JP5388605B2 - モータ同期制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2以上のサーボモータなどを個別に駆動制御する2以上のモータ駆動制御装置間での前記サーボモータなどの位置および速度の同期制御を行うモータ同期制御装置に関する。
一般に、工作機械を駆動するのに使用されるサーボモータなどを駆動制御するモータ駆動制御装置を2軸以上並べて各軸のサーボモータなどの位置および速度を同期させて駆動する場合、制御対象の特性、モータの特性、検出器の特性、制御ゲイン、入力外乱などの違いにより同期誤差が発生することが知られている。
特に、同期制御を行う複数軸のうちいずれかの軸で制御入力飽和が発生すると、制御入力制限を受けた軸のみ追従遅れが大きくなり、同期誤差が大幅に劣化する。そのため、従来から性能劣化の防止策が提案されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、特許文献1では、一方の軸の制御入力が制御入力制限を受けないように制御入力の補正を行うとともに、他の軸に対しても同様方法での制御入力の補正を行うことによりモータへの制御入力を直接補正するという方法で、同期精度の劣化を防止する技術が開示されている。
特開2008−72851号公報 国際公開第2005/122385号パンフレット 特開平9−246359号公報
ところが、例えば、イナーシャの異なる軸に対して同期制御を行う場合、同期精度を保つためには、各軸の制御入力がイナーシャの比率に連動した比率となる必要がある。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、制御入力が制御入力制限を受けるときに、制御入力をイナーシャの比率を考慮せず補正するために、制御入力がイナーシャの比率に連動した比率とならず、高精度な位置の同期を取ることができないという問題があった。
イナーシャが異なる場合に限らず、同期精度を保つためには、一般に制御対象や外乱(摩擦、重力等)の特性に応じて各軸の制御入力を決める必要があるが、一般的には、制御対象や外乱の特性(イナーシャ、粘性摩擦など)が不明である場合が多く、またそれらが時間変化する場合もある。したがって、制御入力を直接補正するような上記特許文献1に記載の技術での同期手法は現実的な手法とは言えない。
さらに、上記特許文献1に記載の技術は、両方の軸に対して制御入力の補正(制限)を行う手法であるために、位置指令に対する追従遅れが拡大し、ワインドアップ現象と呼ばれる制御性能劣化や制御系の不安定化を引き起こしてしまうという問題も有していた。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであって、各軸の制御入力が制限を受けた場合であっても、高精度に各軸の同期を維持することを可能とするモータ同期制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し目的を達成するために、本発明にかかるモータ同期制御装置は、2軸以上のモータを個別に駆動制御する2以上のモータ駆動制御装置のそれぞれが生成する、各軸に共通の位置指令と自軸モータで検出された位置検出値との差分である自軸モータの位置偏差を補正する位置補正量を入力とし、前記2以上の位置補正量のうち最も応答の遅い位置補正量を同期後位置補正量として選択する整形量同期部を備え、前記2以上のモータ駆動制御装置のそれぞれは、自軸の前記位置偏差から前記同期後位置補正量を減算した修正位置偏差を用いて自軸モータへの制御入力を計算することを特徴とする。
本発明によれば、各軸で独立に算出される位置補正量を、同期制御を行う全ての軸のうち、最も応答の遅い軸に合わせるように選択するので、遅い軸が加減速中に切り替わる場合でも全ての軸が追従可能な指令を生成することが可能となる。したがって、モータへの制御入力に制限がある場合であっても、各モータ駆動制御装置にて算出される位置補正量を同期させることができ、各軸の同期を高精度に保つことが可能となるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態2によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態3によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態4によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。 図5は、位置補正の時間変化の一例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態5によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態6によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態7によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかるモータ同期制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態1および以降に示す各実施の形態では、理解を容易にするため、2軸間の同期制御を例に挙げて説明するが、その内容は、全て3軸以上でも適用できるものである。
図1において、本実施の形態1によるモータ同期制御装置1aは、位置指令生成装置2が出力する位置指令aに基づいて、第一軸と第二軸のサーボモータ(以降、単に「モータ」という)3a、3bを個別に駆動制御するモータ駆動制御装置間でのモータ3a,3bの位置および速度の同期制御を行う構成として、2軸に共通の整形量同期部4aを備えている。
第一軸と第二軸のモータ駆動制御装置は、それぞれ同じ構成であり、位置補正量算出部5a,5b、指令値整形部6a,6b、制御入力計算部7a,7b、および制御入力制限部8a,8bを備えている。モータ3a,3bには、それぞれ移動(回転)位置を検出する位置検出器9a,9bが取り付けられている。
まず、第一軸と第二軸のモータ駆動制御装置の構成と動作について説明する。制御入力制限部8a,8bは、それぞれ、モータ3a,3bなどのアクチュエータや機械系(例えば減速器の許容力)の特性に応じて設定された制御入力制限値に基づき、制御入力計算部7a,7bからの制御入力e1,e2に制限をかけるためのフィルタであり、制限をかけるときはクランプした値を出力する。
つまり、制御入力制限部8a,8bは、制御入力e1,e2が、所定の制御入力制限値を超える場合に、制御入力e1,e2を所定の制御入力制限値でクランプし、その所定の制御入力制限値でクランプした制限後制御入力f1,f2をモータ3への駆動信号として出力する。
その際、本実施の形態1では、制御入力制限部8a,8bは、それぞれ、制御入力計算部7a,7bからの制御入力e1,e2が制限を受けたことを判定する制御入力制限信号g1,g2を出力するようになっている。制御入力制限信号g1,g2は、位置補正量算出部5a,5bに入力される。
なお、制御入力制限値としては、モータ特性に応じて予め設定しておいた固定制限値とする場合でもよく、制御対象のフィードバック情報から逐次計算した値を制限値とする場合でもよい。また、予め複数用意した制御入力制限値をモータの加減速状態に応じて、選択する場合でもよい。さらに、モータ3a,3bの加速度が正の場合には、正の値の制御入力制限を用い、加速度が負の場合には、負の値の制御入力制限を用いる場合でもよい。
制御入力計算部7a,7bは、それぞれ、指令値整形部6a,6bが出力する修正位置偏差d1,d2に基づき、モータ3a,3bへの制御入力e1,e2を算出する。この制御入力計算部7a,7bは、従来、一般に用いられているフィードバック補償器(フィードバック制御器)で構成されている。具体的には、例えば、比例補償器(P補償器)や、比例積分補償器(PI補償器)で構成されている。
つまり、制御入力計算部7a,7bは、モータ3a,3bへの制御入力e1,e2を、位置偏差(修正位置偏差d1,d2)に対し、積分演算、微分演算、四則演算を施して計算する。したがって、制御入力e1,e2の計算方法は、特定されるものではなく、任意である。また、制御入力計算部7a,7bは、内部にマイナーループ(インナーループ)を有する制御系で構成されていてもよく、位置制御系の内側に速度制御系を入れ子にした制御系で構成されていてもよい。
指令値整形部6aは、2つの減算器11a,12aを備え、指令値整形部6bは、2つの減算器11b,12bを備えている。減算器11a,11bは、それぞれ、位置指令生成装置2が出力する位置指令aから位置検出器9a,9bが検出した位置検出値b1,b2を引き算して位置偏差c1,c2を出力する。減算器12a,12bは、それぞれ、減算器11a,11bが算出した位置偏差c1,c2から後述する整形量同期部4aが出力する同期後位置補正量iを引き算して修正位置偏差d1,d2を出力する。
ここで、整形量同期部4aが存在せず、各軸のモータ駆動制御装置が独立して動作する場合は、減算器12a,12bは、それぞれ、減算器11a,11bが算出した位置偏差c1,c2から後述する位置補正量算出部5a,5bが算出する位置補正量h1,h2を引き算して修正位置偏差d1,d2を出力する。本実施の形態では、指令値整形部6a,6bは、上記のように、位置指令aと位置検出値b1,b2とに基づき位置偏差c1,c2を算出し、算出した位置偏差c1,c2に同期後位置補正量iを加味した修正位置偏差d1,d2を出力する。
なお、指令値整形部6a,6bの構成としては、図1では、位置指令aと位置検出値b1,b2の差分である位置偏差c1,c2から、同期後位置補正量iを減算する形態(位置偏差を補正する形態)を示すが、位置指令aから同期後位置補正量iを減算することで位置指令の補正を行い、さらにその補正位置指令から位置検出値b1,b2を減算することで修正位置偏差d1,d2を算出する形態(位置指令を補正する形態)でもよい。
位置補正量算出部5a,5bは、本実施の形態1では、従来技術による制御入力飽和対策により、位置指令aまたは位置偏差c1,c2に対する補正量(位置補正量h1,h2)の算出を行う。以下に、従来技術である制御入力飽和対策の例を2つ示す(例えば、特許文献2,3)。
まず、特許文献2に記載の制御入力飽和対策では、制御入力制限信号g1,g2と、位置指令aと位置検出値c1,c2との差分である位置偏差とに基づいて位置補正量h1,h2を出力する。この制御入力飽和対策は、次のようにして行われる。
ある時刻tにおける位置偏差をDRP(t)とし、時刻t=τにおける位置偏差をDRP(τ)、時刻t=τ+1における位置偏差をDRP(τ+1)とする。このとき、制御入力制限部8a,8bにて、時刻t=τのモータへの制御入力(電流)が制御入力制限を受け、制御入力制限信号g1,g2を出力すると、指令値整形部6a,6bでは、t=τ+1における位置偏差(位置指令と位置検出値との差分、実位置偏差)DRP(τ+1)が次の式(1)を満たすように位置偏差c1,c2の修正を行う。
DRP’(τ+1)=DRP(τ) …(1)
このとき、時刻t=τ+1での位置偏差DRP(τ+1)からDRP’(τ+1)に修正しており、位置偏差c1,c2を一定にするために差し引いた分の位置偏差(DRP(τ+1)―DRP(τ))が位置補正量h1,h2に相当する。
また、特許文献3に記載の制御入力飽和対策は、図1に示す位置補正量算出部5a,5bの入力信号である位置偏差c1,c2と制御入力制限信号g1,g2とに代えて、制御入力e1,e2と制限後制御入力f1,f2とを入力信号とした形態に相当する。この制御入力飽和対策では、制御入力制限部8a,8bの入出力信号である電流指令量と実際のモータ電流値の差分を位置ループにネガティブフィードバック(負帰還)しており、電流指令量と実際のモータ電流値との差分が位置補正量h1,h2に相当する。
本実施の形態で用いる位置補正量算出部5a,5bとしては、上記2つの従来技術における位置補正量に対し、低域通過特性を有するフィルタを通して位置補正量h1,h2とする場合でもよい。また、上記2つの従来技術における位置補正量に対し、積分特性を有するフィルタを通して位置補正量h1,h2とする場合でもよい。さらに、上記2つの従来技術における位置補正量に対し、所定の値を定数倍した補正量を位置補正量h1,h2とする場合でもよい。
さて、整形量同期部4aは、各軸の位置補正量算出部5a,5bにて算出される位置補正量h1,h2から、位置指令aに対して最も応答の遅い軸(位置補正量h1,h2の絶対値が最も大きい軸)の位置補正量を選択し、それを各軸の位置補正量(同期後位置補正量i)として各軸の指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bに出力する。
ここで、整形量同期部4aは、加速度が正の場合、最も補正量が大きい軸の位置補正量を選択し、加速度が負の場合、最も補正量が小さい軸の位置補正量を選択し、それを同期後位置補正量iとして出力する形態でもよい。
また、整形量同期部4aは、制御入力e1,e2が正の場合、最も補正量が大きい軸の位置補正量を選択し、制御入力e1,e2が負の場合、最も補正量が小さい軸の位置補正量を選択し、それを同期後位置補正量iとして出力する形態でもよい。
さらに、整形量同期部4aは、同期を行う全ての軸のうち最も遅れの大きい軸が予め解っている場合は、同期後位置補正量iを採用する軸を事前に決定しておく形態でもよい。そして、整形量同期部4aは、各軸の制御態様に応じて、次の(A)(B)の形態を採ることができる。
(A)まず、各軸のモータ駆動制御装置が各軸を異なる回転数(位置、速度、回転速度)で駆動している場合は、各軸のモータ駆動制御装置において、共通の位置指令aに各軸の回転比率を乗算し、整形量同期部4aの入力段にて各軸の位置補正量h1,h2を各軸の回転比率で除算し、各軸の指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bの入力段にて同期後位置補正量iに各軸の回転比率を乗算することで、同期比を考慮に入れた同期制御を行うことが可能となる。
なお、上記回転比率とは、第一軸のモータ3aがN1回転する間に、第二軸のモータ3bをN2回転させて同期する場合、第一の回転比率を1とし、第二の回転比率をN1/N2とするものである。また、第一の回転比率をN2/N1とし、第二の回転比率を1とするものでもよい。
(B)また、各軸のモータ駆動制御装置が各軸を異なる移動方向(回転方向)で駆動している場合は、各軸のモータ駆動制御装置において、共通の位置指令aに各軸の移動方向(回転方向)の符号を乗算し、整形量同期部4aの入力段にて各軸の位置補正量h1,h2を各軸の移動方向(回転方向)の符号で除算し、各軸の指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bの入力段にて同期後位置補正量iに各軸の移動方向(回転方向)の符号を乗算することで、各軸の移動方向(回転方向)を考慮に入れた同期制御を行うことが可能となる。なお、上記移動方向(回転方向)の符号は、正方向(時計回り)の移動(回転)の符号を正値(+)とし、負方向(反時計周り)の移動(回転)の符号を負値(−)とするものである。
整形量同期部4aは、3軸以上の軸の同期制御を行う場合についても、以上のように、全軸の位置補正量のうち最も応答の遅い軸の位置補正量(全軸位置補正量の最大値)を全ての軸における位置補正量(同期後位置補正量)とする方式を用いるので、全ての軸に対して同一の補正を行うことが可能となる。これによって、3軸以上の軸に対する同期制御を精度よく行うことが可能となる。
したがって、本実施の形態1によれば、各軸で独立に算出される位置補正量を、同期制御を行う全ての軸のうち、最も応答の遅い軸に合わせるように選択するので、遅い軸が加減速中に切り替わる場合でも全ての軸が追従可能な指令を生成することが可能となる。したがって、モータへの制御入力に制限がある場合であっても、各モータ駆動制御装置にて算出される位置補正量を同期させることができ、各軸の同期を高精度に保つことが可能となる。
また、位置および速度の同期を行う軸のいずれかの軸において制御入力の飽和が発生しても、同期精度の劣化(ワインドアップ現象やオーバーシュートなどの性能劣化)や不安定化を引き起こすことなく同期精度を保つことができる。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図2では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図2に示すように、本実施の形態2によるモータ同期制御装置1bは、図1(実施の形態1)に示した構成において、2軸に共通の整形量同期部4aに代えて、各軸に整形量同期部14a,14bが設けられている。
第一軸の位置補正量算出部5aにて算出された位置補正量h1は、自軸の整形量同期部14aと第二軸の整形量同期部14bとに入力される。同様に、第二軸の位置補正量算出部5bにて算出された位置補正量h2は、自軸の整形量同期部14bと第一軸の整形量同期部14aとに入力される。
整形量同期部14a,14bは、それぞれ、図1に示した2軸に共通の整形量同期部4aと同様に、各軸の位置補正量h1,h2から、最も応答の遅い軸(最も補正量の大きい軸)の位置補正量を各軸独立に選択し、対応する指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bに出力する。
このように各軸に整形量同期部を設ける構成でも、実施の形態1と同様に、全軸の位置補正量のうち最も応答の遅い軸の位置補正量(全軸位置補正量の最大値)を全ての軸における位置補正量(同期後位置補正量)とする方式となるので、全ての軸に対して同一の補正を行うことが可能となり、同期制御を精度よく行うことが可能となり、実施の形態1と同様の作用・効果が得られる。
加えて、本実施の形態2によれば、各軸に整形量同期部を設けることにより、各軸における処理構造が単純化されるため、同期制御を行う軸数が増えた場合に特に有効な形態となる。
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図3では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
実施の形態1,2では、従来技術である制御入力飽和対策を行う場合の同期制御方式について説明した。本実施の形態3では、制御入力に制限が設けられる2以上のモータ駆動制御装置が、それぞれ、制御入力飽和を事前に予測し、予め位置指令または位置偏差を補正しておくことで、制御入力飽和を防止することを可能にする構成を有する場合に、実施の形態1,2と同様に、全ての軸で同一の位置補正量(同期後位置補正量)を使用することにより、全ての軸の位置および速度を同期させて駆動する同期制御方式について説明する。したがって、本実施の形態3と実施の形態1,2との異なる部分は、各軸のモータ駆動制御装置の構成である。
すなわち、図3に示すように、本実施の形態3によるモータ同期制御装置1cでは、図1(実施の形態1)に示した各軸のモータ駆動制御装置の構成において、符号を変えた制御入力制限部16a,16bおよび位置補正量算出部18a,18bが設けられ、参照位置偏差算出部17a,17bが追加して設けられている。
制御入力制限部16a,16bは、制御入力制限部8a,8bと同様に、制限値を超える制御入力e1,e2を制限値にクランプして制限後制御入力f1,f2を出力する。制御入力制限部16a,16bは、図1,図2に示す制御入力制限信号g1,g2も出力する機能を有してもよいが、本実施の形態3では使用しない。
次に、追加された参照位置偏差算出部17a,17bには、図3では、位置指令生成装置2が出力する位置指令aと、参照制御入力k1,k2と、位置検出器9が出力する位置検出値b1,b2とが入力されるとしてあるが、後述するように、参照制御入力k1,k2は基本的に必要であるのに対し、位置指令aと位置検出値b1,b2とは、制御入力計算部7a,7bでの計算方法(内部構造)によって、不要である場合と必要である場合とがある。
ここで、参照位置偏差算出部17a,17bに入力される参照制御入力k1,k2は、参照位置偏差m1,m2を計算するための設定値であり、制御入力制限部16a,16bで使用する制御入力制限値と同じ値でもよく、また、その制御入力制限値を定数倍した値でもよい。なお、参照制御入力k1,k2として用いる制御入力制限値は、予め複数用意した制御入力制限値をモータ3a,3bの加減速状態に応じて選択する場合の制御入力制限値でもよく、また、モータ3a,3bの回転方向に応じて使用する制御入力制限値の符号を切り替えて使用する場合の制御入力制限値でもよい。
参照位置偏差算出部17a,17bは、少なくとも上記したような所定の参照制御入力k1,k2に基づき、制御入力計算部7a,7bが算出した制御入力e1,e2に対する位置偏差(修正位置偏差d1,d2)の関係式を用いて、制御入力e1,e2が所定の参照制御入力k1,k2に一致するための位置偏差量である参照位置偏差m1,m2の算出を行う。
つまり、制御入力計算部7a,7bが入力信号(修正位置偏差d1,d2)から出力信号(制御入力e1,e2)を計算するのに対し、参照位置偏差算出部17a,17bは、参照制御入力(制御入力計算部7a,7bの出力信号)k1,k2から参照位置偏差(制御入力計算部7a,7bの入力信号)m1,m2の計算を行うものである。したがって、参照位置偏差算出部17a,17bは、制御入力計算部7a,7bが積分特性やインナーループ(マイナーループ)を有する場合には、積分特性の影響やマイナーループの影響を考慮した上で、参照制御入力k1,k2から参照位置偏差m1,m2の計算を行うことになる。
以下に、参照位置偏差算出の一例を3つ示す。
(A)例えば、制御入力計算部7a,7bが比例補償器(P補償器)である場合は、参照位置偏差算出部17a,17bは、参照制御入力k1,k2のみを用いて参照位置偏差m1,m2の算出を行うことができる。この場合の制御入力計算部7a,7bの入出力関係は、制御入力U、比例ゲインKP、位置偏差DRPを用いて次の式(2)となる。
U=KP×DRP …(2)
このとき、制御入力Uが参照制御入力TLMTに一致するための位置偏差である参照位置偏差DRP’は、後述するように制御入力計算部7a,7bの入力である修正位置偏差d1,d2に等しいので、制御入力計算部7a,7bの出力である制御入力Uを比例ゲインKPで除算することで、算出することが可能であり、次の式(3)となる。
DRP’=TLMT/KP …(3)
(B)また、制御入力計算部7a,7bが比例積分補償器(PI補償器)である場合は、参照位置偏差算出部17a,17bは、参照制御入力k1,k2と位置指令aと位置検出値b1,b2とを用いて参照位置偏差m1,m2の算出を行う。この場合の制御入力計算部7a,7b入出力関係は、制御入力U、比例ゲインKP、位置偏差DRP、積分ゲインKI、位置偏差DRPの時間積分値(累積値)DRP2を用いて次の式(4)となる。
U=KP×DRP+KI×DRP2 …(4)
このとき、制御入力Uが参照制御入力TLMTに一致するための位置偏差DRP’は、後述するように制御入力計算部7a,7bの入力である修正位置偏差d1,d2に等しいので、制御入力計算部7a,7bの出力である制御入力Uから、比例積分補償器における積分成分(位置偏差信号を積分し、積分ゲインを乗じた値)を差し引いて、計算することが可能であり、次の式(5)となる。
DRP’=(TLMT―KPI×DRP2)/KP …(5)
ここで、DRP2は、位置指令aと位置検出値cとの差分である位置偏差を時間積分(累積)することで計算可能となる値である。
(C)また、制御入力計算部7a,7bが、位置制御系と速度制御系とを有し、それぞれの補償器(制御器)が位置比例補償器(位置P補償器)と速度比例積分補償器(速度PI補償器)とで構成される場合は、参照位置偏差算出部17a,17bは、参照制御入力k1,k2と位置指令aと位置検出値b1,b2とを用いて参照位置偏差m1,m2の算出を行う。この場合の制御入力計算部7a,7bの入出力関係は、制御入力U、速度比例ゲインKV、比例ゲインKP、位置偏差DRP、速度検出値VFB、速度積分ゲインKI、速度偏差VDRPの時間積分値(累積値)VDRP2を用いて、次の式(6)となる。
U=KV×(KP×DRP―VFB)+KI×VDRP2 …(6)
このとき、制御入力Uが参照制御入力TLMTに一致するための位置偏差DRP’は、後述するように制御入力計算部7a,7bの入力である修正位置偏差d1,d2と等しいので、制御入力計算部7a,7bの出力である制御入力Uから、速度制御器の積分成分と速度検出値とを考慮に入れ、次の式(7)で演算可能である。
DRP’=((TLMT―KI×VDRP2)/KV+VFB)/KP …(7)
ここで、速度偏差VDRPは、次の式(8)の関係式で表わすことができる。また、速度偏差累積値VDRP2は、式(8)の時間積分により算出することが可能である。そして、速度検出値VFBは、位置検出値b1,b2の時間微分により算出することが可能である。
VDRP=(KP×DRP―VFB) …(8)
なお、参照位置偏差算出部17a,17bで必要となる情報(位置偏差累積値や速度検出値、速度偏差累積値など)は、参照位置偏差算出部17a,17b内部の演算で生成する方法でもよく、制御入力計算部7a,7bの内部信号を用いる方法でもよい。
次に、位置補正量算出部18a,18bは、整形量同期部4aが存在せず、各軸のモータ駆動制御装置が独立して動作しているとして、指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bに与える位置補正量h1,h2を、指令値整形部6a,6bからの位置偏差c1,c2と、追加された参照位置偏差算出部17a,17bからの参照位置偏差m1,m2とに基づき算出する。以下に算出手順の一例を示す。
位置補正量算出部18a,18bは、位置偏差c1,c2を用いて制御入力e1,e2を計算し、併せて、参照位置偏差m1,m2と位置偏差c1,c2の各絶対値の大小比較を行う。位置補正量算出部18a,18bは、その比較の結果、参照位置偏差m1,m2の絶対値が位置偏差c1,c2の絶対値よりも小さい場合には、計算した制御入力e1,e2は制御入力制限を受けると判断し、一方、参照位置偏差m1,m2の絶対値が位置偏差c1,c2の絶対値よりも大きい場合には、計算した制御入力e1,e2は制御入力制限を受けないと判断する。そして、位置補正量算出部18a,18bは、その判断結果に応じて、位置偏差c1,c2を補正するための位置補正量h1,h2を次のように算出する。
すなわち、位置補正量算出部18a,18bは、参照位置偏差m1,m2の絶対値が位置偏差c1,c2の絶対値よりも小さい場合は、その計算した制御入力e1,e2が制御入力制限を受けるので、それによる制御入力飽和を回避するために、指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bが出力する修正位置偏差d1,d2が参照位置偏差m1,m2に一致するように、位置偏差c1,c2と参照位置偏差m1,m2との差分を位置補正量h1,h2として算出する。つまり、位置補正量算出部18a,18bは、位置偏差c1,c2と参照位置偏差m1,m2とが一致するように、位置補正量h1,h2を算出する。
一方、位置補正量算出部18a,18bは、参照位置偏差m1,m2の絶対値が位置偏差c1,c2の絶対値よりも大きい場合には、その計算した制御入力e1,e2が制御入力制限を受けないので、指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bが出力する修正位置偏差d1,d2が通常通り位置偏差c1,c2と一致するように、位置補正量h1,h2を値0にする。
整形量同期部4aは、実施の形態1,2にて説明したように、各軸の位置補正量h1,h2から、最も応答の遅い軸(最も補正量の大きい軸)の位置補正量を選択し、対応する指令値整形部6a,6bの減算器12a,12bに出力する。
実施の形態3によれば、参照制御入力と制御入力計算部の構造とを用いた指令値整形(位置の補正)を行うので、制御入力が制限を受けるような位置指令がなされた場合においても、確実に飽和を回避しつつ、同期制御行う全ての軸が追従可能な指令を自動的に生成することができる。このため、制御入力が制限を受けるような位置指令がなされた場合においても、高精度な同期制御を行うことが可能となる。
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では、図3(実施の形態3)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
本実施の形態4では、実施の形態3にて説明した、制御入力に制限が設けられる2以上のモータ駆動制御装置を、それぞれの制御入力計算部が制御系に位置制御系を有する場合に、モータの速度が速度指令に従うように位置および速度を同期させて動作させる場合について説明する。
本実施の形態4における位置指令生成装置2は、位置制御系に対して速度指令を出力する場合、指令速度Fと位置制御系の制御周期TSとを用いて、単位制御周期当たりの位置指令増分値FDTを次の式(9)によって計算し、計算した位置指令増分値FDTの累積値を位置指令aとして本実施の形態4によるモータ同期制御装置1d内の各軸のモータ駆動制御装置へ出力する。
FDT=F×TS …(9)
なお、位置指令aは、単位時間当たりの位置指令増分値FDTに少なくとも1回以上、所定の時定数を用いた移動平均処理を施したものでもよい。
さて、図4に示すように、本実施の形態4によるモータ同期制御装置1dでは、図3(実施の形態3)に示した構成において、符号を変えた整形量同期部4bが設けられ、各軸のモータ駆動制御装置に、位置補正量更新部20a,20bと、減算器21a,21bとが追加して設けられている。
減算器21a,21bは、指令値整形部6a,6b内の減算器11a,11bにて算出された位置偏差c1,c2から整形量同期部4bが出力する同期後位置補正量iを引き算して補正後位置偏差n1,n2を出力する。補正後位置偏差n1,n2は、位置補正量算出部18a,18bの入力となる。つまり、位置補正量算出部18a,18bは、本実施の形態4では、位置偏差c1,c2から同期後位置補正量iを引き算した補正後位置偏差n1,n2を入力として位置補正量h1,h2を算出する。
位置補正量更新部20a,20bは、位置補正量h1,h2と同期後位置補正量iとを加算して更新後位置補正量p1,p2を算出する。なお、更新後位置補正量p1,p2の算出方法としては、モータ3a,3bの加速度が正の場合には、位置偏差c1,c2と修正位置偏差d1,d2との差分が正の場合のみ累積する場合でもよく、モータ3a,3bの加速度が負の場合には、位置偏差c1,c2と修正位置偏差d1,d2との差分が負の場合のみ累積する場合でもよい。
符号を変えた整形量同期部4bは、このような更新後位置補正量p1,p2を入力として同期後位置補正量iの算出を、整形量同期部4aと同様の方法で行うことになる。図5は、位置補正量の時間変化の一例を示す図である。図5では、時刻毎に、第一軸と第二軸の位置補正量と、更新後位置補正量と、同期後位置補正量との各変化が示されている。図5に示すように、位置補正量h1,h2と更新後位置補正量p1,p2は、軸毎に異なる飽和値を示す場合、整形量同期部4bが算出する同期後位置補正量iでは、各軸で等しい飽和値となる。
ここで、位置偏差c1,c2から同期後位置補正量iを差し引いて補正後位置偏差p1,p2を求めるということは、同期制御を行う2軸のうち少なくとも1つの軸がモータ3a,3bの最大制御入力でも追従することができない移動分を各軸同タイミングで逐次放棄(無視)していることを示している。これは、現時点で位置偏差c1,c2が過大な状態であっても、過去に位置補正を行った位置補正量h1,h2が累積された分だけ、現時点での位置偏差c1,c2を小さく見積もっていること(つまり補正後の位置偏差を計算していること)と等価となる。これによって、現時点における位置指令増分と位置検出値の増分との関係により、位置補正量h1,h2を計算することが可能となる。
したがって、位置制御系を有する制御系に対して速度指令を行う場合、従来技術では、加速中(または減速中)に位置の補正を受けると、速度検出値が指令速度に到達した時点でも位置偏差c1,c2が過大状態のままになり、速度検出値がオーバーシュートしてしまい、ワインドアップ現象を招来するという問題があったが、本実施の形態4によれば、速度検出値が速度指令値に到達した時点で位置偏差c1,c2が過大となることを防ぐことができ、オーバーシュートやワインドアップ現象の発生を防止することが可能となる。
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図6では、図4(実施の形態4)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態5に関わる部分を中心に説明する。
本実施の形態5では、図4(実施の形態4)にて説明した位置補正量の更新によって位置指令と位置検出値との間に生じたずれを解消する場合ついて説明する。
図6に示すように、本実施の形態5によるモータ同期制御装置1eは、図4(実施の形態4)に示した構成において、一回転内位置補正部22が追加して設けられている。
一回転内位置補正部22は、同期後位置補正量iを入力とし、一回転内位置補正後位置補正量rを出力する。位置補正量更新部20a,20bは、図4に示した同期後位置補正量iに代えて、一回転内位置補正後位置補正量rを入力として更新後位置補正量p1,p2を計算する。指令値整形部6a,6b内の修正位置偏差d1,d2を算出する減算器12a,12bは、位置偏差c1,c2から減算する信号を、同期後位置補正量iに代えて一回転内位置補正後位置補正量rとしている。
一回転内位置補正部22は、同期後位置補正量iについて次の(A)〜(B)の処理を行って一回転内位置補正後位置補正量rを算出する。
(A)一回転内位置補正部22は、同期後位置補正量iの一回転内(一回転未満)の位置補正量を、正規化する、多回転分の更新後位置補正量を放棄(無視)する、多回転分の位置補正量を加減算する、などによって算出する。
(B)次に、一回転内位置補正部22は、全ての軸の位置補正量h1,h2がゼロ(全ての軸で、補正後位置偏差n1,n2よりも参照位置偏差m1,m2の方の絶対値が小さい場合)で、正規化した位置補正量が0以外の場合は、補正後位置偏差n1,n2と参照位置偏差m1,m2との差分を上限として、正規化した位置補正量を一回転内位置補正後位置補正量rとして出力する。なお、一回転内位置補正後位置補正量nは、各軸共通の所定時定数により移動平均処理を施した値となるように算出する場合でもよい。
(C)また、一回転内位置補正部22は、同期後位置補正量iから(1)にて算出した一回転内位置補正量を減算し、それを一回転内位置補正後位置補正量rとして出力する。
これによって、モータ3a,3bの位置検出値b1,b2と位置指令aとの各一回転位置が一致するように補正できるので、図4(実施の形態4)にて説明した位置補正量の更新によって位置指令と位置検出値との間にずれが生じないようにすることができる。
このように、本実施の形態5によれば、制御入力が制限範囲を超過することなく、かつ同期制度を維持した状態で、位置指令と位置検出値の各一回転内位置を一致させることができるので、位置ずれすることなく位置決めすることが可能となる。これによって、例えば、同期状態の2軸に他の軸との位相を同期させて駆動ことが可能となる。
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図7では、図6(実施の形態5)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態6に関わる部分を中心に説明する。
本実施の形態6では、実施の形態5と同様に、図4(実施の形態4)にて説明した位置補正量の更新によって位置指令と位置検出値との間に生じたずれを解消する場合ついて説明する。
図7に示すように、本実施の形態6によるモータ同期制御装置1fでは、図6(実施の形態5)に示した構成において、整形量同期部4bおよび一回転内位置補正部22に代えて、整形量同期部24a,24bおよび一回転内位置補正部25a,25bが各軸のモータ駆動制御装置に追加されている。
減算器21a,21bは、位置偏差c1,c2から減算する信号を一回転内位置補正部25a,25bが出力する一回転内位置補正後位置補正量r1,r2として補正後位置偏差n1,n2を算出し、位置補正量算出部18a,18bに出力する。
位置補正量更新部20a,20bは、位置補正量算出部18a,18bが出力する位置補正量h1,h2と一回転内位置補正部25a,25bが出力する一回転内位置補正後位置補正量r1,r2とを入力として、更新後位置補正量p1,p2を算出する。
整形量同期部24a,24bは、それぞれ、位置補正量更新部20a,20bが算出した更新後位置補正量p1,p2を入力として同期後位置補正量j1,j2を算出する。
一回転内位置補正部25a,25bは、整形量同期部24a,24bから入力する同期後位置補正量j1,j2について図6(実施の形態5)にて説明した(A)〜(C)の処理を行って一回転内位置補正後位置補正量r1,r2を算出する。
指令値整形部6a,6b内の修正位置偏差d1,d2を算出する減算器12a,12bは、位置偏差c1,c2から減算する信号を、一回転内位置補正後位置補正量rに代えて一回転内位置補正後位置補正量r1,r2としている。
このように各軸に整形量同期部と一回転内位置補正部とを設ける構成でも、実施の形態5と同様に、制御入力が制限範囲を超過することなく、かつ同期制度を維持した状態で、位置指令と位置検出値の各一回転内位置を一致させることができるので、位置ずれすることなく位置決めすることが可能となり、例えば、同期状態の2軸に他の軸との位相を同期させて駆動ことが可能となる。
加えて、本実施の形態6によれば、各軸に整形量同期部と一回転内位置補正部とを設けることにより、各軸における処理構造が単純化されるため、同期制御を行う軸数が増えた場合に特に有効な形態となる。
実施の形態7.
本実施の形態7では、実施の形態1〜6において、同期する軸の間の通信経路で、通信遅れなどの無駄時間が存在する場合の補正方法について説明する。ここでは、説明の便宜から、図2(実施の形態2)に示したモータ同期制御装置1bを用いて、同期する軸の間の通信経路において、通信遅れなどの無駄時間が存在する場合の補正方法について説明する。
図8は、本発明の実施の形態7によるモータ同期制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図8では、図2(実施の形態2)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、本実施の形態7に関わる部分を中心に説明する。
図8に示す本実施の形態7によるモータ同期制御装置1gでは、図2(実施の形態2)に示した構成において、第一軸と第二軸のモータ駆動制御装置間の同期を取る通信経路である第一軸の位置補正量算出部5aと第二軸の整形量同期部14bとの間と、第二軸の位置補正量算出部5bと第一軸の整形量同期部14aとの間とに、それぞれ無駄時間が存在する場合に、それぞれの通信経路に無駄時間補正部27a,27bが設けられている。
無駄時間補正部27a,27bは、位置補正量h1,h2を入力として、無駄時間補正後位置補正量s1,s2を出力する。各軸の整形量同期部14a,14bは、各軸の位置補正量h1,h2に代えて、自軸の位置補正量と他軸の無駄時間補正後位置補正量とに基づき自軸の同期後位置補正量を算出する。すなわち、第一軸の整形量同期部14aは、第一軸の位置補正量h1と第二軸の無駄時間補正後位置補正量s2とに基づき第一軸の同期後位置補正量j1を算出する。第二軸の整形量同期部14bは、第一軸の無駄時間補正後位置補正量s1と第二軸の位置補正量h2とに基づき第二軸の同期後位置補正量j2を算出する。
無駄時間補正部27a,27bは、それぞれ同様の動作を行う。すなわち、無駄時間補正部27a,27bは、次の式(10)に示すように、位置補正量PCに、位置補正量PCの微分値(差分値)VCと補正時間TCとの乗算値を加算し、無駄時間補正後位置検出値PC’を出力する。
PC’=PC+VC×TC …(10)
なお、位置補正量PCが無駄時間TDを含む信号の場合、補正時間TCを無駄時間TDとして式(10)を計算することで無駄時間に対する補正を行うことができる。また、位置補正量PCが離散値の場合、VCは、位置補正量PCの差分値であるので、次の式(11)で計算することができる。
VC(t)=PC(t)―PC(t−1) …(11)
なお、式(11)において、tは制御系の補間周期を定数倍した時刻とする。
このように、本実施の形態7によれば、位置補正量が無駄時間分遅れた状態で、位置補正量の同期を取る場合でも、無駄時間の影響を小さくすることが可能となり、制御入力制限に対し正確な指令値整形が可能となる。
また、補正時間TCを推定時間TEとすることで、修正位置指令を予測することが可能となる。なお、本実施の形態7にて説明した無駄時間補正方法は、無駄時間が存在する経路を同期する軸の間に限定するものではなく、モータ駆動制御装置の内部信号や位置指令生成装置とモータ駆動制御装置との間に無駄時間を含む場合についても適用可能とするものである。
以上のように、本発明にかかるモータ同期制御装置は、各軸の制御入力が制限を受ける場合であっても、高精度に各軸の同期を維持することを可能にするモータ同期制御装置として有用である。
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g モータ同期制御装置
2 位置指令生成装置
3a,3b モータ(サーボモータ)
4a,4b,14a,14b,24a,24b 整形量同期部
5a,5b,18a,18b 位置補正量算出部
6a,6b 指令値整形部
7a,7b 制御入力計算部
8a,8b,16a,16b 制御入力制限部
9a,9b 位置検出器
11a,11b,12a,12b,21a,21b 減算器
17a,17b 参照位置偏差算出部
20a,20b 位置補正量更新部
22,25a,25b 一回転内位置補正部
27a,27b 無駄時間補正部

Claims (1)

  1. 2軸以上のモータを個別に駆動する2以上のモータ駆動制御装置のそれぞれが生成する、各軸に共通の位置指令と自軸モータで検出された位置検出値との差分である自軸モータの位置偏差を用いてモータへの制御入力を計算するモータ制御装置において、
    前記2以上のモータ駆動制御装置のそれぞれは、
    前記制御入力に対する制限値又は前記制限値の定数倍の値である参照制御入力を少なくとも入力とし、御入力計算部の出力から前記制御入力計算部の入力を得る関係式を用いて前記位置指令と前記位置検出値との差分である位置偏差との大小を比較するための値である参照位置偏差を算出する参照位置偏差算出部と、
    前記位置偏差の絶対値と前記参照位置偏差の絶対値とを比較し、前記参照位置偏差の絶対値が前記位置偏差の絶対値よりも小さい場合は、前記位置偏差と前記参照位置偏差との差分を算出して位置補正量を出力し、前記参照位置偏差の絶対値が前記位置偏差の絶対値よりも大きい場合は、前記位置補正量をゼロにして出力する位置補正量算出部と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、
    前記位置補正量を入力とし、前記2以上の位置補正量のうち最も応答の遅い軸の位置補正量を同期後位置補正量として選択する整形量同期部を備え、
    前記制御入力計算部は、自軸の前記位置偏差から前記同期後位置補正量を減算した修正位置偏差を入力信号として自軸モータへの制御入力を計算する、
    ことを特徴とするモータ同期制御装置。
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