストを低減できるという利点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同時焼成法によりAlNメタライズ基板を製造すると、焼結時に窒化アルミニウム焼結体中のガラス成分(液相成分)が基板表面に溶出してしまい、染みや変色などが発生し、外観不良となる問題が生じていた。
【0009】
ガラス成分(液相成分)の溶出がより一層増加すると、AlN基板とメタライズ層との接合面にガラス成分が残存し、残存したガラス成分はAlN基板とメタライズ層との接合を妨げ、AlN基板とメタライズ層との接合面に未接合部を形成してしまい、AlN基板とメタライズ層との接合強度が低下してしまうという問題を有していた。
【0010】
また、接合面にガラス成分が残存している上述のAlNメタライズ基板に大電流を流すなどにより昇温・冷却の熱サイクルを繰り返すと、AlN基板とメタライズ層とは熱膨張率が異なるため、熱膨張率の大きいAlN基板に圧縮応力がかかり、熱膨張率の小さいメタライズ層には引張り応力がかかる。このため、ガラス成分の残存する未接合部が亀裂発生部位となり、この未接合部を起点として次第にAlN基板とメタライズ層との接合面に剥離が生じてしまい、その結果、耐熱サイクル特性が低下してしまうという問題を有していた。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、AlN基板とメタライズ層との接合強度を向上させるとともに、耐熱サイクル特性を向上させて、高い信頼性を有する放熱特性の優れたAlNメタライズ基板を提供することを目的とする。
【0012】
また、不良品の発生を減らし、コスト低減を図ったAlNメタライズ基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、メタライズ層の接合強度の低下を防止すべく、鋭意研究を行った結果、AlN基板を形成するAlN焼結体の焼結密度を理論密度である3.34g/cmよりもわずかに低減した3.31〜3.33の範囲とすることで、AlN基板とメタライズ層との接合強度を10MPa以上とし、耐熱サイクル特性上、問題無く実用化できるAlNメタライズ基板が得られることを見い出した。
【0014】
その理由は、焼結密度を理論密度よりわずかに低減してAlN焼結体内部に気孔を形成することにより、焼結時に形成されるガラス成分(液相成分)を気孔に留め、基板表面へのガラス成分の溶出を防止したものと考えられる。
【0015】
また、AlN焼結体の焼結密度を理論密度よりも低くしたため、AlN基板表面が粗面化されており、AlN基板とメタライズ層とが接合面で複雑にからみあって密着するアンカー効果(anchoring effect)を得ることができ、このアンカー効果によりAlN基板とメタライズ層との接合強度を向上させたものと考えられる。
【0016】
すなわち、本発明は、AlN焼結体からなるAlN基板の少なくとも一方の面に、高融点金属を主成分とする同時焼成メタライズ層が一体に形成されたAlNメタライズ基板において、前記AlN基板を構成するAlN焼結体の密度が3.31〜3.33g/cm 前記AlN基板の厚さが0.3〜1.0mmであり、前記高融点金属は、タングステンまたはモリブデンのいずれか一種であり、前記メタライズ層は、AlNを2.0〜10.0質量%、Y を0.3〜0.5質量%含有するタングステンまたはモリブデンからなるとともに厚さが10〜30μmであり、前記AlN基板とメタライズ層との接合強度が16MPa以上であることを特徴とする。
【0017】
本発明において、AlN基板の焼結密度を3.31〜3.33g/cmの範囲に規定した理由は、焼結密度が3.33g/cmを超えるとAlN焼結体が緻密化して前述したアンカー効果を発揮できず、接合強度が10MPaよりも低くなり耐熱サイクル特性が低下するとともに、接合強度のばらつきが大きくなるためである。また、焼結密度が3.31g/cm未満ではAlN基板自体の焼結が十分ではないためAlN基板の強度が低下し、また、160W/m・k以上の熱伝導率を得られないため、焼結密度を3.31〜3.33g/cmの範囲に規定した。
【0018】
このようなAlNメタライズ基板において、高融点金属は、タングステンまたはモリブデンのいずれか一種であることが望ましい。
【0019】
また、AlNメタライズ基板において、メタライズ層の厚さは、10〜30mm以上とすることが望ましい。メタライズ層の厚さを10μm未満とすると、十分な接合強度を得ることが困難であるためである。一方、メタライズ層の厚さが30μmを超えると、メタライズ層としての効果が飽和になり30μmを超えた厚さとする利点がない。従って、メタライズ層の厚さを、10〜30μmの範囲とすることが望ましい。なお、メタライズ層の厚さは、メタライズ層の任意の断面において、厚さ方向に任意の直線を5本以上引き、メタライズ層の上端部から下端部までの長さの平均値をメタライズ層の厚さとする。また、メタライズ層中にAlNを添加するなどにより、AlN基板とメタライズ層の界面が判断し難いときには、例えば、図1に示すように、AlN基板1側からAlN基板1とメタライズ層2との界面近傍に順次水平線(水平線▲1▼,▲2▼)を引き、その水平線上の高融点金属の割合が10%以上になったところを基準とする。この基準から、メタライズ層2上端部へ直線(厚さ方向への直線)を引き厚さを求めるものとする。同時焼成を行った際には、高融点金属成分とAlN基1板成分が相互に拡散することもあるため、厚さを測定する際はこのような方法を用いても良い。また、本発明のメタライズ層とは高融点金属を主成分とする層であることから、メタライズ層上に形成しためっき層は本発明のメタライズ層の厚さには含まないものとする。
【0020】
また、AlN基板の厚さは、0.3〜1.0mmであることが望ましい。AlN基板の厚さを0.3mm未満とするとAlN基板の強度が不十分であり、同時焼成時にメタライズ層とAlN基板との熱膨張差によりAlN基板が割れてしまうなどの問題があり、AlN基板の強度が不十分となり同時焼成基板として適していない。一方、AlN基板の厚さが1.0mmを超えると、AlN基板中からガラス成分量が多くなり、ガラス成分の溶出量が増加してガラス成分の溶出の影響を必要以上に受けてしまうためである。
【0021】
なお、本発明のAlN基板厚さはAlN基板単層の厚さであり、例えば、多層構造とする場合は、各単層毎の厚さを示すものである。なお、多層構造の単層の見分け方は、内部配線の位置などにより判別可能である。
【0022】
また、上記のAlNメタライズ基板において、AlN基板は複数枚の基板要素を積層した多層構造とすることが望ましい。
【0023】
上記のAlNメタライズ基板において、メタライズ層は、AlNを含有していることが望ましく、AlN基板の共材であるAlNを含有することで、AlN基板とメタライズ層との接合強度をさらに高めることができる。
【0024】
同時焼成メタライズ層を有するAlNメタライズ基板は、AlN基板の密度を3.31〜3.33g/cmの範囲内とできる製造方法とすれば特に限定されるものではないが、例えば、次のような製造方法が考えられる。
【0025】
すなわち、AlNメタライズ基板の製造方法は、ドクターブレード法により成形したAlN成形体と高融点金属ぺーストとを準備し、前記AlN成形体上に高融点金属ペーストを所定の配線パターンに沿い印刷した後、30分以上放置し、脱脂処理を施した後、非酸化性雰囲気中、1500〜1800℃で3〜5時間同時焼成してAlN焼結体からなるAlN基板上にメタライズ層を一体に形成してAlNメタライズ基板を得るAlNメタライズ基板の製造方法であって、前記高融点金属ペーストは、タングステンまたはモリブデンのいずれか一種である高融点金属に、AlN粉末と酸化イットリウム粉末とを添加したものであり、前記AlNメタライズ基板は、前記AlN基板を構成するAlN焼結体の密度が3.31〜3.33g/cm 前記AlN基板の厚さが0.3〜1.0mmであり、前記メタライズ層は、AlNを2.0〜10.0質量%、Y を0.3〜0.5質量%含有するタングステンまたはモリブデンからなるとともに厚さが10〜30μmであり、前記AlN基板とメタライズ層との接合強度が16MPa以上であることを特徴とする。
【0026】
通常、理論密度を3.34g/cmとした緻密化したAlN焼結体とするために、同時焼成時に1800℃を超える焼結温度とする必要があるが、1800℃よりも低い温度で焼結することで、AlN焼結体の焼結密度を3.31〜3.33g/cmの範囲内とし、焼結密度を理論密度よりもわずかに低くしてAlN焼結体に気孔を形成することができる。これにより、焼結時のガラス成分(液相成分)の溶出を低減できる。また、AlN焼結体にわずかな気孔を形成することにより、AlN基板とメタライズ層とのアンカー効果を発揮することができ、この結果、AlN基板とメタライズ層との接合強度を高めることができる。
【0027】
さらに、AlN成形体上に高融点金属ペーストを所定の配線パターンに沿って印刷した後に放置する工程を導入した場合には、導体ペーストをAlNグリーンシート表面に入り込ませてアンカー効果を強化することができ、その結果、接合強度を高めることができる。なお、この放置時間は少なくとも30分以上とすることが望ましい。
【0028】
そして、同時焼成を行う際、高純度のAlN製焼成敷板上で行うことにより、AlN基板から溶出した余分なガラス成分を吸収することができる。
【0029】
また、上記AlNメタライズ基板の製造方法において、高融点金属ペーストに、AlN粉末と、酸化イットリウム粉末とを添加することが望ましい。このように、AlN粉末、酸化イットリウム(Y)粉末などの焼結助剤を添加することで、より一層AlN基板とメタライズ層との接合強度を高めることができる。なお、酸化イットリウム(Y)粉末の添加量は、具体的には、高融点金属の添加量に対して質量%(重量%と同様)で0.5〜10%添加することが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、表1〜表3を用いて説明する。
【0031】
第1実施形態(表1)
本実施形態では、下記の手順により、AlN焼結体の焼結密度を3.24〜3.34g/cmまで種々変化させたAlNメタライズ基板を作製した。
【0032】
平均粒径1.0μmの窒化アルミニウム(AlN)粉末に、焼結助剤として酸化イットリウム(Y)粉末を質量%で3%添加して原料粉末を調整し、ボールミルにて解砕および混合を行った。この原料粉末に有機バインダおよび有機溶剤(エタノール)を添加した後、混合してスラリー化した。このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形し、縦50mm×横50mm×厚さ0.8mmであるAlNグリーンシートを多数作製した。
【0033】
一方、平均粒径4.0μmのタングステン(W)粉末または平均粒径4.0μmのモリブデン(Mo)粉末を準備し、適量の樹脂バインダおよび分散剤を混合して、WペーストまたはMoペーストを複数作製した。
【0034】
上記の各AlNグリーンシート上に、WペーストまたはMoペーストを縦30mm×横30mm×厚さ30μmになるように印刷した後、40分間放置してWメタライズ層印刷AlN基板およびMoメタライズ層印刷AlN基板を複数作製した。
【0035】
上記各Wメタライズ層印刷AlN基板および各Moメタライズ層印刷AlN基板を窒素雰囲気中、900℃で3時間脱脂処理を行った。
【0036】
AlNからなるセッター(焼結板)上に、脱脂処理した各メタライズAlN基板を配置し、窒素雰囲気中、0.8MPaの加圧下、1500〜1800℃で3〜5時間同時焼成を行い、各種AlNメタライズ基板を得た。
【0037】
上記各100個のAlNメタライズ基板に対してNiめっきを施し、メタライズ層の接合強度を測定し、各測定値から平均値を算出した。
【0038】
また、100個のAlNメタライズ基板からサンプルを1個取り出し、TCT試験を実施して耐熱サイクル特性を評価した。TCT試験は、AlNメタライズ基板に昇温・冷却の熱サイクルを1000回繰り返し、1000サイクル後におけるAlNメタライズ基板を観察したものである。なお、1サイクルは、125℃×30分→室温×10分→45℃×30分→室温×10分とした。昇温・冷却の熱サイクルを施した後、SEM写真により500倍に拡大して、AlNメタライズ基板の観察によりメタライズ層の剥離の状況を調べた。メタライズ層の剥離が確認されなかった場合は、TCT特性を「良好」とし、メタライズ層の剥離が確認された場合は、TCT特性を「不良」とした。
【0039】
さらに、メタライズ層を研磨により除去した後、アルキメデス法を用いてAlN焼結体の焼結密度を測定した。なお、メタライズ層の厚さは各基板とも放置処理を行ったことから、AlN基板とメタライズ層の界面を特定し難いものがあったため、界面近傍にAlN基板側から水平線を引き、高融点金属の割合が10%になったところを基準にし、そこからメタライズ層の上端部までの長さを求めたものとする。これらの結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004950379
【0041】
表1に示すように、AlN焼結体の焼結密度を高くして理論密度(3.34g/cm)に近似させるほど、AlN焼結体は緻密な構造となりAlN基板強度が高くなる。しかし、焼結密度を理論密度である3.34g/cmとした比較例の試料No.9,No.12では、緻密な構造であるためアンカー効果を十分に得ることができず、AlN基板とメタライズ層との接合強度が低下し、また耐熱サイクル特性も不良であった。また、比較例の試料No.7,No.8,No.10,No.11のAlNメタライズ基板は、AlN焼結体の焼結密度を3.31g/cm未満としたため、AlN基板の強度が著しく低下し、いずれも接合強度が10MPa未満でありAlN基板とメタライズ層との接合強度が低下しており、耐熱サイクル特性も不良であった。
【0042】
一方、焼結密度を3.31〜3.33g/cmの範囲とし、わずかな気孔を形成した参考例の試料No.1〜試料No.6のAlNメタライズ基板では、メタライズ層の接合強度がいずれも10MPa以上と高くなっており、耐熱サイクル特性も良好であった。
【0043】
本実施形態によれば、AlN焼結体の焼結密度を理論密度よりもわずかに低い3.31〜3.33g/cmの範囲とすることで、AlN基板とメタライズ層との接合強度と耐熱サイクル特性とを向上させたAlNメタライズ基板を得られる。
【0044】
第2実施形態(表2)
本実施形態では、メタライズ層の厚さおよびAlN基板の厚さを変化させて、複数個のAlNメタライズ基板を作製した。
【0045】
作製手順は、上述した第1実施形態と同様とし、AlN焼結体の焼結密度を3.32g/cmとなるようにAlNメタライズ基板を作製した。
【0046】
得られた各AlNメタライズ基板に対して、第1実施形態と同様の試験条件でAlN基板とメタライズ層との接合強度を測定し、耐熱サイクル特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0004950379
【0048】
表2に示すように、AlN基板の厚さを0.3〜1.0mmとした単層構造からなる参考例の試料No.20〜No.24、また、各単層毎の厚さを0.3〜1.0mmの範囲として多層構造とした試料No.25,No.26では、接合強度がいずれも13MPa以上となっており、メタライズ層の接合強度が優れていた。これに対し、AlN基板の厚さを0.3〜1.0mmの範囲外とした単層構造のAlN基板からなる比較例の試料No.27〜No.29、各単層毎の厚さを0.3〜1.0mmの範囲外として多層構造とした試料No.30,No.31では接合強度が低下していた。また、メタライズ層の厚さを5μmとした試料No.31では、接合強度が低下していた。一方、メタライズ層の厚さを32μmと厚くすると17MPaの接合強度を得られたが、メタライズ層の厚さを30μmとした参考例の試料No.24の接合強度と同じであることから、30μm以上の厚さとする利点が無かった。
【0049】
本実施形態によれば、メタライズ層およびAlN基板の厚さを本発明の範囲と規定することで、10MPa以上と接合強度が高く、耐熱サイクル特性を向上させたAlNメタライズ基板を得ることができた。
【0050】
第3実施形態(表3)
本実施形態では、メタライズ層中にAlN基板と共材であるAlNを添加したAlNメタライズ基板を作製した。
【0051】
作製手順は、上述した第1実施形態とほぼ同様の手順であり、WペーストまたはMoペースト中にAlNまたはYを表3に示すように添加した。そして、AlN焼結体の焼結密度を3.31〜3.33g/cmの範囲となるようにし、メタライズ層の厚さを25μmとしたAlNメタライズ基板を作製した。これを試料No.40〜試料No.45とした。
【0052】
得られた各AlNメタライズ基板に対して、第1実施形態と同様の条件下で接合強度の測定および耐熱サイクル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0004950379
【0054】
表3に示すように、メタライズ層にAlN基板の共材であるAlNを添加した試料No.40〜No.45のAlNメタライズ基板は、いずれも15MPa以上の接合強度を示しており、また、耐熱サイクル特性も良好であった。
【0055】
本実施形態によれば、メタライズ層にAlN基板の共材であるAlNを添加することで、より一層AlN基板とメタライズ層との接合強度を向上させるとともに、耐熱サイクル特性の向上を図ることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のAlNメタライズ基板によれば、AlN基板とメタライズ層との接合強度を10MPa以上として、接合強度の向上させて耐熱サイクル特性の優れた高熱伝導率のAlNメタライズ基板を得られるため、半導体素子をより一層高集積化,高速化,大チップ化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAlNメタライズ基板における、メタライズ層の厚さ測定するための図であり、AlNメタライズ基板の断面を示す図。
【符号の説明】
1 AlN基板
2 メタライズ層

Claims (3)

  1. AlN焼結体からなるAlN基板の少なくとも一方の面に、高融点金属を主成分とする同時焼成メタライズ層が一体に形成されたAlNメタライズ基板において、
    前記AlN基板を構成するAlN焼結体の密度が3.31〜3.33g/cm 前記AlN基板の厚さが0.3〜1.0mmであり、
    前記高融点金属は、タングステンまたはモリブデンのいずれか一種であり、
    前記メタライズ層は、AlNを2.0〜10.0質量%、Y を0.3〜0.5質量%含有するタングステンまたはモリブデンからなるとともに厚さが10〜30μmであり、
    前記AlN基板とメタライズ層との接合強度が16MPa以上であることを特徴とするAlNメタライズ基板。
  2. 請求項1に記載のAlNメタライズ基板において、前記AlN基板は複数枚の基板要素を積層した多層構造としたことを特徴とするAlNメタライズ基板。
  3. ドクターブレード法により成形したAlN成形体と高融点金属ぺーストとを準備し、前記AlN成形体上に高融点金属ペーストを所定の配線パターンに沿い印刷した後、30分以上放置し、脱脂処理を施した後、非酸化性雰囲気中、1500〜1800℃で3〜5時間同時焼成してAlN焼結体からなるAlN基板上にメタライズ層を一体に形成してAlNメタライズ基板を得るAlNメタライズ基板の製造方法であって、
    前記高融点金属ペーストは、タングステンまたはモリブデンのいずれか一種である高融点金属に、AlN粉末と酸化イットリウム粉末とを添加したものであり、
    前記AlNメタライズ基板は、
    前記AlN基板を構成するAlN焼結体の密度が3.31〜3.33g/cm 前記AlN基板の厚さが0.3〜1.0mmであり、
    前記メタライズ層は、AlNを2.0〜10.0質量%、Y を0.3〜0.5質量%含有するタングステンまたはモリブデンからなるとともに厚さが10〜30μmであり、
    前記AlN基板とメタライズ層との接合強度が16MPa以上であることを特徴とするAlNメタライズ基板の製造方法。
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