JP4880830B2 - メタライズ層を有する窒化アルミニウム基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面にメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、タングステン(W)等の高融点金属をメタライズ層とした窒化アルミニウム基板が開発されている。これらの基板は同時焼結法(co−fire)が適用可能であることから、例えば直接接合法(DBC)法や活性金属接合法により銅回路板を接合したものと比べて製造工程が少ないためコストが安く済むという利点がある。
しかしながら、上記接合法を用いたものと比較して接合強度が低いという問題を抱えていた。これを解決するために従来からWメタライズ層中にAlN粉末(窒化アルミニウム粉末)などを添加することにより接合強度の向上を図っていた。Wメタライズ層中にAlN粉末を入れることにより接合強度が向上したメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板を作製することが可能となった。
【0003】
その一方で、片面のみにメタライズ層を形成した窒化アルミニウム基板では、メタライズ層形成時に反りや熱変形が発生し易かった。この反り等の問題は同時焼成法に限らずpost−fire(予め焼結したAlN基板上にW等のメタライズ層を印刷し熱処理により接合する方法)においても生じていた。
このような反り等の問題を解決するために特開平6−196584号公報に記載されたように両面にメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板が開発されている。両面にメタライズ層を設けることにより反り等の問題は解決されている。
【0004】
しかしながら、両面にメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板は上記公報を見て分かる通り、必ずしも両面メタライズ層の両方を半導体素子搭載面とするのではなく、一方のメタライズ層のみを半導体素子搭載面としている。一般的に、半導体素子搭載面とならない面に設けられたメタライズ層はメッキ層、ろう材層または接着剤等を介して放熱板(ヒートシンク)、収納容器または実装ボード等に接合されている。
このような形態である場合、半導体素子搭載面のメタライズ層は半導体素子の発熱の影響を直接的に受けるためより強固な接合が求めれるが、放熱板等に接合される半導体素子非搭載面のメタライズ層は放熱板等の放熱性が良好であることから熱による膜剥がれ等の影響を受け難い。そのため、半導体素子非搭載面のメタライズ層は半導体素子搭載面側のメタライズ層より接合強度が低くても実質的な問題は生じ難いものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の両面にメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板は表裏面共に同じメタライズ層を形成していた。このため表裏面のメタライズ層の区別ができなかった。
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、タングステンまたはモリブデンの少なくとも一方を主成分とするメタライズ層を両面に有する窒化アルミニウム基板において、メタライズ層中のAlN粉末の含有量を異ならせることにより、より強固な接合強度が求められる半導体素子搭載面側のメタライズ層の接合強度を向上させたものである。
【0006】
つまりは、半導体素子搭載面側のメタライズ層(表面側メタライズ層)と半導体素子非搭載面側のメタライズ層(裏面側メタライズ層)のAlN粉末含有量を4質量%以上異ならせることにより、メタライズ層表面の色調を変えることができる。このように色調を変えることにより、表面側メタライズ層と裏面側メタライズ層の区別を目視により可能にすることができる。
また、メタライズ層は同時焼成法により形成されたことが好ましい。また、表面側メタライズ層中のAlN粉末含有量は5〜35質量%、裏面側メタライズ層のAlN粉末含有量は20質量%以下かつ表面側メタライズ層中のAlN粉末含有量より4質量%以上異ならせることが好ましい。
【0007】
さらに、メタライズ層の平均厚さは10〜30μmが好ましく、メタライズ層中のAlN粉末の平均粒径が1μm以下であることが好ましい。
このようなメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板であれば、半導体素子搭載面側(表面側)メタライズ層の接合強度を低下させず、半導体素子非搭載面側(裏面側)メタライズ層と半導体素子搭載面の区別を視覚的に可能とすることができる。また、半導体素子非搭載面側メタライズ層中のAlN粉末量を減らしていることからコストダウンも可能である。さらに同時焼成法を用いることにより、よりコストを下げることも可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板は、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)からなる高融点金属の少なくとも一方を主成分とするメタライズ層を両面に有するものである。その一例として図1に断面図を表示した。1は窒化アルミニウム基板、2は表面側メタライズ層、3は裏面側メタライズ層である。なお、メタライズ層の主成分としてはW合金、Mo合金、WとMoの混合物であってもよい。
【0009】
このようなメタライズ層中にAlN粉末を含有させるものであり、表面側メタライズ層と裏面側メタライズ層中のAlN含有量を異ならせることを特徴とするものである。本発明においては、表面側と裏面側のメタライズ層中のAlN粉末量を異ならせておけば十分に効果が得られるものであるが、より好ましくは[(表面側メタライス層中のAlN粉末含有量)−(裏面側メタライズ層中のAlN粉末含有量)]≧4質量%を満たすことである。高融点金属を主成分とするメタライズ層中のAlN粉末の含有量が少なくなるにしたがって焼成後のメタライズ層の外観上色調が黒くなる。このとき、表面側と裏面側で4質量%以上異ならせることにより、色調が異なることを視覚的に判断し易くなる。
【0010】
また、各表面に設けられるメタライズ層は一つである必要はなく、例えば2つ以上の半導体素子を搭載するときに図2に示したように表面側メタライズ層を2個所設けても良い。また、一つの表面に2個所以上のメタライズ層を設ける場合、図3に示したように少なくとも1個所のメタライズ層の色調を裏面側メタライズ層と変えることにより本発明の効果は十分に得られる。
【0011】
表面側(半導体素子搭載面側)メタライズ層中のAlN粉末の含有量は5〜35質量%が好ましい。含有量が5質量%未満ではAlN粉末を添加する効果が十分得られず、35質量%を超えるとメタライズ層表面にAlN粉末の滲み出し量が多くなり、メタライズ層表面に設けるメッキ層等との接合強度が十分に得られなくなる。また、メタライズ層中にAlN粉末が所定量添加されていると窒化アルミニウム基板とメタライズ層の熱膨張差を緩和できるのでTCT特性を向上させることができる。
【0012】
一方、裏面側(半導体素子非搭載面側)メタライズ層中のAlN粉末の含有量は、前述のように表面側メタライズ層中のAlN粉末含有量と比較して4質量%以上少なければ十分であるが、より好ましくは20質量%以下である。裏面側メタライズ層は半導体素子非搭載面であることから半導体素子の発熱の影響を直接的には受け難い。また、裏面側メタライズ層は主としてメッキ層、ろう材層または接着剤層等を介して放熱板(ヒートシンク)、収納容器または実装ボード等に接合される。そのため、裏面側メタライズ層は表面側に比べて放熱効果を得やすいことから、メタライズ層と窒化アルミニウム基板の接合強度が低くても膜剥がれやフクレ等の不具合が生じ難い。
【0013】
メタライズ層中のAlN粉末の含有量は、焼成前の高融点金属とAlN粉末の合計量で計算することが好ましい。計算例:[AlN粉末量/(AlN粉末量+高融点金属量)]×100(%)=メタライズ層中のAlN粉末の含有量(質量%)。
焼成後のメタライズ層中のAlN粉末の含有量を測定する方法としては、メタライズ層の断面においてEPMA等により単位面積50μm×50μmを任意の5個所以上測定し、その平均値により求める方法を適用しても良い。メタライズ層を構成する高融点金属およびAlN粉末はいずれも焼成により揮発し易い成分ではなく、また反応して化合物を形成する成分でもないことから断面をEPMA等により測定する方法も適用可能である。
【0014】
メタライズ層の平均厚みは10〜30μmが好ましい。厚みがこの範囲外であっても本発明の効果は得られるが、平均厚みが10μm未満であるとメタライズ層と窒化アルミニウム基板の接合強度が十分でない。平均厚みが30μmを超えてもそれ以上の接合強度等の大幅な改善は見られず、高価な高融点金属の使用量が増えるだけなのでコスト面で好ましくない。
メタライズ層の平均厚みの測定方法は、メタライズ層の断面において、メタライズ層の厚み方向における高融点金属層の厚みを任意の5個所以上測定し、その平均値により求めるものとする。このとき、メタライズ層の幅方向を5等分し、その5個所を測定する方法がメタライズ層の平均厚みを測定するには、より好ましい方法である。
【0015】
メタライズ層中に添加するAlN粉末は平均粒径1μm以下であるものが好ましい。平均粒径が1μmを超えるものであっても効果は得られるが、あまりAlN粉末が大きいとメタライズ層表面での滲み出し量が増加しメッキ層等との接合強度やTCT特性等を低下させる。一方、あまり小さくても色調を変える効果を得難いので平均粒径0.3〜1μmが好ましい。
また、メタライズ層中に添加するAlN粉末は未焼成の粉末であってもよいが、一旦焼成したAlN粉末(AlN焼成粉)を用いた方がメタライズ層表面への滲み出しが少ないので好ましい。さらに、メタライズ層中のAlN粉末は焼成により粒成長することが考えられるが、焼成後のメタライズ層中のAlN粉末においても平均粒径は1μm以下が好ましい。
【0016】
メタライズ層へはAlN粉末以外の添加物を添加させてもよい。他の添加物としては、例えば窒化アルミニウム基板の焼結助剤からなる粉末等が挙げられる。なお、他の添加物が含有されたメタライズ層を使用する場合のメタライズ層中のAlN粉末の含有量は、高融点金属、AlN粉末、他の添加物の合計量に対するAlN粉末の含有量で測定するものとする。また、他の添加物として酸化イットリウム等を使用し、他の添加物とAlN粉末が反応して反応物を形成してしまった場合は、その反応物もAlN粉末としてカウントするものとする。他の添加物は積極的に添加しない場合、例えば焼成中に窒化アルミニウム基板から焼結助剤が移動してしまうような場合も添加と見なすこととする。
【0017】
製造方法については特に限定されるものではないが、例えば次のような方法がある。
まず、メタライズ層用ペーストの調整として、高融点金属粉末およびAlN粉末、必要に応じ他の添加物粉末を用意し、有機バインダ中に混合する。AlN粉末の平均粒径は1μm以下であることが好ましく、高融点金属粉末の平均粒径は4μm以下であることが好ましい。このとき、表面側メタライズ層用ペーストと裏面側メタライズ層用ペーストとしてAlN粉末の含有量を異ならせたものをそれぞれ調整する。
【0018】
窒化アルミニウムグリーンシートの調整として、窒化アルミニウム粉末と、必要に応じ希土類酸化物等の焼結助剤粉末を有機バインダと共に混合し、ドクターブレード法等によりシート状に成形する。シートの厚みは特に限定されるものではないが、0.3〜1mm程度が実用上好ましい。厚さが0.3mm未満では焼成後の窒化アルミニウム基板の強度が十分でなく、1mmを超えると基板としての熱抵抗が増加するため窒化アルミニウム基板の持つ熱伝導率の高さを十分活かしきれなくなる恐れがある。
【0019】
次に、窒化アルミニウムグリーンシートの表面に表面側メタライズ層用ペーストをスクリーン印刷法等により塗布し、裏返して裏面側メタライズ層用ペーストを塗布する。裏返す際にペーストが流れ落ちないようにするため、表面側メタライズ層用ペーストを塗布した後、焼成用敷板で押さえる等の方法が有効である。また、別の方法では表面側メタライズ層用ペーストを焼成用敷板に塗布した後、窒化アルミニウムグリーンシートを重ねて配置し、その上に裏面側メタライズ層用ペーストを塗布する方法もある。なお、表面側および裏面側メタライズ層用ペーストの塗布順番については、どちらが先であっても実質的な問題はない。
【0020】
このように窒化アルミニウムグリーンシートの表裏面にメタライズ層用ペーストを塗布した後、脱脂、同時焼成する。同時焼成条件としては、窒素等の非酸化性雰囲気中、1650〜1850℃×1〜8時間程度が好ましい。
以上のような同時焼成法により作製することが製造工程が少なくコスト面からは好ましいが、本発明は同時焼成法に限らず、post−fire法や、片方のメタライズ層のみを同時焼成法により形成した後にもう一方のメタライズ層をpost−fire法で形成してもよい。
【0021】
【実施例】
(実施例1〜7、参考例1〜3、比較例1)
平均粒径4μm以下の高融点金属粉末、平均粒径0.6μmのAlN焼成粉を有機バインダに混合してメタライズ層形成用ペーストを調整した。また、窒化アルミニウムグリーンシートとして、平均粒径0.8μの窒化アルミニウム粉末に平均粒径0.8μm以下の酸化イットリウム粉末を3質量%混合し、ドクターブレード法によりシート成形した。窒化アルミニウムグリーンシートの表裏面に表1に示したメタライズ層形成用ペーストを塗布し、脱脂後、同時焼成することにより、実施例、参考例および比較例に係るメタライズ層を表裏面に設けた窒化アルミニウム基板を作製した。
【0022】
各メタライズ層を有する窒化アルミニウム基板を100枚作製し、それぞれ表裏面を目視により区別可能かを検討した。また、比較のために表裏面のメタライズ層中に添加するAlN粉末の含有量を同じにしたもの比較例1、AlN粉末を添加しないものを比較例2として用意し、同様の検討を行った。なお、窒化アルミニウム基板サイズは縦50mm×横50mm×厚さ0.6mm、メタライズ層サイズは縦30mm×横30mm、メタライズ層中に添加するAlN粉末の平均粒径は0.6μmに統一した。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表1から分かる通り、表面側メタライズ層と裏面側メタライズ層中のAlN粉末の含有量を異ならせた本実施例に係るメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板は目視により表裏面の区別を行うことが可能であった。また、参考例1のように表裏面のメタライズ層中のAlN粉末の含有量の差が4質量%未満のものはメタライズ層表面の色調の変化が少なく目視による区別が可能なものと難しいものが存在していたことから「やや可」と表記した。また、比較例1のようにAlN粉末を添加していても含有量に差が無いものや、比較例2のようにAlN粉末を添加しないものは目視による表裏面の区別はできなかった。
【0025】
(実施例11〜17、参考例11〜13、比較例3〜4)
実施例1〜7、参考例1〜3および比較例1〜2のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板に対し、表面側メタライズ層のピール強度、表裏面のメタライズ層のTCT特性を調べた。ピール強度は、メタライズ層上に厚さ5μmのNiメッキを施した後、BAg−8のろう材を用いて接合面積10mm×10mmとしたコバール板を接合して測定した。TCT特性は、表面のメタライズ層上に厚さ5μmのNiメッキを施し、−55℃×30分→室温×10分→160℃×30分→室温×10分を1サイクルとして1000サイクル後の表面側メタライズ層の割れおよびNiメッキの膨れの有無について測定した。その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
表2から分かる通り、AlN粉末を含有させたメタライズ層はピール強度が2.4kN/m以上と高いことが分かった。なお、参考例13のようにメタライズ層中のAlN粉末の含有量を50質量%と必要以上に多くしたものは、メタライズ層中のAlN粉末の滲み出し等によりメッキ層のフクレが生じることが分かった。
【0028】
(実施例21〜22、参考例21〜22)
実施例14のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板に対し、表面側メタライズ層の平均厚みを表3のように変えたものを用意し、実施例14と同様の測定を行った。その結果を表3に併せて示す。
【0029】
【表3】
【0030】
表3から分かる通り、参考例21のようにメタライズ層の厚さが10μm未満であるとTCT特性としてメタライズ層が割れやすいことが分かった。また、参考例22のようにあまり厚くてもそれ以上の効果が得られていないことが分かる。従って、メタライズ層の好ましい平均厚さは10〜30μmであると言える。
【0031】
(実施例25〜28)
次に、メタライズ層中に添加するAlN粉末の平均粒径を変えた場合について検討する。実施例14のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板に対し、表面側メタライズ層に添加するAlN粉末の平均粒径を変えたものを用意し、実施例14と同様の測定を行った。その結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
表4から分かる通り、平均粒径が1μm以下であればピール強度やTCT特性が十分得られることが確認された。
それに対し、実施例28のように平均粒径が必要以上に大きい場合はメッキのフクレに影響を与えることが確認された。
また、表中には示さないが実施例25のようにAlN粉末の平均粒径が必要以上に小さいと同じ質量%添加している他の実施例と比べて少し色調が黒色化されていた。そのためAlN粉末の平均粒径があまり小さいと色調の変化を表し難いと言える。従って、メタライズ層中のAlN粉末の平均粒径は0.3〜1μmが好ましい。
【0034】
(実施例29〜32、参考例29〜30)
実施例12、実施例14、参考例12のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板を用い、裏面側メタライズ層に厚さ5μmのNiメッキを介してBAg−8ろう材を塗布し、放熱板等の放熱部材と接合した。このような形態において実施例12と同様のTCT特性を測定し放熱板等との剥がれの有無を測定した。その結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
表5から分かる通り、半導体素子非搭載面である裏面側メタライズ層においてはTCT試験後も剥がれは確認されなかった。これは裏面側メタライズ層が放熱部材に接続された面であることから、放熱性が良好であるため熱による不具合が発生し難いためである。従って、表面側メタライズ層と比べてAlN粉末の含有量が少なくても実質的な問題は生じないことが確認された。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、表裏面のメタライズ層の色調を変えているため表裏面の区別を目視により行うことができるので表裏面の間違いを起こさないで済む。
また、メタライズ層の厚さやAlN粉末の平均粒径を制御することにより、接合強度やTCT特性等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板の一例を示す断面図。
【図2】 本発明のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板の他の一例を示す断面図。
【図3】 本発明のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板の他の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1…窒化アルミニウム基板
2…表面側メタライズ層
3…裏面側メタライズ層
Claims (7)
- タングステンまたはモリブデンを主成分とし、平均厚みが10〜30μmであるメタライズ層を両面に有する窒化アルミニウム基板において、
表面側および裏面側メタライズ層中にはAlN粉末が含有されていると共に、前記表面側メタライズ層に含有されるAlN粉末量が5〜35質量%であり、前記裏面側メタライズ層に含有されるAlN粉末量が20質量%以下であると共に、前記表面側メタライズ層に含有されるAlN粉末量より4質量%以上少ないことを特徴とするメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。 - 前記表面側メタライズ層と前記裏面側メタライズ層の表面色調が異なることを特徴とする請求項1記載のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。
- 前記表面側メタライズ層および前記裏面側メタライズ層が同時焼成法により形成されたメタライズ層であることを特徴とする請求項1又は2記載のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。
- 前記表面側および裏面側メタライズ層中のAlN粉末の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。
- 前記表面側メタライズ層の表面を、半導体素子を搭載する面とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。
- 前記裏面側メタライズ層の表面を、放熱板、収納容器または実装ボードのいずれかと接続するための面とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。
- 前記窒化アルミニウム基板が単層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のメタライズ層を有する窒化アルミニウム基板。
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