JP3477340B2 - メタライズ組成物およびそれを用いた窒化アルミニウム基板の製造方法 - Google Patents

メタライズ組成物およびそれを用いた窒化アルミニウム基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタライズ組成物
およびそれを用いた窒化アルミニウム基板の製造方法に
関する。本発明による窒化アルミニウム基板は、高融点
金属で完全に埋まったビアを有し、表面に薄膜を形成し
た場合の薄膜/基板間、特に薄膜/ビア間の密着強度が
大きく、レーザーダイオードや発光ダイオードのサブマ
ウントやチップキャリア、及びヒートシンク、ICパッ
ケージ等の電子・半導体機器部品に好適に利用されう
る。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウムセラミックスは、アル
ミナ等の汎用セラミックスに比べて熱伝導率が150〜250
W/m・Kと高いことが知られており、近年高密度化、
高速化が進む半導体機器部品用の材料として応用されて
いる。
【0003】ところが、基板を貫通するビアの形成に高
融点金属からなるメタライズ組成物を用いる場合、窒化
アルミニウムの焼成収縮率とビア内高融点金属のそれが
同程度でないと、ビア内または窒化アルミニウムセラミ
ックス内にクラックが発生するという問題があった。
【0004】この問題を解決する手段として、一般に特
定範囲の粒径の高融点金属粉末を使用する方法が採られ
ているが、この手法のみではクラックの発生がなくても
窒化アルミニウムとビアの間に隙間が生じたり、高融点
金属の焼結不足によりビア内の気密性が完全には確保で
きないという問題がある。これらの問題を改善するため
に、特定範囲の粒径の高融点金属粉末を使用するだけで
なく、メタライズ組成物中に基板と同じ窒化アルミニウ
ム粉末を添加する方法が提案されている(特開平4−8
3783号、特開平8−59374号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報による方法
も含め従来技術において、高融点金属ビアに接続する表
面メタライズは、ビアと同じ高融点金属の同時焼成メタ
ライズであることが通常であった。その限りにおいて
は、上記各公報による方法は、特に問題の無いものであ
った。
【0006】ところで、近年、実装技術の高度化に伴
い、高融点金属ビアに接続する表面メタライズとして、
薄膜メタライズが必要とされてきている。これは、薄膜
メタライズの方が、メタライズ表面粗さが小さく、ファ
インパターンが可能である等の理由による。しかし、上
記各公報による高融点金属ビア上に薄膜メタライズを施
した場合、薄膜とビア間の高い密着強度が得られないと
いう問題がある。この原因を調査したところ、上記各公
報による方法は、パッケージ等の気密性を阻害するよう
な貫通性クラックや比較的大きいボイドは無いものの、
図1aに示すような微細な非貫通性クラックや微細なボ
イドが発生していたり、また図1bに示すようにビア表
面の面粗さが大きくなって、ビア表面に不純物がトラッ
プされて、薄膜とビア間との密着強度が落ちるというこ
とがわかった。
【0007】一般的に薄膜メタライズは、基材に微細な
凹凸、ボイド、クラックなどがあると、ガスや洗浄液残
査などの不純物がトラップされて、十分な密着強度を持
った薄膜が得られなかったり、極端な場合、薄膜形成工
程中の加熱時に膨張して金属薄膜のふくれまたは剥がれ
が発生してしまうという難しさがある。これに対し、薄
膜メタライズ以外のメタライズ法、その中でもとりわけ
高融点金属ペーストによる同時焼成メタライズは、薄膜
で問題となる微細な非貫通性クラックや微細なボイド・
凸凹があっても、その密着強度にはほとんど影響を及ぼ
さない。このように薄膜メタライズは、他のメタライズ
に比べ、基材の表面状態に非常にセンシティブであると
いうことができる。
【0008】よって薄膜メタライズに適したビアは、ヘ
リウムリークテストにおいて良好であると言うことだけ
では不十分で、更に微細な非貫通性クラックやボイド等
を根絶するようにコントロールされたものが必要であ
る。
【0009】すなわち本発明の目的は、ビア内微細クラ
ック・ボイド、ビア−セラミックス間の微細隙間、ビア
起因の窒化アルミニウムセラミックスのクラックがな
く、なお且つ基板表面に形成される薄膜の密着強度がビ
ア上においても十分強い高融点金属ビアが形成された窒
化アルミニウム基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記技術
課題を解決すべく鋭意研究を行って来た。その結果、高
融点金属粉末の粒径及び添加量、窒化アルミニウム粉末
の添加量をそれぞれ特定の範囲に制御し、なおかつメタ
ライズ組成物中の有機ビヒクル配合量を特定の範囲に制
御したメタライズ組成物を用いてビアを形成した窒化ア
ルミニウム基板は、ビア内微細クラック・ボイド、ビア
−セラミックス間の微細隙間、ビア起因の窒化アルミニ
ウムセラミックスのクラックが無く、基板表面、特にビ
ア上に形成された薄膜の密着強度が十分に強いことを見
い出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち本発明は、平均粒径1.0μm以上
2.5μm以下の高融点金属粉末87重量%以上91重量%以
下、窒化アルミニウム粉末2重量%以上7重量%以下、有
機ビヒクル成分2重量%以上11重量%以下からなること
を特徴とする薄膜メタライズ接続ビア用メタライズ組成
物であり、また、貫通孔を有する窒化アルミニウムグリ
ーンシートの貫通孔に、上記のメタライズ組成物を充填
した後、焼成することを特徴とする薄膜メタライズ用
化アルミニウム基板の製造方法である。
【0012】本発明において、メタライズ組成物を構成
する高融点金属粉末は、窒化アルミニウムの焼結温度よ
り高い融点を有するものであれば特に制限されない。具
体的には、タングステン、モリブデン等の金属が好適に
使用される。
【0013】上記高融点金属粉末は平均粒径1.0〜2.5μ
m、より好ましくは1.6〜2.0μmの範囲のものが使用さ
れる。平均粒径が1.0μmより小さい場合は、ビア部に
非貫通クラックが発生し、2.5μmより大きい場合は高
融点金属の焼結が悪くなるためビア表面の粗さが大きく
なり、いずれもトラップされた不純物によりビア上に形
成された薄膜の密着性が悪くなり、本発明の目的を達成
することができない。さらに平均粒径1.6μm以上2.0μ
m以下の高融点金属粉を用いれば、シートの焼成収縮率
よりビアの焼成収縮率がわずかに小さくなるため確実に
非貫通クラックの無いビアが得られ、なおかつ、焼結状
態が密で表面が平滑なビアが得られるので、より好適で
ある。
【0014】本発明において、メタライズ組成物は高融
点金属粉配合量が87重量%〜91重量%の範囲のものが使
用される。87重量%未満の場合ビア中の高融点金属粉配
合量が不足となり、焼成時にビア内クラックが発生した
り、焼結状態が悪くなることにより、ボイドの発生やビ
ア表面の粗さが大きくなり、トラップされたガスや不純
物により、ビア上に形成された薄膜の密着性が悪くな
る。また91重量%を越えた場合には、メタライズ組成物
の粘度が高くなることにより、充填性が不良となり、そ
の結果発生したボイド等により、ビア上薄膜の密着性が
落ちたり、極端な場合充填不能となる。なお、高融点金
属粉配合量が88〜90重量%の場合は、アスペクト比の高
い貫通孔でも充填性が良好で、その結果ビア上薄膜の密
着性も良好で好適である。
【0015】本メタライズ組成物に添加される窒化アル
ミニウム粉末は、製法、粒径、比表面積など特に限定さ
れず、一般的に用いられているもので良いが、そのメタ
ライズ組成物中の配合量は2〜7重量%とする必要があ
る。2重量%未満の場合、ビアとセラミックスとの接合
強度が不十分となるためビア−セラミックス間に隙間が
発生し、7重量%を越えると、高融点金属粉配合量の場
合と同様、メタライズ組成物の粘度が高くなり充填性が
悪化し、その結果発生したボイドによりビア上薄膜の密
着性が悪くなる。なお、メタライズ組成物中の窒化アル
ミニウム粉末配合量が3〜6重量%の場合は、ビアとセラ
ミックスの焼成収縮率の差が非常に小さいためにビア周
辺にかかる応力が小さく、且つビア電気抵抗が小さいた
め好適である。
【0016】メタライズ組成物中の有機ビヒクル成分に
ついては、特に限定されず公知のものが使用できる。一
般に有機ビヒクル成分としては、バインダー、溶媒から
なり、更に可塑剤や分散剤が添加されることがある。該
バインダー成分としては、特に限定されず、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル
系樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース
アセテートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル
等のビニル基含有樹脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹
脂、ポリエチレンオキサイド等が好適に使用される。
【0017】また溶媒成分もメタライズ組成物のペース
ト化用途として広く知られているものが特に制限なく使
用される。特にメチルカルビトール、エチルカルビトー
ル、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、ペン
チルカルビトール、ヘキシルカルビトール等のカルビト
ール系、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ペン
チルセルソルブ、ヘキシルセルソルブ等のセルソルブ
系、これらのカルボン酸エステル、テルピネオール、2、
2、4トリメチル1、3ペンタジオールモノイソブチレート等
の高沸点溶媒は、溶媒の蒸発による固形分濃度の変動を
少なくすることができるため好適に用いられる。さら
に、ジブチルフタレート等のエステル系可塑剤、ヘキシ
ルカルビトール等のカルビトール系などの可塑剤、各種
分散剤等を添加しても良い。特に、エチルセルロース樹
脂、カルビトール系溶媒、ジブチルフタレート、ヘキシ
ルカルビトール、非イオン部含有アニオン活性分散剤の
組み合わせは、流動性が高く乾燥時の凹みが少ないメタ
ライズ組成物が得られ、脱脂性も良いという理由から最
も好適である。
【0018】メタライズ組成物中の有機ビヒクル成分配
合量については2重量%以上11重量%以下とする必要が
ある。2重量%未満の場合、無機物粉末が十分に分散さ
れずペースト状にならないため、充填が不能となる。ま
た、たとえペースト状になったとしても、充填性が悪
く、その結果発生したボイド等により、ビア上薄膜の密
着性が悪くなる。逆に11重量%を越えた場合には、メタ
ライズ組成物中の無機物配合量が相対的に低くなり、ビ
アにクラックが発生するため好ましくない。さらに有機
ビヒクル成分配合量を4重量%以上8重量%以下とした場
合には、広範囲のアスペクト比の貫通孔に対して充填性
が良好で、かつグリーンシート密度変動に対しても微細
クラックが発生しにくくなるため好ましい。
【0019】これらの原料を混合、分散してペースト状
にする方法は特に限定されないが、通常3本ロールミル
等が好適に使用される。到達粘度は一般的に25℃/5rpm
で1000〜30000ホ゜イス゛の範囲に調整することが充填性を確
保しつつ、ビアの微細クラック,微細ボイド防止にも効
果があるので好ましい。特に成形体での大きさがφ0.20
mm以下のビア対しては、25℃/5rpmで1000〜10000ホ゜イス゛
の範囲とするとより好ましい充填状態が得られる。
【0020】次に本発明の窒化アルミニウム基板の製造
方法について説明する。本発明に用いられる窒化アルミ
ニウムグリーンシートは、公知のものが特に制限なく使
用できる。一般に窒化アルミニウムグリーンシートは、
窒化アルミニウム粉末、焼結助剤、バインダー、可塑
剤、分散剤等よりなる。窒化アルミニウムグリーンシー
トを構成する窒化アルミニウム粉末は、公知のものが特
に制限なく使用される。一般に好適に用いられる窒化ア
ルミニウム粉末としては、レーザー回折法測定による平
均粒径が5μm以下であり、好適には3μm以下、最も好
適には0.5〜2μmの範囲にある粉末が好ましい。
【0021】また、上記窒化アルミニウム粉末は、酸素
含有量が3重量%以下、且つ窒化アルミニウム組成をA
lNとするとき含有する陽イオン不純物が0.5重量%以
下、特に酸素含有量が0.4〜1.3重量%の範囲にあり、陽
イオン不純物が0.2重量%以下、かつ陽イオン不純物の
うちFe、Ca、Si及びCの合計含有量が0.17重量%以下で
ある窒化アルミニウム粉末は、該粉末を用いた場合、熱
伝導率の高い基板が得られるため好適である。
【0022】本発明において使用される焼結助剤は、公
知のものが特に制限なく使用される。具体的には酸化イ
ットリウム等のランタニド元素酸化物、酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属酸化物などが好適に使用される。
【0023】また、本発明において使用されるバインダ
ーも公知のものが特に制限なく使用される。具体的に
は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル等のアクリル樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテ
ートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビ
ニル基含有樹脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹脂、ポ
リエチレンオキサイド等の含酸素樹脂などが一種または
二種以上混合して使用される。この中でアクリル樹脂
は、脱脂性が良好で、ビアの抵抗が低減できるため、好
適に使用される。その他溶媒、可塑剤等、他の成分も公
知のものが特に制限なく使用される。
【0024】窒化アルミニウムグリーンシートの物性も
特に限定されないが、シート密度が1.80〜2.30g/cm3
範囲の場合、ビア及び基板にクラックが発生しにくいた
め好適に使用される。さらにシート密度が1.90〜2.20g/
cm3の範囲にある窒化アルミニウムグリーンシートは、
ビア及び基板上薄膜の密着強度が安定的に高いため、特
に好適に使用される。上記グリーンシートの厚みも特に
限定されないが、シート成形性及び貫通孔形成の都合に
より通常0.2〜2.0mmの範囲とすることが好ましく、単独
で用いても、複数枚積層して用いても良い。
【0025】上記窒化アルミニウムグリーンシートに貫
通孔を形成する方法は、特に限定されず、一般的に用い
られている金型打ち抜き法やパンチングマシーンによる
方法が使用される。上記貫通孔の大きさも特に限定され
ないが、直径が0.05〜0.50mmの貫通孔は、貫通孔へのメ
タライズ組成物の充填が容易で、且つビア部と窒化アル
ミニウムセラミックの収縮率の釣り合いがとれやすい
為、好適に採用される。
【0026】また、前述のメタライズ組成物を窒化アル
ミニウムグリーンシートの貫通孔に充填する方法は、公
知の方法が特に制限なく使用される。具体的には印刷
法、圧入法などが使用されるが、貫通孔の長さと直径の
比(長さ/直径)が2.5より大きい場合は圧入法の方が
充填しやすいため好適に使用される。
【0027】本発明においては、窒化アルミニウムグリ
ーンシートの貫通孔に上記メタライズ組成物を、充填し
た後、焼成を行う。焼成は、公知の方法が特に制限なく
使用される。焼成は、本焼成の前に予備焼成として脱脂
を行うことが、窒化アルミニウム及び高融点金属の焼結
性が良好になるため、好ましい。
【0028】メタライズ組成物を充填した窒化アルミニ
ウムグリーンシートを脱脂する方法は、一般的に行われ
ている方法でよい。脱脂の雰囲気としては、高融点金属
を酸化させる恐れのある大気等の酸化性雰囲気を除け
ば、特に限定されない。具体的には、窒素,アルゴン,
ヘリウム等の不活性ガス雰囲気、水素等の還元性ガス雰
囲気、それらの混合ガス雰囲気、それらの加湿ガス雰囲
気、真空などが好適に使用される。また、脱脂温度は通
常500〜1200℃、好ましくは800〜1000℃の温度が採用さ
れる。また、かかる温度への昇温速度は特に限定されな
いが、一般に10℃/min.以下が好ましい。さらに脱脂時
間は、脱脂後の成形体の残炭率が5000ppm以下、更に好
適には3000ppm以下となる時間に設定することが窒化ア
ルミニウム及び高融点金属の緻密化が容易になるため好
ましい。かかる時間は成形体の厚み、シート密度、ビア
の配列パターン、脱脂温度等により異なってくるため、
一概に特定することはできないが、一般に1〜600分の範
囲で決定される。
【0029】本焼成は、公知の方法が特に制限なく使用
される。一般的には非酸化性または還元性雰囲気中で本
焼成を行う。非酸化性雰囲気としては、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等の不活性ガスの単独もしくは混合雰囲
気、または真空もしくは減圧雰囲気などが好適に使用さ
れる。また、還元性雰囲気としては、脱脂の雰囲気とし
て前述したものなどが好適に使用される。焼結温度条件
は特に限定されないが、一般的に昇温速度1〜40℃/mi
n.、保持温度1400〜2000℃、保持時間1分〜20時間の範
囲に設定するのが好ましい。
【0030】このようにして得られた窒化アルミニウム
基板は、表面に形成する薄膜との密着強度を上げるため
に、表面の研磨を行うことが好ましい。一般的には研磨
後の基板のセラミック部分の表面粗さがRa1.0μm以
下、より好ましくはRa0.1μm以下になるようにビアを
含む基板の研磨を行うのが良い。
【0031】本発明における窒化アルミニウム基板に薄
膜を形成する方法は、公知の方法が制限なく使用でき、
具体的にはスパッタ法、蒸着法、溶射法、スピンコート
やディップ方式を使用したゾルゲルコーティング法など
が好適に使用される。薄膜の材料としては、Ti,Zr,Pd,P
t,Au,Cu,Niなど回路用の一般的な導体金属、TiNなどの
抵抗体、またPb-Sn,Au-Sn,Au-Geなどのハンダ、あるい
はムライト組成膜のような金属酸化物薄膜(複合酸化物
を含む)等を使用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明のメタライズ組成物は、それによ
り得られた窒化アルミニウム基板において、ビア内微細
クラック・ボイド、ビア−セラミックス間の微細隙間、
ビア起因の窒化アルミニウムセラミックスのクラック等
がなく、ビアの焼結状態が密なため、ガスまたは液体、
不純物などがトラップされにくい。従って、薄膜形成時
にそれら不純物が膨張することによる膜の膨れや、基板
表面に汚れが付着することによる膜強度の低下が防止で
きる。すなわち本発明を用いれば、外観が良好でかつ薄
膜密着に関し、特に薄膜/ビア間の密着強度が10.0kgf/
mm2以上と十分に強く、信頼性の高い基板を提供するこ
とが可能となる。
【0033】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するため、以下
に実施例および比較例を挙げるが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1〜14 窒化アルミニウム粉末(平均粒径1.2μm)100重量部に
焼結助剤として酸化イットリウム粉末(平均粒径1.4μ
m)5重量部を添加し、さらに有機バインダーとしての
ポリブチルアクリレートおよび可塑剤としてのジブチル
フタレートを添加し、溶媒と共に混合してスラリーを得
た。その後ドクターブレード装置にてテープ成形し、厚
さ0.35mm、密度2.063g/cm3の窒化アルミニウムグリーン
シートを作製した。
【0035】次にバインダーとしてエチルセルロース、
溶媒としてブチルカルビトールを使用し、更に可塑剤、
分散剤を添加した有機ビヒクルを調製した。その後、高
融点金属粉として表1に示す粒径のタングステン粉末及
び上記窒化アルミニウム粉末を、表1に示す組成になる
ように上記有機ビヒクルに添加し、3本ロールミルにて
分散させてペースト状のメタライズ組成物を調製した。
メタライズ組成物の粘度をB型粘度計で測定したとこ
ろ、25℃/5rpmで2000〜10000ホ゜イス゛であった。
【0036】次に上記窒化アルミニウムグリーンシート
を積層して0.7mm厚とした後、φ0.2mmのパンチにて1.5m
mピッチに打ち抜き、貫通孔が25×25個並んだものを用
意した後、該貫通孔に上記メタライズ組成物を圧入法に
て充填した。これを窒素雰囲気中850℃で2時間脱脂し
た後、脱脂体を窒化アルミニウム焼結体の板に挟んだ状
態で窒化アルミニウムセッターの中に入れ、本焼成を窒
素雰囲気中1600℃5時間加熱後、更に昇温して1850℃8
時間行って窒化アルミニウムセラミックス基板を得た。
脱脂体の残炭率は1900ppmで、得られた基板の熱伝導率
(レーザフラッシュ法にて測定)は、210W/mKであっ
た。
【0037】さらに、得られた基板の表面を研磨した。
研磨後の基板のセラミック部表面粗さはRa0.04μmであ
った。また、研磨基板のビア表面の外観検査を、400倍
の金属顕微鏡にて行った(ビア表面外観)。
【0038】その後10-4Paの高真空中にてTi0.06μm、
Pt0.2μm、Au0.6μmの順にスパッタし、以下に示す方
法でビア/金属薄膜間の薄膜密着強度を測定した。
【0039】スパッタ済みの基板上に、ビア部を覆うよ
うにPb-Sn共晶ハンダプリフォームを置き、Niめっきを
施したφ0.95mmネイルヘッドコバールピンを230℃ホッ
トプレート上にて接合した。このピンを10mm/sec.の速
度で垂直方向に引っ張り、剥離した時点の薄膜密着強度
を測定した。また、どの箇所で剥離が起こったかを400
倍の金属顕微鏡で観察した(剥離モード)。
【0040】表1にそれらの結果を示した。いずれもビ
ア及び基板のクラック、ビア/セラミックス間の隙間が
無く、薄膜密着強度10.0kgf/mm2以上、剥離モードも良
好という結果が得られた。
【0041】実施例15〜18 実施例1において、表1に示すメタライズ組成物のタン
グステン粉末粒径・濃度、窒化アルミニウム粉末濃度を
変更し、及び窒化アルミニウムグリーンシートの脱脂を
加湿水素雰囲気中で行い、本焼成を1800℃で5時間で行
った他は、全て実施例1と同様に行った。脱脂体の残炭
率は450ppmで、得られた基板の熱伝導率を測定したとこ
ろ、180W/mKであった。その他結果を表1に示す。
【0042】実施例19 実施例2において、タングステン粉末をモリブデン粉末
に変更した他は、全て実施例2と同様にした。その結果
を表1に示す。
【0043】実施例20 実施例4において、タングステン粉末をモリブデン粉末
に変更した他は、全て実施例4と同様にした。その結果
を表1に示す。
【0044】実施例21 実施例3において、窒化アルミニウムグリーンシートの
密度を1.95g/cm3に変更した他は、全て実施例3と同様
にした。その結果を表1に示す。
【0045】比較例1〜7 メタライズ組成物として表2の比較例に示すタングステ
ン粉のメタライズ組成物を用いた他は、実施例1と同様
の操作を行った。結果は表2(比較例1〜7)に示し
た。
【0046】比較例1では、ビアの収縮率が窒化アルミ
ニウムのそれよりも大きいために、ビア内にクラックが
発生している。このクラックに不純物がトラップされる
ため、膜の密着強度は低くなっている。逆に比較例2で
は、高融点金属粒が粗いために緻密化が十分に起こら
ず、研磨後のビア表面が凹凸になり、同様に不純物がト
ラップされて膜の密着強度を低下させたものと考えられ
る。
【0047】比較例3はビア内の高融点金属配合量が不
足しているためにクラックが発生、比較例4は逆に高融
点金属配合量が過剰であるため充填時のメタライズ組成
物の粘度が高くなり、良好な充填状態が得られなかった
ものである。
【0048】比較例5は高融点金属ビアと窒化アルミニ
ウムセラミックスとの密着が悪いためビア/セラミック
ス間の微細隙間が発生し、比較例6では比較例4と同様
にメタライズ組成物の粘度が増大し、貫通孔への良好な
充填状態が得られなかった。
【0049】また比較例7では、有機ビヒクルの配合量
が多いために、ビアに大きな非貫通性クラックが発生し
た。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は従来の技術による高融点金属ビア含有
窒化アルミニウム基板の断面図である。(a)はビアに
微細な非貫通クラックを有する場合で、(b)はビアの
表面粗さが大きい場合である。
【符号の説明】 1・・窒化アルミニウムセラミックス 2・・高融点金属ビア 3・・スパッタ膜 4・・スパッタ膜の膨れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/40 H01L 23/14 M // B22F 1/00 23/36 M

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径1.0μm以上2.5μm以下の高融
    点金属粉末87重量%以上91重量%以下、窒化アルミニウ
    ム粉末2重量%以上7重量%以下、有機ビヒクル成分2重
    量%以上11重量%以下からなることを特徴とする薄膜メ
    タライズ接続ビア用メタライズ組成物。
  2. 【請求項2】 貫通孔を有する窒化アルミニウムグリー
    ンシートの貫通孔に、請求項1に記載のメタライズ組成
    物を充填した後、焼成することを特徴とする薄膜メタラ
    イズ用窒化アルミニウム基板の製造方法。
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