JP2022082363A - 同期電動機の制御装置 - Google Patents

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【課題】実機の挙動を直感的に把握することが可能な同期電動機の制御装置を提供する。【解決手段】モータMのコントローラ20(同期電動機の制御装置)は、インバータ30に接続されている。また、コントローラ20は、dq軸の電流を算出するdq軸の電圧方程式として、モータMに流れる電流の検出に伴って発生するむだ時間、モータMに印加する電圧の出力に伴って発生するむだ時間、及び電気角の検出に伴って発生するむだ時間に関するパラメータが含まれた数式を用いてモータの制御を行うように構成されている。また、パラメータは、モータMにおける磁束飽和及び干渉特性、及び抵抗の温度特性に関するパラメータをさらに含むとよい。【選択図】図3

Description

本発明は、同期電動機の制御装置に関する。
従来、同期電動機の制御装置が提案されている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
特許文献1には、同期電動機(モータ)の制御装置が開示されている。特許文献1に開示された同期電動機の制御装置では、磁極位置の推定手段に設定するモータ特性を表現するパラメータとして、5つの異なる物理的意味を有する数値が用いられることにより、軸間の相互干渉磁束を考慮した磁極位置推定演算が行われ、モータの高精度な速度及び位置のセンサレス制御が可能となっている。
非特許文献1には、表面磁石形同期モータ(Surface mounted Permanent Magnet Synchronous Motor:以下「SPMSM」と記載する)が開示されている。一般的に、SPMSMは、その構造から内部磁石形同期モータ(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:以下「IPMSM」と記載する)に比して、コギングトルク、トルクリップル及び突極性が少ない。この特徴により、SPMSMは、電流制御器の設計が比較的容易であり、現在でも多く使用されている。
これらのモータが使用されるFAの分野では,近年,消費者ニーズの多様化から、製品の多様化及びサイクルタイム短期化が進んでいる。この傾向が強まるにつれて、製品を生産する製造ライン自体も多様化や頻繁な立ち上げ、装置組み換え、段取り替え等を行うようになってきている。製品そのものや生産ラインの構成要素の一部であるドライバ・モータ系においても、顧客の要望に応じて様々な機種を素早く開発及び上市することが求められており、SPMSMも例外ではない。さらに、ドライバ・モータ系に対して多様化及び開発期間の短縮化が求められる一方で、高速性及び高精度性に対する要望も依然として強い。
これらの要望に対して、ドライバ・モータ系を本格的に開発着手する前あるいは開発初期において、性能指標となるモータの挙動とドライバ・モータ系の物理的特性との関係を正確に把握する必要がある。特に、制御器設計の際には、モータ本体の数学モデルだけでなく、制御器にとっての入出力むだ時間を含めたモデルが必要になる。
特開2011-50168号公報
M. Ahmad, High Performance AC Drives, vol. 1. 2010.
従来、高精度なモータ制御のための様々なモデルが発明されている。例えば、上記特許文献1に開示された同期電動機の制御装置のように、実機モータの挙動に大きな影響を与えるd軸及びq軸の磁極位置推定手段に基づいて、制御対象となるモータに対して、インバータからの適切な電圧制御をする手段が提案されている。
このような、各時刻で未来の応答を予測しながら最適化を行う「モデル予測制御」においては、予測モデル(制御対象モデル)によって、実機に対して制御入力を行うが、実機からは各種センサで出力情報を取得するフィードバック制御を行い、予測モデルでの予測値と出力情報から得られる各種出力値から、目的とする挙動を実現するための状態方程式の最適化問題を解き、この結果を制御入力とする、というサイクルを各サンプリング時間においてダイナミックに繰り返し、目的とする挙動を得ること、となる。
一方で、このようなモータ制御手法においては、実際には、システムを構成する「実機モータ」、「回路」、及び「制御器」が関係するが、これまでに、これらのハード及びソフトに関連する制御指標が一意に導入された予測モデルが提案されてきておらず、予測モデル「のみ」からモータの挙動を直感的に把握したり制御器や状態推定器の設計が困難になったりする場合があった。
非特許文献1に開示されるようなモータの挙動を正確に表すためには磁束飽和(magnetic saturation)、軸間の相互干渉磁束(cross coupling)、抵抗の温度特性、及び入出力むだ時間をモデルに反映する必要があることが多くの文献で指摘されており、これらの特性を表す様々なモデルが提案されている。
しかしながら、少なくともSPMSMにおいては、モータの設計で考慮すべき物理的な特性とモデルパラメータの関係を容易に把握できるようなモデルは少なく、ドライバ・モータ系の設計及び開発が試行錯誤的になることの一因になっており、開発期間短縮や多機種展開の妨げにもなる。
上記のような観点から、モデルの構造及びパラメータの物理的な意味を把握することは喫緊の課題であるといえる。そして、実機モータ設計、回路設計、及び制御器設計に関する各性能指標が導入された制御対象モデルを提案し、実機モータの挙動を直感的に把握しやすい、すなわちヒューリスティックなモデルが望まれている。
本発明は、上記問題点を解消すべくなされたものであって、実機の挙動を直感的に把握することが可能な同期電動機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成されている。
(1)本発明による同期電動機の制御装置は、インバータに接続された同期電動機の制御装置であって、dq軸の電流を算出するdq軸の電圧方程式として、前記同期電動機に流れる電流の検出に伴って発生するむだ時間、前記同期電動機に印加する電圧の出力に伴って発生するむだ時間、及び電気角の検出に伴って発生するむだ時間に関するパラメータが含まれた数式を用いて前記同期電動機の制御を行うこと、を特徴とする。
上記構成によれば、実機モータ設計、回路設計、及び制御器設計等に関してむだ時間に関するパラメータが導入されるため、モータ及び回路の設計及び開発等において考慮すべき物理的な特性とモデルパラメータの関係を容易に把握することができる。このため、実機の挙動を表すと共に、モータと回路それぞれの設計パラメータを導入して直感的に把握しやすい、すなわち、ヒューリスティックなモデルとすることができる。
(2)本発明による同期電動機の制御装置において、前記パラメータは、前記同期電動機における磁束飽和及び干渉特性、及び抵抗の温度特性に関するパラメータをさらに含むとよい。このように構成すれば、実機モータ設計、回路設計、及び制御器設計等に関して磁束飽和及び干渉特性、及び抵抗の温度特性に関するパラメータが導入されるため、モータ及び回路の設計及び開発等において考慮すべき物理的な特性とモデルパラメータの関係をより高い精度で把握することができる。
(3)本発明による同期電動機の制御装置において、前記dq軸の電圧方程式は、前記磁束飽和、前記干渉特性、前記抵抗の温度特性、前記電流検出のむだ時間、前記電圧検出のむだ時間、前記通信のむだ時間をパラメータとし、当該パラメータを用いた(式1)であると良い。このように構成すれば、同期電動機における磁束飽和、干渉特性、抵抗の温度特性、電流検出、電圧検出、及び通信のむだ時間等の制御指標が一意に導入された予測モデルを得ることができる。このため、予測モデル「のみ」からモータの挙動を直感的に把握したり制御器や状態推定器の設計を容易にしたりすることができる。
Figure 2022082363000002
本発明に係る態様によれば、実機の挙動を直感的に把握することが可能な同期電動機の制御装置を提供することができる。
本実施形態によるスイッチング回路を示す回路図である。 関数の特性を示すグラフである。 本実施形態による同定用データを取得するためのシステム図である。 モータに与えるdq軸電圧を示すグラフである。 モータの電気角速度(同定用データ)を示すグラフである。 実機応答とモデル応答との比較を示すグラフである。
以下、図1~図6を参照して、本発明の一実施形態に係る同期電動機の制御装置について説明する。これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。
(1 表面磁石形同期モータの数式モデルの導出)
(1.1 磁束飽和・干渉モデル)
表面磁石形同期モータ(SPMSM)の数式モデルに関して、磁束飽和・干渉モデルについて説明する。モータを構成するステータの電流によって生じる磁束に電流依存の非線形性があるとすると、dq軸の電圧方程式は(式2)のように表せる。
Figure 2022082363000003
本実施形態では、上記(式2)で示したように、磁束Ψdqは電流idqより一意に定まるものとする。すなわち、磁束の電流に対するヒステリシス特性は考慮しないものとする。
ここで、磁束飽和の原理を以下に概説する。磁性体は小さな磁石(磁気双極子)の集まりである。磁化されていない磁性体はたくさんの磁気双極子がランダムな方向を向いている。磁気双極子の最もミクロ的な表現は不対電子の自転(スピン)である。電子は質量を持つ。磁場がない状態では、電子の公転の回転軸と自転の回転軸は同じ方向を向いている。磁場がかかると、不対電子は歳差運動をしながら自転と公転の向きを変えていく。歳差運動を始めた電子の自転ベクトルの向きの単位時間平均は、もともとの向きとは異なる成分(磁場と同じ方向の成分)を持つ。これがたくさん集まって磁性体の磁化という現象がおこる。さらに磁場を強くしていくと磁性体中の全ての不対電子の自転の軸の向きが一致し、これ以上磁化できない状態になり、磁束飽和が起きる。
上記の現象における磁場Hと磁束密度Bの関係はtanh(・)関数で表されることが統計力学の分野で知られている。本実施形態では、dq軸座標系において重ねあわせの原理が成り立つと仮定し、(式3)のように磁束を表すことにする。
Figure 2022082363000004
上記(式3)におけるCxy,sat及びCxy,gradは、BH曲線(曲面)において以下の特徴量を表す。なお、ここで添字のx及びyは、d及びqのいずれかを意味する。Cxy,satは、y軸電流によって発生するx軸の磁束の飽和値である。Cxy,gradは、y軸電流によって発生するx軸の磁束の原点近傍におけるx方向の傾きである。上記の磁束の定義により磁束飽和・干渉を表現することができる。
(1.2 抵抗の温度依存性)
次に、抵抗の温度特性のモデルを考える。一般的に、伝導体における電気的な抵抗は、以下の特徴を持つ。ステータの巻線の温度が上がれば、抵抗値が上がる。ステータの巻線は、熱容量を持つ。ステータの巻線の抵抗で消費される電力量が熱量に変わる。その熱量により温度が上昇する。ステータと、ステータに触れている周辺(主に空気)の温度差が生じると、その周辺に熱量が拡散する。ステータから周辺に拡散した(逃げた)熱量の分だけ温度が下がる。上記の特徴により抵抗値は、ある温度近傍で近似的に(式4)のような動特性を持つ。
Figure 2022082363000005
(1.3 むだ時間のモデリング)
モータの電気角の検出にはエンコーダが用いられることが多く、高速及び高精度応答を追い求める制御器設計においては、エンコーダの通信によるむだ時間が無視できなくなる。また、モータに流れる電流の検出及びモータに印加する電圧の出力にもそれぞれむだ時間が存在する。これらのむだ時間により、本来のdq軸と,ドライバ(コントローラ)が認識しているdq軸は異なる。このため、検出した3相の電流値とエンコーダ値から得られるdq軸電流値とは、実際のdq軸電流に対して誤差を持つ。ドライバ内部に電流制御器を設計する際には、これらの誤差を補正したモデルを使う必要がある。
本実施形態では、電流検出、電気角検出、及び電圧指令におけるむだ時間はそれぞれ一定であり、かつ互いに異なる値になり得ると仮定する。この仮定から、むだ時間によって発生する電圧指令ベクトルと実際に印加される電圧ベクトルとでは、位相角がモータの回転速度に比例する誤差を持つと考えられる。電流ベクトルにおいても同様のことが言える。よって、この位相角の誤差とむだ時間そのものをモデルに組み込むと(式5)になる。また、与える電圧が小さい場合は、デッドタイムの項を(式5)に追加すれば良い。
Figure 2022082363000006
(1.4 スイッチング回路のデッドタイムのモデリング)
次に、デッドタイムにおける指令電圧及び実効電圧の誤差の数式モデルについて述べる。まず、図1に示すように、理想的なスイッチング回路10を想定する。
図1に示すように、スイッチング回路10は、6つのスイッチング素子S1~S6と、3つの電気的なインピーダンスRP1~RP3と、1つの平滑化コンデンサCsmthとを備えている。スイッチング素子S1~S6は、ダイオードを含むものである。インピーダンスRP1~RP3は、ここでは簡単化のため抵抗とし、抵抗値はUVW相全てRとする。平滑化コンデンサCsmthは、ここでは簡単化のためコンデンサ容量は十分に大きいものとする。図1に示す矢印(VPN、vPu、vPv、vPw)はN側を基準とする電位である。
図1に示すように、端子A1は、平滑化コンデンサCsmthの一方端子と、スイッチング素子S1、S2、及びS3の一方端子とに接続されている。スイッチング素子S1の他方端子は、インピーダンスRP1の一方端子と、スイッチング素子S4の一方端子と、端子B1とに接続されている。端子B1には、電流iが流れる。
スイッチング素子S2の他方端子は、インピーダンスRP2の一方端子と、スイッチング素子S5の一方端子と、端子B2とに接続されている。端子B2には、電流iが流れる。
スイッチング素子S3の他方端子は、インピーダンスRP3の一方端子と、スイッチング素子S6の一方端子と、端子B3とに接続されている。端子B3には、電流iが流れる。
端子A2は、平滑化コンデンサCsmthの他方端子と、インピーダンスRP1、RP2、及びRP3の他方端子と、スイッチング素子S4、S5、及びS6の他方端子と、アースEとに接続されている。
図1において、スイッチング素子S1~S6が理想的なON/OFF特性及び理想的なダイオード特性を持ち、インピーダンスRP1~RP3が単純な抵抗であることを考慮すると、回路図における電位Vpu,Vpv,Vpw(図2に示す縦軸)は、それぞれ電流ipu,ipv,ipw(図2に示す横軸)の関数として表現できる。
本実施形態におけるモータMのコントローラ20は、(式1)におけるdq軸の電圧方程式に設定される各パラメータを用いてdq軸電流を算出するように構成されている。この(式1)は、磁束飽和及び干渉特性(モデル)(式2及び式3)に対して、抵抗の温度特性(式4)、及び各むだ時間(式5)に関する算出式等を組み入れる(代入する)ことにより、これらの特性が考慮された算出式である。
Figure 2022082363000007
(2 実機応答を使ったモデルの最適化と評価)
(2.1 同定用データ取得の実験条件)
本実施形態においてコントローラ20(同期電動機の制御装置)による制御を実施するための、同定用データを取得するシステムと条件を示す。システムは、図3に示すように、モータM(同期電動機)と、インバータ30と、コントローラ20(制御装置)とを備えている。モータMには、モータMの電気角を検出するエンコーダ40が設けられている。エンコーダ40とコントローラ20とは電気的に接続されている。コントローラ20とインバータ30とは、電気的に接続されている。インバータ30とモータMとは、電気的に接続されている。コントローラ20は、モータMのエンコーダ40に対して、電気的な信号を送信する。コントローラ20は、インバータ30に対して、三相スイッチング信号を送信する。インバータ30は、主にスイッチング回路10(図1参照)により構成され、モータMに対して三相電圧を印加する。
次に、同定用データ取得の条件を示す。本実施形態では、磁束飽和・干渉・抵抗の温度特性が表れやすいと考えられる、以下の条件で同定用のデータを測定した。
まず、モータMの回転速度が仕様上の最高回転速度に達するまで最大トルク指令を印加する。次に、モータMの回転速度が最高回転速度に達したら、電流指令の符号を反転させ減速させる。最後に、モータMの回転速度が0になったら電流指令を0にする。
上記条件で得るデータは、図4に示すdq軸電圧、図5に示す電気角速度、及び、図6に示すdq軸電流である。図4に示すdq電圧は、縦軸が電圧[V]を示し、横軸が時間[s]を示している。図5に示す電気角速度は、縦軸が角速度[rpm]を示し、横軸が時間[s]を示している。図6に示すdq軸電流は、縦軸が電流[A]を示し、横軸が時間[s]を示しており、「actual id(iq)」が実機(モータ)の計測データ(結果)を示し、「model id(iq)」が計測データに基づいて得られたモデルの応答データ(結果)である。
なお、パラメータはMATLAB(登録商標)のrminsearchコマンドを用いて最小二乗法により求めた。また、モデルの応答の計算にはMATLAB(登録商標)の微分方程式のソルバode45を用いた。
(2.2 モデルの評価)
実機の計測結果から、モデルへの入力としてdq軸電圧を使い、電気角速度と、その計測データを用いてパラメータを最適化して得られたモデルの応答との比較結果を図6に示す。この際、コントローラ20は、上記(式1)を用いて、モデルの応答としてのdq軸電流「model id(iq)」を算出(出力)する。そして、「model id(iq)」と、実機の応答としての「actual id(iq)」との比較(評価)が行われる。
図6に示すように、「model id」と「actual id」とが重なっているとともに、「model iq」と「actual iq」とが重なっている。すなわち、モデルにおけるdq軸電流が、実機におけるdq軸電流の応答を正確に再現できていることが分かる。このようにして、実機の挙動を表すと共に、直感的に把握しやすい、ヒューリスティックなモデルとすることが可能となる。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果(1)及び(2)を得ることができる。
(1)本実施形態では、dq軸の電流及びdq軸の電圧を算出するdq軸の電圧方程式として、モータに流れる電流の検出に伴って発生するむだ時間、モータに印加する電圧の出力に伴って発生するむだ時間、電気角の検出に伴って発生するむだ時間、モータにおける磁束飽和及び干渉特性、及び抵抗の温度特性に関するパラメータが含まれた数式(式1)を用いてモータの制御を行った。これにより、実機モータ設計、回路設計、及び制御器設計等に関して各パラメータが導入されるため、モータ及び回路の設計及び開発等において考慮すべき物理的な特性とモデルパラメータの関係を容易に把握することができる。このため、実機の挙動を表すと共に、モータと回路それぞれの設計パラメータを導入して直感的に把握しやすい、すなわち、ヒューリスティックなモデルとすることができる。
(2)本実施形態では、dq軸の電圧方程式に用いられるパラメータを以下のように設定して(式1)により算出した。これにより、モータにおける磁束飽和、干渉特性、抵抗の温度特性、電流検出、電圧検出、及び通信のむだ時間等の制御指標が一意に導入された予測モデルを得ることができる。このため、予測モデル「のみ」からモータの挙動を直感的に把握したり制御器や状態推定器の設計を容易にしたりすることができる。
(変形例)
上記実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
上記実施形態では、コントローラによる制御の一例として、各むだ時間、磁束飽和・干渉、及び抵抗温度特性を考慮したパラメータを用いて算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、主に各むだ時間が考慮されていれば、磁束飽和・干渉、及び抵抗温度特性を考慮したパラメータは必ずしも用いる必要はない。より実機の挙動を直感的に把握したい場合に、磁束飽和・干渉、抵抗温度特性、及びその他のパラメータを考慮して算出すると良い。
上記実施形態では、コントローラによる算出の一例として、(式1)を用いて算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、各むだ時間に関するパラメータを用いてその他の算出式により算出することも可能である。
上記実施形態では、同定用データを取得するシステムの構成例として、モータM、コントローラ、及びインバータを電気的に接続して構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、コントローラがモータM内に組み込まれていてもよいし、他の装置を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施形態は、いずれも本発明の適応の例示であり、特許請求の範囲に記載の範囲内におけるその他いかなる実施形態も、発明の技術的範囲に含まれることは当然のことである。
10 スイッチング回路
20 コントローラ(制御装置)
30 インバータ
M モータ(同期電動機)

Claims (3)

  1. インバータに接続された同期電動機の制御装置であって、
    dq軸の電流を算出するdq軸の電圧方程式として、前記同期電動機に流れる電流の検出に伴って発生するむだ時間、前記同期電動機に印加する電圧の出力に伴って発生するむだ時間、及び電気角の検出に伴って発生するむだ時間に関するパラメータが含まれた数式を用いて前記同期電動機の制御を行うこと、を特徴とする同期電動機の制御装置。
  2. 前記パラメータは、前記同期電動機における磁束飽和及び干渉特性、及び抵抗の温度特性に関するパラメータをさらに含むこと、を特徴とする請求項1に記載の同期電動機の制御装置。
  3. 前記dq軸の電圧方程式は、前記磁束飽和、前記干渉特性、前記抵抗の温度特性、前記電流検出のむだ時間、前記電圧検出のむだ時間、前記通信のむだ時間をパラメータとし、当該パラメータを用いた(式1)であること、を特徴とする請求項2に記載の同期電動機の制御装置。
    Figure 2022082363000008
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